JP2002280082A - 二次電池の充電方法 - Google Patents

二次電池の充電方法

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JP2002280082A
JP2002280082A JP2001075599A JP2001075599A JP2002280082A JP 2002280082 A JP2002280082 A JP 2002280082A JP 2001075599 A JP2001075599 A JP 2001075599A JP 2001075599 A JP2001075599 A JP 2001075599A JP 2002280082 A JP2002280082 A JP 2002280082A
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Japan
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secondary battery
charging
negative electrode
lithium
capacity
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JP2001075599A
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Momoe Adachi
百恵 足立
Goro Shibamoto
悟郎 柴本
Shigeru Fujita
茂 藤田
Hiroyuki Akashi
寛之 明石
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明者らが新開発した二次電池の充電条件
の充電時における不適格な設定の繰り返し充電に起因し
た内部劣化やサイクル特性の劣化などを防いで、その新
開発の二次電池におけるサイクル特性を良好に保つ。 【解決手段】 負極22の容量が軽金属の吸蔵および離
脱による容量成分と軽金属の析出および溶解による容量
成分との和により表わされる二次電池を充電するにあた
り、1[ms]以上のオフ・デューティ期間を有し、さ
らに望ましくはそのオフ・デューティ期間に対するオン
・デューティ期間の比率が1/2ないし1までの範囲内
のいずれかの値に設定された間欠電圧を印加すること
で、その充電される二次電池の起電力の劣化やサイクル
特性の低下等が回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極および負極と
共に電解質を備えた二次電池の充電方法に係り、特に、
負極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量成分
と、軽金属の析出および溶解による容量成分との和によ
り表される二次電池の充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR(ビデオテー
プレコーダ),携帯電話あるいはラップトップコンピュ
ータに代表されるポータブル電子機器が広く普及し、そ
れらの小型化、軽量化および長時間連続駆動が強く求め
られている。それに伴い、それらのポータブル電源とし
て、二次電池の高容量化および高エネルギー密度化の要
求が高まっている。
【0003】高エネルギー密度を得ることができる二次
電池としては、例えば、負極に炭素材料などのリチウム
(Li)を吸蔵および離脱することができる材料を用い
たリチウムイオン二次電池や、あるいは負極にリチウム
金属を用いたリチウム二次電池がある。特に、リチウム
二次電池は、リチウム金属の理論電気化学当量が205
4mAh/cm3 と大きく、リチウムイオン二次電池で
用いられる黒鉛材料の2.5倍にも相当するので、リチ
ウムイオン二次電池を上回る高いエネルギー密度を得ら
れるものと期待されている。これまでも、多くの研究者
等によりリチウム二次電池の実用化に関する研究開発が
なされてきた(例えば、Lithium Batteries,Jean-Paul
Gabano編, Academic Press(1983)) 。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リチウム二
次電池は、充放電を繰り返した際の放電容量の劣化が大
きく、実用化が難しいという問題があった。この容量劣
化は、リチウム二次電池が負極においてリチウム金属の
析出・溶解反応を利用していることに基づいており、充
放電に伴い、正負極間で移動するリチウムイオンに対応
して負極の体積が容量分だけ大きく増減するので、負極
の体積が大きく変化し、リチウム金属結晶の溶解反応お
よび再結晶化反応が可逆的に進みづらくなってしまうこ
とによるものである。しかも、負極の体積変化は高エネ
ルギー密度を実現しようとするほど大きくなり、容量劣
化もいっそう著しくなる。
【0005】そこで本発明者等は、負極の容量がリチウ
ムの吸蔵・離脱による容量成分と、リチウムの析出・溶
解による容量成分との和により表される二次電池を新た
に開発した。これは、負極にリチウムを吸蔵・離脱する
ことができる炭素材料を用い、充電の途中において炭素
材料の表面にリチウムを析出させるようにしたものであ
る。この二次電池によれば、高エネルギー密度を達成し
つつ、充放電サイクル特性を向上させることが期待でき
る。しかし、この二次電池を実用化するには、さらなる
特性の向上および安定化を図る必要があり、そのために
は二次電池の内部の材料や構造のみならず、その二次電
池のサイクル特性を大幅に左右する充電方法についての
研究開発も必要不可欠である。特に、二次電池が製造さ
れてからの初充電時の電流値などの充電条件や、二次電
池が継続的に使用されて充放電が繰り返されるときの充
電条件によっては、その内部劣化やサイクル特性の低下
などが顕著なものとなる可能性が高い。また一般に、ユ
ーザーにとっては、充電に要する時間が短いほど好まし
いことは言うまでもないが、二次電池の充電時間の短縮
化あるいは急速充電を実現するためには、従来のCCC
V(定電流定電圧充電)充電法などによる充電方法を用
いた場合、充電電流や充電電圧を大きくすることで充電
時間の短縮化を達成するようにしている。ところが、そ
のような充電電流や充電電圧を大きくし過ぎると、二次
電池の内部劣化やサイクル特性の低下などがさらに顕著
なものとなってしまう。また、特に上記のような負極の
容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量成分と軽金属
の析出および溶解による容量成分との和により表わされ
るという本発明者らが新たに開発した二次電池では、充
電条件の如何によっては、負極基材上あるいは負極基材
間に金属を不均一に析出させてしまい、二次電池の特性
に対して顕著な悪影響を及ぼして、電池容量のサイクル
特性を著しく劣化させるという可能性があることが、本
発明者らが行った種々の実験等によって分かって来た。
また、上記のように新開発された二次電池では、言うま
でもなく未だ使用実績がないので、充電条件をどのよう
なものに設定すればよいか未知である。このため、二次
電池の内部劣化やサイクル特性の低下を誘発することな
く二次電池をできるだけ短時間で充電できる適正な充電
条件や充電方法を設定することは、上記のような新しい
材料や構造を有する二次電池の本来のサイクル特性等の
長所を実際的に生かす上で、極めて重要な問題である。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、充電方法を適正な設定とすることに
より、本発明者らが新開発した二次電池の充電時におけ
る不適格な設定の繰り返し充電に起因した内部劣化やサ
イクル特性の劣化などを防いで、その新開発の二次電池
におけるサイクル特性を良好なものに保つことができる
ようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による二次電池の
充電方法は、負極の容量が軽金属の吸蔵および離脱によ
る容量成分と軽金属の析出および溶解による容量成分と
の和により表わされる二次電池を充電するにあたり、1
ms(ミリ秒)以上のオフ・デューティ期間を有する間
欠電圧を印加して前述の二次電池を充電するというもの
である。
【0008】本発明による二次電池の充電方法では、負
極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量成分と軽
金属の析出および溶解による容量成分との和によって構
成される二次電池を充電する際に、1ms以上のオフ・
デューティ期間を有する間欠電圧を印加することで、そ
の充電される二次電池の起電力の劣化やサイクル特性の
低下等が回避される。
【0009】また、本発明による他の二次電池の充電方
法は、負極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量
成分と軽金属の析出および溶解による容量成分との和に
より表わされる二次電池を充電するにあたり、1ms
(ミリ秒)以上のオフ・デューティ期間を有し、かつそ
のオフ・デューティ期間に対するオン・デューティ期間
の比率が1/2ないし1までの範囲内のいずれかの値に
設定された間欠電圧を印加して前述の二次電池を充電す
るというものである。
【0010】本発明による他の二次電池の充電方法で
は、負極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量成
分と軽金属の析出および溶解による容量成分との和によ
って構成される二次電池を充電する際に、1ms以上の
オフ・デューティ期間を有し、かつそのオフ・デューテ
ィ期間に対するオン・デューティ期間の比率が1/2な
いし1までの範囲内のいずれかの値に設定された間欠電
圧を印加することにより、その充電される二次電池の起
電力の劣化やサイクル特性の低下等が回避される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0012】図1は本発明の一実施の形態に係る充電方
法を行う対象である二次電池の断面構造を表すものであ
る。この二次電池は、いわゆるジェリーロール型といわ
れるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部
に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介
して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶1
1は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成さ
れており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。
電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻
回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞ
れ配置されている。
【0013】電池缶11の開放端部には、電池蓋14
と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15
および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficie
nt;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してか
しめられることにより取り付けられており、電池缶11
の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池
缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構
15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的
に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱な
どにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク
板15aが膨らみ、電池蓋14と巻回電極体20との電
気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子1
6は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限
し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例
えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構
成されている。ガスケット17は、例えば、絶縁材料に
より構成されており、表面にはアスファルトが塗布され
ている。
【0014】巻回電極体20は、例えば、センターピン
24を中心に巻回されている。巻回電極体20の正極2
1にはアルミニウムなどよりなる正極リード25が接続
されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リ
ード26が接続されている。正極リード25は安全弁機
構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接
続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され
電気的に接続されている。
【0015】図2は図1に示した巻回電極体20の一部
を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向
する一対の面を有する正極集電体21aの両面に正極合
剤層21bが設けられた構造を有している。なお、図示
はしないが、正極集電体21aの片面のみに正極合剤層
21bを設けるようにしてもよい。正極集電体21a
は、例えば、厚みが5μm〜50μm程度であり、アル
ミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金
属箔により構成されている。正極合剤層21bは、例え
ば、厚みが80μm〜250μmであり、軽金属である
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料を
含んで構成されている。なお、正極合剤層21bの厚み
は、正極合剤層21bが正極集電体21aの両面に設け
られている場合には、その合計の厚みである。
【0016】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウ
ム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチ
ウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合
して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするに
は、一般式Lix MO2 で表されるリチウム複合酸化物
あるいはリチウムを含んだ層間化合物が好ましい。な
お、Mは1種類以上の遷移金属が好ましく、具体的に
は、コバルト(Co),ニッケル(Ni),マンガン
(Mn),鉄(Fe),アルミニウム(Al),バナジ
ウム(V)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1
種が好ましい。xは、電池の充放電状態によって異な
り、通常、0.05≦x≦1.10の範囲内の値であ
る。また、他にも、スピネル型結晶構造を有するLiM
2 4 、あるいはオリビン型結晶構造を有するLiF
ePO4 なども高いエネルギー密度を得ることができる
ので好ましい。なお、このような正極材料は、例えば、
リチウムの炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化物
と、遷移金属の炭酸塩,硝酸塩,酸化物あるいは水酸化
物とを所望の組成になるように混合し、粉砕した後、酸
素雰囲気中において600℃〜1000℃の範囲内の温
度で焼成することにより調製される。
【0017】正極合剤層21bは、また、例えば導電剤
を含んでおり、必要に応じて更に結着剤を含んでいても
よい。導電剤としては、例えば、黒鉛,カーボンブラッ
クあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料があげら
れ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられ
る。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であ
れば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるよ
うにしてもよい。結着剤としては、例えば、スチレンブ
タジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピ
レンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリビニリデン
フルオロライドなどの高分子材料が挙げられ、そのうち
の1種または2種以上を混合して用いられる。例えば、
図1に示したように正極21および負極22が巻回され
ている場合には、結着剤として柔軟性に富むスチレンブ
タジエン系ゴムあるいはフッ素系ゴムなどを用いること
が好ましい。
【0018】負極22は、例えば、対向する一対の面を
有する負極集電体22aの両面に負極合剤層22bが設
けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負
極集電体22aの片面のみに負極合剤層22bを設ける
ようにしてもよい。負極集電体22aは、良好な電気化
学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する銅
箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔によ
り構成されている。特に、銅箔は高い電気伝導性を有す
るので最も好ましい。負極集電体22aの厚みは、例え
ば、6μm〜40μm程度であることが好ましい。6μ
mよりも薄いと機械的強度が低下し、製造工程において
負極集電体22aが断裂しやすく、生産効率が低下して
しまうからであり、40μmよりも厚いと電池内におけ
る負極集電体22aの体積比が必要以上に大きくなり、
エネルギー密度を高くすることが難しくなるからであ
る。
【0019】負極合剤層22bは、軽金属であるリチウ
ムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料のいずれ
か1種または2種以上を含んで構成されており、必要に
応じて、例えば正極合剤層21bと同様の結着剤を含ん
でいてもよい。負極合剤層22bの厚みは、例えば、8
0μm〜250μmである。この厚みは、負極合剤層2
2bが負極集電体22aの両面に設けられている場合に
は、その合計の厚みである。ここで、本明細書において
軽金属の吸蔵・離脱とは、軽金属イオンがそのイオン性
を失うことなく電気化学的に吸蔵・離脱されることを言
う。これは、吸蔵された軽金属が完全なイオン状態で存
在する場合のみならず、完全なイオン状態とは言えない
状態で存在する場合も含む。これらに該当する場合とし
ては、例えば、黒鉛に対する軽金属イオンの電気化学的
なインタカレーション反応による吸蔵が挙げられる。ま
た、金属間化合物あるいは合金の形成による軽金属の吸
蔵も挙げることができる。
【0020】リチウムを吸蔵および離脱することが可能
な負極材料としては、例えば、黒鉛,難黒鉛化性炭素あ
るいは易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。こ
れら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非
常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共
に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので
好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエ
ネルギー密度を得ることができ好ましい。
【0021】黒鉛としては、例えば、真密度が2.10
g/cm3 以上のものが好ましく、2.18g/cm3
以上のものであればより好ましい。なお、このような真
密度を得るには、(002)面のC軸結晶子厚みが1
4.0nm以上であることが必要である。また、(00
2)面の面間隔は0.340nm未満であることが好ま
しく、0.335nm以上0.337nm以下の範囲内
であればより好ましい。
【0022】黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよい。
人造黒鉛であれば、例えば、有機材料を炭化して高温熱
処理を行い、粉砕・分級することにより得られる。高温
熱処理は、例えば、必要に応じて窒素(N2 )などの不
活性ガス気流中において300℃〜700℃で炭化し、
毎分1℃〜100℃の速度で900℃〜1500℃まで
昇温してこの温度を0時間〜30時間程度保持し仮焼す
ると共に、2000℃以上、好ましくは2500℃以上
に加熱し、この温度を適宜の時間保持することにより行
う。
【0023】出発原料となる有機材料としては、石炭あ
るいはピッチを用いることができる。ピッチには、例え
ば、コールタール,エチレンボトム油あるいは原油など
を高温で熱分解することにより得られるタール類、アス
ファルトなどを蒸留(真空蒸留,常圧蒸留あるいはスチ
ーム蒸留),熱重縮合,抽出,化学重縮合することによ
り得られるもの、木材還流時に生成されるもの、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチ
ラートまたは3,5−ジメチルフェノール樹脂がある。
これらの石炭あるいはピッチは、炭化の途中最高400
℃程度において液体として存在し、その温度で保持され
ることで芳香環同士が縮合・多環化し、積層配向した状
態となり、そののち約500℃以上で固体の炭素前駆
体、すなわちセミコークスとなる(液相炭素化過程)。
【0024】有機材料としては、また、ナフタレン,フ
ェナントレン,アントラセン,トリフェニレン,ピレ
ン,ペリレン,ペンタフェン,ペンタセンなどの縮合多
環炭化水素化合物あるいはその誘導体(例えば、上述し
た化合物のカルボン酸,カルボン酸無水物,カルボン酸
イミド)、またはそれらの混合物を用いることができ
る。更に、アセナフチレン,インドール,イソインドー
ル,キノリン,イソキノリン,キノキサリン,フタラジ
ン,カルバゾール,アクリジン,フェナジン,フェナン
トリジンなどの縮合複素環化合物あるいはその誘導体、
またはそれらの混合物を用いることもできる。
【0025】なお、粉砕は、炭化,仮焼の前後、あるい
は黒鉛化前の昇温過程の間のいずれで行ってもよい。こ
れらの場合には、最終的に粉末状態で黒鉛化のための熱
処理が行われる。但し、嵩密度および破壊強度の高い黒
鉛粉末を得るには、原料を成型したのち熱処理を行い、
得られた黒鉛化成型体を粉砕・分級することが好まし
い。
【0026】例えば、黒鉛化成型体を作製する場合に
は、フィラーとなるコークスと、成型剤あるいは焼結剤
となるバインダーピッチとを混合して成型したのち、こ
の成型体を1000℃以下の低温で熱処理する焼成工程
と、焼成体に溶融させたバインダーピッチを含浸させる
ピッチ含浸工程とを数回繰り返してから、高温で熱処理
する。含浸させたバインダーピッチは、以上の熱処理過
程で炭化し、黒鉛化される。ちなみに、この場合には、
フィラー(コークス)とバインダーピッチとを原料にし
ているので多結晶体として黒鉛化し、また原料に含まれ
る硫黄や窒素が熱処理時にガスとなって発生することか
ら、その通り路に微小な空孔が形成される。よって、こ
の空孔により、リチウムの吸蔵・離脱反応が進行し易し
くなると共に、工業的に処理効率が高いという利点もあ
る。なお、成型体の原料としては、それ自身に成型性、
焼結性を有するフィラーを用いてもよい。この場合に
は、バインダーピッチの使用は不要である。
【0027】難黒鉛化性炭素としては、(002)面の
面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm
3 未満であると共に、空気中での示差熱分析(differen
tialthermal analysis ;DTA)において700℃以
上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
【0028】このような難黒鉛化性炭素は、例えば、有
機材料を1200℃程度で熱処理し、粉砕・分級するこ
とにより得られる。熱処理は、例えば、必要に応じて3
00℃〜700℃で炭化した(固相炭素化過程)のち、
毎分1℃〜100℃の速度で900℃〜1300℃まで
昇温し、この温度を0〜30時間程度保持することによ
り行う。粉砕は、炭化の前後、あるいは昇温過程の間で
行ってもよい。
【0029】出発原料となる有機材料としては、例え
ば、フルフリルアルコールあるいはフルフラールの重合
体,共重合体、またはこれらの高分子と他の樹脂との共
重合体であるフラン樹脂を用いることができる。また、
フェノール樹脂,アクリル樹脂,ハロゲン化ビニル樹
脂,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリアミ
ド樹脂,ポリアセチレンあるいはポリパラフェニレンな
どの共役系樹脂、セルロースあるいはその誘導体、コー
ヒー豆類、竹類、キトサンを含む甲殻類、バクテリアを
利用したバイオセルロース類を用いることもできる。更
に、水素原子(H)と炭素原子(C)との原子数比H/
Cが例えば0.6〜0.8である石油ピッチに酸素
(O)を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)させた
化合物を用いることもできる。
【0030】この化合物における酸素の含有率は3%以
上であることが好ましく、5%以上であればより好まし
い(特開平3−252053号公報参照)。酸素の含有
率は炭素材料の結晶構造に影響を与え、これ以上の含有
率において難黒鉛化性炭素の物性を高めることができ、
負極22の容量を向上させることができるからである。
ちなみに、石油ピッチは、例えば、コールタール,エチ
レンボトム油あるいは原油などを高温で熱分解すること
により得られるタール類、またはアスファルトなどを、
蒸留(真空蒸留,常圧蒸留あるいはスチーム蒸留),熱
重縮合,抽出あるいは化学重縮合することにより得られ
る。また、酸化架橋形成方法としては、例えば、硝酸,
硫酸,次亜塩素酸あるいはこれらの混酸などの水溶液と
石油ピッチとを反応させる湿式法、空気あるいは酸素な
どの酸化性ガスと石油ピッチとを反応させる乾式法、ま
たは硫黄,硝酸アンモニウム,過硫酸アンモニア,塩化
第二鉄などの固体試薬と石油ピッチとを反応させる方法
を用いることができる。
【0031】なお、出発原料となる有機材料はこれらに
限定されず、酸素架橋処理などにより固相炭化過程を経
て難黒鉛化性炭素となり得る有機材料であれば、他の有
機材料でもよい。
【0032】難黒鉛化性炭素としては、上述した有機材
料を出発原料として製造されるものの他、特開平3−1
37010号公報に記載されているリン(P)と酸素と
炭素とを主成分とする化合物も、上述した物性パラメー
タを示すので好ましい。
【0033】リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料とし
ては、また、リチウムと合金あるいは化合物を形成可能
な金属あるいは半導体、またはこれらの合金あるいは化
合物が挙げられる。これらは高いエネルギー密度を得る
ことができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用い
るようにすれば、高エネルギー密度を得ることができる
と共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでよ
り好ましい。
【0034】このような金属あるいは半導体としては、
例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(A
l)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Z
n)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウ
ム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀
(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)
およびイットリウム(Y)が挙げられる。これらの合金
あるいは化合物としては、例えば、化学式Mas Mbt
Liu 、あるいは化学式Map Mcq Mdr で表される
ものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチ
ウムと合金あるいは化合物を形成可能な金属元素および
半導体元素のうちの少なくとも1種を表し、Mbはリチ
ウムおよびMa以外の金属元素および半導体元素のうち
少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも
1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半導体元
素のうち少なくとも1種を表す。また、s、t、u、
p、qおよびrの値はそれぞれs>0、t≧0、u≧
0、p>0、q>0、r≧0である。
【0035】中でも、4B族の金属元素あるいは半導体
元素、またはそれらの合金あるいは化合物が好ましく、
特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはそれらの
合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでも
アモルファスのものでもよい。
【0036】このような合金あるいは化合物について具
体的に例を挙げれば、LiAl、AlSb、CuMgS
b、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Mg2 Sn、N
2Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、Ni
Si2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeS
2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VS
2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、S
2 2 O、SiOv (0<v≦2)、SnOw (0<
w≦2)、SnSiO3 、LiSiOあるいはLiSn
Oなどがある。
【0037】リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料とし
ては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料が挙げ
られる。他の金属化合物としては、酸化鉄,酸化ルテニ
ウムあるいは酸化モリブデンなどの酸化物や、あるいは
LiN3 などが挙げられ、高分子材料としてはポリアセ
チレン,ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げ
られる。
【0038】また、この二次電池では、充電の過程にお
いて、開回路電圧(すなわち無負荷時の電池電圧)が過
充電電圧よりも低い時点で負極22にリチウム金属が析
出し始めるようになっている。つまり、開回路電圧が過
充電電圧よりも低い状態において負極22にリチウム金
属が析出しており、負極22の容量は、リチウムの吸蔵
・離脱による容量成分と、リチウム金属の析出・溶解に
よる容量成分との和で表される。従って、この二次電池
では、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料とリチウム
金属との両方が負極活物質として機能し、リチウムを吸
蔵・離脱可能な負極材料はリチウム金属が析出する際の
基材となっている。
【0039】なお、過充電電圧というのは、電池が過充
電状態になった時の開回路電圧を指し、例えば、日本蓄
電池工業会(電池工業会)の定めた指針の一つである
「リチウム二次電池安全性評価基準ガイドライン」(S
BA G1101)に記載され定義される「完全充電」
された電池の開回路電圧よりも高い電圧を指す。また換
言すれば、各電池の公称容量を求める際に用いた充電方
法、標準充電方法、もしくは推奨充電方法を用いて充電
した後の開回路電圧よりも高い電圧を指す。具体的に
は、この二次電池では、例えば開回路電圧が4.2Vの
時に完全充電となり、開回路電圧が0V以上4.2V以
下の範囲内の一部においてリチウムを吸蔵・離脱可能な
負極材料の表面にリチウム金属が析出している。
【0040】これにより、この二次電池では、高いエネ
ルギー密度を得ることができると共に、サイクル特性お
よび急速充電特性を向上させることができるようになっ
ている。これは、負極22にリチウム金属を析出させる
という点では負極にリチウム金属あるいはリチウム合金
を用いた従来のリチウム二次電池と同様であるが、リチ
ウムを吸蔵・離脱可能な負極材料にリチウム金属を析出
させるようにしたことにより、次のような利点が生じる
ためであると考えられる。
【0041】第1に、従来のリチウム二次電池ではリチ
ウム金属を均一に析出させることが難しく、それがサイ
クル特性を劣化させる原因となっていたが、リチウムを
吸蔵・離脱可能な負極材料は一般的に表面積が大きいの
で、この二次電池ではリチウム金属を均一に析出させる
ことができることである。第2に、従来のリチウム二次
電池ではリチウム金属の析出・溶出に伴う体積変化が大
きく、それもサイクル特性を劣化させる原因となってい
たが、この二次電池ではリチウムを吸蔵・離脱可能な負
極材料の粒子間の隙間にもリチウム金属が析出するので
体積変化が少ないことである。第3に、従来のリチウム
二次電池ではリチウム金属の析出・溶解量が多ければ多
いほど上記の問題も大きくなるが、この二次電池ではリ
チウムを吸蔵・離脱可能な負極材料によるリチウムの吸
蔵・離脱も充放電容量に寄与するので、電池容量が大き
いわりにはリチウム金属の析出・溶解量が小さいことで
ある。第4に、従来のリチウム二次電池では急速充電を
行うとリチウム金属がより不均一に析出してしまうので
サイクル特性が更に劣化してしまうが、この二次電池で
は充電初期においてはリチウムを吸蔵・離脱可能な負極
材料にリチウムが吸蔵されるので急速充電が可能となる
ことである。
【0042】これらの利点をより効果的に得るために
は、例えば、開回路電圧が過充電電圧になる前の最大電
圧時において負極22に析出するリチウム金属の最大析
出容量は、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料の充電
容量能力の0.05倍以上3.0倍以下であることが好
ましい。リチウム金属の析出量が多過ぎると従来のリチ
ウム二次電池と同様の問題が生じてしまい、少な過ぎる
と充放電容量を十分に大きくすることができないからで
ある。また、例えば、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極
材料の放電容量能力は、150mAh/g以上であるこ
とが好ましい。リチウムの吸蔵・離脱能力が大きいほど
リチウム金属の析出量は相対的に少なくなるからであ
る。なお、負極材料の充電容量能力は、例えば、リチウ
ム金属を対極として、この負極材料を負極活物質とした
負極について0Vまで定電流・定電圧法で充電した時の
電気量から求められる。負極材料の放電容量能力は、例
えば、これに引き続き、定電流法で10時間以上かけて
2.5Vまで放電した時の電気量から求められる。
【0043】セパレータ23は、例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレン
などの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多
孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質
膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオ
レフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつ
シャットダウン効果による電池の安全性向上を図ること
ができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100
℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効
果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れて
いるので、セパレータ23を構成する材料として好まし
い。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも化学的安
定性を備えた樹脂であればポリエチレンあるいはポリプ
ロピレンと共重合させたり、またはブレンド化すること
で用いることができる。
【0044】このポリオレフィン製の多孔質膜は、例え
ば、溶融状態のポリオレフィン組成物に溶融状態で液状
の低揮発性溶媒を混練し、均一なポリオレフィン組成物
の高濃度溶液としたのち、これをダイスにより成型し、
冷却してゲル状シートとし、延伸することにより得られ
る。
【0045】低揮発性溶媒としては、例えば、ノナン,
デカン,デカリン,p−キシレン,ウンデカンあるいは
流動パラフィンなどの低揮発性脂肪族または環式の炭化
水素を用いることができる。ポリオレフィン組成物と低
揮発性溶媒との配合割合は、両者の合計を100質量%
として、ポリオレフィン組成物が10質量%以上80質
量%以下、更には15質量%以上70質量%以下である
ことが好ましい。ポリオレフィン組成物が少なすぎる
と、成型時にダイス出口で膨潤あるいはネックインが大
きくなり、シート成形が困難となるからである。一方、
ポリオレフィン組成物が多すぎると、均一な溶液を調製
することが難しいからである。
【0046】ポリオレフィン組成物の高濃度溶液をダイ
スにより成型する際には、シートダイスの場合、ギャッ
プは例えば0.1mm以上5mm以下とすることが好ま
しい。また、押し出し温度は140℃以上250℃以
下、押し出し速度は2cm/分以上30cm/分以下と
することが好ましい。
【0047】冷却は、少なくともゲル化温度以下まで行
う。冷却方法としては、冷風,冷却水,その他の冷却媒
体に直接接触させる方法、または冷媒で冷却したロール
に接触させる方法などを用いることができる。なお、ダ
イスから押し出したポリオレフィン組成物の高濃度溶液
は、冷却前あるいは冷却中に1以上10以下、好ましく
は1以上5以下の引取比で引き取ってもよい。引取比が
大きすぎると、ネックインが大きくなり、また延伸する
際に破断も起こしやすくなり、好ましくないからであ
る。
【0048】ゲル状シートの延伸は、例えば、このゲル
状シートを加熱し、テンター法、ロール法、圧延法ある
いはこれらを組み合わせた方法により、二軸延伸で行う
ことが好ましい。その際、縦横同時延伸でも、逐次延伸
のいずれでもよいが、特に、同時二次延伸が好ましい。
延伸温度は、ポリオレフィン組成物の融点に10℃を加
えた温度以下、更には結晶分散温度以上融点未満とする
ことが好ましい。延伸温度が高すぎると、樹脂の溶融に
より延伸による効果的な分子鎖配向ができず好ましくな
いからであり、延伸温度が低すぎると、樹脂の軟化が不
十分となり、延伸の際に破膜しやすく、高倍率の延伸が
できないからである。
【0049】なお、ゲル状シートを延伸したのち、延伸
した膜を揮発溶剤で洗浄し、残留する低揮発性溶媒を除
去することが好ましい。洗浄したのちは、延伸した膜を
加熱あるいは送風により乾燥させ、洗浄溶媒を揮発させ
る。洗浄溶剤としては、例えば、ペンタン,ヘキサン,
ヘブタンなどの炭化水素、塩化メチレン,四塩化炭素な
どの塩素系炭化水素、三フッ化エタンなどのフッ化炭
素、またはジエチルエーテル,ジオキサンなどのエーテ
ル類のように易揮発性のものを用いる。洗浄溶剤は用い
た低揮発性溶媒に応じて選択され、単独あるいは混合し
て用いられる。洗浄は、揮発性溶剤に浸漬して抽出する
方法、揮発性溶剤を振り掛ける方法、あるいはこれらを
組み合わせた方法により行うことができる。この洗浄
は、延伸した膜中の残留低揮発性溶媒がポリオレフィン
組成物100質量部に対して1質量部未満となるまで行
う。
【0050】セパレータ23には、液状の電解質である
電解液が含浸されている。この電解液は、液状の溶媒、
例えば有機溶剤などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解
された電解質塩であるリチウム塩とを含んでいる。液状
の非水溶媒というのは、例えば、非水化合物よりなり、
25℃における固有粘度が10.0mPa・s以下のも
のを言う。このような非水溶媒としては、例えば、環状
炭酸エステルあるいは鎖状炭酸エステルにより代表され
る物質の1種または2種以上を混合したものが好まし
い。
【0051】具体的には、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレン
カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、
プロピオン酸メチル、ジメチルカーボネート、エチルメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニト
リル、グリタロニトリル、アジポニトリル、メトキシア
セトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N
−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、
N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミ
ダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラ
ン、ジメチルスルフォキシド、燐酸トリメチルおよびこ
れらの化合物の水酸基の一部または全部をフッ素基に置
換したものなどが挙げられる。特に、優れた充放電容量
特性および充放電サイクル特性を実現するためには、エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレ
ンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチル
カーボネートの少なくとも1種を用いることが好まし
い。
【0052】リチウム塩としては、例えば、LiAsF
6 、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiB
(C6 5 4 、LiCH3 SO3 、LiCF3
3 、LiN(SO2 CF3 2 、LiC(SO2 CF
3 3 、LiAlCl4 、LiSiF6 、LiClおよ
びLiBrなどが挙げられ、これらのうちのいずれか1
種または2種以上が混合して用いられる。リチウム塩の
含有量(濃度)は溶媒に対して3.0mol/kg以下
であることが好ましく、0.5mol/kg以上であれ
ばより好ましい。この範囲内において電解液のイオン伝
導度を高くすることができるからである。
【0053】なお、電解液に代えて、ホスト高分子化合
物に電解液を保持させたゲル状の電解質を用いてもよ
い。ゲル状の電解質は、イオン伝導度が室温で1mS/
cm以上であるものであればよく、組成およびホスト高
分子化合物の構造に特に限定はない。電解液(すなわち
液状の溶媒および電解質塩)については上述のとおりで
ある。ホスト高分子化合物としては、例えば、ポリアク
リロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
リデンとポリヘキサフルオロプロピレンの共重合体、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピ
レン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブ
タジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレ
ンあるいはポリカーボネートが挙げられる。特に、電気
化学的安定性の点からは、ポリアクリロニトリル、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンある
いはポリエチレンオキサイドの構造を持つ高分子化合物
を用いることが望ましい。電解液に対するホスト高分子
化合物の添加量は、両者の相溶性によっても異なるが、
通常、電解液の5質量%〜50質量%に相当するホスト
高分子化合物を添加することが好ましい。
【0054】また、リチウム塩の含有量は、電解液と同
様に、溶媒に対して3.0mol/kg以下であること
が好ましく、0.5mol/kg以上であればより好ま
しい。但し、ここで溶媒というのは、液状の溶媒のみを
意味するのではなく、電解質塩を解離させることがで
き、イオン伝導性を有するものを広く含む概念である。
よって、ホスト高分子化合物にイオン伝導性を有するも
のを用いる場合には、そのホスト高分子化合物も溶媒に
含まれる。
【0055】この二次電池は、例えば、次のようにして
製造することができる。
【0056】まず、例えば、リチウムを吸蔵・離脱する
ことが可能な正極材料と、導電剤と、結着剤とを混合し
て正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−
ピロリドンなどの溶剤に分散してペースト状の正極合剤
スラリーとする。この正極合剤スラリーを正極集電体2
1aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ローラープレス機
などにより圧縮成型して正極合剤層21bを形成し、正
極21を作製する。
【0057】次いで、例えば、リチウムを吸蔵・離脱す
ることが可能な負極材料と、結着剤とを混合して負極合
剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリド
ンなどの溶剤に分散してペースト状の負極合剤スラリー
とする。この負極合剤スラリーを負極集電体22aに塗
布し溶剤を乾燥させたのち、ローラープレス機などによ
り圧縮成型して負極合剤層22bを形成し、負極22を
作製する。
【0058】続いて、正極集電体に正極リード25を溶
接などにより取り付けると共に、負極集電体22aに負
極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、
正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回
し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接す
ると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接
して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板
12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極2
1および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、
電解質を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に
含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋
14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケ
ット17を介してかしめることにより固定する。これに
より、図1に示した二次電池が形成される。
【0059】この二次電池は次のように作用する。
【0060】この二次電池では、充電を行うと、正極合
剤層21bからリチウムイオンが離脱し、セパレータ2
3に含浸された電解液を介して、まず、負極合剤層22
bに含まれるリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸
蔵される。更に充電を続けると、開回路電圧が過充電電
圧よりも低い状態において、充電容量がリチウムを吸蔵
・離脱可能な負極材料の充電容量能力を超え、リチウム
を吸蔵・離脱可能な負極材料の表面にリチウム金属が析
出し始める。そののち、充電を終了するまで負極22に
はリチウム金属が析出し続ける。これにより、負極合剤
層22bの外観は、例えばリチウムを吸蔵・離脱可能な
負極材料として炭素材料を用いる場合、黒色から黄金
色、更には白銀色へと変化する。
【0061】次いで、放電を行うと、まず、負極22に
析出したリチウム金属がイオンとなって溶出し、セパレ
ータ23に含浸された電解液を介して、正極合剤層21
bに吸蔵される。更に放電を続けると、負極合剤層22
b中のリチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料に吸蔵され
たリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極合剤層
21bに吸蔵される。よって、この二次電池は、従来の
いわゆるリチウム二次電池およびリチウムイオン二次電
池の両方の特性、すなわち高いエネルギー密度および良
好な充放電サイクル特性を達成可能な特性を備えたもの
である。
【0062】本実施の形態の充電方法では、上記のよう
に電池内部の主要部が構成された二次電池を充電する際
に、1ms以上のオフ・デューティ期間を有し、望まし
くはそのオフ・デューティ期間に対するオン・デューテ
ィ期間の比率が1/2〜1の範囲内のいずれかの値に設
定された間欠電圧を印加することにより、その充電され
る二次電池の起電力の劣化やサイクル特性の低下等を防
ぐ。このような充電方法を採用することで、上記のよう
な本発明者らが新開発した二次電池のサイクル特性の劣
化を防ぐことができるという作用は、後述するような実
施例の二次電池を製作し、それに実際に充放電実験を行
うことによって、本発明者らが実際に確認したものであ
る。
【0063】このように、本実施の形態によれば、本発
明者らによって新開発された上記のような構成の二次電
池を充電する際に、1ms以上のオフ・デューティ期間
を有し、望ましくはそのオフ・デューティ期間に対する
オン・デューティ期間の比率が1/2ないし1までの範
囲内のいずれかの値に設定された間欠電圧を印加するこ
とで、その充電対象の二次電池の起電力の劣化やサイク
ル特性の低下等を防ぐことができ、上記の二次電池にお
けるサイクル特性を良好なものに保つことができる。な
お、その充電の際の間欠電圧のさらに詳細な波形として
は、いわゆる矩形波状のものでもよく、または半波整流
波状のものでもよく、あるいはオンデューティが鋸形波
状のものでもよい。
【0064】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について図1
を参照して詳細に説明する。
【0065】(実施例1〜5)まず、炭酸リチウム(L
2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを、Li
2 CO3 :CoCO3 =0.5:1(モル比)の割合で
混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、リ
チウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。
得られたリチウム・コバルト複合酸化物についてX線回
折測定を行ったところ、JCPDSファイルに登録され
たLiCoO2 のピークとよく一致していた。次いで、
このリチウム・コバルト複合酸化物を粉砕してレーザ回
折法で得られる累積50%粒径が15μmの粉末状と
し、正極材料とした。
【0066】続いて、このリチウム・コバルト複合酸化
物粉末95質量%と炭酸リチウム粉末5質量%とを混合
し、この混合物94質量%と、導電剤であるアモルファ
ス性炭素粉3質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリ
デン3質量%とを混合して正極合剤を調製した。正極合
剤を調製したのち、この正極合剤を溶剤であるN−メチ
ルピロリドンに分散して正極合剤スラリーとし、厚み2
0μmの帯状アルミニウム箔よりなる正極集電体21a
の両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧
縮成型して正極合剤層21bを形成し、厚み174μm
の正極21を作製した。そののち、正極集電体21aの
一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
【0067】また、粒状人造黒鉛粉末90質量%と、結
着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し
て負極合剤を調整した。次いで、この負極合剤を溶媒で
あるN−メチルピロリドンに分散させてスラリー状とし
たのち、厚み15μmの帯状銅箔よりなる負極集電体2
2aの両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機
で圧縮成型して負極合剤層22bを形成し、厚み130
μmの負極22を作製した。続いて、負極集電体22a
の一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
【0068】正極21および負極22をそれぞれ作製し
たのち、厚み25μmの微多孔性ポリエチレン延伸フィ
ルムよりなるセパレータ23を用意し、負極22,セパ
レータ23,正極21,セパレータ23の順に積層して
この積層体を渦巻状に多数回巻回し、外径12.5mm
の巻回電極体20を作製した。
【0069】巻回電極体20を作製したのち、巻回電極
体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード2
6を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安
全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめ
っきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。そのの
ち、電池缶11の内部に電解液を減圧方式により注入し
た。電解液には、ビニレンカーボネート5質量%と、エ
チレンカーボネート35質量%と、ジメチルカーボネー
ト50質量%と、エチルメチルカーボネート10質量%
とを混合した溶媒に、電解質塩としてLiAsF6 を溶
媒に対して1.5mol/kgの含有量で溶解させたも
のを用いた。電解液の注入量は3.0gとした。
【0070】電池缶11の内部に電解液を注入したの
ち、表面にアスファルトを塗布したガスケット17を介
して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、実
施例1〜5について直径14mm、高さ65mmのジェ
リーロール型二次電池を得た。
【0071】(実施例1〜7、比較例1)上記のように
して実施例1〜7の二次電池を製作し、その各実施例で
充電条件を図3に示したような設定にして、それら各場
合でのサイクル特性を評価した。その際、初充電を定電
流定電圧で上限4.25Vまでの印加電圧で行い、続い
て400mAの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行っ
た。そして、図3に示したような充電条件で、充電電圧
の上限を4.2Vとして間欠充電を行い(充電打切電流
を4mAに設定)、続いて400mAの定電流放電を終
止電圧3.0Vまで行った。このような充放電サイクル
を繰り返して、2サイクル目の放電容量を100とした
場合の100サイクル目の放電容量維持率(%)を求め
た。すなわち、放電容量維持率(%)=(100サイク
ル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100と
して求めた。
【0072】図3に示した結果から、実施例1〜7のよ
うな内部構成の二次電池では、初充電時または繰り返し
充電時に、1ms以上〜2時間のオフ・デューティ期間
を有し、かつオン・デューティ期間がオフ・デューティ
期間の1/2〜1に設定された矩形波状の間欠電圧を印
加して間欠充電を行うことにより、100サイクル目の
放電容量維持率は、初充電条件を1msのオン/オフの
間欠電圧印加とし、繰り返しの充電条件が600mAの
CCCVとした実施例1の場合の83%から、初充電条
件を200mAのCCCVとし繰り返しの充電条件を1
msのオン/オフの間欠電圧印加とした実施例7場合の
91%までとなり、比較例1に示したような初充電時に
も繰り返し充電時にもCCCV(定電流定電圧)充電を
行って間欠充電は行なわなかった場合の82%よりも、
100サイクル目の放電容量維持率が高くなるとが確認
された。
【0073】なお、この実施例1〜7による実験結果に
基づけば、オフ・デューティ期間が長いほど100サイ
クル目の放電容量維持率が高くなっていることが分か
る。ただし、オフ・デューティ期間を余りにも長くする
と、充電に要する時間が長くなり過ぎてしまう場合があ
るので、実際的には充電に要する時間と放電容量維持率
との兼ね合いでオフ・デューティ期間やデューティ比等
を設定することが望ましい。
【0074】(実施例8〜12、比較例2)負極の材料
として難黒鉛化炭素の代りに黒鉛を使用し、かつ電解質
として炭酸エチレン(EC)50容量%と炭酸ジエチル
50容量%との混合溶媒中にLiPF6 を1.0mol
/l溶解させた非水質電解液を用い、その他については
実施例1〜5と同様のものにして二次電池を製作し、上
記の実施例1〜7の場合と同様の充放電試験を行って、
2サイクル目の放電容量を100とした場合の100サ
イクル目の放電容量維持率(%)を求めた。その結果、
図4に示したように、実施例8〜12のような内部構成
の二次電池では、初充電時または繰り返し充電時に、1
ms以上〜2時間のオフ・デューティ期間を有し、かつ
オン・デューティ期間がオフ・デューティ期間の1/2
〜1に設定された印加電圧によって間欠充電を行うこと
により、いずれの場合でも100サイクル目の放電容量
維持率を90%以上にすることができた。一方、比較例
2のように間欠充電は行なわないで初充電時にも繰り返
し充電時にもCCCV充電を行った場合には、100サ
イクル目の放電容量維持率は80%台に止まった。
【0075】(実施例13〜17、比較例3)負極の材
料として難黒鉛化炭素の代りにSn系合金を使用し、そ
の他については実施例1〜7と同様のものにして二次電
池を製作し、上記の実施例1〜7の場合と同様の充放電
試験を行って、2サイクル目の放電容量を100とした
場合の100サイクル目の放電容量維持率(%)を求め
た。その結果、図5に示したように、実施例13〜17
のような内部構成の二次電池では、初充電時または繰り
返し充電時に、1ms以上〜2時間のオフ・デューティ
期間を有しかつオン・デューティ期間がオフ・デューテ
ィ期間の1/2〜1に設定された印加電圧によって間欠
充電を行うことにより、100サイクル目の放電容量維
持率を73〜76%にすることができた。一方、比較例
3のように間欠充電は行なわないで初充電時にも繰り返
し充電時にもCCCV充電を行った場合には、100サ
イクル目の放電容量維持率は72%となり、実施例13
〜17のいずれの場合よりも放電容量維持率の低い(す
なわちサイクル特性の低い)ものとなった。
【0076】以上のような実施例の二次電池の充放電実
験によれば、間欠電圧による充電を行うことによって、
充放電を繰り返した後の100サイクル目での放電容量
維持率を最低でも73%以上、最高で91%とすること
が可能となり、比較例のCCCVによる充電を初充電で
も繰り返し充電でも行った場合と比較して、充電対象の
二次電池のサイクル特性を良好なものとすることができ
ることが明らかとなった。
【0077】ここで、オン・デューティ期間のオフ・デ
ューティ期間に対する比率は、上記の実施例のような1
/2〜1の範囲内の比率のみに限定されないことは言う
までもなく、例えば1〜2などに設定して間欠電圧によ
る充電を行うことによっても、CCCVによる充電より
もサイクル特性を良好なものとすることが可能である。
ただし、サイクル特性の劣化を防ぐという作用を、より
効果的なものとするためには、上記の実施例のような1
/2〜1の範囲内の値に設定することが、より望まし
い。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし9
のいずれかに記載の二次電池の充電方法によれば、正極
および負極と電解質とを備えており負極の容量が軽金属
の吸蔵および離脱による容量成分と軽金属の析出および
溶解による容量成分との和によって構成される二次電池
を充電する際に、1ms以上のオフ・デューティ期間を
有する間欠電圧の印加による充電を行うことで、二次電
池の起電力の劣化やサイクル特性の低下などを回避する
ようにしたので、上記のような本発明者らが新開発した
二次電池の充電時における繰り返し充電に起因した内部
劣化やサイクル特性の劣化などを防いで、その新開発の
二次電池のサイクル特性を良好なものに保つことができ
るという効果を奏する。
【0079】また、請求項10記載の二次電池の充電方
法によれば、正極および負極と電解質とを備えており負
極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量成分と軽
金属の析出および溶解による容量成分との和によって構
成される二次電池を充電する際に、1ms以上のオフ・
デューティ期間を有し、かつそのオフ・デューティ期間
に対するオン・デューティ期間の比率が1ないし2まで
の範囲内のいずれかの値に設定された間欠電圧を印加す
ることで、その充電される二次電池の起電力の劣化やサ
イクル特性の低下等を回避するようにしたので、本発明
者らが新開発した上記のような二次電池における充電時
における繰り返し充電に起因した内部劣化やサイクル特
性の劣化などをさらに確実に防いで、その新開発の二次
電池のサイクル特性を良好なものに保つことができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る充電方法を行う対
象である二次電池の主要な構成を表した図である。
【図2】図1に示した二次電池における巻回電極体の一
部分を拡大して表した図である。
【図3】実施例1〜7および比較例1の二次電池の充電
条件の設定とそれによる100サイクル目のサイクル特
性の実験結果について表した図である。
【図4】実施例8〜12および比較例2の二次電池の充
電条件の設定とそれによる100サイクル目のサイクル
特性の実験結果について表した図である。
【図5】実施例13〜17および比較例3の二次電池の
充電条件の設定とそれによる100サイクル目のサイク
ル特性の実験結果について表した図である。
【符号の説明】
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、1
5…安全弁機構、15a…ディスク板、16…熱感抵抗
素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正
極、21a…正極集電体、21b…正極合剤層、22…
負極、22a…負極集電体、22b…負極合剤層、23
…セパレータ、24…センターピン、25…正極リー
ド、26…負極リード
フロントページの続き (72)発明者 藤田 茂 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 明石 寛之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL07 AL11 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ16 HJ17 5H030 AA10 AS14 BB04 BB06 5H050 AA07 BA17 CA07 CA08 CA09 CB08 CB11 CB13 CB15 FA05 GA18 HA17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および負極と電解質とを備えており
    前記負極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量成
    分と軽金属の析出および溶解による容量成分との和によ
    り表わされる二次電池の充電方法であって、1ms(ミ
    リ秒)以上のオフ・デューティ期間を有する間欠電圧を
    印加して前記二次電池を充電する ことを特徴とする二
    次電池の充電方法。
  2. 【請求項2】 前記負極は前記軽金属を吸蔵および離脱
    可能な負極材料を含むことを特徴とする請求項1記載の
    二次電池の充電方法。
  3. 【請求項3】 前記負極は炭素材料を含むことを特徴と
    する請求項2記載の二次電池の充電方法。
  4. 【請求項4】 前記負極は、黒鉛、易黒鉛化性炭素およ
    び難黒鉛化性炭素からなる群のうちの少なくとも1種を
    含むことを特徴とする請求項3記載の二次電池の充電方
    法。
  5. 【請求項5】 前記負極は黒鉛を含むことを特徴とする
    請求項4記載の二次電池の充電方法。
  6. 【請求項6】 前記負極は、前記軽金属と合金または化
    合物を形成可能な金属、半導体、これらの合金、および
    化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを
    特徴とする請求項2記載の二次電池の充電方法。
  7. 【請求項7】 前記負極は、スズ(Sn),鉛(P
    b),アルミニウム(Al),インジウム(In),ケ
    イ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビ
    スマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム
    (Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニ
    ウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ハフニウム
    (Hf),ジルコニウム(Zr)およびイットリウム
    (Y)の単体、合金および化合物からなる群のうちの少
    なくとも1種を含むことを特徴とする請求項6記載の二
    次電池の充電方法。
  8. 【請求項8】 前記軽金属はリチウム(Li)を含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の二次電池の充電方法。
  9. 【請求項9】 前記二次電池が製造された後の初充電時
    に、前記間欠電圧を印加して前記二次電池を充電するこ
    とを特徴とする請求項1記載の二次電池の充電方法。
  10. 【請求項10】 正極および負極と電解質とを備えてお
    り前記負極の容量が軽金属の吸蔵および離脱による容量
    成分と軽金属の析出および溶解による容量成分との和に
    より表わされる二次電池を充電するにあたり、1ms
    (ミリ秒)以上のオフ・デューティ期間を有し、かつそ
    のオフ・デューティ期間に対するオン・デューティ期間
    の比率が1/2ないし1までの範囲内のいずれかの値に
    設定された間欠電圧を印加して前記二次電池を充電する
    ことを特徴とする二次電池の充電方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004084336A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Nisshinbo Industries Inc. 非水電解質二次電池の充電方法
US7791317B2 (en) 2006-08-01 2010-09-07 Sony Corporation Battery pack and method of calculating deterioration level thereof
JP2013045590A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Shin Etsu Chem Co Ltd 非水電解質二次電池の充電方法及び非水電解質二次電池
JP2019121556A (ja) * 2018-01-10 2019-07-22 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池の初期充電方法

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