JP2003279412A - 単色パルス光励起によってフォトニック結晶部材から放射された白色電磁波を光源とする分光測定装置 - Google Patents

単色パルス光励起によってフォトニック結晶部材から放射された白色電磁波を光源とする分光測定装置

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JP2003279412A
JP2003279412A JP2002081810A JP2002081810A JP2003279412A JP 2003279412 A JP2003279412 A JP 2003279412A JP 2002081810 A JP2002081810 A JP 2002081810A JP 2002081810 A JP2002081810 A JP 2002081810A JP 2003279412 A JP2003279412 A JP 2003279412A
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electromagnetic wave
light
time
wave
photonic crystal
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JP2002081810A
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Mitsuo Takeda
三男 武田
Seiji Nishizawa
誠治 西澤
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NIPPON SPECTRAL KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線又は可視光から赤外線の波長領域の連
続スペクトル分布を含む白色コヒーレントパルス電磁波
を光源とする分光測定装置を提供することである。 【解決手段】 励起用超短パルスレーザー光を入射する
ことによってフォトニック結晶部材から放射された紫外
線又は可視光から赤外線の波長領域の連続スペクトル分
布を含む白色電磁波、特に白色コヒーレントパルス電磁
波を試料透過(あるいは反射)光の光源として用いる分
光測定装置、及び、時系列信号をフーリエ変換して分光
スペクトルを得る時系列変換パルス分光測定装置、さら
にこれらの分光手法を基盤として、時間分解及び/又は
空間分解分光測定装置、分光イメージングが可能な分光
測定装置に拡張した分光測定装置であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、励起用超短パルス
レーザー光を入射することによってフォトニック結晶部
材から放射された紫外線又は可視光から赤外線の波長領
域の連続スペクトル分布を含む白色電磁波、特に白色コ
ヒーレントパルス電磁波を試料透過(あるいは反射)光
の光源として用いる分光測定装置、及び、時系列信号を
フーリエ変換して分光スペクトルを得る時系列変換パル
ス分光測定装置に関するものであり、さらにこれらの分
光手法を基盤として、時間分解及び/又は空間分解分光
測定装置、分光イメージングが可能な分光測定装置に拡
張した分光測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質に電磁波を照射すると、特定の波長
(若しくは波数、又は周波数)の電磁波が選択的に吸収
されるが、各波長に対する吸収を示す吸収スペクトル
は、人間の指紋と同じように、その物質固有のものであ
るので、その物質が何であるのかを知るために非常に有
効に利用することができる。また、物質を形作っている
各部の部分構造に関する電磁波の吸収はどの波長領域で
起こるかがあらかじめ知られているので、電磁波の吸収
スペクトルから未知の物質の化学構造を知る上での情報
を得ることもできる。
【0003】特に、照射電磁波として赤外線を用い場
合、得られた吸収スペクトルを利用した分析に用いる装
置として、赤外分光装置が知られている。赤外分光装置
としては、たとえば、光源からの光を各波数ごとにわけ
る分散子(たとえばプリズム、グレーティング等)を用
いる分散型分光計に始まり、光の干渉を用いるフーリエ
変換赤外分光装置が開発されてきた。
【0004】一般に、フーリエ変換分光光度計は干渉計
の走査鏡を機械的に動かして作成した干渉光を試料に照
射し、その時に発生するインターフェログラムを測定
し、さらにフーリエ変換し各波長のスペクトルを得てい
る。このようにして得られたスペクトルより物質固有の
情報を得ることができる。
【0005】ところで、近年、赤外領域における実時間
分光分析のニーズが高まっていたが、前記干渉計を用い
た赤外分光装置を用いていたのでは、走査鏡のスキャン
に少なくとも2〜3秒近く必要であるため、測定に時間
がかかり、時間分解解析の点において不向きであった。
そこで、最近のパルスレーザの発展によりフェムト(1
-15)秒レーザ光の発振が可能となり、このフェムト
秒レーザ光源を用いてテラ(10-12)ヘルツパルス電
磁波の発生が可能になり、新しい原理の分光法であるテ
ラヘルツ時間領域分光法が開発された。以下に、このテ
ラヘルツ時間領域分光法の原理の概略を説明する。
【0006】励起源からフェムト秒領域の時間幅のパル
ス励起光を所定の周波数で発生して、パルス電磁波放射
素子に照射する。パルス励起光が照射されたパルス電磁
波放射素子は、テラヘルツ域の波長領域を含む連続スペ
クトル分布を有するパルス電磁波を放射するが、この放
射パルス電磁波を集束して測定する試料に入射する。そ
して、検出手段によって試料からの反射電磁波又は透過
電磁波の電界強度の各時間分解信号を検出する。ここ
で、各時間分解信号の検出は、パルス励起光がパルス電
磁波放射素子に一回入射するごとに、遅延手段によっ
て、パルス励起光に対し所定の時間間隔づつ遅延させて
複数回行うように構成されている。こうして前記各時間
分解信号から時系列データ、すなわち、反射電磁波又は
透過電磁波の電界強度の時間波形を得る。この時間波形
をフーリエ変換処理し、試料を挿入しない場合とを比較
することにより、テラヘルツ電磁波領域を含む広い波長
にわたる反射電磁波又は透過電磁波の電界の振幅強度及
び位相差の分光スペクトルを同時に得るというものであ
る。
【0007】また、これらより、試料の複素誘電率(複
素屈折率)などの光学定数の実部及び虚部の振動数依存
性(分散)が同時に決定できる。振幅及び位相スペクト
ルが同時に得られることは時系列変換パルス分光法(時
間領域分光法)を用いた場合のみ可能な特徴である。こ
のような時系列変換パルス分光装置としてはこれまでテ
ラヘルツ領域についてのみ開発されていたが、中赤外線
領域より波長の短い領域でのものは皆無であった。
【0008】ここで、パルス電磁波放射素子としては、
通常、光伝導アンテナ、電気光学素子や、非対称二重量
子井戸構造や超格子構造を利用したものを用い、これら
の素子によってテラヘルツ領域のパルス電磁波が作られ
ていた。
【0009】一方、近年、光通信をはじめとする光エレ
クトロニクス分野に大きなブレークスルーをもたらす技
術として、フォトニック結晶と呼ばれる新しいタイプの
光学結晶が注目を集めている。フォトニック結晶は、誘
電率の異なる2種類以上の誘電体を、電磁波の波長程度
の格子定数をもつように、周期的に配列した人工的な模
擬結晶である。フォトニック結晶中では、光子が誘電率
(屈折率)の周期性によって、電子が結晶中で原子の周
期性によってエネルギーバンド(及びそのギャップ)を
形成するように、光子に対するバンド(フォトニックバ
ンド)構造を形成することが明らかになっている。この
ようなバンド構造を実現できるかは当初疑問視されてい
たが、実現可能であることが理論計算で示され、マイク
ロ波領域で実証されてから、光ファイバー、超小型レー
ザー等様々な応用研究が精力的に行われ、光ファイバー
についてはすでに商品化されている(Crystal
Fibre A/S社(デンマーク)、Blaze P
hotonics社(英国))。フォトニック結晶を用
いた光ファイバーは、光をコアに閉じ込める原理の相異
によって、全反射型のフォトニック結晶ファイバー(T
IR−PCF:Total internal reflection-Photonic c
rystal fiber)とフォトニックバンドギャップを利用し
たフォトニックバンドギャップファイバー(PBF:Ph
otonic bandgap fiber)と分類される(以下、両者を総
称して「フォトニック結晶ファイバー(PCF)」とい
う)。
【0010】このような中、PCFにピーク数100〜
数kWのフェムト秒パルスを入射すると、可視域から赤
外線(400〜1750nm)でSC(Super c
ontinuum)白色光が発生することが報告された
(「フォトニック結晶技術とその応用」、114頁、シ
ーエムシー出版)。これは、励起フェムト秒超短パルス
の波長をPCF構造により非線形光学効果を増強させ、
自己位相変調効果並びに四光波混合によりコヒーレント
白色光が発生したものである。この場合、典型的な実験
条件としては: ファイバー長:12m、 コア直径:1.3μm 結晶格子定数:1.9μm 入射光パルス幅:100フェムト秒 入射光波長:807nm 入力ピークパワー:13.1kW
【0011】また、PBFについても同様な結果が報告
された(「フォトニック結晶技術とその応用」、114
頁、シーエムシー出版)をご記入下さい。)。これは、
PBFではコアである空気であるにもかかわらず、結合
した光ビームはクラッド内のシリカガラス中を伝搬し、
非線形光学効果が増強される。また、クラッド内の数多
くのクラッドモードと結合することにより、四光波混合
やモード変換が効率よく起こることによりコヒーレント
白色光が発生したものである。この場合、典型的な実験
条件としては: ファイバー長:1.5m、 コアエアホール直径(φ):5.2μm 結晶格子定数(Λ):2.2μm 他のエアホール直径(d):1.7μm 空孔率(d/A):0.77 入射光パルス幅:100フェムト秒 入射光波長:810nm 入力ピークパワー:11.4kW であり、このような条件の下で、400nm〜1700
nmの白色光が発生したことが報告されている(報告さ
れたグラフからは、350nm程度の光も高い強度で発
生していることがわかる)。
【0012】このように、最近の研究によって、フォト
ニック結晶ファイバーにフェムト秒パルスを入射するこ
とによって、紫外線又は可視域から赤外線の波長領域の
白色パルスレーザー光、あるいは、白色コヒーレントパ
ルス電磁波が発生されることが明らかとなった。本発明
者は、フォトニック結晶ファイバーから発生される白色
コヒーレントパルス電磁波が紫外線又は可視域から赤外
線である点に注目した。なぜなら、前述のように、時系
列変換パルス分光装置としては、中赤外線領域より波長
の短い領域でのものは皆無であったからである。そし
て、本発明者は、紫外線又は可視光領域から赤外線領域
のコヒーレントなパルス電磁波(白色電磁波)を用いる
ことができる、フォトニック結晶ファイバーを組み込ん
だ分光測定装置に想到したのである。
【0013】また、フェムト秒パルス光をフォトニック
結晶ファイバーにを入射することによって放射された紫
外線又は可視域から赤外線領域の波長領域の白色コヒー
レントパルス電磁波は、時系列変換パルス分光装置に限
らず、他の分光装置の光源として用いることも可能であ
るのはいうまでもない。
【0014】フォトニック結晶ファイバーから発生する
白色コヒーレントパルス電磁波の波長(周波数)領域
は、励起超短パルス光のパルス幅及びフォトニック結晶
ファイバーの結晶格子定数に強く依存する。すなわち、
励起パルス光のパルス幅を狭くすれば発生するコヒーレ
ント光の波長は短くなり、逆に、パルス幅を広げればコ
ヒーレント光の波長は長くなる。また、フォトニック結
晶ファイバーの結晶格子定数を小さくすれば発生するコ
ヒーレント光の波長は短くなり、逆に、結晶格子定数を
大きくすればコヒーレント光の波長は長くなる。従っ
て、必要に応じて、励起パルス光のパルス幅及びフォト
ニック結晶ファイバーの結晶格子定数を選択することに
よって紫外線から赤外線にわたる広い波長領域の分光が
可能となる。典型的には、励起パルス光のパルス幅:1
00fs、波長:890nm、フォトニック結晶ファイ
バーの結晶格子定数:1.6μmの場合、波長450〜
1500nmの白色コヒーレントパルス電磁波が得られ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、励起用超短パルスレーザー
光を入射することによってフォトニック結晶部材から放
射された紫外線又は可視光から赤外線の波長領域の連続
スペクトル分布を含む白色電磁波特に白色コヒーレント
パルス電磁波を光源として用いる分光測定装置を提供す
ることを目的とする。
【0016】さらに、本発明は、励起用超短パルスレー
ザー光を入射することによってフォトニック結晶部材か
ら放射された紫外線又は可視光から赤外線の波長領域の
連続スペクトル分布を含む白色電磁波特に白色コヒーレ
ントパルス電磁波を光源として用いる時間分解分光測定
装置を提供することを目的とする。
【0017】また、本発明は、励起用超短パルスレーザ
ー光を入射することによってフォトニック結晶部材から
放射された紫外線又は可視光から赤外線の波長領域の連
続スペクトル分布を含む白色電磁波特に白色コヒーレン
トパルス電磁波を光源として用いる空間分解分光測定装
置を提供することを目的とする。
【0018】さらにまた、励起用超短パルスレーザー光
を入射することによってフォトニック結晶部材から放射
された紫外線又は可視光から赤外線の波長領域の連続ス
ペクトル分布を含む白色電磁波特に白色コヒーレントパ
ルス電磁波を光源として用いる時系列変換パルス分光測
定装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、以下の構成を採用した。請求項1に記載の
分光測定装置は、単色パルス励起光が入射されたフォト
ニック結晶部材から放射される少なくとも紫外線又は可
視光から赤外線の波長領域の連続スペクトル分布を含む
白色電磁波を試料物質に透過又は反射させる試料の光源
として用いることを特徴とする。
【0020】本分光測定装置によれば、前記白色電磁波
が紫外線又は可視光から赤外線領域の広い波長領域にわ
たって位相の揃ったコヒーレントなパルス電磁波なの
で、高精度な分光測定が可能となる。
【0021】また、本分光測定装置によれば、紫外線又
は可視光から赤外線領域の電磁波のエネルギーが多くの
原子・分子の励起エネルギーに対応するので、化学反応
や生体関連物質等の研究が可能である。例えば、光化学
反応等の化学反応に伴う反応物質及び生成物質の実時間
定量計測などに有効である。筋肉や生体膜の生体物質や
電気刺激などの物理的刺激による生成反応物質の実時間
定量計測などに有効である。
【0022】請求項2に記載の分光測定装置は、所定の
時間幅の単色パルス励起光を所定の繰り返し周波数で発
生する励起源と、前記励起源からの前記単色パルス励起
光が照射されると、少なくとも紫外線又は可視光から赤
外線の波長領域の連続スペクトル分布を含む白色電磁波
を放射し、測定試料に照射するフォトニック結晶部材
と、前記測定試料からの反射電磁波又は透過電磁波の電
界強度の各時間分解信号を検出する検出手段と、その各
時間分解信号から時系列データを得、該時系列データを
フーリエ変換処理することによって前記の反射電磁波又
は透過電磁波の電界強度の振幅についての分光スペクト
ルデータを得る信号処理手段と、前記パルス励起光が前
記フォトニック結晶部材に一回入射するごとに、前記検
出手段からの所定の時間分解信号の取り込みを指示する
ためのサンプリングバルスを、該パルス励起光に対し所
定の時間間隔づつ遅延させて前記検出手段に供給する遅
延手段と、前記の反射電磁波又は透過電磁波の電界強度
の振幅についての分光スペクトルデータと測定試料がな
い場合の分光スペクトルデータとを比較することによ
り、各時刻ごとの吸光度スペクトルを得る吸光度スペク
トル導出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】本分光測定装置によれば、前記フォトニッ
ク結晶部材から放射され光源として用いられる白色電磁
波が紫外線又は可視光から赤外線領域の広い波長領域に
わたって位相の揃ったコヒーレントなパルス電磁波であ
り、各時刻ごとの吸光度スペクトルを得ることができる
ので、紫外線又は可視光から赤外線領域の波長領域の時
々刻々の高精度な吸光度スペクトルを得ることができ
る。
【0024】また、本分光測定装置によれば、紫外線又
は可視光から赤外線領域の電磁波が多くの原子・分子の
励起エネルギーに対応するので、化学反応や生体関連物
質等の研究にも適し、例えば、化学反応における反応中
間体の生成消滅過程や生体関連物質内における反応のダ
イナミクス等の時間追跡が可能となる。
【0025】請求項3に記載の分光測定装置は、請求項
2に記載の分光測定装置において、前記測定対象に力学
的、電気的又は光学的な刺激を付与する外部刺激付与手
段を備えたことを特徴とする。
【0026】本分光測定装置によれば、測定対象に力学
的、電気的又は光学的な刺激を付与して、その後の時々
刻々の変化を時々刻々の高精度な吸光度スペクトルを通
して時間追跡し、測定対象の様々な特性の解明が可能と
なる。
【0027】請求項4に記載の分光測定装置は、請求項
2又は請求項3のいずれかに記載の分光測定装置におい
て、前記白色電磁波による前記測定対象上の照射位置を
移動する照射位置移動手段と、該照射位置移動手段によ
って照射位置を移動して得られた各照射位置での吸光度
スペクトルから各波長における測定試料の吸光度の2次
元分光イメージを得る分光イメージング手段と、を備え
たことを特徴とする。
【0028】本分光測定装置によれば、吸光度の2次元
イメージから、測定対象における吸収物質の分布につい
ての知見を得ることができる。
【0029】また、本分光測定装置によれば、時々刻々
の吸光度の2次元分光イメージから、測定対象において
生じている反応の時空間ダイナミクスの知見を得ること
ができる。
【0030】請求項5に記載の分光測定装置は、所定の
時間幅の単色パルス励起光を所定の繰り返し周波数で発
生する励起源と、前記励起源からの前記単色パルス励起
光が照射されると、少なくとも紫外線又は可視光から赤
外線の波長領域の連続スペクトル分布を含む白色電磁波
を放射し、測定試料に照射するフォトニック結晶部材
と、前記測定試料からの反射電磁波又は透過電磁波の電
界強度の各時間分解信号を検出する検出手段と、その各
時間分解信号から時系列データを得、該時系列データを
フーリエ変換処理することによって前記の反射電磁波又
は透過電磁波の電界の振幅強度及び位相差についての分
光スペクトルデータを得る信号処理手段と、前記パルス
励起光が前記フォトニック結晶部材に一回入射するごと
に、前記検出手段からの所定の時間分解信号の取り込み
を指示するためのサンプリングバルスを、該パルス励起
光に対し所定の時間間隔づつ遅延させて前記検出手段に
供給する遅延手段と、前記の反射電磁波又は透過電磁波
の電界の振幅強度及び位相差についての分光スペクトル
データを測定試料がない場合の分光スペクトルデータと
比較して各周波数毎に前記測定対象による位相シフトを
決定する位相シフト決定手段と、その位相シフトから前
記測定対象に入射されたパルス電磁波の波動と前記測定
対象内の分極場の波動との連成波の波数を各周波数毎に
決定する波数決定手段と、その波数決定手段によって得
られた連成波の波数と周波数との分散曲線を得る分散曲
線作成手段と、前記分散曲線作成手段によって得られた
分散曲線から前記測定試料の複素誘電率を決定する誘電
率決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0031】本分光測定装置によれば、前記フォトニッ
ク結晶部材から放射され光源として用いられる白色電磁
波が紫外線又は可視光から赤外線領域の広い波長領域に
わたって位相の揃ったコヒーレントなパルス電磁波なの
で、高精度に複素誘電率を決定することができる。
【0032】請求項6に記載の分光測定装置は、請求項
5に記載の分光測定装置において、前記白色電磁波によ
る測定対象上の照射位置を移動することができる照射位
置移動手段と、該照射位置移動手段によって照射位置を
移動して得られた各照射位置での局所的な複素誘電率か
ら測定対象における誘電率マップを得る誘電率マップ作
成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0033】本分光測定装置では、測定対象における複
素誘電率の分布を得ることができる。従って、特に、測
定対象における複素誘電率が一様でない場合に有効であ
る。
【0034】請求項7に記載の分光測定装置は、請求項
1から請求項6のいずれか一項に記載の分光測定装置に
おいて、前記フォトニック結晶部材がフォトニック結晶
ファイバー又はフォトニックバンドギャップファイバー
であることを特徴とする。
【0035】本分光測定装置では、フォトニック結晶フ
ァイバー又はフォトニックバンドギャップファイバーか
ら発生する白色コヒーレントパルス電磁波の波長(周波
数)領域は、励起超短パルス光のパルス幅及びフォトニ
ック結晶ファイバーの結晶格子定数に強く依存するの
で、必要に応じて、励起パルス光のパルス幅及びフォト
ニック結晶ファイバーの結晶格子定数を選択することに
よって紫外線から赤外線にわたる広い波長領域の分光が
可能となる。
【0036】さらに、以上述べてきた利点に加えて、本
発明は、高分子化学・石油化学・種々の無機工業材(触
媒化学、セラミック・ガラス材など)・生化学・生体化
学・薬品化学等における化学組成の分析、又は、半導体
基板材・積層材の不純物組成検査など、従来の分光分析
分野や分子構造解析分野において広く汎用されてきた紫
外・可視・赤外分光分析手法として、その新しい高感度
分光分析手法として、広く応用されることはもちろんの
ことであるが、本発明は特に従来得られなかった複素誘
電分散が直接実測値として得られることから、上記全て
の分野において、新素材研究開発現場における物理化学
量の分光測定法として、また、工業生産現場における新
しい品質管理手法として新たな応用を実現する。さら
に、本発明は、極超短パルス電磁波による分光測定法に
係るものであることから、種々の物理化学反応過程のみ
ならず、例えば、生体呼吸過程や酵素アミノ酸反応過程
など、高速度で複雑な反応工程を有する生化学反応系の
実時間・時間分解観測を可能にする。また、生体組織に
おける特定タンパクの分布構造、特に病変部位における
変成タンパク組織(腫瘍・壊死・火傷組織、また、血栓
・変成沈殿物など)等の高速観測を可能にする。
【0037】また、本発明に係るフォトニック結晶部
材、外部刺激付与手段、照射位置移動手段、光走査手段
等と、請求項に係る発明との別な組み合わせや公知の他
の分光測定装置との組み合わせ等の変形が可能であるこ
とはいうまでもない。
【0038】
【発明の実施の形態】図1に本発明に係る分光測定装置
の一実施形態の概要を示す。
【0039】符号31は励起源であり、例えばCWグリ
ーンレーザー励起のモードロックチタンサファイアパル
スレーザーである。このチタンサファイアパルスレーザ
ー31は、例えば入力ピークパワー11kW、波長810n
m、時間幅100フェムト秒、繰り返し周波数34MHzで
伝送する。あるいは、他の例として、入力ピークパワー
10kW、波長800nm、時間幅100フェムト秒、繰り返し
周波数100MHzで伝送するモードロックチタンサファ
イアパルスレーザーを使用する。
【0040】前記励起源から発生するパルス励起光の時
間幅は、120フェムトから100フェムト秒以下に設定す
る。より好適には、100フェムト秒から70フェムト秒以
下である。最も好適には、40フェムト秒程度に設定され
る。
【0041】励起源としては、電子ピーム型発振器、た
とえぱ軌道放射光源(SOR)、光蓄横リング放射光等
を用いることもできる。
【0042】レーザー31から放射されたレーザーは、
光学減衰器32を通り、集光レンズ33で集光された
後、フォトニック結晶部材34に入射する。そして、フ
ォトニック結晶部材34から放射された少なくとも紫外
線又は可視光から赤外線の波長領域の連続スペクトル分
布を含む白色コヒーレントパルス電磁波は集光レンズ3
5で集光され、偏光子41を通過た後、測定対象(試
料)36に照射する。試料36を透過した電磁波は分光
器37に入射して吸光度スペクトルが得られ、コンピュ
ータ39に取り込まれる。
【0043】フォトニック結晶部材がファイバーの場合
は、フォトニック結晶ファイバー(PCF)、あるいは
は、フォトニックバンドギャップファイバー(PBF)
のいずれでもよく、また、フェムト秒パルスを入射する
ことによって、紫外線又は可視域から赤外線の波長領域
の白色コヒーレントパルス電磁波が発生するフォトニッ
ク結晶部材であれば、ファイバーに限定されない。
【0044】また、ファイバーの場合、必要な波長領域
に応じて、ファイバーの結晶格子定数等の条件を選択す
る。
【0045】図2(a)は、図5で示した時系列パルス
分光装置のような、各時刻ごとの吸光度スペクトルを得
ることができるタイプの分光測定装置の場合に、実際に
得られる各時刻ごとの吸光度スペクトルを模式的に示し
たものである。また、図2(b)は時刻t=t1におけ
る吸光度スペクトルであって、波長にλ=λ1、λ2,λ
3で測定対象に特徴的な吸収を示したものである。
【0046】この分光測定装置ではフォトニック結晶部
材より放射された紫外線又は可視光から赤外線の波長領
域の白色コヒーレントパルス電磁波を用いるので、図2
(a)のように、紫外線又は可視光から赤外線の広い波
長領域についての、吸光度スペクトルの時々刻々の変化
をとらえ、試料で生じている諸現象をとらえることがで
きる。すなわち、紫外線又は可視光から赤外線領域の電
磁波は多くの原子・分子の励起エネルギーに対応するの
で、固体材料の限らず、化学反応や生体関連物質等の研
究にも適し、例えば、化学反応における反応中間体の生
成消滅過程や生体関連物質内における反応のダイナミク
ス等の時間追跡が可能である。
【0047】図3で示したように、試料をXYステージ
70に取り付けて、白色コヒーレントパルス電磁波の照
射位置を試料上で移動するような構成にしてもよい。ま
た、CCDカメラ38を備えることによりスペクトル分
布(分散)の同時測定を可能にする手段を有する構成に
してもよい。これによって、測定対象における吸光度の
2次元分布分光イメージを得ることができる。
【0048】また、試料に対して外部から力学的、電気
的又は光学的な刺激を付与する外部励起機構(外部刺激
付与手段)50を備えていてもよい。これによって、試
料の刺激に対する特性の変化を得ることができる。
【0049】図4(a)は、例えば、マウス眼球断面に
見られる特定タンパク質吸収スペクトルの2次元分布測
定結果について、波長λ=λ1に対する吸収スペクトル
の2次元分光イメージを模式的に示した図である。図5
で示した時系列パルス分光装置のような、各時刻ごとの
吸光度スペクトルを得ることができるタイプの分光装置
の場合に、各時刻ごとの吸収スペクトルの2次元分光イ
メージを得ることができる。図4(b)は、測定対象上
の任意の点(X1,Y1)における分光スペクトルであっ
て、波長にλ=λ1、λ2,λ3で測定対象のその局所的
位置(X1,Y1)に特徴的な吸収を示す図である。
【0050】この分光測定装置ではフォトニック結晶部
材より放射された紫外線又は可視光から赤外線の波長領
域の白色コヒーレントパルス電磁波を用いるので、紫外
線又は可視光から赤外線の広い波長領域についての、各
時刻ごとの吸収スペクトルの2次元分光イメージを得る
ことができる。紫外線又は可視光から赤外線領域の電磁
波は多くの原子・分子の励起エネルギーに対応するの
で、固体材料の限らず、化学反応や生体関連物質等の研
究にも適し、例えば、化学反応における反応中間体の生
成消滅過程や生体関連物質内における反応のダイナミク
ス等の時間追跡を視覚的に捕らえことができる。
【0051】 図5に本発明に係る分光測定装置の他の
実施形態であって、時系列変換パルス分光装置にフォト
ニック結晶部材を適用した場合の概要を示す。
【0052】フェムト秒レーザー101からの励起光で
ある超短パルス光は、ビームスプリッター102によ
り、ポンプ光とプローブ光に分割され、ポンプ光は集光
レンズを備えたファイバーカップラー103によりフォ
トニック結晶ファイバー104に入射される。
【0053】超短パルス光はフォトニック結晶ファイバ
ー中で非線形光学効果により紫外線・可視光から赤外線
領域にわたる広い波長領域の位相の揃った白色コヒーレ
ントパルス電磁波に変換される。
【0054】ファイバーの出射端から放出された白色コ
ヒーレントパルス電磁波はレンズ105及び凹面鏡10
6により平行光に変えられ、偏光子(107−1)によ
り直線偏光に成形され、凹面鏡108により試料109
[反射配置の場合は、反射用アタッチメント110を用
いて試料109]に集光される。試料を透過若しくは反
射した白色コヒーレントパルス電磁波は、そのまま、も
しくは、検光子(107−2)による偏光されたのち、
凹面鏡111及び112により再び集光され、検出部1
13に導かれる。一方、ビームスプリッター102によ
り分割されたプローブ光はミラーにより光時間遅延回路
114及び115に導かれた後、ミラーにより検出部1
13に導かれる。
【0055】この時間遅延を与えられたプローブ光を使
って、試料を透過若しくは反射された白色コヒーレント
パルス電磁波はその電界強度の符号を含めた時系列デー
タとして記録される。
【0056】検出には、電気光学サンプリング若しくは
光伝導アンテナが用いられる。
【0057】電気光学サンプリングとは、電気光学結晶
における電磁波パルスの電界による屈折率の変化を直線
偏光したプローブ光の偏光の変化に変換して電界の大き
さをその符号を含めて求める測定方法である。
【0058】電気光学結晶としては、ZnTe等を用い
る。偏光子116によって電気光学結晶の結晶軸に対し
て45度に直線偏光されたプローブ光は半透鏡117に
よって電気光学結晶118に導かれる。
【0059】もし、電気光学結晶中に白色コヒーレント
パルス電磁波の電界が存在しないときは、偏光特性は変
化せず、そのまま結晶中を透過し、1/4波長板119
によって円偏光にされ、検光子120によってお互いに
直交する偏光成分に分割される。分割されたプローブ光
成分は、光検出器121により検出されたその差分が電
気信号としてアンプ122で増幅され、ワークステーシ
ョン123に送られ記録される。電界が存在しないた
め、分割された成分の大きさは同じで差は生じない。
【0060】一方、白色コヒーレントパルス電磁波の電
界が存在する場合は、プローブ光は電気光学結晶中を透
過するときに電気光学効果により楕円偏光になる。従っ
て、検光子によって直線偏光成分に分割されたとき、2
つの成分の大きさに差が生ずる。
【0061】また、電界の向きもこの分割された直線偏
光成分の差の符号となって現れる。従って、この差から
白色コヒーレントパルス電磁波の電界の大きさをその符
号を含めて求めることができる。
【0062】プローブ光に白色コヒーレントパルス電磁
波に対して遅延を与えて、プローブ光を白色コヒーレン
トパルス電磁波に対して掃引することによって各遅延に
対する白色コヒーレントパルス電磁波の電界が得られ、
この遅延に対して各電界を描けば白色コヒーレントパル
ス電磁波の波形を求めることができる。
【0063】光伝導アンテナ124を検出器として用い
る場合も、プローブ光に白色コヒーレントパルス電磁波
に対して遅延を与えて、プローブ光を白色コヒーレント
パルス電磁波の波形を求める手段は電気光学サンプリン
グと全く同じである。但し、光伝導アンテナの場合は、
サブミリ波からテラヘルツ波の比較的波長の長い領域の
検出に用いられる。
【0064】図6は、光伝導アンテナ124の概略図を
示す。光伝導アンテナ124には、例えば、シリコンレ
ンズ/TL一GaAs基板に形成されたダイポールアン
テナ構造の光伝導スイッチ素子が用いられる。
【0065】この場合、検出部に導かれた試料により透
過若しくは反射された白色コヒーレントパルス電磁波
は、凹面鏡112及びビームスプリッター117の位置
に置かれたミラーにより光伝導アンテナの電極ギャップ
上に集光される。
【0066】このとき、パルス電磁波の電界がアンテナ
電極ギャップ間に光電流が流れる。流れる光電流はパル
ス電磁波の電界の大きさに比例し流れる電流は電界の符
号による。従って、プローブ光の時間遅延による掃引に
より白色コヒーレントパルス電磁波の波形が求められ
る。光電流は電流計125に検出された後、電流アンプ
126により電気信号としてアンプに導かれ、さらに増
幅された後、ワークステーションに記録される。
【0067】検出された透過若しくは反射された白色コ
ヒーレントパルス電磁波の電界強度の符号を含めた時系
列データ(波形)をワークステーションによりフーリエ
変換することにより振幅及び位相スペクトルが同時に得
られる。試料のない場合の参照スペクトルと比較し、試
料の透過率若しくは反射率の振幅スペクトル及び位相ス
ペクトルを得ることができる。
【0068】また、これらより試料の複素誘電率(複素
屈折率)などの光学定数の実部及び虚部の振動数依存性
(分散)が同時に決定できる。さらに位相スペクトルか
ら試料中の電磁波の分散関係を一意的に決定することが
可能である。この原理について、以下に概説する。
【0069】誘電率は、試料(誘電体)に入射した光
(電磁波)に関する試料の応答の仕方を示す量であり、
その光の周波数に依存する量である。例えば、試料が強
誘電体薄膜を用いた電子素子の場合、低周波数の誘電
率、特にその低周波数極限である周波数0に対する誘電
率(静的誘電率)が重要である。
【0070】この静的誘電率は、理論的にはポラリトン
の波数−周波数分散曲線において、周波数0における接
線から得ることができる。ここで、ポラリトンとは、誘
電体に電磁波を入射した場合、その電磁波の波動と誘電
体の分極場の波動とが結合して連成波(結合波)を発生
することが知られているが、この連成波を量子化したも
のである。
【0071】電磁波と結合する試料(誘電体)の分極場
が特にフォノン場である場合には、前記ポラリトンは特
にフォノンポラリトンという。また、分極場がエキシト
ンの場合には、特にエキシトンポラリトンという。
【0072】フォノンポラリトンの波数−周波数分散関
係は、通常、
【数1】 と表され、横軸に波数ベクトル、縦軸に角周波数をとる
と図1において実線で示すような曲線のグラフとなる。
ここで、kは連成波の波数、ωは連成波の角周波数、c
は光速、ε(∞)は角周波数無限大に対する誘電率、ω
Lは光学縦波フォノンの角周波数、ωTは光学横波フォノ
ンの角周波数である。
【0073】低周波数ω<<ωL、ωTの場合には、上式
【数2】 となる。また、振動子が複数ある場合には、
【数3】 となる。以下、振動子が単数の場合について説明する。
【0074】ここで、リデイン−ザックス−テラー(L
yddane−Sachs−Teller)の関係式
【数4】 を用いると、
【数5】 を得る。ここで、ω(0)は静的誘電率である。
【0075】低周波数では、ポラリトンの波数kと連成
波の角周波数ωとは比例関係を有する。つまり、静的誘
電率ω(0)がω=0における接線の傾きと評価できる
ことを示している。
【0076】従って、試料に入射された光(電磁波)の
波動と試料内の分極場の波動との連成波あるいはポラリ
トンの波数−周波数分散関係を何らかの測定手段によっ
て評価することができれば、試料の静的誘電率を求める
ことができる。
【0077】ところで、振幅及び位相スペクトルを同時
に得ることは、時系列変換パルス分光法(時間領域分光
法)にのみ可能な特徴であり、これまでテラヘルツ領域
についての分光装置が開発されていたが、中赤外より波
長の短い分光装置は皆無であった。今回、フォトニック
結晶ファイバーを用いることによりはじめて中赤外より
波長の短い領域での振幅及び位相スペクトルが同時測光
できるようになったものである。
【0078】次に、図8を参照して、試料からの透過電
磁波を光伝導アンテナで測定する場合について、具体的
な信号処理について概説する。
【0079】フォトニック結晶部材から放射された白色
コヒーレントパルス電磁波は、図8(a)に示す以下の
数式に示されるような電界強度の時間波形を有する。
【数6】
【0080】このような強度の時間波形を有するパルス
光が試料である試料に入射し透過してくると、その透過
電磁波の電場強度の時間波形は、図8(b)に示す以下
の数式に示されるようなものとなる。
【数7】
【0081】このような強度の時間波形を有する透過光
の電場強度E透過(t)は、例えば、光伝導アンテナを
用いて、サンプリング・パルス光により光伝導ギャップ
に励起されたキャリア(数:N(t))の流れ(電流)
として検出される。
【0082】その電流密度I(t)は、E透過(t)と
励起キャリア数N(t)とのコンボリューション、すな
わち、
【数8】 となる。ここで、前記τはサンプリング・パルス光の遅
延時間差であり、該遅延時間差τを、コンピュータ、光
路差掃引ステージ等により走査することによって試料透
過電磁波の電場強度の時間依存性を電流強度の時間軸信
号I(τ)として検出する。
【0083】そして、試料透過電磁波の強度は、パルス
励起光に同期して、所定の時間Δτづつ遅延されたサン
プリング・パルス光によって、光学的に極めて短時間隔
でサンプリングされ(図8(c)参照)、試料透過電磁
波の電場強度の各時間分解信号として検出される。この
サンプリング幅Δt(sec)は、測定に要求される測
光スペクトルの波数分解能Δσ(cm-1)に対してΔt
=1/2πΔσで定められる。
【0084】こうして得られた時各時間分解信号から、
図8(d)に示したように、以下の数式で表される時系
列データIm(t)を得る。
【数9】 ここで、α’n,κ(σ)(n、κは複素屈折率の実部
(通常の屈折率)と虚部(吸収定数)である)は、各周
波数毎の試料に入射したパルス電磁波の透過率に対応す
る量であり、また、φn,κ(σ)は、各周波数毎の試料
に起因した位相シフトである。
【0085】このIm(t)を信号処理手段に伝送し、
フーリエ変換処理することによって透過電磁波(反射電
磁波)の振幅及び位相についての分光スペクトルデータ
を得る。
【0086】次いで、位相シフト決定手段によって、透
過電磁波(反射電磁波)の振幅及び位相についての分光
スペクトルデータを試料がない場合の分光スペクトルデ
ータと比較して各周波数毎の位相シフトφn,κ(σ)を
決定する。
【0087】さらに、波数決定手段によって、その位相
シフトから試料に入射されたパルス電磁波の波動と試料
内の分極場の波動との連成波(あるいはポラリトン)の
波数を各周波数毎に決定する。ここで、連成波の波数は
位相シフトφn,κ(σ)と試料の厚さとから決定するこ
とができる。
【0088】こうして得られた連成波の周波数毎の波数
について、分散曲線作成手段によって横軸に波数、縦軸
に周波数(もちろんその逆でも構わない)としてプロッ
トされ、連成波の波数と周波数との分散曲線を得る。
【0089】さらに、誘電率決定手段によって、得られ
た連成波の波数と周波数との分散曲線から前記試料の静
的誘電率を決定する。
【0090】 本発明の分光測定装置は、例えば、誘電
体物質を構成要素とする電子素子(例えば、強誘電体メ
モリ、強誘電体電界効果トランジスタ、弾性表面波フィ
ルタ、誘電体セラミックフィルタ、及び積層セラミック
コンデンサ)の製造プロセスの工程中に前記電子素子を
構成する誘電体物質の静的誘電率を自動測定するために
も用いることができる。また、全ての製品に対して、リ
アルタイムで誘電率の検査が可能である。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る分光測定装置によれば、以下のような効果を奏する。
【0092】本発明に係る分光測定装置によれば、紫外
線又は可視光から赤外線領域の電磁波のエネルギーが多
くの原子・分子の励起エネルギーに対応するので、化学
反応や生体関連物質等の研究が可能である。例えば、光
化学反応等の化学反応に伴う反応物質及び生成物質の実
時間定量計測などに有効である。筋肉や生体膜の生体物
質や電気刺激などの物理的刺激による生成反応物質の実
時間定量計測などに有効である。
【0093】本発明に係る分光測定装置は、高分子化学
・石油化学・種々の無機工業材(触媒化学、セラミック
・ガラス材など)・生化学・生体化学・薬品化学等にお
ける化学組成の分析、又は、半導体基板材・積層材の不
純物組成検査など、従来の分光分析分野や分子構造解析
分野において広く汎用されてきた紫外・可視・赤外分光
分析手法として、その新しい高感度分光手法として、広
く応用されることはもちろんのことであるが、本発明は
特に従来得られなかった複素誘電分散が直接実測値とし
て得られることから、上記全分野において、新素材研究
開発現場における物理化学量の分光測定法として、ま
た、工業生産現場における新しい品質管理手法として新
たな応用が実現する。
【0094】また、特に、請求項1に記載の分光測定装
置によれば、光源として用いる前記白色電磁波が紫外線
又は可視光から赤外線領域の広い波長領域にわたって位
相の揃ったコヒーレントなパルス電磁波なので、高精度
な分光測定ができるという効果を奏する。また、紫外線
又は可視光から赤外線領域の電磁波のエネルギーが多く
の原子・分子の励起エネルギーに対応するので、化学反
応や生体関連物質等の研究に適するという効果を奏す
る。
【0095】請求項2に記載の分光測定装置によれば、
フォトニック結晶部材から放射され光源として用いられ
る白色電磁波が紫外線又は可視光から赤外線領域の広い
波長領域にわたって位相の揃ったコヒーレントなパルス
電磁波であり、各時刻ごとの吸光度スペクトルを得るこ
とができるので、紫外線又は可視光から赤外線領域の波
長領域の時々刻々の高精度な吸光度スペクトルを得るこ
とができるという効果を奏する。また、紫外線又は可視
光から赤外線領域の電磁波が多くの原子・分子の励起エ
ネルギーに対応するので、化学反応や生体関連物質等の
研究にも適し、例えば、化学反応における反応中間体の
生成消滅過程や生体関連物質内における反応のダイナミ
クス等の時間追跡ができるという効果を奏する。
【0096】請求項3に記載の分光測定装置によれば、
測定対象に力学的、電気的又は光学的な刺激を付与し
て、その後の時々刻々の変化を時々刻々の高精度な吸光
度スペクトルを通して時間追跡し、測定対象の様々な特
性の解明ができるという効果を奏する。
【0097】請求項4に記載の分光測定装置によれば、
吸光度の2次元分光イメージから、測定対象における吸
収物質の分布についての知見を得ることができるという
効果を奏する。また、時々刻々の吸光度の2次元分光イ
メージから、測定対象において生じている反応の時空間
ダイナミクスの知見を得ることができるという効果を奏
する。
【0098】請求項5に記載の分光測定装置によれば、
前記フォトニック結晶部材から放射され光源として用い
られる白色電磁波が紫外線又は可視光から赤外線領域の
広い波長領域にわたって位相の揃ったコヒーレントなパ
ルス電磁波なので、高精度に複素誘電率を決定すること
ができるという効果を奏する。
【0099】請求項6に記載の分光測定装置によれば、
測定対象における複素誘電率の分布を得ることができ
る。従って、特に、測定対象における複素誘電率が一様
でない場合に有効であるという効果を奏する。
【0100】請求項7に記載の分光測定装置によればフ
ォトニック結晶ファイバー又はフォトニックバンドギャ
ップファイバーから発生する白色コヒーレントパルス電
磁波の波長(周波数)領域は、励起超短パルス光のパル
ス幅及びフォトニック結晶ファイバーの結晶格子定数に
強く依存するので、必要に応じて、励起パルス光のパル
ス幅及びフォトニック結晶ファイバーの結晶格子定数を
選択することによって紫外線から赤外線にわたる広い波
長領域の分光が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る分光測定装置であって、第1
の実施形態の構成を示した時間分解測定が可能な分光測
定装置の概略図である。
【図2】 (a)本発明に係る分光測定装置によって
得られた各時刻の吸光度スペクトルを例示する図であ
る。(b)時刻t=t1における吸光度スペクトルを例
示する図である。
【図3】 本発明に係る分光測定装置であって、第2
の実施形態の構成を示した分光イメージングが可能な分
光測定装置の概略図である。
【図4】 (a)本発明に係る分光測定装置によって
得られたある波長λ=λ1についての分光イメージング
を例示する図である。(b)測定対象上の任意の点(X
1,Y1)における分光スペクトルを例示する図である。
【図5】 本発明に係る時系列パルス変換分光測定装
置の概略構成図である。
【図6】 本発明に係る検出器である光伝導アンテナ
の一実施形態の概略構成図である。
【図7】 ポラリトンの波数−周波数分散関係を示す
グラフである。
【図8】 本発明に係る時系列パルス変換分光測定装
置のの信号処理の流れの説明図である。
【符号の説明】
101 フェムト秒レーザー 104 フォトニック結晶ファイバー 109 試料(測定対象) 114、115 光時間遅延回路 113 検出部 118 電気光学結晶 124 光伝導アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/27 G01N 21/27 Z 21/33 21/33 21/35 21/35 Z 21/41 21/41 Z Fターム(参考) 2G020 AA03 AA04 AA05 BA05 CA02 CA12 CA14 CB23 CB54 2G059 AA02 BB08 BB12 BB16 CC01 CC12 CC14 CC16 DD13 EE01 EE02 EE12 FF04 FF08 GG01 GG08 HH01 HH02 HH03 JJ01 JJ14 JJ17 JJ18 JJ19 JJ20 JJ22 KK01 KK04 KK10 LL01 MM01 MM08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単色パルス励起光が入射されたフォト
    ニック結晶部材から放射される少なくとも紫外線又は可
    視光から赤外線の波長領域の連続スペクトル分布を含む
    白色電磁波を試料物質に透過又は反射させる試料の光源
    として用いることを特徴とする分光測定装置。
  2. 【請求項2】 所定の時間幅の単色パルス励起光を所
    定の繰り返し周波数で発生する励起源と、 前記励起源からの前記単色パルス励起光が照射される
    と、少なくとも紫外線又は可視光から赤外線の波長領域
    の連続スペクトル分布を含む白色電磁波を放射し、測定
    試料に照射するフォトニック結晶部材と、 前記測定試料からの反射電磁波又は透過電磁波の電界強
    度の各時間分解信号を検出する検出手段と、 その各時間分解信号から時系列データを得、該時系列デ
    ータをフーリエ変換処理することによって前記の反射電
    磁波又は透過電磁波の電界の振幅強度についての分光ス
    ペクトルデータを得る信号処理手段と、 前記パルス励起光が前記フォトニック結晶部材に一回入
    射するごとに、前記検出手段からの所定の時間分解信号
    の取り込みを指示するためのサンプリングバルスを、該
    パルス励起光に対し所定の時間間隔づつ遅延させて前記
    検出手段に供給する遅延手段と、 前記の反射電磁波又は透過電磁波の電界の振幅強度につ
    いての分光スペクトルデータと測定試料がない場合の分
    光スペクトルデータとを比較することにより、各時刻ご
    との吸光度スペクトルを得る吸光度スペクトル導出手段
    と、を備えたことを特徴とする分光測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測定対象に力学的、電気的、化学
    反応的又は光学的な刺激を付与する外部刺激付与手段を
    備えたことを特徴とする請求項2に記載の分光測定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記白色電磁波による測定対象上の照
    射位置又は測定対象位置を移動させることによる照射位
    置移動手段あるいは照射光の方位を変えることによる光
    走査手段と、該照射位置移動手段又は光走査手段によっ
    て照射位置を走査して得られた各照射位置での吸光度ス
    ペクトルから各波長における測定試料の吸光度の2次元
    イメージを得る分光イメージング手段と、を備えたこと
    を特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の
    分光測定装置。
  5. 【請求項5】 所定の時間幅の単色パルス励起光を所
    定の繰り返し周波数で発生する励起源と、 前記励起源からの前記単色パルス励起光が照射される
    と、少なくとも紫外線又は可視光から赤外線の波長領域
    の連続スペクトル分布を含む白色電磁波を放射し、測定
    試料に照射するフォトニック結晶部材と、 前記測定試料からの反射電磁波又は透過電磁波の電界強
    度の各時間分解信号を検出する検出手段と、 その各時間分解信号から時系列データを得、該時系列デ
    ータをフーリエ変換処理することによって前記の反射電
    磁波又は透過電磁波の電界の振幅強度及び位相差につい
    ての分散、すなわち分光スペクトルデータを得る信号処
    理手段と、 前記パルス励起光が前記フォトニック結晶部材に一回入
    射するごとに、前記検出手段からの所定の時間分解信号
    の取り込みを指示するためのサンプリングバルスを、該
    パルス励起光に対し所定の時間間隔づつ遅延させて前記
    検出手段に供給する遅延手段と、 前記の反射電磁波又は透過電磁波の電界の振幅強度及び
    相対的位相差についての分光スペクトルデータを測定試
    料がない場合の分光スペクトルデータと比較して各周波
    数毎に前記測定対象による位相シフトを決定する位相シ
    フト決定手段と、 その位相シフトから前記測定対象に入射されたパルス電
    磁波の波動と前記測定対象内の分極場の波動との連成波
    の波数を各周波数毎に決定する波数決定手段と、 その波数決定手段によって得られた連成波の波数と周波
    数との分散曲線を得る分散曲線作成手段と、 前記分散曲線作成手段によって得られた分散曲線から前
    記測定試料の複素誘電率を決定する誘電率決定手段と、
    を備えたことを特徴とする分光測定装置。
  6. 【請求項6】 前記白色電磁波による測定対象上の照
    射位置又は測定対象位置を移動させることによる照射位
    置移動手段あるいは照射光の方位を変えることによる光
    走査手段と、該照射位置移動手段又は光走査手段によっ
    て照射位置を走査して得られた各照射位置での局所的な
    複素誘電率から測定対象における誘電率マップを得る誘
    電率マップ作成手段と、を備えたことを特徴とする請求
    項5に記載の分光測定装置。
  7. 【請求項7】 前記フォトニック結晶部材がフォトニ
    ックバンドギャップファイバーであることを特徴とする
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の分光測定
    装置。
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