JP2002277766A - 光変調素子の製造方法及び光変調素子 - Google Patents

光変調素子の製造方法及び光変調素子

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JP2002277766A
JP2002277766A JP2001076020A JP2001076020A JP2002277766A JP 2002277766 A JP2002277766 A JP 2002277766A JP 2001076020 A JP2001076020 A JP 2001076020A JP 2001076020 A JP2001076020 A JP 2001076020A JP 2002277766 A JP2002277766 A JP 2002277766A
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light modulation
light
conductive layer
cutting
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Kikuo Tanida
喜久雄 谷田
Hiroshi Nakatani
宏 中谷
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Murata Manufacturing Co Ltd
Sony Corp
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Murata Manufacturing Co Ltd
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質の安定化及び製造工程の簡素化が可能な
光変調素子の製造方法及び光変調素子を提供すること。 【解決手段】 基板4の導体箔9形成面に溝5を設け、
光反射面10と、外部電極(+)6及び外部電極(−)
7とこれに接続されたそれぞれの内部電極6a、7aと
が形成された圧電体ブロック1Aを溝5に嵌め込み、導
電性接着剤3を用いて圧電体ブロック1Aを基板4に接
着固定後に、圧電体ブロック1Aを切断可能な切り込み
深さで導体箔9と共に、圧電体ブロック1Aの長さ方向
と直交する方向に所定間隔で切断分割し、一方向一列に
配列されたピクセル2aを有する光変調素子2Aを形成
する。これにより性能特性が均一で分割後も光反射面1
0の向きや位置が変らないと共に、電極の配線が同時に
形成され、光変調素子を容易に作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば投影式映像
装置や電子写真方式のプリンター等の高速性能が要求さ
れるデバイスに好適な光変調素子の製造方法及び光変調
素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクターのデバイスはCRT(Ca
thode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)及
びDMD(Digital Micro Mirror Device)等が一般的で
あるが、これらはフレーム面を投影することで画像にし
ている。中でもLCDやDMDはピクセル数が多いので
製造方法が複雑になりコストアップにつながる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したC
RT等のデバイスにおいては、次のような問題がある。
【0004】CRT、液晶及びDMDにおける問題点: (1)、これらはフレーム映像用の面デバイスであるた
め、ピクセル数の増大で面欠点がで易く歩留が悪化し易
い。UXGA(Ultra Extended Graphics Array)以上
は限界。又、半導体の高度で高価な大型製造設備が必要
となる。 (2)、デバイス構造及び周辺回路(液晶駆動、高圧発
生垂直水平駆動)が複雑で高価である。 (3)、普及しているランプ光、演色性の良いレーザー
光を選択できるデバイスが少なく高価である。 (4)、CRTは重量が重く大型になり卓上プロジェク
ター等には向かない。又、衝撃に弱い。 (5)、CRTや液晶ではスクリーン上に色むらができ
易く色再現性の悪化につながる。 (6)、液晶は偏光子や検光子、又液晶自身で光透過率
が悪く発光効率が悪い。 (7)、CRTに比べ液晶でも高価であるがDMDはも
っと高価であり、大型映像機器の普及に際して価格がネ
ックである。 (8)、CRTや液晶の発光源である蛍光体又はランプ
はレーザー光より色度が狭い。 (9)、液晶、DMD及びGLV(Grating Light Valv
e)はデジタル駆動であるためデータ−量が少ないと階
調縞が現われる。 (10)、液晶やDMDでは格子縞及びその格子とのモ
ワレ縞が発生する。 (11)、デバイスでのアスペクト対応が難しく、レン
ズ補正では画歪みや画質劣化を伴う。 (12)、CRTは倍速対応やパーソナルコンピュータ
のモード切換え等で水平及び垂直偏向周波数を変える
と、水平偏向周波数が高圧値を変動させるため高圧制御
回路等に、又ビームの挿引速度の上昇のためCRTへの
R、G、Bの出力回路にも電力やコストが大幅にかか
る。 (13)、CRTは輝度アップのため発熱防止用に液冷
却が必要であり、重量増加の要因になる。
【0005】また、PLV(Piezoelectric Light Valu
e)素子はその電極を直接ミラー化するデバイスである
ため、従来その製造方法の事例がなく、類似の技術とし
ては所定寸法に切断したバイモルフを溝に差込み導電接
合物で固定する方法があるが、これは単にアクチュエー
タとして構成され、バイモルフの振動方向と導電接合物
の力の作用方向が同じであるため、導電接合物が歪んだ
りして圧電作用が軽減される欠点があった。(特開平1
0−215009号公報参照)
【0006】そこで本発明の目的は、反射光を好適に利
用して映像の如き投影対象物を良好に投影でき、かつ安
定した品質で容易に作製が可能な光変調素子の製造方法
及び光変調素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、光反射
面を有する複数の圧電体の変位により、これらの圧電体
の前記光反射面にて入射光が光変調されるように構成さ
れた光変調素子の製造方法であって、前記光反射面とこ
の光反射面を駆動する電極部とが設けられた単一の圧電
体ブロックを、前記電極部に接続される導電層を有する
基体に固定する工程と、この固定状態で前記圧電体ブロ
ックを個々の前記圧電体に分割すると共に、前記基体の
前記導電層を分割する工程とを有する、光変調素子の製
造方法(以下、本発明の製造方法と称する。)に係るも
のである。
【0008】本発明の製造方法によれば、光反射面とこ
の光反射面を駆動する電極部とが設けられた圧電体ブロ
ックを、前記電極部に接続される導電層を有する基体に
固定し、この固定状態でこの圧電体ブロックを個々の圧
電体に分割すると共に、基体の導電層も分割するので、
分割後も光反射面の向きや位置が変らず、性能特性が均
一で、一方向一列に配列された複数の圧電体と共に、個
々の圧電体の駆動電極に接続された配線が同時に形成さ
れ、容易に作製が可能な光変調素子の製造方法を提供す
ることができる。
【0009】また、本発明は、光反射面を有する複数の
圧電体の変位により、これらの圧電体の前記光反射面に
て入射光が光変調されるように構成された光変調素子で
あって、前記光反射面とこの光反射面を駆動する電極部
とがそれぞれ設けられた前記複数の圧電体が、前記電極
部に接続された対応した導電層を有する基体に一方向に
配列して固定されている、光変調素子(以下、本発明の
光変調素子と称する。)に係るものである。
【0010】本発明の光変調素子によれば、光反射面と
光反射面を駆動する電極部とがそれぞれ設けられた複数
の圧電体が、前記電極部に接続された対応した導電層を
有する基体に一方向に配列して固定されているので、上
記した本発明の製造方法により容易に製造することがで
き、本発明の製造方法による光変調素子と同様な効果が
奏せられる光変調素子を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記した本発明の製造方法及び光
変調素子においては、導電性接着剤を用いて前記圧電体
ブロックを前記基体の導電層形成面に接着固定後、前記
圧電体ブロックを前記接着剤及び前記導電層と共に切断
により分割することが望ましい。
【0012】この場合、前記基体の導電層形成面に溝を
設け、この溝に前記圧電体ブロックを嵌め入れ、この圧
電体ブロックの下端を前記溝の底部に接触させて前記固
定を行い、しかる後に切断することが望ましい。
【0013】また、前記切断時に、前記基体の前記導電
層の一部分を共通電極として残すことが望ましい。
【0014】更に、前記切断時に、カッターブレードの
幅寸法を前記圧電体ブロックの全てを切断可能に設定
し、前記基体はその強度が保持可能な厚さを残すことが
望ましい。
【0015】そして、前記切断により分割された前記基
体の前記導電層を信号配線として用いることが望まし
い。
【0016】また、前記圧電体ブロックの長さ方向に対
しその切断方向を傾斜させてもよく、前記傾斜した切断
後は、互いに隣接する圧電体同士を前記圧電体ブロック
の長さ方向と直交する方向において重複しないように配
置することが望ましい。
【0017】また、前記導電性接着剤を前記圧電体の変
位方向以外の側に配することが望ましい。
【0018】そして、前記切断前に、前記圧電体ブロッ
クの前記光反射面を鏡面仕上げするのが望ましい。
【0019】この場合、前記圧電体ブロックを圧電素子
の積層体で形成し、前記切断の方向に前記圧電素子を積
層することが望ましい。
【0020】また、切断後の前記基体の前記導電層にコ
ネクターを接続するのが望ましい。
【0021】これにより、数百μm角の鏡面付圧電素子
からなる光変調素子が同一性能特性の素子を正確に同一
方向に向けて配置されると共に、各素子ごとにコネクタ
ーやハーネス等で容易に接続が可能になり、品質の安定
化及び製造工程の簡素化により、高輝度低価格のプロジ
ェクター等の創出が可能になる。
【0022】以下、本発明の実施の形態を図面参照下で
具体的に説明する。
【0023】本発明の光変調素子の製造方法は、光変調
素子の構成部品としてのピクセルを数百μm角に分割し
てから基板等の台座に取り付けるのではなく、基板に溝
を設けてこの溝に導電ペースト等(半田も含む)を用
い、カット前の鏡面付の圧電体ブロックを導体箔付き基
板に接着固定後、マルチカッティングダイヤモンドブレ
ード等で基板の上面部を切り込む深さまでスライドして
カットするものである。
【0024】これにより、鏡面部分割/電極部分割/電
極部と基板の導体箔部接続/基板導体箔の分割等におい
て、一括カット処理で高精度な光変調素子の製造組立を
行うことができる。
【0025】実施の形態1 図1は本発明の基本構成であり、その実施の形態1によ
る光変調素子(以下、PLV素子と称することがあ
る。)製造時の切断のイメージ図を示す。即ち、例えば
厚さ1.2〜1.6mmのセラミック基板4の一方の面
に導体箔9の層が形成され、この導体箔9形成面の中央
の長さ方向に溝5(深さは0.3mm、深過ぎると基板
強度が保てない。)が設けられ、この溝5に圧電体ブロ
ック1Aが嵌め込まれ、その両側部に両側の隙間5a
(図2参照)にも導電性接着剤3が配されて接着固定さ
れる。この溝5は浅くてもよく、極端には無くてもよい
が、溝5を設けることにより圧電体ブロック1Aの固定
が安定すると共に、圧電体ブロック1Aの下端1aと基
板4との良好な接触が得られる。
【0026】そして、このように固定状態でカッター
(ブレード厚み:15μm〜30μm)11により個々
の幅が200μm程度のピクセル2aに切断が行われ、
切断により分割された圧電体ブロック1Aから、基板4
上に固定された複数のピクセル2aの群が形成され、一
方向一列に配列されたピクセル2aからなるPLV素子
が形成される。
【0027】この切断用のカッティングブレードはシン
グル刃でもマルチ刃(多数刃のカッター)でも可能であ
るが、本実施の形態はマルチ刃使用であり、当然マルチ
刃の方が能率と精度ともアップする。また、導電性接着
剤は、例えば熱硬化性導電ペースト等を基板4の溝5に
も塗布することによって部材間に導電性接着剤3が介在
するため、振動により部材同士の摩擦による鳴き防止の
効果があり、これは半田等を用いても接合上問題はな
い。
【0028】組立て方法は導体箔9付の基板4の溝5に
圧電体ブロック1Aを嵌め込んだ後、導電性ペースト3
を塗布し熱硬化させる。このとき基板4の溝5の底部と
圧電体ブロック1Aの下端1aを接触させて圧電体の振
動を基板4で受けることにより、圧電エネルギーは10
0%反対側に伝わりエネルギーの損失を防ぐことが可能
となる。この構造により導電性接着剤3との伸縮差が最
小にでき、接着の信頼性を高めることができる。
【0029】図2は図1のII−II線断面図を示す。図示
の如く、この切断に際してマルチカッティングダイヤモ
ンドブレードの刃先Aは、基板4の溝5を確実にカット
できる深さに設定してスライドを行なう。また、スライ
ドは刃先位置Bで止めることも、刃先位置Cで止めるこ
とも可能である。アース側がコモンアースの場合は刃先
位置Bで止めることにより、基板4の導体箔部9が切り
残されて低インピーダンスなアースを確保することがで
きる。
【0030】圧電体ブロック1Aは、その幅方向(切断
方向)に圧電素子1の積層によって構成され、その幅の
一方側(図2における左側)に、下端部から延設された
複数の内部電極(+)6aと上端部から延設された複数
の内部電極(−)7aとが、それぞれの先端部を噛み合
せるように圧電素子1の層間に配設される。
【0031】そして、圧電体ブロック1Aの上記一方側
の側面には外部電極(+)6が設けられ、圧電体ブロッ
ク1Aの下端部の電極分離溝8まで延設された外部電極
(+)6に上記内部電極(+)6aが接続され、また、
圧電体ブロック1Aの他方側(図2における右側)の面
に設けられた外部電極(−)7が圧電体ブロック1Aの
下端部の電極分離溝8まで延設され、この外部電極
(−)7が更に圧電ブロック1Aの上面に配された光反
射面10に接続され、この光反射面10を介して上記内
部電極(−)7aに接続されている。
【0032】従って、基板4の導体箔9は溝5によって
分断され、外部電極(+)6側が+側の導電層9aとし
て機能し、反対側の導電層9bが−側として機能し、そ
れぞれが導電性ペースト3によってそれぞれの電極と接
続され、図1に示すようにピクセル2a群として分割後
は、基板4の一方側(+極側)を図4に示すようにコネ
クター15により電源に接続し、選択的にピクセル2a
に電圧を印加することによって、電圧印加されたピクセ
ル2aが駆動し、逆圧電効果によりその光反射面(以
下、鏡面と称することがある。)10が図2に仮想線で
示すように矢印方向に変位する。
【0033】このように本実施の形態のPLV素子は、
ミラーをアナログ量で可動し、単波長光(赤外線、紫外
線を含む)や可視光をオン/オフ又は光量の加減を行な
い、主にプロジェクター等の投射又は投影映像装置に使
用される光デバイスであり、デバイスのベースは電気エ
ネルギーを機械的エネルギーに変換する逆圧電効果を利
用し、光を反射する鏡面をシングルインラインに並べ、
逆圧電効果による伸縮によりその反射方向をアナログコ
ントロールさせるものである。
【0034】従って、これらのピクセル群2aの群は選
択的な光反射面10の傾斜により、反射光に光路差をつ
けて反射させ、この反射光をアナログ的に制御して画面
に投光する。
【0035】そして、電圧無印加時の光反射面10は温
度変化や経時変化があっても、その構造上相対的に変化
するためその影響をキャンセルし、相対位置が一定に保
たれて品質が落ちない。また、電圧印加時においても相
対位置が安定し良好な反射角度を得ることができる。
【0036】また、ピクセル2aをシングルインライン
状に並べることにより、DMDや液晶等の面デバイスに
比べてピクセル数を減らし、構造を簡単に出来るため、
製造が容易であり歩留も良くなる。
【0037】また、ピクセル2aに付与する電圧はアナ
ログ量でもデジタル量でも使用可能である。通常、静電
引力による可動方法ではアナログ量での駆動をしてもば
らつきが生じ使用できないが、圧電素子1は固体素子で
可動量と印加電圧がほぼ比例関係にあるためアナログ使
用が可能となり、これによりスピードの遅い圧電素子も
使用可能であり、コストを安くすることができる。
【0038】図3は上記した本実施の形態のPLV素子
2Aの一部分を示し、(a)はその平面図、(b)は
(a)のb−b線断面図である。
【0039】図示の如く、本実施の形態は、圧電体ブロ
ック1Aの長さ方向に直交して切断されるため、図3
(b)に示すように、入射光Lはカッター11による切
断溝12の部分からは反射しない。従って、光変調装置
を用いて投影する際に、光反射面10で反射する反射光
の切断溝12に対応する部分に影部13が生じ、こ
の影部13が黒線になり画質を損ねる原因となる。
【0040】図4は、全てを切断後の本実施の形態のP
LV素子2Aの斜視図を示すが、このPLV素子2Aの
基板4の+側導体箔9aの端部にコネクター15を接合
して用いられる。これにより、コネクター15に設けら
れている接続ターミナル16がピクセル2aごとに分割
された導体箔9aからなる配線に自動的に接続される。
このように、上記の如きPLV素子2Aの形成により、
ピクセル2aの配線は導体箔9aで同時に形成されるた
め、基板4の配線パターンを予め作っておく必要がな
く、またピクセル2aの電極を合わせ込んで接合する必
要がない。
【0041】上記のように形成される本実施の形態のP
LV素子2Aは、光反射面10が設けられたピクセル2
aの逆圧電効果により、このピクセル2aへの電圧印加
の有無又は大小によりこのピクセル2aに歪みが生じる
ため、この光反射面10で入射光Lが反射されて変調さ
れ、ピクセル2aへの印加電圧の差又は選択的な電圧の
印加又はその大小により、所望の反射方向が得られ、ア
ナログ制御(又は変調)及びライン駆動が可能であり、
製造方法も簡略化され、投影及び映像システムに好適に
用いることができる。
【0042】実施の形態2 図5は実施の形態2によるPLV素子2Bの一部分の平
面図(図3(a)に対応する)を示す。図示の如く、本
実施の形態が上記した実施の形態1と異なる点は、実施
の形態1は圧電体ブロック1Aの長さ方向に直交する切
断に対し、本実施の形態の場合は斜め方向に切断するこ
とである。
【0043】上記したように、カッター11のブレード
の刃幅の分の角度をつけて切断することにより、後述す
る図8のような光学システムで投映をした場合、図3で
既述した如き直角カットにより生じるカット溝幅分の影
13の発生を抑制することができる。
【0044】即ち、切断溝幅Wが大きいほど影13が
生じ易いため、切断溝12の幅は狭いほど良いが、現在
の技術ではこの場合も切断溝幅Wは15μm〜30μ
mに形成される。従って、互いに隣接するピクセル2a
同士が圧電体ブロック1Aの長さ方向と直交する方向に
おいてオーバーラップしないように、図5に示すよう
に、切断溝12によって形成されるピクセル2aの角
a、b、cで形成される三角形領域Dの角b−c間の距
離が切断溝12の傾斜溝幅W以内になるように斜め切
断される。
【0045】これにより、入射光Lの入射角度と切断溝
12の切断角度をほぼ一致させることができるため、図
3(b)に示したような影13が形成され難く、これに
よって画質が向上すると共に、上記三角形領域Dと対称
に形成されるa、a’、bで囲まれるピクセル2aの光
反射面10上の三角形領域D’によっても反射光が得ら
れるために、ピクセル自体の反射光量は十分に保持でき
る。但し、将来、カッティング技術が進歩し、ピッチ幅
に対し充分薄いカット(目標の1〜10μmの切断溝幅
)が可能になればこのような斜め切断は不必要であ
る。
【0046】実施の形態3 図6は実施の形態3によるPLV素子2Cの斜視図を示
す。本実施の形態のPLV素子2Cも基本構成は実施の
形態1と同様であるが、このPLV素子2Cが上記と異
なる点は、図示の如く、導体箔9bの末端部を残して分
割されることである。
【0047】即ち、図2に示した如く、カッター11の
ブレードの刃先位置Bまで切断されたものである。従っ
て、未切断領域9b’を共通電極とすることができ、低
インピーダンスなアース線を形成することができる。
【0048】実施の形態4 図7は実施の形態4によるPLV素子2Dの斜視図を示
す。本実施の形態のPLV素子2Dの場合も基本構成は
実施の形態1と同様であるが、上記した各実施の形態が
カッター11のブレード幅を基板4に設けた溝5を含む
深さに切断可能に設定し、基板4の下方が共通の基板と
して残されることに対し、本実施の形態は基板4が全て
切断される。
【0049】従って、図示の如く、基板4の下部に補強
材17を予め裏張りし、この補強材17の一部まで切断
される。この構成により、更に安価な補強材を用いてセ
ラミック等からなる基板4の使用量を節約することがで
きる。この場合も、上記した図6と同様に導体箔9bは
未切断領域を残しているが、実施の形態1と同様に全切
断してもよい。
【0050】図8は、上記した各実施の形態によるPL
V素子2A〜2Dが、光学システムによって、光量が可
変するイメージ図を示す。但し、実施の形態1のPLV
素子2Aにより説明する。
【0051】この光学システムに用いられる光変調素子
2Aはコントローラ24によって制御、駆動され、この
光変調素子2Aに対して入射光Lはコリメーションレン
ズ39に導かれて入射し、光変調素子2Aからの反射光
は、不要な反射光L’が遮蔽材としての反射鏡2
3cによって光吸収体32へ導かれて消滅し、必要な反
射光Lが投射レンズ29側へ出射する。
【0052】そして、投射レンズ29で集束された光L
はスキャナーとしてのポリゴンミラー30によって反
射される。ポリゴンミラー30は矢印方向へ回転するた
め、ポリゴンミラー30の各反射面30aによって、下
方に配置されるスクリーン(図示省略)に対して光L
として挿引され、スクリーンに画像等が投影される。
【0053】従って、この際、PLV素子2Aの光反射
面10は最大約0.5度印加電圧によって反射方向を変
えられるように設定しておき、電圧無印加時にはミラー
23cで全反射させる。又、電圧印加が最大の時にはミ
ラー23cでぎりぎり反射しない状態に設定する。
【0054】これにより、中間の電圧印加時には、ミラ
ー23cに反射する光量がポリゴンミラー30に届かな
いため光量がアナログ量でコントロールできる。設定方
法は逆であっても同様の効果を得ることができるが、電
圧無印加時には光線が投射又は投影されない方が安全上
は良い。
【0055】また、半導体技術で作るDMDやGLVは
コストの関連で小型化する必要があり、光学系の倍率が
高くなるので画質が劣化し易いが、PLVはむしろ大き
い方が作り易く光学系の設計が容易であり、超大型映像
向きと言えるものの、大掛かりな設備は必要でなく、既
存のセラミック製造設備で充分に対応できるので新たな
設備投資額が小さくて済む利点がある。
【0056】上記した各実施の形態によれば、圧電体ブ
ロック1Aが、その側部に外部電極(+)6及び外部電
極(−)7が設けられ、これらの外部電極6、7に接続
した複数の内部電極(+)6a及び内部電圧(−)7a
がその内部に設けられ、この内部電極6a、7aが圧電
素子1の積層体内に配されて構成され、この圧電体ブロ
ック1Aを基板4に設けた溝5に嵌め込み、導電性ペー
スト3を用いて接着固定後に、基板面の導体箔と共に切
断・分割することによって、一方向に一列に配列したピ
クセル2aの群を有するPLV素子が形成されるので、
次の(1)〜(9)に示す顕著な効果を奏することがで
きる。
【0057】即ち、 (1)、小さい圧電素子をそのままピクセルごとに分割
した場合、分割方法や分割後の取り扱い方法が難しく、
割れや鏡面等の傷が発生し易いが、上記実施の形態の場
合は大きな基板に固定後に分割するため上記の不都合は
発生しない。 (2)、分割後に組み立てる場合に比べ、取り付け精度
や組立て時間等が大幅に改善できる。 (3)、特に図5のように角度を付けて分割することに
より投映時に黒すじが出にくくなり画質改善効果が著し
い。 (4)、圧電体ブロック1Aを導電ペースト3で固定し
ているので分割後も光反射面10の向きや位置が変らな
い。 (5)、同じ圧電体ブロックから分割しているので特性
が均一である。 (6)、マルチカッティングブレードが使用できる。 (7)、マルチカッティングブレードの使用により、カ
ットの精度を上げられる。 (8)、個々のピクセルごとに接合するのに比べて、接
合部の信頼性が上がる。 (9)、基板溝の底部に圧電素子を接触固定するため導
電接着剤に振動が伝わりにくい。
【0058】図9は変形例の概略斜視図を示す。即ち、
既述した各実施の形態は、基板4と圧電体ブロック1A
の長さが同じであるが、図9に示すように、ピクセル2
aの数に応じて基板4のサイズも大きくし、数枚の圧電
体ブロック1Aを長さ方向一列に並べ、導電ペースト等
で固定後にカットする事も可能である。
【0059】この場合、圧電体ブロック1A間の間隔W
をカッター11のブレード厚さ(即ち、切断溝幅
)にしておけば、切断後は長尺の圧電体ブロック1
Aを用いて切断したのと同様に形成される。
【0060】上記した各実施の形態は本発明の技術的思
想に基づいて変形することができる。
【0061】例えば、上記実施の形態では基板4に設け
た溝5に圧電体ブロック1Aを嵌め込み、これを導電性
ペースト3で接着し固定したが、溝5を設けず直接基板
4の導体箔9の面に接着し固定することもできる。
【0062】また、導電性接着剤3としては導電性ペー
ストや半田以外でもよく、熱硬化性でなく光硬化性の導
電性接着剤でもよい。
【0063】また、上記実施の形態では基板4上に圧電
体ブロック1Aを一列に配して分割したが、複数列(例
えば3列)に配して分割することにより、例えばR
(赤)、G(緑)、B(青)の3原色用として構成する
こともできる。
【0064】また、上記実施の形態における圧電体の積
層構造や形状及び各部の寸法等も任意に実施することが
できる。
【0065】
【発明の作用効果】上述した如く、本発明の光変調素子
の製造方法及び光変調素子は、光反射面を有する複数の
圧電体の変位により、これらの圧電体の前記光反射面に
て入射光が光変調されるように構成された光変調素子
が、前記光反射面とこの光反射面を駆動する電極部とが
設けられた単一の圧電体ブロックを、前記電極部に接続
される導電層を有する基体に固定する工程と、この固定
状態で前記圧電体ブロックを個々の前記圧電体に分割す
ると共に、前記基体の前記導電層を分割する工程とを有
して製造されるので、圧電体ブロックを分割後も光反射
面の向きや位置が変らず、性能特性が均一で、一方向一
列に配列された複数の圧電体と共に、個々の圧電体の駆
動電極に接続された配線が同時に形成され、容易に作製
が可能な光変調素子及びその製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるPLV素子の製造
時の切断のイメージ図である。
【図2】図1のII-II線断面図である。
【図3】同、実施の形態1によるPLV素子の一部分を
示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線断面
図である。
【図4】同、PLV素子及びコネクターを示す斜視図で
ある。
【図5】同、実施の形態2によるPLV素子の一部分を
示す平面図である。
【図6】同、実施の形態3によるPLV素子を示す斜視
図である。
【図7】同、実施の形態4によるPLV素子を示す斜視
図である。
【図8】同、各実施の形態によるPLV素子の光学シス
テムによる光量可変のイメージ図である。
【図9】同、変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…圧電素子、1A…圧電体ブロック、1a…下端、2
A〜2D…光変調素子(PLV素子)、2a…ピクセ
ル、3…導電性接着剤(導電性ペースト)、4…基板、
5…溝、5a…隙間、6、7…外部電極、6a、7a…
内部電極、8…電極分離溝、9a、9b…導体箔(導電
層)、10…光反射面(鏡面)、9b’…未切断領域、
11…カッター、12…切断溝、13…影、15…コネ
クター、16…接続ターミナル、17…補強材、23c
…反射鏡、24…コントローラ、29…投射レンズ、3
0…ポリゴンミラー、32…光吸収体、39…コリメー
ションレンズ、L…入射光、L〜L…反射光、D、
D’…三角形領域、W…切断溝幅、W…傾斜溝幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 宏 滋賀県野洲郡野洲町大字大篠原2288 株式 会社村田製作所野洲事業所内 Fターム(参考) 2H041 AA14 AB14 AC08 AZ02 AZ08

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射面を有する複数の圧電体の変位に
    より、これらの圧電体の前記光反射面にて入射光が光変
    調されるように構成された光変調素子の製造方法であっ
    て、 前記光反射面とこの光反射面を駆動する電極部とが設け
    られた単一の圧電体ブロックを、前記電極部に接続され
    る導電層を有する基体に固定する工程と、 この固定状態で前記圧電体ブロックを個々の前記圧電体
    に分割すると共に、 前記基体の前記導電層を分割する工程とを有する、光変
    調素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性接着剤を用いて前記圧電体ブロッ
    クを前記基体の導電層形成面に接着固定後、前記圧電体
    ブロックを前記接着剤及び前記導電層と共に切断により
    分割する、請求項1に記載した光変調素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基体の導電層形成面に溝を設け、こ
    の溝に前記圧電体ブロックを嵌め入れ、この圧電体ブロ
    ックの下端を前記溝の底部に接触させて前記固定を行
    い、しかる後に切断する、請求項2に記載した光変調素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記切断時に、前記基体の前記導電層の
    一部分を共通電極として残す、請求項2に記載した光変
    調素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記切断時に、カッターブレードの幅寸
    法を前記圧電体ブロックの全てを切断可能に設定し、前
    記基体はその強度が保持可能な厚さを残す、請求項1に
    記載した光変調素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記切断により分割された前記基体の前
    記導電層を信号配線として用いる、請求項1に記載した
    光変調素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧電体ブロックの長さ方向に対しそ
    の切断方向を傾斜させる、請求項1に記載した光変調素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記傾斜した切断後は、互いに隣接する
    圧電体同士を前記圧電体ブロックの長さ方向と直交する
    方向において重複しないように配置する、請求項7に記
    載した光変調素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記導電性接着剤を前記圧電体の変位方
    向以外の側に配する、請求項2に記載した光変調素子の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記切断前に、前記圧電体ブロックの
    前記光反射面を鏡面仕上げする、請求項1に記載した光
    変調素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記圧電体ブロックを圧電素子の積層
    体で形成し、前記切断の方向に前記圧電素子を積層す
    る、請求項1に記載した光変調素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 切断後の前記基体の前記導電層にコネ
    クターを接続する、請求項1に記載した光変調素子の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 光反射面を有する複数の圧電体の変位
    により、これらの圧電体の前記光反射面にて入射光が光
    変調されるように構成された光変調素子であって、 前記光反射面とこの光反射面を駆動する電極部とがそれ
    ぞれ設けられた前記複数の圧電体が、前記電極部に接続
    された対応した導電層を有する基体に一方向に配列して
    固定されている、光変調素子。
  14. 【請求項14】 導電性接着剤によって前記複数の圧電
    体が前記基体の導電層形成面に接着固定されている、請
    求項13に記載した光変調素子。
  15. 【請求項15】 前記基体の導電層形成面に溝が設けら
    れ、この溝に前記複数の圧電体が嵌め入れられ、これら
    の圧電体の下端が前記溝の底部に接触して前記固定を行
    われている、請求項13に記載した光変調素子。
  16. 【請求項16】 前記基体の前記導電層の一部分が共通
    電極として残されている、請求項14に記載した光変調
    素子。
  17. 【請求項17】 前記切断により分割された前記基体の
    前記導電層が信号配線として用いられる、請求項13に
    記載した光変調素子。
  18. 【請求項18】 前記複数の圧電体ブロックのその配列
    方向に対し傾斜して対向している、請求項13に記載し
    た光変調素子。
  19. 【請求項19】 互いに隣接する圧電体同士がその配列
    方向と直交する方向において重複しないように配置され
    ている、請求項18に記載した光変調素子。
  20. 【請求項20】 前記導電性接着剤が前記圧電体の変位
    方向以外の側に配される、請求項14に記載した光変調
    素子。
  21. 【請求項21】 前記複数の圧電体の前記光反射面が鏡
    面仕上げされている、請求項13に記載した光変調素
    子。
  22. 【請求項22】 前記圧電体が圧電素子の積層体で形成
    され、その配列方向と交差する方向に前記圧電素子が積
    層されている、請求項13に記載した光変調素子。
  23. 【請求項23】 前記基体の前記導電層にコネクターが
    接続される、請求項13に記載した光変調素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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