JP2002285318A - セラミックス被覆金属物品の製造方法 - Google Patents

セラミックス被覆金属物品の製造方法

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JP2002285318A
JP2002285318A JP2001086491A JP2001086491A JP2002285318A JP 2002285318 A JP2002285318 A JP 2002285318A JP 2001086491 A JP2001086491 A JP 2001086491A JP 2001086491 A JP2001086491 A JP 2001086491A JP 2002285318 A JP2002285318 A JP 2002285318A
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ceramic
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Eiji Kamijo
榮治 上條
Kazuo Taneoka
一男 種岡
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KAOS KK
Ryukoku University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス被覆金属物品の製造方法とし
て、金属物品の表面部も含めて、窒素、炭素又はその両
者の含有比率が漸次変化する傾斜組成構造を簡単に得る
ことができるものを提供する。 【解決手段】 金属物品の表面上に、浸炭窒化可能な金
属の窒化物、炭化物又は浸炭窒化物の単層又は複層から
なるセラミックス被膜を形成した後、プラズマ窒化処
理、プラズマ浸炭処理又はプラズマ浸炭窒化処理をし
て、窒素、炭素又はその両者をセラミックス被膜の内部
及び金属物品の表面部に拡散浸透する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、耐摩耗性や耐熱
性などの寿命関連特性をアップするために、表面上に浸
炭窒化性金属(Ti、Crなど)の窒化物(TiN、C
rNなど)又は炭化物(TiC、CrCなど)或いは浸
炭窒化物(炭窒化物)(TiCNなど)の単層又は複層
からなるセラミックス被覆を施す工具、金型、機械部品
などの金属物品(部材)の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来においては、この種のセラミックス
被覆の金属物品は、特に物理的蒸着法(イオンプレーテ
ィング法、真空蒸着法、スパッタリング法など)や化学
的蒸着法(プラズマCVD法)によって、金属物品の表
面上に直接セラミックス被膜を形成することにより製造
されている。
【0003】しかしこのようにして製造した金属物品に
おけるセラミックス被膜には、特に金属物品(母材)と
の界面部における脆弱な白層の生成を含めた金属物品と
の密着性の問題や結晶構造の不安定性(化学量論組成か
らのずれ)の問題が指摘されている。
【0004】このような問題の解消策の一つとして、セ
ラミックス被膜を、外側から内側に向かって、窒素又は
炭素或いはその両者の含有比率が漸減する傾斜組成にす
ることが有効とされ、このためにセラミックス被膜の形
成過程において、不活性ガス(アルゴンガスなど)と活
性ガス(窒素含有ガス、炭素含有ガスなど)の分圧を順
次変化させることが提案されているが、このガス圧力を
変化させながらの成膜操作は極めて煩雑で、時間がかか
るとともに、組成変化も不連続になり易いことから、一
般化するに至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな状況に鑑み、特にセラミックス被膜のみでなく金属
物品の表面部も含めて、窒素又は炭素或いはその両者の
含有比率が連続的に漸次変化する傾斜組成を得ることが
できる能率的で安価な方法を提供することを課題として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、上記
の課題は、第一には、金属物品の表面上に、浸炭窒化可
能な金属の窒化物又は炭化物或いは浸炭窒化物の単層又
は複層からなるセラッミス被膜を形成した後、減圧下に
おけるプラズマを介した窒化(プラズマ窒化)又は浸炭
(プラズマ浸炭)或いは浸炭窒化(プラズマ浸炭窒化)
処理をして、窒素又は炭素或いは窒素と炭素をセラミッ
クス被膜の内部及び金属物品の表面部に拡散浸透するこ
とを特徴とする、セラミックス被覆金属物品の製造方法
によって解決し、第二には、金属物品の表面上に、浸炭
窒化可能な金属層(金属被膜)を介して、浸炭窒化性金
属の窒化物又は炭化物或いは浸炭窒化物からなるセラミ
ックス被膜を形成した後、減圧下におけるプラズマを介
した窒化又は浸炭或いは浸炭窒化処理をして、窒素又は
炭素或いは窒素と炭素をセラミックス被膜の内部及び浸
炭窒化性の金属層の内部並びに金属物品の表面部に拡散
浸透することを特徴とする、セラミックス被覆金属物品
の製造方法によって解決する。
【0007】この発明の製造方法は、要約すれば、金属
物品に対する直接又は金属層を介した間接的なセラミッ
クス被膜の形成後に、プラズマを介した窒化等の処理に
よる窒素又は炭素或いはその両者のセラミックス被膜と
金属物品或いは金属層とセラミックス被膜及び金属物品
に対する拡散浸透を行うことを特長とするもので、この
プラズマを介した窒素等の拡散浸透によれば、プラズマ
の高エネルギーの点から、金属物品の表面部の深部まで
迅速に行われ、かつ窒素又は炭素或いは両者の比率が内
方に向かって連続的に漸減する傾斜組成になるという形
で行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の第一の製造方法におけ
るセラミックス被膜の形成及び第二の製造方法における
金属層とセラミックス被膜の形成は、物理的蒸着法や化
学的蒸着法などで行うことができる。
【0009】例えば物理的蒸着法の典型例であるアーク
放電式イオンプレーティング法により第一の製造方法に
おける成膜を行う場合には、金属物品を収容した真空容
器内において、活性ガスとしての窒素含有ガス又は炭素
含有ガス或いはこれらの混合ガスを導入しながら、真空
アーク放電によりカソードとしての被膜形成用金属を蒸
発させてイオン化して、ガスとイオン化金属を反応させ
る一方、金属物品に負のバイアス電圧を印加して、その
表面にガスとイオン化金属の反応物である金属の窒化
物、炭化物或いは浸炭窒化物からなるセラミックス被膜
を蒸着する。なおこの操作は、例えば真空容器内の圧力
1.0×10−2Torr、アーク放電電流60〜90
A、バイアス電圧−200Vで、20分間(単層被膜の
場合)或いは1〜2.5分間/層の時間(複層被膜の場
合)行うことができる。
【0010】又第二の製造方法における成膜を行う際に
は、上記の操作の前に、活性ガスは導入せず、アルゴン
ガスなどの不活性ガスのみの導入操作で金属層を形成す
る。
【0011】この発明の第一と第二の製造方法における
プラズマ窒化又はプラズマ浸炭或いはプラズマ浸炭窒化
処理は、上記の成膜工程に連続して或いは成膜工程に連
続せずに、周知のアーク放電式、高周波放電式、マイク
ロ波放電式等のプラズマ発生手段などを用いて行うこと
ができる。
【0012】ここで例えばアーク放電方式を用いて行う
場合には、真空容器内において、活性ガスを導入しなが
ら、プラズマ発生手段を介して、セラミックス被覆金属
物品に直流電圧を印加して、活性ガスをプラズマ化し、
その高エネルギーによりセラミック被覆金属物品を加熱
すると同時に、イオン化した活性ガスの窒素、炭素或い
はこの両者を、セラミックス被覆金属物品の表面に接触
させて、拡散浸透させることにより、窒化、浸炭、浸炭
窒化処理を行う。なおこの操作は、例えば真空容器内の
圧力(全ガス圧力)0.4〜20Toor、金属物品の
印加電圧0〜800V、その加熱温度400〜520℃
で、10〜30分間行うことができる。
【0013】
【実施例】以下金属素材と金属製品に関する実施例を、
プラズマ処理を行わない場合と比較しながら説明する。
【0014】実施例1 6個の工具鋼(SKH51)製円盤状試験片(直径30
mm、厚さ3mm)の表面に、窒素ガスを用いるアーク
放電式イオンプレーティング法(器内圧力1.0×10
−2Torr、アーク放電電流90A、バイアス電圧−
200V、処理時間30分)によって、それぞれ2μ厚
のTiN被膜を形成した後、半数(3個)の試験片につ
いて、水素ガス4:窒素ガス0.5、アルゴンガス1の
混合ガスを用いるアーク放電式プラズマ発生手段による
プラズマ窒化処理(器内圧力4Torr、印加電圧−5
00V、加熱温度450℃、処理時間15分)を行っ
た。
【0015】これらのプラズマ窒化処理分と非プラズマ
窒化処理分について、表面のヌープ硬さ(kg/m
)を測定したところ、前者と後者の平均値は、28
00と2550で、約10%の硬度アップが認められ
た。
【0016】又被膜の密着力として、スクラッチ試験に
よる臨界荷重(kg)を測定したところ、前者と後者の
平均値は13と8で、約60%のアップが認められた。
【0017】さらに各試験片についてX線回折を行った
結果、プラズマ窒化処理によるTiN被膜の結晶性の改
善、化学量論組成への接近による結晶構造の安定化が確
認できた。
【0018】さらに又各試験片の断面を顕微鏡で観察し
たところ、非プラズマ窒化処理分については、母材(工
具鋼)とセラミックス被膜との界面部に、若干の白層が
認められたが、プラズマ窒化処理分については全く認め
られなかった。
【0019】又X線光電子分析法(XPS)により、セ
ラミックス被膜の表面から母材までのTiとNの組成比
を測定した結果、プラズマ窒化処理分については、Ti
/N原子比が1に近づき、スムースな変化を呈している
こと、すなわち母材との界面部では、窒素原子が母材の
比較的深い位置まで浸透しており、組成上も密着性が向
上していることが判明した。
【0020】実施例2 実施例1とは、アーク放電式イオンプレーティング法に
より形成する被膜が母材側に付加する0.5μ厚のTi
層と1.5μ厚のTiN層との積層構造で、Ti層形成
のためにアルゴンガスにより、アーク電流90A、バイ
アス電圧−200V、処理時間5分の処理を付加する点
と、TiN層形成時のガスと処理時間が窒素と25分で
ある点で異なる試験片6個について、実施例1と同様の
ヌープ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)の測定
を行ったところ、前者の平均値が2650と2300、
後者のそれが15と10で、実施例1に近い結果が確認
された。
【0021】実施例3 実施例1とは、被膜が2.0μ厚のZrNで、ガスがア
ルゴンと窒素及びアーク電流が70A、バイアス電圧が
−150Vである点と、プラズマ窒化処理の印加電圧が
−600V、処理時間が20分である点で異なる試験片
6個について、実施例1と同様のヌープ硬さ(kg/m
)と臨界荷重(kg)の測定を行ったところ、前者
の平均値が2500と2200、後者のそれが12と7
であった。
【0022】実施例4 実施例3とは、被膜が母材側に付加する0.5μ厚のT
i層と1.5μ厚のZrN層の積層構造である点と、T
i層の形成のために実施例2のそれの場合と同一の条件
を付加した点、及びZrN層形成時の処理時間が25分
である点で異なる試験片6個について、実施例3と同様
のヌープ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)の測
定を行ったところ、前者の平均値が2300と210
0、後者のそれが12と8であった。
【0023】実施例5 実施例1とは、被膜が0.2μ厚のTiN層と0.2μ
のCrN層の交互積層構造(前者8層、後者7層)で、
TiN層の形成時のガスと処理時間が窒素で2分/層、
CrN層形成時のそれがアルゴン、窒素で2分/層であ
る点と、プラズマ窒化処理時の印加電圧が−500Vで
ある点で異なる試験片6個について、実施例1と同様の
ヌープ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)の測定
を行ったところ、前者の平均値が3360と3000、
後者のそれが15と6であった。
【0024】実施例6 実施例5とは、被膜が母材側に付加する0.5μ厚のT
i層と、それぞれ0.2μ厚のTiN層とCrN層の交
互積層構造(前者8層、後者7層)である点と、Ti層
の形成のために実施例2、4のそれの場合と同一の処理
条件を付加した点で異なる試験片6個について、ヌープ
硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)の測定を行っ
たところ、前者の平均値が3150と2900、後者の
それが16と9であった。
【0025】実施例7 実施例5とは、被膜がそれぞれ0.2μ厚のTiN層と
ZrN層の交互積層構造(前者8層、後者7層)である
点と、CrN層に代わるZrN層の形成のために、アー
ク電流70A、バイアス電圧−150V、処理時間2分
/層の処理を行った点、及びプラズマ窒化処理の温度が
450℃である点で異なる試験片6個について、ヌープ
硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)の測定を行っ
たところ、それぞれ平均値が3200と2950及び1
3と9であった。
【0026】実施例8 実施例7とは、被膜が母材側に0.5μ厚のTi層を付
加するとともに、そのために実施例2、4、6の場合の
それと同じ処理条件を付加した点で異なる試験片6個に
ついて、ヌープ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(k
g)の測定を行ったところ、平均値は3000と286
0及び16と11であった。
【0027】実施例9 実施例1とは、アーク放電式イオンプレーティング法に
おいてメタンガスを用いる点及びプラズマ窒化処理に代
えて、水素ガス1:メタンガス1:アルゴンガス1の混
合ガスによるプラズマ浸炭処理(器内圧力4Torr、
温度420℃、印加電圧−500V、処理時間40分)
を行って、厚さが2μのTiC被膜を形成した点で異な
る試験片6個について、ヌープ硬さ(kg/mm)と
臨界荷重(kg)の測定を行ったところ、前者の平均値
が2550と2300、後者のそれが12と6であっ
た。
【0028】実施例10 実施例9とは、TiC被膜の形成前に、実施例2、4、
6、8と同じ条件で母材側に0.5μ厚のTi層を形成
する点と、TiC層形成時の処理時間が25分で、その
厚さが2.5μである点で異なる試験片について、ヌー
プ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)を測定した
ところ、前者の平均値は2550と2450、後者のそ
れは13と8であった。
【0029】実施例11 実施例1とは、アーク放電式イオンプレーティング法に
おいて窒素ガスとメタンガスを1:1で用いて、2μ厚
のTiCNの被膜を形成する点と、プラズマ窒化処理に
おいて温度500℃で20分処理した後に、実施例9、
10と同一の浸炭処理を付加した点で異なる試験片につ
いて、ヌープ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)
を測定したところ、前者の平均値は2600と230
0、後者のそれは12と8であった。
【0030】実施例12 6個の工具鋼(SKH51)製のヘリカルピニオンカッ
ター(外径60mm、刃幅25mm、刃数48)に、実
施例1と同じ条件のアーク放電式イオンプレーティング
法によって、2μ厚のTiN被膜を形成し、このうち半
数の3個に、実施例1の場合とは処理温度が500℃で
処理時間が20分の点で異なるプラズマ窒化処理を施し
た。
【0031】これらのヘリカルピニオンカッターのう
ち、プラズマ窒化処理分と非プラズマ窒化処理分各1個
について、ヌープ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(k
g)を測定したところ、前者は2900と2600、後
者は15と9であった。
【0032】又残余(各2個)のヘリカルピニオンカッ
ターについて、プラズマ窒化処理分については、ダクタ
イル鋳鉄(FCD−700)製の歯車素材(外径100
mm、軸長40mm)200個について、非プラズマ窒
化処理分については同じ歯車素材100個について、い
ずれも同じ切削条件(カッターストローク数600回/
mim、同長さ22mm、切り込み量0.6mm、同速
度0.01mm/ストローク、円周送り速度1.27m
m/ストロークなど)で、ヘリカル歯車(外径62m
m、歯幅2mm、歯数47)の切削加工を行った。
【0033】これらの切削加工後のヘリカルピニオンカ
ッターについて、溶着状況と変色状況の外観検査をした
ところ、プラズマ窒化処理分が非プラズマ窒化処理分よ
りも改善されていることが判明した。
【0034】またこれらの断面組織の検査をしたとこ
ろ、非プラズマ窒化処理分は、TiN層が相当摩耗し、
刃先形状が崩れているとともに、母材まで達するクラッ
クやTiN層に微細なクラックが認められるのに対し、
プラズマ窒化処理分は、TiN層の摩耗量が僅少で、安
定しており、刃先形状の崩れもないことが確認された。
【0035】実施例13 実施例2と、プラズマ窒化処理の温度が500℃である
点で異なるヘリカルピニオンカッター6個について、ヌ
ープ硬さ(kg/mm)と臨界荷重(kg)の測定を
行ったところ、前者の平均値は2940と2550、後
者のそれは14と8であった。
【0036】実施例14 実施例5とは、いずれも0.5μ厚のTiN層とCrN
層の交互積層構造(前者が3層、後者が2層)である点
と、処理時間がいずれも5分/層である点で異なるピニ
オンカッター6個について、ヌープ硬さ(kg/m
)と臨界荷重(kg)の測定を行った結果、前者は
3050と2600、後者は16と9であった。
【0037】実施例15 実施例6とは、いずれも0.5μ厚のTiN層とCrN
層の交互積層構造(前者が3層、後者が2層)である点
と、これらの層の処理時間がいずれも5分/層である点
で異なるピニオンカッター6個について、ヌープ硬さ
(kg/mm)と臨界荷重(kg)の測定を行ったと
ころ、前者は3000と2650、後者は15と8であ
った。
【0038】実施例16 6個の工具鋼(SKH51)製のホブ(外径60mm)
に、アーク放電式イオンプレーティング法(実施例1、
12と同じ処理条件)によって、2μ厚のTiN被膜を
形成し、このうちの3個に実施例12の場合と同じ処理
条件のプラズマ窒化処理を施した。
【0039】これらのホブのうち、プラズマ窒化処理分
と非プラズマ窒化処理分各1個について、ヌープ硬さ
(kg/mm)と臨界荷重(kg)を測定したとこ
ろ、前者は3020と2700、後者は14と7であっ
た。
【0040】又残余(各2個)のホブのうち、プラズマ
窒化処理分については、ダクタイル鋳鉄(FCD−70
0)製の丸棒状歯車素材(外径42mm、軸長60m
m)2000個について、その他については同じ歯車素
材1000個について、いずれも同じ切削条件(スピン
ドル回転数357rpm、周速67m/min、切削送
り2.5mm/刃)で、スプライン(外径40mm、軸
長60mm)の切削加工を行った。
【0041】これらの切削加工後の各ホブについて、外
観検査と断面組織検査をしたところ、実施例12の場合
と同様に、プラズマ窒化処理分の非プラズマ窒化処理分
に対する優良性が確認された。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の方法は、セラミックス被膜の金属物品との界面部に
おける白層を解消し、結晶構造を安定化するとともに金
属物品に対する密着性を向上して、金属物品の寿命を2
倍以上延長するという極めて実用経済的な効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上條 榮治 滋賀県大津市瀬田大江町横谷1番地の5 学校法人龍谷大学瀬田学舎内 (72)発明者 種岡 一男 滋賀県栗太郡栗東町東坂525番地 株式会 社カオス内 Fターム(参考) 4K028 BA02 BA03 BA12 4K029 AA02 BA17 BA54 BA58 BA60 BB02 BC02 BD05 CA04 DD06 GA02 4K044 AA02 AB10 BA02 BA18 BB01 BB03 BC01 BC05 BC11 CA12 CA13 CA34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属物品の表面上に、浸炭窒化可能な金
    属の窒化物又は炭化物或いは浸炭窒化物の単層又は複層
    からなるセラミックス被膜を形成した後、減圧下におけ
    るプラズマを介した窒化又は浸炭或いは浸炭窒化処理を
    して、窒素又は炭素或いは窒素と炭素をセラミックス被
    膜の内部及び金属物品の表面部に拡散浸透することを特
    徴とする、セラミックス被覆金属物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属物品の表面に、浸炭窒化可能な金属
    層を介して、浸炭窒化性の金属の窒化物又は炭化物或い
    は炭窒化物の単層又は複層からなるセラミックス被膜を
    形成した後、減圧下におけるプラズマを介した窒化又は
    浸炭或いは浸炭窒化処理をして、窒素又は炭素或いは窒
    素と炭素をセラミックス被膜の内部及び浸炭窒化性の金
    属層の内部並びに金属物品の表面部に拡散浸透すること
    を特徴とする、セラミックス被覆金属物品の製造方法。
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