JP2002284155A - 液体用紙容器 - Google Patents

液体用紙容器

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JP2002284155A JP2001082586A JP2001082586A JP2002284155A JP 2002284155 A JP2002284155 A JP 2002284155A JP 2001082586 A JP2001082586 A JP 2001082586A JP 2001082586 A JP2001082586 A JP 2001082586A JP 2002284155 A JP2002284155 A JP 2002284155A
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Mitsuru Tajima
充 田島
Masato Fukuoka
正人 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体用紙容器の注出口の外面側周縁の所定位
置に正常に設けられているか否かを確実に検査すること
ができる口栓用溶着部材を備えた液体用紙容器を提供す
ることにある。 【解決手段】 紙基材層の外側と内側の両表出面に熱接
着性樹脂層を有し、密封部材で内面側から熱接着して被
覆した注出口を備え、該注出口の外面側周縁近傍に口栓
を溶着可能とすると共に前記注出口の端面を被覆するた
めの口栓用溶着部材が設けられた液体用紙容器におい
て、前記口栓用溶着部材に金属酸化物からなる検出層が
設けられていることを特徴とする液体用紙容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体用紙容器の注
出口の外面側周縁近傍に口栓を溶着可能とするための熱
接着により設けられる口栓用溶着部材を備えた液体用紙
容器に関し、さらに詳しくは、液体用紙容器の注出口の
外面側周縁近傍に設けられる口栓用溶着部材の位置ず
れ、欠損、欠落を容易に検出することができる口栓用溶
着部材を備えた液体用紙容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、清酒、コーヒー、ジュースなどの
液体を充填する容器として、液体用紙容器が使用されて
いる。このような液体用紙容器は、内容物の品質を一定
期間劣化することなく、味や風味を一定に保つために、
酸素ガスや水蒸気ガス等を遮断する材料、たとえば、ア
ルミニウム箔、アルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニ
ウム等の無機物の蒸着層を形成したシート、ポリ塩化ビ
ニリデン(PVDC)を塗工したシート、あるいは、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体などが液体用紙容器
を構成する層構成中に用いられている。
【0003】そして、上記液体用紙容器には、内容物で
ある液体用の注出口が設けられており、この注出口には
内面側から熱接着してこの注出口を被覆する密封部材が
設けられている。この密封部材についても液体用紙容器
と同じであって、アルミニウム箔、アルミニウムや酸化
珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着層を形成した
合成樹脂製シート、あるいは、ポリ塩化ビニリデンを塗
工した合成樹脂製シートなどを層構成中に用いた構成か
らなっている。
【0004】この密封部材の構成を2〜3例示するなら
ば、ポリエチレン20〜35μm/PVDCコートした
ポリエチレンテレフタレート12〜16μm/ポリエチ
レン30〜40μm、ポリエチレン20〜35μm/珪
素酸化物ないしアルミニウム酸化物を蒸着したポリエチ
レンテレフタレート12〜16μm/ポリエチレン30
〜40μm、ポリエチレン20〜35μm/アルミニウ
ム箔9μm/ポリエチレンテレフタレート12〜16μ
mなどを挙げることができる。
【0005】また、前記液体用紙容器に設けた注出口の
外面側周縁近傍に、口栓を溶着可能とすると共に前記注
出口の端面を被覆するための口栓用溶着部材が熱接着に
より設けられている。この口栓用溶着部材は、液体用紙
容器、口栓及び密封部材と溶着可能な構成からなるシー
トであればよく、その形状は注出口の形状より若干内径
が小さい環状をしているもの、あるいは、注出口を被覆
する形状をしているものなどが用いられているが、前記
注出口は通常円形に形成され、口栓に設けた開封用鋸刃
での容易な開封性を考慮して円環形状をしたものが一般
的に用いられている。
【0006】ところで、円環形状をした口栓用溶着部材
は、液体用紙容器の注出口の外面側周縁近傍に、前記注
出口の端面を被覆するように熱接着により設けられる
が、口栓用溶着部材は、これを熱接着する液体用紙容器
の注出口の外面側周縁近傍が紙基材層の白地であること
と液体用紙容器の意匠を考慮して、通常無色透明に構成
された口栓用溶着部材が用いられるために、注出口に対
して正常な位置で熱接着されているのか、あるいは、そ
の一部が折れ込まれて欠損の状態で熱接着されているの
か、あるいは、それが何らかの要因で欠落した状態とな
っているのかを肉眼による目視検査で対応していた。そ
の結果、正常な位置で熱接着されていれば何等問題は発
生しないが、位置ずれや欠損、欠落のある場合には口栓
を液体用紙容器の注出口の外面側に確実に溶着すること
ができず、消費者が口栓に設けられた鋸刃で開封して、
内容物である液体を注ぐ際に口栓の溶着部から液体が漏
れ出るという液漏れ問題が時として発生していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、液体用紙容器の注出口の外面側周縁の所定位置に正
常に設けられているか否かを確実に検査することができ
る口栓用溶着部材を備えた液体用紙容器を提供し、これ
により消費者が使用する時に今まで時として発生した口
栓の溶着部からの液漏れを完全に防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、請求項1記載の発明は、紙基材層の
外側と内側の両表出面に熱接着性樹脂層を有し、密封部
材で内面側から熱接着して被覆した注出口を備え、該注
出口の外面側周縁近傍に口栓を溶着可能とすると共に前
記注出口の端面を被覆するための口栓用溶着部材が設け
られた液体用紙容器において、前記口栓用溶着部材に金
属酸化物からなる検出層が設けられていることを特徴と
するものである。このように構成することにより、口栓
用溶着部材を設けた液体用紙容器の注出口に紫外線〔京
都電機器(株)製:ブラックライト〕を照射することに
より、後述する検出方法で口栓用溶着部材の前記注出口
に対する位置ずれ、欠損,欠落を容易に検出することが
できる。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の液体用紙容器において、前記金属酸化物が酸化チタ
ンであることを特徴とするものである。このように構成
することにより、口栓用溶着部材は白色を呈することに
なる。そして、後述するが口栓用溶着部材を設ける液体
用紙容器の注出口の外面側周縁近傍は非印刷領域からな
るために、この部位は液体用紙容器の紙色(通常白色)
を呈しており、白色を呈している口栓用溶着部材を前記
液体用紙容器の注出口の外面側周縁近傍に設けても外観
上違和感のない意匠となる。また、酸化チタンは入手も
容易であり、コストも適当である。
【0010】
【発明の実施の形態】上記の本発明について、以下に更
に詳しく説明する。本発明の口栓用溶着部材が設けられ
る液体用紙容器は、紙基材層として紙が用いられ、該紙
基材層の外側と内側の両表出面に熱接着性樹脂層として
ポリエチレン等が用いられる。また、前記紙基材層と内
面側の熱接着性樹脂層との間には、通常、酸素ガスや水
蒸気ガス等を遮断する層として、たとえば、アルミニウ
ム箔、アルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム等の
無機物の蒸着層を形成したシート、ポリ塩化ビニリデン
(以下、PVDCと呼称する)を塗工したシート、ある
いは、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが内容
物により適宜選択して用いられる。このような液体用紙
容器の形状としては、液体からなる内容物を注ぎ出すた
めの注出口を備えているものであれば特に限定するもの
ではないが、例示するならばゲーベルトップ型の液体用
紙容器などに適用することができる。また、注出口の形
状は液体からなる内容物を注ぎ出すことができる形状で
あれば特に限定するものではなく、円形、四角形等の適
宜の形状を採ることができる。
【0011】また、液体用紙容器の注出口を内面側から
熱接着して被覆する密封部材としては、液体用紙容器の
内側表出面の熱接着性樹脂層と熱接着可能な熱接着性樹
脂層と酸素ガスや水蒸気ガス等を液体用紙容器自体が有
する遮断性と同程度の遮断性を有する遮断層とからなる
構成であればよいのであって、特に限定するものではな
く、従来技術の項で説明した密封部材などを適宜用いる
ことができる。
【0012】また、液体用紙容器の注出口の外面側周縁
近傍に設けられる口栓用溶着部材としては、液体用紙容
器と熱接着可能であって口栓を溶着することができると
共に前記注出口の端面を被覆するために前記密封部材と
熱接着可能なものであれば、特に限定するものではな
く、その形状は注出口の形状より若干内径が小さい環状
をしているもの、あるいは、注出口を被覆する形状をし
ているものを用いることができるが、口栓に設けた開封
用鋸刃での容易な開封性を考慮すると環状をしたものが
好ましく、通常注出口は円形であり、円環形状をしたも
のが用いられる。
【0013】この口栓用溶着部材としては、基材層の両
側に熱接着性樹脂層を設けた構成からなる積層シートが
用いられる。基材層に用いる材料としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等から
なる延伸ないし無延伸フィルムを挙げることができ、熱
接着性樹脂層に用いる材料としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィンが適当であり、より
好適にはポリエチレンを挙げることができる。
【0014】次に、前記口栓用溶着部材に設ける金属酸
化物からなる検出層について説明する。この検出層とし
ては、基材層および/ないし基材層の両側に設ける熱接
着性樹脂層の少なくとも一方の熱接着性樹脂層に金属酸
化物を混練して形成した層、あるいは、基材層の少なく
とも一方の面に印刷インキ用ビヒクル(樹脂)に金属酸
化物を分散させて補助剤、溶剤を加えて印刷インキとし
たものをグラビア印刷法等の周知の印刷法で印刷して形
成した印刷層などである。金属酸化物としては、特に限
定するものではないが、例示するならば、酸化チタン、
酸化アルミ、酸化珪素、酸化錫、酸化インジウム、酸化
ジルコニウム、酸化亜鉛などが好ましい。また、印刷イ
ンキ用ビヒクル(樹脂)としては被印刷基材により適宜
選択して用いればよい。なお、基材層の厚さは12〜2
5μm程度、口栓を溶着する方の熱接着性樹脂層の厚さ
は30〜40μm程度、液体用紙容器側の熱接着性樹脂
層の厚さは20〜40μm程度に構成するのが、加工適
性や口栓の溶着を考慮すると適当である。
【0015】次に、本発明について、実施例を挙げて図
面等を用いて以下に詳述する。図1は本発明の口栓用溶
着部材を用いた液体用紙容器の一実施例を示す要部斜視
図、図2は図1の口栓溶着前のX−X線拡大断面図、図
3は本発明に用いる口栓用溶着部材の実施例を示す層構
成図、図4は図1のX−X線拡大断面図、図5は口栓用
溶着部材の位置ずれ等の検出方法を説明するための傾斜
屋根部の拡大平面図であり、図中のAは液体用紙容器、
Bは口栓、B1は開封用鋸刃、Cは非印刷領域、Dは印
刷領域、7,7’,7’’は口栓用溶着部材、8は密封
部材、9は注出口、10は紙容器本体、70は基材層、
71,71’は検出層、72,73は熱接着性樹脂層を
それぞれ示す。
【0016】図1は本発明の口栓用溶着部材を用いた液
体用紙容器の一実施例を示す要部斜視図であって、液体
用紙容器Aはゲーベルトップ型の紙容器の傾斜屋根部に
設けられた円形状の注出口(図示せず)の外面側周縁近
傍に設けられた円形状の非印刷領域Cに後述する口栓用
溶着部材7(図示せず)を介して口栓Bを設けたもので
ある。液体用紙容器Aの紙容器本体10は、紙基材層と
して紙が用いられ、該紙基材層の外側と内側の両表出面
に熱接着性樹脂層が設けられると共に、前記紙基材層と
内面側の熱接着性樹脂層との間には、少なくとも酸素ガ
スや水蒸気ガス等を遮断するガスバリアー層が設けられ
た積層体を型抜きして紙容器本体10を展開したブラン
ク板(図示せず)を作製し、これを製函したものであ
る。この紙容器本体10の構成(主要な構成)を例示す
るならば、外側から順にポリエチレン25μm/紙40
0g/m2/エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体25μ
m/アルミニウム箔7μm/ポリエチレンテレフタレー
ト12μm/ポリエチレン60μm(内容物である液体
側)、ポリエチレン25μm/紙400g/m2/エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体20μm/アルミニウム
ないし珪素酸化物を蒸着したポリエチレンテレフタレー
ト12μm/ポリエチレン60μm(内容物である液体
側)等の積層体を挙げることができる。
【0017】図2は図1の口栓溶着前のX−X線拡大断
面図であって、紙容器本体10に設けられた注出口9に
は、内面側から注出口9を被覆するように注出口9の周
縁に熱接着された円形状の密封部材8が設けられると共
に、外面側から注出口9の周縁近傍に、口栓Bを溶着可
能とすると共に注出口9の紙容器本体10の端面を被覆
するように注出口9の周縁および注出口9の内面側から
注出口9を被覆するように設けられた前記密封部材8に
熱接着された円環形状の口栓用溶着部材7が設けられて
いる。そして、この口栓用溶着部材7が熱接着される紙
容器本体10の注出口9の外面側周縁近傍は円形状に非
印刷領域Cが形成され(通常、紙容器本体10はこの非
印刷領域C以外の領域は印刷領域Dとなっている)、こ
の非印刷領域Cは紙容器本体10の外面側の熱接着性樹
脂層(上記紙容器本体10の例からするとポリエチレ
ン)が表出するように構成されている。
【0018】まず、密封部材8の構成について説明す
る。前記密封部材8の構成としては、紙容器本体10の
内側表出面の熱接着性樹脂層(上記紙容器本体10の例
からするとポリエチレン)と熱接着可能な熱接着性樹脂
層と酸素ガスや水蒸気ガス等を紙容器本体自体が有する
遮断性と同程度の遮断性を有する遮断層とからなる構成
であればよいのであって、特に限定するものではなく、
従来技術の項で説明した密封部材などを適宜用いること
ができるが、一般的にアルミニウム箔ないしアルミニウ
ム蒸着したポリエチレンテレフタレートを使用した紙容
器本体10には、たとえば、ポリエチレン20μm/ア
ルミニウム箔9μm/ポリエチレンテレフタレート16
μm(内容物である液体側)等の積層体からなる密封部
材が用いられ、珪素酸化物を蒸着したポリエチレンテレ
フタレートを使用した紙容器本体10には、たとえば、
ポリエチレン20μm/珪素酸化物ないしアルミニウム
酸化物を蒸着した、又はPVDCを塗工したポリエチレ
ンテレフタレート12μm(内容物である液体側)、あ
るいは、ポリエチレン20μm/珪素酸化物ないしアル
ミニウム酸化物を蒸着した、又はPVDCを塗工したポ
リエチレンテレフタレート12μm/ポリエチレン30
μm(内容物である液体側)等の積層体からなる密封部
材が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0019】次に、口栓用溶着部材7について説明す
る。前記口栓用溶着部材7の構成としては、基材層の両
側に熱接着性樹脂層を設けた構成からなる積層シートで
あって、該積層シートに金属酸化物からなる検出層を有
しているものである。図3は本発明の口栓用溶着部材の
実施例を示す層構成図であって、図3(a)に示す口栓
用溶着部材7’は、外側の熱接着性樹脂層に酸化チタン
を混練してシート化した乳白ポリエチレン30μmを用
い、これを検出層71とした構成であり、外側から順に
検出層71(乳白ポリエチレン30μm)/基材層70
(ポリエチレンテレフタレート9μm)/熱接着性樹脂
層72(ポリエチレン25μm)〔紙容器本体10側〕
としたものである。また、図3(b)に示す口栓用溶着
部材7’’は、基材層70の一方の面にグラビア印刷法
により、酸化チタンを混練した白インキをベタ印刷して
白インキからなる白ベタ印刷層を形成し、この白ベタ印
刷層を検出層71’とした構成であり、外側から順に熱
接着性樹脂層73(ポリエチレン30μm)/検出層7
1’(白ベタ印刷層)/基材層70(ポリエチレンテレ
フタレート9μm)/熱接着性樹脂層72(ポリエチレ
ン25μm)〔紙容器本体10側〕としたものである。
このように構成した口栓用溶着部材7’、7’’を用い
ることにより、後述するが図2に示す注出口9の外側か
ら紫外線〔京都電機器(株)製:ブラックライト〕を照
射することにより、酸化チタンからなる検出層71、7
1’が紫外線を吸収するために、口栓用溶着部材7’、
7’’の位置ずれや欠損、欠落を容易に判別することが
できる。なお、口栓用溶着部材7’、7’’は、本発明
の代表的な実施例を示したものであって、これに限るも
のではなく、たとえば、基材層70や紙容器本体10側
の熱接着性樹脂層72に酸化チタンを混練して検出層と
してもよいし、白ベタ印刷層と併用した検出層であって
もよい。
【0020】上記のように構成された本発明の口栓用溶
着部材7(7’、7’’)、及び、密封部材8を備えた
紙容器本体10を展開したブランク板を製函して傾斜屋
根を形成する頂部が開放された容器となし、内容物であ
る液体を頂部から充填して後に頂部を熱接着して密封し
(図2参照)、その後に図2に示す口栓用溶着部材7に
口栓Bを溶着することにより、図4(ないし図1)に示
す本発明の口栓用溶着部材7を用いた液体用紙容器Aと
なる。なお、図4は図2の口栓用溶着部材7に口栓Bを
溶着したものであって、これ以外は図2に同じであり、
説明は省略するが、口栓Bには円筒形状の開封用鋸刃B
1が内蔵されており、口栓Bを反時計方向に回すと、開
封用鋸刃B1が密封部材8方向へ突出して密封部材8を
突き破るようになっている(図4上の符号は図2に同じ
である)。
【0021】次に、本発明の口栓用溶着部材を用いた液
体用紙容器における口栓用溶着部材の位置ずれ、欠損、
欠落の検出方法についての一例を説明する。検出装置
は、図示はしないが、光源としてのリング状ブラックラ
イト、光源から被検査対象物に照射された反射光を入力
するCCDカメラ、CCDカメラに入力された反射光を
予め入力されている設定値と比較して、明るいと判断し
たときに異常品であるという信号を出力するパソコン等
の検出処理部から構成される。図5は口栓用溶着部材の
位置ずれ等の検出方法を説明するための傾斜屋根部の拡
大平面図であって、円20内が注出口9(図示せず)、
円30と前記円20で囲まれた領域が上記した非印刷領
域C(図示せず)、前記円30の外側の領域が印刷領域
D、網点40で示した領域が熱接着により紙容器本体1
0に取り付けられる口栓用溶着部材の正常な取り付け領
域である。まず、前記設定値の設定方法について図5を
用いて説明すると、口栓用溶着部材の正常な取り付け領
域40の外周縁より小さい実線で示した円50を含む内
側の非印刷領域C’を検出領域として設定(この検出領
域は検出精度により適宜決定)し、最初に前記検出領域
C’の非印刷面の反射光の強さ(i)を測定、次に口栓
用溶着部材の正常な取り付け領域40に正確に口栓用溶
着部材を取り付け、上記同様に前記検出領域C’の反射
光の強さ〔口栓用溶着部材の反射光は紫外線が金属酸化
物に吸収されるために(i)の反射光より弱い〕(i
i)を測定する。そして、反射光の強さ(i)と(i
i)の間の値を設定値として設定する。この設定値は検
出精度により適宜決定されるものであり、反射光の強さ
(i)側に設定すると良品を異常品として検出する頻度
が増加し、逆に、反射光の強さ(ii)側に設定すると
異常品を良品として検出する頻度が増加することにな
り、概ね反射光の強さ(i)と(ii)の中間に設定す
るのが適当である。このようにして設定された設定値
と、実際に測定された被検査対象物の反射光の強さとを
比較し、前記設定値よりも明るいと検出処理部が判断し
たときに異常品であるという信号を出すようにしたもの
である。なお、説明はしなかったが図5において、前記
円20内の注出口9(図示せず)には裏面側(図5上の
紙面裏側)から密封部材8が熱接着により設けられてい
る。
【0022】なお、今までは紙容器本体の注出口の外面
側周縁の所定位置に、位置ずれや欠損、欠落などなく正
常に設けられているか否かを確実に早く検査することが
できる口栓用溶着部材について説明してきたが、酸素ガ
スや水蒸気ガス等を遮断するガスバリアー層を酸化珪素
や酸化アルミニウム等の金属酸化物で形成した密封部材
を用いることにより、密封部材の注出口における位置ず
れや欠損、欠落などを同じ検出方法を採ることにより、
早く確実に検査することができる。このような密封部材
の構成を例示するならば、上記したポリエチレン20μ
m/珪素酸化物ないしアルミニウム酸化物を蒸着したポ
リエチレンテレフタレート12μm/ポリエチレン30
μm(内容物である液体側)からなる積層体でも良い
が、より好適にはポリエチレン20μm/珪素酸化物な
いしアルミニウム酸化物を蒸着したポリエチレンテレフ
タレート12μm/酸化チタンを混練した乳白ポリエチ
レン30μm(内容物である液体側)からなる積層体、
あるいは、ポリエチレン20μm/PVDCを塗工した
ポリエチレンテレフタレート12μm/酸化チタンを混
練した乳白ポリエチレン30μm(内容物である液体
側)からなる積層体、あるいは、酸化チタンを混練した
乳白ポリエチレン30μm/珪素酸化物ないしアルミニ
ウム酸化物を蒸着したポリエチレンテレフタレート12
μm(内容物である液体側)からなる積層体などを挙げ
ることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の液体用紙容器は、今まで縷々説
明したように、液体用紙容器の注出口の外面側周縁の所
定位置に、位置ずれや欠損、欠落などなく正常に口栓用
溶着部材が設けられているか否かを確実に早く検査する
ことができるという優れた効果を奏するものである。と
同時に、目視検査を排除することができ、それだけコス
トを安価のものとすることができる。さらに、消費者が
使用する時に今まで時として発生した口栓の溶着部から
の液漏れを完全になくすことができるという効果を奏す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の口栓用溶着部材を用いた液体用紙容
器の一実施例を示す要部斜視図である。
【図2】 図1の口栓溶着前のX−X線拡大断面図であ
る。
【図3】 本発明に用いる口栓用溶着部材の実施例を示
す層構成図である。
【図4】 図1のX−X線拡大断面図である。
【図5】 口栓用溶着部材の位置ずれ等の検出方法を説
明するための傾斜屋根部の拡大平面図である。
【符号の説明】
A 液体用紙容器 B 口栓 B1 鋸刃 C 非印刷領域 D 印刷領域 7,7’,7’’ 口栓用溶着部材 8 密封部材 9 注出口 10 紙容器本体 70 基材層 71,71’ 検出層 72,73 熱接着性樹脂

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材層の外側と内側の両表出面に熱接
    着性樹脂層を有し、密封部材で内面側から熱接着して被
    覆した注出口を備え、該注出口の外面側周縁近傍に口栓
    を溶着可能とすると共に前記注出口の端面を被覆するた
    めの口栓用溶着部材が設けられた液体用紙容器におい
    て、前記口栓用溶着部材に金属酸化物からなる検出層が
    設けられていることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物が酸化チタンであること
    を特徴とする請求項1記載の液体用紙容器。
JP2001082586A 2001-03-22 2001-03-22 液体用紙容器 Withdrawn JP2002284155A (ja)

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