JP2002280827A - アンテナユニット、アンテナ装置および放送塔 - Google Patents

アンテナユニット、アンテナ装置および放送塔

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JP2002280827A
JP2002280827A JP2001073046A JP2001073046A JP2002280827A JP 2002280827 A JP2002280827 A JP 2002280827A JP 2001073046 A JP2001073046 A JP 2001073046A JP 2001073046 A JP2001073046 A JP 2001073046A JP 2002280827 A JP2002280827 A JP 2002280827A
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loop
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正晴 武藤
Reiji Fukuhara
黎児 福原
Kazuo Shigeta
和夫 茂田
Kazuyuki Yamamori
一之 山森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で各双ループアンテナからの合成
指向性を任意に変更設定すること。 【解決手段】 2個のループを形成する2つの2Lアン
テナ素子1,2と、各2Lアンテナ素子1,2に対する
電力を伝送する給電線4と、各2Lアンテナ素子1,2
と給電線4との間に配置され、同軸ケーブル4を2分岐
し、各分岐先を各2Lアンテナ素子1,2の給電点に直
接接続し、給電線4の特性インピーダンスの2倍の特性
インピーダンスであって各2Lアンテナ素子1,2のイ
ンピーダンスに略等しい特性インピーダンスを有する給
電線3a,3bと、同軸ケーブル4と給電線3a,3b
との分岐点から各2Lアンテナ素子1,2側をみたイン
ピーダンスZB,ZAを電力配分に対応したインピーダン
スとし、各2Lアンテナ素子1,2のインピーダンスZ
1に変換するトランスフォーマ10a,10bとを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、UHF帯で広帯
域特性を有する2N(Nは自然数)個のループを形成す
るループアンテナ素子からのアンテナ指向性を自在に改
善することができるアンテナユニット、アンテナ装置お
よび放送塔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近い将来、地上波ディジタル放送がUH
F帯において開始される。現在のアナログ放送における
UHF帯の送信アンテナは、双ループアンテナが多用さ
れ、各周波数に合わせて設計されている。UHF帯のデ
ィジタル化は、アナログ放送と違い同じ時間軸上でネッ
トワークの整備が進められていると考えられる。このた
め、サテライト局では、各社共同でアンテナシステムを
建設する傾向がある。したがって、アンテナコストを下
げるためには、複数のチャネルをカバーできる広帯域ア
ンテナが有効である。一方、このディジタル放送開始前
の過渡期におけるアナログ/アナログ変換を考えると、
広帯域アンテナは必須のものと考える。
【0003】図18は、従来の双ループアンテナの平面
図である。双ループアンテナ100は、長手方向に沿う
両縁部を略45°に折り曲げて、主面を形成した平板状
の反射器106上に、その周長が送信周波数の略波長λ
となる円弧状のループアンテナ素子101,102によ
って形成されるループLP101およびループアンテナ
素子103,104によって形成されるループLP10
2を有した双ループアンテナを、この主面に垂直な方向
に、単一指向性を持たせて送信する。
【0004】ところで、図18に示された双ループアン
テナは、放送塔などに多数配置されて使用される。各双
ループアンテナの合成指向性にヌル点が存在すると、不
感地帯が発生し、この不感地帯に対する改善のために合
成指向性を変更設定する必要がある。一般に、複数アン
テナの合成指向性は、各アンテナに供給される電力比に
差を設けたり、給電位相に位相差を設けることによって
変更することができる。
【0005】たとえば、図19に示すように、給電線4
00から供給される電力を、一端、電力分配器500に
入力し、この電力分配器500によって、各双ループア
ンテナ200,300に電力を給電する給電線400
a,400bへの電力分配比を適切に設定し、この電力
分配によって各双ループアンテナ200,300の合成
指向性を変更設定するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の双ループアンテナ200,300の合成指向性
を変更設定する方式では、電力分配器500を必要と
し、アンテナ装置全体の小型軽量化を阻害するととも
に、電力分配器500を介するため、給電線の本数が多
くなるという問題点があった。
【0007】また、電力分配のみならず、給電位相に位
相差を設けて合成指向性を変更設定する場合では、異な
る電気長すなわち異なる長さの給電線を複数設ける必要
があり、このための労力と時間がかかるという問題点が
あった。
【0008】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
簡易な構成で各双ループアンテナからの合成指向性を任
意に変更設定することができるアンテナユニット、アン
テナ装置および放送塔を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかるアンテナユニットは、それぞれ2
N(Nは自然数)個のループを形成する2のm乗(mは
自然数)個のループアンテナ素子と、前記ループアンテ
ナ素子に対する電力を伝送する第1の給電線と、前記各
ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に配置さ
れ、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り返し、
前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm乗倍の
特性インピーダンスであって前記各ループアンテナ素子
のインピーダンスに略等しい特性インピーダンスを有す
る2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アンテナ側
端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の給電点
に直接接続する第2の給電線と、前記2分岐される分岐
点から前記ループアンテナ素子側をみたそれぞれのイン
ピーダンスを異ならせ、次段の分岐点あるいは前記アン
テナ側端点をみたそれぞれのインピーダンスに変換する
複数のトランスフォーマと、前記各ループアンテナ素子
との間に所定の距離を置いて配置される反射板とを備え
たことを特徴とする。
【0010】この請求項1の発明によれば、第2の給電
線が、反射板上に所定距離を置いて配置される各ループ
アンテナ素子と前記第1の給電線との間に配置され、前
記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り返し、前記第
1の給電線の特性インピーダンスの2のm乗倍の特性イ
ンピーダンスであって前記各ループアンテナ素子のイン
ピーダンスに略等しい特性インピーダンスを有する2の
m乗個のアンテナ側端点を形成し、各アンテナ側端点が
2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の給電点に直接
接続し、複数のトランスフォーマが、前記2分岐される
分岐点から前記ループアンテナ素子側をみたそれぞれの
インピーダンスを異ならせ、次段の分岐点あるいは前記
アンテナ側端点をみたそれぞれのインピーダンスに変換
して、各ループアンテナ素子に対する電力分配をインピ
ーダンス整合しつつ行い、合成指向性のヌル点をなくす
ようにしている。
【0011】また、請求項2にかかるアンテナユニット
は、それぞれ2N(Nは自然数)個のループを形成する
2のm乗(mは自然数)個のループアンテナ素子と、前
記ループアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の給
電線と、前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線
との間に配置され、前記第1の給電線に対して2分岐を
m段繰り返し、前記第1の給電線の特性インピーダンス
の2のm乗倍の特性インピーダンスであって前記各ルー
プアンテナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピ
ーダンスを有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成
し、各アンテナ側端点が2のm乗個の前記各ループアン
テナ素子の給電点に直接接続する第2の給電線と、前記
各ループアンテナ素子との間に所定の距離を置いて配置
される反射板とを備え、前記2分岐される分岐点は、該
分岐点から前記ループアンテナ素子までの間の電気長を
異ならせて接続したことを特徴とする。
【0012】この請求項2の発明によれば、第2の給電
線が、反射板上に所定距離を置いて配置される各ループ
アンテナ素子と前記第1の給電線との間に配置され、前
記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り返し、前記第
1の給電線の特性インピーダンスの2のm乗倍の特性イ
ンピーダンスであって前記各ループアンテナ素子のイン
ピーダンスに略等しい特性インピーダンスを有する2の
m乗個のアンテナ側端点を形成し、各アンテナ側端点が
2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の給電点に直接
接続し、前記2分岐される分岐点を、該分岐点から前記
ループアンテナ素子までの間の電気長を異ならせて接続
し、各ループアンテナ素子に対して位相差給電を行うこ
とによって、合成指向性のヌル点を変更設定するように
している。
【0013】また、請求項3にかかるアンテナユニット
は、それぞれ2N(Nは自然数)個のループを形成する
2のm乗(mは自然数)個のループアンテナ素子と、前
記ループアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の給
電線と、前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線
との間に配置され、前記第1の給電線に対して2分岐を
m段繰り返し、前記第1の給電線の特性インピーダンス
の2のm乗倍の特性インピーダンスであって前記各ルー
プアンテナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピ
ーダンスを有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成
し、各アンテナ側端点が2のm乗個の前記各ループアン
テナ素子の給電点に直接接続する第2の給電線と、前記
各ループアンテナ素子との間に所定の距離を置いて配置
される反射板とを備え、前記各ループアンテナ素子を形
成する2N個のループのうち、少なくとも3つのループ
間距離を異ならせて前記反射板上に配置したことを特徴
とする。
【0014】この請求項3の発明によれば、第2の給電
線が、反射板上に所定距離を置いて配置される各ループ
アンテナ素子と前記第1の給電線との間に配置され、前
記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り返し、前記第
1の給電線の特性インピーダンスの2のm乗倍の特性イ
ンピーダンスであって前記各ループアンテナ素子のイン
ピーダンスに略等しい特性インピーダンスを有する2の
m乗個のアンテナ側端点を形成し、各アンテナ側端点が
2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の給電点に直接
接続し、各ループアンテナ素子を形成する2N個のルー
プのうち、少なくとも3つのループ間距離を異ならせて
前記反射板上に配置し、合成指向性のヌル点をなくすよ
うにしている。
【0015】また、請求項4にかかるアンテナユニット
は、上記の発明において、前記2分岐される分岐点から
前記ループアンテナ素子側をみたそれぞれのインピーダ
ンスを異ならせ、次段の分岐点あるいは前記アンテナ側
端点をみたインピーダンスにそれぞれ変換する複数のト
ランスフォーマをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】この請求項4の発明によれば、複数のトラ
ンスフォーマによって、前記2分岐される分岐点から前
記ループアンテナ素子側をみたそれぞれのインピーダン
スを異ならせ、次段の分岐点あるいは前記アンテナ側端
点をみたインピーダンスにそれぞれ変換し、合成指向性
のヌル点をなくすようにしている。
【0017】また、請求項5にかかるアンテナユニット
は、上記の発明において、前記各ループアンテナ素子を
形成する2N個のループのうち、少なくとも3つのルー
プ間距離を異ならせて前記反射板上に配置したことを特
徴とする。
【0018】この請求項5の発明によれば、前記各ルー
プアンテナ素子を形成する2N個のループのうち、少な
くとも3つのループ間距離を異ならせて前記反射板上に
配置し、合成指向性のヌル点をなくすようにしている。
【0019】また、請求項6にかかるアンテナユニット
は、上記の発明において、分岐側の中心導体を摺動し、
分岐元の中心導体に接合されるリング部材によって分岐
接続され、該リング部材は、固定部材によって固定され
ることを特徴とする。
【0020】この請求項6の発明によれば、リング部材
によって、分岐側の中心導体に摺動可能に接合され、固
定部材によって固定されるようにし、分岐点の位置を柔
軟に設定できるようにしている。
【0021】また、請求項7にかかるアンテナ装置は、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の複数のアンテナユ
ニットを円環状に均等に配列し、各アンテナユニットか
ら放射される電波を合成して略無指向の水平放射パター
ンを得ることを特徴とする。
【0022】この請求項7の発明によれば、請求項1〜
6のいずれか一つに記載の複数のアンテナユニットを円
環状に均等に配列し、各アンテナユニットから放射され
る電波を合成して略無指向の水平放射パターンを得るよ
うにしている。
【0023】また、請求項8にかかる放送塔は、請求項
7に記載のアンテナ装置を、所定の地上高に設置したこ
とを特徴とする。
【0024】この請求項8の発明によれば、請求項7に
記載のアンテナ装置を、所定の地上高に設置し、これに
よって、任意の垂直合成指向性に変更設定できるととも
に、略無指向の水平指向性が得られる放送塔を実現でき
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかるアンテナユニット、アンテナ装置および放
送塔の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】(実施の形態1)図1および図2は、この
発明の実施の形態1であるアンテナユニットの概要構成
を示す図であり、図1は、このアンテナユニットの正面
図を示し、図2は、このアンテナユニットの右側面図を
示す。
【0027】図1および図2において、このアンテナユ
ニットは、2つのアンテナエレメントからなる2Lアン
テナ素子1,2を有する。すなわち、4つのアンテナエ
レメント1a,1b,2a,2bを有する。2Lアンテ
ナ素子1は、2つのアンテナエレメント1a,1bから
なり、それぞれが対向して2つのループLP1,LP2
を形成する。また、2Lアンテナ素子2は、2つのアン
テナエレメント2a,2bからなり、それぞれが対向し
て2つのループLP3,LP4を形成する。各ループ長
は、ほぼ送信信号の波長λにほぼ等しく設定される。各
2Lアンテナ素子1,2は、それぞれ長手方向に直列に
配置される。また、各2Lアンテナ素子1,2自体のイ
ンピーダンスは、略100Ωである。
【0028】各2Lアンテナ素子1,2の給電点には、
それぞれ特性インピーダンスが100Ωの給電線3(3
a,3b)が接続され、給電線3の中央(中点)には、
特性インピーダンスが50Ωの同軸ケーブル4が接続さ
れ、同軸ケーブル4および給電線3を介して各2Lアン
テナ素子1,2に対して給電される。給電線3の中点に
よって分岐された給電線3aは、2Lアンテナ素子1側
に延び、給電線3aの内部導体11aが2Lアンテナ素
子1の一方のアンテナエレメント1aに直接接続され
る。また、給電線3の中点によって分岐された給電線3
bは、2Lアンテナ素子2側に延び、給電線3bの内部
導体11bが2Lアンテナ素子2の他方のアンテナエレ
メント2bに直接接続される。なお、給電線3a,3b
の外部導体は、反射板5を介して各2Lアンテナ素子
1,2のアンテナ端部に接続される。
【0029】なお、同軸ケーブル4には、給電線3a,
3bが2分岐して接続され、並列となった給電線3a,
3bの合成インピーダンスを考慮すると、100Ωの特
性インピーダンスをもつ給電線3a,3bと同軸ケーブ
ル4とは、単純にインピーダンス整合する。また、各2
Lアンテナ素子1,2は、インピーダンスが100Ωの
各給電線3a,3bとも、容易にインピーダンス整合す
る。したがって、複雑なインピーダンス整合を行わなく
ても済む。ただし、後述するように、各2Lアンテナ素
子1,2に対する電力分配比を異ならせるために、同軸
ケーブル4と給電線3a,3bとの接続点から、各2L
アンテナ素子1,2側にトランスフォーマを設けてい
る。
【0030】上述したように、2Lアンテナ素子1,2
は、長手方向に沿う両縁部を略45°該2Lアンテナ素
子1,2側に折り曲げて主面を形成した平板状の反射板
5上に、略波長λとなる円弧状のループアンテナ素子を
有した双ループアンテナである。2Lアンテナ素子1,
2は、反射板5の面に対して高さL3の位置に平行に設
置される。ループLP1,LP2間の距離は、「L1」
であり、ループLP3,LP4間の距離は、「L2」で
あり、距離L2は、たとえば距離L1と同じ0.7λで
ある。なお、各2Lアンテナ素子1,2間の距離L3
は、たとえば1.4λである。
【0031】給電線3は、断面が矩形であり、各一端の
内部導体11a,11bが各2Lアンテナ素子1,2の
中央の一方に直接接続される。給電線3は、中央部にお
いて、同軸ケーブル4に接続される。なお、上述したよ
うに、給電線3は、特性インピーダンスが100Ωに設
定されている。
【0032】内部導体11aは、2Lアンテナ素子1の
中央部分の平行線路間を通り、その先端とアンテナエレ
メント1aとの間は、L字型に橋渡され、導通される。
一方、給電線3aの外部導体は、他方のアンテナエレメ
ント1bに接続される。同様にして、給電線3bと2L
アンテナ素子2とが接続される。
【0033】ここで、上述したトランスフォーマについ
て図3を参照して説明する。図3は、図1および図2に
示したアンテナユニットのインピーダンス関係を示す模
式図である。図3において、同軸ケーブル4の特性イン
ピーダンスZ0は50Ωであり、電力Pが供給される。
同軸ケーブル4は、給電線3a,3bに分岐するが、こ
の分岐点には、トランスフォーマ10a,10bが設け
られる。この分岐点から2Lアンテナ素子1側をみたイ
ンピーダンスをZBとし、分岐点から2Lアンテナ素子
2側をみたインピーダンスをZAとし、2Lアンテナ素
子1側に供給される電力をP2とし、2Lアンテナ素子
2側に供給される電力をP1とすると、 P1:P2=1/ZA:1/ZB の関係を持たせる必要がある。
【0034】また、分岐点から先の、給電線3a,3b
および各2Lアンテナ素子1,2の回路は、並列となっ
ているので、 1/Z0=1/ZA+1/ZB を満足する必要がある。
【0035】この結果、各2Lアンテナ素子1,2側に
供給される電力をP1:P2とするには、分岐点から各
2Lアンテナ素子1,2側をみたインピーダンスZA
Bを、 ZA=(P1+P2)/P1・Z0B=(P1+P2)/P2・Z0 として設定すればよい。このために、上述したトランス
フォーマ10a,10bを設けている。トランスフォー
マ10aは、インピーダンスXBを2Lアンテナ素子1
のインピーダンスZ1に変換し、トランスフォーマ10
bは、インピーダンスXAを2Lアンテナ素子2のイン
ピーダンスZ1に変換し、これによって、分岐点と各2
Lアンテナ素子1,2との間のインピーダンス整合がな
される。
【0036】たとえば、P1:P2=1:2の電力分配に
設定したい場合、インピーダンスZAを75Ωに設定
し、インピーダンスZBを150Ωに設定すればよいの
で、トランスフォーマ10aは、75Ω→100Ω変換
を実現する1段もしくは多段のトランスフォーマとすれ
ばよい。また、トランスフォーマ10bは、150Ω→
100Ω変換を実現する1段もしく多段のトランスフォ
ーマとすればよい。
【0037】図4は、上述したトランスフォーマ10
a,10bの挿入による電力分配を行った場合の2Lア
ンテナ素子1,2の垂直合成指向性を示す図である。図
4において、パターンLN1は、トランスフォーマ10
a,10bを用いずに、P1:P2=1:1の電力比とし
た場合を示し、俯角21度でヌル点が生じている。これ
に対し、パターンLN2は、トランスフォーマ10a,
10bを用いて、P1:P2=1:2の電力分配を行った
場合を示し、ヌル点がなくした合成指向性を実現してい
る。
【0038】ここで、図5を参照して、ヌル点が解消さ
れる理由について説明する。図5(a)は、電力分配が
1:P2=1:1のときを示し、俯角θ方向、たとえば
21度のときに、位相差d=(2n+1)λ/2(nは
自然数)となった場合、各2Lアンテナ素子1,2から
送信される電磁波の位相差は逆相となっているため、各
2Lアンテナ素子1,2の合成電磁波の電界強度は
「0」となる。
【0039】一方、図5(b)に示すように、電力分配
比を異ならせ、たとえば電力分配比P1:P2=1:1と
した場合、たとえ、位相差d=(2n+1)λ/2とな
る角度が生じても、各2Lアンテナ素子1,2からの各
電界強度が異なるため、各2Lアンテナ素子1,2の合
成電磁波の電界強度は、「0」とならず、合成指向性に
ヌル点は生じない。
【0040】なお、電力分配比については任意であり、
単に、電力分配比に対応したインピーダンス変換を行う
トランスフォーマ10a,10bを挿入すればよい。ま
た、上述した実施の形態1では、2つの2Lアンテナ素
子1,2を、1つの反射板5に設ける場合について説明
したが、これに限らず、反射板5上に、2のm乗個の2
Lアンテナ素子を配列した場合でも、同様にして適用す
ることができる。この場合、任意の分岐点にトランスフ
ォーマを設ければよい。
【0041】さらに、上述した実施の形態1では、2L
アンテナ素子1,2を一例として説明したが、これに限
らず、ループを4つ有する4Lアンテナ素子など、複数
のループを有したアンテナ素子に対しても適用できる。
【0042】この実施の形態1では、電力分配比に対応
したトランスフォーマ10a,10bを分岐点から2L
アンテナ素子1,2側に設け、インピーダンス整合をと
り、各2Lアンテナ素子1,2に所望の電力分配を行う
ようにし、簡易な構成で、合成指向性のヌル点をなくす
ことができる。
【0043】(実施の形態2)つぎに、この発明の実施
の形態2について説明する。上述した実施の形態1で
は、トランスフォーマを用いて各2Lアンテナ素子に対
する電力分配を行って合成指向性のヌル点をなくす合成
指向性を得るようにしていたが、この実施の形態2で
は、給電線3a,3bの電気長を異ならせて、各2Lア
ンテナ素子1,2に対して位相差給電を行い、これによ
って合成指向性のヌル点を移動させるようにしている。
【0044】図6は、この発明の実施の形態2であるア
ンテナユニットの概要構成を示す模式図である。図6に
おいて、2つの2Lアンテナ素子1,2の給電線3a,
3bと、同軸ケーブル4との分岐点の位置を変え、各給
電線3a,3bとの長さをL10,L11として、電気
長を変化させるようにしている。なお、電気長を変化さ
せて位相差給電を行うのであり、各給電線3a,3bの
長さが異なっても、同相となる電気長であってはならな
い。その他の構成は、実施の形態1と同じあり、同一構
成部分には同一符号を付している。ただし、トランスフ
ォーマ10a,10bは設けられていない。したがっ
て、各2Lアンテナ素子1,2に対する電力分配比も
1:1である。
【0045】図7は、上述した給電線3a,3bの電気
長を代えて位相差給電を行った場合の垂直合成指向性を
示す図である。図7において、パターンLN1は、位相
差給電を行わない場合を示し、俯角21度でヌル点が生
じている。これに対し、パターンLN2は、位相差を4
5度つけた位相差給電を行った場合を示し、ヌル点が2
6.5度にシフトした合成指向性に変更設定されてい
る。なお、位相差Δφは、波長をλとすると、 Δλ=2π/λ・|L10−L11| である。
【0046】なお、上述した実施の形態2では、同軸ケ
ーブル4と、各給電線3a,3bとの分岐点を固定接続
するようにしていたが、図8に示すように分岐点を任意
の位置に接続できる構成としてもよい。図8は、図6に
示した分岐点近傍Aの詳細構成を示す図である。図8に
おいて、摺動部材21は、給電線3の中心導体23を貫
通させる貫通孔を有し、給電線3と接続され、中心導体
23に沿って摺動自在となっている。
【0047】摺動部材21の下部は、同軸ケーブル4の
中心導体に接続される。同軸ケーブル4の外部導体は、
接続平板に接続され、接続平板を介して給電線3の外部
導体に接続される。この場合、同軸ケーブル4の外部導
体下部には、中心導体23に沿ってガイド22が設けら
れ、同軸ケーブル4と摺動部材21とが一体になって移
動できるようにしている。ここで、各2Lアンテナ素子
1,2に対して所望の位相差を与える分岐点の位置が決
定されると、この位置において、接続治具25によって
接続平板を、給電線3の外部導体下部に締め付け、その
位置を固定する。このような構成とすることによって、
ヌル点を所望の位置にシフトさせる位相差給電を柔軟に
行うことができる。
【0048】この実施の形態2では、各2Lアンテナ素
子1,2に対して任意の位相差を設けた位相差給電を行
うようにしているので、ヌル点を任意にシフトした合成
指向性を得ることができる。このヌル点のシフトによっ
て、不感帯を解消することができる。また、分岐点の位
置を任意に変更できる構成としているので、汎用性のあ
るアンテナユニットを実現できる。
【0049】(実施の形態3)つぎに、この発明の実施
の形態3について説明する。上述した実施の形態1で
は、各2Lアンテナ素子1,2に対して電力分配を行っ
てヌル点をなくした合成指向性に変更設定し、実施の形
態2では、各2Lアンテナ素子1,2に対する電気長を
代えて位相差給電を行って合成指向性のヌル点をシフト
させるようにしていたが、この実施の形態3では、各2
Lアンテナ素子1,2のループ間位置を異ならせること
によって、各2Lアンテナ素子の合成指向性のヌル点を
なくすようにしている。
【0050】図9は、この発明の実施の形態3であるア
ンテナユニットの概要構成を示す模式図である。図9に
おいて、2つの2Lアンテナ素子31,32は、上述し
た実施の形態1,2における2Lアンテナ素子1,2に
対応するが、ループLP1,LP2間の距離L1と、ル
ープLP3,LP4間の距離L2とが異なるようにして
いる。すなわち、距離L1は、0.7λであるが、距離
L2は、0.5λと短くしている。なお、各2Lアンテ
ナ素子31,32間の距離L3は、1.4λとしてい
る。このように図9に示したアンテナユニットでは、各
距離L1〜L3が異なる距離になるようにしている。そ
の他の構成は、実施の形態1におけるトランスフォーマ
10a,10bを設けない構成あるいは実施の形態2に
おける給電線3a,3bの電気長を同じにした構成と同
じである。なお、図9に示したアンテナユニットの構成
の比較のため、実施の形態1,2と同じループ配置にし
た場合、すなわち距離L1,L2を0.7λとし、距離
L3を1.4λとした構成を図10に示している。ま
た、図11は、距離L1,L2を0.5λとし、距離L
3を1.4λとしたアンテナユニットの構成を示してい
る。
【0051】また、図12は、図10および図11に示
したアンテナユニットに対する垂直合成指向性を示して
いる。パターンL11は、図10に示したアンテナユニ
ットに対する垂直合成指向性、すなわち距離L1,L2
を0.7λとした場合を示し、角度23度でヌル点が発
生している。また、パターンL12は、図11に示した
アンテナユニットに対する垂直合成指向性、すなわち距
離L1,L2を0.5λとした場合を示し、角度23度
および角度52度の2点でヌル点が発生している。
【0052】これに対し、図13は、図9に示したアン
テナユニットに対する垂直合成指向性を示しており、2
3度近傍で、相対電界強度が落ち込むものの、ヌル点と
はなっておらず、角度0度から90度までの間にヌル点
は全く発生していない。
【0053】このループ配置によってヌル点が発生しな
い理由について、図14を参照して説明する。図14に
おいて、各2Lアンテナ素子31,32のループLP1
〜LP4は、それぞれ独自のアンテナとして機能し、2
つの2Lアンテナ素子31,32は、ループLP1〜L
P4による各アンテナが線上に配置された構成となる。
ここで、ループLP1,LP2間の距離L1と、ループ
LP3,LP4間の距離L2とは、上述したように異な
る。また、ループLP2,LP3間の距離L4は、 L4=L3−1/2(L1+L2) である。この距離L4は、距離L1,L2と異なる距離
に設定される。これによって、各ループLP1〜LP4
間の距離は、すべて異なることになる。
【0054】この場合、たとえ、2つのループ間の位相
差が逆相となる角度θが生じても、他のループとの位相
差は逆相とならないため、これらループLP1〜LP4
から発生する電磁波の角度θにおける合成電界強度は、
「0」とならず、どの角度においてもヌル点は発生しな
い。すなわち、少なくとも3つのループ間の距離を異な
らせることによって、ヌル点は発生しない。図14に示
した例では、2Lアンテナ素子31,32がそれぞれル
ープを2つ形成しているため、4つのループ間距離を異
ならせていることになる。
【0055】この実施の形態3によれば、各2Lアンテ
ナ素子31,32を形成するループLP1〜LP4間の
距離を異ならせる配置とするという簡易な構成によっ
て、各2Lアンテナ素子31,32の合成指向性にヌル
点が発生しないようにすることができる。
【0056】なお、上述した実施の形態1〜3は、適宜
組み合わせが可能であり、これによって、柔軟な合成指
向性に変更設定することができる。
【0057】また、上述した実施の形態1〜3では、2
Lアンテナ素子1,2の各ループLP1〜LP4が鉛直
線上に一列に並ぶ構成とし、合成垂直指向性を設定変更
できることを示したが、これに限らず、たとえば、2L
アンテナ素子1,2の各ループ対が鉛直線上に並び、各
2Lアンテナ素子1,2が水平配置された「H」形状の
アンテナユニットである場合にも適用できる。この場
合、実施の形態1,2を適用すると合成水平指向性の設
定変更が可能となり、実施の形態3を適用すると、垂
直、水平の合成指向性に限らず、あらゆる面の合成指向
性を設定変更することができる。
【0058】(実施の形態4)つぎに、この発明の実施
の形態4について説明する。この実施の形態4では、上
述した実施の形態1〜3で示したアンテナユニットを用
いたアンテナ装置および放送塔を実現している。
【0059】図15は、この発明の実施の形態4である
アンテナ装置を含む放送塔の概要構成を示す図である。
図15において、放送塔は、鉄骨材を組み上げたタワー
状の骨格フレーム体71と、その上端に垂直に設けたポ
ール部72とを有する。ポール部72、および骨格フレ
ーム体71の比較的断面の小さい円筒部75に、上述し
た実施の形態1〜3で示したアンテナユニットに対応す
るアンテナユニット73,74が取り付けられる。
【0060】このアンテナユニット73,74の取付
は、ポール部72あるいは円筒部75の周囲に水平かつ
均等に配置することによって実現される。ただし、アン
テナユニット73,74の取付数は、ポール部72ある
いは円筒部75の断面の大きさ、すなわち円周の長さに
よって決定され、水平方向に送信利得の落ち込みのある
部分を形成しないように密に配置する。したがって、ポ
ール部72には、少ないアンテナユニット73の数で済
み、円筒部75には、比較的多くの個数のアンテナユニ
ット74が必要となる。
【0061】ここで、図16を参照して、放送塔に設置
されるアンテナ装置の一例について説明する。図16
は、ポール部72に設置されるアンテナ装置の構成を示
す図であり、図16(a)は、アンテナ装置の正面図で
あり、図16(b)は、B−B線断面図である。図16
において、4つのアンテナユニット73−1〜73−4
は、ポール部72の周縁であって同一周上に設けられ、
各アンテナユニット73−1〜73−4は、90°ずつ
均等に配置される。なお、各アンテナユニット73−1
〜73−4は、図1に示したアンテナユニットである。
【0062】図17は、図14に示したアンテナ装置の
水平指向性を示す図である。なお、アンテナユニット7
3−4が配置される方向を0度とし、アンテナユニット
73−3が配置される方向を90度としている。各アン
テナユニット73−1〜73−4の間には、アンテナ指
向性の高い部分が形成される。たとえば、アンテナユニ
ット73−3,73−4間には、ピークP71が形成さ
れる。このピークP71は、アンテナユニット73−
3,73−4のメインローブの裾部分で、左右45度方
向が強め合ってできたピークである。各アンテナユニッ
ト73−1〜73−4は、2つの2Lアンテナ素子を合
成した利得をもち、比較的鋭いアンテナ指向性をもつた
め、図17に示すように、ピークP71を極端に大きく
することはない。これによって、上述した実施の形態1
〜3に示した垂直合成指向性を維持しつつ、90度毎、
全周に配置した4つのアンテナユニット73−1〜73
−4であっても、比較的無指向の水平指向性を得ること
ができる。
【0063】なお、各アンテナユニット73−1〜73
−4は、ポール部の内縁部に配置された給電装置76に
よって一括して給電される。なお、ポール部72の設置
されるその他のアンテナ装置および円筒部75に配置さ
れるアンテナ装置も、給電装置76によって、一括して
給電するようにしてもよい。
【0064】なお、各アンテナユニットは、レドームを
設け、風雨に対する強度を持たせるようにするのが好ま
しい。
【0065】この実施の形態4によれば、上述した実施
の形態1〜3に示したヌル点のない、あるいはヌル点が
シフトした垂直合成指向性が得られるとともに、水平指
向性に関しても、向上したアンテナ指向性を得ることが
できる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1にかかる
発明によれば、第2の給電線が、反射板上に所定距離を
置いて配置される各ループアンテナ素子と前記第1の給
電線との間に配置され、前記第1の給電線に対して2分
岐をm段繰り返し、前記第1の給電線の特性インピーダ
ンスの2のm乗倍の特性インピーダンスであって前記各
ループアンテナ素子のインピーダンスに略等しい特性イ
ンピーダンスを有する2のm乗個のアンテナ側端点を形
成し、各アンテナ側端点が2のm乗個の前記各ループア
ンテナ素子の給電点に直接接続し、複数のトランスフォ
ーマが、前記2分岐される分岐点から前記ループアンテ
ナ素子側をみたそれぞれのインピーダンスを異ならせ、
次段の分岐点あるいは前記アンテナ側端点をみたそれぞ
れのインピーダンスに変換して、各ループアンテナ素子
に対する電力分配をインピーダンス整合しつつ行い、合
成指向性のヌル点をなくすようにしているので、電力分
配器を独立して設ける必要がないので、簡易な構成のア
ンテナユニットを実現できるという効果を奏する。
【0067】また、請求項2にかかる発明によれば、第
2の給電線が、反射板上に所定距離を置いて配置される
各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に配置
され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り返
し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm乗
倍の特性インピーダンスであって前記各ループアンテナ
素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダンスを
有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アンテ
ナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の給
電点に直接接続し、前記2分岐される分岐点を、該分岐
点から前記ループアンテナ素子までの間の電気長を異な
らせて接続し、各ループアンテナ素子に対して位相差給
電を行うことによって、合成指向性のヌル点を変更設定
するようにしているので、簡易な構成によって合成指向
性のヌル点変更を行うことができるという効果を奏す
る。
【0068】また、請求項3にかかる発明によれば、第
2の給電線が、反射板上に所定距離を置いて配置される
各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に配置
され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り返
し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm乗
倍の特性インピーダンスであって前記各ループアンテナ
素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダンスを
有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アンテ
ナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の給
電点に直接接続し、各ループアンテナ素子を形成する2
N個のループのうち、少なくとも3つのループ間距離を
異ならせて前記反射板上に配置し、合成指向性のヌル点
をなくすようにしているので、簡易な構成によって合成
指向性を変更設定することができるという効果を奏す
る。
【0069】また、請求項4にかかる発明によれば、複
数のトランスフォーマによって、前記2分岐される分岐
点から前記ループアンテナ素子側をみたそれぞれのイン
ピーダンスを異ならせ、次段の分岐点あるいは前記アン
テナ側端点をみたインピーダンスにそれぞれ変換し、合
成指向性のヌル点をなくすようにしているので、ヌル点
の解消およびシフトを含めた所望のパターンをもつ合成
指向性に、柔軟に設定変更することができるという効果
を奏する。
【0070】また、請求項5にかかる発明によれば、前
記各ループアンテナ素子を形成する2N個のループのう
ち、少なくとも3つのループ間距離を異ならせて前記反
射板上に配置し、合成指向性のヌル点をなくすようにし
ているので、ヌル点の解消およびシフトを含めた所望の
パターンをもつ合成指向性に、柔軟に設定変更すること
ができるという効果を奏する。
【0071】また、請求項6にかかる発明によれば、リ
ング部材によって、分岐側の中心導体に摺動可能に接合
され、固定部材によって固定されるようにし、分岐点の
位置を柔軟に設定できるようにしているので、アンテナ
ユニットが設置される場所に適合した合成指向性を柔軟
かつ汎用的に変更設定することができるという効果を奏
する。
【0072】また、請求項7にかかる発明によれば、請
求項1〜6のいずれか一つに記載の複数のアンテナユニ
ットを円環状に均等に配列し、各アンテナユニットから
放射される電波を合成して略無指向の水平放射パターン
を得るようにしているので、任意の垂直合成指向性に変
更設定できるとともに、略無指向の水平指向性が得られ
るアンテナ装置を実現できるという効果を奏する。
【0073】また、請求項8にかかる発明によれば、請
求項7に記載のアンテナ装置を、所定の地上高に設置
し、これによって、任意の垂直合成指向性に変更設定で
きるとともに、略無指向の水平指向性が得られる放送塔
を実現できるので、簡易な構成によって、設置場所に対
応した不感帯をなくすことができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるアンテナユニッ
トの正面図である。
【図2】図1に示したアンテナユニットの右側面図であ
る。
【図3】図1に示したアンテナユニットに設けられるト
ランスフォーマおよびインピーダンス関係を示す模式図
である。
【図4】図1に示したアンテナユニットの垂直合成指向
性を示す図である。
【図5】図1に示したアンテナユニットによる垂直合成
指向性にヌル点が生じない理由を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態2であるアンテナユニッ
トの概要構成を示す模式図である。
【図7】図7に示したアンテナユニットによる垂直合成
指向性を示す図である。
【図8】図7に示したアンテナユニットの分岐点近傍の
詳細構成を示す破断図である。
【図9】この発明の実施の形態3であるアンテナユニッ
トの概要構成を示す模式図である。
【図10】ループ間距離が等しいアンテナユニットの一
例を示す模式図である。
【図11】ループ間距離が等しいアンテナユニットの他
の一例を示す模式図である。
【図12】図10および図11に示したアンテナユニッ
トの垂直合成指向性を示す図である。
【図13】図9に示したアンテナユニットの垂直合成指
向性を示す図である。
【図14】図9に示したアンテナユニットによる垂直合
成指向性にヌル点が発生しない理由を説明する図であ
る。
【図15】この発明の実施の形態4であるアンテナ装置
を含む放送塔の概要構成を示す図である。
【図16】図15に示したアンテナ装置の一例を示す図
である。
【図17】図16に示したアンテナ装置の水平指向性を
示す図である。
【図18】従来のアンテナユニットの構成を示す図であ
る。
【図19】電力分配を行う従来のアンテナユニットの構
成を示す図である。
【符号の説明】
1,2,31,32 2Lアンテナ素子 1a,1b,2a,2b アンテナエレメント 3,3a,3b 給電線 4 同軸ケーブル 5 反射板 10a,10b トランスフォーマ 11a,11b 内部導体 21 摺動部材 71 骨格フレーム体 72 ポール部 73,73−1〜73−4,74 アンテナユニット 75 円筒部 76 給電装置 LP1〜LP4 ループ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂田 和夫 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 山森 一之 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA07 AA11 AB04 CA06 FA32 GA08 HA05 HA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ2N(Nは自然数)個のループ
    を形成する2のm乗(mは自然数)個のループアンテナ
    素子と、 前記ループアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の
    給電線と、 前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に
    配置され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り
    返し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm
    乗倍の特性インピーダンスであって前記各ループアンテ
    ナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダンス
    を有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アン
    テナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の
    給電点に直接接続する第2の給電線と、 前記2分岐される分岐点から前記ループアンテナ素子側
    をみたそれぞれのインピーダンスを異ならせ、次段の分
    岐点あるいは前記アンテナ側端点をみたそれぞれのイン
    ピーダンスに変換する複数のトランスフォーマと、 前記各ループアンテナ素子との間に所定の距離を置いて
    配置される反射板と、 を備えたことを特徴とするアンテナユニット。
  2. 【請求項2】 それぞれ2N(Nは自然数)個のループ
    を形成する2のm乗(mは自然数)個のループアンテナ
    素子と、 前記ループアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の
    給電線と、 前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に
    配置され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り
    返し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm
    乗倍の特性インピーダンスであって前記各ループアンテ
    ナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダンス
    を有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アン
    テナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の
    給電点に直接接続する第2の給電線と、 前記各ループアンテナ素子との間に所定の距離を置いて
    配置される反射板と、 を備え、 前記2分岐される分岐点は、該分岐点から前記ループア
    ンテナ素子までの間の電気長を異ならせて接続したこと
    を特徴とするアンテナユニット。
  3. 【請求項3】 それぞれ2N(Nは自然数)個のループ
    を形成する2のm乗(mは自然数)個のループアンテナ
    素子と、 前記ループアンテナ素子に対する電力を伝送する第1の
    給電線と、 前記各ループアンテナ素子と前記第1の給電線との間に
    配置され、前記第1の給電線に対して2分岐をm段繰り
    返し、前記第1の給電線の特性インピーダンスの2のm
    乗倍の特性インピーダンスであって前記各ループアンテ
    ナ素子のインピーダンスに略等しい特性インピーダンス
    を有する2のm乗個のアンテナ側端点を形成し、各アン
    テナ側端点が2のm乗個の前記各ループアンテナ素子の
    給電点に直接接続する第2の給電線と、 前記各ループアンテナ素子との間に所定の距離を置いて
    配置される反射板と、 を備え、 前記各ループアンテナ素子を形成する2N個のループの
    うち、少なくとも3つのループ間距離を異ならせて前記
    反射板上に配置したことを特徴とするアンテナユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記2分岐される分岐点から前記ループ
    アンテナ素子側をみたそれぞれのインピーダンスを異な
    らせ、次段の分岐点あるいは前記アンテナ側端点をみた
    インピーダンスにそれぞれ変換する複数のトランスフォ
    ーマをさらに備えたことを特徴とする請求項2または3
    に記載のアンテナユニット。
  5. 【請求項5】 前記各ループアンテナ素子を形成する2
    N個のループのうち、少なくとも3つのループ間距離を
    異ならせて前記反射板上に配置したことを特徴とする請
    求項1、2または4のいずれか一つに記載のアンテナユ
    ニット。
  6. 【請求項6】 前記分岐点は、分岐側の中心導体を摺動
    し、分岐元の中心導体に接合されるリング部材によって
    分岐接続され、該リング部材は、固定部材によって固定
    されることを特徴とする請求項2、4または5のいずれ
    か一つに記載のアンテナユニット。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一つに記載の複数
    のアンテナユニットを円環状に均等に配列し、各アンテ
    ナユニットから放射される電波を合成して略無指向の水
    平放射パターンを得ることを特徴とするアンテナ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のアンテナ装置を、所定
    の地上高に設置したことを特徴とする放送塔。
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