JP2002279066A - 臨床検査システム - Google Patents

臨床検査システム

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JP2002279066A
JP2002279066A JP2001077420A JP2001077420A JP2002279066A JP 2002279066 A JP2002279066 A JP 2002279066A JP 2001077420 A JP2001077420 A JP 2001077420A JP 2001077420 A JP2001077420 A JP 2001077420A JP 2002279066 A JP2002279066 A JP 2002279066A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再検査を行うべき検体を高精度に抽出し、検
査技師の再検判定業務を軽減する。 【解決手段】 蓄積されたデータを解析し、再検査の必
要な検査値の分布する範囲222と、再検査の必要の無
い検査値の分布する範囲224を求め、新たに入力され
た検査値を再検査の必要な検査値と、不要な検査値と、
技師による再確認の必要な検査値、の3種類に分類す
る。 【効果】 再検査を行うべき検査値を再検不要とする誤
りを無くし、かつ技師が判定を行う検体数を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は臨床検査システムに
関し、特に検査結果から再検査の必要の有無を判断する
再検判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】病院の検査室、あるいは検査センター等
の検査施設において検査が行われ、検査結果が出た際に
は、その値の妥当性の検証が行われている。例えば検査
の結果、異常値が測定された場合には、被験者の検査値
が本当に異常であるのか、測定上の不具合(装置の異
常、人為的ミスなど)による異常値なのかを判断し、測
定上の不具合による可能性が低い場合にはその検査結果
を正しいとして臨床へ報告し、測定上の不具合による可
能性が高い場合には、再検査を実施する。再検査の必要
性は、検査値の組み合わせや、その患者(受診者)につ
いての前回の検査結果を参照し、臨床検査技師が過去の
経験に基づき判断していた。近年、臨床検査の自動化が
進み、検査結果を電子データとして蓄積し管理する臨床
検査システムの普及が進んでいる。臨床検査システムの
普及に伴い、臨床検査システムに再検査の必要性の有無
を判定する論理が組み込まれるようになってきた。この
ような再検判定論理としては単項目チェック、前回値チ
ェック、項目間チェックが代表的な方式として知られて
いる。
【0003】単項目チェックとしては例えば特開平5―
151282号公報に開示されている技術が知られてい
る。この技術は、検査項目ごとに、男女別、年齢別、妊
婦の区分に従った基準範囲を設定し、検査値がこの基準
範囲を超えた場合に、異常結果として報告する。また、
特開平7―271873号公報には、各検査項目につい
て異常値範囲、パニック値範囲という2種類の基準範囲
を設ける方法が記載されている。
【0004】前回値チェックとしては例えば特開平5―
151282号公報に記載されているデルタチェック、
特開平11―296605号公報に記載されている累積
デルタチェックが知られている。デルタチェックでは検
査項目毎に前回値と今回値の差に基準値を設け、前回値
と今回値の差が基準値を超えた場合にはエラーとして報
告する。また、累積デルタチェックでは、各検査項目毎
に個体内標準偏差(同一の患者、受診者についての検査
項目毎の検査値の標準偏差)を求め、前回値と今回値の
差と、個体内標準偏差との比を計算する。各検査項目毎
に得られた前述の比を加算した値に基準値を設けること
により、異常を検出する。
【0005】項目間チェックとしては例えば特開平11
−296605号公報に記載されているように項目間の
比に基準値を設け、異常を判定する方法、あるいは複数
の検査項目を用いた論理演算式を定義し、論理演算式の
真偽に基き異常を判定する方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による臨
床検査システムにおいては、測定された検査結果を、再
検査の必要がある検体、再検査の必要の無い検体、の2
種類に分け報告していた。この場合、再検要否判定の誤
りには、(1)再検査の必要が無い検体を再検査要、と
判定する誤り、(2)再検査の必要がある検体を再検査
不要、と判定する誤り、という2種類が存在する。前者
の誤りはある程度許容されるが、後者の誤りは最終的に
誤った検査結果を報告する可能性が高いため、できる限
り少なくする必要がある。そこで、実際の運用上は、再
検すべき検査結果の見落とし(検出もれ)が無くなるよ
うに判定論理を設定している。
【0007】しかし、このように設定した判定論理で再
検判定を実施した場合、上記(1)の誤りが多く発生す
る。そのため、システムが再検査要、と自動判定した検
体全てに対し再検査を実施すると、本来行わなくても良
い不要な再検査を多く実施することになり、試薬等の検
査コストの増加を招く。コストを抑えるためには、シス
テムが再検査要と判定した検査結果を、再度検査技師が
確認し、本当に再検査が必要な検査結果を抽出する作業
を行う必要がある。この場合には、検査技師の手間が増
大し、試薬等のコストは抑制できても、検査技師の作業
という人的コストが抑制できない、という問題があっ
た。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、再検査の必要が無い検体を再検査要、と判定する
誤りを抑えると同時に、技師が再確認を行うべき検体数
を低減することが可能な臨床検査システムを提供するこ
と目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】臨床検査結果を、再検査
の必要な検査結果、再検査の不要な検査結果、技師によ
る再確認の必要な検査結果という3種類に分類すること
により、前記(1)再検査の必要が無い検体を再検査要
と判定する誤り、及び(2)再検査の必要がある検体を
再検査不要と判定する誤りを低減することができる。こ
のため、臨床検査システムの内部に臨床検査結果の検査
値を3種類に分類するための基準値を備えた再検判定論
理を設ける。これらの基準値は、最も簡便には、過去の
臨床検査結果の統計平均を基に計算されるが、ニューラ
ルネットワーク等の手法により再検判定論理に学習機能
を持たせておき、基準値と検査値の分布カーブの相関関
係や、異なる検査項目間での検査値の相関関係等を学習
させることにより、より精度の高い基準値を決定するこ
とも可能である。
【0010】また、上記基準値の精度は、基になる臨床
検査結果のデータ数が多いほど向上すると考えられるた
め、臨床検査結果の解析データを適宜追加して基準値を
再計算する。すなわち、再検判定論理を最適化する。
【0011】分類された臨床検査結果は、モニタやディ
スプレイあるいはプリントアウトされた書類等の表示手
段に表示され、臨床検査システム利用者の用に共され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。 (実施例1)本発明による判定の原理を、図1を用いて
説明する。図1には、臨床へ報告された初回検査結果の
検査値のヒストグラム210と、再検査結果が臨床へ報
告された時の、初回検査結果の検査値のヒストグラム2
12を図示している。図1は模式図ではあるが、発明者
は大量の検査データを解析した結果、おおよそ図1に示
すようなヒストグラムが得られることを見出した。ここ
で、初回検査結果とは再検査を実施する前の第一回目の
検査結果を意味する。また、再検査の要否を判定する際
に用いる数値と言う意味で、判定に用いる検査結果を再
検評価値と呼ぶが、理解しやすさを考慮し、図1の横軸
は検査値と表記している。再検評価値としては、注目す
る項目の検査の結果値(検査値)そのもの、あるいは、
注目する検査値と、同一患者、同一項目の前回の検査値
との差、注目する検査値と相関の強い別の検査項目の検
査値等を用いることができる。
【0013】このヒストグラム210に含まれる検査結
果は、再検査を行わなかった初回検査結果、及び再検査
を行ったが、初回検査結果を臨床へ報告した時の初回検
査結果、の2種類である。再検査を実施したが、初回検
査結果が臨床へ報告されたということは、本来は再検査
を実施する必要が無かったことを意味する。そこで、ヒ
ストグラム210は再検査を実施する必要の無い検査値
の分布と考えることができる。一方、ヒストグラム21
2に含まれる検査値は、再検査を実施し、かつ再検査結
果を臨床に報告した際の初回検査結果の値なので、本当
に再検査を行う必要があった検査値の分布と考えること
ができる。
【0014】図1に示すヒストグラムから明らかなよう
に、本当に再検査が必要であった検査値の分布212
は、ヒストグラム210の検体数が最大となる検査値、
すなわち検査値の最大値Smaxと最小値Sminの中間値に対
してSmax側ないしSmin側に分布している。また、分布2
12の検査値の最大値Rmax1(白丸232で示す)とRmi
n2(白丸235で示す)の間の領域にはヒストグラム2
10のみが存在している。すなわち、この領域には再検
査を実施する必要の無い検査結果のみが分布している。
そこで、新たな検査結果の再検要否を判定する場合も、
この領域に分布する検査値については再検査の必要の無
い可能性が非常に高いと考えられる。
【0015】また、ヒストグラム210の存在範囲(図
1中、矢印222で示す)と、ヒストグラム212の存
在範囲(図1中、矢印224で示す)の重なった領域に
は、再検査の必要がある検体と、再検査の必要が無い検
体が混在している。そのため、新たな検査結果の再検要
否を判定する場合も、この領域に分布する検査結果につ
いては再検査の必要の有無については定かではないた
め、技師がその他の詳細情報(他の検査結果、過去の検
査結果、患者の病名、等)を参照し、再検査の要否を決
定する必要がある。
【0016】ヒストグラム212のみが存在する領域、
すなわちRmin1(白丸230で示す)とSmin(白丸23
1で示す)の間、またはSmax(白丸236で示す)とRm
ax2(白丸237で示す)の間には、再検査が必要な検
査結果のみが含まれるため、新たな検査結果の再検要否
を判定する場合も、この領域に分布する検査結果につい
ては再検査を行うべき検査結果である可能性が非常に高
いと考えられる。
【0017】以上を総合すると、再検査を実施する必要
が無かった検査値の分布する範囲(領域)と再検査を実
施する必要があった検査値の分布する範囲(領域)に基
き、検査値の存在領域を(1)再検査が必要であった検
査値のみが存在する領域、(2)再検査が必要無かった
検査値のみが存在する領域、(3)再検査が必要であっ
た検査値と必要無かった検査値が混在する領域、の3種
類に分割することができる。本発明では再検判定論理に
備えられた基準値群に基づき、(1)の領域に分布する
検査値に対しては再検査要、(2)の領域に分布する検
査値に対しては再検不要、(3)の領域に分布する検査
値に対しては技師による結果の再確認が必要、と判定す
る。ここで、本実施例における再検判定論理とは、検査
結果に対して再検査を実施するか否かを臨床検査システ
ムサーバ20において自動的に判定するための処理方法
を意味するが、実際に発明が実施される場合には、自動
判定を行う処理手順、処理を実行するためのコンピュー
タアルゴリズム、アルゴリズムが実行される計算回路あ
るいはマイクロコンピュータ等を、「再検判定論理」と
呼ぶ場合もあり得る。
【0018】従来技術による再検判定論理では、検査結
果を再検査が必要な検査結果と、不要な検査結果の2種
類に分類していた。そのため、再検査が必要な検査結果
を再検査不要とする誤りを抑制するため、通常は上記
(1)〜(3)のうち、(1)と(3)の両方を再検要
とする再検判定論理を用いていた。従来は自動再検判定
により「再検要」と判定された検査結果を技師が再度確
認し、同一患者の他の検査結果、あるいは前回の検査結
果等を参照し、最終的に再検査を行うべきか否かを決定
していた。これに対し、本発明では上記(1)〜(3)
の検査値のうち、(3)の検査値についてのみ技師が確
認を行えば良く、(1)に含まれる検査値の分だけ技師
の再確認作業を減らすことが可能になる。以上、1種類
の再検評価値を用いて再検査の要否判定を行う場合につ
いて説明したが、ここで説明した本発明の原理は、2種
類以上の再検評価値を用いる場合にも容易に適用可能で
ある。 (実施例2)実施例2では、実施例1で説明した検査結
果を3種類に分類する判定論理を構築する方法とこのよ
うな判定論理を用いた臨床検査システムの構成例とにつ
いて説明する。図2は本発明を応用した臨床検査システ
ムの構成例を示す図である。システムは病院内、あるい
は検査室内等に敷設されたLAN40等のネットワーク
に接続された、臨床検査システムサーバ20、臨床検査
システムクライアント30から構成される。臨床検査シ
ステムサーバ20としては例えばディスプレイ22、キ
ーボード24、マウス26、ハードディスク装置等の記
憶装置28が接続されたパーソナルコンピュータ21を
使用する。また、臨床検査システムクライアント30と
しては、例えばディスプレイ32、キーボード34、マ
ウス36が接続されたパーソナルコンピュータ31を使
用する。またLAN40には複数の検査装置(第1の検
査装置11、第2の検査装置12、第3の検査装置1
3)が接続される。臨床検査システムサーバ20は検査
装置から出力される検査結果等の情報をLAN40経由
で収集し、記憶装置28に蓄積するとともに、検査結果
に対する再検査の必要性の有無を判定する。検査技師は
臨床検査システムクライアント30を用いて、臨床検査
システムサーバ20に蓄積された検査結果や、臨床検査
システムサーバ20によって判定された再検査の必要性
の有無、等の情報を参照することができる。また、自動
化されていない検査に対する検査結果は、臨床検査シス
テムクライアント30を用いて入力することができる。
この場合、入力された検査結果等のデータは臨床検査シ
ステムクライアント30から臨床検査システムサーバ2
0へ送られ、記憶装置28に蓄えられる。
【0019】なお、構成は本発明を使用した臨床検査シ
ステムの一構成例を示したに過ぎず、本発明の適用はこ
の構成に限られるものでは無い。臨床検査システムクラ
イアントは複数台存在しても良い。また、臨床検査シス
テムサーバも複数台設置し、サーバ処理を分散して行っ
ても良い。記憶装置28もハードディスク装置ではな
く、光磁気ディスク装置等でも良く、また、パーソナル
コンピュータ21に内蔵されていても良い。また、検査
装置の数も特に3台に限定されるものではない。
【0020】次に、医師が検査をオーダしてから臨床検
査システムサーバ20が再検判定を行い、最終的に臨床
へ報告する検査結果が確定するまでの処理フローを、図
5を用いて説明する。なお、図5は臨床検査技師の行う
処理と、臨床検査システムサーバ20の行う処理が混在
している。
【0021】検査は医師の指示に従い、ある患者に対
し、医師が必要と判断した検査が実施され、その結果が
医師に報告される。そこで、まず医師が必要な検査をオ
ーダする(ステップS90)。医師が指示した検査の種
類は、検査オーダと呼ばれる単位により取り扱われ、オ
ーダ番号により管理される。個々のオーダに対しては異
なるオーダ番号が割り振られる。オーダには、どの患者
に対する検査かを指定するための患者ID、どのような
検査を実施するかを指定する検査項目、が含まれる。こ
れらのオーダ情報は、臨床検査システムクライアント3
0を用いて技師が入力する(ステップS95)。オーダ
情報はLAN40を介して臨床検査システムサーバ20
に送られた後、記憶装置28に記憶される。
【0022】記憶装置28には、図3に示すように初回
検査結果テーブル110と、再検査結果テーブル120
と、報告用検査結果テーブル130が含まれる。上記の
オーダ情報は、初回検査結果テーブル110に記憶され
る。図4に初回検査結果テーブルに記憶されるデータの
一例を示す。入力された検査オーダに関する、受付日
時、オーダ番号、患者ID、検査項目が、初回検査結果
テーブル110の受付日時記憶領域111、オーダ番号
記憶領域112、患者ID記憶領域113、検査項目記
憶領域114にそれぞれ記憶される。
【0023】臨床検査システムサーバ20はこのオーダ
内容に従い、検査装置11、12、13にどの患者の検
体に対し、どのような検査を実施するかを指示する信号
を、LAN40を介して出力する。検査装置は臨床検査
システムサーバ20の指示に従い、検査を実施する(ス
テップS100)。また、自動化されていない検査につ
いては、技師が臨床検査システムクライアント30を用
いて臨床検査システムサーバ20に実施すべき検査を問
い合わせることにより、どの患者の検体に対し、どのよ
うな検査を実施するかがディスプレイ32に表示され
る。技師は表示された内容に従い、必要な検査を実施す
る。
【0024】検査装置11〜13により検査が実施され
た場合には検査結果はLAN40を経由して臨床検査シ
ステムサーバ20に入力される(ステップS105)。
また、検査がLAN40に接続されていない装置で実施
された場合、あるいは検査技師により実施された場合に
は、技師が臨床検査システムクライアント30を用いて
検査結果を入力する。入力された検査結果はLAN40
を経由して臨床検査システムサーバ20に転送され、記
憶装置28に記憶される。検査結果は図4に示すよう
に、該当するオーダ番号、検査項目に対応する検査結果
記憶領域115に記憶される。
【0025】臨床検査システムサーバ20は、検査装置
11、12、13、あるいは臨床検査システムクライア
ント30から入力された検査結果に対する再検査の要否
を判定する(ステップS107)。再検査の要否判定
は、各検査項目に対し、1種類以上の再検評価値を求
め、得られた再検評価値に基き、検査結果を(1)再検
査の必要な検査結果、(2)再検査の不要な検査結果、
(3)技師による結果の再確認が必要な検査結果、の3
種類に分類する。
【0026】再検査の要否判定結果は記憶装置28内の
初回検査結果テーブル110における自動再検判定結果
記憶領域116(図4に示す)に記憶される。図では再
検査が必要な検査結果を「再検要」、不要な検査結果を
「再検不要」、技師による再確認が必要な検査結果を
「要確認」により表している。
【0027】技師は臨床検査システムクライアント30
により、自動再検判定結果記憶領域116の内容を参照
し、注目している検査結果に対する自動再検判定結果が
「要確認」であるかどうかを確認する(ステップS11
0)。自動再検判定結果が「要確認」であった場合に
は、同一オーダの他の検査結果、同一患者の過去の検査
結果、病名等の他の診療情報を参照し、検査技師が再検
査の必要性の有無を判定する(ステップS120)。技
師が再検査の必要があると判断した場合には、再検査実
施の指示を臨床検査システムクライアント30により入
力する(ステップS130)。再検査実施の指示は、L
AN40を介して臨床検査システムサーバ20に送ら
れ、記憶装置28の初回検査結果テーブル110(図3
に示す)に記録される。具体的には図4に示す初回検査
結果テーブル110の技師再検判定結果記憶領域117
に、「再検要」と書きこまれる。更に、臨床検査システ
ムサーバ20が検査装置に対して再検査の実施を指示す
る信号をLAN40を介して送ることにより、検査装置
が再検査を実施する(ステップS135)。検査が装置
ではなく技師により実施される場合には、検査の担当者
が臨床検査システムクライアント30により再検査の指
示を参照し、再検査を実施する。
【0028】検査装置が再検査を行った場合には、再検
査結果は検査装置からLAN40を介して臨床検査シス
テムサーバ20に転送される。技師が再検査を行った場
合には、臨床検査システムクライアント30を用いて再
検査結果を入力し、入力された再検査結果がLAN40
を介して臨床検査システムサーバ20に転送される。転
送された再検査結果は記憶装置28の再検査結果テーブ
ル120(図3に示す)に記憶される(ステップS14
5)。図6は再検査結果テーブルの一例を示す図であ
り、オーダ番号、検査項目、再検査結果がそれぞれオー
ダ番号記憶領域122、検査項目記憶領域124、再検
査結果記憶領域126に記憶される。
【0029】再検査が終了した後、検査技師は臨床検査
システムクライアント30により、初回検査結果と再検
査結果を比較し(ステップS155)、どちらの検査結
果がより妥当な結果であり、臨床に報告すべき検査結果
であるか(再検査結果の有効性)を判断する(ステップ
S160)。再検査結果の方がより妥当であり、再検査
が有効であると判断した場合には、臨床検査システムク
ライアント30を用いて再検査結果を臨床への報告用の
結果として指定する(ステップS165)。再検査結果
を臨床への報告用結果として指定するという情報はLA
N40を介して臨床検査システムサーバ20に送られ、
記憶装置28の報告用検査結果テーブル130(図3に
示す)に必要なデータが記憶される。図7は報告用検査
結果テーブル130の一例を示し、オーダ番号、検査項
目、検査結果がそれぞれオーダ番号記憶領域132、検
査項目記憶領域134、検査結果記憶領域136に書き
こまれる。また、採用結果種別記憶領域138には初回
検査結果、再検査結果のどちらを臨床への報告用として
採用したかが記憶される。ここでは再検査結果を採用し
たので「再検査」が書き込まれる。
【0030】ステップS160において検査技師が初回
検査結果の方が再検査結果よりも妥当であると判断した
場合には、臨床検査システムクライアント30を用いて
初回検査結果を臨床への報告用の結果として指定する
(ステップS170)この場合には報告用検査結果テー
ブル130の検査結果記憶領域136に初回検査結果が
記憶されると共に、採用結果種別記憶領域138には初
回検査結果を採用したことを示す「初回検査」が書き込
まれる。
【0031】また、ステップS120において技師が詳
細情報を参照した結果、再検査の必要は無いと判断した
場合には、技師は臨床検査システムクライアント30を
用いて再検査を実施しない旨を入力する(ステップS1
25)。この時、初回検査結果テーブル110の技師再
検判定結果記憶領域117(図4に示す)には「再検不
要」が書きこまれ、初回検査結果が臨床への報告用結果
として報告用検査結果テーブル130に記憶される(ス
テップS170)。このとき、報告用検査結果テーブル
130の採用結果種別記憶領域138(図7に示す)に
は初回検査結果を採用したことを示す「初回検査」が書
き込まれる。
【0032】ステップS110で自動判定結果が「要確
認」でない検査結果、すなわち技師が詳細な情報を参照
しなかった検査結果については、臨床検査システムサー
バが自動再検判定結果を参照し(ステップS115)、
再検不要である検査結果については初回検査結果を臨床
への報告用結果として採用することを決定する(ステッ
プS170)。また、ステップS115で自動再検判定
結果が再検要である結果については、ステップS135
以下の処理を行う。このとき、再検査実施の指示は、検
査技師ではなく臨床検査システムサーバが行う。図8は
本発明により判定論理を構築し、構築した判定論理を使
用して検査業務を実施するまでの処理フローを示した図
である。
【0033】まず、初期判定論理を設定し(ステップS
210)、初期判定論理を利用して検査業務を実施し、
検査値、及び再検査実施の有無に関するデータを蓄積す
る(ステップS220)。その後、蓄積されたデータを
解析し(ステップS230)、実際の再検判定論理を構
築する(ステップS240)。最終的にはステップS2
40で構築された再検判定論理を用いて検査業務を実施
する(ステップS250)ことにより、初期判定論理を
用いた再検判定よりも高精度の再検判定を行うことが可
能となる。なお、図14は初期判定論理を利用して検査
業務を実施し、データを蓄積する処理(ステップS22
0)のより詳しい処理フローを示す図であり、図9は蓄
積データを解析する処理(ステップS230)の詳細な
処理フローを示す図である。また、構築後の再検判定論
理を用いた検査業務の実施(ステップS250)につい
ては、既に実施例1において図5に示すフローチャート
を用いて説明した通りである。
【0034】ここでは単一の再検評価値を用いて再検要
否判定を行う場合を例として説明する。単一の再検評価
値としては検査結果の値(検査値)そのもの、今回の検
査値と前回の検査値の差、または比、等の値を用いるこ
とができる。以下では再検評価値として検査値そのもの
を用いる例を説明するが、前回値との差、比、あるいは
その他、再検要否の判断を行う際に指標となる数値は全
て同様に適用可能である。
【0035】一般に検査値が異常に低い、あるいは異常
に高い場合は、検査時の人為的ミス、あるいは装置の異
常が発生している可能性が高いことが経験的に知られて
いる。そこで、ステップS210では再検要否判定を行
う検査項目の検査値rに、2種類の閾値Bmin、Bmax(Bmi
n<Bmaxとする)を設け、Bmin<r<Bmaxの場合には再検
不要、それ以外の場合には再検要、または技師による確
認が必要、と判定する初期判定論理を設定する。このよ
うな再検判定方法は、単項目チェックとして公知の方法
であり、上記の閾値Bmin、Bmaxは経験に基き、再検の必
要な検体を再検不要とする見落としが生じないように設
定する。
【0036】図8のステップS220では、上述のよう
に設定した初期判定論理を使用し、図14に示す処理フ
ローに従い検査業務を実施し、初回検査結果テーブル1
10、再検査結果テーブル120、報告用検査結果テー
ブル130(図3に示す)にデータを蓄積する。図14
と図5とに共通する処理は同じ符号を付している。医師
が検査をオーダしてから自動再検判定が実施されるまで
の処理(ステップS90、S95、S100、S10
5、S107)は図5と共通である。ステップS112
において自動判定結果が再検要であったか否かが調べら
れ、再検不要であった場合には自動的に初回検査結果が
臨床へ報告される(ステップS170)。また、ステッ
プS112において再検要であった場合には技師により
再度再検要否の確認が行われる(ステップS120)。
ステップS120以降の処理は図5と同じであるので、
説明を省略する。
【0037】次にステップS230における蓄積データ
の解析について説明する。ここでは、ある一種類の検査
項目(例えばGOT)に関する判定論理構築のための蓄
積データ解析方法について説明する。実際には、各検査
項目について同じ解析を行う必要がある。
【0038】ステップS230では、臨床への報告用に
使用された初回検査結果の分布範囲と、臨床へ報告され
た再検査結果に対する初回検査結果の分布範囲を求め
る。詳細な処理フローを、図9を用いて説明する。な
お、図9に示す処理は臨床検査システムサーバ20が行
う。
【0039】まず、変数i、j、kを0に初期化し(ステ
ップS310)、報告用検査結果テーブル130(図3
に示す)から検査項目、検査結果、及び採用結果種別を
読み取る(ステップS315)。取得した検査結果の項
目名が、解析を行う検査項目(例えばGOT)であるか
否かを調べ(ステップS320)、解析対象とする検査
項目で無い場合には処理をステップS340に移す。解
析対象とする検査項目であった場合には、更に採用結果
種別が初回検査結果であるか否かを調べる(ステップS
325)。初回検査結果では無い場合には処理をステッ
プS430に移し、初回検査結果であった場合には変数
Siに検査値を記憶し(ステップS330)、iを1だけ
増加する(ステップS335)。
【0040】ステップS325において、採用結果種別
が初回検査結果では無く再検査結果であった場合には、
この再検査結果に対する初回検査結果を初回検査結果テ
ーブル110(図3に示す)から読み取り、変数rに初
回検査結果の検査値を記憶する(ステップS430)。
ステップS435で、初期判定論理で用いた閾値Bminと
rとを比較する。rがBminより大きい時には、処理をステ
ップS440に移し、rがBmin以下の場合には変数R1jに
rを記憶し(ステップS445)、jを1だけ増加する
(ステップS455)。また、ステップS440では初
期判定論理で用いた閾値Bmaxとrとを比較し、rがBmaxよ
り小さい場合には処理をステップS340に移し、rがB
max以上の場合にはrを変数R2kに記憶し(ステップS4
50)、kを1だけ増加する(ステップS460)。
【0041】ステップS340では、報告用検査結果テ
ーブル130内の全ての検査結果を調べたかどうかを確
認し、まだ残っている検査結果があった場合には、残り
の検査結果についてステップS315以降の処理を再び
繰り返す。以上の処理により、臨床に報告された初回検
査値はSiに記憶される。また、臨床に報告された再検査
結果に対する初回検査結果のうち、Bmin以下のものはR1
jに、Bmax以上のものはR2kに記憶される。
【0042】次にステップS340において全ての検査
結果について処理が終了したと判断された場合には、変
数Siに蓄積されたデータの最小値、最大値を求め、それ
ぞれSmin、Smaxとする(ステップS345)。また、変
数R1jに蓄積されたデータの最小値、最大値を求め、そ
れぞれRmin1、Rmax1とする(ステップS470)。更
に、変数R2kに蓄積されたデータの最小値、最大値を求
め、それぞれRmin2、Rmax2とする(ステップS47
5)。以上の処理により、臨床へ報告された初回検査結
果の検査値の分布範囲がSmin以上Smax以下として求めら
れる。また、臨床へ報告された再検査結果に対する初回
検査結果の検査値の分布がRmin1以上Rmax1以下、及びRm
in2以上Rmax2以下として求められる。
【0043】図8のステップS230で、上述のように
蓄積データを解析した後、ステップS240で判定論理
を構築する。判定論理の構築方法を、図1を用いて説明
する。図1には、臨床へ報告された初回検査結果の検査
値のヒストグラム210と、再検査結果が臨床へ報告さ
れた時の、初回検査結果の検査値のヒストグラム212
を図示している。
【0044】ヒストグラム210は、図9に示す蓄積デ
ータの解析処理において、Siとして抽出された検査値の
ヒストグラムに相当する。図9のステップS345で求
めた最小値(Smin)と最大値(Smax)はそれぞれヒスト
グラム210の左端の値、右端の値に相当し、図1中で
は検査値の軸上、白丸231、236で示している。こ
のヒストグラム210に含まれる検査結果は、再検査を
行わなかった初回検査結果、及び再検査を行ったが、初
回検査結果を臨床へ報告した時の初回検査結果、の2種
類である。再検査を実施したが、初回検査結果が臨床へ
報告されたということは、本来は再検査を実施する必要
が無かったことを意味する。そこで、ヒストグラム21
0は再検査を実施する必要の無い検査値の分布と考える
ことができる。
【0045】また、ヒストグラム212は図9に示す蓄
積データの解析処理において、R1j、R2kとして抽出され
た検査値のヒストグラムに相当する。図9のステップS
470で求めた最小値(Rmin1)、最大値(Rmax1)はそ
れぞれヒストグラム212のBmin(検査値の軸上、白丸
233で示す)の左側に存在する部分の左端及び右端に
相当し、図中では検査値の軸上、白丸230、232で
示している。S475で求めた最小値(Rmin2)、最大
値(Rmax2)はそれぞれヒストグラム212のBmax(検
査値の軸上、白丸234で示す)の右側に存在する部分
の左端及び右端に相当し、図中では検査値の軸上、白丸
235、237で示している。このヒストグラム212
に含まれる検査値は、再検査を実施し、かつ再検査結果
を臨床に報告した際の初回検査結果の値なので、本当に
再検査を行う必要があった検査値の分布と考えることが
できる。ここで、Rmax1(白丸232)がBmin(白丸2
33)より小さく、Rmin2(白丸235)がBmax(白丸
234)より大きいのは、図8に示す初期判定論理の設
定(ステップS210)において、再検査を実施すべき
検体の見落としが生じないようにBmin、Bmaxを設定した
ためである。初期判定論理では、r≦Bmin、r≧Bmaxの領
域(矢印220で示す領域)に存在する検査値が再検要
と判定され、それらを技師が再確認するため、技師によ
り再検査が必要と判定された検査値もこの領域にしか存
在しない。
【0046】図1に示すヒストグラムから明らかなよう
に、Rmax1<r<Rmin2の領域にはヒストグラム210の
みが存在している。すなわち、この領域には再検査を実
施する必要の無い検査結果のみが分布している。そこ
で、新たな検査結果の再検要否を判定する場合も、この
領域に分布する検査値については再検査の必要の無い可
能性が非常に高いと考えられる。
【0047】また、ヒストグラム210の存在範囲(図
1中、矢印222で示す)と、ヒストグラム212の存
在範囲(図1中、矢印224で示す)の重なった領域に
は、再検査の必要がある検体と、再検査の必要が無い検
体が混在している。そのため、新たな検査結果の再検要
否を判定する場合も、この領域に分布する検査結果につ
いては再検査の必要の有無については定かではないた
め、技師がその他の詳細情報(他の検査結果、過去の検
査結果、患者の病名、等)を参照し、再検査の要否を決
定する必要がある。
【0048】ヒストグラム212のみが存在する領域、
すなわちRmin1<r<SminまたはSmax<r<Rmax2には、再
検査が必要な検査結果のみが含まれるため、新たな検査
結果の再検要否を判定する場合も、この領域に分布する
検査結果については再検査を行うべき検査結果である可
能性が非常に高いと考えられる。
【0049】以上を総合すると、図8に示す蓄積データ
の解析(ステップS230)では、再検査を実施する必
要が無かった検査値の分布する範囲(領域)と再検査を
実施する必要があった検査値の分布する範囲(領域)を
抽出することにより、検査値の存在領域を(1)再検査
が必要であった検査値のみが存在する領域、(2)再検
査が必要無かった検査値のみが存在する領域、(3)再
検査が必要であった検査値と必要無かった検査値が混在
する領域、の3種類に分割する。再検判定論理の構築
(S240)では、(1)の領域に分布する検査値に対
しては再検査要、(2)の領域に分布する検査値に対し
ては再検不要、(3)の領域に分布する検査値に対して
は技師による結果の再確認が必要、と判定する判定論理
を構築する。この判定論理により、再検査の必要な検体
を再検不要とする誤りを抑えた高精度な判定が可能にな
り、同時に技師の再確認作業を低減することができる。
また、図1において、Rmin1(白丸230で示す)より
も左側の領域、及びRmax2(白丸237で示す)よりも
右側の領域(矢印226で示す領域)にはヒストグラム
210もヒストグラム212も存在しない。このような
領域については(1)、(2)、(3)どの領域に含め
るかは、分布の形状を参考にして決定することができ
る。例えば図1の場合には、この領域はヒストグラム2
12のみが存在する領域に隣接していることから、再検
要否を判定する際に、この領域に分布する検査結果が現
れた場合には再検査を実施する、と判定することが妥当
であると考えられる。しかし、必要に応じ、技師による
確認要、としても良い。
【0050】図1を基に構築した再検判定論理の例を図
11に示す。新たな検査値rが入力されると、まずRmax1
<r<Rmin2であるかどうかを判定し(ステップS51
0)、条件が成立した場合には再検不要と判定する(ス
テップS520)。また、ステップS510の条件が不
成立の場合にはr>Smaxであるか、またはr<Sminである
かを判定する(ステップS515)。条件が成立した場
合には再検要と判定し(ステップS525)、不成立の
場合には検査技師による再確認が必要と判定する(ステ
ップS530)。
【0051】以上の再検判定論理は、臨床へ報告された
初回検査結果の検査値の分布と、臨床へ報告された再検
査結果に対する初回検査結果の検査値の分布が図1に示
すような関係にある場合の判定論理である。当然、これ
ら2種類の検査値分布の関係が図1と異なる場合には判
定論理も異なる。例えば2種類の分布が図10に示すよ
うな関係になることも有り得る。図10では臨床へ報告
された再検査結果に対する初回検査のうち、Bmin以下で
ある値が分布するRmin1<r<Rmin2の範囲と、臨床へ報
告された初回検査結果の検査値が分布するSmin<r<Sma
xの範囲に重なりが存在しない。この場合には、臨床へ
報告された初回検査結果の検査値のみが分布する範囲は
Smin<r<Rmin2であり、新たに入力された検査値のう
ち、この領域に入る検査値は再検不要と判定する。ま
た、臨床へ報告された再検査結果に対する初回検査結果
の値のみが分布するRmin1<r<Rmax1、Smax<r<Rmax2
の範囲に入る検査値は再検査要、と判定する。2種類の
検査値の分布の重なるRmin2≦r≦Smaxの範囲に入る検査
値は技師による確認要、と判定する。検査値の分布しな
い範囲については、臨床へ報告された再検査結果に対す
る初回検査結果の値の分布範囲(矢印224で示す)の
みに隣接する範囲に入る検査は再検査不要とすることが
妥当と考えられる。また、臨床へ報告された再検査結果
に対する初回検査結果の検査値の分布範囲(矢印224
で示す)と、臨床へ報告された初回検査結果の検査値の
分布範囲(矢印222で示す)の両方に接する領域に
も、検査値の分布しない範囲(矢印228で示す)が存
在する。この領域に新たに検査値が入ってきた場合に
は、再検要と判定しても、技師による確認要としてもど
ちらでも良い。
【0052】従来技術の単項目チェックを利用し、再検
査の必要な検査結果を再検不要とする見落としが無く、
かつ再検査の必要が無い検体を再検査要、とする誤りを
できるだけ少なくするような判定を行うとすると、図1
に示すケースではRmax1、Rmin2を閾値とし、Rmax1以上R
min2以下の検査値を再検不要、それ以外を再検要、とす
れば良い。このように設定すると、再検査が必要な検体
を再検不要、とする誤りを無くし、かつ再検査が不要な
検体を再検要、とする誤りを最も少なくすることができ
る。このように、ステップS230(図8に示す)にお
ける蓄積データの解析は、従来技術による判定論理の最
適化にも有効である。この場合には、ステップS240
で述べた判定論理の構築に代え、従来技術による再検判
定論理の最適化を行えば良い。
【0053】しかし、従来技術によりRmax1以上Rmin2以
下の検査値を再検不要、それ以外を再検要、とする判定
処理を行った場合、Smin以上Rmax1以下の領域、及びRmi
n2以上Smax以下の領域には再検査の必要の無い検体も含
まれる。そのため、再検要と判定された検査値全てに再
検査を実施すると再検査の必要が無い検体にまで再検査
を実施することになり、検査のコストが増大する。本当
に再検査が必要な検査結果に絞りこむためには、再検要
と判定された検査結果を検査技師が見直す必要がある。
しかし、図1から判るように、Smin以下、またはSmax以
上の検査値は検査技師が見直すまでも無く高確率で再検
査の必要な検査値である。
【0054】上述のように、本発明を適用し、検査結果
を(1)再検査の必要な検査結果、(2)再検査の不要
な検査結果、(3)技師による再確認の必要な検査結
果、の3種類に分類することにより、高確率で再検査の
必要な検査については技師が再確認を行うこと無く再検
査を実施することができ、技師の再確認作業が軽減され
る。また、再検が必要な検体を再検要とする誤りをおさ
えつつ再検査が不要な検体に対して再検査を実施すると
いう無駄を省くことが可能になる。 (実施例3)実施例1,2では1種類の再検評価値によ
り再検判定を行う例について説明したが、2種類以上の
再検評価値を用いる場合にも拡張して応用可能である。
再検評価値としては、検査値そのものではなく、今回値
と前回値の差や比など検査結果から算出される値も使用
できる。2種類の再検評価値を用いて検査結果を(1)
再検査の必要な検査結果、(2)再検査の不要な検査結
果、(3)技師による再確認の必要な検査結果、の3種
類に分類する例を図12に示す。2種類の再検評価値と
しては、今回の検査値と前回の検査値、あるいは注目し
ている検査値と、その検査項目との相関が強い項目の検
査値、等の様々な組み合わせが考えられる。
【0055】図12は2種類の再検評価値を横軸、縦軸
とした時、図8のステップS220で蓄積した検査結果
の分布を模式的に示した図である。図中、符号310で
示すマークは再検査が必要であった検査結果、符号32
0で示すマークは再検査の必要が無かった検査結果を示
している。図8のステップS230で示す蓄積データの
解析においては、図12に示す散布図を作成し、内側に
再検査の必要の無かった検査結果のみが含まれる閉曲線
340と、閉曲線340を含み、外側に再検査が必要で
あった検査結果のみが存在する閉曲線330を設定す
る。平曲線340、330としては例えば再検査が不要
であった検査結果の再検評価値の分布を正規分布と仮定
した際に計算される、等確率楕円を用いることができ
る。閉曲線340としては再検査が不要であった検査結
果が内部に含まれないような最大の等確率楕円を設定す
る。平曲線330としては再検査が必要な検査結果のみ
が外側に存在するような最小の等確率楕円を設定する。
【0056】図8における判定論理の構築S240で
は、新しい検査結果が入力された場合に、図12に示す
平面において、閉曲線340の内側であった場合には再
検不要、閉曲線340と閉曲線330の間であった場合
には技師による確認要、閉曲線330の外側であった場
合には再検要、と判定する論理を構築すれば良い。この
方法は3種類以上の再検判定評価値を用いる場合にも容
易に拡張可能である。
【0057】また、再検評価値として今回の検査結果の
値(今回値)rと、同一の患者の、同一の検査項目に対
する前回の検査結果の値(前回値)rpを2種類の再検評
価値として用いる場合には、図13に示す原理に基き、
再検評価値の分布する領域を分割しても良い。前回値と
今回値との間には強い相関があり、今回値が前回値と大
きく異なる場合には、再検査を実施すべき検査結果であ
る可能性が高いことが経験的に知られている。図13で
は、横軸に前回値、縦軸に今回値をとり、過去に再検が
不要であった(再検が不要であったことを示す技師判定
情報と共に記憶されていた)検査結果と、再検が必要で
あった(再検が必要であったことを示す技師判定情報と
共に記憶されていた)検査結果の分布を、それぞれ符号
320で示すマークと、符号310で示すマークにより
表している。この平面上、今回値と前回値が同じ検査結
果は、直線r=rp上に分布し、今回値と前回値の差が大
きいほど、この直線から外れた領域に分布する。そこ
で、図13では、直線r=rpからの距離に応じ、(1)
再検査が必要であった検査値のみが存在する領域、
(2)再検査が必要無かった検査値のみが存在する領
域、(3)再検査が必要であった検査値と必要無かった
検査値が混在する領域、の3種類の領域を定義してい
る。
【0058】より具体的には、今回値rに閾値rt1、rt
2を設け、r<rt1、rt1≦r<rt2、r≧rt2、という
3領域に区切り、それぞれの領域において、まず、r=r
pに平行な傾き1の2本の線分により、内部に再検が不
要である検査結果(符号320で示すマーク)のみを含
む第1の領域を定義する。r<rt1の領域では線分40
4、406により囲まれる領域、rt1≦r<rt2の領域
では線分412、414で囲まれる領域、r≧rt2の領
域では線分420、422で囲まれる領域が第1の領域
である。
【0059】更に、r=rpに平行な2本の線分により、
再検査の必要な検査結果のみを含む第2の領域を定義す
る。r<rt1の領域では線分402、408よりも外側
(線分402の右下及び線分408の左上)の領域、rt
1≦r<rt2の領域では線分410、416よりも外側
(線分410の右下及び線分416の左上)の領域、r
≧rt2の領域では線分418、424よりも外側(線分
418の右下及び線分424の左上)の領域が第2の領
域である。
【0060】このように定義した第1の領域、第2の領
域に含まれない領域を第3の領域として定義する。r<r
t1の領域では線分402、404に囲まれる領域、及
び線分406、408に囲まれる領域、rt1≦r<rt2
の領域では線分410、412に囲まれる領域、線分4
14、416に囲まれる領域、r≧rt2の領域では線分
418、420に囲まれる領域、及び線分422、42
4に囲まれる領域が第3の領域である。
【0061】ここで今回値rに閾値rt1、rt2を設け、
予め平面をrt1、rt2により区切ったのは、より複雑な
境界による第1、第2、第3の領域の形成を可能とし、
高精度な判定を実現するためである。
【0062】以上述べた方法の他にも、様々な方法によ
り1種類または2種類以上の再検評価値が分布する領域
を、再検査の必要な検査結果のみが分布する領域と、再
検査の不要な検査結果のみが分布する領域と、再検査の
必要な検査結果と再検査の不要な検査結果が混在して分
布する領域に分割することができる。再検評価値が分布
する領域をこのような3種類の領域に分割することによ
り、検査結果を(1)再検査の必要な検査結果、(2)
再検査の不要な検査結果、(3)技師による再確認の必
要な検査結果、3種類に分類することが可能となり、技
師の再確認作業を軽減するとともに再検査が不要な検体
に対して再検査を実施する、という無駄を省くことが可
能になる。 (実施例4)実施例4では、臨床検査システムの別の構
成要素について述べる。例えば、再検査が必要であるか
否かを技師が判定した情報を検査結果と共に記憶し、デ
ータとして蓄積することにより再検査の必要な検査結果
の分布と、不要な検査結果の分布を解析し、高精度な再
検判定論理を構築することが可能になる。本実施例で述
べたように、報告用検査結果テーブル130(図3に示
す)に、図7に示すように初回検査結果と再検査結果の
どちらを臨床への報告結果として採用したかを示す採用
結果種別を記憶することにより、初回検査結果が採用さ
れた検査結果を再検査の必要がなかった検査結果、再検
査結果が採用された検査結果を再検査が必要であった検
査結果として分布を解析することが可能となる。
【0063】また、再検査が必要であるか否かを技師が
判定した情報として、再検査を実施した否か、という情
報を使用しても良い。この方法は再検査を行った結果、
最終的には再検査の必要が無かった(初回検査結果を採
用した)検査結果についても、念のため再検査を行いた
い、あるいは技師による再確認を行いたい場合に適して
いる。
【0064】また、前述の実施例においては、図8に示
す蓄積データの解析(ステップS230)により得られ
た再検査の必要の無い検体のみが分布する領域と、再検
査の必要な検体と再検の必要の無い検体が混在して分布
する領域の境界(図1の例ではSmin、Rmax1、Rmin2、Sm
ax、図12の例では閉曲線330、340)をそのまま
判定論理の判別境界として使用したが、判別境界は技師
が設定、あるいは変更可能としても良い。この場合に
は、上記3種類の領域の境界(再検査の必要な検体の分
布範囲と不要な検体の分布範囲)や過去の検査結果の分
布を、参考情報として臨床検査システムクライアント3
0のディスプレイ32上に表示することにより、技師が
設定・変更を行う際の補助情報とすることができる。例
えば図12に示す図をディスプレイ32に表示する。解
析に使用したデータ数が少ない場合などには、ディスプ
レイ32上に表示された分布形状と、領域の境界を参考
にし、再検査が必要な結果を再検不要とする見落としが
生じないように余裕をもたせた判定論理の判別境界を設
定する、というような運用が可能になる。また、再検判
定評価値の分布する領域中、全く検査結果の存在しない
領域を、再検要、再検不要、技師による確認要、のどれ
に当てはめるかを技師が決めることも可能になる。分布
範囲、あるいは分布の境界は上記のように図によって示
すだけでは無く、数値あるいは数式により表示すること
も可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0065】また、特に再検評価値が1種類の場合に
は、分布を示す図として図1または図10に示すような
ヒストグラムを表示することにより、同様の効果を得る
ことができる。ヒストグラムを表示すると、現在の論理
により、どの程度の数の検査結果が再検要と判断される
のか、等の情報を視覚的に把握しやすい。また、判定論
理の閾値(判別境界)を調整した際、判定結果がどのよ
うに変化するかを把握しやすいため、閾値の調整が容易
になる。
【0066】更に、判定論理を調整した際に、どのよう
に判定結果が変化するかを、記憶手段28に記憶された
過去の検査結果を用いてシミュレートし、その結果を臨
床検査システムクライアント30のディスプレイ32に
表示することにより、技師による判定論理の調整を効率
化できる。具体的には記憶手段28に記憶された、過去
に再検査が必要であった検査結果(再検査が必要である
ことを示す技師判定情報と共に記憶された検査結果)
と、必要無かった検査結果(再検査が不要であることを
示す技師判定情報と共に記憶された検査結果)に対し、
調整後の判定論理により再検要否を判定すれば良い。判
定結果は個々の検査結果について、調整前の判定論理に
よる判定結果、技師による判断結果(技師判定情報が再
検要であるか不要であるか)、調整後の判定論理による
判定結果を並べて表示することにより、判定結果がどの
ように変化するか、また、調整後の判定結果が妥当であ
るかを効率的に把握することができる。また、記憶手段
28に記憶された過去に再検査が必要であった検査結果
(再検査が必要であることを示す技師判定情報と共に記
憶された検査結果)、あるいは必要無かった検査結果
(再検査が不要であることを示す技師判定情報と共に記
憶された検査結果)のうち、調整後の判定論理により再
検要、再検不要、技師による確認要、と判定される検体
がどの程度の割合で存在するか、という情報を表示する
ことによっても技師による調整作業を効率化できる。
【0067】上述のように、判定論理を調整した際にど
のように判定結果が変化するかを、記憶手段28に記憶
された過去の検査結果を用いてシミュレートする機能
は、検査結果を再検要、不要の2種類に分類する従来技
術による判定論理を使用する場合にも有効である。
【0068】
【発明の効果】以上のように、臨床検査の検査結果を3
種類に分類することにより、再検査の必要が無い検体を
再検査要と判定する誤りを低減することができるので、
臨床検査技師の負担が減り、臨床検査の検査コストの低
減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による再検判定論理の構築方法及び原理
を示す図。
【図2】本発明による臨床検査システムの構成例を示す
図。
【図3】記憶装置に含まれるテーブルを示す図。
【図4】初回検査結果テーブルに記憶されるデータの例
を示す図。
【図5】本発明による再検判定論理の運用例を示す図。
【図6】再検査結果テーブルに記憶されるデータの例を
示す図。
【図7】報告用検査結果テーブルに記憶されるデータの
例を示す図。
【図8】判定論理を構築するための処理フローを示す
図。
【図9】蓄積データの解析を行う処理フローを示す図。
【図10】本発明による再検判定論理の構築方法及び原
理を示す図。
【図11】本発明による再検判定の一例の処理フローを
示す図。
【図12】本発明による再検判定論理の構築方法及び原
理を示す図。
【図13】本発明による再検判定論理の構築方法及び原
理を示す図。
【図14】初期判定論理を用いた検査業務の処理フロー
を示す図。
【符号の説明】
11:第1の検査装置 12:第2の検査装置 13:第3の検査装置 20:臨床検査システムサーバ 21:パーソナルコンピュータ 22:ディスプレイ 24:キーボード 26:マウス 28:記憶装置 30:臨床検査システムクライアント 31:パーソナルコンピュータ 32:ディスプレイ 34:キーボード 36:マウス 40:LAN 110:初回検査結果テーブル 111:受付日時記憶領域 112:オーダ番号記憶領域 113:患者ID記憶領域 114:検査項目記憶領域 115:検査結果記憶領域 116:自動再検判定結果記憶領域 117:技師再検判定結果記憶領域 120:再検査結果テーブル 122:オーダ番号記憶領域 124:検査項目記憶領域 126:再検査結果記憶領域 130:報告用検査結果テーブル 132:オーダ番号記憶領域 134:検査項目記憶領域 136:検査結果記憶領域 138:採用結果種別記憶領域 210:再検査の必要がない検査値のヒストグラム 212:再検査の必要がある検査値のヒストグラム 220:初期判定論理により再検要と判定される検査値
の範囲を示す矢印 222:再検査の必要がない検査値の分布範囲を示す矢
印 224:再検査の必要がある検査値の分布範囲を示す矢
印 226:再検査の必要がない検査値 必要がある検査値のどちらも分布しない範囲を示す矢印 228:再検査の必要がない検査値 必要がある検査値のどちらも分布しない範囲を示す矢印 230:Rmin1を示す丸印 231:Sminを示す丸印 232:Rmax1を示す丸印 233:Bminを示す丸印 234:Bmaxを示す丸印 235:Rmin2を示す丸印 236:Smaxを示す丸印 237:Rmax2を示す丸印 310:再検査の必要がある検査結果を示すマーク 320:再検査の必要が無い検査結果を示すマーク 330:再検評価値の分布する領域を分割する閉曲線 340:再検評価値の分布する領域を分割する閉曲線 402:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 404:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 406:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 408:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 410:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 412:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 414:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 416:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 418:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 420:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 422:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分 424:今回値と前回値で張られる領域を領域に分割す
る線分。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臨床検査結果の検査値を、再検査の必要な
    検査結果と、再検査の不要な検査結果と、技師による再
    確認の必要な検査結果の3種類に分類して再検査の要否
    を判定する再検判定論理と、該再検判定論理により判定
    された検査結果を表示する表示手段とを備え、該表示手
    段には前記3種類に分類された結果が表示されることを
    特徴とする臨床検査システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の臨床検査システムにおい
    て、臨床検査結果の初回検査結果のうち再検査が不要で
    あった第1の初回検査結果と、該初回検査結果のうち再
    検査が必要であった第2の初回検査結果とが記憶された
    記憶手段を備え、前記再検判定論理は第1の初回検査結
    果と第2の初回検査結果から求められる再検要否判定の
    基準値群を備え、該基準値群は、前記第1の初回検査結
    果の分布範囲を示す第1の基準値群と、前記第2の初回
    検査結果の分布範囲を示す第2の基準値群とを含むこと
    を特徴とする臨床検査システム。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の臨床検査システムにおい
    て、臨床検査結果の初回検査結果と、該初回検査結果に
    対する再検査の必要性の有無を臨床検査技師が判定した
    結果と、再検査結果が臨床に報告されたか否かの情報を
    含む技師判定情報とが記憶された記憶手段を備え、前記
    再検判定論理は前記初回検査結果と技師判定情報から求
    められる再検要否判定の基準値群を備え、該基準値群
    は、前記初回検査結果と技師判定情報から再検査が不要
    と判断された検査値の分布範囲を示す第1の基準値群
    と、前記初回検査結果と技師判定情報から再検査が必要
    と判断された検査値の分布範囲を示す第2の基準値群を
    含むことを特徴とする臨床検査システム。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載の臨床検査システ
    ムにおいて、前記第2の基準値群は、前記第1の分布の
    最小値Sminと最大値Smaxの中間値を基準として、該中間
    値よりもSmin側に表れる第1の分布と、該中間値よりも
    Smax側に表れる第2の分布とを含むことを特徴とする臨
    床検査システム。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の臨床検査システムにおい
    て、前記再検判定論理は、新たに得られた臨床検査の初
    回検査結果を、前記Smin以上かつSmax以下である範囲A
    と、前記第1の分布の最小値Rmin1以上かつ最大値Rmax1
    以下、ないし前記第2の分布の最小値Rmin2以上かつ最
    大値Rmax2以下である範囲Bとに分割し、前記初回検査
    結果の検査値を、範囲Aに含まれ範囲Bには含まれない
    第1の領域と、範囲Aと範囲Bとの両方に含まれる第2
    の領域と、範囲Bに含まれ範囲Aには含まれない第3の
    領域とに分割する処理を行い、表示手段には、前記第1
    の領域、第2の領域、第3の領域に分割された検査値が
    表示されることを特徴とする臨床検査システム。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の臨床検査システムにおい
    て、前記第1の領域と第2の領域の境界または第2の領
    域と第3の領域との境界が図、数値ないし数式により前
    記表示手段に表示されることを特徴とする臨床検査シス
    テム。
  7. 【請求項7】臨床検査結果の初回検査結果と、該初回検
    査結果に対する再検査の必要性の有無を臨床検査技師が
    判定した結果と、再検査結果が臨床に報告されたか否か
    の情報を含む技師判定情報とが記憶された記憶手段と、
    新たに得られた初回検査結果を再検査の必要な検査結果
    と、再検査の不要な検査結果と、技師による再確認の必
    要な検査結果の3種類に分類する基準値群を備えた再検
    判定論理と、該再検判定論理により判定された検査結果
    を表示する表示手段とを備え、前記再検判定論理は、前
    記記憶手段に記憶される新たな初回検査結果と技師判定
    結果と技師判定情報を元に前記基準値群を再計算するこ
    とを特徴とする臨床検査システム。
  8. 【請求項8】前記検査値の代わりに臨床検査結果の検査
    値から定められる再検評価値を用いることを特徴とする
    請求項1から7のいずれか1項に記載の臨床検査システ
    ム。
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