JP2002284453A - ビニールシート用巻取り装置 - Google Patents

ビニールシート用巻取り装置

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JP2002284453A
JP2002284453A JP2001081618A JP2001081618A JP2002284453A JP 2002284453 A JP2002284453 A JP 2002284453A JP 2001081618 A JP2001081618 A JP 2001081618A JP 2001081618 A JP2001081618 A JP 2001081618A JP 2002284453 A JP2002284453 A JP 2002284453A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済みの農業用シートをロール状に巻き取
り、その後の取り扱いを有利なものとする上で役に立つ
新規な構造からなるビニールシート用巻取り装置を提供
する。 【解決手段】 複数の巻取り枠杆81,81,……によ
って形成された巻取り枠部8を、本体架台部2上に略水
平状配置で回転自在に軸着、支持する一方、該巻取り枠
部8は、その外周径を縮小、復帰できるようにしてあ
り、同側において、本体架台部2の軸着部31から選択
的に離脱可能とする離脱機構3を介して軸着、支持され
るようにしたビニールシート用巻取り装置1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、ビニールハウス用ビニール
シートや果樹覆い用フィルム、あるいはトンネル栽培用
の被覆フィルム等といった農業用プラスチックフィルム
まはたネット、寒冷紗、不織布等といったシート状農業
用資材を使用後に巻き取り、保管、または廃棄するため
に使用可能とする装置であって、特に使用済みの農業用
シートをロール状に巻き取り、その後の取り扱いを有利
なものとする上で役に立つ新規な構造からなるビニール
シート用巻取り装置を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】我が国は、アジア季節風(モンスーン)
地帯に属しており、夏には高温、多湿になるのが特徴で
あって初夏に梅雨前線が形成され多量の降雨をもたら
し、次第に梅雨前線が北上し、太平洋高気圧に覆われる
ようになると本格的な夏が訪れるが、夏から秋にかけて
強い勢力をもつ台風が度々襲来し、各地に大雨や強風に
よる自然災害を発生させることもあり、晩夏から晩秋に
かけて発生する秋雨前線は、晩春から初夏にかけて発生
する梅雨前線によく似た気圧配置となって移動性高気圧
と低気圧とが交互に西から東へ移動し、短期間の中に目
まぐるしく気候を変化させる上、高気圧が夜間の冷え込
みを強めて霜を発生させ、冬になると大陸で発生した高
気圧から吹きつける冷たい風が山間部を中心に降雪をも
たらすといった具合に、一年を通じて気候の変化が激し
く、その変化の度合いも季節や地域、地形等によって大
きく異なることから、園芸農家が作物を好条件の下に栽
培するには、その気候や土壌条件に適合する栽培品種を
慎重に選定するだけではなく、良好且つ安定した生産を
行う上で、栽培環境を適正に管理できる施設型農業に取
り組む必要があるとされている。
【0003】特に桜桃、葡萄、無花果、桃、温州蜜柑等
のような果樹栽培にあって、栽培地によっては、過剰雨
量や温量不足等の理由から通常は露地栽培が困難あるい
は不可能とされているような品種であっても、安定生産
をすることができるようにしたり、収穫期を早めて希少
性の高い早期出荷による付加価値を得たり、出荷期間を
拡大および分散させることを可能にしたり、年間を通じ
て天候に左右されることのない栽培、管理をできるよう
にしたり、病害虫の防除や鳥害忌避が容易となって低農
薬栽培も可能とし、果実の品質向上に有利に作用させ、
経済効率を高めるようにすることができる等というふう
に好条件が整えられることから、ビニールハウスや雨避
け施設を利用した施設栽培が盛んに行われるようになっ
てきている。
【0004】このように、既に広く普及しているビニー
ルハウスや雨避け施設等に用いられる農業用シートは、
栽培する作物によっては、気温が低下して天候が安定し
ない冬期間のみハウスに装着したり、梅雨期の雨避け屋
根として設営する等、使用目的に応じて適宜設置や取り
外しを行うことによって適温を保ったり、あるいは通気
性を確保しながら風雨雪を回避するようにする等、栽培
環境の調節を行うために使用されることから、野外の使
用において数年の耐用年数を有する比較的耐久性、耐候
性に秀れた資材、例えば農業用塩化ビニールフィルムや
農業用ポリエチレンフィルム等といったシートが用いら
れており、一年目あるいは二年目に使用したシートを取
り外し、翌年に再使用することも一般に行われている
が、手作業によるとハウスの骨格から取り外したビニー
ルシートが、一度地上に落ちてしまって土や泥が付着し
易く、それらが付着したまま放置、保管されてしまう
と、細かな傷が付いたり、ビニール素材の劣化や透光性
の悪化等を招く虞れがあるため、保管前に水洗いしてか
ら確りと乾燥させた後にロール状あるいは折り畳んで収
納、保管する必要があり、また、破れたり耐用年数に達
して産業廃棄物として出さなければならないシートも、
只乱雑に一まとめにしただけでは極めて取り扱いのし難
いものとなることから、やはりロール状あるいは折り畳
んだ状態のものとしなければならず、これら回収作業
が、施設型農業を営む農家にとって労働負担の大きな作
業の一つとなっていた。
【0005】ビニールハウスからビニールシートを取り
外す作業を軽減化するという目的で、例えば登録実用新
案第3055674号公報に開示されている福島考案の
ように、ハウス骨格から剥ぎ取ったビニールシートを上
下左右に配置された弾性ローラによって圧縮状に引き込
んだ後に、収納に便利なよう蛇腹状に折り畳むことがで
きるようにした「ビニールハウス用ビニールシート剥取
り装置」や、特開平6−227754号公報の蜂須発明
「園芸用ビニールトンネルハウスのビニールフィルム巻
取り装置」のように、ビニールシートを巻き取った巻取
り枠を中央付近から分離させ、巻き取られたビニールシ
ートを取り外すことができるようにしたもの、その他各
種のものが提案されており、それら従前のものも、ハウ
ス骨格からビニールシートを少しでも簡便に剥ぎ取るこ
とができるよう工夫されたものとなっているが、必ずし
も取扱い性の点で十分なものとすることができず、した
がって、実用に供されているものが極めて少なかった
り、極めて高価なものとなってしまっているのが実情で
ある。
【0006】この発明は、以上のような状況に鑑み、迅
速且つ効率的に巻取り回収し、コンパクト化したビニー
ルシートだけを簡単に取り外し、翌年まで良好な状態に
して保管したり、効率的に廃棄処分に回すことができる
ようになる技術の創出ができないものかとの判断から、
逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と
幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に
新規な構造からなるビニールシート用巻取り装置を実現
化することに成功したものであり、以下では、図面に示
すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述し
ていくこととする。
【0007】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含されるビ
ニールシート用巻取り装置は、基本的に次のような構成
から成り立っている。即ち、回転中心から適宜間隔を置
いた位置に互いに略平行状に横設してなる複数の巻取り
枠杆によって巻取り枠部を形成した上、該巻取り枠部
を、本体架台部上に略水平状配置となり、適宜回転駆動
源によって回転自在となるように軸着、支持してなるも
のとする一方、当該巻取り枠部の複数の巻取り枠杆の
中、少なくとも何れか一本の巻取り枠杆が、その両端の
中の少なくとも何れか一方の端部側が、選択的に回転中
心方向に移動可能となるよう形成され、実質的に巻取り
枠部の外周径を縮小および復帰できるようにしたものに
すると共に、当該巻取り枠部は、その外周径を縮小、復
帰できるようにした側において、本体架台部の軸着部か
ら選択的に離脱可能とする離脱機構を介して軸着、支持
されるよう構成されたビニールシート用巻取り装置であ
【0008】この基本的な構成からなるビニールシート
用巻取り装置を、より具体的な構成のものとして示す
と、スライダの回転中心から適宜間隔を置いた位置に互
いに略平行状に横設してなる複数の巻取り枠杆によって
巻取り枠部を形成した上、該巻取り枠部のスライダに、
本体架台部の軸着部に略水平状に軸支する巻取り軸を挿
通し、その軸心方向にスライダが摺動可能であって、仮
止め機構を介して双方間が仮固定され、当該スライダの
摺動が選択的に阻止されてしまうようにすると共に、適
宜回転駆動源による巻取り軸の回転作動により、該巻取
り軸と共に巻取り枠部が回転自在となるようにする一
方、当該巻取り枠部の複数の巻取り枠杆の中、少なくと
も何れか一本の巻取り枠杆が、その両端の中の少なくと
も何れか一方の端部側を、選択的にスライダの回転中心
方向に移動可能とするよう形成され、実質的に巻取り枠
部の外周径を縮小および復帰できるようにしたものにす
ると共に、スライダを介して巻取り枠部を軸支する巻取
り軸は、当該巻取り枠部の外周径を縮小、復帰できるよ
うにした側において、本体架台部の軸着部から選択的に
離脱可能とする離脱機構を介して軸着、支持されるよう
にした構成を要旨とするビニールシート用巻取り装置と
いうことができる。
【0009】さらに、表現を変えて示すならば、本体架
台部の軸着部に略水平状に巻取り軸を軸着、支持するよ
うにすると共に、それら両端軸支部の中、少なくとも何
れか一方の軸支部を、適宜離脱機構を介して本体架台部
の軸着部から選択的に離脱可能となるようにする一方、
該巻取り軸に摺動可能にスライダを外装した上、同スラ
イダの回転中心から適宜間隔を置いた位置に互いに略平
行状に横設してなる複数の巻取り枠杆によって巻取り枠
部を形成し、該巻取り枠部の複数の巻取り枠杆の中、少
なくとも何れか一本の巻取り枠杆が、その両端の中、少
なくとも本体架台部の軸着部から選択的に離脱可能とな
るようにした巻取り軸軸支部と同一側の端部側を、選択
的にスライダの回転中心方向に移動可能とするようリン
ク機構を介してスライダに連結され、実質的に巻取り枠
部の外周径を縮小および復帰できるようにしたものにす
ると共に、巻取り軸とスライダとの間に仮止め機構を設
け、当該スライダの摺動が選択的に阻止され、且つ適宜
回転駆動源による巻取り軸の回転作動により、該巻取り
軸と共に巻取り枠部が回転自在となるようにしたものと
し、スライダを仮止め機構によって巻取り軸に仮固定し
た状態で、巻取り軸を適宜回転駆動源によって回転作動
することにより、巻取り枠部の巻取り枠杆外周にビニー
ルシートをロール状に巻き上げた後、仮固定を解除して
巻取り軸に対してスライダを摺動させることにより、巻
取り枠杆をスライダに向けて移動させ、実質的に巻取り
枠部の外周径を縮小し、ロール状に巻かれたビニールシ
ートの中心部を弛緩状とした上、離脱可能とした巻取り
軸の一方の軸支部を離脱機構によって本体架台部の軸着
部から離脱させ、ロール状のビニールシートだけを巻取
り枠部から取り外してしまうようにした構成を要旨とす
るビニールシート用巻取り装置となる。
【0010】本体架台部は、トラック荷台上等の平坦な
所に、巻取り軸を充分な強度をもって適切な高さ位置に
安定した状態で支持し得るようにする機能を果たすもの
であり、巻取り軸を略水平状且つ回転自在に軸着可能な
構造としなければならず、伸縮、折り畳み、分解および
組み立て可能な骨格状の枠体から形成され、その底面積
寸法を設置場所や搭載車両の荷台寸法等に合わせて伸縮
または折り畳み調節可能なものに形成すべきであって、
巻取り枠部を軸支する軸着部に併設して、巻取り枠部へ
のビニールシート取り込み側となる巻取り枠部直前の位
置に、ビニールシートを圧縮状に挟み込み可能とするよ
うにした上下一対の絞込み用ローラを略水平状に軸着、
配置した構造とするのが望ましい。
【0011】離脱機構は、本体架台部上に軸着された巻
取り軸の巻取り枠部外周径を縮小、復帰できるようにし
た側において、該巻取り軸の軸支部を本体架台部軸着部
から選択的に離脱可能とし、複数の巻取り枠部外周にロ
ール状に巻き取られたビニールシートを取り外し可能と
する機能を果たすものであり、巻取り軸の軸心方向に進
退自在であって、前進させて軸受け構造を形成し、後退
させて巻取り軸の軸支部を離脱可能にするものとするこ
とができる外、軸着部を骨格枠や支柱体等の支持構造に
よって支え、該支持構造が軸着部諸共、本体架台部にオ
フセット配置された垂直軸回りに回動操作するか、ある
いは水平軸回りに横転操作して、該軸着部を巻取り軸軸
支部から離脱可能とするようにした構造からなるものと
することができる。
【0012】巻取り軸は、回転駆動源から出力される回
転駆動力を複数の巻取り枠部に伝達する機能を果たすも
のであって、ビニールシートの巻き取り作業の際に複数
の巻取り枠部から伝えられる外力、および軸支部に加わ
る応力に充分に耐える強度を有するものとしなければな
らず、離脱機構を設けたのとは反対側の軸支部近傍に
は、ロール状に巻き取られたビニールシートの縁部を離
脱しないよう塞き止める塞止め枠もしくは塞止め板を設
けたものとするのが望ましく、少なくとも一方の端部を
回転駆動源からの回転力を入力する入力端とし、例え
ば、歯車、スプロケット、プーリ等の入力用部品を装着
し、歯車、チェーン、ベルト等の減速機構を介して電動
モータやエンジン等の出力軸を接続するように構成する
ことができる外、巻取り用のクランクハンドルを着脱自
在に装着可能なハンドル装着部を形成したものとするこ
とができる。
【0013】回転駆動源は、巻取り軸を巻取り方向に強
制的に回転駆動して、ビニールシートを巻取り可能とす
る機能を果たすものであり、巻取り軸の少なくとも何れ
か一方端に、歯車、チェーン、ベルト等を使用した減速
機構を介して電動駆動モータやエンジン等を接続してな
るものとすることができる外、巻取り軸の少なくとも何
れか一方端(望ましくは両端)に、巻取り用のクランク
ハンドルを着脱自在に装着可能なハンドル装着部を形成
すると共に、該巻取り軸の適所に歯車、チェーン、ベル
ト等を使用した減速機構を設け、該減速機構の入力軸
に、同一のクランクハンドルを着脱自在とするハンドル
装着部を形成してなるものとし、何れか一方、即ち作業
性の良い側のハンドル装着部にクランクハンドルを着脱
自在に装着し、手動によって該クランクハンドルを回動
操作する手段によるものとすることが可能である。
【0014】巻取り枠部は、巻取り軸に巻き取られるビ
ニールシートの巻き取り径を縮小、復帰自在なものとす
る機能を果たすものであり、換言すればビニールシート
を巻き取る際には、所望する外周径を確保するよう展開
状態とし、ロール状に巻き取られたビニールシートを取
り外す際には、その外周径を僅かでも縮小させてビニー
ルシートの中心部を弛緩状とし、ビニールシートだけを
取り外し易くする機能を果たすものであるということが
でき、実質的な外周径を形成する一本または複数本の巻
取り枠杆を有し、巻取り枠杆の適所がリンク機構を介し
て巻取り軸に接続され、少なくとも巻取り軸の選択的に
離脱可能とした軸支部側の一方端側を必要に応じてその
外周径を縮小および復帰操作できるように構成したもの
としなければならない。
【0015】そのため、例えば、複数の巻取り枠杆の
中、少なくとも何れか一本の巻取り枠杆が、その両端の
中、少なくとも本体架台部の軸着部から選択的に離脱可
能となるようにした巻取り軸軸支部と同一側の端部側
を、選択的にスライダの回転中心方向に移動可能とする
よう平行リンク機構を介してスライダに連結され、実質
的に巻取り枠部の外周径を縮小および復帰できるように
するか、あるいは複数の巻取り枠杆の中、少なくとも何
れか一本の巻取り枠杆が、本体架台部の軸着部から選択
的に離脱可能となるようにした巻取り軸軸支部と同一側
の端部側だけを、スライダの回転中心方向に移動可能と
するようリンク機構を介して連結され、巻取り枠部の一
端部側だけが実質的にその外周径を縮小および復帰でき
るようにしたものとすることができる外、スライダを設
けずに巻取り軸の離脱機構とは反対側の端部に塞止め枠
を設け、リンク機構を介して巻取り軸に連結された各巻
取り枠杆の対応する端部夫々を該塞止め枠中途部に回動
自在に連結し、同塞止め枠を巻取り軸方向に横転回動も
しくは進退摺動操作する等して巻取り枠杆の外周径を縮
小、復帰操作可能とするよう形成したものとすることが
できる。
【0016】スライダは、巻取り枠部の平行リンクを含
む何れかのリンク機構を縮小および復帰操作可能とする
機能を果たすものであり、巻取り軸に同心状に装着され
る筒状または周壁面の一部を開放した筒枠状、もしくは
巻取り軸の外周壁面に刻設されたレール部に沿って移動
可能な構造とする等して巻取り軸に沿って進退し、所定
方向に前進して巻取り枠部外周径を縮小させ、逆方向に
後退させて巻取り枠部外周径をもとの寸法に復帰できる
ものとし、また巻取り枠部の外周径を拡大させた状態で
仮固定し、必要に応じてこの仮固定を解除し外周径を縮
小できる構造としなければならず、コイルバネやゴム紐
等を用いて、スライド移動操作を行わずとも、仮固定を
解除しただけで巻取り枠部を縮小させる方向へ自動的に
移動する構造とすることができる外、仮止め機構として
の機能や、進退操作用の摺動レバーおよび仮止め片の外
側を覆い外力による変形や破損、汚れ等から保護する保
護カバー等といった複数の機能を兼ねるものとすること
が可能である。
【0017】仮止め機構は、巻取り枠部を巻き取り可能
な状態に復帰させた際に、スライダを巻取り軸の所定位
置に対して仮り固定する機能を果たすものであり、スラ
イダと一体もしくは別体に形成された先割れ状の進退管
部と、巻取り軸に同軸状に装着され、該進退管部先割れ
状先端の外周に螺着された締め付けナットとからなり、
スライダの固定位置において該ナットを締め付けて進退
管部の内径を縮小させ、その内周壁面を巻取り軸外周壁
に圧接状として仮固定し、必要に応じてナットを螺解し
てスライダの仮固定を解除できるよう構成することが可
能である外、スライダの適所外側に、巻取り軸に略直交
状となる軸心回りであってスライダの摺動方向に反転状
に揺動自在に軸着された仮止め片と、その外側に同軸状
に装着されたカバー兼摺動レバーとからなり、該仮止め
片の揺動側端には、係合凸部を巻取り軸側に向けて突設
する一方、同他端側は、カバー兼摺動レバーを巻取り軸
に対し起立状に反転、起立操作したときに該カバー兼摺
動レバーの基端側縁部に係合し、揺動端をスライダ外壁
面から離脱させる方向に揺動可能に延伸させる係合端に
形成し、スライダ壁面には、該係合凸部が貫通可能な透
し孔を穿孔すると共に、巻取り軸の巻取り枠部を展開さ
せたときの該仮止め片係合凸部に対応する位置には、ス
ライダ透し孔を貫通した係合凸部が嵌合可能な仮止め孔
を穿孔したものとすることができる。以下では、図面に
示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造につい
て詳述することとする。
【0018】
【実施例1】図1のビニールシート用巻取り装置の斜視
図、図2の分解されたビニールシート用巻取り装置の斜
視図、図3のビニールシート用巻取り装置の正面図、図
4の分解された仮止め機構の斜視図、図5の仮固定を解
除する仮止め機構の断面図、および図6の摺動操作を受
ける仮止め機構の断面図に示される事例は、平行リンク
機構を有して縮小、復帰可能とした複数の巻取り枠部を
持った略水平状の巻取り軸を有し、クランクハンドルを
装着することによって人力による巻取り作業を可能とし
た、基本的構成からなるこの発明に包含されるビニール
シート用巻取り装置における代表的な実施例を示すもの
である。
【0019】当該ビニールシート用巻取り装置1は、巻
取り軸4を略水平状に軸支した櫓部23を本体架台部2
上略中央部に組み合わせたものとなっており、該本体架
台部2は、所定幅の梯子状に形成された骨格枠21の両
端に、一対の側面L形状の支柱を梁部品で連結した据付
け用枠部22,22が、夫々奥行寸法を調節できるよう
伸縮可能な構造によって装着され適宜位置でネジ固定さ
れたものとし、該骨格枠21の略中央には前記櫓部23
を、その矩形状底面骨格構造部を本体架台部2上に交叉
状に配置するよう取り付け、所定高さ位置に巻取り軸4
の両端を夫々支える軸着部24,24を有し、一方の軸
着部24を離脱機構3を有する支持柱部25が回転自在
および着脱自在に支持し、他方の軸着部24を三角型支
持柱部26が回転自在且つ脱着不能な状態に支える構造
としている。
【0020】離脱機構3は、鉛直棒状に立設された支持
柱部25の上端に設けられた側面コ字型であって、その
先端凹形状部内に巻取り軸4の軸支部41を挿脱自在且
つ回転自在に収容可能であり、該コ字型の先端上下鍔部
には、夫々離脱防止用の挿しピン32を同軸状に挿し込
むことができる挿込み孔が穿孔された着脱用軸着部31
を有すると共に、該支持柱部25の基端側であって、該
支持柱部25の鉛直状軸心から所定寸法分オフセットさ
れた位置に、回動用の支持軸33を有する回動用アーム
34を設けてなり、支持柱部25の下端部に櫓部23の
骨格材部を挟み込み、脱着自在に嵌着する断面コ字型の
板バネ製嵌着部35を設け、着脱用軸着部31を巻取り
軸4軸支部41に対応させた配置において、該板バネ製
嵌着部35が櫓部23の骨格材部に嵌着し、仮固定状と
なるよう形成している。
【0021】巻取り軸4は、ビニールシートの巻取り幅
に相当する略全長部分を金属製のパイプ材から形成した
棒状体とし、着脱用軸着部31から外側へ向けて突出さ
れる端部を四角柱状に形成してクランクハンドル5を脱
着可能なハンドル装着部42に形成する一方、三角型支
持柱部26に着脱不能に支持された端部を外側に延伸、
突出させ歯数の異なる一対のスプロケット61,62お
よびチェーン63からなる減速機構6を接続し、該減速
機構6の減速側入力軸64を、巻取り軸4と平行状とな
るよう櫓部23の適所に回転自在に軸着すると共に、そ
の入力端部を巻取り軸4のハンドル装着部42と同一の
本体架台部2側面から突出状とし、巻取り軸4のハンド
ル装着部42と同一形状のハンドル装着部42を形成し
たものとした上、スプロケット61,62、チェーン6
3等を箱型カバー65,66によって外部に露出しない
ように覆ったものとしている。
【0022】また、巻取り軸4の着脱用軸着部31と三
角型支持柱部26との間に位置する所定範囲には、該巻
取り軸4の外周に沿って摺動自在な円筒管状のスライダ
7が装着され、該スライダ7の着脱用軸着部31に隣接
する位置には、後述する構造の仮止め機構71を設け、
同仮止め機構7より三角型支持柱部26側に位置する適
所には、夫々所定間隔を隔てて設けられた平行リンク8
2,82を介して巻取り軸4に平行状に支持された巻取
り枠杆81の三組を、該巻取り軸4の外周に略120゜
を隔てて放射状の配置とした巻取り枠部8を設け、三角
型支持柱部26近傍の巻取り枠杆81,81,81に対
応する位置から、展開復帰されたときの巻取り枠部8を
越えて、外側遠心方向に伸張するよう寸法設定された塞
止め枠杆83,83,83を該巻取り軸4に一体的に固
着し、各巻取り枠杆81,81,81の対応する端部か
ら摺動案内用の突出ネジ部を同心状に突出形成すると共
に、塞止め枠杆83,83,83の夫々の延伸方向に沿
って穿孔された案内用長孔84,84,84に、各突出
ネジ部を挿通して離脱しないようナットを螺着すること
により、スライダ7の移動によって平行リンク82,8
2,82が縮小、復帰する際の、巻取り枠杆81,8
1,81の揺動を阻止し、巻取り枠部8の縮小および復
帰の際の外径寸法を規制するよう形成している。
【0023】前記仮止め機構71は、図4、図5および
図6に示すように、スライダ7の着脱用軸着部31に隣
接する位置付近に突設されて対峙する一対のフランジ部
72,72に、巻取り軸4に略直交状となる方向からピ
ン型シャフト73を掛け渡し状に挿し込み、該フランジ
部72,72の間に仮止め片74、閉鎖用バネ75を、
フランジ部72,72の外側にカバー兼摺動レバー78
の夫々を同軸状、且つ回動自在に軸着して該ピン型シャ
フト73先端にRピンを挿し込み抜け止めを施したもの
であり、仮止め片74の遊端側には、巻取り軸4側に突
出する円柱形の係合凸部76を突出させ、その反対側端
には、該カバー兼摺動レバー78をスライダ7の摺動方
向に反転状に揺動させたときに、該係合凸部76をスラ
イダ7壁面から離脱させるよう、カバー兼摺動レバー7
8基端側縁部に係合する係合端77を延伸させたものと
し、カバー兼摺動レバー78を閉鎖状に横転させたとき
には、閉鎖用バネ75が仮止め片74の遊端側をスライ
ダ7壁面に向けて自動的に押圧するものとなっており、
該仮止め片74を横転閉鎖状としたときに、その係合凸
部76が対応するスライダ7壁面には、該係合凸部76
が貫通する透し孔79を穿孔し、さらに巻取り枠部8を
展開させ、仮止め片74を横転状に閉鎖させたときの係
合凸部76に対応する巻取り軸4壁面には、スライダ7
の透し孔79を通過した係合凸部76が係合可能な仮止
め孔43を穿孔したものとなっている。
【0024】さらに、本体架台部2の巻取り軸4側への
ビニールシート巻取り側となる一方側の据付け用枠部2
2,22の間には、巻取り枠部8の直前に配置されるよ
う上下一対の絞込み用ローラ9,9を略水平状に配置さ
せ、夫々の両端部を平面形U型状のブラケット91,9
1を介して回転自在に装着したものとし、各絞込み用ロ
ーラ9,9の支持高さを固定的なものとするか、または
必要に応じて絞込み用ローラ9,9の軸着部間の間隔を
ボルト・ナット構造を用いて適宜調節可能とする間隔調
節機構を組み込んだものとするか、あるいは絞込み用ロ
ーラ9,9相互間にバネその他の弾性部品により、適度
の圧縮力を常に発生する自動押圧、絞込み機構を設けた
ものとすることが可能である。
【0025】
【実施例2】図11の他の実施例におけるビニールシー
ト用巻取り装置の正面図に示される事例は、この発明の
ビニールシート用巻取り装置に包含される他の実施例を
示すものであり、複数本設けられた巻取り枠杆81,8
1,81の着脱用装着部31側の端部側のみを縮小、展
開可能とするよう構成したものである。このビニールシ
ート用巻取り装置1の基本的構成は、上記した実施例の
構造と同様なので、以下では巻取り枠部8の構造につい
てだけ図11を参照にして示すこととする。
【0026】巻取り枠部8は、三本の巻取り枠杆81,
81,81の着脱用軸着部31側端部にのみリンク8
2,82,82を設け、これらリンク82,82,82
を介してスライダ7の外壁に略120゜の等間隔を隔て
て連結する一方、三角型支持柱部26側の端部を、巻取
り軸4に一体に固着され対応する位置に立設させた塞き
止め枠杆83,83,83の展開、復帰時の高さ位置に
対し、夫々揺動自在に軸着したものとした上、該スライ
ダ7と着脱用軸着部31との間の巻取り軸4適所には、
短尺円筒状であって外側から肉厚方向に貫通し、巻取り
軸4周壁面に達して仮固定する仮止めネジを螺合してス
ライダ7の摺動範囲を規制するストッパー44を装着し
たものとなっている。
【0027】
【作用】以上のとおりの構成からなるこの発明のビニー
ルシート用巻取り装置1は、図5の仮止め機構を解除す
る状態の断面図、図6のスライダを摺動操作する状態の
断面図、図7の巻取り作業中のビニールシート用巻取り
装置の斜視図、図8の仮止め機構を解除する状態の斜視
図、図9の巻取り枠部を縮小させた状態の斜視図、およ
び図10の離脱機構が巻取り軸の端部を開放した状態を
示す斜視図に示すように、以下のような作業手順によっ
てビニールシートを巻き取ることができる。
【0028】当該ビニールシート用巻取り装置1は、本
体架台部2の据付け用枠部22,22の取り付け位置を
適宜調節し、図7中に鎖線で示すように、トラックの荷
台等に搭載することが可能であり、荷台左右の煽間寸法
に略一致する全長寸法に調節した後、伸縮せぬようネジ
止め固定すると共に、据付け用枠部22,22に荷付け
用のロープ等を掛け渡す等して車体に確りと固定するこ
とが可能であり、このようにしてビニールシート用巻取
り装置1を搭載した車両を、シートの巻き取り対象とな
るビニールハウスの棟方向、延長線上に確りとパーキン
グブレーキを用いて停止させる。この際、絞込み用ロー
ラ9,9が設けられた巻込み側をビニールハウスに近い
側に配置するものとする。
【0029】そして、図5図中に実線で示された状態
に、スライダ7を着脱用軸着部31側に移動させ、仮止
め機構71仮止め片74およびカバー兼摺動レバー78
を横転閉鎖状とし、該仮止め片7の係合凸部76が、ス
ライダ7透し孔79と巻取り軸4仮止め孔43とを貫通
して巻取り枠部8を展開姿勢に仮固定させる。その後ビ
ニールハウスから引き出したビニールシートVの端を絞
込み用ローラ9,9間に通し、複数の巻取り枠杆81,
81,81が展開された巻取り枠部8の外周に巻き付け
た上、巻取り軸4ハンドル装着部42にクランクハンド
ル5を装着して巻き取り方向に回転操作し、図7中白抜
き矢印方向にビニールシートVを引き込めば、絞込み用
ローラ9,9間に挟み込まれてシート間の空気が抜き出
され、続いて巻取り枠部8外周にロール状に巻き取られ
てゆくものである。
【0030】最初の段階で絞込み用ローラ9,9間に挿
し通すときに、ビニールシートVの左右縁部を適宜折り
込み、凡その巻き込み形状を作ってやれば、略全長に渡
って同様に折り畳まれたままロール状に巻き取ることが
可能となり、また巻取り作業が進むに従い、巻取り軸4
に装着したクランクハンドル5による入力操作では、充
分な巻取り力が得られなくなった場合には、減速機構6
減速側入力軸64のハンドル装着部42に該クランクハ
ンドル5を装着し、より軽い入力によって巻取り操作を
続行することが可能となる。
【0031】このようにしてロール状に巻き取られたビ
ニールシートVをビニールシート用巻取り装置1から取
り外す際には、先ず図5および図8に示すように、仮止
め機構71のカバー兼摺動レバー78を引き起こすよう
に操作して起立状とすれば、該カバー兼摺動レバー78
内に位置されていた仮止め片74の係合端77が、同カ
バー兼摺動レバー78の基端側縁部に係合して、スライ
ダ7周壁面側に押しやられると共に、仮止め片74を閉
鎖側に付勢する閉鎖用バネ75が圧縮され、仮止め片7
4の揺動端側がスライダ7周壁面から離れるように回動
される。
【0032】仮止め片74の揺動によって係合凸部76
が、巻取り軸4仮止め孔43およびスライダ7透し孔7
9から離脱され、巻取り軸4からスライダ7を摺動自在
な状態に切離し状とし、続いて図6中白抜き矢印に示さ
れるように,カバー兼摺動レバー78を他端側の三角型
支持柱部26側に向けてスライドさせるよう押圧操作す
れば、スライダ7が同方向に摺動し巻取り枠部8の各平
行リンク82,82,……を折り畳み状に折曲させ、図
9中に示すように,三本の巻取り枠杆81,81,81
が巻き取り軸4に近接するように移動し、巻取り枠部8
の外周径寸法を縮小させ、ロール状のビニールシートV
の中心部が弛緩状となる。なお、巻き取り枠部8の縮小
および展開復帰操作を行う際、図3に示すように、各巻
取り枠杆81,81,81の夫々は、一方の端部を塞止
め枠杆83,83,83に沿って摺動自在に案内され、
軸方向の移動を規制されているので、不要な揺動が発生
せず、縮小時の形状および展開時の形状を一定のものと
することが可能である。
【0033】巻取り枠部8を縮小させ、ロール状のビニ
ールシートV中心部を弛緩状として巻き取り枠部8との
間に余裕空間を形成させた後、図2および図3に示した
離脱機構3の挿しピン32を抜き外して巻取り軸4ハン
ドル装着部42側の端部を離脱可能な状態とした上、図
10中に白抜き矢印で示すように、回動用アーム34の
オフセットされた配置の支持軸33を中心に着脱用軸着
部31を回動させれば、巻取り軸4の一端を開放状とし
てロール状のビニールシートVだけを、周囲に干渉させ
ることなく巻取り軸4および巻取り枠部8から抜き外す
ことが可能となる。
【0034】その後、新たなビニールシートVの巻取り
作業を行う場合には、回動用アーム34を逆向きに回動
させ、離脱機構3に巻取り軸4の端部を装着状として閉
鎖し、挿しピン32を挿して再び仮固定状に軸着させ、
スライダ7を元の位置まで引き戻して巻取り枠部8を起
立展開状に復帰させると共に、カバー兼摺動レバー78
および仮止め片74を、図5中に実線で示すよう閉鎖状
に引き倒し、仮止め片74係合凸部76をスライダ7透
し孔79および巻取り軸4仮止め孔43に貫通させ仮固
定状とすれば、その後、閉鎖用バネ75が仮止め片74
を閉鎖方向に付勢するので不用意に離脱させてしまうよ
うなことはなく、これによって巻取り作業の準備を完了
させたこととなり、次の巻取り作業に取り掛かることが
できる状態になる。
【0035】
【効果】以上のとおり、この発明のビニールシート用巻
取り装置によれば、巻取り枠部を形成する複数の巻取り
枠杆が、全長に渡ってその外周径を略同一となるよう拡
大させた状態でビニールシートを巻き取るようにし、巻
き取り開始直後からの一回転毎、全幅に渡って略均等な
状態で且つ比較的長尺に巻き取っていくことができ、し
かもロール状に巻き取られていくビニールシートは、巻
き取る際に牽引力が作用して圧縮状となってコンパクト
化され、締め固めたような円筒塊状のものとすることが
できることから、迅速且つ効率的な巻取り作業を実現可
能にすると共に、その後の取扱い、保管に有利なものと
することができるという秀れた効果を発揮するものとな
る。
【0036】また、こうして全て巻き終えたところで、
巻取り枠部を構成している巻取り枠杆の中、少なくとも
何れか一本の一方端を巻取り回転の中心方向に移動させ
てから離脱機構を操作するだけで、円筒塊状に巻き取ら
れたビニールシートの巻取用芯として機能していた巻取
り枠部が弛緩状となってしまってその方向への引抜きを
可能な状態とした上、巻取り軸の一方の軸支部を軸着部
から解放された状態となってしまい、円筒塊状に巻き取
られたビニールシートをそのままの状態で巻取り枠部か
ら簡単に取り外すことができ、抜き取った円筒塊状のビ
ニールシートは保管または廃棄等の然るべき処置に回さ
れるようにする一方、離脱状となっている巻取り軸の一
方の軸支部を軸着部に復帰、軸着するだけで、引き続き
接ぎのシート巻き取り作業を繰り返し実施できるように
なることから、ビニールシートを取り外して処理するま
での作業時間を大幅に短縮することができる上、ハウス
骨格体から直接巻き取る作業となるため、ビニールシー
トに土や泥等を付着させてしまう虞れも極めて少なくな
り、次回再使用に回すまで好適な条件下での保管が可能
となってビニールシートの寿命を延ばすことにも繋が
り、施設型農業に取り組む農家の作業負担および経済的
負担を格段に軽減化することができるという秀れた特徴
が得られるものである。
【0037】特に、実施例に説明したビニールシート用
巻取り装置1は、上記した特徴に加え、巻取り軸4に対
しリンク機構を介して接続された巻取り枠杆81,8
1,81を縮小および復帰自在に操作可能なスライダ7
を設け、該スライダ7に仮止め機構71およびカバー兼
摺動レバー78を設けたことにより、スライダ7を仮止
め操作するだけで全ての巻取り枠杆81,81,81を
展開、復帰された状態のまま仮固定することができ、該
仮止め機構71を解除してカバー兼摺動レバー78諸共
スライダ7を摺動操作すれば瞬時に複数の巻取り枠杆8
1,81,81を縮小させることができるものとなり、
複雑な煩わしい操作を一切必要とせずに、巻取り枠部8
の形状を簡便に制御することができる。
【0038】また、ビニールシートの巻取り量が増加す
るにつれ、巻取り軸4に装着したクランクハンドル5に
よる操作では負荷が大きく、思うように巻き取り操作を
実施できなくなった場合には、減速機構6の減速側入力
軸64にクランクハンドル5を選択的に付け替えて巻き
取ることにより、作業者への負担を軽減して軽快に作業
を進めることができるようにしてあり、また、本体架台
部2のビニールシートVの取り込み側となる巻取り枠部
8の直前位置に絞込み用ローラ9,9を設けたものとし
てあり、ハウス骨格からビニールシートを剥ぎ取りなが
ら引き込んでいき、巻取り枠部8に巻き取る直前に所定
幅で平板状に圧縮、整形してからロール状に巻き取るこ
とができるようにして、巻取り状態を偏在状とすること
なく定形状且つコンパクトな荷姿にまとめることができ
るようになることから、保管または廃棄処分のための移
送中や、然るべき場所での保管中等に緩みを生じて解け
てしまい、荷崩れ等を起こすといった不都合を解消する
ことができるようになる等、巻取り後の取り扱いに一層
有利なものとすることができるという利点が得られるも
のとなっている。
【0039】さらに、巻取り軸4の一端側、巻取り枠部
8が縮小状となる一端側の軸着部31に設けた離脱機構
3が、極めて簡潔で製造し易い構造のものに形成されて
いて、当該離脱機構3を簡単、迅速に開放操作し得るよ
うにしてあることから、巻取り枠部8を縮小させ、中心
部を弛緩状とした円筒塊状、即ちロール状のビニールシ
ートを極めて簡単に取り外すことができる上、その後、
速やかに離脱機構3を閉鎖状として再度巻き取り作業を
再開することができるものとなり、作業性の向上と時間
短縮とを確実に実現可能とし、ビニールシートの巻取
り、回収作業の効率を格段に高めることができるという
有利な効果が得られると共に、該本体架台部2を骨格枠
21に対し、据付け用枠部22,22を伸縮可能な構造
によって連結できるようにして、設置個所や搭載車両の
荷台寸法等に応じて底面寸法を自在に調節できるように
してあることから、サイズの異なるトラック荷台に対し
ても、より安定した設置が可能になるという実用的な効
果を奏するものとなっている。
【0040】叙述の如く、この発明のビニールシート用
巻取り装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍
く達成可能とするものであり、しかも構造が簡素で製造
も容易なことから、従前からのシート巻取り装置に比較
してもかなり経済的なものとすることができ、しかも分
解および組立て可能な構造とすれば、輸送や保管の際に
も有利なものになる上、ビニールシートの巻き取り作業
の効率を大幅に高めることができることから、費用の削
減と作業時間の短縮とを確実に達成可能にするものであ
り、これから益々経費の削減と作業効率の向上とが強く
求められていくであろう施設型農業を営む農家や、それ
に関連する農機具業界において、高い評価がなされて広
範に渡って利用、普及していくものになると予想され
る。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明のビニールシート用巻取り装置の技術
的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すもの
である。
【図1】ビニールシート用巻取り装置を示す斜視図であ
る。
【図2】分解状態にあるビニールシート用巻取り装置を
示す斜視図である。
【図3】ビニールシート用巻取り装置を示す正面図であ
る。
【図4】分解された仮止め機構を示す斜視図である。
【図5】仮止め機構を解除する状態を示す断面図であ
る。
【図6】スライダを摺動操作する状態を示す断面図であ
る。
【図7】ビニールシートの巻取り作業を示す斜視図であ
る。
【図8】仮止め機構を解除する状態を示す斜視図であ
る。
【図9】巻取り枠部を縮小させた状態を示す斜視図であ
る。
【図10】離脱機構の操作状態を示す斜視図である。
【図11】リンク機構を変更したビニールシート用巻取
り装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ビニールシート用巻取り装置 2 本体架台部 21 同 骨格枠 22 同 据付け用枠部 23 同 櫓部 24 同 軸着部 25 同 支持柱部 26 同 三角型支持柱部 3 離脱機構 31 同 着脱用軸着部 32 同 挿しピン 33 同 支持軸 34 同 回動用アーム 35 同 板バネ製嵌着部 4 巻取り軸 41 同 軸支部 42 同 ハンドル装着部 43 同 仮止め孔 44 同 ストッパー 5 クランクハンドル 6 減速機構 61 同 スプロケット 62 同 スプロケット 63 同 チェーン 64 同 減速側入力軸 65 同 箱型カバー(66) 7 スライダ 71 同 仮止め機構 72 同 フランジ部 73 同 ピン型シャフト 74 同 仮止め片 75 同 閉鎖用バネ 76 同 係合凸部 77 同 係合端 78 同 カバー兼摺動レバー 79 同 透し孔 8 巻取り枠部 81 同 巻取り枠杆 82 同 リンク(平行リンク機構) 83 同 塞止め枠杆 9 絞込み用ローラ 91 同 ブラケット V ビニールシート

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中心から適宜間隔を置いた位置に互
    いに略平行状に横設してなる複数の巻取り枠杆によって
    巻取り枠部を形成した上、該巻取り枠部を、本体架台部
    上に略水平状配置となり、適宜回転駆動源によって回転
    自在となるように軸着、支持してなるものとする一方、
    当該巻取り枠部の複数の巻取り枠杆の中、少なくとも何
    れか一本の巻取り枠杆が、その両端の中の少なくとも何
    れか一方の端部側が、選択的に回転中心方向に移動可能
    となるよう形成され、実質的に巻取り枠部の外周径を縮
    小および復帰できるようにしたものにすると共に、当該
    巻取り枠部は、その外周径を縮小、復帰できるようにし
    た側において、本体架台部の軸着部から選択的に離脱可
    能とする離脱機構を介して軸着、支持されるようにした
    ことを特徴とするビニールシート用巻取り装置。
  2. 【請求項2】 スライダの回転中心から適宜間隔を置い
    た位置に互いに略平行状に横設してなる複数の巻取り枠
    杆によって巻取り枠部を形成した上、該巻取り枠部のス
    ライダに、本体架台部の軸着部に略水平状に軸支する巻
    取り軸を挿通し、その軸心方向にスライダが摺動可能で
    あって、仮止め機構を介して双方間が仮固定され、当該
    スライダの摺動が選択的に阻止されてしまうようにする
    と共に、適宜回転駆動源による巻取り軸の回転作動によ
    り、該巻取り軸と共に巻取り枠部が回転自在となるよう
    にする一方、当該巻取り枠部の複数の巻取り枠杆の中、
    少なくとも何れか一本の巻取り枠杆が、その両端の中の
    少なくとも何れか一方の端部側を、選択的にスライダの
    回転中心方向に移動可能とするよう形成され、実質的に
    巻取り枠部の外周径を縮小および復帰できるようにした
    ものにすると共に、スライダを介して巻取り枠部を軸支
    する巻取り軸は、当該巻取り枠部の外周径を縮小、復帰
    できるようにした側において、本体架台部の軸着部から
    選択的に離脱可能とする離脱機構を介して軸着、支持さ
    れるようにしたことを特徴とするビニールシート用巻取
    り装置。
  3. 【請求項3】 本体架台部の軸着部に略水平状に巻取り
    軸を軸着、支持するようにすると共に、それら両端軸支
    部の中、少なくとも何れか一方の軸支部を、適宜離脱機
    構を介して本体架台部の軸着部から選択的に離脱可能と
    なるようにする一方、該巻取り軸に摺動可能にスライダ
    を外装した上、同スライダの回転中心から適宜間隔を置
    いた位置に互いに略平行状に横設してなる複数の巻取り
    枠杆によって巻取り枠部を形成し、該巻取り枠部の複数
    の巻取り枠杆の中、少なくとも何れか一本の巻取り枠杆
    が、その両端の中、少なくとも本体架台部の軸着部から
    選択的に離脱可能となるようにした巻取り軸軸支部と同
    一側の端部側を、選択的にスライダの回転中心方向に移
    動可能とするようリンク機構を介してスライダに連結さ
    れ、実質的に巻取り枠部の外周径を縮小および復帰でき
    るようにしたものにすると共に、巻取り軸とスライダと
    の間に仮止め機構を設け、当該スライダの摺動が選択的
    に阻止され、且つ適宜回転駆動源による巻取り軸の回転
    作動により、該巻取り軸と共に巻取り枠部が回転自在と
    なるようにしたものとし、スライダを仮止め機構によっ
    て巻取り軸に仮固定した状態で、巻取り軸を適宜回転駆
    動源によって回転作動することにより、巻取り枠部の巻
    取り枠杆外周にビニールシートをロール状に巻き上げた
    後、仮固定を解除して巻取り軸に対してスライダを摺動
    させることにより、巻取り枠杆をスライダに向けて移動
    させ、実質的に巻取り枠部の外周径を縮小し、ロール状
    に巻かれたビニールシートの中心部を弛緩状とした上、
    離脱可能とした巻取り軸の一方の軸支部を離脱機構によ
    って本体架台部の軸着部から離脱させ、ロール状のビニ
    ールシートだけを巻取り枠部から取り外してしまうよう
    にしたことを特徴とするビニールシート用巻取り装置。
  4. 【請求項4】 巻取り枠部の複数の巻取り枠杆の中、少
    なくとも何れか一本の巻取り枠杆が、その両端の中、少
    なくとも本体架台部の軸着部から選択的に離脱可能とな
    るようにした巻取り軸軸支部と同一側の端部側を、選択
    的にスライダの回転中心方向に移動可能とするよう平行
    リンク機構を介してスライダに連結され、実質的に巻取
    り枠部の外周径を縮小および復帰できるようにした、請
    求項1ないし3何れか記載のビニールシート用巻取り装
    置。
  5. 【請求項5】 巻取り枠部の複数の巻取り枠杆の中、少
    なくとも何れか一本の巻取り枠杆が、本体架台部の軸着
    部から選択的に離脱可能となるようにした巻取り軸軸支
    部と同一側の端部側だけを、選択的にスライダの回転中
    心方向に移動可能とするようリンク機構を介してスライ
    ダに連結され、巻取り枠部の一端部側だけが実質的にそ
    の外周径を縮小および復帰できるようにした、請求項1
    ないし3何れか記載のビニールシート用巻取り装置。
  6. 【請求項6】 巻取り軸の回転駆動源は、巻取り軸の少
    なくとも何れか一方端に、巻取り用のクランクハンドル
    を着脱自在に装着可能なハンドル装着部を形成すると共
    に、該巻取り軸の適所に歯車、チェーン、ベルト等を使
    用した減速機構を設け、該減速機構の入力軸に、同一の
    クランクハンドルを着脱自在とするハンドル装着部を形
    成してなるものとし、何れか一方のハンドル装着部にク
    ランクハンドルを着脱自在に装着し、手動によって該ク
    ランクハンドルを回動操作する手段によるものとした、
    請求項1ないし5何れか記載のビニールシート用巻取り
    装置。
  7. 【請求項7】 本体架台部には、巻取り枠部を軸支する
    の軸着部に併設して、巻取り枠部へのビニールシート取
    り込み側となる巻取り枠部直前の位置に、ビニールシー
    トを圧縮状に挟み込み可能とするようにした上下一対の
    絞込み用ローラを略水平状に軸着、配置するようにし
    た、請求項1ないし6何れか記載のビニールシート用巻
    取り装置。
  8. 【請求項8】 仮止め機構が、スライダの適所外側に、
    巻取り軸に略直交状となる軸心回りであってスライダの
    摺動方向に反転状に揺動自在に軸着された仮止め片と、
    その外側に同軸状に装着されたカバー兼摺動レバーとか
    らなり、該仮止め片の揺動側端には、係合凸部を巻取り
    軸側に向けて突設する一方、同他端側は、カバー兼摺動
    レバーを巻取り軸に対し起立状に反転、起立操作したと
    きに該カバー兼摺動レバーの基端側縁部に係合し、揺動
    端をスライダ外壁面から離脱させる方向に揺動可能に延
    伸させる係合端に形成し、スライダ壁面には、該係合凸
    部が貫通可能な透し孔を穿孔すると共に、巻取り軸の巻
    取り枠部を展開させたときの該仮止め片係合凸部に対応
    する位置には、スライダ透し孔を貫通した係合凸部が嵌
    合可能な仮止め孔を穿孔してなるものとした、請求項1
    ないし7何れか記載のビニールシート用巻取り装置。
  9. 【請求項9】 巻取り軸一端側の軸支部とそれに対応す
    る本体架台部の軸着部との間を着脱自在に支持する離脱
    機構は、本体架台部にオフセット配置された垂直軸回り
    に回動操作するか、あるいは水平軸回りに横転操作し
    て、軸着部を巻取り軸軸支部から離脱可能とする構造か
    らなるものとした、請求項1ないし8何れか記載のビニ
    ールシート用巻取り装置。
  10. 【請求項10】 本体架台部は、伸縮、折り畳み、分解
    および組み立て可能な骨格状の枠体から形成され、その
    底面積寸法を設置場所や搭載車両の荷台寸法等に合わせ
    て伸縮または折り畳み調節可能なものに形成された、請
    求項1ないし9何れか記載のビニールシート用巻取り装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018002424A (ja) * 2016-07-05 2018-01-11 東芝テリー株式会社 ケーブル収納装置および管内カメラシステム
JP6809742B1 (ja) * 2020-03-24 2021-01-06 株式会社森機械製作所 棒網巻取装置
AU2021106656B4 (en) * 2021-08-23 2023-02-02 Hangan, Matthew Luke MR Dispenser for blast hole liner
JP7298847B2 (ja) 2020-01-09 2023-06-27 株式会社クボタ 農業用被覆材の巻き取り装置

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