JP2002285221A - 転炉精錬方法 - Google Patents

転炉精錬方法

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JP2002285221A
JP2002285221A JP2001089597A JP2001089597A JP2002285221A JP 2002285221 A JP2002285221 A JP 2002285221A JP 2001089597 A JP2001089597 A JP 2001089597A JP 2001089597 A JP2001089597 A JP 2001089597A JP 2002285221 A JP2002285221 A JP 2002285221A
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Hideki Yokoyama
英樹 横山
Tomomichi Terabatake
知道 寺畠
Yuki Nabeshima
祐樹 鍋島
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、出鋼前における転炉内スラグの固化
を従来より安価且つ迅速に行なえる転炉精錬方法を提供
することを目的としている。 【解決手段】転炉内に保持した溶銑に酸素ガスを吹き込
み及び/又は吹きつけて溶製した溶鋼を、該転炉を傾
け、取鍋へ出鋼するに際して、出鋼直前の溶鋼に、下記
(1)式で計算される量の不活性ガスを吹込み、溶鋼及
びスラグを撹拌し、スラグを冷却、固化させる。 不活性ガス吹込み量(Nm3/t)=スラグ量(kg/
t)×α(Nm3/kg) …(1) ここで、α:係数 また、前記(1)式の係数αの値を、0.01(Nm3
/kg−スラグ量)以上とするのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉精錬方法に係
わり、特に出鋼時に取鍋へ流入するスラグの量を従来よ
り低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】転炉精錬で形成されたスラグは、出鋼時
に転炉を傾けて取鍋へ溶鋼を注入する際に、出鋼口より
溶鋼に伴われて取鍋へ流入することが多い。この取鍋へ
流入したスラグは、連続鋳造によって鋼鋳片を製造する
際にも、該鋼鋳片にそのまま製品欠陥となる介在物とし
て混入するばかりでなく、転炉出鋼後に溶鋼の復燐源と
なる。そのため、従来は、出鋼口の近傍に各種のスラグ
・ストッパー(スラグボール、スイングアーム式、ダー
ツ式等)を設けて、取鍋へのスラグの流入を防止するよ
うにしている。ところが、かかるスラグ・ストッパーだ
けでは、スラグの流入を完全に抑えることはできない。
そこで、特開平7−300610号公報、特開平7−3
00611号公報及び特開平7−300612号公報
は、出鋼前にの転炉内にCaOやMgOを投入して、ス
ラグを冷却、固化することを提案している。スラグが固
化して塊状になれば、前記ストッパでの堰き止め効果が
増加するからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公報に記載された出鋼前の転炉内にCaOやMgO等の
固化剤を添加する方法は、固化剤分だけ精錬コストの上
昇になるのみならず、スラグ量が増加して、その後のス
ラグ処理を行う費用が増加したり、スラグ中に未滓化の
CaOやMgOが増えることによって、スラグの再利用
が困難になるというデメリットもある。そのため、転炉
精錬において、精錬コストの上昇をできるだけ小さくで
きるスラグの固化技術の出現が望まれている。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑み、出鋼前にお
ける転炉内スラグの固化を従来より安価且つ迅速に行な
える転炉精錬方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、CaOやMgO等の固化剤を添加しないこ
とに着眼して鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現
化した。
【0006】すなわち、本発明は、転炉内に保持した溶
銑に酸素ガスを吹き込み及び/又は吹きつけて溶製した
溶鋼を、該転炉を傾け、取鍋へ出鋼するに際して、出鋼
直前の溶鋼に、下記(1)式で計算される量の不活性ガ
スを吹込み、溶鋼及びスラグを撹拌し、スラグを冷却、
固化させることを特徴とする転炉精錬方法である。
【0007】 不活性ガス吹込み量(Nm/t) =スラグ量(kg/t)×α(Nm/kg−スラグ量) …(1) ここで、α:係数 この場合、前記(1)式の係数αの値を、0.01〜
0.1(Nm/kg−スラグ量)とするのが良い。
【0008】本発明によれば、不活性ガスで適切にスラ
グが冷却、固化して塊状物となり、出鋼口で堰き止めら
れるようになる。その結果、スラグの取鍋への流入が安
定して防止できるようになり、以後の鋳造で製造した鋼
鋳片に非金属介在物の混入が著しく低減すると共に、該
鋼鋳片を圧延した鋼板や鋼材の欠陥発生も低減する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0010】本発明は、図1に示すように、転炉精錬に
おいて、精錬終了後、出鋼前に転炉内に任意の短時間だ
け不活性ガスを吹込み、溶鋼及びスラグを撹拌(リンシ
ング)することで、スラグを冷却、固化させ、出鋼する
際に溶鋼に伴われて取鍋へ流出するスラグの量を低減す
るものである。発明者は、吹き止め後の転炉内溶鋼及び
スラグ中に底吹き羽口から0.1〜1分間にわたり不活
性ガスを吹き込む(これをリンシングという)実験を行
った。その結果、不活性ガスの炉内吹込み量(リンシン
グ量)(ここではスラグ量に対する吹込み量(Nm
kg−スラグ)とする)と出鋼時のスラグの硬さとの間
に図7に示す関係が見出された。一般に、スラグの温度
を不活性ガスの顕熱だけで100〜150℃降下させよ
うとすると、莫大な量の吹き込みが必要と考えられる。
しかしながら、この関係は、そのような量を吹き込まな
くても、攪拌によってスラグの自由表面を更新させれ
ば、放射による冷却が増大し、少ない流量でスラグを固
化できることを示している。なお、図7中のスラグ硬さ
は、出鋼時の肉眼観察でスラグの硬さを3段階(0:
軟、1:普通、2:硬)に数値化したもので、各点は、
複数データの平均値を示す。また、スラグの量は、転炉
精錬前に炉へ装入される原料(溶銑、鉄スクラップ、造
滓剤等)、精錬中に投入される成分調整用あるいは脱酸
用の合金等が含有するスラグ形成成分から計算で定まる
予測値である。
【0011】図7から、不活性ガスを0.1〜1分間に
わたり、0.010(Nm/kg−スラグ量)吹き込
めば、ほぼ確実にスラグが固化することがわかる。この
不活性ガス量(Nm/kg−スラグ量)は、式(1)
中のαに相当する。すなわち、α(Nm/kg−スラ
グ)≧0.01であれば、スラグは固化するが、不活性
ガス量が多くなり過ぎると、溶鋼温度の低下量も大きく
なり、昇熱コストのアップを招く結果となりうるため、
0.01≦α≦0.1の範囲とするのが良い。
【0012】また、不活性ガスによる溶鋼の攪拌は、ス
ラグの冷却・固化の他に、溶鋼中の溶存酸素やスラグ中
のFeOを酸素源として、溶鋼中の脱炭・脱燐反応(次
式(2)〜(5))も促進すると考えられる。
【0013】 [C]+[O]→CO(g) …(2) [C]+(FeO)→Fe+CO(g) …(3) 2[P]+5[O]→(P) …(4) 2[P]+5(FeO)→5Fe+(P) …(5) ここで、[C]:溶鋼中の炭素、[O]:溶鋼中の酸
素、[P]:溶鋼中の燐、(FeO):スラグ中のFe
O、(P):スラグ中のP、CO(g):
COガス、Fe:溶鋼中のFe。
【0014】従って、本発明を実施すると、これらの反
応により、出鋼時の溶鋼中溶存酸素濃度、燐濃度及びス
ラグ中の(T.Fe)濃度を低減する効果もある。
【0015】
【実施例】溶銑装入量が260ton/chの底吹き転
炉を用い、低炭素鋼及び極低炭素鋼を多数チャージ溶製
した。そして、従来通りの転炉吹錬後に、即時に出鋼す
る場合(比較例)と、転炉吹錬後に0.5分間だけ、底
吹き羽口より窒素ガスを1Nm/tの流量で、転炉内
に吹込み溶鋼を攪拌した後に出鋼する本発明(実施例)
とを適宜実施した。
【0016】その結果を表1に一括して示す。表1よ
り、出鋼前に窒素ガスの攪拌を実施することで、取鍋へ
流入したスラグ量(取鍋内溶鋼上のスラグ厚さ)が約5
0mmも低減した(図2参照)。また、出鋼時の鋼中酸
素濃度、燐濃度、スラグ中(T.Fe)濃度も低下し
た。一例として、鋼中炭素と酸素との関係の変化を図3
に示しておく。
【0017】さらに、低炭素Alキルド鋼(目標成分
C:0.03〜0.05質量%,Si:0〜0.20質
量%,Mn:0.20〜0.30質量%,P:0〜0.
030質量%.S:0.0l0〜0.020質量%,A
l:0.020〜0.030質量%)の溶製に際して、
本発明を100チャージ実施した結果を、従来法での結
果と比較して図4(Al原単位)、図5(焼石灰原単
位)及び図6(鋳片内スラグ系介在物量)に示す。これ
らの図より、スラグの固化で取鍋へのスラグ流入量が低
減し、鋼鋳片内のスラグ系介在物量の低下、出鋼時の鋼
中[O],[P]低下によるAlや焼石灰原単位の低減
が明らかである。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、Ca
OやMgO等のスラグ固化剤を添加しなくとも、出鋼前
における転炉内スラグの固化を従来より安価且つ迅速に
行えるようになる。その結果、以後の鋳造で製造した鋼
鋳片に非金属介在物の混入が著しく低減し、該鋼鋳片を
圧延した鋼板や鋼材の欠陥発生が低減できた。また、鋼
中酸素濃度の低下、脱燐反応促進、スラグ中の(T.F
e)低減等の副次効果により、使用する脱酸剤、造滓
剤、スラグ改質剤の量も低減できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の転炉精錬方法と本発明とを比較した図で
ある。
【図2】取鍋へのスラグの流出量をスラグの厚みで評価
し、本発明法と従来法とでの結果を比較した図である。
【図3】不活性ガスを吹き込む前後における溶鋼中の炭
素濃度と酸素濃度との関係を比較した図である。
【図4】Al原単位についての本発明の効果を示す図で
ある。
【図5】焼石灰原単位についての本発明の効果を示す図
である。
【図6】鋼鋳片中のスラグ由来介在物量についての本発
明の効果を示す図である。
【図7】出鋼時のスラグ硬さと不活性ガスの吹き込み量
(0.1〜1分間)との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鍋島 祐樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4K070 AA01 AB11 BC15 EA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転炉内に保持した溶銑に酸素ガスを吹き
    込み及び/又は吹きつけて溶製した溶鋼を、該転炉を傾
    け、取鍋へ出鋼するに際して、出鋼直前の溶鋼に、下記
    (1)式で計算される量の不活性ガスを吹込み、溶鋼及
    びスラグを撹拌し、スラグを冷却、固化させることを特
    徴とする転炉精錬方法。 不活性ガス吹込み量(Nm/t) =スラグ量(kg/t)×α(Nm/kg−スラグ量) …(1) ここで、α:係数
  2. 【請求項2】 前記(1)式の係数αの値を、0.01
    〜0.1(Nm/kg−スラグ量)とすることを特徴
    とする請求項1記載の転炉精錬方法。
JP2001089597A 2001-03-27 2001-03-27 転炉精錬方法 Withdrawn JP2002285221A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101344895B1 (ko) 2012-01-31 2013-12-26 현대제철 주식회사 전로 정련 방법
JP2020105586A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 日本製鉄株式会社 ホットスラグリサイクル方法

Cited By (3)

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KR101344895B1 (ko) 2012-01-31 2013-12-26 현대제철 주식회사 전로 정련 방법
JP2020105586A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 日本製鉄株式会社 ホットスラグリサイクル方法
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