JP2002274908A - セメント用添加剤、セメント組成物およびその製造方法 - Google Patents

セメント用添加剤、セメント組成物およびその製造方法

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JP2002274908A JP2001079044A JP2001079044A JP2002274908A JP 2002274908 A JP2002274908 A JP 2002274908A JP 2001079044 A JP2001079044 A JP 2001079044A JP 2001079044 A JP2001079044 A JP 2001079044A JP 2002274908 A JP2002274908 A JP 2002274908A
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carbon atoms
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Akinori Ito
昭則 伊藤
Susumu Honda
進 本多
Seiki Daimon
正機 大門
Etsuro Sakai
悦郎 坂井
Daiki Shin
大軌 新
Hiroaki Hamamoto
浩明 濱本
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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    • C04B2103/30Water reducers, plasticisers, air-entrainers, flow improvers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特有の化学成分であるりんを多く含有するセ
メントに使用した場合にも、流動性が良好であり、りん
の含有量に対しても性能差が少なく、セメント組成物の
流動性の調整が容易に可能なセメント用添加剤を提供す
る。 【解決手段】 りん含有量がP25換算で少なくとも
0.45重量%であるセメントに用いる、ポリオキシア
ルキレン化合物、マレイン酸化合物およびスルホン酸系
化合物とからなる共重合体を主成分とするセメント用添
加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセメント用分散剤に
関する。さらに詳しくは、りん含有量が0.45重量%
より多いセメントに用いても流動性が良好であり、りん
の量が変動しても流動性のばらつきのないセメント用分
散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】環境問題や廃棄物の再利用の観点から、
セメント原料として各種焼却灰の有効利用が注目されて
いる。各種焼却灰は廃棄物として埋め立て等に利用され
ている。しかしながら、大規模な埋め立て用地の確保
は、年々困難となってきており、各種焼却灰は資源とし
ての有効な利用の拡大が望まれている。また、各種焼却
灰利用の主用途として期待されるセメントは、大部分が
モルタルやコンクリートなどのセメント系組成物として
利用されるが、セメント系組成物は、施工性、耐久性、
品質等の面から、ほとんどの場合で空気連行剤、減水剤
などのセメント用添加剤が用いられている。近年、構造
物の高層化、大型化に伴い、セメント系組成物に対する
高強度化、高耐久性等の要求が高まっている。セメント
系組成物の高強度化のためには、セメント系組成物中の
セメント等水硬性成分の増加、水分の減少等が必要であ
るが、セメント系組成物を混練したあとの粘性が高まる
ため、減水剤等のセメント用添加剤が必要となってお
り、特に減水剤の果たす役割が重要視されている。
【0003】しかしながら、セメント系組成物にセメン
ト用添加剤を使用した際に、使用材料によって添加剤の
効果が大きく異なり、その効果を示さない場合や本来発
揮すべき効果を得られない場合がある。そのため、セメ
ント用添加剤が本来その効果を発揮するのに必要な量以
上のセメント用添加剤を使用することになるが、セメン
ト用添加剤の過剰添加により、セメント系組成物におい
て、空気量の経時変化、凝結遅廷等、施工性や硬化後の
物性に支障を来す場合がある。特に、近年、利用機会が
増加傾向にあるポリカルボン酸系減水剤は、セメント系
組成物の使用材料、特にセメントの違いによって、その
効果にばらつきが多いのが現状である。また、環境問題
への対応として、石炭灰や高炉スラグ等の廃棄物がセメ
ント原料やセメント系組成物の材料として汎用的に利用
されているが、最近ではエコセメントなどに代表される
ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰などの各種焼却灰である廃
棄物を使用したセメントも利用されている。しかし、こ
れら廃棄物は、セメントとは化学成分が異なるため、セ
メントやセメント系組成物に用いた場合、廃棄物の種類
によっては、従来のセメントとは異なる廃棄物特有の化
学成分が含まれる。このようなセメントにポリカルボン
酸系減水剤などのセメント用減水剤を使用しても、目標
とする効果を示さない場合や本来発揮すべき効果を得ら
れない場合がある。中でも、ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却
灰などの各種焼却灰は、その生成過程から品質を安定さ
せることが困難であり、セメント原料として焼却灰を利
用することでセメントの品質のばらつきが生じ減水剤等
のセメント用添加剤の効果が発揮されないおそれがあ
る。流動性の向上を目的とした減水剤として、ポリオキ
シアルキレン化合物、スルホン酸化合物およびマレイン
酸系化合物からなる共重合体が特開平9−268041
号公報に開示されている。通常のセメントにおいては、
流動性が良好なもののりんを多く配合するセメントにお
いては、充分な効果が得られていない。従って、セメン
ト系組成物の使用材料、特にセメントに含まれる成分が
ばらついても、セメント用添加剤の効果にばらつきが少
ないポリカルボン酸系減水剤が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の化学
成分であるりんを多く含有するセメントに使用した場合
にも、充分に効果を発揮し、りんの含有量に対しても性
能差が少なく、セメント組成物の流動性の調整が容易に
可能なセメント用添加剤の提供を目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (1) りん含有量がP25換算で少なくとも0.45
重量%であるセメントに用いる添加剤であって、(ア)
式(1)で示されるポリアルキレングリコールエ−テル
化合物の単量体からなる構成単位、(イ)式(2)また
は式(2’)で示されるカルボン酸化合物の単量体から
なる構成単位、および(ウ)式(3)で示されるスルホ
ン酸化合物の単量体からなる構成単位を必須構成単位と
し、(ア)におけるオキシアルキレン基の平均付加モル
数p、(イ)に由来するカルボキシル基をカルボン酸の
単位に換算した場合のカルボキシル基当量数[CA]お
よび(ウ)に由来するスルホン酸基をスルホン酸の単位
に換算した場合のスルホン酸当量数[SA]が、(ア)
1モルに対して、3≦{([SA]/[CA])×p}
≦15かつ{[CA]−2}/[SA]}≦3.6の比
率で共重合させた共重合体を主成分とすることを特徴と
するセメント用添加剤。
【0006】
【化4】
【0007】(ただし、R1、R2およびR3は水素原子
またはメチル基を表し、A1Oは炭素数2〜4のオキシ
アルキレン基、R5は水素原子または炭素数1〜22の
炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルキレン基または
カルボニル基を表し、p=5〜150である。)
【0008】
【化5】
【0009】(ただし、M1およびM2は水素原子、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機
アミン塩を表し、Xは−OM2または−Y−(A2O)r
6を表し、Yはエーテル基またはイミノ基を表し、A2
Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、R6は水素原
子または炭素数1〜22の炭化水素基、r=1〜150
である。)
【0010】
【化6】
【0011】(ただし、R7、R8およびR9は水素原子
またはメチル基を表し、M3は水素原子、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミン
塩を表し、R10は炭素数1〜4のアルキレン基またはフ
ェニレン基である。) (2) セメント組成物において、りん含有量がP25
換算で少なくとも0.45重量%であるセメントおよび
(1)記載のセメント用添加剤を含むセメント組成物。 (3) (1)記載のセメント用添加剤を用いることを
特徴とする、セメントの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のセメント用減水剤は、下
記の(ア)、(イ)および(ウ)の構成単位からなる共
重合体を主成分とするものである。 (ア)式(1)で示されるポリアルキレングリコールエ
−テル化合物の単量体からなる構成単位 (イ)式(2)または式(2’)で示されるカルボン酸
化合物の単量体からなる構成単位 (ウ)式(3)で示されるスルホン酸化合物の単量体か
らなる構成単位を必須構成単位
【0013】式(1)および式(3)において、R1
2、R3、R7、R8およびR9は水素原子またはメチル
基である。好ましくは水素原子である。A1OおよびA2
Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、オキシ
エチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が
挙げられ、1種または2種以上でもよく、2種以上の場
合はランダム状でもブロック状でもよい。好ましくはオ
キシエチレン基とオキシプロピレン基であり、より好ま
しくはオキシエチレン基である。R4は炭素数1〜4の
アルキレン基またはカルボニル基(=CO)であり、炭
素数1〜4のアルキレン基としてはメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、プロピレ
ン基としては、1,2−プロピレン基が好適であり、ブ
チレン基としては、1,2−ブチレン基、2,3−ブチ
レン基が好適である。R4の炭素数が4を超えると製造
が困難なため好ましくない。R4としては、好ましくは
メチレン基である。pは炭素数2〜4のオキシアルキレ
ン基の平均付加モル数であり、5〜150であり、好ま
しくは10〜100である。
【0014】式(2)および式(3)のM1、M2および
3は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウムまたは有機アミン塩である。アルカリ金属と
してはリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ
る。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシ
ウムが挙げられる。有機アミン塩としては、モノエタノ
ールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノール
アミン塩などのアルカノールアミン塩、メチルアミン
塩、ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチルア
ミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等が挙
げられ、好ましくはモノエタノールアミン塩、メチルア
ミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩である。M
1、M2およびM3として、好ましくはナトリウムまたは
水素原子である。Xは−OM2または−Y−(A2O)r
6である。Yはエーテル基またはイミノ基であり、エ
ーテル基は−O−を表し、イミノ基は−NH−を表す。
【0015】R5およびR6は水素原子または炭素数1〜
22の炭化水素基であり、炭素数1〜22の炭化水素基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミ
ル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エ
チルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデ
シル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル
基、ベヘニル基、フェニル基、ベンジル基、クレジル
基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフ
ェニル基、ナフチル基等がある。R5およびR6で示され
る炭化水素基の炭素数が22を超えると、共重合体の親
水性が十分でなくなる。好ましくはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、第三ブチル基である。式(3)におけるR10は炭
素数1〜4のアルキレン基またはフェニレン基であり、
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基があり、プロピレン基としては、
1,2−プロピレン基が好適であり、ブチレン基として
は、1,2−ブチレン基、2,3−ブチレン基が好適で
ある。好ましくはメチレン基である。
【0016】(イ)式(2)または式(2’)で示され
るカルボン酸化合物の単量体からなる構成単位におい
て、好ましくは式(2’)で示される無水マレイン酸で
ある。
【0017】各構成単位の共重合比は、(ア)における
オキシアルキレン基の平均付加モル数p、(イ)に由来
するカルボキシル基をカルボン酸の単位に換算した場合
のカルボキシル基当量数[CA]および(ウ)に由来す
るスルホン酸基をスルホン酸の単位に換算した場合のス
ルホン酸当量数[SA]が、(ア)1モルに対して、3
≦{([SA]/[CA])×p}≦15かつ{[C
A]−2}/[SA]}≦3.6の比率で共重合させ
る。{([SA]/[CA])×p}が3より小さい
と、セメント中のりん含有量の変化に対しての分散効果
の変化が著しくなり、15より大きいと分散効果が低く
なる。また、{([CA]−2)/[SA]}が3.6
より大きいとセメント中のりん含有量の変化に対する分
散効果のばらつきが著しくなる。{([SA]/[C
A])×p}は、りん含有量の悪影響が少なくなるオキ
シアルキレン部位とイオン性基のバランスを意味し、
{([CA]−2)/[SA]}は、りん含有量の悪影
響が少なくなるイオン性基のバランスを意味している。
【0018】本発明のセメント用添加剤に用いる共重合
体は、公知の方法により、重合開始剤を用いて重合する
ことにより得ることができる。重合の方法について制限
はないが、溶液重合で水を溶剤として用いる場合が好ま
しい、この場合、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩や、過酸化水素、水
溶性のアゾ系開始剤を用いることができ、その際に亜硫
酸水素ナトリウム、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿
素、次亜リン酸ナトリウムなどの促進剤を併用すること
もできる。
【0019】本発明のセメント用添加剤は、りん含有量
がP25換算で少なくとも0.45重量%である普通、
早強、中庸熟、ビーライト等のポルトランドセメント
や、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、シリ
カフューム、フライアッシュ、石灰石等の鉱物系粉体を
配合した混合セメントなどの各種セメントの配合物であ
るセメントペースト、モルタル、コンクリートなどに使
用する。特に各種セメントに含まれるりんの含有量がP
25換算で少なくとも0.45重量%となるエコセメン
トなどに代表されるゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰などの
各種焼却灰を使用したセメントに対してより効果が得ら
れる。特にりんの含有量がP25換算で0.5〜3重量
%となるセメントに対して著しい効果が得られる。0.
45重量%未満の場合では、本発明のセメント用添加剤
の特徴が現れず、りんの含有量がP25換算で多くなる
と、改善効果が落ちる傾向にある。
【0020】本発明のセメント用添加剤は、そのままの
形態で用いることもできるが、必要に応じて水で希釈し
て用いることも可能である。その使用量は、セメントに
対して0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜3重
量%であり、0.01重量%未満では、分散効果が得ら
れないので好ましくなく、5重量%を超えて使用しても
分散性の向上はみられない。使用方法は、モルタルやコ
ンクリートに使用する水に予め溶解させて使用したり、
注水と同時に添加して使用したり、注水から練り上がり
までの間に添加して使用したり、一旦練り上がったセメ
ント組成物に後から添加して使用することもできる。
【0021】また、本発明のセメント用添加剤は必要に
応じて他のセメント用添加剤との併用も可能である。他
の添加剤としては、例えば、リグニンスルホン酸の塩、
ナフタレン系、メラミン系およびポリカルボン酸系など
の減水剤、空気連行剤、消泡剤、分離低減剤、グルコン
酸の塩などの凝結遅延剤、凝結促進剤、乾燥収縮低減
剤、防錆剤、膨張剤などが挙げられる。セメント組成物
としては、通常、セメント、水、骨材等を配合する。セ
メントとしてはごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰などの各種
焼却灰を使用したセメントを用いてもよく、通常のセメ
ントにごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰などの各種焼却灰を
加えて使用しても良い。セメント組成物の製造方法に特
に限定はなく、セメントと骨材を練り混ぜてから、本発
明のセメント用添加剤を溶解させた練り混ぜ水を加えて
製造したり、セメントと本発明のセメント用添加剤を溶
解させた練り混ぜ水を混ぜてからセメントペーストを調
整しこれに骨材を加えて製造することも出来る。本発明
のセメント用添加剤は、練り混ぜ水に予め溶解させなく
ても良く、注水と同時に添加して使用したり、注水から
練り上がりまでの間に添加して使用したり、一旦練り上
がったセメント組成物に後から添加して使用して、セメ
ント組成物を製造することもできる。
【0022】
【発明の効果】本発明のセメント添加剤を用いると、り
んをP25換算で少なくとも0.45重量%含有したセ
メントに使用しても、良好な流動性が得られ、りんの含
有量がばらついても流動性のばらつきがなく、セメント
を製造する際に良好に使用できる。
【0023】
【実施例】合成例 撹拌装置、冷却管、温度計および窒素ガス導入管を装着
した5リットル四つ口フラスコに、ポリオキシエチレン
(平均付加モル数;p=34)アリルメチルエーテル
1,568g(1モル)、無水マレイン酸147g
(1.5モル)、アリルスルホン酸ナトリウム 43.
2g(0.3モル)およびイオン交換水 846gを秤
取り、窒素ガス雰囲気下、50〜60℃に加温し均一に
溶解させた。続いて、窒素ガス雰囲気下、55〜65℃
の温度範囲で、過硫酸ナトリウム 35.7g(0.1
5モル)をイオン交換水 200gに溶解させた溶液を
約2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度範囲で6
時間攪拌反応させ、共重合体[A]の水溶液を得た。得
られた水溶液の水分を、水分計で測定したところ39.
9重量%であり、25℃での動粘度は367mm2/s
であった。共重合体[A]の水溶液1,000gにイオ
ン交換水2,005gを加えて均一に混合させ、20重
量%水溶液とした。これに消泡剤6gを添加し、均一に
分散させセメント用添加剤[A]を調整した。同様の方法
で、表1記載の単量体(ア)〜(ウ)を表1記載のモル
比で仕込み、過硫酸ナトリウムを用いてイオン交換水中
で共重合反応を行い、共重合体[B]〜[G]を得た。
得られた各共重合体[B]〜[G]は、それぞれイオン
交換水で20重量%水溶液とし、消泡剤を添加してセメ
ント用添加剤[B]〜[G]とした。
【0024】
【表1】
【0025】*1 式(1)の化合物において、R1
2およびR3:水素原子、R4:メチレン基、p=3
4、R5:メチル基 *2 p=45であり、それ以外は*1の化合物と同じ
である。 *3 p=68であり、それ以外は*1の化合物と同じ
である。 *4 p=10であり、それ以外は*1の化合物と同じ
である。 *5 無水マレイン酸 *6 アリルスルホン酸ナトリウム 式(3)の化合物
において、R7、R8およびR9:水素原子、R10:メチ
レン基、M3:ナトリウム
【0026】実施例1 JIS R5201に記載してある機械練り用練混ぜ機
の練り鉢に、りん含有量がP25換算で0.37重量%
の研究用セメント(社団法人セメント協会)499.6
g、りん酸水素二カリウム0.4g(りん含有量はP2
5換算で0.4重量%に相当)および細骨材(千葉県
君津産砂、表乾比重2.50、粗粒率2.66 表面水
率0.05%)850gを練り混ぜ機にて15秒間低速
回転で練り混ぜた。セメント用添加剤[A]9.0gを
イオン交換水156gに溶解させた溶液を練り鉢に加
え、45秒間低速回転で練り混ぜ、続いて高速回転に切
り替えて120秒間練り混ぜモルタルを調整した。15
回の落下運動を省略した以外はJIS R5201のフ
ロー試験に準拠してモルタルのフロー値測定を行った結
果257であった。りん含有量は、JIS R5202
「ポルトランドセメントの化学的分析方法」に準じて測
定を行った。研究用セメント、りん酸水素二カリウムの
重量をそれぞれ498.4g、1.6g(りん含有量は
25換算で0.5重量%に相当)に変更した以外は、
同様にしてフロー値を測定した結果236であった。研
究用セメント、りん酸水素二カリウムの重量をそれぞれ
494.7g、5.3g(りん含有量はP25換算で
0.8重量%に相当)に変更した以外は、同様にしてフ
ロー値を測定した結果230であった。研究用セメン
ト、りん酸水素二カリウムの重量をそれぞれ492.2
g、7.8g(りん含有量はP25換算で1.0重量%
に相当)に変更した以外は、同様にしてフロー値を測定
した結果220であった。研究用セメントのみ500.
0g(りん含有量はP25換算で0.37重量%に相
当)に変更した以外は、同様にしてフロー値を測定した
結果262であった。
【0027】実施例2〜5 実施例1におけるセメント用添加剤[A]の代わりに、
セメント用添加剤[B]〜[E]を用いた以外は、実施例
1と同様の方法で、各りん含有におけるモルタルのフロ
ー値測定を行った。結果を表2に示す。 比較例1〜2 実施例1におけるセメント用添加剤[A]の代わりに、
セメント用添加剤[F]〜[G]を用いた以外は、実施例
1と同様の方法でモルタルのフロー値測定を行った。結
果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2から、本発明の実施例は、流動性も良
好であり、りんの含有量0.50/1.0の比を見て分
かるようにりんの含有量によるフロー値のばらつきも小
さい。比較例は、りんの含有量が0.5重量%より多く
なるとフロー値およびフロー値のばらつき共に劣ること
が分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 28/02 C04B 28/02 C08F 212/14 C08F 212/14 216/14 216/14 220/28 220/28 222/02 222/02 222/06 222/06 228/02 228/02 290/06 290/06 (72)発明者 濱本 浩明 神奈川県横浜市青葉区藤が丘2−26−9 Fターム(参考) 4G012 PB27 PB29 PB31 PB32 PC03 PC11 4J027 AC02 AC06 AC07 BA02 4J100 AB07R AE18P AE26P AJ08Q AJ09Q AK20Q AK21Q AK32Q AP01R BA03P BA08P BA56R CA05 JA67

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】りん含有量がP25換算で少なくとも0.
    45重量%であるセメントに用いる添加剤であって、
    (ア)式(1)で示されるポリアルキレングリコールエ
    −テル化合物の単量体からなる構成単位、(イ)式
    (2)または式(2’)で示されるカルボン酸化合物の
    単量体からなる構成単位、および(ウ)式(3)で示さ
    れるスルホン酸化合物の単量体からなる構成単位を必須
    構成単位とし、(ア)におけるオキシアルキレン基の平
    均付加モル数p、(イ)に由来するカルボキシル基をカ
    ルボン酸の単位に換算した場合のカルボキシル基当量数
    [CA]および(ウ)に由来するスルホン酸基をスルホ
    ン酸の単位に換算した場合のスルホン酸当量数[SA]
    が、(ア)1モルに対して、3≦{([SA]/[C
    A])×p}≦15かつ{([CA]−2)/[S
    A]}≦3.6の比率で共重合させた共重合体を主成分
    とすることを特徴とするセメント用添加剤。 【化1】 (ただし、R1、R2およびR3は水素原子またはメチル
    基を表し、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン
    基、R5は水素原子または炭素数1〜22の炭化水素
    基、R4は炭素数1〜4のアルキレン基またはカルボニ
    ル基を表し、p=5〜150である。) 【化2】 (ただし、M1およびM2は水素原子、アルカリ金属、ア
    ルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミン塩を表
    し、Xは−OM2または−Y−(A2O)r6を表し、Y
    はエーテル基またはイミノ基を表し、A2Oは炭素数2
    〜4のオキシアルキレン基、R6は水素原子または炭素
    数1〜22の炭化水素基、r=1〜150である。) 【化3】 (ただし、R7、R8およびR9は水素原子またはメチル
    基を表し、M3は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土
    類金属、アンモニウムまたは有機アミン塩を表し、R10
    は炭素数1〜4のアルキレン基またはフェニレン基であ
    る。)
  2. 【請求項2】セメント、水、骨材からなるセメント組成
    物において、りん含有量がP25換算で少なくとも0.
    45重量%であるセメントおよび請求項1記載のセメン
    ト用添加剤を含有するセメント組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載のセメント用添加剤を用いる
    ことを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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