JP2002277796A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光走査装置及び画像形成装置

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JP2002277796A
JP2002277796A JP2001080177A JP2001080177A JP2002277796A JP 2002277796 A JP2002277796 A JP 2002277796A JP 2001080177 A JP2001080177 A JP 2001080177A JP 2001080177 A JP2001080177 A JP 2001080177A JP 2002277796 A JP2002277796 A JP 2002277796A
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JP2001080177A
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English (en)
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Akihisa Itabashi
彰久 板橋
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光走査装置と被走査媒体との間の距離のばら
つきを低減させ、深度余裕を広くでき、要求されるビー
ムスポット径仕様を満足でき、画像品質の劣化を低減さ
せ得る光走査装置を提供する。 【解決手段】 光源から出射された光束を偏向器105
により偏向させ、偏向された光束を結像素子106,1
07により光スポットとして被走査媒体109上を走査
させる光走査装置において、光源と偏向器105と結像
素子106,107と被走査媒体109とを同一の筐体
114上に保持させることで、互いの配置公差を小さく
し、ビームスポット径を要求される仕様内に収めること
を可能とした。実験的には、別体で保持させた場合に比
べて公差を1/10に小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
を利用する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形
成装置及び画像形成装置に用いるのに好適な光走査装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】市場からの高画質化の要求に伴い、書込
密度は高密度化が進んでいる。このような高密度化に伴
い、感光体上の潜像形成に用いられる露光手段としての
光走査装置による書込み光のビーム径も小径化(〜30
μm)が進んでいる。
【0003】このような光走査装置においては、ビーム
径の小径化が進むにつれ、ビーム径の深度余裕(公差変
動込みで要求されるビーム径仕様を満足する範囲)がビ
ーム径の変化量の自乗で狭くなっていく。例えば、ビー
ム径を30μm程度まで絞った場合、深度余裕は1mm
程度しかなくなる。このとき、光走査装置を構成する偏
向器、結像素子等の光学素子及び保持部品の加工誤差の
積み上げにより、実際の深度余裕は殆どなくなってしま
う。
【0004】特に、光走査装置と被走査媒体である感光
体との間の距離のばらつきの影響が大きく、0.3mm
〜0.5mm程度のばらつきを持っており、光学系が設
計時に持っている深度余裕の半分近くを占めてしまって
いる。
【0005】例えば、従来にあっては、図22に示すよ
うに、光源としての半導体レーザ(図示せず)と偏向器
1001とfθレンズ等の複数のレンズ1002,10
03と折り返し用のミラー1004とを筐体1005上
の所定位置に備えた光走査ユニット1006に対して、
被走査媒体である感光体1007の保持部(図示せず)
は画像形成装置本体のフレーム(図示せず)に保持されて
おり、筐体1005と感光体1007との間には様々な
部品が配置される構造とされている。このため、各部品
の加工誤差、組付け誤差、変形等が積み上がり、光学素
子と感光体1007との間には大きな位置誤差が発生し
ているものである。1008は防塵ガラスである。
【0006】さらには、図23に示すように、光走査ユ
ニット1006による走査線Lに対して感光体1007
が傾いて配置されてしまうこともあり、結果として、出
力画像に傾きが発生してしまう要因ともなり得る。
【0007】一方、従来にあっては、一般に、複写機や
プリンタ等の画像形成装置においては使用期間中に多く
のメンテナンスを必要としている。画像形成過程は微妙
なバランスの上に成り立つものであり、画像形成を良好
に行うためには各装置のバランスを調整することが必要
だからである。メンテナンスが必要となる原因として
は、例えば、質の悪い紙を用いた場合に感光体へ紙紛が
付着し画像形成が良好に行えなくなることや、ゴム部材
の劣化などが考えられる。
【0008】特に、電子写真方式を実現するための感光
体周辺の作像手段に関しては、性能を最大限に発揮する
ためにメンテナンスを行う必要性が高い。一般に、画像
形成装置に使用される感光体等の作像手段は画像形成装
置よりも寿命が短く、1台の画像形成装置を使う過程で
何度か交換する必要があった。作像手段の寿命が短い原
因としては、例えばクリーニングブレードから感光体へ
の衝撃等により感光体が磨耗する現象や、2成分現像方
式の場合には長期の使用によりキャリアにトナーが付着
し帯電性能等が劣化するトナースペント現象が挙げられ
る。
【0009】このため、画像形成装置の使用過程で作像
手段を修理したり交換したりというメンテナンス作業の
必要が生じるが、このメンテナンスは主に、メーカのサ
ービスマン等の専門家による修理を中心とするものと、
ユーザ自身が行う交換を中心とするものとに分けられ
る。
【0010】サービスマン等によるメンテナンスは、可
能ならば作像手段の修理を行うので廃棄物が低減される
というメリットを有するが、その反面、サービスマンが
来るまでにユーザが画像形成装置を使用できない時間、
いわゆるダウンタイムが発生するというデメリットがあ
る。特に拡大しつつあるプリンタ市場や、海外での販売
に関しては、ユーザ数がサービスマンの必要数を上回る
こと、あるいはサービス拠点からユーザまでの距離が長
いことなどの要因によって充分早期のメンテナンスが行
えなくなる恐れがある。
【0011】一方、ユーザによるメンテナンスを可能と
する画像形成装置として、従来から、感光体や現像装置
を一体に構成し、画像形成装置本体から着脱自在とした
プロセスカートリッジ形態が知られている。プロセスカ
ートリッジは感光体や現像装置等の作像手段が一体であ
るために、カートリッジの寿命が来た場合にユーザによ
る交換作業が簡易であるというメリットを有するが、そ
の反面、複数の作像手段が一体に構成されているために
一部の作像手段の寿命が尽きた場合にもカートリッジ全
体を交換する必要があり、コスト高であるとともに環境
への負荷も大きいというデメリットを有する。近年、環
境への関心の高まりと共にプロセスカートリッジのリサ
イクルも進められているが、ユーザが簡易に着脱可能で
あるために、回収過程に乗せられずに廃棄されるプロセ
スカートリッジもあり、完全な回収は達成できていな
い。
【0012】以上のように、従来の画像形成装置には各
種のメンテナンス、特に作像手段のメンテナンスをどの
ように行うかという課題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本出願人に
よる近年の技術革新により、画像形成装置を構成する各
部材の寿命は着実に伸びている。例えば、従来画像形成
装置の寿命に至るまで性能を維持することが困難であっ
た感光体に関して、本出願人は長寿命化技術を開発する
ことに成功している。このような技術革新により、作像
手段の寿命は画像形成装置本体の寿命に匹敵し、あるい
は画像形成装置本体以上の寿命を有するレベルに到達し
ようとしている。
【0014】メンテナンスの対象である各部材の寿命が
延びてくると、当然メンテナンスの必要回数は減少す
る。メンテナンスの必要回数が減少すれば、サービスマ
ンは要請を受けてから短時間でユーザのもとに到達で
き、また、ユーザのメンテナンス負担も減少することに
なる。
【0015】従来、メンテナンス対象であった部材が画
像形成装置本体と匹敵する寿命を有することになれば、
ユーザが買い替えや機械の借り換え等を行う際に使用後
の画像形成装置とともに当該部材を回収すればメンテナ
ンスは不要となる。また、従来メンテナンス対象であっ
た部材が画像形成装置本体以上の寿命を有するとすれ
ば、当該部材を再利用することが考えられる。
【0016】このように、これまでメンテナンスの対象
であった各部材の長寿命化が進むと、プロセスカートリ
ッジのようにユーザが簡易に着脱できる形態は好ましく
なく、むしろ各部材を確実にメーカが回収しリサイクル
過程に乗せることができる形態が望ましい。
【0017】もし、各部材の回収が確実に行えれば、そ
の部材を構成する個々の部品についても、多少高価であ
っても長寿命の部品を用いることでメーカにとっても全
体的なコストを削減する可能性がある。例えば、作像手
段が画像形成装置の3倍の寿命を有する場合を考える
と、この場合に作像手段の駆動に用いる部材の材質とし
て、価格は安いが画像形成装置並みの寿命を有する部品
を用いるよりも、価格が2倍であっても寿命が作像手段
の寿命と同等以上であるような材質を選択すれば、メン
テナンスをすることなく3台の画像形成装置に使用する
ことが可能となる。このため、メンテナンスにかける人
件費等も考えればトータルコストが削減できる。このよ
うに、各部材の確実な回収は更なる長寿命化につなが
り、環境負荷低減の原動力となり得る。
【0018】そこで、本発明は、基本的には、光走査装
置と被走査媒体との間の距離のばらつきを低減させるこ
とにより、深度余裕を広くすることができ、要求される
ビームスポット径仕様を満足することができ、画像品質
の劣化を低減させ得る上に、深度余裕が広くなる分、他
の光学素子や保持部品などの加工誤差に割り振ることが
でき、各部品の公差割り付け量を大きくすることができ
る光走査装置及びこの光走査装置を備える画像形成装置
を提供することを目的とする。
【0019】また、本発明は、上述のような近年におけ
る技術動向に鑑み、長寿命化した各部材、特に長寿命化
した作像手段を確実にメーカが回収し、またリサイクル
過程に簡易に乗せることが可能な画像形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の光
走査装置は、光源から出射された光束を偏向器により偏
向させ、偏向された光束を結像素子により光スポットと
して被走査媒体上を走査させる光走査装置において、前
記光源と前記偏向器と前記結像素子と前記被走査媒体と
を同一の筐体上に保持させたことを特徴とする。
【0021】従って、光源と偏向器と結像素子と被走査
媒体とが同一の筐体上に保持されるので、互いの配置公
差も小さくなり、ビームスポット径を要求される仕様内
に収めることが可能となる。実験的には、別体で保持さ
せた場合に比べて公差を1/10に小さくできる。
【0022】請求項2記載の発明の光走査装置は、光源
から出射された光束を偏向器により偏向させ、偏向され
た光束を結像素子により光スポットとして被走査媒体上
を走査させる光走査装置において、前記光源と前記偏向
器と前記結像素子とを備える光走査ユニットと、前記被
走査媒体とを同一の筐体上に保持させたことを特徴とす
る。
【0023】従って、基本的には請求項1記載の発明と
同様であるが、光源と偏向器と結像素子とが光走査ユニ
ットとして構成されているので、光走査ユニット内で光
学素子の位置調整が可能となり、光学素子個々の加工誤
差を吸収することもできる。即ち、高密度化のためにビ
ームスポット径が小径化していくと、書込み光学系の光
学素子の配置公差が厳しくなり、加工能力が要求交差を
満足できなくなり、書込み光学系内での調整が必要とな
るが、光源と偏向器と結像素子とを被走査媒体とは独立
した光走査ユニットとして構成することにより、対応可
能となる。
【0024】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の光走査装置において、前記被走査媒体は前記筐体に
対する組付け位置が調整自在に組付けられていることを
特徴とする。
【0025】従って、筐体の加工能力が不十分な場合や
各部品の公差が積み上がり深度余裕を越えてしまうよう
な場合であっても、被走査媒体の組付け位置の位置調整
により要求仕様を満足するように対処できる。
【0026】請求項4記載の発明の画像形成装置は、被
走査媒体を像担持体とする請求項1,2又は3記載の光
走査装置による露光手段を一つのユニットとして画像形
成装置本体内に工具を使用しないと取り外し不可能な構
造で組付けられていることを特徴とする。
【0027】従って、工具を使用しないと画像形成装置
本体からユニットを取り外すことができないので、画像
形成装置本体に対する当該ユニットの取り外しはメーカ
のサービスマン等の専門家のみが行うことが可能とな
り、ユーザ自身が行うことが困難となる。これにより、
当該画像形成装置の露光手段なるユニットをメーカ側で
回収することができるようになり、リサイクル工程に簡
易に乗せることができる。
【0028】請求項5記載の発明の画像形成装置は、被
走査媒体を像担持体とする請求項1,2又は3記載の光
走査装置による露光手段と、前記像担持体を帯電させる
ための帯電手段、前記露光手段により形成された前記像
担持体上の潜像を現像してトナー像を形成するための現
像手段、前記像担持体上に形成されたトナー像を記録媒
体上に転写するための転写手段、転写後に前記像担持体
上の残留トナーを除去するクリーニング手段、転写され
たトナー像を前記記録媒体に定着するための定着手段の
うちの少なくとも一つのプロセス手段とを一つのエンジ
ンユニットとして一体に構成し、画像形成装置本体内に
工具を使用しないと取り外し不可能な構造で組付けられ
ていることを特徴とする。
【0029】従って、工具を使用しないと画像形成装置
本体からエンジンユニットを取り外すことができないの
で、画像形成装置本体に対する当該エンジンユニットの
取り外しはメーカのサービスマン等の専門家のみが行う
ことが可能となり、ユーザ自身が行うことが困難とな
る。これにより、当該画像形成装置のエンジンユニット
をメーカ側で回収することができるようになり、リサイ
クル工程に簡易に乗せることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態は、電子
写真方式の画像形成装置において、光書込み系(露光手
段)等として用いられる光走査装置100に関する。
【0031】まず、この光走査装置100の概略構成例
を図1により説明する。図1は本実施の形態の光走査装
置100を示す概略斜視図である。半導体レーザ101
等の光源からの光はカップリングレンズ102により平
行光束化された後、開口絞り103より所定径のビーム
径に規制され、シリンドリカルレンズ104により副走
査方向に絞るようにビーム整形されて偏向器としてのポ
リゴンミラー105の1つの反射面105aに入射す
る。反射面105aに入射した光束は、高速回転するポ
リゴンミラー05の回転に伴い主走査方向に偏向走査さ
れる。ポリゴンミラー105の反射面105aで反射さ
れて偏向走査される光束は、2段のfθレンズ構成の結
像素子106,107を経て、さらに、折り返しミラー
108を経ることにより、被走査媒体としてのドラム状
の感光体109上に微小な光スポットとして結像され
る。この際、光スポットの照射位置が偏向走査に伴い主
走査方向に移動することにより、等速度的に光走査され
ることとなる。従って、半導体レーザ101、カップリ
ングレンズ102、開口絞り103、シリンドリカルレ
ンズ104、ポリゴンミラー105、結像素子106,
107及び折り返しミラー108よりなる走査光学系に
より露光手段が構成されている。
【0032】なお、110は感光体109上を走査する
光束に関して、半導体レーザ101の点灯開始タイミン
グを検知するための同期検知系であり、同期検知センサ
111と折り返しミラー112と結像レンズ113とに
より構成されている。
【0033】ここで、本実施の形態の光学系を構成する
光学部品の詳細を説明する。まず、半導体レーザ101
としては波長655nmのものが用いられている。カッ
プリングレンズ102の焦点距離は22mm、シリンド
リカルレンズ104の副走査方向の焦点距離は70m
m、ポリゴンミラー105の反射面105aの数は5
面、内接円半径は25mmとされている。また、半導体
レーザ101側からの光束の入射角と走査光学系の光軸
とのなす角は60°とされている。
【0034】また、ポリゴンミラー105と感光体10
9の被走査面との間にある光学系のデータとしては、表
1に示すように設定されている。
【0035】
【表1】
【0036】また、各面の主走査方向と副走査方向の係
数を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】さらに、結像素子(fθレンズ)107の
射出面の副走査方向の係数を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】また、本実施の形態の走査光学系の中心像
高の副走査方向の横倍率βは、 β=1.383 に設定されている。
【0041】なお、これらの表などに示すレンズ面の形
状等は、以下の式による。
【0042】[主走査断面内における非円弧形状]主走
査断面内の近軸曲率半径:R、光軸からの主走査方向
の距離:Y、円錐定数:K、高次の係数をA,A
,A,…として、光軸方向のデプスをXとして、
次の多項式(1)で表す。
【0043】 X=(Y/R)/[1+√{1−(1+K)(Y/R)}] +A・Y+A・Y+A・Y+A・Y+A・Y+A ・Y… ………………………………(1) 式(1)において、奇数次のA,A,A,…にゼロ
以外の数値を代入したとき、主走査方向に非対称形状と
なる。
【0044】[副走査断面における曲率]副走査断面内
で曲率が主走査方向(光軸位置を原点とする座標:Yで
示す)に変化する場合、次式(2)で表す。R(0)は、
副走査断面内における光軸上の曲率半径を表す。
【0045】 C(Y)={1/R(0)}+B・Y+B・Y+B・Y+B・Y +B・Y+B・Y… ………………………………(2) 式(2)において、Yの奇数次係数:B,B,B
…にゼロ以外の数値を代入したとき、副走査断面内の曲
率の変化が主走査方向に非対称となる。
【0046】[副非円弧面]副走査断面の主走査方向の
位置:Y、副走査方向の座標:Zを用い、次式(3)で表
す。
【0047】 X=(Y/R)/[1+√{1−(1+K)(Y/R)}] +A・Y+A・Y+A・Y+A・Y+A・Y+A・ Y… +C・Z/[1+√{1−(1+K)(C・Z)}] +(F+F・Y+F・Y+F・Y+F・Y+…)・Z +(G+G・Y+G・Y+G・Y+G・Y+…)・Z +(H+H・Y+H・Y+H・Y+H・Y+…)・Z +(I+I・Y+I・Y+I・Y+I・Y+…)・Z +(J+J・Y+J・Y+J・Y+J・Y+…)・Z +(K+K・Y+K・Y+K・Y+K・Y+…)・Z +(L+L・Y+L・Y+L・Y+L・Y+…)・Z +(M+M・Y+M・Y+M・Y+M・Y+…)・Z +(N+N・Y+N・Y+N・Y+N・Y+…)・Z ………………………………(3) ここに、Cは前述した式(2)で定義されたC(Y)で
ある。また、Kは次式(4)で定義される。
【0048】 K=K(0)+C・Y+C・Y+C・Y+C・Y+C・Y +… ………………………………(4) 式(3)において、F,F,F,…,G,G
,…にゼロ以外の数値を代入すると、副走査断面内
の非円弧量が主走査方向に非対称となる。
【0049】即ち、副非円弧面は、前述のように「副走
査断面内の形状が非円弧形状で、この副走査断面内の非
円弧形状が、主走査方向における副走査断面の位置に応
じて変化する面」であるが、式(3)において、右辺の第
1〜2行目は主走査方向の座標:Yのみの関数で、「主
走査断面内の形状」を表す。また、右辺の第3行目以下
は、副走査断面のY座標が決まると、Zの各自の項の係
数は一義的に決まり、座標:Yにおける「副走査断面内
の非円弧形状」が定まる。
【0050】もっとも、このような解析表現は、上述し
た例に限らず、種々のものがあり、本発明における面形
状が上述した数式表現に限定されるものではない。
【0051】このような光学系仕様の下、感光体109
上を走査する光ビームのスポット径を30μm程度まで
絞った場合のビーム深度方向(感光体109を貫く方
向)の変化に伴うビーム径の変化の様子を図2に示す。
即ち、図2は光スポットの各像高ごとの「スポット径の
深度曲線」を示すもので、具体的には、像高は±14
8.5mmを等間隔に分割した全19像高で示してい
る。図2(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に関
する曲線を各々示している。
【0052】走査光学系に求められるビームスポット径
(感光体109上でラインスプレッド関数の1/e
度でされるスポット径)の仕様が30μm±3μmとし
た場合、図2によれば、その深度余裕は1.5mm程度
しかないことが分かる。
【0053】感光体109上のビームスポット径は、走
査光学系の光学素子及びそれらの保持部材の加工公差に
より、そのビームウエスト位置が像面位置(理想的な被
走査面)に対し、ポリゴンミラー105側若しくはその
反対側へずれ(図である。2中に示す矢印←→方向)、
ビームスポット径が太くなってしまう。これに、現実に
は、感光体109の配置誤差が加わり、ビームスポット
径をさらに太くしてしまう。結果として、要求されるビ
ームスポット径の仕様を満足できなくなってしまう。
【0054】このようなことから、本実施の形態では、
図3に示すように、当該光走査装置100を構成する構
成部材、即ち、半導体レーザ101、カップリングレン
ズ102、開口絞り103、シリンドリカルレンズ10
4、ポリゴンミラー105、結像素子106,107、
折り返しミラー108とともに感光体109を同一の筐
体114上に保持させる組付け構造とするものである。
なお、115は防塵ガラスである。即ち、筐体114は
半導体レーザ101〜折り返しミラー108等の走査光
学系に対する保持部114aを有するとともに、これら
の走査光学系と所定の位置関係をなす位置に感光体10
9を保持するための感光体用保持部114bが形成され
たものである。感光体109は感光体用保持部114b
において、図中、手前側と奥側とで一体に保持され、位
置決めされる。
【0055】本実施の形態の構成によれば、一体的に加
工される場合の各部材用の組付け部の加工誤差は±0.
05%程度で加工できるため、各光学素子同士及び感光
体109との間の配置誤差は、図22等に示した従来方
式に比べ、約1/10程度にすることができる。よっ
て、感光体109上のビームスポット径を要求される仕
様内に収めることが可能となる。また、走査光学系と感
光体109とが同一の筐体114に保持されているの
で、図23に示したような両者間の傾きがなくなり、画
像劣化を防止できる。
【0056】本発明の第二の実施の形態を図4に基づい
て説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分
は同一符号を用いて示し、説明を省略する(以降の実施
の形態でも同様とする)。
【0057】本実施の形態は、走査光学系の高密度化に
伴いビームスポット径が小径化され、深度が狭くなり、
光学部材の加工能力が要求される仕様の公差を満足でき
なくなるような場合を想定したものである。このような
場合、ビームスポット径の要求仕様を満足させるため
に、走査光学系の構成部品(光学素子)を1つの筐体に
収め、その筐体内で光学素子の配置位置の調整を行うこ
とにより、加工誤差を吸収する必要が生ずる。
【0058】そこで、本実施の形態の光走査装置100
では、走査光学系の光学素子(半導体レーザ101〜折
り返しミラー108)を図4に示すように1つの筐体1
16内に保持させることにより光走査ユニット117と
して構成し、この光走査ユニット117と感光体109
とを同一の筐体118上に保持させるようにしたもので
ある。光走査ユニット117内にあっては、光学素子
(半導体レーザ101〜折り返しミラー108)の位置
が調整自在とされている。
【0059】本実施の形態の場合、光走査ユニット11
7と感光体109とを別の構成としているため、一体と
した第一の実施の形態の場合と比較して加工誤差が積み
上がってしまうが、光走査ユニット117内にあって
は、光学素子(半導体レーザ101〜折り返しミラー1
08)の位置が調整自在であり、各光学素子やその保持
部の加工誤差を調整することにより吸収できるため、実
質的には、要求されるビーム径仕様を、より満足しやす
くなる。
【0060】本発明の第三の実施の形態を図5に基づい
て説明する。本実施の形態は、ビームスポット径の仕様
を満足できる深度範囲を越えてしまうようなケースを想
定したものであり、被走査媒体としての感光体109を
筐体114(又は118)に対して組付け位置を調整で
きるように組付け、この感光体109の配置位置を調整
することにより仕様を満足できるように構成したもので
ある。
【0061】即ち、感光体109の両端の軸109aは
筐体114(又は118)の一部に形成されたブラケッ
ト114cにより折り返しミラー108側との間の距離
を調整し得る方向に位置調整自在かつ位置固定自在に保
持されている。
【0062】従って、本実施の形態によれば、筐体11
4(又は118)の加工能力が不十分な場合や各部品の
公差が積み上がり深度余裕を越えてしまうような場合で
あっても、感光体109の組付け位置の位置調整により
要求仕様を満足するように対処することができる。
【0063】本発明の第四の実施の形態を図6ないし図
21に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の各実
施の形態で示したような構成の光走査装置100を露光
手段として備えるカラー画像形成装置への適用例を示す
ものである。
【0064】図6に、本実施の形態に係るカラー画像形
成装置の全体的な概略構成の一例を示す。この画像形成
装置1は、コントローラ5により全体的な動作が制御さ
れる。このコントローラ5は、各種処理を行うためのC
PUや画像を保存するためのメモリ等を備えている。
【0065】また、この画像形成装置1には、C(シア
ン)色、M(マゼンタ)色、Y(イエロー)色、K(ブ
ラック)色のトナー像に対応した静電潜像を形成するた
めの露光手段として同じ構造をした4つの光走査装置1
00C,100M,100Y,100Kを備える。各光
走査装置100C,100M,100Y,100Kの構
造自体は前述した各実施の形態の何れかに準ずるもので
あり、例えば、各々の走査光学系を像担持体(被走査媒
体)としての感光体109C,109M,109Y,1
09Kとともに同一の筐体114C,114M,114
Y,114Kに保持させた構造とされている。
【0066】ここに、本実施の形態では、これらの各光
走査装置100C,100M,100Y,100Kも組
み込まれて、各々C(シアン)色、M(マゼンタ)色、
Y(イエロー)色、K(ブラック)色のトナー像を中間
転写ベルト8上に形成するための同じ構造をした4つの
エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kが搭載されて
いる。各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kに
は、同じ構造をした4つのトナー供給手段であるトナー
供給装置6C、6M、6Y、6Kにより、各色のトナー
像に対応したトナーが供給される。各トナー供給装置6
C、6M、6Y、6Kは、図6に矢印Aで示す方向に回
転する中間転写ベルト8の幅方向に沿うように配設され
ている(図15参照)。
【0067】次に、画像形成装置1の画像形成動作の概
略について説明する。
【0068】図6において、スキャナ4又はネットワー
ク回線(図示せず)を通じて得られたデジタル画像デー
タは、コントローラ5によって階調処理等の画像処理を
施された後、書き込み信号として各光走査装置100
C,100M,100Y,100K中の半導体レーザ
(図1中の半導体レーザ101が相当する)に送られ
る。各半導体レーザは、この書き込み信号に応じた書き
込み光を、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2K
内の感光体109C,109M,109Y,109に照
射する。各エンジンユニット2C,2M,2Y,2K
は、書き込み光に対応した各色のトナー像を、各々の感
光体109C,109M,109Y,109に形成した
後、各色のトナー像を中間転写ベルト8上に順次転写す
る。このとき、コントローラ5は、中間転写ベルト8上
で各色のトナー像が重なり合ってフルカラー画像を形成
するように、各各半導体レーザの書き込みタイミングを
調整する。
【0069】中間転写ベルト8上に形成されたフルカラ
ー画像からなるトナー像は、中間転写ベルト8の回転に
より矢印A方向に移動する。この間に、中間転写ベルト
8を回転自在に張架する張架ローラの1つである転写ロ
ーラ801と、中間転写ベルト8を挟んで転写ローラ8
01に対向配置された搬送ベルトとのニップ部に向け
て、転写紙やOHPシートなどの記録媒体としての転写
材が給紙トレイ9から給送される。このとき、転写材
は、転写材の画像転写領域の先端と中間転写ベルト8上
に転写されたトナー像の先端とが一致するようなタイミ
ングをとって給送される。
【0070】そして、転写材がニップ部を通過する際
に、中間転写ベルト8上に転写されたトナー像が転写材
上に一括転写される。このようにしてトナー像が一括転
写された転写材は、トナー像が定着装置7の加熱ローラ
7aによって加熱された定着ベルト7dに接触して溶解
されつつ一対の加圧ローラ7b,7cで加圧されること
によって定着された後、機外に排出される。
【0071】次に、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kの構成の一例について説明する。
【0072】このエンジンユニット2C,2M,2Y,
2Kは、同一の構造をしており、電子写真プロセスに関
与する複数のプロセス手段をユニット化した構成となっ
ている。例えば、図7に示すように、エンジンユニット
2C,2M,2Y,2Kには、像担持体である感光体1
09、感光体109とともに同一の筐体114に保持さ
れた露光手段としての光走査装置100、及び、感光体
109の周囲に配設された、感光体109の表面を帯電
する帯電手段としての帯電ローラからなる帯電装置20
2、感光体109上の潜像に帯電したトナーを付着させ
ることで感光体109上にトナー像を形成する現像手段
としての現像装置203、中間転写ベルト8へのトナー
像の転写後に感光体109上に残留したトナーを除去す
るクリーニング手段としてのクリーニング装置204、
などの各作像手段(プロセス手段)が、プラスチック製
の筺体内に配置されてユニット化されている。
【0073】ところで、現像装置203に収容される現
像剤としては、トナーとキャリアとを混合して得られる
2成分系現像剤或いはキャリアを含まない1成分系現像
剤のうちどちらを使用しても構わないが、本実施の形態
では2成分系現像剤を用いるものとする。この2成分系
現像剤は、従来より、トナーとキャリアの比率を適正に
調節することの困難性、及び、キャリアの表面にトナー
が付着(トナースペント)することによる現像性能の低
下が課題として挙げられてきた。特に、トナースペント
により現像特性が低下すると、キャリア又は現像装置2
03を交換する必要が生じるため、現像装置203の長
寿命化の妨げとなっていた。
【0074】また、従来の画像形成装置においては、感
光体109の寿命が短く、感光体109を頻繁に交換す
る必要があった。
【0075】そこで、本実施の形態に係るエンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kに搭載される感光体109
や現像装置203などの各作像手段は、その長寿命化の
ために種々の工夫がなされている(詳しくは、後述す
る)。
【0076】以下に、エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kに搭載されている各作像手段の構成について詳
細に説明する。ここで、長寿命化の工夫がなされている
作像手段に関しては、その工夫についても併せて説明す
る。
【0077】『感光体109』まず、本実施の形態の感
光体109について説明する。
【0078】感光体109は導電性基体上に感光層を有
する感光体であり、図8に示すように、導電性支持体1
09aと、電荷発生物質と電荷輸送物質から構成される
感光層109bと、粒子状物質109cが含有された粒
子状物質含有表面層109dとを含む多層構造となって
いる。各層について以下詳細に説明する。
【0079】[粒子状物質含有表面層109dの構成]
粒子状物質含有表面層109d中の粒子状物質109c
の含有量は、5〜50重量%である必要があり、好まし
くは10〜40重量%である。即ち、本出願人の研究に
より、粒子状物質109cの含有量が5重量%以下であ
ると、感光体109の耐磨耗性という効果がほとんど生
じず、10重量%以上であれば充分な耐摩耗性が得られ
る。また、粒子状物質109cの含有量が40重量%以
上であると、膜の不透明化による地汚れなど画像劣化が
発生し、50重量%以上であると感光層の透明性が損な
われることが判明している。
【0080】[粒子状物質109c]この粒子状物質は
感光体109の磨耗を防ぎ長寿命化するために含有され
た物質である。
【0081】この粒子状物質109cの平均粒径は、
0.05〜1.0μmが好ましい。粒径が0.05μm
に達しない場合には充分な耐磨耗効果が得られない。ま
た、粒径が1.0μmよりも大きいと、粒子状物質の一
部が感光体の表面に突出してクリーニング装置203の
クリーニングブレードを傷つけてしまうため、クリーニ
ング不良の原因となる。
【0082】また、この粒子状物質109cとしては、
感光体109の表面層を構成する樹脂よりも堅い粒子状
物質であれば使用可能であり、無機物質、有機物質の何
れも使用可能である。例えば、酸化チタン、シリカ、酸
化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、
窒化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム
等の金属酸化物が挙げられる。ここで、特に良好なもの
として酸化チタン、シリカ、酸化ジルコニウム等が挙げ
られる。これらは分散性向上などの理由から無機物、有
機物で表面処理されてもよい。例えば、撥水性処理とし
てシランカップリング剤で処理したもの、或いはフッ素
系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理
したものを使用可能してもよい。無機物処理としてはフ
ィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ
処理したものが使用可能である。
【0083】[バインダー樹脂]粒子状物質含有表面層
109dのバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬
化性樹脂が使用可能である。
【0084】このバインダー樹脂としては、例えば、ア
クリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ樹脂等が
挙げられるが、特に好ましいバインダー樹脂としては、
以下の一般式(化学式1、2)で示されるポリカーボネ
ートである。
【0085】
【化1】
【0086】
【化2】
【0087】一般式(化学式1、2)において、R
、R、Rは、各々独立した水素原子、置換若し
くは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表し、又は
置換若しくは無置換のアリール基を表す。Xは、脂肪族
の2価基、環状脂肪族の2価基を表す。Yは、単結合、
炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のア
ルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO−,
−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪
族の2価基を表す。)、又は、
【0088】
【化3】
【0089】(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2
000の整数、R、Rは置換又は無置換のアルキル
基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、RとR
,R とRは、各々同一でも異なってもよい。p,
qは組成を表し、0.1≦p≦1、0≦q≦0.9、n
は繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。
【0090】これらポリカーボネートは強靱性が高くフ
ィルム性が良い。また、粒子状物質含有表面層109d
は、電荷輸送機能を持つ必要があるため、後述する低分
子電荷輸送材との相溶性良いことが重要な条件となる。
従って、一般式(化学式1、2)で示されるポリカーボ
ネートが好適となる。
【0091】以下に、ポリカーボネートの具体例の化学
式4〜10を挙げる。しかし、本実施の形態の感光体1
09に用いることができるポリカーボネートは、これら
に限定されるものでない。
【0092】
【化4】
【0093】
【化5】
【0094】
【化6】
【0095】
【化7】
【0096】
【化8】
【0097】
【化9】
【0098】
【化10】
【0099】[低分子電荷輸送物質]粒子状物質含有表
面層109dに電荷輸送機能を付与するために、この粒
子状物質含有表面層109dに低分子電荷輸送物質をさ
らに添加することもできる。添加する低分子電荷輸送物
質としては正電荷担体輸送機能を有するドナー性物質、
負電荷担体輸送機能を有するアクセプター性物質が使用
可能である。これらの低分子電荷輸送物質は潜像形成を
している感光体109の表面電荷の極性によって適宜選
択する必要が有る。ここでは、本実施の形態の感光体1
09が負帯電の感光体である場合について示す。
【0100】この場合の低分子電荷輸送物質としては、
例えば、オキサゾ−ル誘導体、オキサジアゾ−ル誘導
体、イミダゾ−ル誘導体、トリフェニルアミン誘導体、
9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、
1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロ
パン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フ
ェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、
チアゾ−ル誘導体、トリアゾ−ル誘導体、フェナジン誘
導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズ
イミダゾ−ル誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられ
る。
【0101】これらの低分子電荷輸送物質は、単独又は
2種以上の混合物として用いることができる。また、粒
子状物質含有層109d中の低分子電荷輸送物質の含有
量(D)と、バインダー樹脂の含有量(R)と、粒子状
物質の含有量(F)の含有量との比率は、D:R:F=
10〜40:35〜55:5〜40重量%とすることが
好ましい。
【0102】即ち、低分子電荷輸送物質が、10重量%
以下になると、電荷移動性に起因すると考えられる明部
電位上昇が発生し、40重量%以上であると膜強度低下
が発生する。また、バインダー樹脂は、低分子電荷輸送
物質、及び粒子状物質を固定させるためのものであり、
35重量%以下であると粒子状物質含有表面層109d
の脆化が発生し、55重量%以上であると、低分子電荷
輸送物質の含有量、及び粒子状物質の含有量とのバラン
スや、電気特性、膜強度の点で好ましくない。さらに、
粒子状物質の含有量が5重量%以下であると、粒子状物
質含有表面層109dの耐摩耗性の点で好ましくなく、
40重量%以上であると膜の不透明化による地汚れなど
画像劣化が発生する。
【0103】また、低分子電荷輸送物質としては、次の
一般式(化学式11)で示されるものが好ましい。この
低分子電荷輸送物質は、電荷の移動度が速くバインダー
樹脂との相溶性が良い。
【0104】
【化11】
【0105】ここで、Rは、水素原子、置換若しくは
無置換のアルキル基、又はハロゲン原子を表す。また、
好ましいアルキル基としては、C〜C12、とりわけ
〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖又は分
岐鎖のアルキル基である。さらに、これらのアルキル基
は、フッ素原子、水酸基、シアノ基、C〜Cのアル
コキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C〜C
のアルキル基若しくはC〜Cのアルコキシ基で置換
されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t-
ブチル基、s-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、
トリフルオロメチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-シア
ノエチル基、2-エトキシエチル基、2-メトキシエチル
基、ベンジル基、4-クロロベンジル基、4-メチルベンジ
ル基、4-メトキシベンジル基、4-フェニルベンジル基等
が挙げられる。又はロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。なお、
これらは一例であり、Rはこれらに限らない。
【0106】また、一般式(化学式11)のR、R
は、置換若しくは無置換のアリール基を表す。その一例
としては、以下のものを挙げることができる。 (1) 芳香族炭化水素基であるスチリル基、フェニル
基。 (2) 縮合多環基であるナフチル基、ピレニル基、2-
フルオレニル基、9,9-ジメチル-2-フルオレニル基、ア
ズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリ
セニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H-ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基。 (3) 非縮合多環基であるビフェニリル基、ターフェ
ニリル基。 (4) 複素環基であるチエニル基、ベンゾチエニル
基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基。
【0107】なお、上述のアリール基は、以下に示す基
を置環基として有してもよい。
【0108】ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シ
アノ基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アリール基としてのフェニル基、ナフチル
基。C〜Cのアルコキシ基、置換メルカプト基、ア
リールメルカプト基、アルキル置換アミノ基、アシル
基。
【0109】[高分子電荷輸送物質]この高分子電荷輸
送物質は、カーボネート結合で連結され、フィルム性が
良く電荷輸送機能をもつ。従って、この高分子電荷輸送
物質を使用することによって、低分子電荷輸送物質、或
いはイナートなバインダー樹脂の添加が不要となる。ま
た、低分子電荷輸送物質、或いはイナートなバインダー
樹脂を必要に応じて添加することができる。
【0110】高分子電荷輸送物質の一例を、次の一般式
(化学式12〜21)で示す。
【0111】
【化12】
【0112】
【化13】
【0113】
【化14】
【0114】
【化15】
【0115】
【化16】
【0116】
【化17】
【0117】
【化18】
【0118】
【化19】
【0119】
【化20】
【0120】
【化21】
【0121】一般式中、R11,R12,R13は、各
々水素原子、又は独立した置換若しくは無置換のアルキ
ル基、又はハロゲン原子。R10は、水素原子又は置換
若しくは無置換のアルキル基。R14,R15は、置換
若しくは無置換のアリール基。R16は、水素原子、置
換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の
アリール基。Ar11,Ar12,Ar13,A
18,Ar19,Ar20,Ar21,Ar22,A
23,Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,A
28,Ar29は、同一又は異なるアリレン基。p,
qは、組成を表し、0.1≦p≦1、0≦q≦0.9。
nは、繰り返し単位数を表し、5〜5000の整数であ
る。mは、1〜5の整数。Y,Y,Yは、単結
合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは
無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のア
ルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基
を表し、同一であっても異なってもよい。Wは、脂肪族
の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記の一般式(化
学式22)で表される2価基を表す。
【0122】
【化22】
【0123】式中、R101,R102は、各々独立し
た置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基又はハ
ロゲン原子を表す。Yは単結合、炭素原子数1〜12の
直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−,
−S−,−SO−,−SO−,−CO−,−CO−O
−Z−O−CO−(一般式中Zは脂肪族の2価基を表
す。)である。
【0124】高分子電荷輸送物質の具体例を以下の化学
式23〜31に示す。しかし、本実施の形態の感光体1
09に用いることができる高分子電荷輸送物質は、これ
らに限定されるものでない。
【0125】
【化23】
【0126】
【化24】
【0127】
【化25】
【0128】
【化26】
【0129】
【化27】
【0130】
【化28】
【0131】
【化29】
【0132】
【化30】
【0133】
【化31】
【0134】[粒子状物質含有表面層109dの形成方
法]粒子状物質含有表面層109dは、バインダー樹
脂、低分子電荷輸送物質、高分子電荷輸送物質等と共
に、粉砕、分散した粒子状物質109cを、電荷輸送層
109f又は電荷発生層109eの表面に塗布すること
で形成することが可能である。
【0135】より詳細には、バインダー樹脂、低分子電
荷輸送物質、高分子電荷輸送物質、粒子状物質109c
の分散溶媒として、メチルエチルケトン、アセトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのケトン類、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブな
どのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、
クロロベンゼン、ジクロルメタンなどのハロゲン類、酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類を使用し、ボー
ルミル、サンドミル、振動ミルなどを用いて分散、粉砕
する。
【0136】上述したように、粒子状物質109cの添
加量は、0.5重量%〜50重量%、好ましくは5重量
%〜40重量%である。また、粒子状物質109cの粒
径は、0.05〜1.0μmで、好ましくは、0.05
〜0.8μmである。粒子状物質添加層を積層して形成
する場合の膜厚は、0.5〜10μmで、好ましくは、
0.5〜5μmである。
【0137】この塗布方法としては、浸漬法、スプレー
塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗
工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等を採用する
ことができる。
【0138】なお、低分子電荷輸送物質とバインダー樹
脂とから構成される低分子電荷輸送層上に粒子状物質層
を設ける場合には、この低分子電荷輸送層に用いられる
バインダー樹脂と、この粒子状物質層に用いられるバイ
ンダー樹脂との構造が異なることが好ましい。こうする
ことで、これらの粒子状物質層と低分子電荷輸送層との
間に界面が形成され、粒子状物質109cの低分子電荷
輸送層への拡散が防止されて、低分子電荷輸送層の電気
特性が安定するようになる。
【0139】また、バインダー樹脂が同構造であって
も、使用する低分子電荷輸送物質構造が異なれば溶解性
を異ならせることができ、これにより粒子状物質の拡散
防止が可能である。このように、粒子状物質層と低分子
電荷輸送層との間に界面を形成することで、低分子電荷
輸送層の電気特性の安定化、及び粒子状物質109cを
層内でほぼ均一に分布させることができ、感光体109
の高耐久化、高感度化、高安定化を図ることができる。
【0140】[電荷発生層109e]この電荷発生層1
09eは、電荷発生物質を主成分とする層である。な
お、必要に応じてバインダ−樹脂が用いられることもあ
る。
【0141】[電荷発生物質]電荷発生物質としては、
無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0142】無機系材料としては、例えば、結晶セレ
ン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−
テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファ
ス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコン
においては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン
原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子
等をドープしたものが良好に用いられる。
【0143】一方、有機系材料としては、例えば、金属
フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシ
アニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸
メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリ
フェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミ
ン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有
するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オ
キサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン
骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨
格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有
するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は
多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメ
タン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及び
ナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、
インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料な
どが挙げられる。
【0144】また、これらの電荷発生物質は、単独又は
2種以上の混合物として用いることができる。
【0145】[バインダー樹脂]バインダー樹脂として
は、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホル
マ−ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いら
れる。
【0146】これらのバインダ−樹脂は、単独又は2種
以上の混合物として用いることができる。更に、必要に
応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。正孔輸送
物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルア
ミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアント
ラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェ
ニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラ
ゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベ
ン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フ
ェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導
体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体など
の電子供与性物質が挙げられる。また、これらの正孔輸
送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いること
ができる。
【0147】[電荷発生層109eの形成方法]電荷発
生層109eを形成する方法は、真空薄膜作製法と溶液
分散系からのキャスティング法とに大別できる。
【0148】前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電
分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
反応性スパッタリング法、CVD法等があり、上述した
無機系材料、有機系材料を用いて電荷発生層109eを
良好に形成できる。
【0149】また、後述のキャスティング法では、無機
系若しくは有機系電荷発生物質を、テトラヒドロフラ
ン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、
ブタノン等の溶媒を用いて(必要ならばバインダー樹脂
と共に)ボールミル、アトライター、サンドミル等によ
り分散し、その分散液を適度に希釈して塗布することに
より、電荷発生層109eを形成できる。分散液の塗布
は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法など
を用いて行なうことができる。
【0150】このようにして設けられる電荷発生層10
9eの膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好
ましくは0.05〜2μmである。
【0151】[電荷輸送層109f]電荷輸送層109
fは、電荷輸送材としての低分子電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂とを溶解、塗工して形成される。
【0152】この電荷輸送層109fのバインダー樹脂
としては、例えば、フィルム性の良いポリカーボネート
(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ、
ビスフェノールCタイプ、或いはこれら共重合体)、ポ
リアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタク
リル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、
フェノキシ樹脂などを用いることができる。また、これ
らのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物とし
て用いることができる。
【0153】一方、この電荷輸送層109fの低分子電
荷輸送物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公
報、特開昭52−139066号公報に記載)、イミダ
ゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(特開平1−
77839号公報に記載)、ベンジジン誘導体(特公昭
58−32372号公報に記載)、α−フェニルスチル
ベン誘導体(特開昭57−73075号公報に記載)、
ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955号公報、
特開昭55−156954号公報、特開昭55−520
63号公報、特開昭56−81850号公報などに記
載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51−109
83号公報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51
−94829号公報に記載)、スチリル誘導体(特開昭
56−29245号公報、58−198043号公報に
記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552
号公報に記載)、ピレン誘導体(特開平2−94812
号公報に記載)などを使用することができる。
【0154】また、電荷輸送層109fは、高分子電荷
輸送物質を溶解、塗工して形成したものであってもよ
い。この高分子電荷輸送物質としては、例えば、前記一
般式(化学式12〜21)で示されるトリアリールアミ
ンを主鎖、及び側鎖に持つもの、特開平5−20213
5号公報記載のトリアリールアミン骨格をもつアクリル
樹脂、ポリビニルカルバゾールなどが用いられる。
【0155】また、高分子電荷材料を使用する電荷輸送
層109fには、必要に応じて、低分子電荷輸送物質や
イナートなバインダー樹脂の添加を行っても構わない。
【0156】電荷輸送層109fの膜厚は、5〜100
μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm程
度が適当である。
【0157】また、電荷輸送層109f中に可塑剤やレ
ベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の
可塑剤として使用されているものをそのまま使用でき
る。この可塑剤の使用量は、バインダー樹脂100重量
部に対して0〜30重量部程度が適当である。
【0158】[導電性支持体109a]導電性支持体1
09aの素材としては、体積抵抗1010Ω以下の導電
性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化
スズ、酸化インジウムなどの酸化物などを使用すること
ができる。この導電性支持体109aは、蒸着又はスパ
ッタリングにより、フィルム状若しくは円筒状のプラス
チック、紙等に、素材を被覆したもの、或いはアルミニ
ウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの
板及びそれらを押出し、引き抜きなどの工法で素管化
後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などで
構成することができる。
【0159】以上に説明した感光体109は、その表面
に粒子状物質含有表面層109dが存在することによ
り、クリーニングブレード等による物理的衝撃から表面
が守られ、このような粒子状物質含有表面層109dを
有していない感光体よりも長寿命である。
【0160】なお、この種の感光体は、一般に、帯電装
置202の放電などによるイオン等物質の付着を放置す
ると、画像ボケが発生してしまう。このため、感光体の
表面は、クリーニングブレードによってある程度は表面
を削りリフレッシュさせる必要がある。
【0161】本実施の形態の感光体109は、その表面
層がクリーニングブレードによって少しずつ削られるよ
うな組成で形成されている。そして、この感光体109
の表面層、つまり、粒子状物質含有表面層109dが削
られた結果として、この粒子状物質含有表面層109d
の粒子状物質109cがある程度剥き出しになり、この
粒子状物質109cが自然に剥離するようになってい
る。これにより、感光体109の表面に新たな粒子状物
質含有表面層109dが露呈して、感光体109の長寿
命化とリフレッシュ効果が共に達成される。
【0162】[下引き層]なお、本実施形態に用いられ
る感光体109は、その導電性支持体109aと感光層
109bとの間に、以下に示すような下引き層を設ける
ようにしてもよい。この下引き層は、接着性の向上、モ
アレなどの防止、上層の塗工性の改良、残留電位の低減
などの目的で設けられる。
【0163】この下引き層は、通常、樹脂を主成分とす
るが、これらの樹脂はその上に感光層109bを溶剤で
塗布するため、一般的な有機溶剤に対して耐溶解性の高
い樹脂であることが望ましい。このような樹脂として
は、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリア
クリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、
メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹
脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬
化型樹脂などが挙げられる。
【0164】また、樹脂に、例えば、酸化チタン、シリ
カ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム等で例示できる金属酸化物、或いは金属硫化物、
金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引
き層は、前述した感光層109bのごとく適当な溶媒、
塗工法を用いて形成することができる。
【0165】更に下引き層として、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を
使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属
酸化物層を用いることも有用である。
【0166】また、この他に、下引き層には、Al
を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン
(パリレン)等の有機物や、SiO,SnO,TiO
,ITO,CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて
設けたものも良好に使用できる。
【0167】この下引き層の膜厚は、0.1〜10μm
が適当である。
【0168】[単層感光層]なお、上述したように、感
光体109としては、上述のような多層構造のものには
限られず、例えば、以下に示すような単層の感光体(以
下、この感光体109を「単層感光体」という)を用い
ても良い。
【0169】この単層感光層は、バインダー樹脂と、電
荷発生物質と、電荷輸送物質とを溶剤に溶解又は分散さ
せた液を前述の塗工方法の何れかを用いて導電性基体1
09a上に塗布、乾燥して形成される。この単層感光層
の構成材料としては、前述のバインダー樹脂、電荷発生
物質、低分子量電荷輸送物質、高分子電荷輸送物質が使
用可能である。
【0170】また、この単層感光体の膜厚は、5〜10
0μm程度が適当であり、好ましくは、10〜40μm
程度が適当である。
【0171】『帯電装置202』帯電装置202は、感
光体109上を均一帯電させるための帯電装置であり、
本実施の形態では帯電ローラを用いた接触帯電方式を用
いている。この帯電部材である帯電ローラは、芯金とこ
の芯金の外周に同心一体にローラ状に形成した導電ゴム
層を設けたものを基本構成としている。
【0172】帯電ローラは、その芯金の両端を軸受け部
材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧
手段によって感光体109に所定の加圧力で押圧されて
接触回転する。本実施の形態の帯電ローラの場合は、感
光体109の回転駆動に従動して回転するように構成さ
れている。
【0173】また、帯電ローラは、例えば、直径9mm
の芯金上に、100kΩcm程度の中抵抗ゴム層が被膜
され、直径16mmに形成されている。さらに、帯電ロ
ーラの芯金は、電源(図示せず)に電気的に接続されて
いる。そして、この電源により帯電ローラに対して所定
のバイアスが印加されることにより、感光体109の周
面が所定の極性の所定の電位に一様に帯電される。
【0174】『現像装置203』現像装置203は、感
光体109上に形成された潜像に対して、帯電したトナ
ーを付着させることで、この感光体109上にトナー像
を形成する装置であり、本実施の形態では2成分現像方
式のものが用いられている。
【0175】この現像装置203には、例えば、図7に
示すように、現像剤担持体としての現像ローラ203a
が、感光体109に近接するようにして配置されてお
り、これらの現像ローラ203aと感光体109との対
向部分に現像領域が形成されるようになっている。
【0176】現像ローラ203aは、アルミニウム、真
鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒状に
形成してなる現像スリーブが、そのローラ表面に回転自
在に装着されており、図示を省略した回転駆動機構によ
って時計回り方向に回転するように構成されている。
【0177】現像スリーブ内には、この現像スリーブの
表面上に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成するた
めの現像磁極、現像剤を現像領域へと搬送、或いは現像
剤を現像領域から搬出するための搬送磁極等の磁石が固
定状態で備えられている。
【0178】また、現像装置203には、現像ローラ2
03aの現像スリーブ上に担持された現像剤の搬送方
向、即ち、図7において時計回り方向における前記現像
領域の上流側部分には、現像ローラ203a上の現像剤
の量を規制するためのドクタブレード203bが設置さ
れている。
【0179】さらに、現像装置203には、現像ローラ
203aの後方領域に、現像ケーシング内の現像剤を撹
拌させながら、この現像剤を現像ローラ203a側に汲
み上げるための攪拌スクリュー203c,203dが設
置されている。
【0180】『トナー』現像剤のトナーは、後述するよ
うに、エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの外側
から補給されるので、エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kの使用期間を通じて耐久性を持つ必要はない。
従って、本実施の形態のトナーとしては、2成分現像方
式に適した全てのトナーを用いることができる。
【0181】『キャリア』本実施の形態においては、磁
性体よりなる芯材表面に、ソフトセグメントとハードセ
グメントからなるコート層を設けたキャリアが用いられ
る。
【0182】このキャリアは、本出願人の研究の結果、
弾性を有する耐摩耗性のコート層が得られ、この結果、
現像剤を摩擦帯電させるための攪拌時に、トナーとの摩
擦或いはキャリア同士の摩擦によるコート層への強い衝
撃を伴う接触を吸収できることが見出されている。
【0183】従って、上述のような構成のキャリアを使
用することによって、このキャリアへのトナースペント
を抑制することが可能となるとともに、このキャリア表
面の膜削れも防止することが可能となり、キャリアの耐
久性の改善効果が顕著となる。
【0184】ここで、ソフトセグメントとは、キャリア
のコート層内の軟質相或いは柔軟性成分をいい、衝撃を
吸収する作用を有している。
【0185】また、ハードセグメントとは、硬質相或い
は分子拘束成分であり、キャリアを補強する効果を有し
ている。
【0186】ソフトセグメントとハードセグメントから
なるコート層を設ける方法としては、例えば、アクリル
樹脂等の熱可塑性樹脂をアミノ樹脂等で架橋する方法を
挙げることができる。ここで用いる熱可塑性樹脂として
は、公知の全ての熱可塑性樹脂を用いることが可能であ
る。アミノ樹脂としてはグアナミン樹脂、メラミン樹脂
を使用することができる。
【0187】以下、本実施の形態では、熱可塑性樹脂と
してアクリル樹脂、アミノ樹脂としてグアナミン樹脂使
用した場合について説明する。
【0188】ここで用いるアクリル樹脂は、全てのアク
リル樹脂を用いることが可能であるが、Tgが20〜1
00℃、好ましくは25〜80℃であるものを用いるの
が良い。つまり、Tgが20℃以下の場合には、常温に
おいてもブロッキングが発生するため保存性が悪く好ま
しくない。一方、Tgが100℃以上の場合には、コー
ト層樹脂が硬過ぎる状態となって弾性が得られなくなる
ため、衝撃を吸収できなくなり十分な改善効果が得られ
ない。
【0189】また、グアナミン樹脂の含有量を、20〜
50重量%の範囲で増減するようにすることで、コート
層の樹脂の弾性の調整が可能となる。つまり、グアナミ
ン樹脂の含有量が20重量%以下の場合には、アクリル
樹脂との十分な架橋反応が生じないため、耐摩耗性の改
善効果が得られない。一方、50重量%以上の場合に
は、アクリル樹脂との架橋反応が進み過ぎて、コート膜
樹脂が硬化し過ぎる状態となって弾性が得られなくなる
ため、衝撃を吸収できなくなり十分な改善効果が得られ
ない。
【0190】更に、キャリアには、帯電調節剤としての
芳香族スルフォン酸又は隣酸のどちらかを使用するよう
にしてもよい。これにより、グアナミン樹脂との架橋反
応が好ましい状態となり、キャリアの帯電の調節効果が
顕著となる。帯電調節剤としては、ここで挙げたもの以
外に、カーボンブラック或いは酸性触媒を単独又は併用
して用いることも可能である。
【0191】カーボンブラックは、キャリア或いはトナ
ー用として一般的に使われているもの全てを用いること
ができる。また、酸性触媒は、触媒作用を持つ全てのも
のを用いることができる。例えば、完全アルキル化型、
メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型
等の反応性基を有するものであるが、これらに限るもの
ではない。更に、カーボンブラックは、抵抗調節剤とし
ての目的で用いることも可能である。
【0192】また、帯電調節剤の含有量は、グアナミン
樹脂に対し10重量%以下とすることで、改善効果が顕
著となる。つまり、帯電調節剤が10重量%以上の場合
には、グアナミン樹脂との反応が進み過ぎるため、グア
ナミン樹脂とアクリル樹脂との十分な架橋反応が生じな
くなり、耐摩耗性の改善効果が十分得られない。
【0193】さらに、キャリアの製造過程において、上
述のような諸条件を満足させることで顕著な改善効果を
得ることができる。具体的には、キャリアの製造過程で
帯電調節剤を含有させることで、樹脂との架橋反応が促
進されるため、製造時の凝集の発生を抑えることが可能
となり、凝集性の弱いキャリアが得られ、解砕が容易に
なるとともに歩留りも向上する。但し、先にも述べたと
おり、帯電調節剤の含有量はグアナミン樹脂に対し10
重量%以下の範囲である必要がある。この帯電調節剤が
10重量%以上の場合には、グアナミン樹脂との反応が
進み過ぎるため、グアナミン樹脂とアクリル樹脂との十
分な架橋反応が生じなくなり、耐摩耗性の改善効果が十
分得られないという問題が生じる。
【0194】更に、キャリアの1次粒子径又は2次粒子
径が、そのコート層の厚みより大きい粒子をコート層に
含有させるようにしてもよい。このような構成のキャリ
アは、その被覆膜に比べ粒子の方が凸となるため、現像
剤を摩擦帯電させるための攪拌により、トナーとの摩擦
或いはキャリア同士の摩擦で、被覆樹脂への強い衝撃を
伴う接触を緩和することができる。
【0195】これにより、キャリアへのトナーのスペン
トを防止することが可能となるとともに、帯電発生箇所
である被覆樹脂の膜削れも防止することが可能となり、
改善効果が顕著となる。ここで、粒子がコート層厚より
も小さい場合には、この粒子が被覆樹脂中に埋もれてし
まうため、効果が著しく低下する。また、粒子がコート
層厚の10倍よりも大きい場合には、粒子と被覆樹脂と
の接触面積が少なくなるため充分な接着力が得られず、
粒子が容易に脱離してしまう。
【0196】また、粒子の含有量は、被覆樹脂に対して
20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%がよ
い。つまり、この粒子の含有量が20重量%よりも少な
い場合には、キャリア表面での被覆樹脂の占める割合に
比べ、粒子の占める割合が少ないため、被覆樹脂への強
い衝撃を伴う接触を緩和する効果が充分に得られない。
また、この粒子の含有量が80重量%よりも多い場合に
は、キャリア表面での被覆樹脂の占める割合に比べ、粒
子の占める割合が多すぎるため、帯電発生箇所である被
覆樹脂の占める割合が不充分となり、充分な帯電能力が
得られない。
【0197】更に、ここで用いる粒子としては、例え
ば、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウ
ム、酸化鉄、硫酸バリウム等を用いることで、顕著な改
善効果を得られるが、これらに限るものではない。
【0198】また、本実施の形態のキャリアとしては、
粒子の表面を低電気抵抗物質により被覆処理したものを
用いることができる。このキャリアは、粒子表面が低電
気抵抗であるので、過度なトナー帯電が抑制され、接触
領域の帯電電荷が無接触のキャリア表面に移動し易く、
電荷交換性、帯電スピードの向上に寄与し、キャリア表
面にトナー等が多少付着しても、帯電量の著しい低下を
招くことはなく、改善効果が顕著となる。
【0199】[キャリアの具体例]本実施の形態のキャ
リアとしては、特に、以下のような条件を備えているこ
とが望ましい。もちろん、本実施の形態のキャリアは、
この条件を備えたキャリアにのみに限定されるものでは
ない。
【0200】本実施の形態のキャリアとしては、例え
ば、アクリル樹脂溶液:167部[固形分50重量%
(ヒタロイド3001:日立化成社製)]、グアナミン
樹脂溶液:19部[固形分77重量%(マイコート10
6:三井サイテック社製)]、帯電調節剤溶液:4.5
部[固形分40重量%(キャタリスト4040:三井サ
イテック社製)]、トルエン:400部、ブチルセロソ
ルブ:400部をホモミキサーで10分間分散し、樹脂
被覆形成液を調合した。また、芯材として焼成フェライ
ト粉[F−300:平均粒径;50μm(パウダーテッ
ク社製)]を用い、樹脂溶液を芯材表面に膜厚0.15
μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により
塗布し乾燥した。このようにして得たキャリアを電気炉
中にて150℃で1時間放置して焼成した。そして、冷
却後、目開き100μmの篩を用いて解砕しキャリアと
した。
【0201】[キャリアの他の例]ソフトセグメントと
ハードセグメントからなるコート層としては、被覆樹脂
の主成分が官能基(ただし、Si(OR)基、(R
は、水素原子、低級アルキル基又はアシル基を表す)を
除く)を有する有機化合物(A)、この有機化合物
(A)が有する官能基と反応し得る官能基及びSi(O
)基(Rは前記と同じ意味)を有する化合物
(B)及び/又はその加水分解縮合物、下記の一般式で
示される有機ケイ素化合物(C)及び/又はその加水分
解縮合物から生成される樹脂であってもよい。この場
合、(A)がソフトセグメント、(C)がハードセグメ
ントとなり、(B)がバインダーとして機能する。
【0202】Si(OR (この一般式中、Rは、同一又は異なっていてもよ
く、水素原子、低級アルキル基又はアシル基を表す)
【0203】『クリーニング装置204』このクリーニ
ング装置204は、転写紙やOHPシートなどの転写媒
体、或いは中間転写体等に、感光体109上に形成され
たトナー像を転写した後、感光体109上に残った残留
トナーを除去するための装置である。
【0204】このクリーニング装置204は、例えば、
図7に示すように、感光体109上の残留トナーを削り
取るためのクリーニングブレード204aと、クリーニ
ングブレード204aにより削り取った残留トナーを、
エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの外部に配設
されている図示しない廃トナー格納手段としての廃トナ
ー容器内に、廃トナーとして排出するための廃トナー搬
出スクリュー204bとを有している。
【0205】『エンジンユニット2C,2M,2Y,2
Kの動作』次に、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kの動作について説明する。
【0206】図6及び図7において、感光体109は、
画像形成時に反時計方向に回転を続ける。まず、帯電装
置202に対して所定のバイアスが電源(図示せず)か
ら印加される。これにより、感光体109の表面が、約
−600[V]の電位で一様に負帯電される。
【0207】次いで、このようにして帯電された感光体
109に対して、この感光体109と同じ筐体114上
に保持されている光走査装置100における各半導体レ
ーザから書き込み光が照射される。これにより、感光体
109の電荷発生層109eで正孔が発生し、発生した
正孔が、電荷輸送層109f、及び粒子状物質含有表面
層109dを通り、感光体109表面に到達する。
【0208】そして、正孔が感光体109表面に到達す
ると、正孔が到達した部分の帯電電位が、正孔の作用に
よって−100[V]程度に上昇し、この結果、感光体
109上に書き込み光に応じた静電潜像が形成される。
つまり、本実施の形態では、感光体109の表面の書き
込み光が照射された部分の静電潜像が画像部になり、そ
れ以外の部分が非画像部となる。
【0209】一方、現像装置203においては、その現
像スリーブの回転及び搬送磁極の作用により、2成分現
像剤が現像ローラ203a上に汲み上げられる。そし
て、現像ローラ203a上に汲み上げられた2成分現像
剤は、ドクタブレード203bによって、その層厚を規
制されて感光体109と現像装置203との対向部であ
る現像領域に搬送される。
【0210】ここで、現像剤を構成するキャリアは、現
像ローラ203a内部の現像磁極から発せられる磁力線
に沿うようにして、現像スリーブ上にチェーン状に穂立
ちされるとともに、このチェーン状に穂立ちされたキャ
リアに対して帯電トナーが付着されて磁気ブラシが形成
される。
【0211】形成された磁気ブラシは、現像スリーブの
回転移送にともなって現像スリーブと同方向、即ち時計
回り方向に移送されることとなる。
【0212】一方、現像領域から搬出された2成分現像
剤は、現像装置203のケーシング内において、攪拌ス
クリュー203c及び203dによって再び攪拌され、
2成分現像剤のトナーとキャリアが接触されることによ
り適切に帯電される。
【0213】ここで、本実施の形態のキャリアは、上述
したようにソフトセグメントとハードセグメントからな
るコート層を設けたキャリアであるので、トナーとの接
触やキャリア同士の接触によってコート層が剥がれるこ
とが防止される。
【0214】従って、本実施の形態のキャリアは、その
コート層が剥がれにくく、トナースペントが起こりにく
い。これにより、キャリアは長期に亘り帯電特性を保つ
ことができ、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2
Kの長寿命化が図れる。
【0215】上述のようにして形成された静電潜像は、
感光体109と現像装置203との対向部である現像領
域に到達することによって、穂立ちさせられた磁気ブラ
シが感光体109に接触する。
【0216】ここで、現像装置203の現像ローラ20
3aには、静電潜像の画像部の電位値と非画像部の電位
値の中間となる電位値が電源(図示せず)により印加さ
れている。これにより、磁気ブラシに含まれる負帯電ト
ナーは、静電潜像の画像部に引き寄せられて、非画像部
から離される。この結果、静電潜像の画像部にのみトナ
ーが付着しトナー像が形成される。
【0217】なお、現像ローラ203aに印可する電圧
としては交番電圧を採用することもできる。
【0218】このようにして形成されたトナー像は、感
光体109と中間転写ベルト8との接触部において、中
間転写ベルト8上に転写される。このとき、中間転写ベ
ルト8上に転写されずに感光体109上に残留した残留
トナーは、所定の圧力で感光体109に接触しているク
リーニング装置204のクリーニングブレード204a
によって物理的に削り取られる。
【0219】このクリーニングブレード204aによっ
て削り取られた残留トナーは、クリーニングブレード2
04aから剥離されて、クリーニング装置204のケー
シング内に一旦収容される。その後、ケーシング内に一
旦収容された残留トナーは、廃トナー搬出スクリュー2
04bにより、各エンジンユニットエンジンユニット2
C,2M,2Y,2Kの外部に配設されている廃トナー
容器内に廃トナーとして排出される。
【0220】ここで、本実施の形態の感光体109は、
その表面に粒子状物質含有表面層109dを有している
ので、クリーニングブレード204aによって残留トナ
ーが削り取られる際に、感光体109が磨耗する程度を
調節することができる。従って、感光体109の磨耗の
度合いを低減させることが可能になり、各エンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kの長寿命化を図ることがで
きるようになる。
【0221】『長寿命エンジンユニット』以上に説明し
たように、本実施の形態のエンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kは様々な長寿命化のための工夫が凝らさ
れている。これにより、このエンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kを用いた画像形成装置においては、エン
ジンユニット2C,2M,2Y,2Kの寿命を、画像形
成装置本体(画像形成装置からエンジンユニット2C,
2M,2Y,2Kを除いた部分を指す。以下同じ)の寿
命や、画像形成装置のレンタル期間や使用期間よりも長
くすることが可能となる。
【0222】従って、例えば、画像形成装置を使用する
間に、一度もエンジンユニット2C,2M,2Y,2K
を交換する必要がない画像形成装置を提供することが可
能になる。これにより、画像形成装置の各作像手段を交
換するためのメンテナンスの必要回数を減少できるとと
もに、画像形成装置のランニングコストの低減を図るこ
とができ、ユーザ及びサービスマンの双方にとって大き
なメリットとなる。
【0223】ところで、前述したプロセスカートリッジ
形態の作像ユニットは、ユーザによる定期的な交換が必
要であり、その交換等により不要になった場合に、その
取り扱いがユーザの手に委ねられてしまう。このため、
プロセスカートリッジは、廃棄品としてメーカが責任を
持って回収したり、確実にリサイクル過程に乗せたりす
ることが難しく、資源消費や環境汚染等の自然環境に与
える負荷の低減を図る上で難点が残されている。
【0224】これに対し、本実施の形態のエンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kは、画像形成装置よりも長
寿命であるので、エンジンユニット2C,2M,2Y,
2Kの定期的な交換が不要になり、各作像手段をユーザ
による交換が容易なプロセスカートリッジ形態とする必
要がなくなる。
【0225】そこで、エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kを画像形成装置本体に工具を使用して固定する
構成として、この工具を所有しているサービスマンのみ
がエンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの取付け・
取外しを行うことができるようにする。
【0226】これにより、プロセスカートリッジの場合
のように廃棄処分やリサイクルなどの作業をユーザに委
ねることなく、使用しなくなったエンジンユニット2
C,2M,2Y,2Kを、メーカの手で確実に回収でき
るようになる。
【0227】この結果、エンジンユニット2C,2M,
2Y,2Kを、中古品として再利用したり、リサイクル
過程に確実に乗せたりするため作業を、メーカ側で確実
に行うことができるようになり、環境への負荷低減を着
実に促進させることができる。このように、使用しなく
なったエンジンユニット2C,2M,2Y,2Kは、メ
ーカが回収できるようにすることが望ましい。
【0228】また、使用しなくなったエンジンユニット
2C,2M,2Y,2Kをメーカが回収することで、慣
れないユーザが感光体109等の各作像手段に誤って触
れることにより生じる各作像手段及びユーザの汚染や損
傷も防止でき、品質保証と共にユーザの負荷も低減でき
る。
【0229】さらに、エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kをメーカでのみ取付け・取外し可能な形態とす
ることは、品質保証の点でも意義がある。即ち、ユーザ
による取付け・取外しを基本とする形態では、エンジン
ユニット2C,2M,2Y,2Kを取付けるたびに微妙
な取付け誤差が発生する可能性が高いが、メーカの専門
家による取付けを行えばこの誤差を低減若しくはなくす
ことが可能である。特に、エンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kが画像形成装置に対してしっかりと固定
されている程、その取付け誤差を低減できる。
【0230】例えば、光走査装置に関しては元々ユーザ
メンテナンスに適しておらず、画像形成装置本体内に固
定的に組付けられるが、感光体109と一体化させた本
実施の形態においても光走査装置100を基本的には画
像形成装置本体内に固定的に組付ける構造とし、サービ
スマン等のメーカの専門家のみがその取り外しを行える
ようにしているので、光走査装置100として維持され
ている走査光学系と感光体109との位置決め精度を維
持させることができる。
【0231】また、本実施の形態のエンジンユニット2
C,2M,2Y,2Kはユニット化されているので、画
像形成装置からエンジンユニット2C,2M,2Y,2
Kのみを取り出して中古品として販売したり、リサイク
ル過程に乗せたりする場合に容易に扱うことができる。
【0232】さらに、このようにユニット化した他の効
果としては、エンジンユニット2C,2M,2Y,2K
に不測の故障が発生し、画像形成装置本体の寿命が尽き
るよりも早くエンジンユニット2C,2M,2Y,2K
を交換する必要が生じた場合にサービスマンが容易に交
換可能であることである。
【0233】また、転写定着ユニットは、その定着装置
7等に記録紙が絡まって紙詰まりを起こした場合に、こ
のジャム紙を取り除くことが可能なように、中間転写ベ
ルト8から記録紙にトナー像が写される部分と、定着装
置7から記録紙が排出される部分の間の長さが、使用可
能な記録紙の搬送方向の幅よりも短くなっている。
【0234】『長寿命エンジンユニットの固定機構、及
び、取付け取外し機構』以下に、エンジンユニット2
C,2M,2Y,2Kを画像形成装置本体に固定するた
めの機構について説明する。
【0235】図9に、画像形成装置1の前面に設けられ
ている扉1aを開いた状態を示す。この扉1aは、各エ
ンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの交換や、記録
紙のジャムなどを修復するために設けられているもので
ある。
【0236】図9において、扉1aを開くと、4つの各
エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kが、図示のよ
うに並んだ状態で露呈される。
【0237】各エンジンユニット2C,2M,2Y,2
Kは、図10に示すように、支持部材11によって支持
されることにより、4つの各エンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kと支持部材11とが一体に取付け取外し
できる構成となっている。
【0238】また、支持部材11の両端には、2つのね
じ穴11aが設けられている。これらのねじ穴11aに
2つのねじ11bが挿入され、且つ、各ねじ11bが画
像形成装置本体の前面にある各ねじ穴1bに螺合される
ことによって、支持部材11が画像形成装置本体の前面
に固定されるようになっている。
【0239】ここで使用されるねじ11bは、一般的に
使用されているプラスねじや、マイナスねじではなく、
例えば、図11示すように、そのドライバー穴がS字状
の曲線形状に形成されている。即ち、ねじ11bは、例
えば、メーカの信託を受けたサービスマンのみが所持を
許可されているねじ11bに対応した特殊なドライバー
を用いたときのみ着脱可能で、それ以外の市販の通常の
ドライバーでは取付けたり取外したりすることができな
いように形成されている。
【0240】次に、支持部材11の構成について説明す
る。図12に、支持部材11を画像形成装置1の前方向
から見た概略正面図、図13に、支持部材11を画像形
成装置1の上方向から見た平面図を示す。図12、図1
3に示すように、支持部材11は、各エンジンユニット
2C,2M,2Y,2Kの両側を支持する形状に形成さ
れている。これにより、画像形成時には支持部材11に
支持された状態のまま感光体109を、中間転写ベルト
8に接触させることが可能となる。
【0241】また、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kの取外し時には、図14に示すように、4つの
各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kと支持部材
11とが一体に画像形成装置本体から取り外される。こ
のように、本実施の形態の各エンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kは、支持部材11を引き出すことで、各
エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kを画像形成装
置本体から同時に取り外すことができる構成となってい
る。この構成の詳細について以下に説明する。
【0242】図15に、各エンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kの内部構造を示す。図15において、各
エンジンユニット2C,2M,2Y,2K内の各作像手
段を駆動するための駆動力は、画像形成装置本体に設け
られたモータ(図示せず)から、感光体109の回転軸
の端部に設けられた歯車206を介して伝達される。
【0243】歯車206を介して回転する感光体109
から他の各作像手段への駆動伝達は、感光体109の他
端部に形成された歯車が、他の作像手段である帯電装置
202、現像ローラ203a、攪拌スクリュー203
c、203d、廃トナー搬出スクリュー204bの端部
に設けられた歯車と、図15のH領域において直接噛み
合うことで行われる。
【0244】図16に、画像形成装置の前面上方向から
見た各エンジンユニット2K(2C,2M,2Y)の概
略斜視図、図17に、画像形成装置の背面下方向から見
た各エンジンユニット2K(2C,2M,2Y9の概略
斜視図を示す。
【0245】図16及び図17から明らかなように、各
エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kは、画像形成
装置の前面方向から見た場合に、各作像手段及びの駆動
伝達手段とも外部には現れないように構成されている。
【0246】一方、画像形成装置の後方向から見た場合
には、歯車206と、後述する弾性部材205及びシャ
ッター機構207のみが現れるように構成されている。
【0247】即ち、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kは、画像形成装置本体に取付ける際に、歯車2
06、弾性部材205、シャッター機構207を介し
て、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kを画像
形成装置本体に対して連結することで、画像形成が可能
となるように構成されている。
【0248】図18(a)、(b)、(c)に、歯車2
06、弾性部材205、シャッター機構207を介し
て、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kを画像
形成装置本体に対して連結する機構を示す。
【0249】図18(a)、(b)は、各エンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kを画像形成装置の側面から
見た概略断面図である。図18(c)は、各エンジンユ
ニット2C,2M,2Y,2Kの概略正面図である。な
お、図18(a)、(c)は、各エンジンユニット2
C,2M,2Y,2Kの概略断面と概略正面との対応を
示すために横に並べて描かれている。
【0250】図18(a)、(b)において、弾性部材
205は切り込みの入ったゴム部材で構成されている。
この弾性部材205を通して、現像装置203のケーシ
ング内にトナーを導入するためのパイプ609が、各エ
ンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの内部に挿入さ
れる。
【0251】ここで、パイプ609が、各エンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kの内部に挿入されている状
態では、弾性部材205が各エンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kの内側に開く。また、弾性部材205
は、パイプ609が各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kの内部に挿入されていない状態でパイプ609
の挿入路を塞いで、エンジンユニット2C,2M,2
Y,2K内部の現像装置203のケーシング内に収容さ
れているトナーが外部に漏れ出さないようにするための
弁の役割を果たす。
【0252】このように、トナーを各エンジンユニット
2C,2M,2Y,2Kの外部から供給する構成とする
ことによって、トナー補給だけのために、各エンジンユ
ニット2C,2M,2Y,2Kを画像形成装置本体から
取外す必要がなくなる。従って、このように、トナーを
外部から供給する構成とすることは、各エンジンユニッ
ト2C,2M,2Y,2Kを長期にわたり使いつづける
ために好ましい。
【0253】また、シャッター機構207は、L字型部
材207aと、付勢ばね207bとで構成されている。
【0254】ここで、各エンジンユニット2C,2M,
2Y,2Kが画像形成装置に取付けられている場合に
は、図18(a)に示すように、L字型部材207aが
付勢ばね207bの弾力に抗して図の右方側に移動す
る。これにより、前述した廃トナー搬出スクリュー20
4bによって廃トナーを各エンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kの外部に排出するための取り出し口が開
放される。
【0255】一方、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kが画像形成装置から取外されている場合には、
図18(b)に示すように、L字型部材207aが付勢
ばね207bの弾力により図の左方側に移動する。これ
により、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kか
ら廃トナーがこぼれないように、廃トナーの取り出し口
が塞がれる。
【0256】このように、廃トナーを各エンジンユニッ
ト2C,2M,2Y,2Kの外部に排出するように構成
することで、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2
Kの内部に廃トナーが蓄積されることがなくなる。従っ
て、廃トナーの取り出しだけのために、各エンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kを画像形成装置本体から取
外す必要がなく、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kを長期に亘り使い続けることができるようにな
る。
【0257】ここで、廃トナー格納部を各エンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kの内部に設けることも可能
であるが、このような構成では、長寿命化したエンジン
ユニット2C,2M,2Y,2Kを使い続けるようにす
るために、巨大な廃トナー格納部が必要となり、各エン
ジンユニット2C,2M,2Y,2Kの大型化を招き好
ましくない。
【0258】なお、廃トナーを各エンジンユニット2
C,2M,2Y,2Kの外部に排出する機構を設けず
に、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kを大型
化させることなく廃トナーを取り出す他の方法として
は、感光体109上のトナー像を100%転写する技術
の開発や、残留トナーを現像装置203に再吸収する技
術の開発などが考えられる。
【0259】図18(a)に示す状態では、各エンジン
ユニット2C,2M,2Y,2Kが画像形成装置本体に
取付けられて、画像形成可能な状態となっている。
【0260】この状態では、各エンジンユニット2C,
2M,2Y,2K側に設けられている歯車206が、画
像形成装置本体側に設けられている駆動歯車12aと直
接噛み合う。これによって、画像形成装置本体に設けら
れたモータ(図示せず)の駆動力を、駆動歯車12aを
介して、各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの
歯車206に伝達できるようになる。
【0261】また、状態では、パイプ609が、弾性部
材205を内側に開きつつ各エンジンユニット2C,2
M,2Y,2Kの内部に挿入されており、後述するトナ
ー供給機構によってトナーの供給が可能になっている。
【0262】さらに、この状態では、L字型部材207
aが、画像形成装置本体に設けられた凸部12bによっ
て、付勢ばね207bを圧縮する方向に移動され、廃ト
ナーの取出し口が開放されている。これにより、廃トナ
ーを廃トナー格納部に排出できるようになっている。
【0263】0 一方、図18(b)に示す状態では、
各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kが画像形成
装置本体から取外されて、画像形成が不可能な状態とな
っている。このとき、各エンジンユニットの歯車206
は、駆動歯車12aと噛み合っておらず、画像形成装置
本体に設けられたモータ(図示せず)の駆動力が伝達さ
れないようになっている。
【0264】また、この状態では、パイプ609が各エ
ンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの内部に挿入さ
れておらず、弾性部材205が閉じて、各エンジンユニ
ット2C,2M,2Y,2Kからトナーが漏れ出さない
ようになっている。さらに、この状態では、上述したよ
うに、L字型部材207aが付勢ばね207bの弾力に
より、廃トナーの取出し口を閉鎖する方向に移動されて
いる。これにより各各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kからの廃トナーの流出が防止されている。
【0265】本実施の形態の各エンジンユニット2C,
2M,2Y,2Kは、上述のような構成により、支持部
材11を画像形成装置から引き出すことで、簡易に各エ
ンジンユニット2C,2M,2Y,2Kと画像形成装置
本体とを離脱させることが可能となる。
【0266】また、支持部材11を画像形成装置に押し
込むことで、簡易に各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kと画像形成装置本体とを連結させることができ
る。
【0267】従って、各エンジンユニット2C,2M,
2Y,2Kを画像形成装置から取外す際には、固定手段
としての各ねじ11bを取外す他は、一切の作業をする
必要がないなど操作性が良好となる。
【0268】また、補給用のトナーは各エンジンユニッ
ト2C,2M,2Y,2Kの外部から供給され、廃トナ
ーは各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの外部
に排出されるので、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kが寿命を迎える前に、エンジンユニット2C,
2M,2Y,2Kの内部のトナーが尽きたり、エンジン
ユニット2C,2M,2Y,2Kの内部に廃トナーが充
満して使用不能となることがない。
【0269】図19に、本実施の形態の画像形成装置に
おける各エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kの取
付け取外しの概念図を示す。
【0270】図19において、支持部材11及び各エン
ジンユニット2C,2M,2Y,2Kに持ち手等を設け
ると、各エンジンユニット2C、2M、2Yの着脱時の
操作性がさらに簡便となる。
【0271】『トナー供給手段』次に、図20及び図2
1を用いて、本実施の形態の画像形成装置に採用される
トナー供給装置6K(6C、6M、6Y)について説明
する。
【0272】本実施の形態の画像形成装置は、特開20
00−227706に示されたトナー供給機構を採用し
ている。本実施の形態の画像形成装置に採用されるトナ
ー供給装置6K(6C、6M、6Y)は、現像装置20
3にトナーを供給するための装置である。
【0273】このトナー供給装置6K(6C、6M、6
Y)は、図20に示すトナー格納容器601、トナー格
納容器601からトナーを排出する機構、図21に示す
現像装置203にトナーを供給するためのパイプ60
9、トナー格納容器601のトナー排出部608とパイ
プ609とをつなぐトナー搬送チューブ(図示せず)な
どで構成されている。
【0274】図20において、トナー格納容器601は
補給用のトナー602を格納するための容器であり、下
部へ向かうほど横幅が狭くなるような台形形状に形成さ
れている。このトナー格納容器601は密閉構造をな
し、その底面には発泡スポンジ等の弾性体で作られた弁
体601aと、弁体601aを固定するための固定部材
601bとで構成されたシール弁が設けられている。
【0275】弁体601aには十字状の貫通したスリッ
トが設けられており、ノズル604を601の内部に挿
入することが可能となっている。トナー交換の際には、
弁体601a及び固定部材601bを含むトナー格納容
器601が、トナーカートリッジとして、画像形成装置
に対して着脱される。
【0276】また、トナー格納容器601のシール弁以
外の部分は紙でできており、使用後には折り畳むことに
より回収流通コストの低減を図ることが可能である。本
実施の形態のトナー格納容器601は、画像形成装置上
部に設けられた扉(図示せず)を開けることで上方から
交換可能に構成されている。
【0277】トナー格納容器601は、支持枠603に
セットされる。このトナー格納容器601がセットされ
た状態においては、ノズル604の一端がトナー格納容
器601に挿入されており、ノズル604の突端部60
4a、空気流入口604d、トナー排出口604bが弁
体601aの上部に頭を出している。
【0278】一方、ノズル604の他端は、一軸偏芯ス
クリューポンプ606の吸い込み口へと接続されてい
る。このスクリューポンプ606は、偏芯したスクリュ
ー形状に作られた剛体のロータ606aと、ゴム等の弾
性体で作られた2条スクリュー形状に作られ、固定され
て設置されるステータ606cとを有している。ロータ
606aはモータ(図示せず)から駆動力を受けて回転
する駆動軸606bを介して回転駆動される。
【0279】また、エアーポンプ605aは空気接続口
605bを通じて空気通路と接続されている。
【0280】このような構成のトナー供給装置6による
トナー供給は、次のように行われる。まず、現像装置2
03の一部に設けられた透磁率検出器(図示せず)に基
づいてトナーとキャリアの混合比の変化が検知される。
ここで、トナー供給の必要が判断されると、空気接続口
605b、空気用通路604cを介して、空気流入口6
04dからトナー格納容器601内部へとエアーポンプ
605a内の空気が送りこまれる。このとき、同時に一
軸偏芯スクリューポンプ606内のロータ606aも回
転駆動を始め、一軸偏芯スクリューポンプ606に強い
自吸力が生じる。
【0281】次いで、エアーポンプ605aから送られ
た空気流により流動化されたトナー格納容器601内の
トナーは、空気圧及び一軸偏芯スクリューポンプ606
の吸引力等により、トナー排出口604bを介して、ト
ナー格納容器601外に排出される、その後、一軸偏芯
スクリューポンプ606に吸引され、排出口608及び
上述のトナー搬送チューブ(図示せず)を経て、パイプ
609,現像装置203へと送られる。このとき、図2
1に示すように、パイプ609の一部には空気フィルタ
が設けられ、トナーと空気流の混合気中の空気のみをパ
イプ609から脱気し、現像装置203からのトナー飛
散を防止している。
【0282】本実施の形態のトナー供給装置6K(6
C,6M,6Y)で用いた一軸偏芯スクリューポンプ6
06は、高い固気比で連続定量移送が可能であり、駆動
軸606bの回転数に比例した正確なトナーの移送量が
得られる。従って、トナーの移送量の制御はスクリュー
ポンプの駆動時間を制御することで簡易かつ正確に行う
ことができる。
【0283】一方、前述したように、本実施の形態の各
エンジンユニット2C,2M,2Y,2Kは、従来寿命
が短かった感光体109及びキャリアの長寿命化が図ら
れているので、エンジンユニット2C,2M,2Y,2
Kの全体としても長寿命となり、ランニングコストが低
減できる。
【0284】また、各エンジンユニット2C,2M,2
Y,2Kが、画像形成装置に各ねじ11bを用いて固定
されていることにより、メーカが各エンジンユニット2
C,2M,2Y,2Kを確実に回収することができ、環
境負荷の低減が図れると共に、位置精度を向上させるこ
とができるなど品質保証の点でも優れている。
【0285】なお、本実施の形態では、光走査装置10
0(感光体109を含む)の他、帯電装置202、現像
装置203、クリーニング装置204等も一体にユニッ
トかされているエンジンユニット2C,2M,2Y,2
Kに関して、専用の工具を使用しないと取り外し不可能
な構造で画像形成装置本体に組付けるようにした場合へ
の適用例で説明したが、帯電装置202、現像装置20
3、クリーニング装置204等のプロセス装置が一体に
ユニット化されていない場合にも同様に適用することが
出来る。即ち、本発明では、最低限光走査装置100
(感光体109を含む)がユニット化されている場合を
想定しているものである。この場合でも、感光体109
と一体化させた光走査装置100を基本的に画像形成装
置本体内に固定的に組付ける構造とし、サービスマン等
のメーカの専門家のみがその取り外しを行えるようにし
ているので、光走査装置100として維持されている走
査光学系と感光体109との位置決め精度を極力維持さ
せることができる上に、部品の確実な回収が可能とな
り、リサイクル過程に簡易に乗せることができる。
【0286】なお、工具を使用しないと取り外しできな
い組付け構造としては、本実施の形態に例示したものに
限らず、各種構造を採り得ることはもちろんである。
【0287】また、本実施の形態の画像形成装置はカラ
ー画像形成装置への適用例として説明したが、単色の画
像形成装置であってもよいのはもちろんである。
【0288】さらに、これらの実施の形態では、光源と
して半導体レーザ101を使用した場合で説明したが、
半導体レーザに限らず、LED等を用いたものであって
もよい。さらには、単一光源の場合に限らず、複数の発
光点を持つ半導体レーザアレイ、複数個の半導体レーザ
を用いたもの、LEDアレイ等を用いることで、複数ラ
イン分を同時に書き込みを行うタイプであってもよい。
また、被走査媒体ないしは像担持体としての感光体も、
ドラム状のものに限らず、ベルト状のものであってもよ
い。
【0289】
【発明の効果】請求項1記載の発明の光走査装置によれ
ば、光源と偏向器と結像素子と被走査媒体とを同一の筐
体上に保持させるようにしたので、互いの配置公差も小
さくなり、ビームスポット径を要求される仕様内に収め
ることができる。
【0290】請求項2記載の発明の光走査装置によれ
ば、光源から出射された光束を偏向器により偏向させ、
偏向された光束を結像素子に基本的には請求項1記載の
発明と同様な効果が得られるが、光源と偏向器と結像素
子とが光走査ユニットとして構成したので、光走査ユニ
ット内で光学素子の位置調整が可能となり、光学素子個
々の加工誤差を吸収することもできる。即ち、高密度化
のためにビームスポット径が小径化していくと、書込み
光学系の光学素子の配置公差が厳しくなり、加工能力が
要求交差を満足できなくなり、書込み光学系内での調整
が必要となるが、光源と偏向器と結像素子とを被走査媒
体とは独立した光走査ユニットとして構成することによ
り、対応可能となる。
【0291】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の光走査装置において、筐体の加工能力が不十
分な場合や各部品の公差が積み上がり深度余裕を越えて
しまうような場合であっても、被走査媒体の組付け位置
の位置調整により要求仕様を満足するように対処でき
る。
【0292】請求項4記載の発明の画像形成装置によれ
ば、工具を使用しないと画像形成装置本体から被走査媒
体を像担持体とする請求項1,2又は3記載の光走査装
置による露光手段によるユニットを取り外すことができ
ないので、画像形成装置本体に対する当該ユニットの取
り外しはメーカのサービスマン等の専門家のみが行うこ
とが可能となり、ユーザ自身が行うことが困難となり、
これにより、当該画像形成装置の露光手段なるユニット
をメーカ側で回収することができるようになり、リサイ
クル工程に簡易に乗せることができる。
【0293】請求項5記載の発明の画像形成装置によれ
ば、工具を使用しないと画像形成装置本体からエンジン
ユニットを取り外すことができないので、画像形成装置
本体に対する当該エンジンユニットの取り外しはメーカ
のサービスマン等の専門家のみが行うことが可能とな
り、ユーザ自身が行うことが困難となり、これにより、
当該画像形成装置のエンジンユニットをメーカ側で回収
することができるようになり、リサイクル工程に簡易に
乗せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の光走査装置を示す
概略斜視図である。
【図2】光ビームのスポット径を30μm程度まで絞っ
た場合のビーム深度方向の変化に伴うビーム径の変化の
様子を示すグラフである。
【図3】本実施の形態の特徴的な構成を示す縦断側面図
である。
【図4】本発明の第二の実施の形態の光走査装置の特徴
的な構成を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の第三の実施の形態の光走査装置の特徴
的な構成部分のみを抽出して示す側面図である。
【図6】本発明の第四の実施の形態の画像形成装置の全
体的な構成を示す概略構成図である。
【図7】その画像形成装置の画像形成装置本体に搭載さ
れているエンジンユニットを拡大して示す概略構成図で
ある。
【図8】エンジンユニットに一体化されている感光体の
構成の一例を説明するための概略拡大断面図である。
【図9】エンジンユニットの前面に設けられている扉を
開いた状態を示す概略正面図である。
【図10】エンジンユニットの前面に設けられている扉
を開いて、エンジンユニットを画像形成装置本体に対し
て着脱する状態を示す概略斜視図である。
【図11】エンジンユニットを画像形成装置本体に対し
て固定するための支持部材の着脱に使用するねじの一例
を示す概略斜視図である。
【図12】画像形成装置の前方向から見た支持部材の概
略正面図である。
【図13】画像形成装置の上方向から見た支持部材の概
略平面図である。
【図14】エンジンユニットを画像形成装置本体から取
外した状態を示す概略平面図である。
【図15】各エンジンユニットの内部構造を示す概略平
面図である。
【図16】画像形成装置の前面上方向から見た各エンジ
ンユニット概略斜視図である。
【図17】画像形成装置の背面下方向から見た各エンジ
ンユニットの概略斜視図である。
【図18】(a)、(b)は、各エンジンユニットを画
像形成装置本体に対して連結する機構を画像形成装置の
側面から見た概略断面図、(c)は、各エンジンユニッ
トの概略正面図である。
【図19】画像形成装置からエンジンユニットを取外す
状態を示す概略斜視図である。
【図20】画像形成装置に採用されるトナー供給装置を
示す概略断面図である。
【図21】トナー供給装置と各エンジンユニットとの位
置関係を示す概略側面図である。
【図22】従来の光走査装置の構成例を示す縦断側面図
である。
【図23】感光体の正面図である。
【符号の説明】
2 エンジンユニット、ユニット 100 光走査装置 101 光源 105 偏向器 106,107 結像素子 109 感光体、像担持体、被走査媒体 114 筐体 117 光走査ユニット 118 筐体 202 帯電手段 203 現像手段 204 クリーニング手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 AA19 AA42 AA45 AA48 BA90 CB59 DA04 EA00 2H045 AA01 DA02 DA04 DA41 2H071 BA03 BA04 BA13 BA16 BA29 DA02 DA06 DA08 DA09 DA12 DA13 5C051 AA02 CA07 DB02 DB22 DB24 DB30 DB35 DC01 DC07 DD01 EA01 FA01 5C072 AA03 BA13 BA20 DA02 DA04 DA21 DA23 HA02 HA09 HA13 XA01 XA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射された光束を偏向器により
    偏向させ、偏向された光束を結像素子により光スポット
    として被走査媒体上を走査させる光走査装置において、 前記光源と前記偏向器と前記結像素子と前記被走査媒体
    とを同一の筐体上に保持させたことを特徴とする光走査
    装置。
  2. 【請求項2】 光源から出射された光束を偏向器により
    偏向させ、偏向された光束を結像素子により光スポット
    として被走査媒体上を走査させる光走査装置において、 前記光源と前記偏向器と前記結像素子とを備える光走査
    ユニットと、前記被走査媒体とを同一の筐体上に保持さ
    せたことを特徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記被走査媒体は前記筐体に対する組付
    け位置が調整自在に組付けられていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 被走査媒体を像担持体とする請求項1,
    2又は3記載の光走査装置による露光手段を一つのユニ
    ットとして画像形成装置本体内に工具を使用しないと取
    り外し不可能な構造で組付けられていることを特徴とす
    る画像形成装置。
  5. 【請求項5】 被走査媒体を像担持体とする請求項1,
    2又は3記載の光走査装置による露光手段と、前記像担
    持体を帯電させるための帯電手段、前記露光手段により
    形成された前記像担持体上の潜像を現像してトナー像を
    形成するための現像手段、前記像担持体上に形成された
    トナー像を記録媒体上に転写するための転写手段、転写
    後に前記像担持体上の残留トナーを除去するクリーニン
    グ手段、転写されたトナー像を前記記録媒体に定着する
    ための定着手段のうちの少なくとも一つのプロセス手段
    とを一つのエンジンユニットとして一体に構成し、画像
    形成装置本体内に工具を使用しないと取り外し不可能な
    構造で組付けられていることを特徴とする画像形成装
    置。
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Cited By (4)

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