JP2002277394A - 誘電体物質の光物性定数の光学的測定方法及びその装置並びにその装置を組み込んだ製造システム - Google Patents

誘電体物質の光物性定数の光学的測定方法及びその装置並びにその装置を組み込んだ製造システム

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JP2002277394A
JP2002277394A JP2001074938A JP2001074938A JP2002277394A JP 2002277394 A JP2002277394 A JP 2002277394A JP 2001074938 A JP2001074938 A JP 2001074938A JP 2001074938 A JP2001074938 A JP 2001074938A JP 2002277394 A JP2002277394 A JP 2002277394A
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三男 武田
Seiji Kojima
誠治 小島
Seiji Nishizawa
誠治 西澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 THz−TDSを利用して、誘電体物質のポ
ラリトンの分散関係及びその分散関係を用いて誘電体物
質の誘電率を得ることができる誘電体物質の光物性定数
の光学的測定方法及びその装置を提供することである。 【解決手段】 THz−TDSによって誘電体物質から
の反射電磁波又は透過電磁波の電場強度の時間波形をフ
ーリエ変換することによって振幅及び位相についての分
光スペクトルデータを得て、得られた振幅及び位相につ
いての分光スペクトルデータを前記誘電体物質がない場
合の分光スペクトルデータと比較して各周波数毎に前記
誘電体物質による位相シフトを求め、その位相シフトか
ら前記誘電体物質に入射されたパルス電磁波の波動と前
記誘電体物質内の分極場の波動との連成波の波数を各周
波数毎に求めることによってその連成波の分散曲線を得
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体物質の光物
性定数の光学的測定方法及びその装置並びにその装置を
組み込んだ製造システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体薄膜を用いた機能性電子
素子、特に強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectri
c Randam Accsess Memory)を代表とする半導体メモリ
素子の実用化研究が精力的に行われている。
【0003】前記FeRAMは、強誘電体の分極状態の
スイッチング現象を利用したメモリ素子であり、従来困
難であった高速動作と不揮発性とが同時に達成できるこ
とに加え、低電圧駆動も可能とされている。従って、携
帯電話、パソコン、ICカード等の小型化・モバイル化
に有効なメモリとして期待されている。
【0004】ところで、上記電子素子を構成する強誘電
体薄膜の物性のうち特にその誘電率は、素子の性能(メ
モリ素子の場合、そのメモリ性能)を左右する重要な基
本物性のうちの一つである。そのため、実際の素子の製
造においては、形成された強誘電体薄膜の誘電率を何ら
かの手段で評価・検査することは必要不可欠な工程であ
る。
【0005】誘電率は、誘電体に入射した光(電磁波)
に関する誘電体の応答の仕方を示す量であり、その光の
周波数に依存する量であるが、強誘電体薄膜を用いた電
子素子においては、低周波数の誘電率、特にその低周波
数極限である周波数0に対する誘電率(静的誘電率)が
重要である。
【0006】この静的誘電率は、理論的にはポラリトン
の波数−周波数分散曲線において、周波数0における接
線から得ることができる。ここで、ポラリトンとは、誘
電体に電磁波を入射した場合、その電磁波の波動と誘電
体の分極場の波動とが結合して連成波(結合波)を発生
することが知られているが、この連成波を量子化したも
のである。
【0007】以下に、ポラリトン(あるいは連成波)の
波数−周波数分散曲線から静的誘電率を決定する原理に
ついて概説する。電磁波と結合する誘電体の分極場が特
にフォノン場である場合には、前記ポラリトンは特にフ
ォノンポラリトンという。以下に示すのはフォノンポラ
リトンの場合であるが、原理的には他のポラリトンにつ
いても同様の手法で波数−周波数分散関係から静的誘電
率を求めることができる。例えば励起子ポラリトンの場
合はその重心運動が無視できなくなるので、波数−周波
数分散関係においてその重心運動を考慮して、静的誘電
率を求めることができる。
【0008】フォノンポラリトンの波数−周波数分散関
係は、通常、
【数1】 と表され、横軸に波数ベクトル、縦軸に角周波数をとる
と図1において実線で示すような曲線のグラフとなる。
ここで、kは連成波の波数、ωは連成波の角周波数、c
は光速、ε(∞)は角周波数無限大に対する誘電率、ω
Lは光学縦波フォノンの角周波数、ωTは光学横波フォノ
ンの角周波数である。
【0009】低周波数ω<<ωL、ωTの場合には、上式
【数2】 となる。また、振動子が複数ある場合には、
【数3】 となる。以下、振動子が単数の場合について説明する。
【0010】ここで、リデイン−ザックス−テラー(L
yddane−Sachs−Teller)の関係式
【数4】 を用いると、
【数5】 を得る。ここで、ω(0)は静的誘電率である。
【0011】低周波数では、ポラリトンの波数kと連成
波の角周波数ωとは比例関係を有する。つまり、静的誘
電率ω(0)がω=0における接線の傾きと評価できる
ことを示している。
【0012】従って、誘電体に入射された光(電磁波)
の波動と誘電体物質内の分極場の波動との連成波あるい
はポラリトンの波数−周波数分散関係を何らかの測定手
段によって評価することができれば、誘電体物質の静的
誘電率を求めることができる。
【0013】一方、近年、テラヘルツ(THz)近傍の
電磁波に対する誘電体物質の応答を測定する方法とし
て、THz−TDS(Time Domain Spec
troscopy)と称される新しいタイプの赤外分光
装置が開発された。以下に、このTHz−TDSの原理
の概略を説明する。
【0014】励起源から所定の時間幅のパルス励起光を
所定の周波数で発生して、パルス電磁波放射素子に照射
する。パルス励起光が照射されたパルス電磁波放射素子
は、テラヘルツ域の周波数範囲を含む連続スペクトル分
布を有するパルス電磁波を放射するが、この放射パルス
電磁波を集束して測定する試料に入射する。そして、検
出手段によって試料からの反射電磁波又は透過電磁波の
電場強度の各時間分解信号を検出する。ここで、各時間
分解信号の検出は、パルス励起光がパルス電磁波放射素
子に一回入射するごとに、遅延手段によって、パルス励
起光に対し所定の時間間隔づつ遅延させて行うように構
成されている。こうして前記各時間分解信号から時系列
データ、すなわち、反射電磁波又は透過電磁波の電場強
度の時間波形を得る。この時間波形をフーリエ変換処理
し、試料を挿入しない場合とを比較することにより、テ
ラヘルツ電磁波領域を含む広い周波数にわたる反射電磁
波又は透過電磁波の強度の透過率・位相シフトについて
の分光スペクトルを得る。
【0015】また、THz−TDSによって、複素屈折
率の実部(通常の屈折率)及び虚部(吸収定数)や複素
誘電率の実部(通常の誘電率)及び虚部(誘電損失)の
計測も可能である。
【0016】本発明に係る発明者は、この新しいタイプ
の赤外分光装置であるTHz−TDSが非常に短い時間
幅の試料からの透過電磁波又は反射電磁波の電場強度の
時系列分布(時間波形)を得ることができる能力に注目
し、鋭意検討の結果、THz−TDSの主要部を利用し
て、誘電体物質の誘電率(誘電定数及び誘電損失)を評
価することが可能であることに想到したものである。す
なわち、従来の赤外分光装置は、試料からの透過光又は
反射光の強度(あるいは強度の透過率)の分光スペクト
ルデータを得ることはできたが強度の位相についての分
光スペクトルデータを得ることはできなかったのに対し
て、THz−TDSでは試料からの透過電磁波又は反射
電磁波の強度の分光スペクトルデータでけでなく電場の
振幅とその位相についての分光スペクトルデータを得る
ことができることに注目した。そして、誘電体物質試料
からの透過電磁波又は反射電磁波の電場の振幅及び位相
についての分光スペクトルデータを誘電体物質試料がな
い場合の分光スペクトルデータと比較して各周波数毎に
前記誘電体物質による位相シフトを求め、その位相シフ
トから誘電体物質に入射されたパルス電磁波の波動と誘
電体物質内の分極場の波動との連成波(結合波)の波数
を各周波数毎に求めることによってその連成波(あるい
はポラリトン)の分散関係を得ること、さらにその分散
関係から誘電体物質の誘電分散及び静的誘電率を決定す
ることに想到したのである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、THz−TDSの原理を利
用して、誘電体物質に入射されたパルス電磁波の波動と
誘電体物質内の分極場の波動との連成波の波数を各周波
数毎に求めることによってその連成波(あるいはポラリ
トン)の分散関係を得ることができる誘電体物質の光物
性定数の光学的測定方法及びその装置を提供することを
目的とする。
【0018】さらに、本発明は、THz−TDSの原理
を利用して、誘電体物質に入射されたパルス電磁波の波
動と誘電体物質内の分極場の波動との連成波の波数を各
周波数毎に求めることによってその連成波(あるいはポ
ラリトン)の分散関係を得、その分散関係から誘電体物
質の誘電分散・静的誘電率(誘電定数及び誘電損失)を
決定することができる誘電体物質の光物性定数の光学的
測定方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0019】また、本発明は、強誘電体メモリ及び強誘
電体電界効果トランジスタ(MFIS FET:Metal-F
erroelectric-Insulator-Semiconductor FET))を含む
誘電体物質を構成要素とする電子素子の製造プロセスの
工程中に当該電子素子の構成要素である誘電体物質の誘
電率(誘電定数及び誘電損失)を自動測定するために用
いるTHz−TDSの原理を利用した誘電体物質の光物
性定数の光学的測定装置を提供することを目的とする。
【0020】また、誘電体物質の誘電率を自動測定でき
るTHz−TDSの原理を利用した誘電体物質の光物性
定数の光学的測定装置を組み込んだ強誘電体メモリ、強
誘電体電界効果トランジスタ、弾性表面波フィルタ、誘
電体セラミックフィルタ、及び積層セラミックコンデン
サを含む電子素子の製造プロセスシステムを提供するこ
とを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、以下の構成を採用した。請求項1に記載の
誘電体物質の光物性定数の光学的測定方法は、テラヘル
ツ域の周波数範囲を含む連続スペクトル分布を有するパ
ルス電磁波を誘電体物質に入射し、その反射電磁波又は
透過電磁波の電場強度の時間波形を測定し、その電場強
度の時間波形をフーリエ変換することによって振幅及び
位相についての分光スペクトルデータを得て、得られた
振幅及び位相についての分光スペクトルデータを前記誘
電体物質がない場合の分光スペクトルデータと比較して
各周波数毎に前記誘電体物質による位相シフトを求め、
その位相シフトから前記誘電体物質に入射されたパルス
電磁波の波動と前記誘電体物質内の分極場の波動との連
成波の波数を各周波数毎に求めることによってその連成
波の分散曲線を得ることを特徴とする。
【0022】請求項2に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定方法は、請求項1に記載の誘電体物質の光
物性定数の光学的測定方法において、前記分散曲線から
前記誘電体物質の誘電分散を決定することを特徴とす
る。
【0023】請求項1及び請求項2に記載の誘電体物質
の光物性定数の光学的測定方法によれば、以下のような
作用効果を得る。誘電体物質に入射されたパルス電磁波
の波動と前記誘電体物質内の分極場の波動との連成波の
波数と周波数との分散曲線から、誘電体物質についてそ
の基本物性である電磁波(電場)による誘電分極の特性
についての情報を知得することができる。FeRAM、
MFIS−FET、高誘電率薄膜キャパシタ(超高集積
DRAM)等の不揮発メモリ素子に使われている強誘電
体薄膜の複素誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分散)
及び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定すること
ができる。テラヘルツ帯弾性表面波フィルタの複素誘電
定数分散及び誘電損失分散を決定することができる。積
層セラミックコンデンサなどの機能性セラミック素子中
の誘電体物質の複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決
定することができる。共振型誘電セラミックフィルタの
複素誘電定数及び誘電損失分散を決定することができ
る。超音波センサ(PZT)素子に使われている圧電物
質の複素誘電定数及び誘電損失分散を決定することがで
きる。焦電式赤外センサ素子に使われている強誘電体物
質の誘電定数及び誘電損失分散を決定することができ
る。エレクトロルミネセンス素子に積層された複素誘電
体薄膜の複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定する
ことができる。測定は、全て非接触、in−situ、
オンラインで精密自動で行うことができる。
【0024】請求項3に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定方法は、請求項1に記載の誘電体物質の光
物性定数の光学的測定方法において、前記分散曲線から
前記誘電体物質の静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を
決定することを特徴とする。
【0025】この誘電体物質の光物性定数の光学的測定
方法によれば、以下のような作用効果を得る。FeRA
M、MFIS−FET、高誘電率薄膜キャパシタ(超高
集積DRAM)等の不揮発メモリ素子に使われている強
誘電体薄膜の複素誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分
散)及び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定する
ことができる。テラヘルツ帯弾性表面波フィルタの複素
誘電定数分散及び誘電損失分散を決定することができ
る。積層セラミックコンデンサなどの機能性セラミック
素子中の誘電体物質の複素誘電定数分散及び誘電損失分
散を決定することができる。共振型誘電セラミックフィ
ルタの複素誘電定数及び誘電損失分散を決定することが
できる。超音波センサ(PZT)素子に使われている圧
電物質の複素誘電定数及び誘電損失分散を決定すること
ができる。焦電式赤外センサ素子に使われている強誘電
体物質の誘電定数及び誘電損失分散を決定することがで
きる。エレクトロルミネセンス素子に積層された複素誘
電体薄膜の複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定す
ることができる。電気光学素子に使われている電気光学
結晶のフォノンポラリトン分散曲線の決定及びフォノン
ポラリトン緩和定数を決定することができる。測定は、
全て非接触、in−situ、オンラインで精密自動で
行うことができる。
【0026】請求項4に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定方法は、請求項1又は請求項2に記載の誘
電体物質の光物性定数の光学的測定方法において、前記
分極場がフォノンとされたことを特徴とする。
【0027】この誘電体物質の光物性定数の光学的測定
方法によれば、以下のような作用効果を得る。FeRA
M、MFIS−FET、高誘電率薄膜キャパシタ(超高
集積DRAM)等の不揮発メモリ素子に使われている強
誘電体薄膜の複素誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分
散)及び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定する
ことができる。電気光学素子に使われている電気光学結
晶のフォノンポラリトン分散曲線の決定及びフォノンポ
ラリトン緩和定数を決定することができる。強誘電体ゲ
ートFETに使われている強誘電体薄膜の複素誘電定数
及び誘電損失の分散並びに静的誘電定数及び誘電損失を
決定することができる。
【0028】請求項5に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定装置は、所定の時間幅のパルス励起光を所
定の周波数で発生する励起源と、前記励起源からのパル
ス励起光が照射されると、テラヘルツ域の周波数範囲を
含む連続スペクトル分布を有するパルス電磁波を放射
し、測定する誘電体物質に照射するパルス電磁波放射素
子と、前記誘電体物質からの反射電磁波又は透過電磁波
の電場振幅の各時間分解信号を検出する検出手段と、そ
の時各時間分解信号から時系列データを得、該時系列デ
ータをフーリエ変換処理することによって前記の反射電
磁波又は透過電磁波の振幅及び位相についての分光スペ
クトルデータを得る信号処理手段と、前記パルス励起光
が前記パルス電磁波放射素子に一回入射するごとに、前
記検出手段からの所定の時間分解信号の取り込みを指示
するためのサンプリングバルスを、該パルス励起光に対
し所定の時間間隔づつ遅延させて前記検出手段に供給す
る遅延手段と、を備えた光物性定数の光学的測定装置に
おいて、さらに、前記の反射電磁波又は透過電磁波の振
幅及び位相についての分光スペクトルデータを前記誘電
体物質がない場合の分光スペクトルデータと比較して各
周波数毎に前記誘電体物質による位相シフトを決定する
位相シフト決定手段と、その位相シフトから前記誘電体
物質に入射されたパルス電磁波の波動と前記誘電体物質
内の分極場の波動との連成波の波数を各周波数毎に決定
する波数決定手段と、その波数決定手段によって得られ
た連成波の波数と周波数との分散曲線を得る分散曲線作
成手段と、を備えたことを特徴とする
【0029】この誘電体物質の光物性定数の光学的測定
装置によれば、以下のような作用効果を得る。誘電体物
質に入射されたパルス電磁波の波動と前記誘電体物質内
の分極場の波動との連成波の波数と周波数との分散曲線
から、誘電体物質についてその基本物性である光(電
場)による誘電分極の特性について知得することができ
る。また、励起源とパルス電磁波放射素子と検出手段と
信号処理手段と遅延手段とを含むTHz−TDS部によ
って、複素屈折率の実部(通常の屈折率)及び虚部(吸
収定数)や複素誘電率の実部(通常の誘電率)及び虚部
(誘電損失)の高精度な計測も可能である。従って、そ
れら複素屈折率と複素誘電率と前記分散曲線とから、誘
電体物質の光物性の特性ついて広範な知見を得ることが
できる。FeRAM、MFIS−FET、高誘電率薄膜
キャパシタ(超高集積DRAM)等の不揮発メモリ素子
に使われている強誘電体薄膜の複素誘電分散(誘電定数
分散と誘電損失分散)及び静的誘電率(誘電定数と誘電
損失)を決定することができる。テラヘルツ帯弾性表面
波フィルタの複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定
することができる。積層セラミックコンデンサなどの機
能性セラミック素子中の誘電体物質の複素誘電定数分散
及び誘電損失分散を決定することができる。共振型誘電
セラミックフィルタの複素誘電定数及び誘電損失分散を
決定することができる。超音波センサ(PZT)素子に
使われている圧電物質の複素誘電定数及び誘電損失分散
を決定することができる。焦電式赤外センサ素子に使わ
れている強誘電体物質の誘電定数及び誘電損失分散を決
定することができる。電気光学素子に使われている電気
光学結晶のフォノンポラリトン分散曲線の決定及びフォ
ノンポラリトン緩和定数を決定することができる。エレ
クトロルミネセンス素子に積層された複素誘電体薄膜の
複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定することがで
きる。測定は、全て非接触、in−situ、オンライ
ンで精密自動で行うことができる。
【0030】請求項6に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定装置は、請求項5に記載の誘電体物質の光
物性定数の光学的測定装置において、さらに、前記分散
曲線作成手段から得られた分散曲線から前記誘電体物質
の静的誘電率を含む誘電率を決定する誘電率決定手段を
備えたことを特徴とする。
【0031】この誘電体物質の光物性定数の光学的測定
装置によれば、以下のような作用効果を得る。誘電体物
質についてその基本物性値である静的誘電率を含む誘電
率を知得することができる。FeRAM、MFIS−F
ET、高誘電率薄膜キャパシタ(超高集積DRAM)等
の不揮発メモリ素子に使われている強誘電体薄膜の複素
誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分散)及び静的誘電
率(誘電定数と誘電損失)を決定することができる。電
気光学素子に使われている電気光学結晶のフォノンポラ
リトン分散曲線の決定及びフォノンポラリトン緩和定数
を決定することができる。強誘電体ゲートFETに使わ
れている強誘電体薄膜の複素誘電定数及び誘電損失の分
散並びに静的誘電定数及び誘電損失を決定することがで
きる。
【0032】請求項7に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定装置は、請求項6に記載の誘電体物質の光
物性定数の光学的測定装置において、前記誘電体物質を
構成要素とする電子素子の製造プロセスの工程中に前記
誘電体物質の誘電率を自動測定することを特徴とする。
【0033】請求項8に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定装置は、請求項7に記載の誘電体物質の光
物性定数の光学的測定装置において、前記電子素子が強
誘電体メモリであることを特徴とする。
【0034】請求項9に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定装置は、請求項7に記載の誘電体物質の光
物性定数の光学的測定装置において、前記電子素子が強
誘電体電界効果トランジスタであることを特徴とする。
【0035】請求項10に記載の誘電体物質の光物性定
数の光学的測定装置は、請求項7に記載の誘電体物質の
光物性定数の光学的測定装置において、前記電子素子が
弾性表面波フィルタであることを特徴とする。
【0036】請求項11に記載の誘電体物質の光物性定
数の光学的測定装置は、請求項7に記載の誘電体物質の
光物性定数の光学的測定装置において、前記電子素子が
誘電体セラミックフィルタであることを特徴とする。
【0037】請求項12に記載の誘電体物質の光物性定
数の光学的測定装置は、請求項7に記載の誘電体物質の
光物性定数の光学的測定装置において、前記電子素子が
積層セラミックコンデンサであることを特徴とする。
【0038】請求項7から請求項12のいずれかに記載
の誘電体物質の光物性定数の光学的測定装置によれば、
以下のような作用効果を得る。高精度で誘電体物質の誘
電率を決定できるので、電子素子の検査精度が向上す
る。電子素子の製造ラインから電子素子を取り出してオ
フラインで誘電率を測定する必要がないので、生産効率
が飛躍的に向上する。全ての製品に対して、リアルタイ
ムで誘電率の検査が可能である。FeRAM、MFIS
−FET、高誘電率薄膜キャパシタ(超高集積DRA
M)等の不揮発メモリ素子に使われている強誘電体薄膜
の複素誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分散)及び静
的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定することができ
る。テラヘルツ帯弾性表面波フィルタの誘電定数分散及
び誘電損失分散を決定することができる。積層セラミッ
クコンデンサなどの機能性セラミック素子中の誘電体物
質の誘電定数分散及び誘電損失分散を決定することがで
きる。共振型誘電セラミックフィルタの誘電定数及び誘
電損失分散を決定することができる。強誘電体ゲートF
ETに使われている強誘電体薄膜の複素誘電定数及び誘
電損失の分散並びに静的誘電定数及び誘電損失を決定す
ることができる。測定は、全て非接触、in−sit
u、オンラインで精密自動で行うことができる。
【0039】請求項13に記載の誘電体物質を構成要素
とする電子素子の製造プロセスシステムは、請求項7に
記載の誘電体物質の光物性定数の光学的測定装置を組み
込んだことを特徴とする。
【0040】請求項14に記載の電子素子の製造プロセ
スシステムは、請求項13に記載の電子素子の製造プロ
セスシステムにおいて、前記電子素子が強誘電体メモリ
であることを特徴とする。
【0041】請求項15に記載の電子素子の製造プロセ
スシステムは、請求項13に記載の電子素子の製造プロ
セスシステムにおいて、前記電子素子が強誘電体電界効
果トランジスタであることを特徴とする。
【0042】請求項16に記載の電子素子の製造プロセ
スシステムは、請求項13に記載の電子素子の製造プロ
セスシステムにおいて、前記電子素子が弾性表面波フィ
ルタであることを特徴とする。
【0043】請求項17に記載の電子素子の製造プロセ
スシステムは、請求項13に記載の電子素子の製造プロ
セスシステムにおいて、前記電子素子が誘電体セラミッ
クフィルタであることを特徴とする。
【0044】請求項18に記載の電子素子の製造プロセ
スシステムは、請求項13に記載の電子素子の製造プロ
セスシステムにおいて、前記電子素子が積層セラミック
コンデンサであることを特徴とする。
【0045】請求項13から請求項18のいずれかに記
載の電子素子の製造プロセスシステムによれば、以下の
ような作用効果を得る。高精度で誘電体物質の誘電率を
決定できるので、電子素子の検査精度が向上する。電子
素子の製造ラインから電子素子を取り出してオフライン
で誘電率を測定する必要がないので、生産効率が飛躍的
に向上する。全ての製品に対して、リアルタイムで誘電
率の検査が可能である。FeRAM、MFIS−FE
T、高誘電率薄膜キャパシタ(超高集積DRAM)等の
不揮発メモリ素子に使われている強誘電体薄膜の複素誘
電分散(誘電定数分散と誘電損失分散)及び静的誘電率
(誘電定数と誘電損失)を決定することができる。テラ
ヘルツ帯弾性表面波フィルタの複素誘電定数分散及び誘
電損失分散を決定することができる。積層セラミックコ
ンデンサなどの機能性セラミック素子中の誘電体物質の
複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定することがで
きる。共振型誘電セラミックフィルタの複素誘電定数及
び誘電損失分散を決定することができる。強誘電体ゲー
トFETに使われている強誘電体薄膜の誘電定数及び誘
電損失の分散並びに静的誘電定数及び誘電損失を決定す
ることができる。測定は、全て非接触、in−sit
u、オンラインで精密自動で行うことができる。
【0046】
【発明の実施の形態】図2に本発明の誘電体物質の光物
性定数の光学的測定装置に組み込まれる一般的なTHz
−TDSの概要を示す。
【0047】符号1は励起源であり、例えば、レーザー
である。励起源1から放射されたフェムト秒レーザ光L
1は、ビームスプリッタ2で分割される。一方のフェム
ト秒レーザパルスは、パルス励起光L1として光チョッ
パ3により断続的にパルス電磁波放射素子5に送られ、
対物レンズ4で集束されてパルス電磁波放射素子5に照
射される。このパルス電磁波放射素子5は例えば光伝導
素子であり、パルス励起光L1が照射されたときに瞬間
的に電流が流れ、テラヘルツパルス電磁波L2を放射す
る。このテラヘルツパルス電磁波L2は、放物面鏡6、
7により平行化され測定試料である誘電体物質8に照射
される。その試料8の透過ないし反射テラヘルツ電磁波
(ここでは透過テラヘルツ電磁波)L3は、放物面鏡1
0、11により集光され、検出器(検出手段)12に導
光される。
【0048】他方のフェムト秒レーザは、サンプリング
・パルス光L4として検出器12に導光される。この検
出器12も例えば光伝導素子であり、サンプリング・パ
ルス光L4で照射され、その瞬間だけ導電性となり、そ
の瞬間の試料8からの透過テラヘルツ電磁波(以下、単
に透過電磁波ともいう)L3の電場の強度を電流として
検出することができる。ビームスプリッタ2から検出器
12に到達するまでの時間を遅延手段13、14で変え
ることにより、試料を透過して来た透過電磁波L3の時
間波形を得ることができる。
【0049】検出用光伝導素子はサンプリング・パルス
光L4を照射している間の試料からの透過電磁波L3の
電場による電流を検出するが、サンプリング・パルス光
の時間幅は透過電磁波L3の時間幅よりも数十分の一程
度とかなり短い。すなわち、透過電磁波L3の最初の部
分から最後の部分までが到達する時間に比較してサンプ
リング・パルス光L4の照射時間は短い。そのため、サ
ンプリング・パルス光L4が照射している間の検出用光
伝導素子に流れる電流は透過電磁波L3の電場のごく短
い照射時間部分に依存し、透過電磁波L3の電場のうち
遅延手段13、14による時間遅延によって決められた
時間部分のみが電流として測定され、さらに時間遅延を
ずらしていくことにより透過電磁波L3の電場の他の部
分も測定でき、透過電磁波L3の電場の時間波形を得る
ことができるのである。
【0050】試料8の透過テラヘルツ電磁波の電場強度
の各時間分解データは、信号処理手段によって処理され
る。すなわち、ロックイン・増幅器16を介してコンピ
ュータ17に伝送され、順次、時系列データに記憶さ
れ、一連の時系列データを、該コンピュータ17でフー
リエ変換処理して振動数(周波数)空間に変換すること
により、試料8の透過テラヘルツ電磁波の振幅及び位相
の分光スペクトルが得られる。
【0051】励起源1は、例えばモード同期、エルビウ
ム(Er)ドーピングのファイバレーザである。このモ
ード同期ファイバレーザ1は、例えば平均パワー10m
W、パルス励起光L1を、波長780nm、時間幅12
0フェムト秒、繰り返し周波数48.5MHzで伝送す
る。
【0052】前記励起源から発生するパルス励起光の時
間幅は、6フェムトから170フェムト秒以下に設定す
る。より好適には、15フェムト秒から70フェムト秒
以下である。最も好適には、30フェムト秒である。
【0053】このとき、モード同期ファイバレーザ1
で、パルス励起光L1の時間幅を、例えば170フェム
ト秒に設定すると、該パルス電磁波放射素子5から発生
するテラヘルツ放射電磁波L2には、ほぼ波数範囲0〜
196cm-1のミリ波から遠赤外波長光が含まれる。ま
た、パルス励起光L1の時間幅を、例えば6フェムト秒
に設定すると、該パルス電磁波放射素子5から発生する
テラヘルツ放射電磁波L2には、ほぼ波数範囲0〜55
56cm-1のミリ波から近赤外波長光が含まれる。
【0054】励起源としては、電子ピーム型発振器、た
とえぱ軌道放射光源(SOR)、光蓄横リング放射光
(Pb SR)等を用いることもできる。
【0055】パルス電磁波放射素子5には、例えば、図
3に示すように、シリコンレンズ/TL一GaAs基板
30に形成されたダイポールアンテナ構造の光伝導スイ
ッチ素子31が用いられる。そして、テラヘルツ放射光
L2の発生には、このようなパルス電磁波放射素子5
に、パルス励起光L1を照射し、電子・正孔の自由キャ
リアを誘起させ、超高速電流変調することによって、そ
のテラヘルツ放射L2を得ている。すなわち、バイアス
電流印加のパルス電磁波放射素子5に、パルス励起光L
1が照射されると、電場が揺り動かされる。電場が揺り
動かされると、電流が揺り動かされることにより、パル
ス電磁波放射素子5に照射されたパルス励起光L1の時
間幅△tにより規定される振動数(周波数)範囲に渡
り、連続スベクトル分布を持ったテラヘルツ放射電磁波
L2が得られる。
【0056】また、パルス電磁波放射素子5は、バルク
のInAs(100)結晶でもよい。InAs(10
0)は、結晶の格子面(100)が切り出され、ガリウ
ム砒素(GaAs)に比較し、優れた電磁波の放射性能
を持ち、該InAs結晶の格子面(100)に、パルス
励起光L1が照射されると、テラヘルツ放射電磁波L2
が放射方向の全体にまんべんなく引き起こされる。ま
た、InPやGaAsでもよい。
【0057】さらに、パルス電磁波放射素子5は、電気
光学素子でもよいし、非対称二重量子井戸構造や超格子
構造を利用したものでもよい。
【0058】図4に、検出器12の概略図を示す。同図
に示す検出器12にも、例えば、シリコンレンズ/TL
一GaAs基板30に形成されたダイポールアンテナ構
造の光伝導スイッチ素子31が用いられる。このような
検出器12に、試料透過テラヘルツ電磁波L3とサンプ
リング・パルス光L4を同時に照射すると、サンプリン
グ・パルス光L4が照射された短時間の試料透過テラヘ
ルツ電磁波L3の強度を測定できる。尚、検出器12は
電気光学素子でもよい。
【0059】サンプリング・パルス光L4が検出器12
に到着する時間を制御しながら測定することにより、試
料透過テラヘルツ電磁波L3の強度の各時間分解データ
を測定できる。
【0060】遅延手段13、14は、パルス励起光がパ
ルス電磁波放射素子5に1回入射するごとに、検出器1
2からの所定の時間分解データの取り込みを指示するサ
ンプリングパルスを、前記パルス励起光に対し所定の時
間間隔づつ遅延させて検出器12に供給する。遅延手段
13、14は、例えば光路差掃引ステージにより時間遅
延を制御する。
【0061】次に、上記のようなTHz−TDSを組み
込んだ本発明の誘電体物質の光物性定数の光学的測定装
置における具体的な信号処理について、図5を参照して
説明する。
【0062】パルス電磁波放射素子から放射されたテラ
ヘルツ域の周波数範囲を含む連続スペクトル分布を有す
るパルス光は、図5(a)に示す以下の数式に示される
ような電場強度の時間波形を有する。
【数6】
【0063】このような強度の時間波形を有するパルス
光が試料である誘電体物質に入射し透過してくると、そ
の透過電磁波の電場強度の時間波形は、図5(b)に示
す以下の数式に示されるようなものとなる。
【数7】
【0064】このような強度の時間波形を有する透過光
の電場強度E透過(t)は、例えば、パルス電磁波放射
素子5と同様の検出器12を用いて、サンプリング・パ
ルス光L4により光伝導ギャップに励起されたキャリア
(数:N(t))の流れ(電流)として検出される。
【0065】その電流密度I(t)は、E透過(t)と
励起キャリア数N(t)とのコンボリューション、すな
わち、
【数8】 となる。ここで、前記τはサンプリング・パルス光L4
の遅延時間差であり、該遅延時間差τを、コンピュータ
17、光路差掃引ステージ13等により走査することに
よって試料透過(反射)電磁波の電場強度の時間依存性
を電流強度の時間軸信号I(τ)として検出する。
【0066】そして、試料透過電磁波L3の強度は、パ
ルス励起光L1に同期して、所定の時間Δτづつ遅延さ
れたサンプリング・パルス光L4によって、光学的に極
めて短時間隔でサンプリングされ(図5(c)参照)、
試料透過電磁波L3の電場強度の各時間分解信号として
検出される。このサンプリング幅Δt(sec)は、測
定に要求される測光スペクトルの波数分解能Δσ(cm
-1)に対してΔt=1/2πΔσで定められる。
【0067】こうして得られた時各時間分解信号から、
図5(d)に示したように、以下の数式で表される時系
列データIm(t)を得る。
【数9 】 ここで、α’n,κ(σ)(n、κは複素屈折率の実部
(通常の屈折率)と虚部(吸収定数)である)は、各周
波数毎の誘電体物質に入射したパルス電磁波の透過率に
対応する量であり、また、φn,κ(σ)は、各周波数毎
の誘電体物質に起因した位相シフトである。
【0068】このIm(t)を信号処理手段に伝送し、
フーリエ変換処理することによって透過電磁波(反射電
磁波)の振幅及び位相についての分光スペクトルデータ
を得る。
【0069】次いで、位相シフト決定手段によって、透
過電磁波(反射電磁波)の振幅及び位相についての分光
スペクトルデータを誘電体物質がない場合の分光スペク
トルデータと比較して各周波数毎の位相シフトφn,κ
(σ)を決定する。
【0070】さらに、波数決定手段によって、その位相
シフトから誘電体物質に入射されたパルス電磁波の波動
と誘電体物質内の分極場の波動との連成波(あるいはポ
ラリトン)の波数を各周波数毎に決定する。ここで、連
成波の波数は位相シフトφn,κ(σ)と試料の厚さとか
ら決定することができる。
【0071】こうして得られた連成波の周波数毎の波数
について、分散曲線作成手段によって横軸に波数、縦軸
に周波数(もちろんその逆でも構わない)としてプロッ
トされ、連成波の波数と周波数との分散曲線を得る。
【0072】さらに、誘電率決定手段によって、得られ
た連成波の波数と周波数との分散曲線から前記誘電体物
質の静的誘電率を決定する。
【0073】 本発明の誘電体物質の静的誘電率の評価
に用いる誘電体物質の光物性定数の光学的測定装置は、
誘電体物質を構成要素とする電子素子、例えば、強誘電
体メモリ、強誘電体電界効果トランジスタ、弾性表面波
フィルタ、誘電体セラミックフィルタ、及び積層セラミ
ックコンデンサのような製造プロセスの工程中に前記電
子素子を構成する誘電体物質の静的誘電率を自動測定す
るために用いることができる。また、全ての製品に対し
て、リアルタイムで誘電率の検査が可能である。
【0074】 また、本発明の誘電体物質の静的誘電率
の評価に用いる誘電体物質の光物性定数の光学的測定装
置は、誘電体物質を構成要素とする電子素子、例えば、
強誘電体メモリ、強誘電体電界効果トランジスタ、弾性
表面波フィルタ、誘電体セラミックフィルタ、及び積層
セラミックコンデンサのような製造ラインに組み込むこ
ともできる。この場合、電子素子の製造ラインから電子
素子を取り出してオフラインで誘電率を測定する必要が
ないので、生産効率が飛躍的に向上する。また、全ての
製品に対して、リアルタイムで誘電率の検査が可能であ
る。
【0075】次に、本発明の誘電体物質の光物性定数の
光学的測定装置及びその方法によって誘電分散及び静的
誘電率を決定した実施例として、強誘電体Bi4Ti3
12の場合を示す。
【0076】用いたBi4Ti312の試料はc軸に対し
て垂直な面方向に成長させたもので、その寸法は15×
15mm2で膜厚225μmの単結晶薄膜である。その
Bi4Ti312の単結晶薄膜はその面に対して劈開性を
有する。
【0077】測定の概要を以下に説明する。励起源とし
ては、波長780nm、20mWの出力のフェムト秒励
起パルス光を繰り返し周波数48MHzで発生するモー
ド同期エルビウム(Er)ドーピングのファイバレーザ
を用いた。試料へ入射するパルス測定光を放射するパル
ス電磁波放射素子として、低温で成長させたGaAsか
ら成る光伝導スイッチ素子を用いた。モード同期エルビ
ウムドーピングファイバレーザからの励起パルスは対物
レンズによって光伝導スイッチ素子に合焦した。光伝導
スイッチ素子が放射したパルス電磁波はBi4Ti312
単結晶薄膜試料の劈開面へ入射し、その透過電磁波を測
定した。透過電磁波の検出器としても低温で成長させた
GaAsから成る光伝導スイッチ素子を用いた。サンプ
リング・パルス光としては、モード同期エルビウムドー
ピングファイバレーザからの入射励起パルス光をビーム
スプリッターで分割したパルス光を用い、試料からの透
過光の電場信号の検出のゲートの開閉を行った。全ての
光学装置及び試料は、水蒸気による吸収を低減するた
め、真空チャンバに配置した。測定は室温で行った。
【0078】Bi4Ti312は室温で単斜晶系のペロブ
スカイト構造であり、自発分極の方向は、単斜晶軸方向
であるa軸に対して約4.5°傾斜している。そのa軸
に対して偏光したa軸偏光、そしてその垂直方向である
b軸偏光に対する試料の透過電磁波の電場強度の透過率
及び位相シフトの周波数依存性を示す測定結果をそれぞ
れ、図6(a)及び(b)に示す。黒丸は透過率、白丸
は位相シフトを示している。
【0079】図6(a)において、黒丸で示した透過率
からは、この物質が22cm-1から36cm-1に不透明
領域を持つことがわかる。すなわち、A’モードではこ
の領域にフォノンが存在しないバンドギャップが存在し
ていることを示している。また、白丸の位相シフトは、
22cm-1から36cm-1のバンドギャップエッジ近傍
で急に遅れていくことが分かる。
【0080】図6(b)において、図6(a)と同じよ
うに、A”モードでは28cm-1から43cm-1の領域
にフォノンが存在しないバンドギャップが存在している
ことを示している。また、28cm-1から43cm-1
ギャップエッジ近傍ではやはり、位相が急速に遅れるこ
とが分かる。
【0081】図7(a)及び(b)はそれぞれ、図6
(a)及び(b)で示した各周波数毎の誘電体物質によ
る位相シフトφn,κ(σ)とBi4Ti312単結晶薄膜
試料の厚さとから、試料に入射したパルス電磁波の波動
と試料内の分極場の波動との連成波の波数を各周波数毎
に決定し、横軸に波数、縦軸に周波数としてプロットし
た、連成波の波数と周波数との分散関係を示している。
この分散関係は、試料内の分極場をフォノンした場合の
分散曲線によく一致する。この場合、Ω=0における接
線の傾きは、c/ε(0)を与えることから(段落[0
010]参照)、静的誘電率ε(0)は、図7(a)の
場合には79.2、図7(b)の場合には149.0で
あると決定することができた。
【0082】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る誘電体物質の光物性定数の光学的測定方法及びその装
置並びにその装置を組み込んだ製造システムによれば、
以下のような効果を奏する。
【0083】請求項1及び請求項2に記載の誘電体物質
の光物性定数の光学的測定方法によれば、誘電体物質に
入射されたパルス電磁波の波動と前記誘電体物質内の分
極場の波動との連成波の波数と周波数との分散曲線か
ら、誘電体物質についてその基本物性である電磁波(電
場)による誘電分極の特性についての情報を知得するこ
とができるという効果を奏する。また、FeRAM、M
FIS−FET、高誘電率薄膜キャパシタ(超高集積D
RAM)等の不揮発メモリ素子に使われている強誘電体
薄膜の複素誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分散)及
び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定することが
できるという効果を奏する。また、テラヘルツ帯弾性表
面波フィルタの複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決
定することができるという効果を奏する。また、積層セ
ラミックコンデンサなどの機能性セラミック素子中の誘
電体物質の複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定す
ることができるという効果を奏する。また、共振型誘電
セラミックフィルタの複素誘電定数及び誘電損失分散を
決定することができるという効果を奏する。また、超音
波センサ(PZT)素子に使われている圧電物質の複素
誘電定数及び誘電損失分散を決定することができるとい
う効果を奏する。また、焦電式赤外センサ素子に使われ
ている強誘電体物質の誘電定数及び誘電損失分散を決定
することができるという効果を奏する。また、エレクト
ロルミネセンス素子に積層された複素誘電体薄膜の複素
誘電定数分散及び誘電損失分散を決定することができる
という効果を奏する。また、測定は、全て非接触、in
−situ、オンラインで精密自動で行うことができる
という効果を奏する。
【0084】請求項3に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定方法によれば、FeRAMなどに使われて
いる強誘電体薄膜の誘電分散(誘電定数分散と誘電損失
分散)及び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定す
ることができるという効果を奏する。また、テラヘルツ
帯弾性表面波フィルタの誘電定数分散及び誘電損失分散
を決定することができるという効果を奏する。また、積
層セラミックコンデンサなどの機能性セラミック素子中
の誘電体物質の誘電定数分散及び誘電損失分散を決定す
ることができるという効果を奏する。また、共振型誘電
セラミックフィルタの誘電定数及び誘電損失分散を決定
することができるという効果を奏する。また、超音波セ
ンサに使われている圧電物質の誘電定数及び誘電損失分
散を決定することができるという効果を奏する。また、
焦電式赤外センサ素子に使われている強誘電体物質の誘
電定数及び誘電損失分散を決定することができるという
効果を奏する。また、電気光学素子に使われている電気
光学結晶のフォノンポラリトン分散曲線の決定及びフォ
ノンポラリトン緩和定数を決定することができるという
効果を奏する。
【0085】請求項4に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定方法によれば、FeRAMなどに使われて
いる強誘電体薄膜の誘電分散(誘電定数分散と誘電損失
分散)及び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定す
ることができるという効果を奏する。また、電気光学素
子に使われている電気光学結晶のフォノンポラリトン分
散曲線の決定及びフォノンポラリトン緩和定数を決定す
ることができるという効果を奏するという効果を奏す
る。また、強誘電体ゲートFETに使われている強誘電
体薄膜の誘電定数及び誘電損失の分散並びに静的誘電定
数及び誘電損失を決定することができるという効果を奏
する。
【0086】請求項5に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定装置によれば、誘電体物質に入射されたパ
ルス電磁波の波動と前記誘電体物質内の分極場の波動と
の連成波の波数と周波数との分散曲線から、誘電体物質
についてその基本物性である光(電場)による誘電分極
の特性について知得することができるという効果を奏す
る。また、励起源とパルス電磁波放射素子と検出手段と
信号処理手段と遅延手段とを含むTHz−TDS部によ
って、複素屈折率の実部(通常の屈折率)及び虚部(吸
収定数)や複素誘電率の実部(通常の誘電率)及び虚部
(誘電損失)の高精度な計測も可能である。従って、そ
れら複素屈折率と複素誘電率と前記分散曲線とから、誘
電体物質の光物性の特性ついて広範な知見を得ることが
できるという効果を奏する。また、FeRAM、MFI
S−FET、高誘電率薄膜キャパシタ(超高集積DRA
M)等の不揮発メモリ素子に使われている強誘電体薄膜
の複素誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分散)及び静
的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定することができ
るという効果を奏する。また、テラヘルツ帯弾性表面波
フィルタの複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定す
ることができるという効果を奏する。また、積層セラミ
ックコンデンサなどの機能性セラミック素子中の誘電体
物質の複素誘電定数分散及び誘電損失分散を決定するこ
とができるという効果を奏する。また、共振型誘電セラ
ミックフィルタの複素誘電定数及び誘電損失分散を決定
することができるという効果を奏する。また、超音波セ
ンサ(PZT)素子に使われている圧電物質の複素誘電
定数及び誘電損失分散を決定することができるという効
果を奏する。また、焦電式赤外センサ素子に使われてい
る強誘電体物質の誘電定数及び誘電損失分散を決定する
ことができるという効果を奏する。また、電気光学素子
に使われている電気光学結晶のフォノンポラリトン分散
曲線の決定及びフォノンポラリトン緩和定数を決定する
ことができるという効果を奏する。また、エレクトロル
ミネセンス素子に積層された複素誘電体薄膜の複素誘電
定数分散及び誘電損失分散を決定することができるとい
う効果を奏する。また、測定は、全て非接触、in−s
itu、オンラインで精密自動で行うことができるとい
う効果を奏する。
【0087】請求項6に記載の誘電体物質の光物性定数
の光学的測定装置によれば、誘電体物質についてその基
本物性値である静的誘電率を含む誘電率誘電率を知得す
ることができるという効果を奏する。また、FeRAM
などに使われている強誘電体薄膜の誘電分散(誘電定数
分散と誘電損失分散)及び静的誘電率(誘電定数と誘電
損失)を決定することができるという効果を奏する。ま
た、電気光学素子に使われている電気光学結晶のフォノ
ンポラリトン分散曲線の決定及びフォノンポラリトン緩
和定数を決定することができるという効果を奏する。ま
た、強誘電体ゲートFETに使われている強誘電体薄膜
の誘電定数及び誘電損失の分散並びに静的誘電定数及び
誘電損失を決定することができるという効果を奏する。
【0088】請求項7から請求項12のいずれかに記載
の誘電体物質の光物性定数の光学的測定装置によれば、
高精度で誘電体物質の誘電率を決定できるので、電子素
子の検査精度が向上するという効果を奏する。また、電
子素子の製造ラインから電子素子を取り出してオフライ
ンで誘電率を測定する必要がないので、生産効率が飛躍
的に向上するという効果を奏する。また、全ての製品に
対して、リアルタイムで誘電率の検査が可能であるとい
う効果を奏する。また、FeRAMなどに使われている
強誘電体薄膜の誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分
散)及び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定する
ことができるという効果を奏する。また、テラヘルツ帯
弾性表面波フィルタの誘電定数分散及び誘電損失分散を
決定することができるという効果を奏する。また、積層
セラミックコンデンサなどの機能性セラミック素子中の
誘電体物質の誘電定数分散及び誘電損失分散を決定する
ことができるという効果を奏する。また、共振型誘電セ
ラミックフィルタの誘電定数及び誘電損失分散を決定す
ることができるという効果を奏する。また、強誘電体ゲ
ートFETに使われている強誘電体薄膜の誘電定数及び
誘電損失の分散並びに静的誘電定数及び誘電損失を決定
することができるという効果を奏する。
【0089】請求項13から請求項18のいずれかに記
載の電子素子の製造プロセスシステムによれば、高精度
で誘電体物質の誘電率を決定できるので、電子素子の検
査精度が向上するという効果を奏する。また、電子素子
の製造ラインから電子素子を取り出してオフラインで誘
電率を測定する必要がないので、生産効率が飛躍的に向
上するという効果を奏する。また、全ての製品に対し
て、リアルタイムで誘電率の検査が可能であるという効
果を奏する。また、FeRAMなどに使われている強誘
電体薄膜の誘電分散(誘電定数分散と誘電損失分散)及
び静的誘電率(誘電定数と誘電損失)を決定することが
できるという効果を奏する。また、テラヘルツ帯弾性表
面波フィルタの誘電定数分散及び誘電損失分散を決定す
ることができるという効果を奏する。また、積層セラミ
ックコンデンサなどの機能性セラミック素子中の誘電体
物質の誘電定数分散及び誘電損失分散を決定することが
できるという効果を奏する。また、共振型誘電セラミッ
クフィルタの誘電定数及び誘電損失分散を決定すること
ができるという効果を奏する。また、強誘電体ゲートF
ETに使われている強誘電体薄膜の誘電定数及び誘電損
失の分散並びに静的誘電定数及び誘電損失を決定するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポラリトンの波数−周波数分散関係を示す
グラフである。
【図2】 本発明に係る誘電体物質の光物性定数の光
学的測定装置に組み込まれる一般的なTHz−TDSの
概略構成図である。
【図3】 本発明に係るパルス電磁波放射素子の一実
施形態の概略構成図である。
【図4】 本発明に係る検出器の一実施形態の概略構
成図である。
【図5】 本発明に係る誘電体物質の光物性定数の光
学的測定装置に組み込まれる一般的なTHz−TDSの
信号処理の流れの説明図である。
【図6】 Bi4Ti312からの透過電磁波の電場強
度の透過率及び位相シフトの周波数依存性を示すグラフ
であり、(a)a軸偏光の場合、(b)b軸偏光の場合
である。
【図7】 (a)図5(a)の場合のBi4Ti312
内の連成波の波数と周波数との分散曲線を示すグラフで
ある。(b)のBi4Ti312内の連成波の波数と周波
数との分散曲線を示すグラフである。
【符号の説明】 1 励起源 2 ビームスプリッタ 3 光チョッパ 4 対物レンズ 5 パルス電磁波放射素子 6,7,9,10 放物面鏡 8 誘電体物質(試料) 12 検出手段(検出器) 13,14 遅延手段 15 増幅器 16 ロックイン増幅器 17 コンピュータ L1 励起パルス光 L2 入射テラヘルツパルス電磁波 L3 透過テラヘルツパルス電磁波 L4 サンプリング・パルス光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/788 H01L 29/78 371 29/792 Fターム(参考) 2G020 AA03 BA02 CA14 CB23 CB42 CC47 CC48 CD04 CD13 CD35 CD56 2G059 AA02 BB16 EE01 EE02 FF04 GG01 HH01 MM01 MM05 5F083 FR01 FR06 ZA20 5F101 BA62 BH30

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テラヘルツ域の周波数範囲を含む連続
    スペクトル分布を有するパルス電磁波を誘電体物質に入
    射し、その反射電磁波又は透過電磁波の電場強度の時間
    波形を測定し、その電場強度の時間波形をフーリエ変換
    することによって振幅及び位相についての分光スペクト
    ルデータを得て、得られた振幅及び位相についての分光
    スペクトルデータを前記誘電体物質がない場合の分光ス
    ペクトルデータと比較して各周波数毎に前記誘電体物質
    による位相シフトを求め、その位相シフトから前記誘電
    体物質に入射されたパルス電磁波の波動と前記誘電体物
    質内の分極場の波動との連成波の波数を各周波数毎に求
    めることによってその連成波の分散曲線を得る誘電体物
    質の光物性定数の光学的測定方法。
  2. 【請求項2】 前記分散曲線から前記誘電体物質の誘
    電分散を決定する請求項1に記載の誘電体物質の光物性
    定数の光学的測定方法。
  3. 【請求項3】 前記分散曲線から前記誘電体物質の静
    的誘電率を決定する請求項1に記載の誘電体物質の光物
    性定数の光学的測定方法。
  4. 【請求項4】 前記分極場がフォノンとされた請求項
    1から請求項3のいずれかに記載の誘電体物質の光物性
    定数の光学的測定方法。
  5. 【請求項5】 所定の時間幅のパルス励起光を所定の
    周波数で発生する励起源と、 前記励起源からのパルス励起光が照射されると、テラヘ
    ルツ域の周波数範囲を含む連続スペクトル分布を有する
    パルス電磁波を放射し、測定する誘電体物質に照射する
    パルス電磁波放射素子と、 前記誘電体物質からの反射電磁波又は透過電磁波の電場
    の各時間分解信号を検出する検出手段と、 その時各時間分解信号から時系列データを得、該時系列
    データをフーリエ変換処理することによって前記の反射
    電磁波又は透過電磁波の振幅及び位相についての分光ス
    ペクトルデータを得る信号処理手段と、 前記パルス励起光が前記パルス電磁波放射素子に一回入
    射するごとに、前記検出手段からの所定の時間分解信号
    の取り込みを指示するためのサンプリングバルスを、該
    パルス励起光に対し所定の時間間隔づつ遅延させて前記
    検出手段に供給する遅延手段と、を備えた光物性定数の
    光学的測定装置において、 さらに、前記の反射電磁波又は透過電磁波の振幅及び位
    相についての分光スペクトルデータを前記誘電体物質が
    ない場合の分光スペクトルデータと比較して各周波数毎
    に前記誘電体物質による位相シフトを決定する位相シフ
    ト決定手段と、 その位相シフトから前記誘電体物質に入射されたパルス
    電磁波の波動と前記誘電体物質内の分極場の波動との連
    成波の波数を各周波数毎に決定する波数決定手段と、 その波数決定手段によって得られた連成波の波数と周波
    数との分散曲線を得る分散曲線作成手段と、を備えたこ
    とを特徴とする誘電体物質の光物性定数の光学的測定装
    置。
  6. 【請求項6】 前記分散曲線作成手段によって得られ
    た分散曲線から前記誘電体物質の誘電率を決定する誘電
    率決定手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の
    誘電体物質の光物性定数の光学的測定装置。
  7. 【請求項7】 前記誘電体物質を構成要素とする電子
    素子の製造プロセスの工程中に前記誘電体物質の誘電率
    を自動測定するために用いる請求項6に記載の誘電体物
    質の光物性定数の光学的測定装置。
  8. 【請求項8】 前記電子素子が強誘電体メモリである
    請求項7に記載の誘電体物質の光物性定数の光学的測定
    装置。
  9. 【請求項9】 前記電子素子が強誘電体電界効果トラ
    ンジスタである請求項7に記載の誘電体物質の光物性定
    数の光学的測定装置。
  10. 【請求項10】 前記電子素子が弾性表面波フィルタ
    である請求項7に記載の誘電体物質の光物性定数の光学
    的測定装置。
  11. 【請求項11】 前記電子素子が誘電体セラミックフ
    ィルタである請求項7に記載の誘電体物質の光物性定数
    の光学的測定装置。
  12. 【請求項12】 前記電子素子が積層セラミックコン
    デンサである請求項7に記載の誘電体物質の光物性定数
    の光学的測定装置。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載の誘電体物質の光物
    性定数の光学的測定装置を組み込んだことを特徴とする
    誘電体物質を構成要素とする電子素子の製造プロセスシ
    ステム。
  14. 【請求項14】 前記電子素子が強誘電体メモリであ
    る請求項13に記載の電子素子の製造プロセスシステ
    ム。
  15. 【請求項15】 前記電子素子が強誘電体電界効果ト
    ランジスタである請求項13に記載の電子素子の製造プ
    ロセスシステム。
  16. 【請求項16】 前記電子素子が弾性表面波フィルタ
    である請求項13に記載の電子素子の製造プロセスシス
    テム。
  17. 【請求項17】 前記電子素子が誘電体セラミックフ
    ィルタである請求項13に記載の電子素子の製造プロセ
    スシステム。
  18. 【請求項18】 前記電子素子が積層セラミックコン
    デンサである請求項13に記載の電子素子の製造プロセ
    スシステム。
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