JP2002282739A - 水平式両引サイクロン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】、粉塵や火花を効率よく処理することができ
る、水平式両引サイクロンを提供することを目的とす
る。 【解決手段】円筒の一部を、軸方向と平行に切り欠いた
切り欠き円筒と、切り欠き円筒の端部の中心に吸引口を
開口した排気筒と、切り欠き円筒の側面に、軸方向と交
差する方向に配置した粉塵排出筒とによって排気装置を
構成する。回転研磨工具から発生した粉塵を含む汚染空
気を、切り欠き円筒の切り欠き口から取り入れ、粉塵が
混入した汚染空気に、切り欠き円筒の内面に沿った回転
を与えて、回転の遠心力によって粉塵を円筒の内面に沿
って移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は水平式両引サイクロ
ンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ベルトサンダーに未完成の製品を押し付
けて仕上げを行うような場合に連続して多量の粉塵や火
花が発生する。この粉塵は、鉄粉やベルトの磨耗粒子な
どであり、鉄粉が目に入ったり、床に堆積した粉塵で作
業員が転倒したり、あるいは油分が付着して着火しやす
くなるといった危険がある。

【０００３】

【本発明の目的】本発明は上記のような問題を改善する
ためになされたもので、粉塵や火花を効率よく処理する
ことができる、水平式両引サイクロンを提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明の水平式両引サイクロンは、円筒の一
部を、軸方向と平行に切り欠いた切り欠き円筒と、切り
欠き円筒の端部の中心に吸引口を開口した排気筒と、切
り欠き円筒の側面に、軸方向と交差する方向に配置した
粉塵排出筒とによって排気装置を構成し、回転研磨工具
から発生した粉塵を含む汚染空気を、切り欠き円筒の切
り欠き口から取り入れ、粉塵が混入した汚染空気に、切
り欠き円筒の内面に沿った回転を与えて、回転の遠心力
によって粉塵を円筒の内面に沿って移動させることによ
って粉塵排出筒に導き、粉塵と分離した円筒中心の空気
を、排気筒の吸引口から外部に引き出すように構成し
た、水平式両引サイクロンである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下図面にもとづいて本発明の一
実施例を説明する。

【０００６】＜イ＞全体の構造。 作業枠１は一面を開放し、両側の側面壁２１と正面の正
面壁２２の三面の壁によって包囲して構成する。作業枠
１の底面にはホッパー２５の拡大口２６を開口する。こ
のホッパー２５の底部には後述する切り欠き円筒２を配
置し、その切り欠き口２１を開口する。正面の壁２２に
は工具窓２８を開設する。この工具窓２８から、例えば
ベルトサンダーのような、回転研磨工具２４の一部を露
出する。

【０００７】＜ロ＞切り欠き円筒２。 作業枠１の下部に切り欠き円筒２を配置する。この切り
欠き円筒２は、水平に配置した円筒体である。そして円
筒体の一部を、軸方向と平行に切り欠いて構成する。こ
の切り欠き円筒２の切り欠き口２１を、上部の作業枠１
に向けて開口する。切り欠き円筒２の両端は端壁で閉塞
してある。

【０００８】＜ハ＞排気筒３。 切り欠き円筒２の両端には、排気筒３を配置する。この
排気筒３は、その一端を切り欠き円筒２の端壁に吸引口
３１として開口し、他端は延長して吸引ポンプなどの駆
動源に接続する。排気筒３は１本でもよいが、図の実施
例のように、切り欠き円筒２の両側に配置すれば排気が
均一となる。

【０００９】＜ニ＞粉塵排出筒４。 切り欠き円筒２の側面に、円筒の中心軸方向と直交する
方向、あるいは一定の角度で交差する方向に粉塵排出筒
４を配置する。この粉塵排出筒４は図のようなパイプを
使用してもよいが、切り欠き円筒２の中心軸と平行の長
い角筒を使用することもできる。この粉塵排出筒４の先
端は中間パイプを通して、汚染空気を処理する従来の処
理装置に接続する。

【００１０】＜ホ＞汚染空気の侵入。 作業枠１の内部でベルトサンダーのような回転工具２４
に半製品の研磨部分を押し付ける。すると回転工具２４
の回転によって下向きに、多量の研磨粒子やベルトの微
細分のような粉塵、および火花が発生する。この粉塵を
含む汚染空気は、回転工具２４と製品の接触点における
接線方向、すなわち下方に向けて落下する。そしてホッ
パー２５の正面のバックパネル２７に当たり、入射角に
近い角度で下向きに跳ね飛ばされ、切り欠き円筒２の切
り欠き口２１へ向けて飛び込む。このように切り欠き円
筒２には、切り欠き口２１から汚染空気が高速で侵入す
るから、その内側へ向けて高速の流れが発生する。

【００１１】＜ヘ＞汚染空気の分離。 粉塵が混入した汚染空気は、切り欠き円筒２に高速で進
入するが、切り欠き円筒２はその内部が円筒であること
から、その内面に沿って高速の回転運動が発生する。こ
の回転運動の遠心力によって、質量の大きい粉塵が円筒
２の内面に沿った外周運動を行う。すると粉塵が外周に
はじき出された後の、粉塵の残らないきれいな空気は中
央に残ることになる。

【００１２】＜ト＞粉塵の排出。 こうして、粉塵は円筒の内面に沿って高速で回転する。
その粉塵を、切り欠き円筒２の側面に取り付けた粉塵排
出筒４に導いて排出し、外部の清浄機で処理する。

【００１３】＜チ＞きれいな空気の排出。 粉塵が切り欠き円筒２の内面に沿って移動することによ
って、円筒の中心にはの粉塵と分離した空気が集中する
ことになる。このように粉塵から分離された空気を、排
気筒３の吸引口３１の外部に設置した吸引ポンプの駆動
力によって外部に向けて引き出す。こうして、水平に配
置した切り欠き円筒２の内部の遠心力によって汚染空気
中の粉塵を効率よく分離することができが、この遠心力
を発生する原動力は、回転工具から発生する汚染空気の
流れと、きれいな空気を吸引する吸引ポンプの駆動力に
よるものである。

【００１４】

【発明の効果】本発明は上記したように、回転工具の回
転によって発生する粉塵混合の汚染空気の流れと、排気
筒からの吸引力によって、水平の切り欠き円筒内に高速
の回転力を発生する構造である。そのために円筒内で回
転運動を発生するための特別な装置を必要とせず、した
がって簡易な駆動源によって簡易な分離作業を行うこと
ができる。その結果、装置の価格、ランニングコストを
抑えることができ、設置スペースも狭くて済み、効率よ
く清浄な空気と粉塵とを分離することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の水平式両引サイクロンの実施例の斜視
図。

【図２】水平式両引サイクロンを取り付けた作業装置の
断面図。

【図３】粉塵を分離している機能の説明図。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤島賢一 東京都豊島区南大塚二丁目35番12号竹内ビ ル３階日本エアーカーテン株式会社内 Ｆターム(参考） 3C047 HH12 4D053 AA03 AB01 BA01 BB08 BC01 BD05 CA03 CA12 CB04 CC01 CC07 CD12

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒の一部を、軸方向と平行に切り欠いた
   切り欠き円筒と、 切り欠き円筒の端部の中心に、吸引口を開口した排気筒
   と、 切り欠き円筒の側面に、軸方向と交差する方向に配置し
   た粉塵排出筒とによって排気装置を構成し、 回転研磨工具から発生した粉塵を含む汚染空気を、 切り欠き円筒の切り欠き口から取り入れ、 粉塵が混入した汚染空気に、切り欠き円筒の内面に沿っ
   た回転を与えて、 回転の遠心力によって粉塵を円筒の内面に沿って移動さ
   せることによって粉塵排出筒に導き、 粉塵と分離した円筒中心の空気を、 排気筒の吸引口から外部に引き出すように構成した、 水平式両引サイクロン。