JP2002275099A - ベンゾシアゾリン環またはベンゾオキサゾリン環を含む化合物による、アミロイドが蓄積する疾患の画像診断プローブおよびそれを含む画像診断用組成物 - Google Patents

ベンゾシアゾリン環またはベンゾオキサゾリン環を含む化合物による、アミロイドが蓄積する疾患の画像診断プローブおよびそれを含む画像診断用組成物

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JP2002275099A
JP2002275099A JP2001076075A JP2001076075A JP2002275099A JP 2002275099 A JP2002275099 A JP 2002275099A JP 2001076075 A JP2001076075 A JP 2001076075A JP 2001076075 A JP2001076075 A JP 2001076075A JP 2002275099 A JP2002275099 A JP 2002275099A
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Koji Kudo
幸司 工藤
Masako Suzuki
雅子 鈴木
Takahiro Suemoto
隆寛 末元
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BF KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アミロイドが蓄積する疾患の早期かつ正確な
画像診断のためのプローブ用化合物、並びにそれを含有
する組成物及びキットの提供。 【解決手段】 下記式(I)で示される化合物又はその
塩もしくは溶媒和物、並びにこれを含有する組成物及び
キット。更に放射性核種(99mTc,111In,
67Ga,201Tl,123I,133Xe,
11C,13N,15O,18F)で標識された化合物
(I)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミロイドが蓄積
する疾患の画像診断プローブ、詳細には陽電子放出核種
により標識されたプローブ、ならびに該プローブを含む
画像診断用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アミロイドが蓄積する疾患には、体内の
種々の器官や組織への不溶性原線維性蛋白(アミロイ
ド)の沈着を特徴とする種々の疾病があり、アルツハイ
マー病やダウン症候群等が含まれる。このうち、アルツ
ハイマー病(AD)は現在最も治療の困難な疾病の1つ
とされており、正確な早期診断が望まれている。アルツ
ハイマー病は、主として初老期から老年期に起こる進行
性の痴呆を特徴とする疾患である。病理学的には大脳の
全体的な萎縮、神経細胞の著しい変性と脱落、神経原線
維変化と老人斑の出現を特徴とする。アルツハイマー病
に代表される痴呆の最大のリスクファクターは加齢であ
ることが知られている。したがって、老齢人口の増加に
伴う患者数の増加は、特に、高齢化社会となっている日
本、アメリカ、ヨーロッパ諸国において顕著であり、そ
れに対する医療コストはこれらの国の医療システムを危
機におとしめている。なお、我が国においてはアルツハ
イマー病患者数は約100万人と推定され、今後人口の
高齢化に伴いその患者数は増大することが確実視されて
いる。アルツハイマー病患者にかかわる費用は介護費用
を含めると年間患者1人当たり250万円を超えると考
えられていることから、すでに我が国では2兆5千億円
を超える社会経済的コストを払っていることになる。ア
ルツハイマー病において痴呆症状が顕在化する以前ない
しはできるだけ早期に治療を加えることは、大きな医療
経済的効果をもたらすことはいまや世界の常識となって
いる。しかし現状ではこれらの段階のアルツハイマー病
を正確に診断することは極めて困難である。
【0003】現在のアルツハイマー病診断方法は各種あ
るが、我が国においては長谷川式、ADAS、MMSE
等の、アルツハイマー病が疑われる個体の認知機能の低
下を定量的に評価する方法が一般的であり、まれに画像
診断法(MRI、CT等)が補助的に用いられている。
しかしこれらの診断法では病気を確定するには不十分で
あり、確定診断には生前における脳の生検(バイオプシ
ー)、死後脳の病理組織学的検査が必要である。このよ
うに、アルツハイマー病の診断法についても精力的な研
究が行われているにもかかわらず、それほどの進歩がみ
られないでいる。多くの研究の結果、最初の臨床症状が
現れるかなり前(長い場合は約40年前)にはすでにア
ルツハイマー病特徴的な神経変性が始まっていることが
判ってきた。また同病においては患者を取り巻く家族ま
たは臨床家が最初の臨床症状に気づいた時には、すでに
脳内病理像は取り返しのつかない状態まで進行している
ことが知られている。上述のような病状の進行特性およ
び患者数の激増を考え合わせると、アルツハイマー病の
正確な早期診断の必要性ならびに意義は極めて大きい。
【0004】アルツハイマー病の病理組織像は2つの主
徴に代表される。すなわち老人斑および神経原線維変化
である。前者の主構成成分はβシート構造をとったアミ
ロイドβ蛋白であり、後者のそれは過剰リン酸化された
タウ蛋白である。アルツハイマー病の確定診断はこれら
の病理学的特徴が患者脳内に出現することをよりどころ
としている。アルツハイマー病の発症機序におけるアミ
ロイドβ蛋白の意義については以下のことがわかってい
る(柳沢勝彦、井原康夫:神経研究の進歩、第41巻、
70−79ページ、1997年、東海林幹男:デメンチ
ア・ジャパン、第11巻、43−50ページ、1997
年、玉岡晃:デメンチア・ジャパン、第11巻、51−
57ページ、1997年参照)。 1.アミロイドβ蛋白(Aβ)のびまん性沈着がアルツ
ハイマー病脳における最も早期の神経病理学的変化であ
るとされていること。 2.Aβの前駆体アミロイドプレカーサー蛋白(AP
P)遺伝子に点突然変異をもつ家族性アルツハイマー病
が存在しすること。 3.2の遺伝子を導入した培養細胞においてAβの産生
異常が認められること。 4.家族性アルツハイマー病の大半を占めるプレセニリ
ン遺伝子異常においてもAβの産生異常が認められるこ
と。 5.APPをコードする遺伝子が存在する21番染色体
のトリソミーを有するダウン症候群候群脳では早期にア
ルツハイマー病脳と同様な神経病理学的変化が出現する
こと。 このように、アミロイドβ蛋白はアルツハイマー病を包
含するアミロイドが蓄積する疾患に特徴的であり、密接
な関連性を有している。したがって、体内、特に脳内で
βシート構造をとったアミロイドβ蛋白をマーカーとし
て検出することが、アミロイドが蓄積する疾患、特にア
ルツハイマー病の重要な診断方法の1つとなる。
【0005】アルツハイマー病をはじめとするアミロイ
ドが蓄積する疾患の診断を目的として、体内、特に脳内
アミロイドβ蛋白に特異的に結合し、これを染色する物
質の検索が従来から行われている。かかる物質として
は、コンゴーレッド(パチトラー(Puchtler)ら、ジャ
ーナル・オブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケ
ミストリー、第10巻、35頁、1962年)およびチ
オフラビンS(パチトラー(Puchtler)ら、ジャーナル
・オブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケミスト
リー、第77巻、431ページ、1983年)、チオフ
ラビンT(レバイン(LeVine)、プロテインサイエン
ス、2巻、404−410ページ、1993年)ならび
にクリサミンGおよびその誘導体(国際特許出願PCT
/US96/05918、PCTUS98/0788
9)等が報告されているにすぎず、それ以外のグループ
の化合物については報告がない。報告されている化合物
は、アミロイドβ蛋白に対する結合特異性、血液−脳関
門透過性、溶解度、毒性等の面から問題が少なくない。
それゆえ、報告されたこれらの化合物は未だアミロイド
が蓄積する疾患の診断において実用化されていないのが
現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、βアミロイド蛋白に対する結合特異性、ならびに
血液−脳関門透過性が高く、アミロイドが蓄積する疾患
の画像診断プローブとして使用できる物質であって、従
来の物質とは異なるグループの物質を提供するものであ
る。また本発明は、アミロイドが蓄積する疾患の画像診
断プローブとして用いられる標識されたかかる物質、な
らびにかかるプローブを含む画像診断用組成物も提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ね
た結果、式Iに示す化合物またはその塩もしくは溶媒和
物が非常に高いβアミロイド蛋白に対する結合特異性、
ならびに血液−脳関門透過性を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)
【化2】 [式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロ
ゲン、OH、COOH、SOH、NHまたは炭素数
1〜4個のアルキルであり、Rは水素、または炭素数
1〜4個のアルキルであり、RおよびRは独立して
水素、または炭素数1〜4個のアルキルであり、XはS
またはOであり、mおよびnは独立して0〜4の整数で
あり、Zはオニウム塩を形成しうる陰イオンである]
で示される、アミロイドが蓄積する疾患の画像診断プロ
ーブ用化合物またはその塩もしくは溶媒和物、(2)2
−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾ
チアゾリウムおよび2−(4−ジメチルアミノスチリ
ル)−3−メチルベンゾオキサゾリウムまたはその塩も
しくは溶媒和物から選択される(1)記載の化合物また
はその塩もしくは溶媒和物、(3)標識されている
(1)または(2)に記載の化合物またはその塩もしく
は溶媒和物、(4)標識が放射性核種である(3)記載
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、(5)置換基
ないしRのいずれかが放射線放出核種で標識され
ている(4)記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和
物、(6)環上の水素が放射線放出核種で置換されてい
る(4)記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、
(7)標識がγ線放出核種である(4)ないし(6)の
いずれかに記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和
物、(8)γ線放出核種が99mTc、111In、
67Ga、201Tl、12 Iおよび133Xeから
なる群より選択される(7)記載の化合物またはその塩
もしくは溶媒和物、(9)γ線放出核種が99mTcお
よび123Iからなる群より選択される(7)記載の化
合物またはその塩もしくは溶媒和物、(10)標識が陽
電子放出核種である(4)ないし(6)のいずれかに記
載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、(11)陽
電子放出核種が11C、13N、15Oおよび18Fか
らなる群より選択される(10)記載の化合物またはそ
の塩もしくは溶媒和物、(12)陽電子放出核種が18
Fである(10)記載の化合物またはその塩もしくは溶
媒和物、(13)上記(1)ないし(12)のいずれか
に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは
溶媒和物および医薬上許容される担体を含む、アミロイ
ドが蓄積する疾患の画像診断用組成物、ならびに(1
4)99mTcまたは123Iで標識された2−(4−
ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾリ
ウムおよび2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−
メチルベンゾオキサゾリウムから選択される化合物また
はその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含む(1
3)記載の組成物、(15)18Fで標識された2−
(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチ
アゾリウムおよび2−(4−ジメチルアミノスチリル)
−3−メチルベンゾオキサゾリウムから選択される化合
物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含
む(13)記載の組成物、(16)上記(1)ないし
(12)のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許
容される塩もしくは溶媒和物を必須の構成成分として含
む、アミロイドが蓄積する疾患の画像診断用キット、
(17)99mTcまたは123Iで標識された2−
(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチ
アゾリウムおよび2−(4−ジメチルアミノスチリル)
−3−メチルベンゾオキサゾリウムから選択される化合
物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を必
須の構成成分として含む(16)記載のキット、ならび
に(18)18Fで標識された2−(4−ジメチルアミ
ノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾリウムおよび2
−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾ
オキサゾリウムから選択される化合物またはその医薬上
許容される塩もしくは溶媒和物を必須の構成成分として
含む(16)記載のキットを提供するものである。
【0009】本発明のアミロイドが蓄積する疾患の画像
診断プローブとして使用される物質は上の一般式Iで示
される化合物またはその塩もしくは溶媒和物である。以
下、式Iの化合物の各置換基について説明する。本明細
書において、「炭素数1〜4個のアルキル」という場
合、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびそれら
の構造異性体を包含するものとする。RおよびR
例としては水素、フッ素、塩素、OH、COOH、SO
H、NH、またはメチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル等が挙げられる。RおよびRとしは特
にメチルが好ましい。Rの例としては水素、メチル、
エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、デシル、ドデシル等、ならびにそれらの
構造異性体、例えば、i−プロピル、i−ブチル、t−
ブチル、neo−ペンチル等が挙げられる。このうち、
炭素数1〜6個のものが好ましく、特にメチルが好まし
い。RおよびRの例としては水素、メチル等が挙げ
られる。XはSまたはOである。mおよびnは独立して
0ないし4の整数である。mまたはnが0以外の場合、
置換基またはR置換基はそれぞれが結合するベン
ゼン環のいずれの位置に存在していてもよい。複数のR
置換基が存在する場合、それぞれが同一であってもよ
く、また異なっていてもよい。このことはR置換基に
ついても同様である。通常には、式(I)の化合物はそ
の2−チアゾリン部分(X=S)または2−オキサゾリ
ン部分(X=O)に含まれる窒素においてオニウムイオ
ンとなり、後述するように、オニウム塩を形成しうる陰
イオンZとともにオニウム塩を形成する。
【0010】式Iの化合物の具体例としては、2−(4
−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾ
リウム、N,N−ジメチルインドアニリンおよび2−
(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベンゾオ
キサゾリウム等の色素類が挙げられる。上述のごとく通
常には、式Iの化合物は陰イオンZとの間でオニウム
塩を形成した形態となっている。本発明化合物とオニウ
ム塩を形成しうる陰イオンZとしては、ハロゲン化物
イオン、有機酸イオン、スルホン酸イオン、過塩素酸イ
オン等の陰イオンが挙げられる。また、式Iの化合物の
他の種類の塩も本発明に包含される。式Iの化合物中の
いずれかの官能基とともに塩が形成されてもよい。例え
ば、化合物中にカルボキシル基またはスルホン酸基が存
在するような場合、これと金属との間に塩が形成されて
もよい。かかる塩の例としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウムのごときアルカリ金属との塩、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウムのごときアルカリ土類金属と
の塩等が挙げられる。式Iの化合物が水酸基を含む場
合、その水素がナトリウム、カリウム等の金属となって
いる化合物も、本発明に包含される。さらに、式Iの化
合物と金属塩とで形成される錯体(例えば塩化マグネシ
ウム、塩化鉄のごとき金属塩とで形成される錯体)も本
明細書においては式Iの化合物の塩に含めることとす
る。本発明化合物を組成物またはキットに使用する場
合、医薬上許容される塩であることが好ましい。式Iの
化合物の医薬上許容される塩としては、例えば、塩素、
臭素、ヨウ素のごときハロゲン化物イオンとのオニウム
塩の形態となる場合のほかに、ナトリウム、カリウム、
カルシウムのごとき金属との塩、さらには塩化鉄、塩化
コバルトのごとき金属塩とで形成される錯体等が挙げら
れる。上記の式Iの化合物のこれらの塩は本発明に包含
される。また、式Iの化合物の溶媒和物も本発明に包含
される。溶媒和物としては、水和物、メタノール和物、
エタノール和物、アンモニア和物等が挙げられる。本発
明組成物またはキットに使用する場合、やはり医薬上許
容されるものが好ましく、医薬上許容される溶媒和物と
しては、水和物、エタノール和物等が挙げられる。本明
細書において、「本発明化合物」という場合、式Iの化
合物、ならびにその塩および溶媒和物を包含するものと
する。特に好ましい本発明の化合物は2−(4−ジメチ
ルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾリウムお
よび2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチル
ベンゾオキサゾリウムならびにそれらの塩または溶媒和
物である。
【0011】本発明においては、アミロイドが蓄積する
疾患における体内のアミロイド、詳細にはβアミロイド
蛋白にインビボにおいて特異的に結合する式Iの化合物
またはその塩もしくは溶媒和物をアミロイドが蓄積する
疾患の画像診断プローブとして使用する。本明細書にお
ける「アミロイドが蓄積する疾患」とは、上述のごとく
アミロイド蛋白、詳細にはβアミロイド蛋白の体内にお
ける沈着を特徴とし、これをマーカーとして診断可能な
疾病をいい、アルツハイマー病、ダウン症候群等が挙げ
られる。
【0012】アミロイドが蓄積する疾患の診断において
は本発明化合物を標識したものをプローブとして使用す
るのが一般的である。標識には、蛍光物質、アフィニテ
ィー物質、酵素基質、放射性核種等がある。アミロイド
が蓄積する疾患の画像診断には通常、放射性核種で標識
したプローブを使用する。当該分野においてよく知られ
た方法により種々の放射性核種で本発明化合物を標識す
ることができる。例えば、H、14C、35S、
131I等は以前から使用されている放射性核種であ
り、インビトロでの利用例が多い。画像診断プローブお
よびその検出手段に求められる一般的要件としては、イ
ンビボで診断できること、患者へのダメージが少ないこ
と(特に非侵襲的であること)、検出感度が高いこと、
半減期が適当な長さであること(標識プローブ調製時
間、診断時間が適当であること)等が挙げられる。そこ
で、最近では、高い検出感度と物質透過性を示すγ線を
利用した陽電子断層撮影法(PET)またはγ線放出核
種によるコンピューター断層撮影法(SPECT)が用
いられるようになってきた。このうち、PETは、陽電
子放出核種から正反対の方向に放射される2本のγ線を
1対の検出器により同時計数法により検出するので、解
像力や定量性に優れた情報が得られるので好ましい。S
PECT用には99mTc、111In、67Ga、
201Tl、123I、 133Xe等のγ線放出核種で
本発明化合物を標識することができる。99mTcおよ
123IがSPECによく用いられている。PET用
には11C、13N、15O、18F、62Cu、68
Ga、76Br等の陽電子放出核種で本発明化合物を標
識することができる。陽電子放出核種のなかでも、半減
期が適当であること、標識しやすさ等の点から11C、
13N、15O、18Fが好ましく、18Fが特に好ま
しい。陽電子放出核種、γ線放出核種等の放射線放出核
種での本発明化合物の標識位置は、式I中のいずれの位
置であってもよい。例えば、側鎖(置換基R〜R
のいずれかが陽電子放出核種、γ線放出核種等の放射線
放出核種で標識されていてもよく、あるいは環上の水素
が陽電子放出核種、γ線放出核種等の放射線放出核種で
置換されていてもよい。かかる標識された式Iの化合物
も本発明に包含される。例えば、本発明化合物を18
で標識する場合、側鎖(置換基R〜R)のいずれか
18Fで標識されていてもよく、あるいは環上の水素
18Fで置換されていてもよい。例えば、R〜R
のいずれかに含まれる水素を18Fで置換してもよい。
18Fをはじめとする放射線放出核種にて標識するのに
適した本発明化合物としては、例えば、2−(4−ジメ
チルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾリウム
および2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチ
ルベンゾオキサゾリウムまたはそれらの塩もしくは溶媒
和物が挙げられるがこれらに限らない。一般的には、こ
れらの核種はサイクロトロンまたはジェネレーターと呼
ばれる装置により産生される。当業者は、産生核種に応
じた産生方法および装置が選択可能である。そのように
して産生された核種を用いて本発明化合物を標識するこ
とができる。
【0013】これらの放射性核種で標識された標識化合
物の製造方法は当該分野においてよく知られている。代
表的な方法としては、化学合成法、同位体交換法および
生合成法がある。化学合成法は従来から広く用いられて
おり、放射性の出発物質を用いること以外は通常の化学
合成法と本質的に変わらない。この方法により種々の核
種が化合物に導入されている。同位体交換法は、簡単な
構造の化合物中のH、35S、125I等を複雑な構
造の化合物中に移して、これらの核種で標識された複雑
な構造の化合物を得る方法である。生合成法は14C、
35S等で標識した化合物を微生物等の細胞に与えてこ
れらの核種が導入された代謝産物を得る方法である。標
識位置については、通常の合成と同様に合成スキームを
目的に応じて設計することにより、所望位置に標識を導
入することができる。かかる設計は当業者によく知られ
ている。また、例えば、比較的半減期の短い11C、
13N、15O、18F等の陽電子放出核種を用いる場
合、病院等の施設内の設置された(超)小型サイクロト
ロンから所望核種を得て、上記の方法により所望化合物
を所望位置で標識して、即座に診断、検査、治療等に使
用することも可能となっている。これらの当業者に公知
の方法により、本発明化合物の所望位置に所望核種を導
入して標識することができる。
【0014】本発明標識化合物の対象への投与は局所的
であってもよく、あるいは全身的であってもよい。投与
経路としては、皮内、腹腔内、静脈、動脈、または脊髄
液への注射または輸液等があるが、疾病の種類、使用核
種、使用化合物、対象の状態、検査部位等の要因により
選択できる。本発明プローブを投与して、βアミロイド
蛋白への結合および崩壊のための十分な時間経過後、P
ET、SPECT等の手段で検査部位を調べることがで
きる。これらの手段は、疾病の種類、使用核種、使用化
合物、対象の状態、検査部位等の要因に応じて適宜選択
できる。放射性核種で標識された本発明化合物の用量
は、疾病の種類、使用核種、使用化合物、対象の年齢、
身体的状態、性別、疾病の程度、検査部位等により様々
である。特に、対象の被曝量については十分に注意する
必要がある。例えば、11C、13N、15O、18
のごとき陽電子放出核種により標識された本発明化合物
の放射能量は、通常には、3.7メガベクレルないし
3.7ギガベクレル、好ましくは、18メガベクレルな
いし740メガベクレルの範囲である。
【0015】また本発明は、本発明化合物を含むアミロ
イドが蓄積する疾患の画像診断用組成物を提供する。本
発明組成物は、本発明化合物および医薬上許容される担
体を含む。組成物中の本発明化合物は標識されているこ
とが好ましい。上記のごとき標識法は様々であるが、イ
ンビボでの画像診断用途には放射性核種(特に11C、
13N、15O、18Fのごとき陽電子放出核種)で標
識されていることが望ましい。本発明組成物の形態は、
その目的からすれば注射あるいは輸液可能な形態である
ことが好ましい。したがって、医薬上許容される担体は
液体であるものが好ましく、リン酸カリウム緩衝液、生
理食塩水、リンゲル液、蒸留水等のごとき水性溶媒、あ
るいはポリエチレングリコール、植物性油脂、エタノー
ル、グリセリン、ジメチルスルホキサイド、プロピレン
グリコール等のごとき非水性溶媒があるが、これらに限
らない。担体と本発明化合物との配合比率は、適用部
位、検出手段等に応じて適宜選択できるが、通常には1
0万対1ないし2対1の比率であり、好ましくは1万対
1ないし10対1の比率である。また、本発明組成物は
さらに公知の抗菌剤(例えば、抗生剤等)、局所麻酔剤
(例えば、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン等)、バッ
ファー(例えば、トリス−塩酸バッファー、ヘペスバッ
ファー等)、浸透圧調節剤(例えば、グルコース、ソル
ビトール、塩化ナトリウム等)等を含有していてもよ
い。
【0016】さらに本発明は、本発明化合物を必須の構
成成分として含むアミロイドが蓄積する疾患の画像診断
用キットを提供する。通常には、キットは、本発明化合
物、それを溶解する溶剤、バッファー、浸透圧調節剤、
抗菌剤、局所麻酔剤等の各成分を別個に、あるいはいく
つかを一緒にしてそれぞれの容器に入れたものをひとま
とめにしたものである。本発明化合物は未標識であって
も、標識されていてもよい。未標識の場合、上で説明し
たような通常の方法により、使用前に本発明化合物を標
識することができる。また本発明化合物は凍結乾燥粉末
等の固形として提供してもよく、あるいは適当な溶媒中
に溶解して提供してもよい。溶剤としては上述の本発明
組成物に用いる担体と同様のものであってよい。また、
バッファー、浸透圧調節剤、抗菌剤、局所麻酔剤等の各
成分も上述の本発明組成物に使用するものと同様のもの
であってよい。容器は種々のものを適宜選択できるが、
本発明化合物への標識導入操作に適した形状とすること
もでき、化合物の性質に応じて遮光性の材質のものとし
てもよく、あるいは患者への投与に便利なようにバイア
ル、または注射器等の形状とすることもできる。また、
キットは診断に必要な器具類、例えば注射器、輸液セッ
ト、あるいはPET装置に使用する器具類等を適宜含ん
でいてもよい。通常、キットには説明書を添付する。
【0017】さらに、本発明化合物がアミロイドβ蛋白
に特異的に結合することから、本発明化合物を未標識の
まま、あるいは標識して、インビトロでのアミロイドβ
蛋白の検出、定量等に使用することもできる。例えば、
顕微鏡標本のアミロイドβ蛋白染色、試料中のアミロイ
ドβ蛋白の比色定量、あるいはシンチレーションカウイ
ンターを用いたアミロイドβ蛋白の定量等に本発明化合
物を使用してもよい。
【0018】次に、本発明化合物のスクリーニング方法
について説明する。 (1)βシート構造をとったアミロイドβ蛋白の定量方
法−被験化合物のβ構造認識度の測定方法 βシート構造をとったアミロイドβ蛋白を試験管内で定
量化する方法はすでにいくつか報告されているが、本発
明においてはLeVineの方法(プロテインサイエンス、2
巻、404-410ページ、1993年)およびWoodsら
の方法(ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー、256巻、870-877ページ1996年)を参
考に、これらを改変して試験に供した。すなわち、アミ
ロイドβ蛋白(ペプチド研究所より購入)をリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.4)に溶解し、37℃で4日間放
置した。同緩衝液に溶解した被験化合物(最終濃度1マ
イクロモル)を96穴マイクロプレートに50マイクロ
リットルずつ分注した後、4日間放置したアミロイドβ
蛋白溶液を50マイクロリットルずつ添加した。次いで
グリシン−NaOH緩衝液(pH8.5)に溶解したチ
オフラビンT(アミロイドβ蛋白のβ構造の程度に依存
して蛍光を発する)を100マイクロリットルずつ添加
し(最終濃度3マイクロモル)、直ちに蛍光マイクロプ
レートリーダー(モレキュラーデバイス社製、fmax
型)で励起波長442ナノメーター、測定波長485ナ
ノメーターで蛍光度を測定した。チオフラビン単独の蛍
光度をA、アミロイドβ蛋白とチオフラビンT共存下の
それをB、アミロイドβ蛋白とチオフラビンTと被験化
合物共存下のそれをCとすると、各被験化合物のβ構造
認識度は以下の式で算出した(特記しないかぎり、被験
化合物濃度は1マイクロモルとした)。 被験化合物β構造認識度(%)={(B−C)/(B−
A)}X100 このβ構造認識度が大きいほど、被験化合物はアミロイ
ドβ蛋白に対する結合特異性が高いといえる。
【0019】(2)インスリンのβ構造認識度測定方法 ヒト生体内にはインスリン、アミリン等、アミロイドβ
蛋白以外にβシート構造をとる蛋白が存在することが知
られている(Burketら、バイオケミストリー、第11
巻、2435−2439ページ、1972年。 Ashburn
ら、ケミストリー・アンド・バイオロジー、第3巻、3
51−358ページ、1996年)。アミロイド蛋白を
認識することにより アルツハイマー病をはじめとする
アミロイドが蓄積する疾患を診断するプローブは、アミ
ロイドβ蛋白に対してより親和性が高く、それ以外のβ
シート構造をとる蛋白にはより親和性が低いことが望ま
しい。そこでβ構造をとったインスリンに対する各化合
物の親和性を測定した。インスリンのβシート構造を試
験管内で定量する方法は、Klunkらの報告 (ジャーナル
・オブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケミスト
リー、第37巻、1273−1281ページ、1989
年)を参考に、これに若干の改変を加えて試験に供し
た。すなわち、インスリン(シグマ社より購入)を脱イオ
ン水で溶解し、塩酸でpH2に調整した後、92℃で1
0分間加熱後、ドライアイス/エタノール冷却槽で冷却
した。 その後92℃で3分間の加熱およびドライアイ
ス/エタノール冷却槽での冷却を7、8回繰り返した。
これをさらにリン酸緩衝液(pH7.4)で0.1mg
/mlに希釈し、96穴マイクロプレートに50マイク
ロリットルずつ分注した。脱イオン水で溶解した被験化
合物を50マイクロリットルずつ分注した後、グリシン
−NaOH緩衝液(pH8.5)に溶解したチオフラビ
ンT(β構造の程度に依存して蛍光を発する)を100マ
イクロリットルずつ分注し、蛍光マイクロプレートリー
ダー(モレキュラーデバイス社製、fmax型)で励起波
長442ナノメーター、測定波長485ナノメーターで
蛍光度を測定した。チオフラビンT単独の蛍光度をD、
インスリンとチオフラビンT共存下のそれをE、インス
リンとチオフラビンTと被験化合物共存化のそれをFと
すると、各被験化合物のインスリンβ構造認識度は以下
の式で算出した。 被験化合物のインスリンβ構造認識度(%)={(E−
F)/(E−D)} ×100 この数値をもとに BSAS(バイオロジカル スタテス
チカル アナリシス システム)統計プログラムを用い
て、各被験化合物のインスリンβシート構造を認識する
50%有効濃度(EC50)を求めた。
【0020】(3)被験化合物の分配係数測定方法 化合物の水と脂質との分配係数はその化合物の血液−脳
関門透過性の指標になることが知られている(ベグレ
イ、ジャーナル・オブ・ファーマシー・アンド・ファー
マコロジー第48巻、136−146ページ、1996
年、およびブッチワルドおよびボダー、カレント・メデ
ィシナル・ケミストリー、第5巻、353−380ペー
ジ、1998年)。そこで、水/1−オクタノール分配
係数を測定することにより血液−脳関門透過性の指標と
した。油相には1−オクタノール、水相にはリン酸緩衝
液(pH7.3)または超純水を用いた。被験化合物の
適当量を油相または水相に溶解し、両相を同一試験管内
に入れ、室温で30分間はげしく振盪した。室温で1時
間以上静置した後、2000回転で10分間遠心分離
し、さらに1時間室温に静置した。水相および油相をそ
れぞれサンプリングし、これを96穴マイクロプレート
に移した。マイクロプレートリーダー(モレキュラーデ
バイス社製、スペクトラマックス250型)を用いて、
それぞれの被験化合物の最大吸収波長で吸光度を測定
し、あらかじめ求めておいた検量線から被験化合物の濃
度を算出した。分配係数は以下の式で算出した。 被験化合物の分配係数= 油相の被験化合物の濃度/水
油相の被験化合物の濃度 この分配係数が大きいほど、被験化合物の血液−脳関門
透過性が高いといえる。
【0021】(4)有用係数の算出 β構造認識度(被験化合物のアミロイドβ蛋白への結合
特異性)、と分配係数(被験化合物の血液−脳関門透過
性)との積を有用係数と定義すると、この係数は実際に
ヒトに被験化合物を投与した際、被検化合物が血液−脳
関門を透過し、脳内アミロイドβ蛋白にどれだけ結合す
るかの指標となると考えられる。各被験化合物の有用係
数を以下の式により計算した。被験化合物の有用係数=
被験化合物のβ構造認識度 × 被験化合物の分配係数
この有用係数が大きいほど、被験化合物はアミロイドが
蓄積する疾患の診断プローブとして適当であるといえ
る。
【0022】(5)急性毒性試験 本発明化合物の急性毒性をマウスを用いて静脈内投与で
検討した。5週齢のCrj:CD1系雄性マウスを1群
4匹として使用した(各群の平均体重30〜31g)。
各化合物は生理的食塩水(大塚製薬株式会社)に溶解
し、尾静脈を介して100mg/kgの単回静脈内投与
を行い、7日後まで観察した。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するもので
はない。本発明化合物の典型例として、2−(4−ジメ
チルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾリウム
過塩素酸塩および2−(4−ジメチルアミノスチリル)
−3−メチルベンゾオキサゾリウム過塩素酸塩につき、
上記(1)に記載した測定方法によりβ構造認識度を測
定した。特に説明しないかぎり、これらの化合物は市販
の特級品または注文による合成品(純度98%以上)で
ある。さらに、2−(4−ジメチルアミノスチリル)−
3−メチルベンゾチアゾリウム過塩素酸塩および2−
(4−ジメチルアミノスチリル)過塩素酸塩について上
記(3)に記載した方法により分配係数を測定し、上記
(4)に記載の方法により有用係数を算出した。結果を
表Iに示す。表I中の数値は測定を2回行った平均値で
ある。対照として、従来よりアミロイドβ蛋白への結合
が知られている化合物(コンゴーレッド、クリサミンG
およびその2Na塩、化合物X34(1,4−ビス[2
−(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)エテン
−イル]−ベンゼン、タナベR&Dサービスにて合成に
て合成)およびその2Na塩(タナベR&Dサービスに
より合成))についての同一条件での測定結果も併せて
表Iに示す。表I中の構造式はその化合物の存在形態の
一例を示すものである。
【表1】 表Iに示すように、従来報告されていた対照化合物とは
異なるグループに属する本発明の化合物は、β構造を認
識することがわかる。本発明の化合物のβ構造認識度は
対照化合物と同じオーダーであった。また、本発明化合
物は対照化合物と比べて分配係数が高い傾向を示し、従
って有用係数も上記対照化合物と比較して1オーダーな
いし2オーダー高くなっている。特に2−(4−ジメチ
ルアミノスチリル)−3−メチルベンゾオキサゾリウム
過塩素酸塩の有用係数が極めて高い。したがって、本発
明化合物はアミロイドβ蛋白に特異的に結合でき、しか
も血液−脳関門透過性が極めて高く、アミロイドが蓄積
する疾患の診断プローブとして利用価値が極めて高いと
いえる。
【0024】次に、本発明の化合物について上記(5)
記載の方法により行った急性毒性試験の結果を表IIに
示す。
【表2】 一般にヒトでのPET撮影にはポジトロン標識および未
標識化合物の総投与量として、1×10−12から1×
10−5mg/kgの静脈内投与が用いられ、多くの場
合1×10−10から1×10−7mg/kgの静脈内
投与が用いられる。本発明の化合物の静脈内投与時の最
大耐量とPET撮影時に必要な総化合物量をみてみる
と、両者の間には少なくとも100万倍以上の開きがあ
ることから、これらの化合物はPET撮影用のプローブ
としては極めて安全性の高い化合物と考えられる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の化合物とは異なるグループに属し、アミロイドβ
蛋白に対する結合特異性が高く、血液−脳関門透過性が
高く、しかも極めて安全性の高い、アミロイドが蓄積す
る疾患の画像診断プローブ用化合物、ならびにそれを含
むアミロイドが蓄積する疾患の画像診断用組成物および
キットが提供される。かかる化合物、組成物、またはキ
ットを用いることにより、疾病の早期における正確な診
断が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07M 5:00 A61K 49/02 A B C (72)発明者 末元 隆寛 大阪府箕面市小野原東1丁目1番55号 R AVIR402号室 Fターム(参考) 4C056 AA01 AB01 AC02 AD03 AE03 CA09 CC01 CC02 CD01 CD05 CD06 CD07 CD08 4C085 HH03 JJ02 KA29 KB02 KB07 KB09 KB18 KB20 KB21 KB56 KB57 LL13 LL20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 [式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロ
    ゲン、OH、COOH、SOH、NHまたは炭素数
    1〜4個のアルキルであり、 Rは水素、または炭素数1〜4個のアルキルであり、 RおよびRは独立して水素、または炭素数1〜4個
    のアルキルであり、 XはSまたはOであり、 mおよびnは独立して0〜4の整数であり、 Zはオニウム塩を形成しうる陰イオンである]で示さ
    れる、アミロイドが蓄積する疾患の画像診断プローブ用
    化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
  2. 【請求項2】 2−(4−ジメチルアミノスチリル)−
    3−メチルベンゾチアゾリウムおよび2−(4−ジメチ
    ルアミノスチリル)−3−メチルベンゾオキサゾリウム
    またはその塩もしくは溶媒和物から選択される請求項1
    記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
  3. 【請求項3】 標識されている請求項1または2に記載
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
  4. 【請求項4】 標識が放射性核種である請求項3記載の
    化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
  5. 【請求項5】 置換基RないしRのいずれかが放射
    線放出核種で標識されている請求項4記載の化合物また
    はその塩もしくは溶媒和物。
  6. 【請求項6】 環上の水素が放射線放出核種で置換され
    ている請求項4記載の化合物またはその塩もしくは溶媒
    和物。
  7. 【請求項7】 標識がγ線放出核種である請求項4ない
    し6のいずれかに記載の化合物またはその塩もしくは溶
    媒和物。
  8. 【請求項8】 γ線放出核種が99mTc、111
    n、67Ga、201Tl、123Iおよび133Xe
    からなる群より選択される請求項7記載の化合物または
    その塩もしくは溶媒和物。
  9. 【請求項9】 γ線放出核種が99mTcおよび123
    Iからなる群より選択される請求項7記載の化合物また
    はその塩もしくは溶媒和物。
  10. 【請求項10】 標識が陽電子放出核種である請求項4
    ないし6のいずれかに記載の化合物またはその塩もしく
    は溶媒和物。
  11. 【請求項11】 陽電子放出核種が11C、13N、
    15Oおよび18Fからなる群より選択される請求項1
    0記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
  12. 【請求項12】 陽電子放出核種が18Fである請求項
    10記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和
    物および医薬上許容される担体を含む、アミロイドが蓄
    積する疾患の画像診断用組成物。
  14. 【請求項14】 99mTcまたは123Iで標識され
    た2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベ
    ンゾチアゾリウムおよび2−(4−ジメチルアミノスチ
    リル)−3−メチルベンゾオキサゾリウムから選択され
    る化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和
    物を含む請求項13記載の組成物。
  15. 【請求項15】 18Fで標識された2−(4−ジメチ
    ルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾリウムお
    よび2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチル
    ベンゾオキサゾリウムから選択される化合物またはその
    医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含む請求項13
    記載の組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和
    物を必須の構成成分として含む、アミロイドが蓄積する
    疾患の画像診断用キット。
  17. 【請求項17】 99mTcまたは123Iで標識され
    た2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチルベ
    ンゾチアゾリウムおよび2−(4−ジメチルアミノスチ
    リル)−3−メチルベンゾオキサゾリウムから選択され
    る化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和
    物を必須の構成成分として含む請求項16記載のキッ
    ト。
  18. 【請求項18】 18Fで標識された2−(4−ジメチ
    ルアミノスチリル)−3−メチルベンゾチアゾリウムお
    よび2−(4−ジメチルアミノスチリル)−3−メチル
    ベンゾオキサゾリウムから選択される化合物またはその
    医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を必須の構成成分
    として含む請求項16記載のキット。
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