JP2002284935A - 耐油性難燃樹脂組成物 - Google Patents
耐油性難燃樹脂組成物Info
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- JP2002284935A JP2002284935A JP2001084110A JP2001084110A JP2002284935A JP 2002284935 A JP2002284935 A JP 2002284935A JP 2001084110 A JP2001084110 A JP 2001084110A JP 2001084110 A JP2001084110 A JP 2001084110A JP 2002284935 A JP2002284935 A JP 2002284935A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、金属管などの保護層として用い
て、有用な耐油性の向上を図った難燃樹脂組成物を提供
せんとするものである。 【解決手段】 かゝる本発明は、ノンハロゲンのポリオ
レフィン樹脂で、MIが0.4以下のベースポリマー1
00重量部と、金属水和物10〜60重量部と、難燃助
剤1〜10重量部とからなる耐油性難燃樹脂組成物にあ
り、このMI値と金属水和物と難燃助剤との組み合わせ
により、ノンハロゲン性で、優れた、耐油性と難燃性を
得ることができる。
て、有用な耐油性の向上を図った難燃樹脂組成物を提供
せんとするものである。 【解決手段】 かゝる本発明は、ノンハロゲンのポリオ
レフィン樹脂で、MIが0.4以下のベースポリマー1
00重量部と、金属水和物10〜60重量部と、難燃助
剤1〜10重量部とからなる耐油性難燃樹脂組成物にあ
り、このMI値と金属水和物と難燃助剤との組み合わせ
により、ノンハロゲン性で、優れた、耐油性と難燃性を
得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管などの保護
層として用いて、有用な耐油性の向上を図った難燃樹脂
組成物に関するものである。
層として用いて、有用な耐油性の向上を図った難燃樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガス燃料の製造設備や装置などで使用さ
れる金属管にあっては、高温下に晒されたり、或いは高
温油下に晒されることがある。このため、金属管の外周
には、通常保護層として、通常塩化ビニル樹脂などから
なる被覆層が設けてある。
れる金属管にあっては、高温下に晒されたり、或いは高
温油下に晒されることがある。このため、金属管の外周
には、通常保護層として、通常塩化ビニル樹脂などから
なる被覆層が設けてある。
【0003】この保護層をなす塩化ビニル樹脂の場合、
耐油性が良好で、かつ、機械的強度も強く、柔軟性の調
整も自在にでき、さらに、樹脂自体の自己消化性により
優れた難燃性も有するなどの利点がある。このような利
点と同時に、汎用樹脂として安価なこともあって、従来
から、この種の保護層用樹脂として、塩化ビニル樹脂が
多用されている。
耐油性が良好で、かつ、機械的強度も強く、柔軟性の調
整も自在にでき、さらに、樹脂自体の自己消化性により
優れた難燃性も有するなどの利点がある。このような利
点と同時に、汎用樹脂として安価なこともあって、従来
から、この種の保護層用樹脂として、塩化ビニル樹脂が
多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩化ビ
ニル樹脂の場合、分子中に、ハロゲン元素である塩素が
含まれているため、火災などに遭遇し、燃焼すると、有
毒ガスを発生するという重大な問題点があった。また、
製造設備や装置の廃止によって、金属管が廃材として排
出された場合、廃棄処理の問題があった。この金属管を
焼却処理すると、上記のように有毒ガスが発生し、ま
た、焼却条件によっては、環境ホルモンと言われる、所
謂ダイオキシン類などが発生して、環境汚染を招くとい
う恐れがあるからである。
ニル樹脂の場合、分子中に、ハロゲン元素である塩素が
含まれているため、火災などに遭遇し、燃焼すると、有
毒ガスを発生するという重大な問題点があった。また、
製造設備や装置の廃止によって、金属管が廃材として排
出された場合、廃棄処理の問題があった。この金属管を
焼却処理すると、上記のように有毒ガスが発生し、ま
た、焼却条件によっては、環境ホルモンと言われる、所
謂ダイオキシン類などが発生して、環境汚染を招くとい
う恐れがあるからである。
【0005】このため、この金属管の処理にあっては、
原則として、埋め立て処理が最適であるが、現状では、
埋め立て処分場の確保が大変である。埋め立て処分場
は、全国的に慢性的に不足しているのが現状で、不法投
棄の原因ともなっている。また、このような毒性の強い
保護層の施された金属管から、リサイクルにより、資源
を回収するのは、困難である。
原則として、埋め立て処理が最適であるが、現状では、
埋め立て処分場の確保が大変である。埋め立て処分場
は、全国的に慢性的に不足しているのが現状で、不法投
棄の原因ともなっている。また、このような毒性の強い
保護層の施された金属管から、リサイクルにより、資源
を回収するのは、困難である。
【0006】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものである。つまり、本発明は、ノンハロゲンのポリ
オレフィン樹脂をベースポリマーとすると共に、難燃剤
としても、ノンハロゲンの金属水和物を用いることで、
ハロゲン含有に伴う問題点をすべて解消する一方、ベー
スポリマーのメルトインデックス(Melt Inde
x:MI)を、0.4以下と小さく設定し、かつ、適量
の難燃助剤を添加することによって、耐油性の向上を図
ると共に、金属水和物の添加量を少なめに抑えて、機械
的特性の低下を防止するようにした耐油性難燃樹脂組成
物にある。
たものである。つまり、本発明は、ノンハロゲンのポリ
オレフィン樹脂をベースポリマーとすると共に、難燃剤
としても、ノンハロゲンの金属水和物を用いることで、
ハロゲン含有に伴う問題点をすべて解消する一方、ベー
スポリマーのメルトインデックス(Melt Inde
x:MI)を、0.4以下と小さく設定し、かつ、適量
の難燃助剤を添加することによって、耐油性の向上を図
ると共に、金属水和物の添加量を少なめに抑えて、機械
的特性の低下を防止するようにした耐油性難燃樹脂組成
物にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、ノンハロゲンのポリオレフィン樹脂で、メルトイン
デックスが0.4以下のベースポリマー100重量部
と、金属水和物10〜60重量部と、難燃助剤1〜10
重量部とからなる耐油性難燃樹脂組成物にある。
は、ノンハロゲンのポリオレフィン樹脂で、メルトイン
デックスが0.4以下のベースポリマー100重量部
と、金属水和物10〜60重量部と、難燃助剤1〜10
重量部とからなる耐油性難燃樹脂組成物にある。
【0008】請求項2記載の本発明は、ポリエチレン、
エチレン−酢酸エチル共重合体、又はエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体から選ばれる少なくとも1種のポリオレフ
ィン樹脂で、メルトインデックスが0.4以下のベース
ポリマー100重量部と、水酸化マグネシウムの金属水
和物10〜60重量部と、シリコンパウダーの難燃助剤
1〜10重量部とからなる耐油性難燃樹脂組成物にあ
る。
エチレン−酢酸エチル共重合体、又はエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体から選ばれる少なくとも1種のポリオレフ
ィン樹脂で、メルトインデックスが0.4以下のベース
ポリマー100重量部と、水酸化マグネシウムの金属水
和物10〜60重量部と、シリコンパウダーの難燃助剤
1〜10重量部とからなる耐油性難燃樹脂組成物にあ
る。
【0009】請求項3記載の本発明は、ポリエチレン、
エチレン−酢酸エチル共重合体、又はエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体から選ばれる少なくとも1種のポリオレフ
ィン樹脂で、メルトインデックスが0.4以下のベース
ポリマー100重量部と、水酸化アルミニウムの金属水
和物10〜60重量部と、ヒドロキシ錫酸亜鉛メルトイ
ンデックスが0.4以下のベースポリマー100重量部
と、水酸化アルミニウムの金属水和物10〜60重量部
と、ヒドロキシ錫酸亜鉛の難燃助剤1〜10重量部とか
らなる耐油性難燃樹脂組成物にある。
エチレン−酢酸エチル共重合体、又はエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体から選ばれる少なくとも1種のポリオレフ
ィン樹脂で、メルトインデックスが0.4以下のベース
ポリマー100重量部と、水酸化アルミニウムの金属水
和物10〜60重量部と、ヒドロキシ錫酸亜鉛メルトイ
ンデックスが0.4以下のベースポリマー100重量部
と、水酸化アルミニウムの金属水和物10〜60重量部
と、ヒドロキシ錫酸亜鉛の難燃助剤1〜10重量部とか
らなる耐油性難燃樹脂組成物にある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いる、ノンハロゲンの
ポリオレフィン樹脂からなるベースポリマーとしては、
特に限定されないが、種々のポリエチレン(PE)、例
えばLDPE、LLDPE、VLDPEなどが挙げられ
る。PE以外のノンハロゲン樹脂としては、エチレン−
酢酸エチル共重合体(EEA)やエチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)などが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂からなるベースポリマーとしては、
特に限定されないが、種々のポリエチレン(PE)、例
えばLDPE、LLDPE、VLDPEなどが挙げられ
る。PE以外のノンハロゲン樹脂としては、エチレン−
酢酸エチル共重合体(EEA)やエチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)などが挙げられる。
【0011】そして、これらの樹脂は、それぞれを単独
で使用しもよいが、幾つかを適宜混合して使用すること
もできる。いずれにしても、その際、MIは、0.4以
下となるようにする。ここで、MIが0.4以下という
ことは、樹脂が流動し難い性質であることを意味する。
この流動し難い理由としては、構成する分子の分子量が
平均的に大きいものが揃っているためと考えられる。ポ
リマーの分子量が大きいと、当然その主鎖が長くなるた
め、分子間の絡み合いも強くなる。このため、ポリマー
自体の成形加工性は低下するものの、ポリマー自体の機
械的特性や耐油性などは、改善される。
で使用しもよいが、幾つかを適宜混合して使用すること
もできる。いずれにしても、その際、MIは、0.4以
下となるようにする。ここで、MIが0.4以下という
ことは、樹脂が流動し難い性質であることを意味する。
この流動し難い理由としては、構成する分子の分子量が
平均的に大きいものが揃っているためと考えられる。ポ
リマーの分子量が大きいと、当然その主鎖が長くなるた
め、分子間の絡み合いも強くなる。このため、ポリマー
自体の成形加工性は低下するものの、ポリマー自体の機
械的特性や耐油性などは、改善される。
【0012】特に、本発明では、ベースポリマー中に、
相当量(最大ベースポリマーの6割程度に達する量)の
金属水和物を添加するものであるため、分子鎖が短い
と、この金属水和物の存在によって、分子間のスムーズ
な絡み合いなどが阻害されるなどして、ポリマー自体の
物性、すなわち、上記した機械的特性や耐油性などの特
性が低下する懸念がある。この懸念は、金属水和物の添
加量が多いほど、顕著になるものと言える。しかし、本
発明では、MIを0.4以下としてあるため、大量(ベ
ースポリマーと同等程度又はそれ以上の量)の金属水和
物の添加でなければ、その長い分子鎖による分子間の強
い絡み合いによって、上述した相当量の金属水和物の添
加に対しては、スムーズな吸収が可能となる。つまり、
ポリマー自体の機械的特性や耐油性などの低下が最小限
に抑えられる。
相当量(最大ベースポリマーの6割程度に達する量)の
金属水和物を添加するものであるため、分子鎖が短い
と、この金属水和物の存在によって、分子間のスムーズ
な絡み合いなどが阻害されるなどして、ポリマー自体の
物性、すなわち、上記した機械的特性や耐油性などの特
性が低下する懸念がある。この懸念は、金属水和物の添
加量が多いほど、顕著になるものと言える。しかし、本
発明では、MIを0.4以下としてあるため、大量(ベ
ースポリマーと同等程度又はそれ以上の量)の金属水和
物の添加でなければ、その長い分子鎖による分子間の強
い絡み合いによって、上述した相当量の金属水和物の添
加に対しては、スムーズな吸収が可能となる。つまり、
ポリマー自体の機械的特性や耐油性などの低下が最小限
に抑えられる。
【0013】このベースポリマーに添加される、金属水
和物は、ノンハロゲンの難燃剤であって、本発明では、
主として、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムな
どを使用する。
和物は、ノンハロゲンの難燃剤であって、本発明では、
主として、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムな
どを使用する。
【0014】これらの化合物は、ベースポリマー中で、
以下のような作用を呈する。例えば、上述したように、
金属管の保護層として被覆された状態で、何からの原因
で、周囲温度が上昇し、所定の温度に達すると、先ず、
ベースポリマー中に分散された金属水和物は、結晶水を
水分として放出する。この放出水分が、周囲の熱を大量
に吸収するため、樹脂部分の着火や燃焼が効果的に防止
される。
以下のような作用を呈する。例えば、上述したように、
金属管の保護層として被覆された状態で、何からの原因
で、周囲温度が上昇し、所定の温度に達すると、先ず、
ベースポリマー中に分散された金属水和物は、結晶水を
水分として放出する。この放出水分が、周囲の熱を大量
に吸収するため、樹脂部分の着火や燃焼が効果的に防止
される。
【0015】結晶水を放出する温度(脱水開始温度)
は、金属水和物自体やその粒径、処理などの条件によっ
て左右されるが、概ね水酸化マグネシウムでは340℃
程度であり、水酸化アルミニウムAlでは200℃程度
である。なお、成形加工温度を、これらの温度より低く
すれば、加工中に結晶水が放出されることはない。ま
た、金属水和物の使用にあたって、ベースポリマーとの
相溶性などを改善するため、シランカップリング剤やチ
タネートカップリング剤などによって、表面処理したも
のを使用することもできる。
は、金属水和物自体やその粒径、処理などの条件によっ
て左右されるが、概ね水酸化マグネシウムでは340℃
程度であり、水酸化アルミニウムAlでは200℃程度
である。なお、成形加工温度を、これらの温度より低く
すれば、加工中に結晶水が放出されることはない。ま
た、金属水和物の使用にあたって、ベースポリマーとの
相溶性などを改善するため、シランカップリング剤やチ
タネートカップリング剤などによって、表面処理したも
のを使用することもできる。
【0016】このような金属水和物の添加量は、ベース
ポリマー100重量部に対して、10〜60重量部とす
る。ここで、下限を10重量部としてのは、10重量部
未満では少な過ぎて、所望の難燃効果が得られないから
である。また、上限を60重量部としたのは、60重量
部程度でも、後述する、難燃助剤との併用により、十分
な難燃効果が得られるからである。逆に、この値を越え
ると、難燃性の向上効果よりも、大量添加による弊害の
方が大きくなるからである。つまり、上述のように、折
角MIを0.4以下にして、得られた分子間の良好な絡
み合いによる、ポリマー物性の改善効果が、金属水和物
の大量添加によって、損なわれるからである。
ポリマー100重量部に対して、10〜60重量部とす
る。ここで、下限を10重量部としてのは、10重量部
未満では少な過ぎて、所望の難燃効果が得られないから
である。また、上限を60重量部としたのは、60重量
部程度でも、後述する、難燃助剤との併用により、十分
な難燃効果が得られるからである。逆に、この値を越え
ると、難燃性の向上効果よりも、大量添加による弊害の
方が大きくなるからである。つまり、上述のように、折
角MIを0.4以下にして、得られた分子間の良好な絡
み合いによる、ポリマー物性の改善効果が、金属水和物
の大量添加によって、損なわれるからである。
【0017】難燃助剤は、これ自体の添加によって、上
記したように、金属水和物の添加量を少なく抑えるため
のものである。具体的な化合物としては、例えば、シリ
コンパウダーやヒドロキシ錫酸亜鉛、赤リン、ポリリン
酸アンモニウムなどが挙げられる。特に、本発明では、
金属水和物が水酸化マグネシウムのとき、シリコンパウ
ダーと組み合わせ、同様に、金属水和物が水酸化アルミ
ニウムのとき、ヒドロキシ錫酸亜鉛と組み合わせるのが
好ましい。また、これらを併用しても、同様の効果が得
られる。
記したように、金属水和物の添加量を少なく抑えるため
のものである。具体的な化合物としては、例えば、シリ
コンパウダーやヒドロキシ錫酸亜鉛、赤リン、ポリリン
酸アンモニウムなどが挙げられる。特に、本発明では、
金属水和物が水酸化マグネシウムのとき、シリコンパウ
ダーと組み合わせ、同様に、金属水和物が水酸化アルミ
ニウムのとき、ヒドロキシ錫酸亜鉛と組み合わせるのが
好ましい。また、これらを併用しても、同様の効果が得
られる。
【0018】この難燃助剤の添加によって、金属水和物
の添加量を抑えることができる理由は、燃焼時に発生す
るすす(チャー)の量が断熱作用及び可燃ガスの放出を
抑制する作用があり、これらの組み合わせが、その相乗
効果を助長することによる。そして、また、上記水酸化
マグネシウムとシリコンパウダーと組み合わせが好まし
いのは、分解温度域が300〜400℃と近く、燃焼と
温度降下の同時作用により、各成分の燃焼残差の再結合
(又はからみ合い)が生じるからである。さらに、水酸
化アルミニウムとヒドロキシ錫酸亜鉛と組み合わせが好
ましいのは、分解温度域が200〜300℃と近く、や
はり燃焼と温度降下の同時作用により、各成分の燃焼残
差の再結合(又はからみ合い)が生じるからである。
の添加量を抑えることができる理由は、燃焼時に発生す
るすす(チャー)の量が断熱作用及び可燃ガスの放出を
抑制する作用があり、これらの組み合わせが、その相乗
効果を助長することによる。そして、また、上記水酸化
マグネシウムとシリコンパウダーと組み合わせが好まし
いのは、分解温度域が300〜400℃と近く、燃焼と
温度降下の同時作用により、各成分の燃焼残差の再結合
(又はからみ合い)が生じるからである。さらに、水酸
化アルミニウムとヒドロキシ錫酸亜鉛と組み合わせが好
ましいのは、分解温度域が200〜300℃と近く、や
はり燃焼と温度降下の同時作用により、各成分の燃焼残
差の再結合(又はからみ合い)が生じるからである。
【0019】本発明では、この難燃助剤の添加量を、ベ
ースポリマー100重量部に対して、1〜10重量部と
する。その理由は、1重量部未満では添加量が少な過ぎ
て、十分な金属水和物の添加量を低減させる効果が得ら
れず、また、10重量部を越えるようになると、引張り
特性を低下させるだけでなく、それ以上の難燃効果が得
られないだからである。
ースポリマー100重量部に対して、1〜10重量部と
する。その理由は、1重量部未満では添加量が少な過ぎ
て、十分な金属水和物の添加量を低減させる効果が得ら
れず、また、10重量部を越えるようになると、引張り
特性を低下させるだけでなく、それ以上の難燃効果が得
られないだからである。
【0020】なお、本発明の樹脂組成物には、必要によ
り、その他の添加物を適宜添加することができる。例え
ば、フェノール系などの酸化防止剤、架橋剤、架橋助
剤、安定剤、着色剤、カーボンブラックなどが挙げられ
る。
り、その他の添加物を適宜添加することができる。例え
ば、フェノール系などの酸化防止剤、架橋剤、架橋助
剤、安定剤、着色剤、カーボンブラックなどが挙げられ
る。
【0021】このようにして得られた、本発明の組成物
を、金属管の外周(内面も可)に被覆するには、押出機
による。被覆樹脂の厚み、形状は、ダイスの構成によっ
て抑制できるが、本発明品では、先ず、金属管と樹脂が
ダイス内部で被覆される方法(充実押出)が挙げられ
る。また、二重ダイス構造により、ダイスから出た後で
金属管に樹脂を接触させる方法(パイプ押出)が挙げら
れる。パイプ押出では、被覆樹脂の内面形状に凹凸を付
けることも可能である。
を、金属管の外周(内面も可)に被覆するには、押出機
による。被覆樹脂の厚み、形状は、ダイスの構成によっ
て抑制できるが、本発明品では、先ず、金属管と樹脂が
ダイス内部で被覆される方法(充実押出)が挙げられ
る。また、二重ダイス構造により、ダイスから出た後で
金属管に樹脂を接触させる方法(パイプ押出)が挙げら
れる。パイプ押出では、被覆樹脂の内面形状に凹凸を付
けることも可能である。
【0022】このようにして被覆された保護層は、難燃
性が高いため、火災などの際、延焼を誘因することもな
い。かつ、耐油性も高いため、高温油下に晒されても、
被覆が簡単に裂けたり、亀裂することもなく、本来の機
能は十分確保される。特に、上述したガス燃料の製造設
備や装置などの金属管にあって、屈曲して配管された部
分は、直線状の部分に比較して、大きな応力(ストレ
ス)が内在されているため、高温油と接触すると、裂け
たり、亀裂が生じ易いものである。しかし、本発明の保
護層では、このような場合でも、その高い耐油性によっ
て、裂けたり、亀裂が生じたりすることなく、十分その
機能が発揮される。
性が高いため、火災などの際、延焼を誘因することもな
い。かつ、耐油性も高いため、高温油下に晒されても、
被覆が簡単に裂けたり、亀裂することもなく、本来の機
能は十分確保される。特に、上述したガス燃料の製造設
備や装置などの金属管にあって、屈曲して配管された部
分は、直線状の部分に比較して、大きな応力(ストレ
ス)が内在されているため、高温油と接触すると、裂け
たり、亀裂が生じ易いものである。しかし、本発明の保
護層では、このような場合でも、その高い耐油性によっ
て、裂けたり、亀裂が生じたりすることなく、十分その
機能が発揮される。
【0023】〈実施例〉表1〜3は、本発明に係る組成
物(実施例1〜10)と、本発明の要件を欠く組成物
(比較例1〜12)になる、配合例とその特性(耐油
性、難燃性、機械的特性)を示したものである。なお、
この特性試験にあたっては、直径40mmのステンレス
鋼製フレキシブル管を作り、その外周に、各組成物から
なる厚さ約0.8mmの保護層を被覆して行った。保護
層の具体的な被覆は、スクリュー外径が50mmの押出
機により行った。また、表中の配合数値は、重量部数で
ある。さらに、各特性試験は以下による。
物(実施例1〜10)と、本発明の要件を欠く組成物
(比較例1〜12)になる、配合例とその特性(耐油
性、難燃性、機械的特性)を示したものである。なお、
この特性試験にあたっては、直径40mmのステンレス
鋼製フレキシブル管を作り、その外周に、各組成物から
なる厚さ約0.8mmの保護層を被覆して行った。保護
層の具体的な被覆は、スクリュー外径が50mmの押出
機により行った。また、表中の配合数値は、重量部数で
ある。さらに、各特性試験は以下による。
【0024】〈耐油性試験〉上記サンプルのフレキシブ
ル管を、U字状(180°)に曲げ、155℃の大豆油
中に10秒間浸漬して行い、被覆の裂けや亀裂などの有
無を観察した。そして、裂け、亀裂などの無いものを合
格とし、「○」で表示し、裂け、亀裂などの有るものを
不合格とし、「×」で表示した。 〈難燃性試験〉上記サンプルのフレキシブル管を、有効
長さを250mmとして、水平に固定し、一端に着炎し
た炎が自然に消火する否かを観察した。自然に消火した
ものを合格とし、「○」で表示し、消火しないものを不
合格とし、「×」で表示した。 〈機械的特性試験〉上記サンプルのフレキシブル管に対
して、JISC3005による試験を行い、引張り強さ
(MPa)と伸び(%)を求めた。ここで、概ね、引張
り強さは、13MPa以上を合格品とし、これ未満は不
合格品となる。また、伸びは、300%以上を合格品と
し、これ未満は不合格品となる。
ル管を、U字状(180°)に曲げ、155℃の大豆油
中に10秒間浸漬して行い、被覆の裂けや亀裂などの有
無を観察した。そして、裂け、亀裂などの無いものを合
格とし、「○」で表示し、裂け、亀裂などの有るものを
不合格とし、「×」で表示した。 〈難燃性試験〉上記サンプルのフレキシブル管を、有効
長さを250mmとして、水平に固定し、一端に着炎し
た炎が自然に消火する否かを観察した。自然に消火した
ものを合格とし、「○」で表示し、消火しないものを不
合格とし、「×」で表示した。 〈機械的特性試験〉上記サンプルのフレキシブル管に対
して、JISC3005による試験を行い、引張り強さ
(MPa)と伸び(%)を求めた。ここで、概ね、引張
り強さは、13MPa以上を合格品とし、これ未満は不
合格品となる。また、伸びは、300%以上を合格品と
し、これ未満は不合格品となる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】上記表1から、本発明に係る組成物(実施
例1〜10)では、すべての特性において、良好である
ことが判る。これに対して、表2〜表3から、本発明の
要件を欠く電線(比較例1〜12)では、いずれかの特
性において問題があることが判る。
例1〜10)では、すべての特性において、良好である
ことが判る。これに対して、表2〜表3から、本発明の
要件を欠く電線(比較例1〜12)では、いずれかの特
性において問題があることが判る。
【0029】なお、上記の説明では、本発明の組成物
を、金属管に保護層として、被覆する場合について説明
したが、本発明は、これに限定されるものではない。本
発明と同様の問題を有するその他のケースにも、勿論使
用することが可能である。
を、金属管に保護層として、被覆する場合について説明
したが、本発明は、これに限定されるものではない。本
発明と同様の問題を有するその他のケースにも、勿論使
用することが可能である。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、ノンハロゲンのポリオレフィン樹脂をベース
ポリマーとすると共に、難燃剤として、ノンハロゲンの
金属水和物を用いているため、ハロゲン含有に伴う問
題、例えば、有毒ガスの発生、廃棄、環境汚染の問題、
リサイクルの問題などが根本的に解消される。
によると、ノンハロゲンのポリオレフィン樹脂をベース
ポリマーとすると共に、難燃剤として、ノンハロゲンの
金属水和物を用いているため、ハロゲン含有に伴う問
題、例えば、有毒ガスの発生、廃棄、環境汚染の問題、
リサイクルの問題などが根本的に解消される。
【0031】また、ベースポリマーのMIを、0.4以
下と小さく設定してあるため、ポリマー自体の機械的特
性や耐油性が改善されると共に、それにも増して、相当
量の金属水和物の添加が、スムーズに吸収できて、大き
な物性の低下を招くことがないという、優れた利点が得
られる。
下と小さく設定してあるため、ポリマー自体の機械的特
性や耐油性が改善されると共に、それにも増して、相当
量の金属水和物の添加が、スムーズに吸収できて、大き
な物性の低下を招くことがないという、優れた利点が得
られる。
【0032】また、金属水和物には、適量の難燃助剤を
添加するものであるため、金属水和物の添加量を少なめ
に抑えることができる。これと、上記小さなMI値との
相乗効果によって、上述したように、ポリマー自体の特
性の低下を最小限に抑えることができる。
添加するものであるため、金属水和物の添加量を少なめ
に抑えることができる。これと、上記小さなMI値との
相乗効果によって、上述したように、ポリマー自体の特
性の低下を最小限に抑えることができる。
【0033】この結果、一般的なノンハロゲン樹脂であ
る、PE、EEA、EVAなどを、ベースポリマーとし
て用いているにもかかわらず、高い難燃性と耐油性が得
られる。特に、耐油性にあっては、金属管の保護層とし
て用いた場合、屈曲して配管された部分では、大きなス
トレスが内在されているため、高温油と接触すると、裂
けたり、亀裂が生じ易いものであるが、本発明の組成物
を用いた保護層では、そのようなことはなく、安定し
て、かつ、長期に渡って、良好な保護機能が確保され
る。また、ベースポリマーである、PE、EEA、EV
Aなどは、耐熱老化性、耐寒性に優れ、さらに着色性に
も優れているため、着色剤を適宜添加すれば、自在な着
色が可能であり、綺麗な外観の金属管を得ることができ
る。
る、PE、EEA、EVAなどを、ベースポリマーとし
て用いているにもかかわらず、高い難燃性と耐油性が得
られる。特に、耐油性にあっては、金属管の保護層とし
て用いた場合、屈曲して配管された部分では、大きなス
トレスが内在されているため、高温油と接触すると、裂
けたり、亀裂が生じ易いものであるが、本発明の組成物
を用いた保護層では、そのようなことはなく、安定し
て、かつ、長期に渡って、良好な保護機能が確保され
る。また、ベースポリマーである、PE、EEA、EV
Aなどは、耐熱老化性、耐寒性に優れ、さらに着色性に
も優れているため、着色剤を適宜添加すれば、自在な着
色が可能であり、綺麗な外観の金属管を得ることができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 ノンハロゲンのポリオレフィン樹脂で、
メルトインデックスが0.4以下のベースポリマー10
0重量部と、金属水和物10〜60重量部と、難燃助剤
1〜10重量部とからなる耐油性難燃樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリエチレン、エチレン−酢酸エチル共
重合体、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれ
る少なくとも1種のポリオレフィン樹脂で、メルトイン
デックスが0.4以下のベースポリマー100重量部
と、水酸化マグネシウムの金属水和物10〜60重量部
と、シリコンパウダーの難燃助剤1〜10重量部とから
なる耐油性難燃樹脂組成物。 - 【請求項3】 ポリエチレン、エチレン−酢酸エチル共
重合体、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれ
る少なくとも1種のポリオレフィン樹脂で、メルトイン
デックスが0.4以下のベースポリマー100重量部
と、水酸化アルミニウムの金属水和物10〜60重量部
と、ヒドロキシ錫酸亜鉛の難燃助剤1〜10重量部とか
らなる耐油性難燃樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001084110A JP2002284935A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 耐油性難燃樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001084110A JP2002284935A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 耐油性難燃樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002284935A true JP2002284935A (ja) | 2002-10-03 |
Family
ID=18939831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001084110A Pending JP2002284935A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 耐油性難燃樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002284935A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016080511A1 (ja) * | 2014-11-21 | 2016-05-26 | 株式会社フジクラ | 難燃性樹脂組成物、及び、これを用いたケーブル並びに光ファイバケーブル |
-
2001
- 2001-03-23 JP JP2001084110A patent/JP2002284935A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016080511A1 (ja) * | 2014-11-21 | 2016-05-26 | 株式会社フジクラ | 難燃性樹脂組成物、及び、これを用いたケーブル並びに光ファイバケーブル |
US10253262B2 (en) | 2014-11-21 | 2019-04-09 | Fujikura Ltd. | Flame retardant resin composition, and cable and optical fiber cable using the same |
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