JP2002282995A - 鋳型用組成物、鋳造用鋳型及びその製造方法 - Google Patents
鋳型用組成物、鋳造用鋳型及びその製造方法Info
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Abstract
され、かつ、安価で、寸法安定性及び生産性が高く、鋳
造欠陥を生じ難い鋳造用鋳型を提供することができる鋳
型用組成物、鋳造用鋳型及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 結合材、溶媒及び耐火材を含有する鋳型
用組成物4であって、前記結合材としてコロイダルシリ
カを、前記溶媒として水を、かつ前記耐火材として石膏
をそれぞれ含んでなるとともに、自己硬化性を有してな
ることを特徴とする鋳型用組成物4。
Description
鋳造用鋳型及びその製造方法に関する。さらに詳しく
は、自己硬化性を有するとともに吸湿特性が改善され、
かつ、安価で、寸法安定性及び生産性が高く、鋳造欠陥
を生じ難い鋳造用鋳型を提供することができる鋳型用組
成物、鋳造用鋳型及びその製造方法に関する。
(ロストワックス法)、 セラミックモールド法、及
び 石膏鋳造法の三つが主に用いられている。
失若しくは溶出可能な模型表面にコロイダルシリカ又は
エチルシリケートを結合材として混練した耐火材(セラ
ミック材)を付着させ、この上からさらに耐火材を散布
し付着させ、これを自然乾燥により硬化させる工程を複
数回繰り返すことで、殻状の鋳型を構築し、この後中の
原型を焼失(溶出)させることで除去し鋳造用鋳型を作
製する方法である。この鋳型を800〜1200℃で焼
成し、完全に硬化させることで、融点の高い合金の鋳造
が可能となる。また、その特徴は、製法上、模型を完全
に鋳型内に埋設できることから、通常の脱型法では対応
困難なアンダーカット形状への対応が可能であることに
ある。
ートを結合材とし、これに耐火材を混練した後、硬化剤
(アクセラレータ)を添加し、自己硬化性を持たせたス
ラリーを得、これをシリコーンゴム等の模型上に注入し
硬化させた後、模型を脱型することで鋳造用鋳型を作成
する方法である。この鋳型を800〜1200℃で焼成
し、完全に硬化させることで、融点の高い合金の鋳造が
可能となる。また、その特徴は、焼失模型法とは異な
り、鋳型材が自己硬化性を有することから、鋳型製作に
際しての生産性が高く、かつ模型の寸法精度が格段に向
上することから、製作される鋳型、鋳物の寸法精度もよ
くなることにある。また、焼失模型法に比べて、遥かに
大きな鋳物(数トンレベル)の鋳造が可能であるという
特徴もある。
(凝結)する特徴を持つ石膏を結合材とし、これに耐火
材を混練して得たパウダーを、適宜水を加えてスラリー
化し、これをシリコーンゴム等の模型上に注入し硬化さ
せた後、模型を脱型することで鋳造用鋳型を作成する方
法である。この鋳型を150〜200℃で焼成し、鋳型
内の水を除去することで、前述の2つの鋳造法に比べて
低い融点の合金(軽合金類)の鋳造が可能となる。その
特徴は、鋳型コストが格段に安価であると同時に、その
寸法精度も極めて高く、鋳型での加工も容易であること
にあり、他の鋳造法では対応することが困難な高精度高
難度鋳物(例えば、タイヤ成形用金型など)に対しても
対応が可能であることにある。しかしながら、石膏鋳型
は軽合金等の融点の低い(800℃程度まで)合金まで
しか対応ができないこと、焼成後の鋳型が大気中から水
分を吸湿しやすいこと(これは鋳造時、鋳物にピンホー
ル欠陥を発生させる原因となる)という不都合もある。
これらの鋳造法の特徴をまとめて表1に示す。
る鋳型用組成物(スラリー)は、通常、結合材、溶媒及
び耐火材を混合して調製される。
分のうち、石膏の場合は、水の存在が硬化(凝結)を開
始させるエージェントとなるが、エチルシリケートの場
合は、硬化材(アクセラレータ)を添加することで初め
て自己硬化性を発現する。すなわち、アクセラレータを
添加しなければ自己硬化性を発現することはない。コロ
イダルシリカの場合は、物理的に、組成物中の水を自然
乾燥させることで、見かけ上固体化し、これを高温焼成
することでガラス化させることはできるが、化学的に自
己硬化性を発現させることはできない。
ー)中に各種耐火材の粉末を混合して、鋳型用組成物を
調製し(スラリー化し)、これをゴム型、ロウ材表面等
に流して、硬化させ、脱型、脱ロウする方法で製造され
る。
が鋳造法の最大の特徴であり、液状の鋳型用組成物で複
雑な形状を精密に反転させた鋳型を作製し、この鋳型の
中に金属溶湯を充填することによって、機械加工では対
応することができない複雑な形状の製品を作製すること
ができる。従って、鋳型用組成物、中でも結合材の特性
が、各種鋳造法の特徴の大半を決定付けることになって
いる。
チルシリケート系の結合剤は、焼成後ガラス化するた
め、耐火材の選択次第で高い温度までの使用が可能とな
ることから、鉄、ニッケル、銅合金のような、融点で1
000〜1500℃程度の合金まで、殆ど全ての合金の
鋳造用鋳型として用いることができる。
ら石膏(CaSO4)の熱分解(カルシウムと亜硫酸ガ
スとへの分解)が始まるため、800℃程度までの耐火
性しか有していない。このため、アルミニウム、亜鉛合
金等の比較的融点の低い合金の鋳造にしか用いることが
できなかった。
材として、耐火性及び価格の高いものを用いずに、むし
ろ、安価かつ寸法的に安定で、鋳肌が平滑になるよう
な、きめの細かいものを用いる傾向があった。また、石
膏鋳型の場合は、焼成(乾燥)後の石膏分子がIII型
無水石膏(CaSO4III)の状態で、分子内に結晶
水の形で水を取り込み易い状態となっており、150〜
200℃以下になると、大気中から湿気を速やかに再吸
湿し鋳造時に鋳物ピンホール欠陥を発生させ易いという
問題があった。
℃の高温で焼成することによって、石膏分子の状態を、
大気中から湿気を再吸湿することがないII型無水石膏
(CaSO4II)に変態させることができるが、II
I型からII型への変態には非常に大きな変態収縮を伴
う上、強度低下も著しいことから、鋳型焼成時に型割れ
や鋳型変形を発生させてしまうことが多かった。このた
め、通常、寸法が最も安定な焼成温度(150〜200
℃)で鋳型を乾燥している。
あって、前述の三種の精密鋳造法の中で石膏鋳造法が、
最も、寸法精度の良好な鋳型を作製することができる。
のように自己硬化性を有しないため、スラリー状で型に
流し込み、硬化させ、反転するという方法を採用するこ
とができないという問題がある。このため、コロイダル
シリカは消失模型法にしか用いることができない。ま
た、消失模型法に用いた場合も、スラリーを硬化させる
(スラリー中の水分を除去する)作業を急速に行うと、
消失模型からスラリーが剥離したり、ひび割れが発生し
易いことから、長い作業時間を要し、生産性が低かっ
た。なお、水分除去後は、800℃〜1000℃の高温
焼成でコロイダルシリカをガラス化させ、鋳造に耐える
鋳型材として完全硬化させている。
硬化性を有しているものの、硬化後に急速加熱(焼成)
することが必要であり、これに起因して鋳型の寸法変動
が発生し易いという問題があった。このように、硬化後
に急速加熱(焼成)を必要とするのは、鋳型中の溶媒を
急速に除去し、加水分解反応を停止させて鋳型の寸法変
化を押さえると同時に、マイクロクレージングを生じさ
せることで、鋳型の通気性を向上させるためでもある。
通常、このような急速加熱の後に、800℃〜1000
℃の本焼成を実施し、鋳型を完全にガラス化させてい
る。
トが最も高価で、コロイダルシリカがそれに次ぎ、石膏
が最も安価である。
た鋳型用組成物及び各種鋳造法)には、それぞれ問題が
あり、安価で、寸法精度及び生産性が高く、鋳型中の水
分等に起因する鋳造欠陥を生じ難い鋳造用鋳型を提供す
ることができるものは未だ得られていないのが現状であ
る。
題に鑑みてなされたもので、自己硬化性を有するととも
に吸湿特性が改善され、かつ、安価で、寸法安定性及び
生産性が高く、鋳造欠陥を生じ難い鋳造用鋳型を提供す
ることができる鋳型用組成物、鋳造用鋳型及びその製造
方法を提供することを目的とする。
題を解決するべく鋭意研究した結果、結合材としてのコ
ロイダルシリカ及び溶媒としての水に、耐火材として石
膏を混合することによって、また、水及び石膏を含む耐
火材を混合した鋳型用組成物を硬化させ、得られた硬化
物の表面にコロイダルシリカを含浸させること等によっ
て、上記目的を達成することができることを見出し、本
発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の鋳型用
組成物、鋳造用鋳型及びその製造方法を提供するもので
ある。
る鋳型用組成物であって、前記結合材としてコロイダル
シリカを、前記溶媒として水を、かつ前記耐火材として
石膏をそれぞれ含んでなるとともに、自己硬化性を有し
てなることを特徴とする鋳型用組成物。
が、コロイダルシリカ及び水の合計に対して、10〜5
0質量%である前記[1]に記載の鋳型用組成物。
の合計に対して、20〜50質量%である前記[1]又
は[2]に記載の鋳型用組成物。
イダルシリカ、前記水及び前記耐火材の合計に対して、
70〜85質量%である前記[1]〜[3]のいずれか
に記載の鋳型用組成物。
記載の鋳型用組成物を硬化させてなる鋳造用鋳型。
した鋳型用組成物を硬化させて得られる硬化物の表面
に、コロイダルシリカを含浸させてなることを特徴とす
る鋳造用鋳型。
が、前記コロイダルシリカ、前記水及び前記石膏の合計
に対して、0.5〜20質量%である前記[6]に記載
の鋳造用鋳型。
カ、溶媒としての水及び耐火材としての石膏を混合し
て、自己硬化性を有する第1の鋳型用組成物を調製し、
この第1の鋳型用組成物を硬化することを特徴とする鋳
造用鋳型の製造方法。
ダルシリカ及び水の合計に対して10〜50質量%混合
する前記[8]に記載の鋳造用鋳型の製造方法。
に対して、20〜50質量%混合する前記[8]又は
[9]に記載の鋳造用鋳型の製造方法。
シリカ、前記水及び前記耐火材の合計に対して、70〜
85質量%混合する前記[8]〜[10]のいずれかに
記載の鋳造用鋳型の製造方法。
して、第2の鋳型用組成物を調製し、この第2の鋳型用
組成物を硬化させ、得られた硬化物の表面にコロイダル
シリカを含浸させることを特徴とする鋳造用鋳型の製造
方法。
コロイダルシリカ、前記水及び前記石膏の合計に対し
て、0.5〜20質量%含浸させる前記[12]に記載
の鋳造用鋳型の製造方法。
かに記載の方法によって得られた鋳造用鋳型を、800
℃〜1000℃で加熱し、鋳型中の石膏分をII型無水
石膏まで変態させることを特徴とする鋳造用鋳型の製造
方法。
に記載の鋳造用鋳型を用いて作製してなることを特徴と
する鋳物。
体的に説明する。
及び耐火材を含有する鋳型用組成物であって、結合材と
してコロイダルシリカを、溶媒として水を、かつ耐火材
として石膏をそれぞれ含んでなるとともに、自己硬化性
を有してなることを特徴とする。
結等のメカニズムを利用して、スラリー状の状態から、
ある程度の時間の間に、見かけ上自発的に固体状に変態
することを意味する。
溶媒とする組成物が、石膏により自己硬化性を有するこ
とになり、前述のコロイダルシリカ単体を結合剤として
用いた場合の問題を解消することができる。
は、コロイダルシリカ及び水の合計に対して10〜50
質量%であることが好ましい。
%未満であると、組成物の自己硬化後の耐火性及び強度
特性が低下することがあり、50質量%を超えると、組
成物のゲル化が早く起こり、鋳型作製の作業性が悪化す
ることがある。
対して、20〜50質量%であることが好ましい。
ルミナ、シリカ、タルク等を挙げることができる。
と、組成物の自己硬化性が低下することがあり、原型か
ら鋳型を脱型する際に、鋳型欠け等の問題が発生しやす
くなり、50質量%を超えると、組成物の自己硬化後の
耐火性が低下することがある。
ロイダルシリカ、水及び耐火材の合計に対して、70〜
85質量%であることが好ましい。
%未満であると、組成物の自己硬化後の強度特性が低下
することがあり、85質量%を超えると、調製時にスラ
リーとしての性質を与えられない程、粘性が高くなって
しまったり、自己硬化が鋳型作成作業に支障をきたす程
早くなってしまうことがある。
ロイダルシリカがゲル化してしまう可能性があるため、
コロイダルシリカ材としては、これらの反応を起さない
安定化処理を施したものが好ましい。
鋳造用鋳型の製造方法)は、結合材としてのコロイダル
シリカ、溶媒としての水及び耐火材としての石膏を混合
して、自己硬化性を有する第1の鋳型用組成物を調製
し、この第1の鋳型用組成物を硬化することを特徴とす
る。
水を所定の比率で混練しておいたバインダーを調製して
おき、容器内に計量した後、石膏を含む耐火材(所定の
配合比率で調製したもの)を散布し、これを攪拌し、必
要に応じて減圧等により脱泡し、シリコーンゴム等から
なる模型に注入し、10〜50分ほど室温放置し、硬化
させた後、模型を脱型することで鋳型を完成させること
を挙げることができる。
ダルシリカ及び水の合計に対して、10〜50質量%混
合することが好ましい。
20〜50質量%混合することが好ましい。
及び耐火材の合計に対して、70〜85質量%混合する
ことが好ましい。
成物を硬化させることによって得ることができる。本発
明の鋳造用鋳型は、寸法精度に優れた、鋳造欠陥のない
鋳物を、高生産性かつ安価に作製することができる。
膏を含む耐火材から構成した鋳型用組成物を硬化させて
得られる硬化物の表面に、コロイダルシリカを含浸させ
てなることを特徴とするものであってもよい。
た硬化物(鋳型)を作製しておき、この硬化物(鋳型)
の表面に後からコロイダルシリカを含浸させることで鋳
型の耐火性を向上させることができる。すなわち、ま
た、これまで石膏鋳造法では対応困難であった若干融点
の高い鋳造合金(800℃〜1200℃程度の鋳込み温
度)や、石膏と反応性の高い添加元素(例えば、Be、
Ca等)を含む鋳造合金に対しても対応することができ
る。
石膏硬化物(鋳型)を作製し、これから余剰水(遊離
水)を除去した後、この石膏硬化物(鋳型)をコロイダ
ルシリカの液中に10〜60分程度含浸させることを挙
げることができる。このように、予め、石膏硬化物(鋳
型)から余剰水を除去しておくことが、コロイダルシリ
カの含浸を速めることができることから好ましい。ま
た、含浸させるコロイダルシリカは、必ずしも原液であ
る必要はなく、水で希釈したものを用いてもよい。一般
に、水で希釈したものの方が、含浸を速めることができ
る。
の酸、塩基性度によってゲル化反応を起して含浸が不十
分となることを防止するため、安定化処理を施したもの
が好ましい。
ルシリカ、水及び石膏の合計に対して、0.5〜20質
量%であることが好ましい。0.5質量%未満である
と、耐火性が低下することがある。また、20質量%を
超えるまでコロイダルシリカを含浸させるのは実用上困
難である。
鋳造用鋳型の製造方法)は、水及び石膏を含む耐火材を
混合して、第2の鋳型用組成物を調製し、この第2の鋳
型用組成物を硬化させ、得られた硬化物の表面にコロイ
ダルシリカを含浸させることを特徴とする。
量しておき(石膏重量に対して40〜80重量%程度、
石膏材質により異なる)、ここに石膏を含む耐火材を散
布し、攪拌、必要に応じて減圧等により脱泡し、シリコ
ーンゴム等からなる模型に注入し、30〜50分ほど室
温放置し、硬化させた後、模型を脱型することで第2の
鋳型用組成物を完成させ、これを別の容器に調製してお
いたコロイダルシリカ水溶液 (水分含有量 0〜50質
量%程度)に沈め、10〜60分ほど放置し、石膏鋳型
中にコロイダルシリカを含浸させることを挙げることが
できる。この際、コロイダルシリカ溶液中に石膏鋳型を
沈めたままの状態で減圧すれば、より高い含浸状態を短
時間に実現することができる。
ダルシリカ、水及び石膏の合計に対して、0.5〜20
質量%含浸させることが好ましい。
の製造方法によって得られた鋳造用鋳型を、800℃〜
1000℃で加熱し、鋳型中の石膏分をII型無水石膏
まで変態させることを特徴とするものであってもよい。
鋳造用鋳型を、さらに、800〜1000℃で高温焼成
することによって、少なくとも鋳型表面の溶湯接触面に
おけるコロイダルシリカ部分は完全にガラス化して高温
強度が向上し、また、石膏部分はII型無水石膏へと変
態を完了し、焼成後の鋳型の再吸湿が防止されるため、
鋳造時の鋳型水分による鋳造欠陥の発生を有効に防止す
ることができる。また、石膏部分自体もコロイダルシリ
カ(ガラス化したもの)でガードされることになるた
め、これまで石膏鋳造法では対応困難であった若干融点
の高い鋳造合金(800℃〜1200℃程度の鋳込み温
度)や、石膏と反応性の高い添加元素(例えば、Be、
Ca等)を含む鋳造合金に対しても対応することができ
る。
かに、コロイダルシリカ単体を結合材として用いた組成
物(スラリー)から得られる鋳型に比べて、崩壊性が高
いという特徴も併有している。このため、鋳造後の型バ
ラシ時において、鋳型を壊して鋳物を回収する作業が実
施し易いという利点がある。これは強度の低い鋳造合金
種の鋳造や、微細形状を鋳出しにて作製する場合におい
て大きな効果を発揮する。
ダルシリカ単体を用いた場合よりも高くすることがで
き、鋳造欠陥の防止にも大きな効果を発揮する。この場
合、発泡させた鋳型を用いることによって、さらに通気
性を向上させることができる。
法安定性(寸法精度)の面で石膏鋳造法とほぼ同等で、
コスト的には、結合材としてエチルシリケートを用いる
方法によって得られるものより安価で、中程度の融点
(800〜1200℃程度)の合金の鋳造が可能で、か
つ鋳造欠陥を発生することがないという、これまでには
ない新たな特徴を有するものである。
いて作製してなることを特徴とする。
00〜1000℃で加熱した鋳型を用いることで、従来
製法(石膏鋳造法)では鋳造欠陥が多発して対応が困難
であった、ベリリウム銅合金や、50ppm程度以上ベ
リリウム又はカルシウムを含有したアルミニウム合金
を、焼失模型法やセラミックモールド法より高い寸法精
度と低いコストで鋳造することが可能となる。このよう
にして得られる本発明の鋳物は、寸法精度に優れるとと
もに、安価で、鋳造欠陥がなく、外観性状においても優
れたものである。
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によっていか
なる制限を受けるものではない。
(日産化学(株)製、商品名:スノーテックス−C)4
0質量部の混合品(コロイダルシリカの含有量は、コロ
イダルシリカ及び水の合計に対して、40質量%)中
に、耐火材としての、α石膏(ノリタケカンパニーリミ
テド製、商品名:PE20A)30質量部及びアルミ
ナ、ムライト、ジルコニアの、質量比が1:1:1の混
合粉体70質量部の混合品(石膏の含有量は、耐火材の
合計に対して、30質量%)を、耐火材の含有量が、結
合材及び耐火材の合計に対して、79質量%となるよう
に添加して、鋳型用組成物(スラリー)を調製した。
鋼板11上に積層した円盤状模型12(直径:100m
m、厚さ:30mmのシリコーンゴム(東芝シリコーン
(株)製、商品名:TSE350))から構成した原型
1を作製した。
1と型枠2とで形成した原型枠3に、鋳型用組成物(ス
ラリー)4注入した後、40分で脱型し、800℃、1
2hrの焼成を施した後、空冷して鋳型5を作製した。
れた鋳型5、減圧チャンバー6、鋳枠7、断熱材8から
構成した鋳造手段9中に、これにベリリウム銅合金(B
eA275C:Beが2.5質量%、Coが0.8質量
%、Cuがbal.)の1200℃の溶湯10を注入
し、図2(c)に示すように、鋳造手段9から製品鋳物
13を取出すことで製品鋳物13を作製した。得られた
製品鋳物13は、鋳型割れも、鋳造欠陥もない、外観性
状に優れた製品鋳物13を作製することができた。な
お、図2(c)において、符号14は押湯、15は引け
巣を示す。
円度、平面度)は以下のようであった。 外周面の真円度:0.10mm(楕円変形)、天面部の
平面度:0.08mm(中央部:凸形状のタイコ変形)
パニーリミテド社製、商品名:G−6)100質量部に
対して、水50質量部でスラリーを調製し、原型に注入
した後、40分で脱型することで作製した鋳型に、20
0℃、12hrの焼成を施した後、空冷し、これに実施
例1の場合と同様にベリリウム銅合金(BeA275
C)の1200℃の溶湯を注入し、鋳物を作製した。
ウムとの反応によって発生したと考えられるピンホール
欠陥が無数に発生し、かつ、鋳肌も原型の表面性状とは
全く異なり、フクレ状の凹凸欠陥がほぼ全面に発生し
た。
合材とする鋳型用組成物(アルミナ:ムライト:ジルコ
ニア=1:1:1の質量比からなる耐火材とコロイダル
シリカの合計に対して、コロイダルシリカが21質量%
となるように調製した物)で作製しようとしたが、鋳型
を硬化させることができず、作製不能であった。
0%)70質量部、エチルアルコール20質量部、蒸留
水10質量部、濃塩酸0.1質量部を攪拌後、一晩熟成
させたものの中に、実施例1で用いたのと同一の耐火材
を、耐火材の含有量が、結合材及び耐火材の合計に対し
て、76質量%となるように添加して、鋳型用組成物
(スラリー)を調製し、結合材100gに対して、4m
lの10%炭酸アンモニウム溶液を硬化剤として添加し
て攪拌し、原型枠に注入した後、40分で脱型すること
で作製した鋳型を、脱型直後に直火で1分間、一次焼成
を実施し、この後、800℃、12hrの二次焼成を施
し、空冷後、ベリリウム銅合金(BeA275C)の1
200℃の溶湯を注入し、鋳物を作製した。
のない、外観性状も優れたものであったが、寸法精度
は、以下に示すように実施例1の場合と比べて、劣るも
のであった。これは鋳型への一次焼成、急加熱が必須で
あったことが原因であると考えられる。
形)、天面部の平面度:0.15mm(中央部、凸形状
のタイコ変形)
商品名:G−6)100質量部に対して、水60質量部
で鋳型用組成物(スラリー)を調製し、原型枠に注入し
た後、40分で脱型し、80℃、12hrで余剰水を除
去、乾燥した。
産化学(株)製、商品名:スノーテックス−C)50質
量部及び水50質量部の混合溶液中に60分浸漬し、鋳
型表面の余分な溶液分を除去した後、800℃、12h
rで焼成を施した。空冷後この鋳型に、ベリリウム銅合
金(BeA275C)の1200℃の溶湯を注入し、鋳
物を作製した。
されたものの、鋳造欠陥も殆どなく、若干のピンホール
欠陥は発生したものの外観性状も実用に十分耐えるもの
であった。
石膏鋳造法では、対応することが困難なベリリウム銅合
金の鋳造にも対応することができることがわかった。
て、自己硬化性を有するとともに吸湿特性が改善され、
かつ、安価で、寸法安定性及び生産性が高く、鋳造欠陥
を生じ難い鋳造用鋳型を提供することができる鋳型用組
成物、鋳造用鋳型及びその製造方法を提供することがで
きる。
例に用いられる原型を模式的に示す斜視図である。
例において、原型から鋳物を作製するまでの工程を模式
的に示す断面図である。
(スラリー)、5…鋳型、6…減圧チャンバー、7…鋳
枠、8…断熱材、9…鋳造手段、10…ベリリウム銅合
金の1200℃の溶湯、11…ステンレス鋼板、12…
円盤状模型、13…製品鋳物、14…押湯、15…引け
巣。
Claims (15)
- 【請求項1】 結合材、溶媒及び耐火材を含有する鋳型
用組成物であって、 前記結合材としてコロイダルシリカを、前記溶媒として
水を、かつ前記耐火材として石膏をそれぞれ含んでなる
とともに、自己硬化性を有してなることを特徴とする鋳
型用組成物。 - 【請求項2】 前記コロイダルシリカの含有量が、コロ
イダルシリカ及び水の合計に対して、10〜50質量%
である請求項1に記載の鋳型用組成物。 - 【請求項3】 前記石膏の含有量が、前記耐火材の合計
に対して、20〜50質量%である請求項1又は2に記
載の鋳型用組成物。 - 【請求項4】 前記耐火材の含有量が、前記コロイダル
シリカ、前記水及び前記耐火材の合計に対して、70〜
85質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の鋳型
用組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の鋳型用
組成物を硬化させてなる鋳造用鋳型。 - 【請求項6】 水及び石膏を含む耐火材から構成した鋳
型用組成物を硬化させて得られる硬化物の表面に、コロ
イダルシリカを含浸させてなることを特徴とする鋳造用
鋳型。 - 【請求項7】 前記コロイダルシリカの含浸量が、前記
コロイダルシリカ、前記水及び前記石膏の合計に対し
て、0.5〜20質量%である請求項6に記載の鋳造用
鋳型。 - 【請求項8】 結合材としてのコロイダルシリカ、溶媒
としての水及び耐火材としての石膏を混合して、自己硬
化性を有する第1の鋳型用組成物を調製し、この第1の
鋳型用組成物を硬化することを特徴とする鋳造用鋳型の
製造方法。 - 【請求項9】 前記コロイダルシリカを、コロイダルシ
リカ及び水の合計に対して10〜50質量%混合する請
求項8に記載の鋳造用鋳型の製造方法。 - 【請求項10】 前記石膏を、前記耐火材の合計に対し
て、20〜50質量%混合する請求項8又は9に記載の
鋳造用鋳型の製造方法。 - 【請求項11】 前記耐火材を、前記コロイダルシリ
カ、前記水及び前記耐火材の合計に対して、70〜85
質量%混合する請求項8〜10のいずれかに記載の鋳造
用鋳型の製造方法。 - 【請求項12】 水及び石膏を含む耐火材を混合して、
第2の鋳型用組成物を調製し、この第2の鋳型用組成物
を硬化させ、得られた硬化物の表面にコロイダルシリカ
を含浸させることを特徴とする鋳造用鋳型の製造方法。 - 【請求項13】 前記コロイダルシリカを、前記コロイ
ダルシリカ、前記水及び前記石膏の合計に対して、0.
5〜20質量%含浸させる請求項12に記載の鋳造用鋳
型の製造方法。 - 【請求項14】 請求項8〜13のいずれかに記載の方
法によって得られた鋳造用鋳型を、800℃〜1000
℃で加熱し、鋳型中の石膏分をII型無水石膏まで変態
させることを特徴とする鋳造用鋳型の製造方法。 - 【請求項15】 請求項5〜7のいずれかに記載の鋳造
用鋳型を用いて作製してなることを特徴とする鋳物。
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JP2001093282A JP3761414B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 鋳造用鋳型及びその製造方法 |
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JP (1) | JP3761414B2 (ja) |
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CN112935201A (zh) * | 2021-01-27 | 2021-06-11 | 广西南宁市高创机械技术有限公司 | 一种铸造模具内表面易脱模处理方法 |
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2001
- 2001-03-28 JP JP2001093282A patent/JP3761414B2/ja not_active Expired - Fee Related
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