JPH1123493A - セラミック性状の測定方法とその装置 - Google Patents

セラミック性状の測定方法とその装置

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JPH1123493A
JPH1123493A JP18777797A JP18777797A JPH1123493A JP H1123493 A JPH1123493 A JP H1123493A JP 18777797 A JP18777797 A JP 18777797A JP 18777797 A JP18777797 A JP 18777797A JP H1123493 A JPH1123493 A JP H1123493A
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ceramic
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microwave
sintering
measuring
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JP18777797A
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Shigeyoshi Osaki
茂芳 大▲崎▼
Fumie Oosaki
文恵 大崎
Kunio Murata
邦夫 村田
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ATSUKUSU KK
CORP MIYUKI KK
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ATSUKUSU KK
CORP MIYUKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 セラミックの配向方向と複素誘電率とを測
定する。焼結に伴う配向方向の変化は焼結の度合を表
し、複素誘電率からマイクロ波領域での誘電損失を求め
る。また誘電率の分布並びに配向方向の分布から、グリ
ーンシートの均質性を求める。 【効果】 セラミックの焼結度の新たな測定方法が得
られ、またグリーンシートの均質性の新たな測定方法が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明はマイクロ波を用いたセラ
ミック性状の測定に関し、特にセラミックの焼結度の測
定,グリーンシートの配向方向分布の測定や誘電率分布
の測定に関する。
【0002】この明細書において、セラミックはアルミ
ナや窒化アルミニウム,ジルコニア、スピネル,マグネ
シア等のIC基板等に用いられるセラミック、チタン酸
バリウムやチタン酸鉛等の圧電素子や誘電体等に用いら
れるセラミック、ポリシリコン焼結体等の太陽電池用セ
ラミック、磁気シールド材やタイル,板ガラス等を含む
ものとする。またグリーンシートは焼結前のセラミック
のシートを指し、単にセラミックという場合、焼結前の
セラミックも焼結後のセラミックも含むものとする。
【0003】
【従来技術】セラミックの焼結度の測定では、伝統的に
比重の測定が行われている。そして測定した比重が理論
比重に達した時を焼結度100%とし、比重が低いほど
焼結度が低いものとする。このような測定では、セラミ
ックの密度変化を問題とし、焼結活性の変化やセラミッ
ク粒子の状態の変化自体は問題とされていない。例えば
バインダー量の異なる2つのシートを用意し、300℃
程度で長時間予熱してバインダーを除去すると共に初期
的な形態強度を付与する。この後2つのシートを同じ条
件で焼結すると、バインダー量の多いシートでは焼結後
の状態もより多孔質となる。しかしこれらの2つのシー
トは当初のバインダー量の相違を除いて同一で、焼結後
の比重の差は当初のバインダー量の差を表しているに過
ぎない。このように比重によるセラミックの焼結度の管
理には限界があり、比重とは異なる観点からの焼結度の
測定方法が必要である。
【0004】セラミック技術での他の課題として、焼結
による形状ばらつきがある。この課題の重要性は、多数
のスルーホールを備えた多層配線用のアルミナ基板を考
えれば明らかである。焼結後の形状を正確に予測できる
ようにするには、焼結収縮率のばらつきが小さければ良
い。しかし現状では焼結収縮率のばらつきを、焼結前に
予測する方法が無い。
【0005】
【発明の課題】この発明の課題は、 1) セラミックの焼結度の新たな測定方法を提供するこ
と(請求項1〜3)、 2) マイクロ波領域でのセラミックの新たな誘電損失の
測定方法を提供すること(請求項3)、 3) 焼結前のセラミックの均質性についての新たな測定
方法を提供すること(請求項4,5)、 4) 上記1)〜3)に対応した新たな測定装置を提供するこ
と(請求項6〜8)、 にある。
【0006】
【発明の構成】この発明は、焼結に伴うセラミックの配
向方向の変化を測定し、これからセラミックの焼結の度
合を求めることを特徴とする。配向方向の測定法は、実
施例に示すマイクロ波の測定に限らず任意である。配向
方向は、好ましくは焼結前と焼結後に測定し、その変化
を求める。ただし焼結前の配向方向が既知な場合、焼結
後の配向方向のみを測定しても良い。
【0007】好ましくは、空胴共振器の長手方向のほぼ
中心部に設けたギャップにセラミック試料を挿入して、
空胴共振器の一端からマイクロ波を加えて他端で透過マ
イクロ波強度を測定し、かつマイクロ波の振動方向に対
する試料の向きを変えて、配向方向を求める。
【0008】また好ましくは、マイクロ波の周波数を空
胴共振器の共振周波数付近で変化させて、セラミック試
料の有無によるQの変化を求めることにより、マイクロ
波領域でのセラミック試料の誘電損失を求める。
【0009】この発明はまた、空胴共振器の長手方向の
ほぼ中心部に設けたギャップに焼結前のセラミック試料
を挿入し、該セラミック試料の複数の位置について空胴
共振器の共振周波数を測定することにより、焼結前のセ
ラミック試料の誘電率分布を求めることを特徴とする。
【0010】この発明はまた、空胴共振器の長手方向の
ほぼ中心部に設けたギャップに焼結前のセラミック試料
を挿入して、空胴共振器の一端からマイクロ波を加えて
他端で透過マイクロ波強度を測定するように構成し、か
つマイクロ波の振動方向に対する該試料の向きと位置と
を変えて透過マイクロ波強度を測定することにより、焼
結前のセラミック試料の配向方向分布を測定することを
特徴とする。
【0011】この発明のセラミック性状の測定装置は、
断面がほぼ長方形状で、長手方向の一端にマイクロ波の
供給源を、ほぼ中心部にギャップを、他端に透過マイク
ロ波強度の測定手段を設けた空胴共振器を少なくとも1
個設けて、ギャップにセラミック試料を挿入した際の透
過マイクロ波強度を測定できるようにし、かつセラミッ
ク試料の複数の場所でかつ複数の向きで、透過マイクロ
波強度を測定できるようにしたことを特徴とする。
【0012】ここで空胴共振器を1個設けて、ギャップ
に対する試料の位置と向きを、例えばXYテーブルと回
転テーブルとで変化させても良い。しかしこれでは測定
時間が長くなる。そこで好ましくは、空胴共振器を互い
にほぼ60度の向きで3個配置し、かつ前記3個の空胴
共振器に対してセラミック試料を平行移動させるための
手段を設ける。さらに好ましくは、向きを互いにほぼ6
0度変えた空胴共振器の列を複数列設ける。
【0013】
【発明の作用と効果】発明者は配向方向の変化と焼結と
が相関し、配向方向の変化から焼結の度合を求めること
ができることを見い出した。配向方向は例えばアルミナ
系のセラミックでは、焼結の前後で60〜120度変化
する。このようにして求めた焼結の度合は比重の変化と
は別のものである。配向方向の変化は、グリーンシート
作成時のドクターブレードやカレンダーロールでの圧力
による配向が消滅し、焼結に伴う新たな配向に変化した
ことを意味する。
【0014】セラミックの配向方向は例えば、長手方向
のほぼ中心部にギャップを備えた空胴共振器のギャップ
にセラミック試料を挿入して、空胴共振器の一端からマ
イクロ波を加えて、マイクロ波の振動方向に対する試料
の向きを変えて、他端で透過マイクロ波強度を測定し、
透過マイクロ波強度のマイクロ波の振動方向に対する試
料の向きへの依存性から求めることができる。そして例
えばグリーンシートと焼結後のセラミックの双方につい
て配向方向を求めてその変化を算出する、あるいはグリ
ーンシートの配向方向は既知として、焼結後のセラミッ
クについて配向方向を求める。
【0015】透過マイクロ波強度は、マイクロ波の振動
方向と試料の配向方向の間の角度で定まる。そこでマイ
クロ波の振動方向に対する試料の向きを、好ましくは3
点以上に変化させて測定すれば、配向方向を求めること
ができる。なお測定系の空胴共振器を1個として試料側
の向きを変えて測定しても良く、測定系に複数の空胴共
振器を向きを変えて設けて、試料の向きは例えば固定で
測定しても良い。
【0016】マイクロ波の周波数を共振周波数付近で変
化させると、Qや例えば複素誘電率の測定ができる。そ
してQの大小はマイクロ波領域での誘電損失に対応し、
例えばQの逆数をセラミック試料を挿入した状態とセラ
ミック試料無しの状態で測定し、それらの差を求めると
誘電損失を求めることができる。セラミック試料の有無
によるQの変化は、近似的に試料の有無による透過マイ
クロ波強度の比の2乗根と1との差で定まり、Qはセラ
ミック試料無しで測定し、セラミック試料の有無による
透過マイクロ波強度の変化を測定しても良い。なお試料
無しでの共振周波数やQの値は一般に既知で、測定を省
略しても良い。このようにして焼結の度合の測定に付随
して、誘電損失を求めることができる。
【0017】セラミック試料無しの状態と、セラミック
試料を挿入した状態とでの共振周波数の差は、複素誘電
率の実数部に対応する。そこで焼結前のセラミック試料
について、位置を変えて例えば複素誘電率の実数部を求
めれば、焼結前のセラミック試料の誘電率分布を知るこ
とができる。同様に複数の位置でかつ複数の向きで透過
マイクロ波の強度を求めれば、焼結前のセラミック試料
の配向方向を複数の場所で求めることができる。そして
誘電率や配向方向の分布が求まれば、試料の均質性を求
めることができる。
【0018】これらの測定を行うには、例えばセラミッ
ク試料の向きと場所を変えて、透過マイクロ波強度を測
定する装置が必要である。そしてこのような装置は、断
面がほぼ長方形状で、長手方向の一端にマイクロ波の供
給源を、ほぼ中心部にギャップを、他端に透過マイクロ
波強度の測定手段を設けた空胴共振器を少なくとも1個
設けて、ギャップにセラミック試料を挿入した際の透過
マイクロ波強度を測定できるようにし、かつセラミック
試料の複数の場所でかつ複数の向きで、透過マイクロ波
強度を測定することで実現できる。好ましくはマイクロ
波の周波数を変化させる手段を設けて、Qの測定や共振
周波数の測定を可能にする。
【0019】空胴共振器を1個設けて、例えば回転テー
ブルで試料を回転させ、XYテーブル等で試料を平行移
動させても良い。実際にはXYの2方向の移動が必要な
のではなく、ドクターブレードやカレンダーロールでグ
リーンシートを作成した際の方向(以下マシン方向)に
直角な方向への移動が必要である。従って平行移動方向
は1方向でも良い。しかしより短時間で測定を行うに
は、例えば空胴共振器を互いにほぼ60度向きを変えて
3個配置すれば良い。空胴共振器が2個で互いの向きが
90度では配向方向について曖昧さが残るが、3個であ
れば360度回転させて測定しなくても、配向方向を曖
昧さ無しで決定できる。また3個の空胴共振器の列を複
数設ければ、各空胴共振器で1回の測定で配向方向とそ
の分布等を測定できる。そしてこのようにすれば測定装
置をグリーンシートの製造ラインと焼結ラインとの間等
に組み込み、インラインで測定できる。
【0020】
【実施例】図1〜図7に、実施例の構造(図1,図2)
と、特性(図3,図4,図7)、及び2つの変形例(図
5,図6)を示す。図1において、C1〜C9は空胴共振
器で、共振器内のサイズは、長手方向長さcが58.1
mm,断面方向長径aが58.1mmで、断面方向短径
bが29.1mmである。空胴共振器Cn(以下個々の空
胴共振器をCnと標記することがある)内の電界方向は
断面方向の短径方向bを向いている。
【0021】各空胴共振器Cnには、図2に示すよう
に、長手方向の中心に例えば4mm程度のギャップ16
があり、上部空胴共振器12と下部空胴共振器14とに
物理的に分離されている。また空胴共振器Cnの両端付
近には、小穴18を備えた一対のシールドがあり、小穴
18がマイクロ波の節となる。シールドの両側にアンテ
ナAnとGaAs等の半導体からなる検出器Dnがあり、
アンテナAnを同軸ケーブル等を介して発振回路2,
4,6に接続し、検出器Dnを検出回路10に接続して
試料を透過したマイクロ波強度を求める。
【0022】図1に戻り、空胴共振器の向きを互いに6
0度変えて3個配置すると、空胴共振器の列ができる。
例えば空胴共振器C1,C2,C3が第1列を構成し、空
胴共振器C4,C5,C6が第2列を、空胴共振器C7,C
8,C9が第3列を構成する。そしてグリーンシートや焼
結後のセラミックを図のマシン方向MDに沿って送る
と、試料の両端付近(第1列,第3列)と中央部付近
(第2列)の3箇所で、各3方向について透過マイクロ
波の測定ができる。
【0023】2は制御回路で、特に3〜4GHz付近
(一般には1〜10GHz)のマイクロ波の発振回路
4,6,8を制御して、発振周波数をスイープさせる。
また検出回路10は各列の検出器、例えば検出器D1〜
D3の信号パターンから、配向方向を求め、同時に周波
数変調時のQの測定から誘電損失の値を求め、共振周波
数の測定から誘電率の実部を求める。また各列の信号の
比較から、配向方向の分布や誘電率分布、誘電損失分布
を求める。
【0024】図3,図4に、2方向あるいは3方向で求
めた透過マイクロ波強度からの配向方向の推定を示す。
図3のように2方向で透過マイクロ波強度を求めると、
測定値が存在するのは図3の4点となり、これを充す配
向パターンは図3に示すように多数存在する。一方60
度ずつ異なる3方向で透過マイクロ波強度を求めると、
6点で測定値と一致するパターンのみが許され、図4の
ように配向パターンを決定できる。即ち3個の空胴共振
器を互いに約60度向きを変えて配置すると、試料自体
を回転させなくても配向方向を決定できる。
【0025】
【変形例1】図5に、3個の空胴共振器C1〜C3を1列
に配置した変形例を示す。空胴共振器が1列で、XYテ
ーブル20で試料21の位置をX方向に移動させて、複
数の位置について配向方向,複素誘電率等の測定を可能
にする。3は新たな発振回路である。図1の実施例に比
べ、試料の移動と例えば3回に分けての測定が必要で、
測定時間が長くなる。
【0026】
【変形例2】図6に、1個の空胴共振器C1を用いた変
形例を示す。XYテーブル20で試料21の位置をX方
向に移動させ、回転テーブル22で例えば60度ずつ3
方向に回転させて、配向方向,複素誘電率等を測定す
る。5は新たな発振回路である。図1の実施例に比べ、
試料の移動と例えば9回に分けての測定が必要で、測定
時間が長い。
【0027】
【試験例】水を無視した組成で、アルミナ89重量%,
シリカ7重量%,有機バインダー4重量%のアルミナ系
グリーンシート(1.2mm厚,900mm幅,試料
1)をドクターブレード法で作成した。このシートを図
1の装置で測定し、透過マイクロ波強度I2を測定する
と共に、周波数を変化させて共振周波数f2及び共振の
強さQ2(f2/△f:△fは共振曲線における半値幅)
を求めた。測定はシートの両端付近と中央の3箇所で行
い、マシン方向(ドクターブレードでのシートの作成方
向)に沿った変化は無視して、各3方向について測定し
た。これ以外に、試料無しの状態について、透過マイク
ロ波強度I1,共振周波数f1,共振の強さQ1が必要で
あるが、これらは装置固有の値で既知である。
【0028】シートを最高温度1800℃×2時間とし
て空気中で焼結し、焼結後に上記と同様な測定を行っ
た。焼結前のシートでの配向パターンを図7の上部の
(1)〜(3)に、焼結後のシートの配向パターンを図7の下
部に示す。グリーンシートには幅方向に沿って配向主軸
(図の楕円の短軸方向)の分布があり、左端でマシン方
向と平行で、中央部でマシン方向マイナス(時計回り)
20度,右端でマシン方向マイナス10度であった。焼
結により配向主軸は90度(左端),83度(中央),
62度(右端)回転し、焼結に伴い配向方向が回転する
ことが判明した。またグリーンシートでの配向方向の分
布は焼結後も受け継がれ、かつ焼結によりシートの異方
性(配向パターンの縦横比)が減少することが判明し
た。焼結により試料の厚さは12%減少し、体収縮率は
37%,焼結後の比重は3.9でほぼ理論比重通りに焼
結されていた。
【0029】これらのことをまとめると、セラミックの
焼結には60度〜120度の配向方向の回転が伴い、焼
結によって異方性は減少することになる。次に上記と同
様のシートについて、最高焼結温度を1200℃,15
00℃,1600℃と変化させると、1200℃では配
向主軸の回転は試料の左から45度,37度,52度
で、1500℃では52度,66度,61度、1600
℃では62度,76度,71度であった。このように配
向主軸の回転角は焼結温度と対応し、焼結の度合を示
す。
【0030】図7の試料では、左,中央,右でグリーン
シートの配向主軸は最大20度変化していた。これに伴
い1800℃焼結後の試料の配向主軸にも最大31度の
変化がある。同様の試料で、マシン方向に直角な方向3
点での配向主軸の差が最大9度の試料(試料2)では、
1800℃焼結後の配向主軸の同じ方向3点での分布は
最大12度となり、配向主軸の差が最大4度の試料(試
料3)では、1800℃焼結後の配向主軸の3点での分
布は最大8度となった。このようにグリーンシートの配
向方向分布が小さい試料、特に3点測定の分布が10度
以下,より好ましくは5度以下の試料では、焼結後のセ
ラミックの配向方向分布が小さく、より均一な試料が得
られた。
【0031】次に試料1,2,3の一部を50mm角に
カットし、1800℃焼結後の形状を調べた。形状の測
定では、マシン方向(Y方向)とこれに直角な方向(X
方向)について、両端と中央の3点での収縮率の変動係
数を評価した。試料1ではY方向の収縮率の変動係数は
5%,X方向で3%、試料2ではY方向の変動係数は2
%,X方向で3%、試料2ではY方向の変動係数は2
%,X方向で2%であった。このようにグリーンシート
の配向方向の分布を小さくすると、収縮率のばらつきが
減少し、焼結後の形態の予測性が増加する。
【0032】試料4として試料1と同じ組成で厚さ0.
74mmのアルミナ系グリーンシートを作成し、周波数
を変化させてグリーンシートと1800℃焼結後のアル
ミナの複素誘電率を求めた。複素誘電率の実部ε'は式
(1)で定まり、虚部ε"は式(2)または(3)のいずれでも求
めることができる。tは試料の厚さで、A,Bは装置固
有の常数で既知である。複素誘電率は配向方向に応じた
角度依存性があるが、ここではマシン方向に直角な方向
と60度の方向,及び120度の方向の複素誘電率の平
均値を求め、この平均値を試料の左端付近と中央付近,
右端付近の点で求めた。結果を表1に示す。 ε'=1+(Ac/t)(f1−f2)/f2 (1) ε"=(Bc/2t)(1/Q2−1/Q1) (2) ε"=(Bc/2t)(1/Q1){(I1/I2)1/2−1} (3)
【0033】
【表1】 表1 複素誘電率の変化 試 料 厚み ε'(左,中央,右) ε"(左,中央,右) (mm) グリーンシート 0.740 5.22 5.36 5.28 0.033 0.035 0.038 焼結後 0.645 8.20 8.35 8.31 0.018 0.017 0.019
【0034】この試料では、焼結により厚さは13%減
少し、誘電率の実部は約60%増加し、虚部は約1/2
に減少した。また誘電損失は複素誘電率の虚部/実部の
比であり、焼結によって1/3に減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いたセラミック性状の測定装置
のブロック図
【図2】 実施例で用いた空胴共振器の斜視図
【図3】 2方向での測定値から推定した配向方向
と、可能な配向方向との分布との関係を示す特性図
【図4】 3方向での測定値から推定した配向方向
と、可能な配向方向との分布との関係を示す特性図
【図5】 変形例で用いたセラミック性状の測定装置
のブロック図
【図6】 第2の変形例で用いたセラミック性状の測
定装置のブロック図
【図7】 アルミナのグリーンシートの透過マイクロ
波パターンと、焼結後のアルミナの透過マイクロ波パタ
ーンとの関係を示す特性図
【符号の説明】
2,3,5 周波数制御回路 4,6,8 発振回路 10 検出回路 12 上部空胴共振器 14 下部空胴共振器 16 ギャップ 18 小穴 20 XYテーブル 21 セラミック試料 22 回転テーブル C1〜C9 空胴共振器 D1〜D9 検出器 A1〜A9 アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 邦夫 兵庫県西宮市甲陽園目神山町33―30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結に伴うセラミックの配向方向の変化
    を測定し、これからセラミックの焼結の度合を求めるこ
    とを特徴とする、セラミック性状の測定方法。
  2. 【請求項2】 空胴共振器の長手方向のほぼ中心部に設
    けたギャップにセラミック試料を挿入して、空胴共振器
    の一端からマイクロ波を加えて他端で透過マイクロ波強
    度を測定し、かつマイクロ波の振動方向に対する試料の
    向きを変えて、配向方向を求めることを特徴とする、請
    求項1のセラミック性状の測定方法。
  3. 【請求項3】 マイクロ波の周波数を共振周波数付近で
    変化させて、セラミック試料の有無によるQの変化を求
    めることによりセラミック試料の誘電損失を求めること
    を特徴とする、請求項2のセラミック性状の測定方法。
  4. 【請求項4】 空胴共振器の長手方向のほぼ中心部に設
    けたギャップに焼結前のセラミック試料を挿入し、該セ
    ラミック試料の複数の位置について共振周波数を測定す
    ることにより、焼結前のセラミック試料の誘電率分布を
    求めることを特徴とする、セラミック性状の測定方法。
  5. 【請求項5】 空胴共振器の長手方向のほぼ中心部に設
    けたギャップに焼結前のセラミック試料を挿入して、空
    胴共振器の一端からマイクロ波を加えて他端で透過マイ
    クロ波強度を測定するように構成し、かつマイクロ波の
    振動方向に対する該試料の向きと位置とを変えて透過マ
    イクロ波強度を測定することにより、焼結前のセラミッ
    ク試料の配向方向分布を測定することを特徴とする、セ
    ラミック性状の測定方法。
  6. 【請求項6】 断面がほぼ長方形状で、長手方向の一端
    にマイクロ波の供給源を、ほぼ中心部にギャップを、他
    端に透過マイクロ波強度の測定手段を設けた空胴共振器
    を少なくとも1個設けて、該ギャップにセラミック試料
    を挿入した際の透過マイクロ波強度を測定できるように
    し、かつセラミック試料の複数の場所でかつ複数の向き
    で、透過マイクロ波強度を測定できるようにしたことを
    特徴とする、セラミック性状の測定装置。
  7. 【請求項7】 空胴共振器を互いにほぼ60度の向きで
    3個配置すると共に、3個の空胴共振器に対してセラミ
    ック試料を平行移動させるための手段を設けたことを特
    徴とする、請求項6のセラミック性状の測定装置。
  8. 【請求項8】 空胴共振器を互いにほぼ60度の向きで
    3個配置した列を複数列設けたことを特徴とする、請求
    項6のセラミック性状の測定装置。
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JP (1) JPH1123493A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002075291A1 (fr) * 2001-03-15 2002-09-26 Japan Spectral Laboratory Co. Ltd. Procede et instrument de mesure optique de la constante des proprietes optiques d'une substance dielectrique, et systeme de fabrication du dispositif
JP2011095204A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Oji Paper Co Ltd 配向測定装置

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