JP2006282855A - 共重合体の製造方法およびセメント混和剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを効率的に共重合する共重合体の製造方法、及び、セメントに優れた特性を付与するセメント混和剤を提供する。
【解決手段】
本発明の共重合体の製造方法は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを共重合する方法であって、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と前記不飽和カルボン酸系単量体とを反応容器に供給して共重合させる際に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、前記不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給して共重合させることを特徴とする。
【解決手段】
本発明の共重合体の製造方法は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを共重合する方法であって、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と前記不飽和カルボン酸系単量体とを反応容器に供給して共重合させる際に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、前記不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給して共重合させることを特徴とする。
Description
本発明は、共重合体の製造方法、及び、セメント混和剤に関するものであり、より詳しくは、セメント混和剤用共重合体の製造方法、及び、セメント混和剤に関するものである。
セメント組成物(セメントに水を添加したセメントペースト、セメントペーストに細骨材である砂を混合したモルタル、モルタルに粗骨材である小石を混合させたコンクリートなど)には、単位水量を低減させて耐久性や強度を向上させることを目的として、セメント混和剤が添加されている。前記セメント混和剤は、セメント粒子に吸着してセメント粒子が凝集するのを抑制し、セメント組成物の使用時の分散性を高める作用も有している。
前記セメント混和剤としては、ナフタレン系のセメント混和剤やポリカルボン酸系のセメント混和剤が知られている。例えば、特許文献1には、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸とを共重合したセメント混和剤用共重合体が開示されている。
特開2001−220417号公報
前記セメント混和剤としては、ナフタレン系のセメント混和剤やポリカルボン酸系のセメント混和剤が知られている。例えば、特許文献1には、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸とを共重合したセメント混和剤用共重合体が開示されている。
本発明者らが、特許文献1に開示されているような不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸とを共重合させる方法について鋭意検討したところ、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体は、単独重合性が低く、重合条件が適切でない場合には、得られるセメント混和剤用共重合体が十分な特性を発揮しないことを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体を効率的に共重合させる共重合体の製造方法、及び、セメントに優れた特性を付与するセメント混和剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできた本発明の共重合体の製造方法とは、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを共重合する方法であって、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と前記不飽和カルボン酸系単量体とを反応容器に供給して共重合させる際に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、前記不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給して共重合させることを特徴とする。不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、反応性が高い不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給すれば、重合性の低いポリアルキレングリコールエーテル系単量体が未反応のまま残存していたとしても、反応性の高い不飽和カルボン酸系単量体と効率よく共重合させることができる。例えば、前記不飽和カルボン酸系単量体と前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを供給し、前記不飽和カルボン酸系単量体を供給している間に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させるようにすることが好ましい。
前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体としては、下記化学式(1)
[式(1)中、R1、R2およびR3は同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し、R4は、炭素数1から5の2価のアルキレン基、或は、直接結合を表し、
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
で表されるものを好適に使用でき、より好適には、前記不飽和ポリエチレングリコールエーテル系単量体を使用する。
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
で表されるものを好適に使用でき、より好適には、前記不飽和ポリエチレングリコールエーテル系単量体を使用する。
前記不飽和カルボン酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸を好適に使用できる。
本発明の製造方法は、セメント混和剤用共重合体の製造方法として好適である。
本発明のセメント混和剤は、下記化学式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と下記化学式(2)で表される不飽カルボン酸系単量体とを含む不飽和単量体成分を、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤とラジカル重合開始剤とを用いて共重合して得られる共重合体を含むことを特徴とする。
[式(1)中、R1、R2およびR3は同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し、R4は、炭素数1から5の2価のアルキレン基、或は、直接結合を表し、
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
[式(2)中、R7,R8,R9は、水素原子、メチル基、又は、(CH2)mCOOM2であり、(CH2)mCOOM2はCOOM1または他の(CH2)mCOOM2と無水物を形成していても良い(その場合、M1およびM2は存在しない)。M1、M2は、水素原子、一価金属、二価金属、三価金属、アンモニウム、又は、有機アミン(有機アミンのアンモニウム)を表す。mは0〜2の数を表す)]
前記不飽和ポリアルキレングリコール系単量体と前記不飽和カルボン酸系単量体とを含有する不飽和単量体成分をOH基とSH基とを有する連鎖移動剤とラジカル重合開始剤とを用いて共重合して得られる共重合体を含有するセメント混和剤は、得られるコンクリートの強度を向上することができる。前記連鎖移動剤としては、例えば、分子中にOH基を1〜2つ、SH基を1つ有するものが好適であり、前記ラジカル重合開始剤としては、過硫酸塩が好適である。
本発明によれば、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを効率よく共重合することができ、得られる共重合体はセメント混和剤として好適である。
本発明のセメント混和剤を使用すれば、得られるコンクリートの強度を向上できる。
本発明の共重合体の製造方法は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを共重合する方法であって、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と前記不飽和カルボン酸系単量体とを反応容器に供給して共重合させる際に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、前記不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給して共重合させることを特徴とする。不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、反応性が高い不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給するようにすれば、重合性の低い不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体が未反応のまま残存していたとしても、反応性の高い不飽和カルボン酸系単量体と効率よく共重合させることができる。
不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、反応性が高い不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給する態様としては、例えば、以下のような態様を挙げることができる。
(1)不飽和カルボン酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを供給し、前記不飽和カルボン酸系単量体を供給している間に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させる態様。
(2)ポリアルキレングルコールエーテル系不飽和単量体を先に反応容器に連続的に供給し始めて、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体をある程度供給してから、不飽和カルボン酸系単量体の供給を開始し、先に不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させる態様。
(3)不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、不飽和カルボン酸系単量体の一部を反応容器に一括に供給する態様。
(1)不飽和カルボン酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを供給し、前記不飽和カルボン酸系単量体を供給している間に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させる態様。
(2)ポリアルキレングルコールエーテル系不飽和単量体を先に反応容器に連続的に供給し始めて、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体をある程度供給してから、不飽和カルボン酸系単量体の供給を開始し、先に不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させる態様。
(3)不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、不飽和カルボン酸系単量体の一部を反応容器に一括に供給する態様。
また、不飽和カルボン酸系単量体、或は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の少なくとも一部を予め反応容器に仕込んでおいても良い。
これらの態様の中でも、不飽和カルボン酸系単量体と前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを供給し、前記不飽和カルボン酸系単量体を供給している間に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させる態様(1)が好ましい態様である。斯かる好ましい態様(1)では、不飽和カルボン酸系単量体と前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを連続的に供給し、前記不飽和カルボン酸系単量体を連続的に供給している間に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させる態様がより好ましい。不飽和カルボン酸系単量体と前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを同時に反応容器に供給し始めることが好ましく、その他の態様として、不飽和カルボン酸系単量体を先に反応容器に供給してから、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体を供給するようにしても良い。特に、前記不飽和カルボン酸系単量体と前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを滴下により連続的に供給するとともに、不飽和カルボン酸系単量体の滴下時間をポリアルキレングルコール系不飽和単量体の滴下時間より長くして、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、不飽和カルボン酸系単量体の一部(残部)を滴下により反応容器に連続的に供給する態様がより好ましい態様である。前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に不飽和カルボン酸系単量体の一部(残部)をある程度の時間をかけて供給することによって、両者を共重合をさせる十分な時間を確保するためである。また、滴下することによって重合反応熱を制御でき、重合温度が安定になる。前記不飽和カルボン酸系単量体の滴下時間は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の滴下時間の1.1倍以上が好ましく、1.15倍以上がより好ましく、1.2倍以上が更に好ましく、1.5倍以上がより一層好ましい。1.1倍以上とすることによって、不飽和カルボン酸系単量体と不飽和ポリアルキレングルコールエーテル系単量体とを共重合させる時間を十分に確保することができる。また重合時間が長くなりすぎると生産性が低下するため、不飽和カルボン酸系単量体の滴下時間は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の滴下時間の3倍以下が好ましく、2.8倍以下がより好ましく、2.6倍以下が更に好ましい。
前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(I)としては、例えば、下記化学式(1)で表されるものを使用することが好ましい。
[式(1)中、R1、R2およびR3は同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し、R4は、炭素数1から5の2価のアルキレン基、或は、直接結合を表し、
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体は、例えば、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜300モル付加した化合物を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの単量体の中でも特に3−メチル−3−ブテン−1−オール、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコールを用いた化合物が好ましい。前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2〜18のアルキレンオキシドの中から選ばれる任意の1種類、あるいは2種類以上のアルキレンオキシドを付加させてもよく、2種類以上を付加させる場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれでもよい。
また、不飽和アルコールに付加したアルキレンオキシド末端のR6は、水素原子であってもよく、炭素数1〜30の炭化水素基であってもよい。炭素数1〜30の炭化水素基としては炭素数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基または脂環式アルキル基)、炭素数1〜30のアルケニル基、炭素数1〜30のアルキニル基、炭素数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。
また、不飽和アルコールに付加したアルキレンオキシド末端のR6は、水素原子であってもよく、炭素数1〜30の炭化水素基であってもよい。炭素数1〜30の炭化水素基としては炭素数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基または脂環式アルキル基)、炭素数1〜30のアルケニル基、炭素数1〜30のアルキニル基、炭素数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。
本発明において、共重合体がセメント混和剤用である場合には、R6は、セメント粒子の分散性能の向上の観点からは親水性の基が好ましく、その中でも特に水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましい。また、炭素数1〜10の炭化水素基の中でも特に炭素数1〜5の炭化水素基がさらに好ましい。また、前記アルキレンオキシド付加モル数は1〜300であるが、この平均付加モル数の減少に従い親水性が低下し、他方、この平均付加モル数の増大に従いアルキレンオキシドの付加反応の反応性が低下する。さらに、セメント粒子の分散性能の観点からはアルキレンオキシド付加モル数は1〜300が好ましく、より好ましくは2〜280、より一層好ましくは4〜250、さらに好ましくは6〜230、さらに一層好ましくは10〜200である。また、前記オキシアルキレン基の炭素数としては、2〜18であるがセメント粒子の分散性の観点からは比較的親水性のほうが好ましく、特に2〜8が好ましい、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは2〜3のオキシアルキレン基が好ましい。また、オキシアルキレン鎖の親水性の確保の面からはオキシアルキレン鎖中のオキシエチレン基の割合は50モル%以上が好ましい、より好ましくは60モル%以上、より一層好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、さら一層好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体としてより好ましいのは、R1,R2、及び、R3が水素であり、R4が直接結合である化学式(3)で表されるビニルエーテル;R1及びR2が水素であり、R4がメチレン基である化学式(4)で表される(メタ)アリルエーテル;R1及びR2が水素であり、R4がエチレン基である化学式(5)で表されるイソプレニルエーテルなどを挙げることができる。また、R5Oはオキシエチレン基であることが好ましい。R5Oをオキシエチレン基とすることによって、得られる共重合体に親水性のオキシエチレン鎖を付与することができるからである。本発明の製法による共重合体をセメント混和剤として使用する場合には、斯かるオキシエチレン鎖の立体障害によって、セメント粒子が凝集するのが抑制される。
前記不飽和カルボン酸系単量体(II)としては、下記化学式(2)で表される不飽カルボン酸系単量体を好適に使用することができる。
[式(2)中、R7,R8,R9は、水素原子、メチル基、又は、(CH2)mCOOM2であり、(CH2)mCOOM2はCOOM1または他の(CH2)mCOOM2と無水物を形成していても良い(その場合、M1およびM2は存在しない)。M1、M2は、水素原子、一価金属、二価金属、三価金属、アンモニウム、又は、有機アミン(有機アミンのアンモニウム)を表す。mは0〜2の数を表す)]
前記不飽和カルボン酸系単量体(II)の具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのジカルボン酸系単量体、又は、これらの無水物、若しくは、その塩である。前記塩としては、例えば、一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩などを挙げることができる。これらの中でも、ポリアルキレングリコールエーテル系不飽和単量体との共重合性の観点から、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、又は、これらの塩が好ましい。尚、前記不飽和カルボン酸系単量体は、2種以上の混合物であってもよい。
本発明では、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(I)と不飽和カルボン酸系単量体(II)に加えて、さらに、以下のような単量体(III)を使用して、共重合させることもできる。前記単量体(III)としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜20のアルキルアルコール、炭素数2〜18のグリコールもしくはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコール及び炭素数1〜20のアルキルアルコールに炭素数2〜18のアルキレンオキシドもしくはアルキレンオキシドの付加モル数2〜300のアルコキシポリアルキレングリコールとのモノエステル類、ジエステル類、また、これらの酸と炭素数1〜20のアルキルアミン及び炭素数2〜18のグリコールの片末端アミノ化物、もしくはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールの片末端アミノ化物とのモノアミド、ジアミド類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類と炭素数1〜20のアルキルアルコール、炭素数2〜18のグリコールもしくはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコール及び炭素数1〜20のアルキルアルコールに炭素数2〜18のアルキレンオキシドもしくはアルキレンオキシドの付加モル数2〜300のアルコキシポリアルキレングリコールとのエステル類、また、これらの酸と炭素数1〜20のアルキルアミン及び炭素数2〜18のグリコールの片末端アミノ化物、もしくはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールの片末端アミノ化物とのアミド類;スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、ならびにこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド等の不飽和アミド類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等の炭素数3〜20のアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン等の芳香族ビニル類等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
共重合体を重合する際の単量体(I)、(II)、(III)の仕込み比率としては重量比で(I)/(II)/(III)=50〜99/50〜1/0〜49、好ましくは(I)/(II)/(III)=60〜98/40〜2/0〜38、さらに好ましくは(I)/(II)/(III)=70〜95/30〜5/0〜25の範囲であることが好ましい。
また、共重合体の重量平均分子量はGPCによるポリエチレングリコール換算で8000〜500000、さらに好ましくは10000〜300000、さらに好ましくは12000〜200000、さらに好ましくは15000〜150000である。これらの重量比と重量平均分子量の範囲を外れると、共重合体がセメント混和剤用である場合に、優れたセメント分散性能とスランプロス防止性能を発現することができない。
前記ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを共重合させる際には、ラジカル開始剤、連鎖移動剤などを使用することができる。
前記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸などのチオール系連鎖移動剤;イソプロピルアルコールなどの2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなど)の低級酸化物およびその塩;などの公知の親水性連鎖移動剤も用いることができる。
さらに、連鎖移動剤として、疎水性連鎖移動剤を用いることもできる。疎水性連鎖移動剤としては、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチルなどの炭素原子数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤を用いることが好ましい。さらにこれら連鎖移動剤は2種類以上併用して用いてもよく、例えば親水性連鎖移動剤と疎水性連鎖移動剤とを組み合わせて用いてもよい。また分子量調整のためには、(メタ)アリルスルホン酸(塩)類などの連鎖移動性の高い単量体を用いることも有効である。
本発明では、特に、分子内にOH基とSH基とを有する連鎖移動剤を使用することが好ましく、より好ましくは、分子中にOH基を1〜2つ、SH基を1つ有する連鎖移動剤である。斯かる連鎖移動剤を使用すれば、得られる共重合体をセメント混和剤として使用する場合に、コンクリートの強度が向上するからである。分子内にOH基とSH基とを有する連鎖移動剤の具体例としては、メルカプトエタノール、チオグリセロールなどを挙げることができる。
前記連鎖移動剤の使用量としては、単量体成分の総モル(100モル%)に対して、0.1〜30モル%が好ましく、より好ましくは0.3〜28モル%、より一層好ましくは0.5〜25モル%、さらに好ましくは1.0〜20モル%、さらに一層好ましくは1.2〜15モル%である。前記連鎖移動剤の使用量が0.1モル%未満であると得られる共重合体の分子量が大きくなりすぎるからであり、30モル%を超えると得られる共重合体の分子量が小さくなりすぎるからである。特に、共重合体をセメント混和剤として使用する場合に、得られる共重合体の分子量が大きくなりすぎると、セメント粒子を凝集させる効果を発現してセメント粒子を分散させる効果を低下させるので好ましくない。また、共重合体の分子量が小さくなり過ぎると、セメント粒子への重合体の吸着力が低下しセメント粒子を分散させるために必要な重合体の添加量が増大するので好ましくない。
前記ラジカル重合開始剤は、水溶液重合を行う場合は、アンモニアまたはアルカリ金属の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物などの水溶性の重合開始剤が好ましく使用され、この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、L−アスコルビン酸、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素等の促進剤を併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族あるいは脂肪族炭化水素、エステル化合物あるいはケトン化合物を重合溶媒として用いる際は、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が好ましく用いられる。この際、アミン化合物などの促進剤を併用することもできる。さらに、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、前記の種々の重合開始剤あるいは重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いることが好ましい。これらの重合開始剤の中でも特に単量体(I)、(II)、(III)の重合率を上げる観点からはアンモニアまたはアルカリ金属の過硫酸塩、過酸化水素/促進剤の使用が好ましく、この中でも特にアルカリ金属の過硫酸塩、過酸化水素/L−アスコルビン酸が好ましく、特に過硫酸ナトリウムが特に好ましい。特に過硫酸塩は重合系中を酸性にする効果があるため、単量体の重合率を向上させる効果がある。
ラジカル重合開始剤の使用量としては、過硫酸塩を用いる場合、不飽和単量体成分の質量に対して0.1〜10質量%を使用することが好ましく、さらに好ましくは0.2〜8質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%、さらに好ましくは0.4〜4質量%である。また、過酸化水素とL−アスコルビン酸のような促進剤を用いる場合、0.01〜10質量%を使用することが好ましく、より好ましくは0.03〜8質量%、さらに好ましくは0.04〜6質量%、さらに一層好ましくは0.05〜5質量%である。
不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体との共重合は、水、有機溶媒などの媒体中で行うことが好ましく、前記媒体として好ましいのは、水性媒体であり、さらに好ましくは水である。前記有機溶媒としては、重合条件に応じて、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの芳香族或いは脂肪族炭化水素;酢酸エチルなどのエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル化合物など;などの公知のものを用いることができる。前記媒体は、予め、反応容器内に仕込んでおいても良く、或は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体を溶解する溶媒として使用し、反応容器に供給されてもよい。
不飽和カルボン酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを共重合させる温度は、特に限定されないが、0℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましく、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。重合温度が低すぎると、共重合性が低下し、重合温度が100℃を超えると、反応で好適に使用する水が沸騰し始めるので好ましくない。
本発明には、下記化学式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と、下記化学式(2)で表される不飽カルボン酸系単量体とを含む不飽和単量体成分を、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤とラジカル重合開始剤とを用いて共重合して得られる共重合体を含むことを特徴とするセメント混和剤が含まれる。
[式(1)中、R1、R2およびR3は同一または異なって、水素原子またはメチル基を表し、R4は、炭素数1から5の2価のアルキレン基、或は、直接結合を表し、
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
[式(2)中、R7,R8,R9は、水素原子、メチル基、又は、(CH2)mCOOM2であり、(CH2)mCOOM2はCOOM1または他の(CH2)mCOOM2と無水物を形成していても良い(その場合、M1およびM2は存在しない)。M1、M2は、水素原子、一価金属、二価金属、三価金属、アンモニウム、又は、有機アミン(有機アミンのアンモニウム)を表す。mは0〜2の数を表す)]
前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(I)、不飽和カルボン酸系単量体(II)、及び、必要に応じて使用できる単量体(III)として好適なものとしては、上述したのと同一のものを挙げることができる。また、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤、及び、ラジカル重合開始剤として好適なものとしても、上述したのと同一ものを使用することができる。
セメント混和剤中における前記共重合体の含有量は、所望する初期分散性の値に応じて適宜選択すればよく、具体的には、固形分換算で、セメント混和剤全体の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80%以上であればよい。
本発明セメント混和剤では、前記共重合体と、前記共重合体とは異なるポリカルボン酸系ポリマーとを組み合わせて用いることも好ましい。その際、組み合わせる比率(質量比)は、前記共重合体/前記共重合体とは異なるポリマーの値は、90/10〜10/90(好ましくは80/20〜20/80、より好ましくは70/30〜30/70、さらに好ましくは60/40〜40/60)であることが好ましい。
また、前記セメント混和剤は、必要に応じて、さらに、消泡剤[(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物やジエチレングリコールヘプチルエーテルなど]やポリアルキレンイミン(エチレンイミンやプロピレンイミンなど)などのポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を含有させることもできる。
前記消泡剤としては、具体的には、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル等のポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンラウリルアミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物など)、アルキレンオキシドを付加させた硬化牛脂アミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)等のポリオキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド;等が挙げられる。これらの消泡剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。消泡剤の添加時期は、重合開始前・重合中・重合後の何れであってもよい。また添加割合は、セメント混和剤用共重合体の全質量に対して、0.0001〜20質量%とすることが好ましい。
また本発明のセメント混和剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知のセメント混和剤と併用することが可能であり、複数の公知のセメント混和剤の併用も可能である。併用することができる公知のセメント混和剤としては、セメントの銘柄やロットNo.によらず安定した分散性能を発揮することから、公知のポリカルボン酸系混和剤および分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系混和剤(S)が好ましい。
スルホン酸系混和剤(S)は、主にスルホン酸基によってもたらされる静電的反発によりセメントに対する分散性を発現する混和剤であって、公知の各種スルホン酸系混和剤を用いることができるが、分子中に芳香族基を有する化合物であることが好ましい。具体的には、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸塩系;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸塩系;リグニンスルホン酸塩、変成リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系;ポリスチレンスルホン酸塩系;等の各種スルホン酸系混和剤が挙げられる。水/セメント比が高いコンクリートではリグニンスルホン酸塩系の混和剤が好適に用いられ、一方より高い分散性能が要求される水/セメント比が中程度のコンクリートでは、ポリアルキルアリールスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系、ポリスチレンスルホン酸塩系等の混和剤が好適に用いられる。なお、分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系混和剤(S)を2種類以上併用してもよい。
前記のスルホン酸系混和剤(S)以外に、高温の環境下においてもより高い分散保持性能を発揮することからオキシカルボン酸系化合物(D)を添加することも好ましい。
前記オキシカルボン酸系化合物(D)としては、炭素原子数4〜10のオキシカルボン酸もしくはその塩が好ましく、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸や、これらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等が挙げられる。中でも、グルコン酸もしくはその塩を用いることが好ましい。尚、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、貧配合コンクリートでは、分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系混和剤(S)としてリグニンスルホン酸塩系の混和剤を用い、オキシカルボン酸系化合物(D)としてグルコン酸もしくはその塩を用いることが好ましい。
前記以外に、本発明のセメント混和剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、以下の(1)〜(11)に例示する公知のセメント混和剤と併用してもよい。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類のアルキル化又はヒドロキシアルキル化誘導体の一部又は全部の水酸基の水素原子が、炭素原子数8〜40の炭化水素鎖を部分構造として有する疎水性置換基と、スルホン酸基又はそれらの塩を部分構造として有するイオン性親水性置換基で置換されてなる多糖誘導体;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状の何れでもよく、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物;等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)オキシカルボン酸系化合物(D)以外の硬化遅延剤:グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体;等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート;等。
(5)オキシアルキレン系以外の消泡剤:燈油、流動パラフィン等の鉱油系消泡剤;動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等の油脂系消泡剤;オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等の脂肪酸系消泡剤;グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等の脂肪酸エステル系消泡剤;オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等のアルコール系消泡剤;アクリレートポリアミン等のアミド系消泡剤;リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等の金属石鹸系消泡剤;ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等のシリコーン系消泡剤;等。
(6)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(7)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシ基を置換基として有してもよい、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤;等。
(8)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(9)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(10)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(11)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
(9)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(10)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(11)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
前記(1)〜(11)以外にセメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤などの公知のセメント混和剤を単独でまたは2種以上を併用して添加してもよい。
本発明のセメント混和剤において、特に好適な実施形態としては、次の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)本発明のセメント混和剤、および、オキシアルキレン系消泡剤の2成分を必須とする組み合わせ。オキシアルキレン系消泡剤としては、ポリオキシアルキレン類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアセチレンエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類等が使用可能であるが、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類が特に好適である。なお、オキシアルキレン系消泡剤の配合質量比としては、本発明のセメント混和剤用共重合体に対して0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
(2)本発明のセメント混和剤、および、材料分離低減剤の2成分を必須とする組み合わせ。材料分離低減剤としては、非イオン性セルロースエーテル類等の各種増粘剤、部分構造として炭素原子数4〜30の炭化水素鎖からなる疎水性置換基と炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2〜300付加したポリオキシアルキレン鎖とを有する化合物等が使用可能である。なお、本発明のセメント混和剤と材料分離低減剤との配合質量比としては、10/90〜99.99/0.01が好ましく、50/50〜99.9/0.1がより好ましい。この組み合わせのセメント組成物は、高流動コンクリート、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材として好適である。
(3)本発明のセメント混和剤、および、促進剤の2成分を必須とする組み合わせ。促進剤としては、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の可溶性カルシウム塩類、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物類、チオ硫酸塩、ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩類等が使用可能である。なお、本発明のセメント混和剤と促進剤との配合質量比としては、10/90〜99.9/0.1が好ましく、20/80〜99/1がより好ましい。
(4)本発明のセメント混和剤、オキシアルキレン系消泡剤、およびAE剤の3成分を必須とする組み合わせ。オキシアルキレン系消泡剤としては、ポリオキシアルキレン類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアセチレンエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類等が使用可能であるが、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類が特に好適である。なお、本発明のセメント混和剤と消泡剤の配合質量比としては、本発明のセメント混和剤用共重合体に対して0.01〜20質量%が好ましい。一方、AE剤の配合質量比としては、セメントに対して0.001〜2質量%が好ましい。
前記セメント混和剤は、水溶液の形態で使用してもよいし、共重合後にカルシウム、マグネシウム等の二価金属の水酸化物で中和して多価金属塩とした後に乾燥させたり、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させたり、ドラム型乾燥装置、ディスク型乾燥装置又はベルト式乾燥装置を用いて支持体上に薄膜状に乾燥固化させた後に粉砕したりすることにより粉体化して使用してもよい。それ以外に、粉体化した本発明のセメント混和剤を予めセメント粉末やドライモルタルのような水を含まないセメント組成物に配合して、左官、床仕上げ、グラウト等に用いるプレミックス製品として使用しても良いし、セメント組成物の混練時に配合してもよい。
本発明のセメント組成物は、前記セメント混和剤とセメント、水を含有することを特徴とする。さらに必要に応じて細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)を添加したセメントペーストやモルタル、コンクリート、プラスターなど水硬性組成物の形態も含む。
前記水硬性組成物の中では、水硬性材料としてセメントを使用するセメント組成物が最も一般的であり、該セメント組成物は、本発明のセメント混和剤、セメント、および水を必須成分として含んでなる。このようなセメント組成物は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
前記セメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩、およびそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)などや、それらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したものが挙げられる。また骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材などが挙げられる。
前記セメント組成物の1m3あたりの単位水量、セメント使用量、および水/セメント比(質量比)は、単位水量100〜185kg/m3、使用セメント量200〜800kg/m3、水/セメント比(質量比)=0.1〜0.7(好ましくは単位水量120〜175kg/m3、使用セメント量250〜800kg/m3、水/セメント比(質量比)=0.2〜0.65)とすることが好ましく、本発明のセメント組成物は貧配合から富配合に至るまでの幅広い範囲で使用可能である。本発明のセメント混和剤は、高減水率領域、即ち、水/セメント比(質量比)=0.15〜0.5(好ましくは0.15〜0.4)といった水/セメント比の低い領域でも使用可能であり、さらに、単位セメント量が多く水/セメント比が小さい高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m3以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
セメント混和剤のセメント組成物中での配合割合は、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリートなどでは、単位水量の低減・強度の増大・耐久性の向上などの観点から、固形分換算でセメント質量の0.01〜10.0質量%(好ましくは0.02〜5.0質量%、さらに好ましくは0.05〜3.0質量%、特に好ましくは0.1〜2.0質量%)とすることが好ましい。前記配合割合未満では性能的に充分とはならないおそれがあり、逆に前記配合割合以上ではその効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となるおそれがある。
本発明のセメント組成物は、上述のように高減水率領域においても高い分散性と分散保持性能を有し、かつ、低温時においても十分な初期分散性と粘性低減性を発揮し、優れたワーカビリティを有することから、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり、さらに、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
[評価方法]
(1)GPCを用いたMwおよびMpの測定方法
下記する測定条件でGPC測定を行ない、下記する解析ソフトにて、Mw(重量平均分子量)およびMp(分子量分布のピークトップの分子量)を測定した。
使用カラム:東ソー社製 TSK guard column SWXL+TSKgel G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、さらに酢酸でpH6.0に調整したものを使用した。サンプル打ち込み量:100μL
流速:0.8ml/分
カラム温度:40℃
検出器:日本Waters社製 2414 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 Empower Software
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp) 272500、219300、107000、50000、24000、12600、7100、4250、1470]
較正曲線:前記のポリエチレングリコールのMp値を用いて3次式で作成した。
サンプルの調製:共重合体を前記溶離液にて重合体濃度が0.5質量%となるように溶解させて行なった。
(1)GPCを用いたMwおよびMpの測定方法
下記する測定条件でGPC測定を行ない、下記する解析ソフトにて、Mw(重量平均分子量)およびMp(分子量分布のピークトップの分子量)を測定した。
使用カラム:東ソー社製 TSK guard column SWXL+TSKgel G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、さらに酢酸でpH6.0に調整したものを使用した。サンプル打ち込み量:100μL
流速:0.8ml/分
カラム温度:40℃
検出器:日本Waters社製 2414 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 Empower Software
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp) 272500、219300、107000、50000、24000、12600、7100、4250、1470]
較正曲線:前記のポリエチレングリコールのMp値を用いて3次式で作成した。
サンプルの調製:共重合体を前記溶離液にて重合体濃度が0.5質量%となるように溶解させて行なった。
(2)不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体重合率測定方法
重合体中に残存する不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の存在量をHPLCで定量し、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の重合率を測定した。
測定条件
使用カラム:GLサイエンス社製 Inertsil ODS−2(内径4.6mm、長さ250mm)×3本
溶離液:水8943.75g、アセトニトリル6000gの混合溶媒に酢酸52.5g、酢酸ナトリウム3.75gを溶解させたものを使用した。
打ち込み量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:日本Waters社製 2410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 Empower Software
サンプルの調製:共重合体を前記溶離液にて重合体濃度が5.0質量%となるように溶解させて行なった。
重合体中に残存する不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の存在量をHPLCで定量し、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の重合率を測定した。
測定条件
使用カラム:GLサイエンス社製 Inertsil ODS−2(内径4.6mm、長さ250mm)×3本
溶離液:水8943.75g、アセトニトリル6000gの混合溶媒に酢酸52.5g、酢酸ナトリウム3.75gを溶解させたものを使用した。
打ち込み量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:日本Waters社製 2410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 Empower Software
サンプルの調製:共重合体を前記溶離液にて重合体濃度が5.0質量%となるように溶解させて行なった。
(3)ポリマー分測定方法
得られた重合体のGPCを測定し、ポリマーピークと不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体のピーク面積からポリマー分を算出した。
ポリマー分=(ポリマーピーク面積)×100/(ポリマーピーク面積+不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体面積)
得られた重合体のGPCを測定し、ポリマーピークと不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体のピーク面積からポリマー分を算出した。
ポリマー分=(ポリマーピーク面積)×100/(ポリマーピーク面積+不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体面積)
(4)初期分散性の評価方法:モルタル試験
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)に太平洋普通ポルトランドセメント900g、セメント強さ試験用標準砂(JIS R 5201−1997付属書2の5.1.3に規定)1350gを入れ、1速で15秒間空練りした。次いで、所定量の共重合体(水溶液)と消泡剤(NMB社製「MA404」)を秤量して水で希釈したもの(270g)を調製し、これを前記ミキサーに15秒かけて投入し、さらに1速で15秒間混練した。ミキサーの回転速度を2速に変更し、さらに135秒間混練した。空練開始から6分後に調製したモルタルをフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰め15回つき棒で突き、さらにモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰め、つき棒で15回突いた。その後、フローコーンを垂直に引き上げた直後のモルタルが広がってできた領域の直径を2ヶ所測定し(最も長い部分の直径(長径)と斯かる長径に対して90度の部分の直径)、その平均値をモルタルフロー値とした。フロー値が大きいほど、分散性に優れている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)に太平洋普通ポルトランドセメント900g、セメント強さ試験用標準砂(JIS R 5201−1997付属書2の5.1.3に規定)1350gを入れ、1速で15秒間空練りした。次いで、所定量の共重合体(水溶液)と消泡剤(NMB社製「MA404」)を秤量して水で希釈したもの(270g)を調製し、これを前記ミキサーに15秒かけて投入し、さらに1速で15秒間混練した。ミキサーの回転速度を2速に変更し、さらに135秒間混練した。空練開始から6分後に調製したモルタルをフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰め15回つき棒で突き、さらにモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰め、つき棒で15回突いた。その後、フローコーンを垂直に引き上げた直後のモルタルが広がってできた領域の直径を2ヶ所測定し(最も長い部分の直径(長径)と斯かる長径に対して90度の部分の直径)、その平均値をモルタルフロー値とした。フロー値が大きいほど、分散性に優れている。
(5)コンクリート試験条件
得られたセメント混和剤(共重合体水溶液)を所定量、セメント、粗骨材、細骨材に添加して、セメント組成物を調製し、圧縮強度試験に供した。
使用材料
セメント:太平洋、宇部三菱、住友大阪セメントの3種を等量混合
粗骨材:八戸産 石灰砕石(MS20)
細骨材:千葉産 君津山砂(5mmカット)
単位量(kg/m3)
W/C:30、s/a:42.3、空気:45.0、水:175.0、セメント:583.3、石:923.5、砂:668.0
使用ミキサー:太平洋機工 TM55(55リットル強制練ハ゜ン型ミキサー)、練り量30リットル
混練方法:細骨材とセメントをミキサーに投入し10秒間空練りを行い、ついで剤込みの水を投入し60秒間混練を行い、ついで粗骨材を投入し60秒間混練を行った後コンクリートを排出しフロー値、空気量を測定し、圧縮強度試験用試料を作製し18時間後、22時間後の圧縮強度を測定した。
供試体作製:100mm×200mm 紙製供試体枠 3本
供試体養生:温度20℃、湿度60% 恒温恒湿空気養生
供試体研磨:供試体面 研磨(供試体研磨仕上げ機使用)
圧縮強度測定:自動圧縮強度測定器(前川製作所)
得られたセメント混和剤(共重合体水溶液)を所定量、セメント、粗骨材、細骨材に添加して、セメント組成物を調製し、圧縮強度試験に供した。
使用材料
セメント:太平洋、宇部三菱、住友大阪セメントの3種を等量混合
粗骨材:八戸産 石灰砕石(MS20)
細骨材:千葉産 君津山砂(5mmカット)
単位量(kg/m3)
W/C:30、s/a:42.3、空気:45.0、水:175.0、セメント:583.3、石:923.5、砂:668.0
使用ミキサー:太平洋機工 TM55(55リットル強制練ハ゜ン型ミキサー)、練り量30リットル
混練方法:細骨材とセメントをミキサーに投入し10秒間空練りを行い、ついで剤込みの水を投入し60秒間混練を行い、ついで粗骨材を投入し60秒間混練を行った後コンクリートを排出しフロー値、空気量を測定し、圧縮強度試験用試料を作製し18時間後、22時間後の圧縮強度を測定した。
供試体作製:100mm×200mm 紙製供試体枠 3本
供試体養生:温度20℃、湿度60% 恒温恒湿空気養生
供試体研磨:供試体面 研磨(供試体研磨仕上げ機使用)
圧縮強度測定:自動圧縮強度測定器(前川製作所)
[共重合体の製造]
共重合体(1)〜(5)
温度計・撹拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水416.5gを仕込み、撹拌条件下で反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で58℃まで加熱し、4質量%過酸化水素水溶液63.2gを反応容器に投入し、再び窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。次に、不飽和ポリアルキレングルコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシド平均付加モル数50)803.7gを水331.2gに溶解させた不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体水溶液、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸108.7gを水27.2gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液、L−アスコルビン酸3.3g、3−メルカプトプロピロン酸2.8gを水243.9gに溶解させた連鎖移動剤/ラジカル重合開始剤水溶液を調製した。
共重合体(1)〜(5)
温度計・撹拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水416.5gを仕込み、撹拌条件下で反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で58℃まで加熱し、4質量%過酸化水素水溶液63.2gを反応容器に投入し、再び窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。次に、不飽和ポリアルキレングルコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシド平均付加モル数50)803.7gを水331.2gに溶解させた不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体水溶液、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸108.7gを水27.2gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液、L−アスコルビン酸3.3g、3−メルカプトプロピロン酸2.8gを水243.9gに溶解させた連鎖移動剤/ラジカル重合開始剤水溶液を調製した。
不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体水溶液、不飽和カルボン酸系単量体水溶液、連鎖移動剤/ラジカル重合開始剤水溶液を表1に記載の時間で一定速度で滴下した。連鎖移動剤/ラジカル重合開始剤水溶液を滴下終了後、1時間引き続いて58℃を維持し、重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリム水溶液でpH7.0まで中和して、表1に記載の共重合体(1)〜(4)の水溶液を得た。
共重合体(5)
温度計・撹拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水25.5gを仕込み、不飽和ポリアルキレングルコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシド平均付加モル数50)49.4gを仕込み、撹拌下に反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2%水溶液3.0gを添加し、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸80%水溶液を水6.7gを3時間かけて滴下した。アクリル酸水溶液を滴下し始めると同時に3−メルカプトプロピオン酸0.14g、L−アスコルビン酸0.1g、水16.0gからなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて60℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量38500の共重合体(5)の水溶液を得た。
温度計・撹拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水25.5gを仕込み、不飽和ポリアルキレングルコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシド平均付加モル数50)49.4gを仕込み、撹拌下に反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2%水溶液3.0gを添加し、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸80%水溶液を水6.7gを3時間かけて滴下した。アクリル酸水溶液を滴下し始めると同時に3−メルカプトプロピオン酸0.14g、L−アスコルビン酸0.1g、水16.0gからなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて60℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量38500の共重合体(5)の水溶液を得た。
表1より、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の滴下時間に対する不飽和カルボン酸系単量体の滴下時間が長くなるにつれて、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の重合率が高くなっていることが分かる。
得られた共重合体水溶液を用いてモルタル試験を行った結果を表2に示した。
表2より、共重合体(2)〜(4)は、共重合体(1)に比べて、モルタルフロー値が大きく、分散性に優れていることが分かる。表1の結果とを併せて考慮すると、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の滴下時間に対する不飽和カルボン酸系単量体の滴下時間が長くなるにつれて、モルタルの分散性が向上していると言える。これは、共重合体(2)〜(4)では、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の重合率が向上しているために、共重合体水溶液中の有効性分量が高くなったためだと考えられる。また、共重合体(1)と共重合体(5)とを比較してみると、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを同じ時間で供給する場合(1)よりも、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の全量を反応容器に予め仕込み、不飽和カルボン酸系単量体のみを滴下した場合(5)の方が、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の重合率が高くなり、モルタルの分散性が向上する傾向が認められた。
共重合体(6)
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水102.3g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)198.3g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.4gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2質量%水溶液13.2gを添加し、アクリル酸21.4gを水24.4gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水102.3g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)198.3g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.4gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2質量%水溶液13.2gを添加し、アクリル酸21.4gを水24.4gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤として、メルカプトエタノール0.79g、L−アスコルビン酸0.34g、水38.9gからなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量27500の共重合体(6)の水溶液を得た。
共重合体(7)
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水255.8g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)495.7g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.9gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2質量%水溶液33gを添加し、アクリル酸53.4gを水61.6gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水255.8g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)495.7g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.9gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2質量%水溶液33gを添加し、アクリル酸53.4gを水61.6gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤として、メルカプトエタノール1.74g、L−アスコルビン酸0.85g、水97.4gからなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量28800の共重合体(7)の水溶液を得た。
共重合体(8)
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水55.0g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)305.5g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.5gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、アクリル酸26.5gを水22.5gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水55.0g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)305.5g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.5gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、アクリル酸26.5gを水22.5gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤として、メルカプトエタノール0.86g、水32.5gからなる連鎖移動剤水溶液、及び、過硫酸ナトリム2.3gを水32.5gに溶解させた開始剤水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量30000の共重合体(8)の水溶液を得た。
共重合体(9)
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水55.0g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)305.5g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.5gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、アクリル酸26.5gを水22.5gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水55.0g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)305.5g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.5gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、アクリル酸26.5gを水22.5gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤として、メルカプトエタノール0.86g、水32.5gからなる連鎖移動剤水溶液、及び、過硫酸アンモニウム2.2gを水32.5gに溶解させた開始剤水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量29000の共重合体(9)の水溶液を得た。
共重合体(10)
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水255.8g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)495.7g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.9gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2質量%水溶液33gを添加し、アクリル酸53.4gを水61.6gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水255.8g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)495.7g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.9gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、そこへ過酸化水素2質量%水溶液33gを添加し、アクリル酸53.4gを水61.6gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、連鎖移動剤として、3−メルカプトプロピオン酸2.3g、L−アスコルビン酸0.85g、水96.9gからなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量29400の共重合体(10)の水溶液を得た。
共重合体(11)
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水255.8g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)495.7g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.9gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、アクリル酸53.4gを水94.1gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水255.8g、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの平均付加モル数50)495.7g、不飽和カルボン酸系単量体として、アクリル酸0.9gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、アクリル酸53.4gを水94.1gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下した。
不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、連鎖移動剤として、3−メルカプトプロピオン酸2.4g、水47.6gからなる連鎖移動剤水溶液、及び、過硫酸アンモニウム4.4gを水45.5gに溶解させた開始剤水溶液を3.5時間かけて滴下したその後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し重合反応を完結させた。そして、30℃まで冷却後、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量31200の共重合体(11)の水溶液を得た。
得られた共重合体(6)〜(11)の水溶液を用いて、共重合体の添加量が表3に示す含有量になるようにセメント組成物に添加して、コンクリート試験を行った。得られた結果を併せて表3に示した。
連鎖移動剤にメルカプトエタノールを用いた共重合体(6)〜(9)と連鎖移動剤に3−メルカプトプロピオン酸を用いた比較重合体(10)及び(11)の圧縮強度を比較してみると、共重合体(10)及び(11)の圧縮強度が材齢18時間及び22時間で16.2〜17.6N/mm2、22.1〜22.7N/mm2であるのに対して、共重合体(6)〜(9)では22.9〜25.6N/mm2、26.7〜28.5N/mm2と共重合体(6)〜(9)の圧縮強度の方が高くなっており、強度発現性能が向上していることがわかる。また、共重合体(6)〜(9)の中でも特に連鎖移動剤にメルカプトエタノール及び重合開始剤に過硫酸ナトリウムを用いた重合体(8)の強度発現性能が優れており、重合開始剤としては過硫酸塩が好ましいことがわかる。
Claims (9)
- 不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体とを共重合する共重合体の製造方法であって、
前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と前記不飽和カルボン酸系単量体とを反応容器に供給して共重合させる際に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給終了後に、前記不飽和カルボン酸系単量体の一部を供給して共重合させることを特徴とする共重合体の製造方法。 - 前記不飽和カルボン酸系単量体と前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体とを供給し、前記不飽和カルボン酸系単量体を供給している間に、前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体の供給を終了させる請求項1に記載の共重合体の製造方法。
- 前記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体は、不飽和ポリエチレングリコールエーテル系単量体である請求項3に記載の共重合体の製造方法。
- 前記不飽和カルボン酸系単量体として、(メタ)アクリル酸を使用する請求項1〜4のいずれか一項に記載の共重合体の製造方法。
- 前記共重合体は、セメント混和剤用である請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 下記化学式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体と、下記化学式(2)で表される不飽カルボン酸系単量体とを含む不飽和単量体成分を、OH基とSH基とを有する連鎖移動剤とラジカル重合開始剤とを用いて共重合して得られる共重合体を含むことを特徴とするセメント混和剤。
R5Oは、同一または異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、
nは、R5Oの平均付加モル数を表し、2〜300の数であり、
R6は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
- 前記連鎖移動剤が、分子中にOH基を1〜2つ、SH基を1つ有するものである請求項7に記載のセメント混和剤。
- 前記ラジカル重合開始剤が、過硫酸塩である請求項7又は8に記載のセメント混和剤。
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JP2005104732A JP2006282855A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 共重合体の製造方法およびセメント混和剤 |
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JP2008266619A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-11-06 | Nippon Shokubai Co Ltd | ポリアルキレングリコール鎖含有チオール重合体及びその製造方法 |
JP2012511095A (ja) * | 2008-12-08 | 2012-05-17 | コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー | 半連続的に運転されるコポリマーの製造方法 |
-
2005
- 2005-03-31 JP JP2005104732A patent/JP2006282855A/ja not_active Withdrawn
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