JP2002274239A - 車両用シート装置 - Google Patents

車両用シート装置

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JP2002274239A
JP2002274239A JP2001084136A JP2001084136A JP2002274239A JP 2002274239 A JP2002274239 A JP 2002274239A JP 2001084136 A JP2001084136 A JP 2001084136A JP 2001084136 A JP2001084136 A JP 2001084136A JP 2002274239 A JP2002274239 A JP 2002274239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用頻度の高い車外側のシート幅を確保して
良好な座り心地を得ることと、高いシートアレンジ自由
度を確保することとの両立を図りつつ、3人分のシート
ベルト装置を設定すること。 【解決手段】 左右の右側座席1および左側座席3と、
中央の中央座席2との3分割構造とし、各座席1,2,
3は、前後にスライド可能にスライド手段により支持さ
れている構成とした。さらに、中央座席2と左右座席
1,3とに跨って、中央第1シートベルト装置61と中
央第2シートベルト装置62とを設ける構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シート装置
に関し、特に、3人掛けが可能なシート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、3人掛け用のシート装置として、
3人掛け用の幅のシートクッションならびにシートバッ
クを備えたいわゆるベンチシートや、1人掛け用の幅の
シートクッションならびにシートバックの1人用座席
と、2人掛け用の幅のシートクッションならびにシート
バックの2人用座席と、に分割された、いわゆる1.5
分割シートと呼ばれるシート装置や、1人掛け用の幅の
シートクッションならびにシートバックの1人用座席を
3つ並べたシート装置などが知られている。また、これ
らのシート装置において、それぞれシートクッションを
前後にスライド可能なスライド機構により支持すること
も知られている。
【0003】上記ベンチシートは、部品点数が少なく安
価に構成することができるという長所を有しているが、
前後スライドさせる場合、全体で前後スライドさせるし
かなく、また、シートバックを折り畳む場合、全体を折
り畳むしかなく、使用自由度(これを、以下、シートア
レンジ自由度と称する)が低いという短所を有している
とともに、一般的には、シートクッションならびにシー
トバックの形状が、着座位置を特定しない形状に形成さ
れていて、着座した人に対するホールド性が低く、座り
心地に劣るという短所を有している。
【0004】上記1.5分割シートは、ベンチシートに
比べて部品点数が増えて、ベンチシートに対して高価に
なるという短所を有しているが、前後スライドさせる場
合、1人用座席と、2人用座席とを独立させて前後スラ
イドさせたり、折り畳んだりすることができ、ベンチシ
ートに比べてシートアレンジ自由度が高いという長所を
有している。加えて、1人用座席は、着座する人の姿勢
を特定することができるため、ホールド性が高く座り心
地に優れるという長所を有しているとともに、2人用座
席は、通常、1人掛けには十分以上の幅を有している
が、2人掛けには必要最低限の幅となるのが一般的であ
り、また、この部分に2人掛けする機会が少ないとの理
由から、シートクッションならびにシートバックを1人
掛けの場合に着座した人をホールドできる形状の部分を
車両外側に形成し、2人掛けとしたときに着座できる部
分を車両中央側に付加した形状に形成されるのが一般的
である。この2人用座席の部分に1人しか着座しない場
合には、良好なホールド性を得ることができるととも
に、3人掛けが必要な場合には、この2人用座席に2人
掛けして対応できるという長所を有している。
【0005】最後に述べた1人用座席を3つ並べたシー
ト装置にあっては、ベンチシートおおよび1.5分割シ
ートに比べて部品点数がさらに増えて高価になるという
短所を有しているが、1人用座席のそれぞれのシートク
ッションならびにシートバックの形状を、1人の身体を
保持するのに最適な形状に形成できるため、座り心地に
優れ、またそれぞれの1人用座席を着座した人の好みに
応じてそれぞれを前後にスライドしたり、それぞれを必
要に応じて折畳可能としたりすることができ、シートア
レンジ自由度が最も高いという長所を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、座り
心地およびシートアレンジ自由度では、1人用座席を3
つ並べたシート装置が最も優れているが、車室幅に制限
がある場合、各1人用座席の幅を十分に確保することが
難しい。このため、各1人用座席の幅を十分に確保でき
ない場合、着座頻度の高い左右両側の1人用座席が貧弱
になってしまいがちであり、この場合、良好な座り心地
を得ることが難しくなり、また、この左右両側の1人用
座席の中心の位置が車両中央から離れがちで、着座位置
が車両側部のドアや窓に近くなり、着座した人が圧迫感
を受けやすく、これによっても、良好な座り心地を得に
くいという問題があった。これに対し、着座頻度の高い
左右両側の1人用座席の幅を十分に確保して良好な座り
心地を得るようにしたものがあるが、中央座席の幅が適
正値よりも狭くなりがちであるという問題があった。
【0007】その点、2番目に述べた1.5分割シート
は、真ん中に独立した座席を有しないことから、1人用
座席および2人用座席の1人掛け部分に十分な幅を確保
すること、ならびに左右の着座中心位置を車両中央より
にすることができ、上記のように左右の座席が貧弱にな
るという問題、ならびに着座位置が車外側となって圧迫
感を感じるという問題が生じないようにできるが、1人
用座席と2人用座席との左右の関係が、特定され、3分
割シートほど高いシートアレンジ自由度を得ることがで
きない。具体的には、1.5分割シートに2人座ってい
るときには、シートバックを倒したり、前後に移動させ
たりできるのは、1人用座席のみとなるため、例えば、
長尺ものを積み込む際の配置が限られたり、このシート
のさらに後方の座席に乗り降りする際に、乗り降りする
側が限られたり、あるいは、2人用座席側から乗り降り
する際には、着座している人がいったん車外に下りなけ
ればならないというような不便が生じる。加えて、中央
部分の座席と左右の一方の座席とが一体になっている構
成では、車両から下りることなく車両内を前後に移動す
るいわゆるウォークスルーを行うことが難しい。
【0008】このように、従来技術にあっては、使用頻
度の高い左右外側のシート幅を確保して良好な座り心地
を得ることと、高いシートアレンジ自由度を確保するこ
ととの両立を図ることができないという問題があった。
【0009】本発明は、この従来の問題点に着目して成
されたもので、使用頻度の高い左右外側のシート幅を確
保して良好な座り心地を得ることと、高いシートアレン
ジ自由度を確保することとの両立を図里筒、3人分のシ
ートベルト装置の設定を可能とすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明は、車室内に車幅方向に並んで右側座席、中央
座席、左側座席が設置され、各座席は、それぞれ、シー
トクッションとシートバックとを備えているとともに、
各シートクッションがそれぞれ車室の床にスライド手段
を介して支持されて各座席が独立して前後にスライド可
能に支持され、前記座席には、右側座席用の右席用シー
トベルトと、前記左側座席用の左席用シートベルトと、
中央座席用の中央用シートベルトとが設置され、前記中
央用シートベルトとして、一対のタングとこれに係合お
よび係合解除可能なバックルとを備えた第1シートベル
トと、同様に一対のタングとこれに係合および係合解除
可能なバックルとを備えた第2シートベルトと、が設け
られ、前記第1シートベルトは、タングあるいはバック
ルの一方が中央座席の左側に取り付けられ、他方が右側
座席の車両中央寄りの位置に設けられ、また、前記第2
シートベルトは、タングあるいはバックルの一方が、中
央座席の右側に取り付けられ、他方が左側座席の車両中
央寄りの位置に設けられていることを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載の車両用シート装置において、前記中央座席に
は、左右にタングのみあるいはバックルのみしか設けら
れていないことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用および効果】本発明の車両用シート装置
は、右側座席、中央座席、左側座席に3分割され、ま
た、右側座席、中央座席、左側座席は、それぞれ独立し
て設けられているとともに、それぞれ独立して前後にス
ライドさせることができるため、右側座席のみを他の座
席よりも前方にスライドさせて後方への乗降を容易にし
たり、あるいは荷物の積み込みを容易としたり、また、
中央座席のみを他の座席よりも前方や後方にスライドさ
せて、他の左右座席から後方へ、あるいはその逆へいわ
ゆるウォークスルーを行うことを可能としたり、また、
左側座席のみを他の座席よりも前方にスライドさせて後
方への乗降を容易にしたり、あるいは荷物の積み込みを
容易としたりすることができる。
【0013】さらに、本発明では、右側座席に着座した
人は、右席用シートベルトを装着し、また、左側座席に
着座した人は、左席用シートベルトを装着する。また、
中央座席に着座した人がシートベルトを装着するには、
中央座席を右側座席あるいは左側座席と並べて使用す
る。すなわち、中央座席を右側座席と並べている状態で
は、中央用シートベルトの第1シートベルトを装着する
もので、この場合、中央座席の左側に取り付けられたタ
ングあるいはバックルと、これと対を成す右側座席の車
両中央寄りの位置に設けられたタングあるいはバックル
の他方とを係合させる。また、中央座席を左側座席と並
べている状態では、中央用シートベルトの第2シートベ
ルトを装着するもので、この場合、中央座席の右側に取
り付けられたタングあるいはバックルと、これと対を成
す左側座席の車両中央寄りの位置に設けられたタングあ
るいはバックルの他方とを係合させる。
【0014】このように本発明では、中央座席の左右の
一方に設けられているタングあるいはバックルの一方と
対となるタングあるいはバックルの他方が、中央座席の
車外側の右側座席および左側座席に設けられているた
め、中央座席それ自体が十分な幅を有していなくても、
シートベルトのタングとバックルとを設置するのに必要
な幅を確保することができる。
【0015】さらに、請求項2に記載の発明では、中央
座席には、左右にタングのみあるいはバックルのみしか
設けられておらず、それと対を成すバックルあるいはタ
ングは、右側座席および左側座席に設けられている。し
たがって、中央座席において、左右に設けられたタング
どうし、あるいはバックルどうしを係合させることがで
きないため、中央座席単独では、これに着座してシート
ベルトを装着することはできない。よって、中央座席が
1名分として必要な幅を有しない場合であっても中央座
席の単独使用を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (実施の形態1)この実施の形態1を説明するにあた
り、前後3列のシートが設置されるワンボックスカーに
おいて2列目のシートに適用されている場合を例に挙げ
て説明するものとする。
【0017】図1は実施の形態1のシート装置Sを示す
斜視図である。この実施の形態1のシート装置Sは、特
許請求の範囲全請求項に記載の発明に対応したもので、
右側座席1、中央座席2、左側座席3の3つの座席が車
幅方向に並んで設けられている。前記右側座席1ならび
に左側座席3は、それぞれ、左右対称な構成でありシー
トクッション11,31およびシートバック12,32
を備えている。各シートクッション11,31は、それ
ぞれ、1人分として必要十分な幅である500〜550
mmの範囲、例えば520mmの幅L1を有し、かつ、
上面は、左右に凸部11b,11bならびに31b,3
1bとその間に凹部11c,31cとが設けられて、着
座者の臀部を凹部11c,31cで支持し、かつ、その
臀部の左右を凸部11b,11bならびに31b,31
bで支える形状に形成されている。そして、各シートク
ッション11,31は、下面に図示を省略したベース部
を有しているとともに、このベース部にスライド手段と
してのスライダが設けられ、かつ、このスライダが図外
の床に設けられたスライド手段としてのスライドレール
に前後スライド自在に支持されている。なお、スライド
レールおよびスライダによるスライド手段は、周知な構
成であり、本願発明において新規な部分ではないから詳
細な説明は省略する。
【0018】また、各シートバック12,32は、各シ
ートクッション11,31に対し、図示を省略したリク
ライニングデバイスを介して、前後方向に揺動可能に支
持されている。なお、リクライニングデバイスは、周知
のものであり、本発明において新規な部分ではないから
詳細な説明は省略する。また、前記シートバック12,
32は、前面が、左右に着座者の上半身の左右を支持す
る凸部12b,12bならびに32b,32bを有する
とともに、両凸部12b,12bならびに32b,32
bの間に凹部12c,32cが形成され、着座者の上半
身を左右に揺れないように保持可能な形状に形成されて
いる。さらに、各シートバック12,32の上端部には
ヘッドレスト13,33が取り付けられている。
【0019】次に、前記中央座席2は、シートクッショ
ン21ならびにシートバック22を備え、前記シートク
ッション21の幅は、左右両座席1,3の幅L1よりも
狭いとともに、1人用に必要な幅よりも狭い幅L2、す
なわち400mmよりも狭い寸法に形成されているもの
であり、具体的には、250〜300mmの範囲の寸
法、例えば280mm(=L2)に形成されている。こ
の中央座席2のシートクッション21も、上述したシー
トクッション11,31に設けたスライダと床に設けた
スライドレールとからなるスライド手段と同様のスライ
ド手段(図示省略)により前後にスライド自在に支持さ
れている。なお、この中央座席2の前後スライド量は、
左右座席1,3のスライド量よりも前後に長く設定され
ており、例えば、左右座席1,3を最も後方にスライド
させた状態で、中央座席2を最も前方にスライドさせた
場合には、中央座席2の後端が左右座席1,3の前端よ
りも前方に配置され、逆に、左右座席1,3を最も前方
にスライドさせた状態で中央座席2を最も後方にスライ
ドさせた場合には、中央座席2の前端が左右座席1,3
の後端よりも後方に配置されるスライド量に設定されて
いる。
【0020】また、中央座席2は、シートバック22が
シートクッション21に対して、図1に示す起立状態
と、図2に示す前倒し状態とに前後に回動可能に支持さ
れているとともに、前記起立状態では回動を規制するロ
ック機構(図示省略)が設けられている。また、図2お
よび図3に示すように、前記中央座席2のシートバック
22の背面には、カップホルダ22hが設けられている
とともに、内部に設けられたコンソールボックス22b
を開閉する蓋部材22rが回動可能に取り付けられてい
る。
【0021】次に、シートベルト装置について説明す
る。本実施の形態1では、シートベルト装置として、右
席用シートベルト装置4、左席用シートベルト装置(図
示省略)、中央用第1シートベルト装置61、中央用第
2シートベルト装置62が設けられている。
【0022】前記右席用シートベルト装置4と左席用シ
ートベルト装置とは、左右対称で同じ構成であるので、
右席用シートベルト装置4について説明し、左席用シー
トベルト装置についての説明は省略する。この右席用シ
ートベルト装置4は、図1に示すように、図示を省略し
た右側車体側部に上下方向に延在されたウエビング41
に右側タング42が支持されている。すなわち、帯状の
ウエビング41は、下端部が車両の床近くに固定された
アンカ46に連結され、上端部は、右側車体側部の上部
に設けられたスルーリング44に挿通されて下方に折り
返された後、その下方位置で右側車体側部の内部に収納
された巻取装置45に巻き取られている。一方、前記右
側座席1のシートクッション11の下部には、前記右側
タング42を係合および係合解除可能な右側バックル4
3が取り付けられている。なお、右側バックル43は、
右側座席1と中央座席2との間からシートクッション1
1の上に現れている。したがって、右席用シートベルト
装置4を使用する場合、右側タング42を図外の右側車
体側部から車両中央方向へ引っ張って右側バックル43
に係合させると、巻取装置45からウエビング41が引
っ張り出され、ウエビング41の右側タング42よりも
下側に位置する部分が右側座席1に着座した人のウエス
ト部分に巻き付けられるとともに、ウエビング41の右
側タング42よりも上側に位置する部分が右側座席1に
着座した人の右肩から左腰にかけて斜めに掛け渡され
る。
【0023】次に、中央用第1シートベルト装置61お
よび中央用第2シートベルト装置62について説明す
る。前記中央用第1シートベルト装置61は、中央第1
バックル61bと中央第1タング61tを備え、中央用
第2シートベルト装置62は、中央第2バックル62b
と中央第2タング62tを備えている。
【0024】前記中央用第1シートベルト装置61を構
成する中央第1バックル61bは、図4に示すように、
ウエビング61cの先端に取り付けられ、このウエビン
グ61cの基端は中央座席2のシートクッション21の
左側下部に取り付けられ、中央第1バックル61bが、
中央座席2の左端縁と左側座席3の車両中央側の端縁と
の間からシートクッション21の上面の左端部に引き出
されている(図1参照)。また、中央第1タング61t
は、ウエビング61sの先端に取り付けられ、このウエ
ビング61sの基端が右側座席1のシートクッション1
1の下部左寄り位置に取り付けられ、中央第1タング6
1tが、右側座席1のシートクッション11とシートバ
ック12との間からシートクッション11の上面に引っ
張り出されている。なお、非使用時は、中央第1タング
61tおよびウエビング61sは、シートクッション1
1とシートバック12との間に押し込んでおいてもよ
い。
【0025】前記中央用第2シートベルト装置62は、
上記中央第1シートベルト装置61と、左右対称の構成
であり、図5に示すように、中央第2バックル62bに
連結されたウエビング62cの基端が中央座席2のシー
トクッション21の右側下部に取り付けられ、中央第2
バックル62bが、図示のように、中央座席2の右端縁
と右側座席1の車両中央側の端縁との間からシートクッ
ション21の上面の右端部に引き出されている。また、
中央第2タング62tに連結されたウエビング62sの
基端が左側座席3のシートクッション31の下部右寄り
位置に取り付けられ、シートクッション31とシートバ
ック32との間からシートクッション31の上面に引っ
ぱり出されている。
【0026】次に、実施の形態1の作用について説明す
る。 (基本状態)本実施の形態1の車両用シート装置Sにあ
っては、図1に示すように、各座席1,2,3を横に並
べた状態とすることができ、これを基本状態とする。こ
の状態では1人掛けの場合は、右側座席1と左側座席3
の一方に座り、また、2人掛けの場合には、右側座席1
と左側座席3のそれぞれに座る。この場合、左右両座席
1,3は、例えば520mmというように、500mm
よりも広く1人が座るのに十分な幅を有し、かつ、臀部
の中央がシートクッション11,31の凹部11c,3
1cに支持されるとともに、臀部の左右がシートクッシ
ョン11,31の凸部11b,11bならびに31b,
31bで支持され、また、着座者の背中の中央がシート
バック12,32の凹部12c,32cに支持されると
ともに、背中の左右がシートバック12,32の凸部1
2b,12bならびに32b,32bで支持されるた
め、良好な座り心地が得られるとともに、高いホールド
性が得られる。
【0027】また、本実施の形態1にあっては、中央座
席2の前後スライド量が大きく設定されているため、こ
のような1人掛けや2人掛けの状態で、図2において想
像線で示すように中央座席2を前方にスライドさせて、
この2列目の車両用シート装置Sに着座している人が、
車外に出ることなく後方の3列目シートに移動したり、
その逆に、3列目シートの乗員が2列目に移動したりす
る、いわゆるウォークスルーを行うことができる。ま
た、図外の1列目シートにもウォークスルー機能が設定
されている場合は、1列目から3列目までウォークスル
ーが可能となる。
【0028】さらに、本実施の形態1では、図2におい
て実線で示すように、中央座席2のシートバック22を
前倒しして、シートバック22の背面をアームレストと
して使用したり、カップホルダ22hを使用したりする
ことができ、さらに、図3に示すように蓋部材22rを
開閉して、コンソールボックス22bを使用することも
できる。
【0029】(シートアレンジ)次に、シートアレンジ
について説明すると、本実施の形態1にあっては、右側
座席1,中央座席2,左側座席3がそれぞれ独立して前
後スライド可能であるため、3人掛け可能な状態から、
図4に示すように、左右に並んだ右側座席1および中央
座席2に対して左側座席3を前方にスライドさせたり、
図5に示すように、左右に並んだ中央座席2および左側
座席3に対して右側座席1を前方にスライドさせたりす
ることができる。したがって、高いシートアレンジ性能
を確保することができる。すなわち、図外の3列目シー
トの側方にドアが無く、2列目シートである実施の形態
1の車両用シート装置Sの側方のドアから3列目シート
に乗降する構成の場合、図4に示すように左側座席3を
前方にスライドさせて、シートに着座した人が車外に出
ることなく、左側座席3の後を通って乗降でき、あるい
は、図5に示すように前方スライドさせた右側座席1の
後を通って乗降することができる。また、図4あるいは
図5に示す前方にスライドさせた右側座席1あるいは左
側座席3を折り畳んで、長尺荷物を積み込むことも可能
である。また、左右座席1,3の一方に、図外のチャイ
ルドシートを装着している場合でも、図4あるいは図5
に示すように、チャイルドシートを装着している左右座
席1,3の一方を前方にスライドさせたり、あるいは、
チャイルドシートを装着していない他方を前方にスライ
ドさせたりして、2列目のシート装置に着座している人
が車外におりることなく、3列目シートに乗降すること
もできる。
【0030】(シートベルト装置の使用形態)次に、シ
ートベルト装置の使用形態について説明する。1人掛け
や2人掛け3人掛けのいずれの場合でも、右側座席1お
よび左側座席3に座った乗員は、右席用シートベルト装
置4・左席用シートベルト装置4を使用する。ここで、
右席用シートベルト装置4を使用する場合は、右側タン
グ42を右側バックル43に係合させる。これにより、
ウエビング41の右側タング42の下側に位置する部分
が右側座席1に着座した人のウエスト部分に巻き付けら
れるとともに、ウエビング41の右側タング42よりも
上側に位置する部分が右側座席1に着座した人の右肩か
ら左腰にかけて斜めに掛け渡される。
【0031】次に、図4に示すように、中央座席2と右
側座席1とが並んでいる状態において中央座席2に着座
した人は、中央第1シートベルト装置61を使用する。
すなわち、この場合には、中央座席2のシートクッショ
ン21の左側下部に取り付けられた中央第1バックル6
1bと、右側座席1のシートクッション11に取り付け
られた中央第1タング61tとを係合させる。
【0032】一方、図5に示すように、中央座席2と左
側座席3とが並んでいる状態において中央座席2に着座
した人は、中央第2シートベルト装置62を使用する。
すなわち、この場合には、中央座席2のシートクッショ
ン21の右側下部に取り付けられた中央第2バックル6
2bと、左側座席3のシートクッション31に取り付け
られた中央第2タング62tとを係合させる。
【0033】また、図1に示すように、全座席1,2,
3が一列に並んでいる場合には、中央座席2に着座して
いる人は、中央第1シートベルト装置61と中央第2シ
ートベルト装置62のいずれを使用してもよい。
【0034】さらに、本実施の形態では、1人分として
十分な幅を有していない中央座席2を右側座席1および
左側座席3に対して独立させて使用しようとした場合、
すなわち、例えば図2の想像線で示すように中央座席2
のみ前方にスライドさせ、この中央座席2のみに着座し
た場合、この中央座席2に取り付けられているのは両バ
ックル61b,62bのみであるため、シートベルトを
装着することができない。よって、十分な幅を有してい
ない中央座席2を、無理に単独で使用するのを防止する
ことができる。
【0035】以上説明したように、本実施の形態1の車
両用シート装置にあっては、1名分として十分な幅を有
した右側座席1および左側座席3と、1名分として十分
な幅に足りなり中央座席2のそれぞれを前後にスライド
可能に支持したため、使用頻度の高い左右外側の右側座
席1および左側座席3の幅を十分に確保して良好な座り
心地を得ることと、高いシートアレンジ自由度を確保す
ることとの両立を図ることができるという効果が得られ
る。さらに、幅の狭い中央座席2のためのシート装置と
して、中央座席2と左右の両座席1,3とに跨って、中
央第1シートベルト装置61と中央第2シートベルト装
置62とを設けたため、幅の狭い中央座席2にあって
も、左右の両座席1,3のいずれかと並べた状態で、十
分な幅に設定されたシートベルトを装着することができ
るという効果が得られる。加えて、これら2つの中央第
1・第2ベルト装置61,62を設置するにあたり、中
央座席2それ自体には、それぞれバックル61b,62
bしか設けていないため、十分な幅を有していない中央
座席2において、無理にシートベルトを装着して着座す
ることを防止することができる。
【0036】(実施の形態2)次に、実施の形態2の車
両用シートベルト装置について説明する。なお、この実
施の形態2は、実施の形態1の変形例であるから実施の
形態1との相違点についてのみ説明し、実施の形態1と
共通する構成には、実施の形態1と同じ符号を付けて説
明を省略する。
【0037】図6は実施の形態2の車両用シート装置を
示す斜視図である。この実施の形態2は、中央座席2の
シートベルトである中央第1シートベルト装置261と
して、中央座席2の左側に中央第1タング261tを設
け、右側座席1に中央第1バックル261bを設け、ま
た、中央第2シートベルト装置262として、中央座席
2の右側に中央第2バックル262b、左側座席3に中
央第2タング262tを設けた例である。この構成の場
合、中央第1タング261tと中央第2バックル262
bとが係合しないようにするとともに、中央第2タング
262tと中央第1バックル261bとが係合しないよ
うにすれば、実施の形態1と同様に、中央座席2を単独
で使用することができないため、十分な幅を有していな
い中央座席2において、無理にシートベルトを装着して
着座することを防止することができる。また、この構成
の場合、中央第1タング261tと中央第2バックル2
62bとは係合できないようにする一方、中央第2タン
グ262tと中央第1バックル261bとは係合できる
ようにすれば、3人掛け可能な状態で、中央に着座した
人は、中央第2タング262tと中央第1バックル26
1bを係合させて使用することができ、右座席着座者ま
たは左座席着座者の一方に片寄ることなく中央座席の中
央に着座することが可能となる。
【0038】なお、上述の中央座席2のシートベルトに
関すること以外の作用効果については、実施の形態1と
同様である。
【0039】以上、図面により実施の形態について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、実施の形態1において、中央第1シートベルト装置
61および中央第2シートベルト装置62は、中央座席
2にバックルのみが取り付けられる構成としたが、これ
らの組み合わせを逆にして、中央座席2にタングのみが
取り付けられる構成としてもよい。また、実施の形態で
は、中央座席2の座席幅は右側座席1および左側座席3
よりも狭い構成としたが、中央座席2の座席幅は右側座
席1および左側座席3と同じ、あるいは広い構成として
もよい。また、実施の形態では、ワンボックスカーの2
列目シートを例に挙げたが、1列目を含み何列目に適用
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の車両用シート装置を示す斜視図
である。
【図2】実施の形態1の車両用シート装置の要部を示す
斜視図である。
【図3】実施の形態1の車両用シート装置における折畳
状態の中央座席を示す斜視図である。
【図4】実施の形態1におけるシートアレンジを説明す
る斜視図である。
【図5】実施の形態1におけるシートアレンジを説明す
る斜視図である。
【図6】実施の形態2の車両用シート装置を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 右側座席 2 中央座席 3 左側座席 4 右席用シートベルト装置 4 左席用シートベルト装置 11 シートクッション 31 シートクッション 11b 凸部 31b 凸部 11c 凹部 31c 凹部 12 シートバック 32 シートバック 12b 凸部 32b 凸部 12c 凹部 32c 凹部 13 ヘッドレスト 33 ヘッドレスト 21 シートクッション 22 シートバック 22b コンソールボックス 22h カップホルダ 22r 蓋部材 41 ウエビング 42 右側タング 43 右側バックル 44 スルーリング 45 巻取装置 46 アンカ 61 中央第1シートベルト装置 61b 中央第1バックル 61c ウエビング 61s ウエビング 61t 中央第1タング 62 中央第2シートベルト装置 62b 中央第2バックル 62c ウエビング 62s ウエビング 62t 中央第2タング 261 中央第1シートベルト装置 261t 中央第1タング 261b 中央第1バックル 262 中央第2シートベルト装置 262t 中央第2タング 262b 中央第2バックル S 車両用シート装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内に車幅方向に並んで右側座席、中
    央座席、左側座席が設置され、 各座席は、それぞれ、シートクッションとシートバック
    とを備えているとともに、各シートクッションがそれぞ
    れ車室の床にスライド手段を介して支持されて各座席が
    独立して前後にスライド可能に支持され、 前記座席には、右側座席用の右席用シートベルトと、前
    記左側座席用の左席用シートベルトと、中央座席用の中
    央用シートベルトとが設置され、 前記中央用シートベルトとして、一対のタングとこれに
    係合および係合解除可能なバックルとを備えた第1シー
    トベルトと、同様に一対のタングとこれに係合および係
    合解除可能なバックルとを備えた第2シートベルトと、
    が設けられ、 前記第1シートベルトは、タングあるいはバックルの一
    方が中央座席の左側に取り付けられ、他方が右側座席の
    車両中央寄りの位置に設けられ、また、前記第2シート
    ベルトは、タングあるいはバックルの一方が、中央座席
    の右側に取り付けられ、他方が左側座席の車両中央寄り
    の位置に設けられていることを特徴とする車両用シート
    装置。
  2. 【請求項2】 前記中央座席には、左右にタングのみあ
    るいはバックルのみしか設けられていないことを特徴と
    する請求項1に記載の車両用シート装置。
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CN115195541A (zh) * 2022-07-11 2022-10-18 东风柳州汽车有限公司 基于智能座舱的安全行驶方法、装置、设备及存储介质

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