JP2002280982A - 放送システムとその放送局および受信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不特定多数の視聴者を対象とする放送を利用
しているにも拘わらず、広告番組ごとに配信対象者を特
定して配信できるようにし、これにより宣伝効果を飛躍
的に高めることを可能にする。 【解決手段】 送信局において、各チャネルＣｈ１〜Ｃ
ｈＮに共通に設定した広告配信期間に、広告番組ストリ
ームとその配信対象者を指定する属性情報を挿入して放
送する。これに対し受信局ＲＳ１〜ＲＳｉでは、広告配
信期間において広告番組ストリーム抽出部１４１〜１４
ＮにおいてすべてのチャネルＣｈ１〜ＣｈＮから属性情
報を抽出して、これを予め登録してあるユーザの属性情
報と検索・フィルタ部１５０Ａで照合する。そして、こ
の登録した属性情報に対応する受信属性情報が検出され
た場合に、該当するチャネルにより受信された広告番組
ストリームを選択して再生出力するようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば有線また
は無線ディジタル放送を利用して広告番組を配信する機
能を備えた放送システムとその放送局および受信装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、広告配信機能を備えた放送シス
テムでは、放送番組と放送番組との間に広告番組を挿入
して送信するようにしている。その際、宣伝効果を上げ
るために放送番組や時間帯に応じて主たる視聴者層を特
定し、この視聴者層に適した広告番組を選択して配信す
るようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、放送番組ごと
にその視聴者層が必ずしも宣伝対象であるとは限らず、
時間帯にあっては宣伝対象の視聴者層を特定することは
より一層困難である。このため、広告番組が宣伝効果を
最大限に発揮できているとは言いがたい。また、仮に宣
伝対象となる視聴者層を特定できたとしても、視聴者ご
との嗜好の違いなどにより十分な宣伝効果が得られない
場合も多い。

【０００４】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、不特定多数の視聴者を
対象とする放送を利用しているにも拘わらず、宣伝対象
の視聴者を正確に特定できるようにして広告の宣伝効果
を飛躍的に高めることを可能にした放送システムとその
放送局および受信装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第１の発明は、放送チャネルを使用して放送番組を送
信する放送局と、上記放送番組を受信し再生する受信装
置とを具備する放送システムにあって、上記放送局に、
放送チャネルを使用して、放送番組と共に広告番組およ
びその配信対象者を指定するための属性情報を含む放送
信号を送信する送信手段を設ける。一方上記受信装置に
は、視聴者が受信再生を希望する広告番組の属性情報を
登録する登録手段を設け、受信した放送信号から属性情
報を抽出してこの属性情報を上記登録手段に登録された
登録属性情報と比較し、この比較により上記登録属性情
報に対応する受信属性情報の受信が検出された場合に、
当該受信属性情報と共に受信された広告番組を選択的に
再生するように構成したものである。

【０００６】したがって第１の発明によれば、各視聴者
が自身の属性情報として例えば職業や趣味、興味のある
製品のジャンル等を自身の受信装置に登録しておくこと
で、受信装置では放送された多種多数の広告番組の中か
ら配信対象が視聴者に対応する広告番組が選択的に再生
される。このため、広告主にとっては広告番組ごとに配
信対象者を希望する階層に限定して配信することが可能
となり、これにより宣伝効果を飛躍的に高めることがで
きる。また、視聴者にとっては自身が希望するか或いは
興味のあるジャンルや製品等に関する広告番組のみが再
生されるので、興味のない広告を無理に見せられる苦痛
から解放される。

【０００７】上記第１の発明を実現するための構成とし
て、次の複数の構成を提案する。すなわち、第１の構成
は、複数の放送チャネルの各々において、放送番組スト
リーム中に各放送チャネル間で共通の広告配信期間をそ
れぞれ設定して、これらの広告配信期間に広告番組スト
リームをその配信対象者を指定するための属性情報と共
に送信する。そして、受信装置では、広告配信期間ごと
に各放送チャネルにより受信される属性情報を監視し、
登録属性情報に対応する属性情報が受信された放送チャ
ネルに、再生対象の放送チャネルを切り替えることで、
視聴者が希望する広告番組ストリームを再生するもので
ある。

【０００８】この構成によれば、視聴者がどの放送チャ
ネルの放送番組を再生していても、広告配信期間になる
と、自身の属性に対応する広告番組が放送されている放
送チャネルに自動的に切り替えられてその広告番組が受
信再生される。このため、広告番組を蓄積することなく
リアルタイムに、視聴者の属性に対応した広告番組を選
択的に受信再生することが可能となる。

【０００９】第２の構成は、放送チャネルごとに、放送
番組ストリーム中の任意の期間に広告配信期間をそれぞ
れ設定して、これらの広告配信期間に広告番組ストリー
ムとその配信対象者を指定するための属性情報を挿入し
て送信する。一方受信装置では、上記各放送チャネルの
広告配信期間においてそれぞれ属性情報を監視し、登録
属性情報に対応する属性情報が受信された場合に当該受
信属性情報と共に受信された広告番組ストリームをメモ
リに蓄積する。そして、視聴者が選択した放送チャネル
の広告配信期間において、上記メモリに蓄積されている
広告番組ストリームを読み出して再生するものである。

【００１０】この構成によれば、視聴者は如何なる放送
チャネルを視聴していても、その広告配信期間には、他
の放送チャネルの異なる広告配信期間に放送された希望
する広告番組を視聴することが可能となる。

【００１１】第３の構成は、複数の放送チャネルを第１
のグループと第２のグループとに分け、第１のグループ
に属する放送チャネルでは放送番組ストリーム中に設定
した広告配信期間に広告番組ストリームとその配信対象
者を指定するための属性情報を挿入して送信し、かつ前
記第２のグループに属する放送チャネルではその全期間
を広告配信期間に設定して複数の広告番組ストリームを
その配信対象者を指定するための属性情報と共に時分割
多重して送信する。一方受信装置では、第１および第２
のグループに属する各放送チャネルから属性情報をそれ
ぞれ抽出して登録属性情報と比較し、登録属性情報に対
応する受信属性情報が検出された場合に当該受信属性情
報と共に受信された広告番組ストリームをメモリに蓄積
する。そして、視聴者が受信再生対象として選択した第
１のグループに属する放送チャネルの広告配信期間に、
上記メモリに蓄積されている広告番組ストリームを選択
的に読み出して再生するようにしたものである。

【００１２】この構成によれば、広告配信専用チャネル
を設けたことで、さらに多種多数の広告番組を配信する
ことが可能となり、しかも視聴者は放送番組の視聴中に
おいてその広告配信期間に上記多種多数の広告番組のう
ち希望する広告番組のみをもれなく視聴することが可能
となる。

【００１３】第４の構成は、送信手段において、放送チ
ャネルごとに、ストリーム中に広告再生期間を設定した
放送番組ストリームと、配信対象者を指定するための属
性情報が付加された広告番組ストリームとを、所定のマ
ルチメディア符号化伝送方式に従い符号化して多重化し
たのち送信する。一方受信装置では、上記放送チャネル
を介して伝送された多重化データから分離された広告番
組ストリームより属性情報を抽出して登録属性情報と比
較し、登録属性情報に対応する受信属性情報が検出され
た場合に、当該受信属性情報と共に受信された広告番組
ストリームをメモリに蓄積する。そして、上記多重化デ
ータから分離された放送番組ストリーム中の広告再生期
間に、上前記メモリに蓄積された広告番組ストリームを
読み出して再生するようにしたものである。

【００１４】この構成によれば、一つの放送チャネルを
使用して、放送番組と広告番組とを例えばＭＰＥＧ−４
（Moving Picture Experts Group Phase 4）等のマルチ
メディア符号化伝送方式に従い多重化して放送すること
ができる。このため、広告配信専用のチャネルを用意す
ることなく多種多数の広告番組を配信することが可能と
なる。また視聴者は、放送番組を視聴しながらその広告
再生期間ごとに上記多種多数の広告番組のうち予め登録
しておいた自身の属性に対応する広告番組のみをもれな
く視聴することができる。

【００１５】一方第２の発明は、放送局において、放送
番組及び広告番組を送信する際に、広告番組にその配信
対象者を指定するための属性情報を付加して送信する。
また放送局には、視聴者の属性を表す視聴者情報を記憶
する視聴者情報記憶手段と、放送予定の広告番組ごとに
その配信対象者を上記視聴者情報記憶手段に記憶された
視聴者情報をもとに選択する選択手段と、通知手段とを
備え、上記広告番組の送信に先立ち、上記選択手段によ
り選択された視聴者に対応する受信装置に対して当該視
聴者に前記広告情報を受信させるための再生対象指定情
報を通知する。

【００１６】これに対し各受信装置においては、広告番
組の配信対象者を指定するための属性情報を記憶する記
憶手段と、上記放送局から自装置宛の再生対象指定情報
を受信した場合に、この再生対象指定情報に含まれる属
性情報を上記記憶手段に登録する。そして、上記放送局
から広告番組が到来した場合に、この広告番組に付加さ
れている配信対象者を指定するための属性情報を抽出し
て上記記憶手段に記憶されている属性情報と比較し、こ
の比較により上記記憶手段の属性情報に対応する属性情
報の受信が検出された場合に、当該受信属性情報と共に
受信された広告番組を選択的に再生するようにしたもの
である。

【００１７】したがって第２の発明によれば、放送局に
おいて、放送予定の広告番組ごとに当該広告番組を視聴
させたい視聴者のリストが選択され、この選択された視
聴者の受信装置に対し広告番組の再生対象指定情報が事
前に通知される。そして、受信装置では、上記予め通知
された再生対象指定情報に対応する属性情報が付加され
た広告番組が受信された場合のみ、広告番組の再生が行
われる。このため、広告主にとっては広告対象の視聴者
を予め絞った上で効果的な広告配信を行うことが可能と
なる。

【００１８】

【発明の実施の形態】（第１の実施形態）この発明に係
わる第１の実施形態は、送信局において、各チャネルに
共通に設定した広告配信期間に、広告番組ストリームと
その配信対象者を指定するための属性情報を挿入して放
送する。一方受信局では、広告配信期間においてすべて
のチャネルから属性情報を抽出して、これを予め登録し
てあるユーザの属性情報と照合する。そして、この登録
した属性情報に対応する受信属性情報が検出された場合
に、該当するチャネルにより受信された広告番組ストリ
ームを選択して再生出力するようにしたものである。

【００１９】図１は、この発明に係わる放送システムの
概略構成図である。このシステムは、地上波又は衛星を
使用した第１の放送システムと、ケーブルを使用した第
２の放送システムとを含むものである。第１のシステム
は、送信局ＢＳが放送信号を地上波又は図示しない放送
衛星或いは通信衛星を介してサービスエリア内の複数の
受信局ＲＳ１〜ＲＳｉに向け放送する。第２のシステム
は、送信局ＢＳが放送信号をケーブルテレビジョン（Ｃ
ＡＴＶ）ネットワークを介して複数の受信局ＣＳ１〜Ｃ
Ｓｊへ放送する。ＣＡＴＶネットワークは、例えば光ケ
ーブルを使用する主伝送路ＣＬと、この主伝送路ＣＬか
ら分配器ＴＰにより分岐される同軸ケーブルからなる複
数のローカル伝送路ＤＬ１〜ＤＬｊとから構成される。

【００２０】ところで、上記送信局ＢＳは次のように構
成される。図２はその要部構成を示す回路ブロック図で
ある。なお、同図では説明の簡単のため、先に述べた第
１及び第２のシステムのうち第１のシステムに対応する
部分のみを示している。

【００２１】送信局ＢＳは、複数の放送チャネルＣｈ１
〜ＣｈＮの各々に対応して設けられた挿入部１１〜１Ｎ
及び変調部２１〜２Ｎと、多重部３０Ａと、無線送信部
（ＲＦ部）４０と、放送アンテナ５０とを備えている。

【００２２】各挿入部１１〜１Ｎにはそれぞれ、図示し
ない放送コンテンツ生成部においてチャネルＣｈ１〜Ｃ
ｈＮごとに生成された放送番組ストリーム及び広告番組
ストリームが入力される。広告番組ストリームには当該
広告番組の配信対象者層を指定するための属性情報が付
加されている。属性情報には、例えば対象視聴者の性
別、年齢、地域、職業及び趣味嗜好が構成要素として含
められ、また必要に応じてユーザ又はユーザグループの
識別情報（ユーザＩＤ）も挿入される。

【００２３】各挿入部１１〜１Ｎはそれぞれ、入力され
た上記放送番組ストリーム中に定期的に一定長の広告配
信期間を設定する。各広告配信期間は各チャネル間で共
通のタイミングとなるように設定され、これらの広告配
信期間にはそれぞれ広告番組ストリームとその視聴対象
を指定するための属性情報が挿入される。図３はこうし
て構成された各チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの放送データス
トリームの構成を示すものである。

【００２４】変調部２１〜２Ｎはそれぞれ、上記挿入部
１１〜１Ｎから出力された放送データストリームにより
各チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの搬送波信号を例えばＱＰＳ
Ｋ（Quadriphase Phase Shift Keying）変調し、放送チ
ャネル信号を出力する。多重部３０Ａは、上記各変調部
２１〜２Ｎから出力された放送チャネル信号を多重化し
て放送信号を生成する。無線送信部４０は、多重部３０
Ａから出力された放送信号を所定のレベルに増幅したの
ち、放送アンテナ５０から送信する。

【００２５】一方、受信局ＲＳ１〜ＲＳｉは次のように
構成される。図４はその要部構成を示す回路ブロック図
である。すなわち、前記送信局ＢＳから送信された放送
信号は、受信アンテナ１１０で受信されたのち無線受信
部（ＲＦ部）１２０に入力される。無線受信部１２０
は、上記放送信号を低雑音増幅したのち中間周波数の受
信放送信号に変換して復調部１３１〜１３Ｎにそれぞれ
入力する。復調部１３１〜１３Ｎはそれぞれ、入力され
た受信放送信号を復調して各チャネルＣｈ１〜ＣｈＮに
対応する放送データストリームを再生し、チャネル選択
部１００に入力する。チャネル選択部１００は、図示し
ない制御部から与えられたチャネル選択信号に従い、上
記各チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの放送データストリームの
中から一つを選択し、この選択したチャネルの放送デー
タストリームを多重・再生部１６０Ａに入力する。

【００２６】また、上記復調部１３１〜１３Ｎから出力
された各チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの放送データストリー
ムはそれぞれ、広告番組ストリーム抽出部１４１〜１４
Ｎに入力される。広告番組ストリーム抽出部１４１〜１
４Ｎはそれぞれ、入力された上記放送データストリーム
の広告配信期間において、先ず属性情報を抽出し、続い
て広告番組ストリームを抽出する。そして、この抽出し
た属性情報及び広告番組ストリームを検索・フィルタ部
１５０Ａにそれぞれ入力する。

【００２７】検索・フィルタ部１５０Ａは、広告配信期
間ごとに、上記広告番組ストリーム抽出部１４１〜１４
Ｎから入力された属性情報を、ユーザ情報登録部１７０
Ａに予め登録されているユーザの属性情報とその構成要
素ごとにそれぞれ照合する。そして、各受信属性情報の
うちその構成要素の少なくとも一つが登録属性情報と一
致する受信属性情報が検出されると、この受信属性情報
に続いて受信された広告番組ストリームを多重・再生部
１６０Ａに供給する。

【００２８】多重・再生部１６０Ａは、チャネル選択部
１００により選択中の放送データストリームの広告配信
期間に、上記検索・フィルタ部１５０Ａにより検索され
た広告番組ストリームを挿入する。そして、この広告番
組ストリームをもとに画像信号を再生してモニタ１６２
に表示すると共に、オーディオ信号を再生してスピーカ
１６１から出力させる。

【００２９】このような構成であるから、送信局ＢＳで
は、チャネルＣｈ１〜ＣｈＮごとに放送番組ストリーム
中に設定された共通の広告配信期間においてそれぞれ、
広告番組ストリームとその配信対象者を指定するための
属性情報が挿入されて送信される。このとき属性情報に
は、その構成要素として例えば対象視聴者の性別、年
齢、地域、職業及び趣味嗜好等が含められる。

【００３０】これに対し視聴者（ユーザ）は、放送の視
聴に先立ち、自身の受信局ＲＳ１〜ＲＳｉにおいて、自
身の性別、年齢、地域、職業及び趣味嗜好等を構成要素
とする属性情報を、図示しないキー入力部又はリモート
コントローラから入力する。この入力された属性情報
は、ユーザ情報登録部１７０Ａに記憶される。

【００３１】この状態で受信局が放送の受信動作を開始
すると、ユーザが選択指定したチャネルの放送番組スト
リームがチャネル選択部１００により選択され、多重・
再生部１６０Ａにより再生されてモニタ１６２及びスピ
ーカ１６１から出力される。

【００３２】さて、上記放送番組の視聴中に広告配信期
間になったとする。そうすると、受信局では、各広告番
組ストリーム抽出部１４１〜１４Ｎによりそれぞれ各チ
ャネルＣｈ１〜ＣｈＮの広告配信期間から先ず配信対象
者を指定する属性情報が抽出され、引き続き広告番組ス
トリームが抽出される。そして、抽出された各チャネル
Ｃｈ１〜ＣｈＮの属性情報が、ユーザ情報登録部１７０
Ａに記憶されているユーザの属性情報とそれぞれ照合さ
れる。この照合の結果、ユーザ情報登録部１７０Ａに登
録されているユーザの属性情報と構成要素の少なくとも
一つが一致する受信属性情報が検出されると、この属性
情報と共に受信された広告番組ストリームが検索・フィ
ルタ部１５０Ａにより選択されて多重・再生部１６０Ａ
に供給される。そして、この多重・再生部１６０Ａによ
り再生処理されてモニタ１６２及びスピーカ１６１から
出力される。

【００３３】なお、上記検索・フィルタ部１５０Ａの照
合処理は、例えば受信属性情報及び登録属性情報に含ま
れる複数の要素を予め決められた順に比較し、要素が一
つでも一致した場合にこの受信属性情報を登録属性情報
に対応するものと判定することにより行われる。

【００３４】以上述べたように第１の実施形態では、送
信局ＢＳにおいて、各チャネルＣｈ１〜ＣｈＮに共通に
設定した広告配信期間に、広告番組ストリームとその配
信対象者を指定する属性情報を挿入して放送する。これ
に対し受信局ＲＳ１〜ＲＳｉでは、広告配信期間におい
てすべてのチャネルＣｈ１〜ＣｈＮから属性情報を抽出
して、これを予め登録してあるユーザの属性情報と検索
・フィルタ部１５０Ａで照合する。そして、この登録し
た属性情報に対応する受信属性情報が検出された場合
に、該当するチャネルにより受信された広告番組ストリ
ームを選択して再生出力するようにしている。

【００３５】したがって、広告配信期間においては、ユ
ーザがどの放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮを選択視聴して
いても、すべての放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの広告番
組ストリームの中から、配信対象がユーザに対応する広
告番組ストリームが一つ選択されて再生出力されること
になる。このため、広告主にとっては広告番組ごとに配
信対象者を希望する階層に限定して配信することが可能
となり、これにより宣伝効果を飛躍的に高めることがで
きる。また、視聴者にとっては自身が希望するか或いは
興味のあるジャンルや製品等に関する広告番組のみが再
生されるので、興味のない広告を無理に見せられる苦痛
から解放される。

【００３６】なお、前記検索・フィルタ部１５０Ａによ
る照合の結果、ユーザが登録した属性情報に対応する受
信属性情報が複数検出された場合には、これらの属性情
報の中から一致する要素の数が最も多いものが一つ選択
され、この受信属性情報と共に受信された広告番組スト
リームが再生される。

【００３７】また、前記検索・フィルタ部１５０Ａによ
る照合の結果、ユーザが登録した属性情報に対応する受
信属性情報が一つも検出されなかった場合には、このと
きの広告配信期間に「ただいま放送再生スタンバイ中で
す」といったガイダンスメッセージを表示するとよい。

【００３８】さらに、このガイダンスメッセージの代わ
りに、前回の広告配信期間において受信された広告番組
ストリームを記憶しておき、これを読み出して再生する
ようにしてもよい。この場合、前回の広告配信期間にお
いて受信された属性情報の中にユーザが登録した属性情
報に対応したものが複数あった場合には、これらの受信
属性情報のうち選択されなかったものを選択し、この受
信属性情報と共に受信した広告番組ストリームを記憶部
から読み出して再生するとよい。

【００３９】（第２の実施形態）この発明に係わる第２
の実施形態は、送信局において、チャネルごとに放送番
組ストリーム中の任意の期間に広告配信期間をそれぞれ
設定して、これらの広告配信期間に広告番組ストリーム
とその配信対象者を指定するための属性情報を挿入して
放送する。一方受信局では、上記各放送チャネルの広告
配信期間においてそれぞれ属性情報を監視し、登録属性
情報に対応する属性情報が受信された場合に当該受信属
性情報と共に受信された広告番組ストリームをメモリに
蓄積する。そして、視聴者が選択した放送チャネルの広
告配信期間において、上記メモリに蓄積されている広告
番組ストリームを読み出して再生出力するようにしたも
のである。

【００４０】図５は、この発明の第２の実施形態におけ
る送信局が送信する放送データストリームの構成を示す
ものである。送信局は、放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮご
とに、その放送番組ストリーム中の任意の時間位置にそ
れぞれ広告配信期間を設定する。そして、これらの広告
配信期間にそれぞれ、広告番組ストリームとその視聴対
象を指定するための属性情報を挿入する。属性情報に
は、前記第１の実施形態で述べたように例えば対象視聴
者の性別、年齢、地域、職業及び趣味嗜好が含められ、
また必要に応じてユーザ又はユーザグループの識別情報
（ユーザＩＤ）が含まれる。

【００４１】図６は、この第２の実施形態における受信
局の要部構成を示す回路ブロック図である。なお、同図
において前記図４と同一部分には同一符号を付して詳し
い説明は省略する。

【００４２】広告番組ストリーム抽出部１４１〜１４Ｎ
はそれぞれ、復調部１３１〜１３Ｎから出力された放送
データストリームの広告配信期間において、先ず属性情
報を抽出し、続いて広告番組ストリームを抽出する。そ
して、この抽出した属性情報及び広告番組ストリームを
検索・フィルタ部１５０Ｂにそれぞれ入力する。

【００４３】検索・フィルタ部１５０Ｂは、上記広告番
組ストリーム抽出部１４１〜１４Ｎから属性情報が入力
されるごとに、この受信属性情報をユーザ情報登録部１
７０Ａに予め登録されているユーザの属性情報と照合す
る。そして、受信属性情報の構成要素の少なくとも一つ
が登録属性情報の構成要素と一致すると、この一致情報
を多重・再生部１６０Ｂに通知すると共に、当該受信属
性情報に続いて受信された広告番組ストリームをストリ
ーム蓄積部１８０に記憶する。

【００４４】多重・再生部１６０Ｂは、選択中の放送チ
ャネルにおいて広告配信期間が検出されると、上記検索
・フィルタ部１５０Ｂからの指示に従い、ストリーム蓄
積部１８０から未再生の広告番組ストリームを一つ読み
出し、この広告番組ストリームを上記広告配信期間に挿
入してスピーカ１６１及びモニタ１６２から再生出力す
る。

【００４５】このような構成であるから、送信局ＢＳで
は、放送番組ストリームの放送中に、チャネルＣｈ１〜
ＣｈＮごとに任意のタイミングに設定された広告配信期
間においてそれぞれ、広告番組ストリームとその配信対
象者を指定するための属性情報が挿入されて送信され
る。このとき属性情報には、前記第１の実施形態と同様
に、例えば対象視聴者の性別、年齢、地域、職業及び趣
味嗜好が含められる。

【００４６】これに対し視聴者（ユーザ）は、放送の視
聴に先立ち、自身の受信局ＲＳ１〜ＲＳｉにおいて、自
身の性別、年齢、地域、職業及び趣味嗜好等の属性情報
を、図示しないキー入力部又はリモートコントローラか
ら入力する。この入力された属性情報は、ユーザ情報登
録部１７０Ａに記憶される。

【００４７】この状態で受信局ＲＳ１〜ＲＳｉが放送の
受信動作を開始すると、ユーザが選択指定したチャネル
の放送番組ストリームがチャネル選択部１００により選
択され、多重・再生部１６０Ａにより再生されてモニタ
１６２及びスピーカ１６１から出力される。

【００４８】また上記放送番組ストリームの再生中に、
各広告番組ストリーム抽出部１４１〜１４Ｎではそれぞ
れ放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮごとに広告配信期間の監
視が行われる。そして、広告配信期間になるごとに先ず
属性情報が抽出され、この受信された属性情報が、ユー
ザ情報登録部１７０Ａに記憶されているユーザの属性情
報と、検索・フィルタ部１５０Ｂにおいて照合される。
この照合の結果、受信属性情報の構成要素の少なくとも
一つが登録属性情報の構成要素と一致すると、この受信
属性情報と共に受信された広告番組ストリームが検索・
フィルタ部１５０Ｂからストリーム蓄積部１８０に転送
されて記憶される。

【００４９】すなわち、各放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮ
の広告配信期間において、ユーザの登録属性情報に対応
する属性情報を伴う広告番組ストリームが受信されるご
とに、この広告番組ストリームがストリーム蓄積部１８
０にそれぞれ記憶される。

【００５０】さて、ユーザが選択指定した放送番組スト
リームの再生中に、その放送チャネルの広告配信期間が
検出されたとする。そうすると多重・再生部１６０Ｂ
は、上記検索・フィルタ部１５０Ｂからの指示に従い、
ストリーム蓄積部１８０から未再生の広告番組ストリー
ムのうち受信タイミングが最も古い広告番組ストリーム
を一つ読み出し、この広告番組ストリームを上記選択視
聴中の放送チャネルの広告配信期間においてスピーカ１
６１及びモニタ１６２から再生出力する。

【００５１】なお、広告番組ストリームをストリーム蓄
積部１８０に記憶する際に、属性情報の構成要素の一致
数を付加しておき、この一致数が多い順に広告番組スト
リームを読み出して再生するようにしてもよい。

【００５２】以上述べたように第２の実施形態では、各
放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの広告配信期間により放送
された広告番組ストリームのうち、ユーザが事前に登録
した属性情報に対応するもののみが選択されてストリー
ム蓄積部１８０に記憶される。そして、ユーザが選択視
聴中の放送チャネルの広告配信期間に、上記ストリーム
蓄積部１８０から広告番組ストリームを読み出して再生
出力するようにしている。

【００５３】したがって、第１の実施形態と同様に、広
告主にとっては広告番組ごとに配信対象者を希望する階
層に限定して配信することが可能となり、これにより宣
伝効果を飛躍的に高めることができる。また視聴者にと
っては、自身が希望するか或いは興味のあるジャンルや
製品等に関する広告番組のみが再生されることになり、
興味のない広告を無理に見せられる煩わしさから解放さ
れる。

【００５４】しかもこの実施形態では、ユーザの属性情
報に適合する広告番組ストリームが受信された時点でこ
れがストリーム蓄積部１８０に記憶され、視聴中の放送
チャネルの広告配信期間にこの広告番組ストリームが読
み出されて再生される。このため、各放送チャネルＣｈ
１〜ＣｈＮ間で広告配信期間が同期していない場合で
も、ユーザの属性に適合する広告番組ストリームをもれ
なく再生することができる。

【００５５】（第３の実施形態）この発明の第３の実施
形態は、送信局において、放送予定の広告番組ごとにそ
の配信対象者をユーザ情報データベースから選択して、
この配信対象者に対しその属性情報を制御チャネルを介
して通知する。これに対し受信局では、送信局から通知
された属性情報をメモリに記憶する。そして、以後送信
局から広告番組ストリームが到来した場合に、この広告
番組ストリームに付加されている属性情報を上記メモリ
に記憶されている属性情報と照合し、その構成要素の少
なくとも一つが一致した場合に、同時に受信された広告
番組ストリームをストリーム蓄積部に一旦記憶したのち
再生出力するようにしたものである。

【００５６】図７は、この発明の第３の実施形態におけ
る送信局の要部構成を示す回路ブロック図である。な
お、同図において前記図２と同一部分には同一符号を付
して詳しい説明は省略する。

【００５７】送信局ＢＳには、ユーザ情報データベース
９０と、ユーザ選択通知制御部８０とが新たに設けてあ
り、さらに制御チャネルＣｈｃ用の多重部６０及び変調
部７０が設けてある。

【００５８】ユーザ情報データベース９０には、システ
ムに加入している多数のユーザの属性情報が記憶されて
いる。ユーザ選択通知制御部８０は、放送予定の広告番
組ごとに、その広告主が希望する配信対象者層に該当す
るユーザを上記ユーザ情報データベース８０から選択す
る。そして、この選択したユーザの識別コード（ユーザ
ＩＤ）と属性情報とからなるユーザ登録データを、当該
ユーザの受信局に通知して登録するべく制御チャネルＣ
ｈｃ用の多重部６０に入力する。

【００５９】多重部６０は、上記ユーザ情報データベー
ス９０から供給された複数のユーザ登録データを制御デ
ータストリームに時分割多重し、この制御データストリ
ームを変調部７０に入力する。変調部７０は、上記多重
部６０から出力された制御データストリームにより制御
チャネルＣｈｃの搬送波信号を例えばＱＰＳＫ変調し、
制御チャネル信号を出力する。

【００６０】多重部３０Ｂは、放送チャネルＣｈ１〜Ｃ
ｈＮ用の変調部２１〜２Ｎから出力された放送チャネル
信号と、上記制御チャネルＣｈｃ用の変調部７０から出
力された制御チャネル信号を多重化して放送信号を生成
する。無線送信部４０は、多重部３０Ａから出力された
放送信号を所定のレベルに増幅したのち、放送アンテナ
５０から送信する。

【００６１】一方、受信局ＲＳ１〜ＲＳｉは次のように
構成される。図８はその要部構成を示す回路ブロック図
である。なお、同図において前記図６と同一部分には同
一符号を付して詳しい説明は省略する。

【００６２】受信局ＲＳ１〜ＲＳｉには、制御チャネル
Ｃｈｃ用の復調部１９０と、ユーザ情報登録・更新部１
７０Ｂが新たに設けてある。復調部１９０は、無線受信
部１２０から出力された受信放送信号を復調して制御チ
ャネルＣｈｃに対応する制御データストリームを再生す
る。そして、この制御データストリームに含まれるユー
ザ登録データをユーザ情報登録・更新部１７０Ｂに供給
する。

【００６３】ユーザ情報登録・更新部１７０Ｂは、上記
復調部１９０から自局宛のユーザ登録データが供給され
ると、同一のユーザ登録データがデータベースに既に登
録されているか否かを判定し、未登録であればそのまま
追加登録する。一方登録済みの場合には、登録されてい
る古いユーザ登録データを上記新たなユーザ登録データ
に更新する。

【００６４】このような構成であるから、例えば広告主
或いは広告代理店から広告番組の配信依頼が到来する
と、送信局ＢＳはユーザ選択通知制御部８０において、
広告主が希望する配信対象者層に相当するユーザの情報
をユーザ情報データベース９０から読み出す。そして、
この読み出したユーザの情報、つまりユーザＩＤ及び属
性情報を多重部６０で多重して制御データストリームを
生成し、この制御データストリームを放送チャネルに多
重化して放送する。

【００６５】これに対し各受信局ＲＳ１〜ＲＳｉでは、
復調部１９０において制御チャネルＣｈｃの受信データ
の復調処理が行われる。そして、この復調部１９０によ
り自局宛のユーザ登録データが復調されると、ユーザ情
報登録・更新部１７０Ｂにおいてこの受信されたユーザ
登録データの追加登録又は更新処理が行われる。なお、
ユーザ情報登録・更新部１７０Ｂへのユーザ登録データ
の追加登録又は更新処理は、ユーザ自身のキー操作によ
っても可能である。

【００６６】したがって、以後受信局ＲＳ１〜ＲＳｉで
は、放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの広告配信期間が検出
されるごとに、この期間において抽出された属性情報
が、ユーザ情報登録・更新部１７０Ｂに登録されている
属性情報、つまり事前に送信局ＢＳから通知し登録した
属性情報と、検索・フィルタ部１５０Ｃにおいて照合さ
れる。この照合の結果、受信属性情報の構成要素の少な
くとも一つが登録属性情報の構成要素と一致すると、こ
の受信属性情報と共に受信された広告番組ストリームが
検索・フィルタ部１５０Ｃからストリーム蓄積部１８０
に転送されて記憶される。

【００６７】そして、ユーザが選択指定した放送番組ス
トリームの再生中に広告配信期間が検出されると、上記
検索・フィルタ部１５０Ｃからの指示に従い、多重・再
生部１６０Ｃによりストリーム蓄積部１８０から未再生
の広告番組ストリームのうち受信タイミングが最も古い
広告番組ストリームが一つ読み出され、この広告番組ス
トリームが上記選択視聴中の放送チャネルの広告配信期
間にスピーカ１６１及びモニタ１６２から再生出力され
る。

【００６８】したがって第３の実施形態によれば、各受
信局ＲＳ１〜ＲＳｉでは、送信局ＢＳが配信する広告番
組ストリームのうち、送信局ＢＳ自身が事前に広告主の
要望に応じてユーザ情報登録・更新部１７０Ｂに登録し
た属性情報に対応する広告番組ストリームのみがストリ
ーム蓄積部１８０に記憶され、再生出力される。このた
め、広告主にとっては希望する配信対象者層のユーザに
対し、もれなく広告番組を配信することが可能となり、
これによりさらに高い広告効果を期待できる。

【００６９】（第４の実施形態）この発明の第４の実施
形態は、送信局において、放送チャネルごとに、放送番
組ストリームと複数の広告番組ストリームをそれぞれ、
例えばＭＰＥＧ−４（Moving Picture Experts Group P
hase 4）方式を用いて符号化し多重化したのち放送す
る。一方、受信局においては、放送チャネルの受信デー
タから上記放送番組ストリーム及び複数の広告番組スト
リームを分離して復号する。そして、各広告番組ストリ
ームに付加されている属性情報を予め登録されているユ
ーザの属性情報とそれぞれ照合し、構成要素の少なくと
も一つが一致する受信属性情報が検出されれば、この属
性情報と共に受信された広告番組ストリームを蓄積した
のち、上記放送番組ストリーム中に設定された広告配信
期間に再生出力するようにしたものである。

【００７０】図９は、この発明の第４の実施形態におけ
る送信局の要部構成を示す回路ブロック図である。送信
局ＢＳは、複数の放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの各々に
対応して設けられた多重部２１１〜２１Ｎ及び変調部２
２１〜２２Ｎと、多重部２３０と、無線送信部（ＲＦ
部）２４０と、放送アンテナ２５０とを備えている。

【００７１】多重部２１１〜２１Ｎにはそれぞれ、図示
しない放送コンテンツ生成部において、チャネルＣｈ１
〜ＣｈＮごとに生成された放送番組ストリームと、所定
の符号化が施された複数の広告番組ストリーム（以後広
告番組データと称する）＃１〜＃Ｎが入力される。各広
告番組データ＃１〜＃Ｎにはそれぞれ、当該広告番組の
配信対象者層を指定するための属性情報が付加されてい
る。属性情報には、例えば対象視聴者の性別、年齢、地
域、職業及び趣味嗜好が構成要素として含められ、また
必要に応じてユーザ又はユーザグループの識別情報（ユ
ーザＩＤ）も挿入される。

【００７２】各多重部２１１〜２１Ｎはそれぞれ、入力
された上記放送番組ストリーム中に定期的に一定長の広
告再生期間を設定する。また多重部２１１〜２１Ｎは、
上記広告再生期間を除いた放送番組ストリームに対し、
入力された複数の広告番組データ及び属性情報をＭＰＥ
Ｇ−４方式に従い多重化する。図１０（ａ），（ｂ）は
多重化後の放送データの伝送フォーマットを示すもので
ある。なお、上記広告再生期間には、図１０（ａ）に示
すように属性情報付きの広告番組ストリームを挿入して
もよいが、図１０（ｂ）に示すように広告番組ストリー
ムを挿入せずにブランク期間としてもよい。

【００７３】変調部２２１〜２２Ｎはそれぞれ、上記多
重部２１１〜２１Ｎから出力された多重化放送データに
より各チャネルＣｈ１〜ＣｈＮの搬送波信号を例えばＱ
ＰＳＫ（Quadriphase Phase Shift Keying）変調し、放
送チャネル信号を出力する。多重部２３０は、上記各変
調部２２１〜２２Ｎから出力された各放送チャネルＣｈ
１〜ＣｈＮの放送チャネル信号を多重化して放送信号を
生成する。無線送信部２４０は、多重部２３０から出力
された放送信号を所定のレベルに増幅したのち、放送ア
ンテナ２５０から送信する。

【００７４】一方、受信局ＲＳ１〜ＲＳｉは次のように
構成される。図１１はその要部構成を示す回路ブロック
図である。すなわち、前記送信局ＢＳから任意の放送チ
ャネルにより伝送された放送信号は、受信アンテナ３１
０で受信されたのち無線受信部（ＲＦ部）３２０に入力
される。無線受信部３２０は、上記放送信号を低雑音増
幅したのち中間周波数の受信放送信号に変換して復調部
３３０に入力する。復調部３３０は、入力された受信放
送信号を復調して多重化放送データを再生し、この多重
化放送データを多重・再生部３６０に入力する。

【００７５】また、上記復調部３３０から出力された多
重化放送データは、広告番組データ抽出部３４０に入力
される。広告番組データ抽出部３４０は、入力された上
記多重化放送データから各広告番組データを分離し、こ
の分離した各広告番組データから属性情報をそれぞれ抽
出する。そして、この抽出した属性情報及び広告番組デ
ータを検索・フィルタ部３５０に入力する。

【００７６】検索・フィルタ部３５０は、上記広告番組
データ抽出部１４１〜１４Ｎから属性情報が入力される
ごとに、この受信属性情報をユーザ情報登録・更新部３
７０に予め登録されているユーザの属性情報と照合す
る。そして、受信属性情報の構成要素の少なくとも一つ
が登録属性情報の構成要素と一致すると、当該受信属性
情報が付加されていた広告番組データをデータ蓄積部３
８０に記憶する。

【００７７】多重・再生部３６０は、受信中の放送チャ
ネルにおいて、放送番組ストリームが入力されている期
間にはこの放送番組ストリームを復号してスピーカ３６
１及びモニタ３６２から再生出力する。また広告再生期
間が検出されると、データ蓄積部３８０から未再生の広
告番組データを一つ読み出し、この広告番組データを復
号したのち上記広告再生期間に挿入してスピーカ３６１
及びモニタ３６２から再生出力する。

【００７８】なお、受信局ＲＳ１〜ＲＳｉは、前記第３
の実施形態と同様に、制御チャネル用の復調部３９０を
有している。この復調部３９０は、無線受信部３２０か
ら出力された受信放送信号を復調して制御チャネルＣｈ
ｃに対応する制御データストリームを再生する。そし
て、この制御データストリームに含まれるユーザ登録デ
ータをユーザ情報登録・更新部３７０に供給する。

【００７９】ユーザ情報登録・更新部３７０は、上記復
調部３９０から自局宛のユーザ登録データが供給される
と、同一のユーザ登録データがデータベースに既に登録
されているか否かを判定し、未登録であればそのまま追
加登録する。一方登録済みの場合には、登録されている
古いユーザ登録データを上記新たなユーザ登録データに
更新する。

【００８０】このような構成であるから、送信局ＢＳで
は、放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮごとに、多重部２１１
〜２１Ｎにおいて放送データストリームと複数の広告番
組データ及びその属性情報がそれぞれＭＰＥＧ−４によ
り多重化されて放送される。

【００８１】これに対し受信局ＲＳ１〜ＲＳｉでは、ユ
ーザが選択中の放送チャネルの放送信号が、受信アンテ
ナ３１０及び無線受信回路３２０により受信されたのち
復調部３３０で復調されて多重化放送データに再生され
る。そして、多重・再生部３６０において、上記多重化
放送データから放送番組ストリームが分離されて復号再
生される。

【００８２】また、上記放送番組ストリームの再生中
に、広告番組データ抽出部３４０において上記多重化放
送データから各広告番組データ及びその属性情報が分離
される。そして、検索・フィルタ部３５０において、上
記分離された各属性情報がユーザ情報登録・更新部３７
０に記憶されているユーザの属性情報とそれぞれ照合さ
れる。この照合の結果、受信属性情報の構成要素の少な
くとも一つが登録属性情報の構成要素と一致すると、こ
の受信属性情報と共に受信された広告番組データが検索
・フィルタ部３５０からデータ蓄積部３８０に転送され
て記憶される。

【００８３】そして、ユーザが選択した放送番組ストリ
ームの再生中に広告再生期間が検出されると、多重・再
生部３６０においてデータ蓄積部３８０から未再生の広
告番組データのうち受信タイミングが最も古い広告番組
データが一つ読み出され、この広告番組データが上記選
択視聴中の放送チャネルの広告再生期間にスピーカ３６
１及びモニタ３６２から再生出力される。

【００８４】なお、各受信局ＲＳ１〜ＲＳＮにおいて、
ユーザ情報登録・更新部３７０に対する属性情報の新規
登録又は更新処理は、ユーザ自身のキー入力操作によっ
て可能であるが、前記第３の実施形態で述べたように送
信局ＢＳから制御チャネルを介してユーザ登録データを
伝送することによっても可能である。

【００８５】したがって第４の実施形態によれば、放送
チャネルＣｈ１〜ＣｈＮごとに、放送番組ストリームと
複数の広告番組ストリームとを例えばＭＰＥＧ−４に従
い多重化して放送することができる。このため、広告配
信専用のチャネルを用意することなく多種多数の広告番
組を配信することが可能となる。またユーザは、放送番
組ストリームを視聴しながら、その広告再生期間ごとに
上記多種多数の広告番組のうち自身の属性に対応する広
告番組データのみをもれなく視聴することができる。

【００８６】（その他の実施形態）全放送チャネルＣｈ
１〜ＣｈＮを第１のグループと第２のグループに分け、
第１のグループに属する放送チャネルでは、前記第２の
実施形態と同様に放送番組ストリーム中の任意の期間に
広告配信期間を設定してこの期間に広告番組ストリーム
と属性情報を挿入して送信し、一方第２のグループに属
する放送チャネルは広告配信専用チャネルとして、その
全期間で広告番組ストリームを時分割多重して放送する
ことも可能である。

【００８７】図１２は、その一例を示す放送データスト
リームの伝送フォーマットである。この例では、放送チ
ャネルＣｈＮが広告配信専用チャネルとして使用され、
この放送チャネルＣｈＮに複数の広告番組ストリームと
その配信対象を指定するための属性情報が時分割多重さ
れて放送される。

【００８８】受信局は、第１のグループに属する各放送
チャネルＣｈ１〜ＣｈN-1については、前記第２の実施
形態と同様に広告配信期間が検出されるごとに属性情報
の照合を行って、構成要素が一致すればその広告番組ス
トリームをストリーム蓄積部１８０に記憶する。これに
対し広告配信専用チャネルＣｈＮについては、全期間に
渡り属性情報の抽出とその照合、及び受信広告番組スト
リームの蓄積を行う。

【００８９】このようにすると、広告配信専用チャネル
ＣｈＮを設けたことで、さらに多種多数の広告番組を配
信することが可能となり、しかも受信局においては広告
番組ストリームを蓄積再生することで、上記多種多数の
広告番組のうちユーザが希望する広告番組のみをもれな
く視聴することができる。

【００９０】また、前記第３の実施形態では、ユーザ登
録データを制御チャネルＣｈｃを利用してユーザの受信
局ＲＳ１〜ＲＳｉに通知し登録するようにしたが、放送
チャネルＣｈ１〜ＣｈＮ中に設定されている広告配信期
間を利用するか、又は放送チャネルＣｈ１〜ＣｈＮ中に
制御データ配信期間を設定して、この制御データ配信期
間を利用して通知するようにしてもよい。

【００９１】さらに、放送システムの種類とその構成
は、図１に例示したようにＣＡＴＶであってもよく、ま
た地上波放送システムに限らず放送衛星又は通信衛星を
利用した衛星放送システムであってもよい。また広告番
組の形態は音声広告であっても、また映像と音声とを含
む広告であってもよい。その他、属性情報の構成要素の
種類と内容、送信局及び受信局の構成などについても、
この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施で
きる。

【００９２】

【発明の効果】以上詳述したようにこの発明では、放送
チャネルを使用して放送番組を送信する放送局と、上記
放送番組を受信し再生する受信装置とを具備する放送シ
ステムにあって、上記放送局に、放送チャネルを使用し
て、放送番組と共に広告番組およびその属性情報を含む
放送信号を送信する送信手段を設ける。一方上記受信装
置には、視聴者が再生を希望する広告番組の属性情報を
登録する登録手段を設け、受信した放送信号から広告番
組の属性情報を抽出して、この抽出した受信属性情報を
上記登録手段により登録された登録属性情報と比較し、
この比較により上記登録属性情報に対応する受信属性情
報が検出された場合に、当該受信属性情報に対応する広
告番組を選択的に再生するようにしている。

【００９３】したがってこの発明によれば、不特定多数
の視聴者を対象とする放送を利用しているにも拘わら
ず、宣伝対象の視聴者を正確に特定できるようにして広
告の宣伝効果を飛躍的に高めることを可能にした放送シ
ステムとその放送局および受信装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係わる放送システムの全体構成の
一例を示す概略図。

【図２】 この発明の第１の実施形態における放送シス
テムの送信局の要部構成を示す回路ブロック図。

【図３】 図２に示した送信局が放送する放送データス
トリームの構成を示す図。

【図４】 この発明の第１の実施形態における放送シス
テムの受信局の要部構成を示す回路ブロック図。

【図５】 この発明の第２の実施形態における放送シス
テムの送信局が放送する放送データストリームの構成を
示す図。

【図６】 この発明の第２の実施形態における放送シス
テムの受信局の要部構成を示す回路ブロック図。

【図７】 この発明の第３の実施形態における放送シス
テムの送信局の要部構成を示す回路ブロック図。

【図８】 この発明の第３の実施形態における放送シス
テムの受信局の要部構成を示す回路ブロック図。

【図９】 この発明の第４の実施形態における放送シス
テムの送信局の要部構成を示す回路ブロック図。

【図１０】 図９に示した送信局が放送する放送データ
ストリームの構成を示す図。

【図１１】 この発明の第４の実施形態における放送シ
ステムの受信局の要部構成を示す回路ブロック図。

【図１２】 この発明のその他の実施形態における放送
システムの送信局が放送する放送データストリームの構
成を示す図。

【符号の説明】

ＢＳ…送信局 ＲＳ１〜ＲＳｉ，ＣＳ１〜ＣＳｊ…受信局 １１〜１Ｎ…挿入部 ２１〜２Ｎ，２２１〜２２Ｎ…変調部 ３０Ａ，３０Ｂ，３０Ｃ，２３０…多重部 ４０，２４０…無線送信部 ５０，２５０…放送アンテナ ６０…制御チャネル多重部 ７０…制御チャネル変調部 ８０…ユーザ選択通知制御部 ９０…ユーザ情報データベース １００…チャネル選択部 １１０，３１０…受信アンテナ １２０，３２０…無線受信部 １３１〜１３Ｎ，３３０…復調部 １４１〜１４Ｎ…広告番組ストリーム抽出部 １５０Ａ，１５０Ｂ，１５０Ｃ，３５０…検索・フィル
タ部 １６０Ａ，１６０Ｂ，１６０Ｃ，３６０…多重・再生部 １６１，３６１…スピーカ １６２，３６２…モニタ １７０Ａ，１７０Ｂ…ユーザ情報登録部 １８０…ストリーム蓄積部 １９０，３９０…制御チャネル復調部 ２１１〜２１Ｎ…放送チャネル多重部 ３４０…広告番組データ抽出部 ３７０…ユーザ情報登録・更新部 ３８０…データ蓄積部

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０４Ｎ 7/081

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 放送チャネルを使用して放送番組を送信
   する放送局と、前記放送番組を受信し再生する受信装置
   とを具備し、 前記放送局は、 前記放送チャネルを使用して、前記放送番組と共に広告
   番組とその配信対象者を指定するための属性情報を含む
   放送信号を送信する送信手段を備え、 前記受信装置は、 視聴者の属性情報を登録する登録手段と、 受信した放送信号から前記属性情報を抽出し、この抽出
   した受信属性情報を前記登録手段により登録された登録
   属性情報と比較する比較手段と、 この比較手段により前記登録属性情報に対応する受信属
   性情報の受信が検出された場合に、当該受信属性情報に
   対応する広告番組を選択的に再生する広告再生制御手段
   とを備えたことを特徴とする放送システム。
2. 【請求項２】 前記送信手段は、複数の放送チャネルの
   各々において、放送番組ストリーム中に各放送チャネル
   間で共通の広告配信期間をそれぞれ設定して、これらの
   広告配信期間に広告番組ストリームとその配信対象者を
   指定する属性情報を送信し、 前記比較手段は、前記各放送チャネルの広告配信期間か
   ら属性情報をそれぞれ抽出して、これらの受信属性情報
   を登録属性情報とそれぞれ比較し、 前記広告再生制御手段は、前記広告配信期間において、
   再生対象の放送チャネルを前記登録属性情報に対応する
   受信属性情報が受信された放送チャネルに切り替えるこ
   とで、視聴者が希望する広告番組ストリームを再生する
   ことを特徴とする請求項１記載の放送システム。
3. 【請求項３】 前記送信手段は、放送チャネルごとに、
   放送番組ストリーム中の任意の期間に広告配信期間をそ
   れぞれ設定して、これらの広告配信期間に広告番組スト
   リームとその配信対象者を指定する属性情報を挿入して
   送信し、 前記比較手段は、前記各放送チャネルの広告配信期間か
   ら属性情報をそれぞれ抽出して、これらの受信属性情報
   を登録属性情報とそれぞれ比較し、 前記広告再生制御手段は、前記比較手段により前記登録
   属性情報に対応する受信属性情報が検出された場合に当
   該受信属性情報と共に受信された広告番組ストリームを
   メモリに蓄積し、視聴者が視聴中の放送チャネルの広告
   配信期間に、前記メモリに蓄積されている広告番組スト
   リームを読み出して再生することを特徴とする請求項１
   記載の放送システム。
4. 【請求項４】 前記送信手段は、複数の放送チャネルを
   第１のグループと第２のグループとに分け、第１のグル
   ープに属する放送チャネルでは放送番組ストリーム中に
   設定した広告配信期間に広告番組ストリームとその配信
   対象者を指定する属性情報を挿入して送信し、かつ前記
   第２のグループに属する放送チャネルではその全期間を
   広告配信期間に設定して複数の広告番組ストリームをそ
   の配信対象者を指定する属性情報と共に多重して送信
   し、 前記比較手段は、前記第１および第２のグループに属す
   る各放送チャネルから属性情報をそれぞれ抽出して、こ
   れらの受信属性情報を登録属性情報とそれぞれ比較し、 前記広告再生制御手段は、前記比較手段により前記登録
   属性情報に対応する受信属性情報が検出された場合に当
   該受信属性情報と共に受信された広告番組ストリームを
   メモリに蓄積し、視聴者が視聴中の第１のグループに属
   する放送チャネルの広告配信期間に、前記メモリに蓄積
   されている広告番組ストリームを読み出して再生するこ
   とを特徴とする請求項１記載の放送システム。
5. 【請求項５】 前記送信手段は、放送チャネルごとに、
   ストリーム中に広告再生期間を設定した放送番組ストリ
   ームと、配信対象者を指定するための属性情報が付加さ
   れた広告番組ストリームとを、所定のマルチメディア符
   号化伝送方式に従い符号化して多重化したのち送信し、 前記比較手段は、前記放送チャネルを介して伝送された
   多重化データから分離された広告番組ストリームより属
   性情報を抽出して登録属性情報と比較し、 前記広告再生制御手段は、前記比較手段により前記登録
   属性情報に対応する受信属性情報が検出された場合に、
   当該受信属性情報と共に受信された広告番組ストリーム
   をメモリに蓄積し、前記多重化データから分離された放
   送番組ストリーム中の広告再生期間に、前記メモリに蓄
   積された広告番組ストリームを読み出して復号再生する
   ことを特徴とする請求項１記載の放送システム。
6. 【請求項６】 放送チャネルを使用して放送番組及び広
   告番組を送信する放送局と、前記放送番組及び広告番組
   を受信し再生する複数の受信装置とを具備し、 前記放送局は、 前記放送番組及び広告番組を送信する際に、広告番組に
   その配信対象者を指定するための属性情報を付加する属
   性情報付加手段と、 視聴者の属性を表す視聴者情報を記憶する視聴者情報記
   憶手段と、 放送予定の広告番組ごとにその配信対象者を前記視聴者
   情報記憶手段に記憶された視聴者情報をもとに選択する
   選択手段と、 前記広告番組の送信に先立ち、前記選択手段により選択
   された視聴者に対応する受信装置に対し、当該視聴者に
   前記広告情報を受信させるための再生対象指定情報を通
   知する通知手段とを備え、 前記複数の受信装置の各々は、 広告番組の配信対象者を指定するための属性情報を記憶
   する記憶手段と、 前記放送局から自装置宛の再生対象指定情報を受信した
   場合に、この再生対象指定情報に含まれる属性情報を前
   記記憶手段に記憶させる再生対象登録手段と、 前記放送局から広告番組が到来した場合に、この広告番
   組に付加されている配信対象者を指定するための属性情
   報を抽出して前記記憶手段に記憶されている属性情報と
   比較する比較手段と、 この比較手段により前記記憶手段の属性情報に対応する
   属性情報の受信が検出された場合に、当該受信属性情報
   と共に受信された広告番組を選択的に再生する広告再生
   制御手段とを備えたことを特徴とする放送システム。
7. 【請求項７】 放送局から放送された、放送番組および
   広告番組とその配信対象者を指定するための属性情報を
   含む放送信号を受信し再生する受信装置であって、 視聴者の属性情報を登録する登録手段と、 受信した放送信号から前記属性情報を抽出して、この抽
   出した受信属性情報を前記登録手段により登録された登
   録属性情報と比較する比較手段と、 この比較手段により前記登録属性情報に対応する受信属
   性情報が検出された場合に、当該受信属性情報と共に受
   信された広告番組を選択的に再生する広告再生制御手段
   とを具備したことを特徴とする受信装置。
8. 【請求項８】 視聴者の受信装置に向けて放送番組及び
   広告番組を含む放送信号を放送する放送局において、 前記放送番組及び広告番組を送信する際に、広告番組に
   その配信対象者を指定するための属性情報を付加する属
   性情報付加手段と、 視聴者の属性を表す視聴者情報を記憶する視聴者情報記
   憶手段と、 放送予定の広告番組ごとにその配信対象者を前記視聴者
   情報記憶手段に記憶された視聴者情報をもとに選択する
   選択手段と、 前記広告番組の放送に先立ち、前記選択手段により選択
   された視聴者に対応する受信装置に対し、当該視聴者に
   前記広告情報を受信させるための再生対象指定情報を通
   知する通知手段とを具備したことを特徴とする放送局。
9. 【請求項９】 広告番組の配信対象者を指定するための
   属性情報を記憶する記憶手段と、 放送局から自装置宛の再生対象指定情報を受信した場合
   に、この再生対象指定情報に含まれる属性情報を前記記
   憶手段に記憶させる記憶制御手段と、 前記放送局から広告番組が到来した場合に、この広告番
   組に付加されている配信対象者を指定するための属性情
   報を抽出して前記記憶手段に記憶されている属性情報と
   比較する比較手段と、 この比較手段により前記記憶手段の属性情報に対応する
   属性情報の受信が検出された場合に、当該受信属性情報
   と共に受信された広告番組を選択的に再生する広告再生
   制御手段とを備えたことを特徴とする受信装置。