JP2002271216A - 電波受信モジュール構造 - Google Patents

電波受信モジュール構造

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JP2002271216A
JP2002271216A JP2001065330A JP2001065330A JP2002271216A JP 2002271216 A JP2002271216 A JP 2002271216A JP 2001065330 A JP2001065330 A JP 2001065330A JP 2001065330 A JP2001065330 A JP 2001065330A JP 2002271216 A JP2002271216 A JP 2002271216A
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radio wave
receiving module
wave receiving
circuit
receiver
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JP2001065330A
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Seizo Nakamura
精三 中村
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指向性を鋭くせずにミリ波等の短波長電波の
長距離受信を可能にする。 【解決手段】 第1の構造体Sと第2の構造体S
第3の構造体Sとを積層一体化する。第1の構造体S
には複数の受信アンテナA〜Aを配置し、第3の
構造体Sには複数の受信機回路D〜Dを配し、第
2の構造体Sには前記各受信アンテナと各受信機回路
を一対一の関係で接続する接続回路C〜Cを形成す
る。各受信機回路D〜Dの出力は合成器1で合成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波受信に用いられ
るもので、特に、ミリ波等の短波長電波の受信に適した
電波受信モジュール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、電波の自由空間伝搬損失
は次の(1)式によって与えられる。
【0003】 L=(4πd/λ)・・・・・・・・・・・(1)
【0004】ただし、送信アンテナ、受信アンテナは等
方向性(アイソトロピック)アンテナとし、dは距離、
λは波長である。
【0005】(1)式から分かるように同じ自由空間損
失を与える距離は、波長に比例し、波長5mm(60G
Hz)のミリ波の電波は、波長15cm(2GHz)P
HSの電波の1/30しか届かないことになる。そのた
め、ミリ波等の短い電波を使用するときには、送信、受
信アンテナに利得の高い(従って、指向性の鋭い)アン
テナを使うことが一般に行われる。このことは、家庭用
あるいは民需用として使用する場合、非常に扱い難いこ
とになり、ミリ波等の波長の短い電波が一般に広く普及
しない原因の1つと考えられている。
【0006】エネルギー保存の法則から考えた場合、送
信アンテナからは全方向に電波が発射され、エネルギー
が外に向かって流れて行くわけだから、一定の面積を通
過して行く電波のエネルギーは、波長に関係ないはずで
ある。したがってミリ波の伝搬損失が大きいのは、送信
側の問題ではなく、結論から言えば、受信側の問題であ
る。
【0007】受信アンテナが捉える電波のエネルギー
は、波長の2乗に比例した面積部分(等価受信断面積)
を通過する電波のエネルギーである。等方向性受信アン
テナの等価受信断面積Sは次の(2)式によって表さ
れる。
【0008】 S=λ/(4π)・・・・・・・・・(2)
【0009】したがって、アンテナの受信電力を増加す
るためには等価受信断面積Sを増加することに帰着
し、このことから、受信側に複数のアンテナを設け、そ
の各アンテナの受信エネルギー(電力)を合成すること
によって等価受信断面積Sを結果的に増加して、アン
テナの受信電力を高めることが試みられている。
【0010】図7〜図9は、受信側に複数の受信アンテ
ナA(A,A,・・・・・,A )を配置した従来
の受信システムを示す。図7に示す受信システムは、複
数の受信アンテナA(A,A,・・・・・,A
をそれぞれフィーダーの接続線a(a1,,・・・
・・,a)を介して合成器1に接続し、この合成器1
の出力側に受信機2を接続したものである。前記接続線
a(a1,,・・・・・,a)はそれぞれ長さが
等しいか、又はその差が等価的に波長の整数倍となって
いる。
【0011】この図7に示すシステムは、各受信アンテ
ナA(A,A,・・・・・,A )の受信電力を合
成器1で合成するためにアンテナ受信電力が効果的に増
加される。
【0012】しかしながら、このシステムは、各受信ア
ンテナAの向き(傾き)を到来電波の位相が同じになる
ように配置しなければならないという問題が生じる。各
受信アンテナAの位相がずれた状態で合成してしまうと
出力が低下し、結果としてアンテナ群の指向性が鋭くな
ってしまい、使用に際し非常に扱い難いという問題があ
る。
【0013】図8に示す受信システムは、受信アンテナ
A(A,A,・・・・・,A)の配置向きの困難
性を解消したもので、各接続線a(a1,,・・・
・・,a)に移相器P(P,P,・・・・・,P
)を挿入している。移相器P(P,P,・・・・
・,P)は移相制御器3からの移相制御信号に基づい
て各受信アンテナA(A,A,・・・・・,A
の位相を等しくなるように調整する。この移相器Pによ
って各受信アンテナAの位相が揃えられるために、鋭い
指向性を自動的に目的の到来電波に向けるものであり、
受信アンテナAの設置時に受信アンテナAの向きを細心
の注意をはらって調整する必要が無くなるために前記図
7に示すシステムよりは扱い易いものとなる。
【0014】しかしながら、この図8に示す受信システ
ムは位相器P(P,P,・・・・・,P)の電波
に対する損失が増加し、受信感度が低下し易いことに加
え、自動的な移相制御に高度の技術を要することから、
システム系の大きさが大となり、コストが嵩むという欠
点がある。
【0015】なお、上記図7,図8に示す受信システム
では、フィダーの接続線a(a1,,・・・・・,
)や、合成器1の損失および各アンテナ間の干渉を
無視すると、合成器1に入る電波の位相が一致する方向
に対しては、電波の強度(電圧)は合成出力でn倍とな
るので、受信アンテナ1本の利得に比較した等価的なア
ンテナ利得Gはデシベルで表すと、次の(3)式とな
る。
【0016】 G=20log10n・・・・・・・・・・(3)
【0017】図9に示す従来の受信システムは、指向性
を広くし、移相器Pを必要とせずに、扱い易さを追求し
たシステムである。この図8に示すシステムは、各受信
アンテナA(A,A,・・・・・,A)の接続線
a(a1,,・・・・・,a)に受信機2を組み
込み、各受信機2のベースバンド出力を合成器1で合成
するようにしたものである。
【0018】周知のように、無線電波に乗るベースバン
ド信号(送信信号)の周波数は受信アンテナに到来する
無線周波数に対して著しく低いので、各受信アンテナA
の電波到来方向に対する角度がずれていても位相は無線
周波数のように敏感に変化しない。したがって、受信ア
ンテナ群としての合成の指向性は、各1個の受信アンテ
ナAの指向性にほぼ一致したものとなる。この場合の等
価的なアンテナ利得は次のように考えられる。
【0019】合成器1の信号出力電圧は1台の受信機2
のn倍、すなわち、合成信号電力はn倍となる。一
方、受信機2の熱雑音に基づく出力雑音は、全ての受信
機2間で相関がないので、合成雑音出力は1台の受信機
2の雑音出力のn倍となる。したがって、信号対雑音比
(電力比)は、n/n=n倍となるので、受信アンテ
ナAの1本の利得に比較した受信アンテナ群の等価的な
アンテナ利得はGはデシベル(dB)表示で、次の
(4)式となる。
【0020】 G=10log10n・・・・・・・・・・(4)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】前記図9に示される従
来例は、受信アンテナ群としての指向性が鋭くならない
ので、扱い易いという利点が得られる。しかしながら、
受信アンテナA(A,A,・・・・・,A)と受
信機2とは離間されているために、両者を結ぶ接続線a
(a1,,・・・・・,a)の長さが長くなり易
く、損失が増えて受信感度が低下し易い欠点があり、ま
た、多数の接続線aが使用されるために、線の引き回し
配線の作業性が悪く、さらに、受信機2として筐体で覆
われた市販の単体製品が使用されているため、受信機2
の群が大型になり、受信システムのコストが嵩むという
欠点がある。
【0022】本発明は上記従来例の各種の課題を解消す
るために成されたものであり、その目的は、指向性を鋭
くすることなしに、アンテナ等価受信断面積を増やすこ
とができ、さらにはその受信システムの構成を一体構成
として、小型にして扱い易く、低コストが実現できる電
波受信モジュール構造を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために次のような構成をもって課題を解決する手段
としている。すなわち、第1の発明は、表面側の第1の
構造体と、中間部の第2の構造体と、底面側の第3の構
造体とが積層一体化され、前記第1の構造体には受信ア
ンテナが配置され、前記第3の構造体には受信機回路が
配され、前記第2の構造体には前記受信アンテナと受信
機回路を接続する接続回路が形成されている構成をもっ
て、課題を解決する手段としている。
【0024】また、第2の発明は、前記第1の発明の電
波受信モジュール構造が複数並置状に集積形成され、各
受信機回路の出力は合成器で合成されている構成をもっ
て、課題を解決する手段としている。
【0025】さらに、第3の発明は、表面側の第1の構
造体と、中間部の第2の構造体と、底面側の第3の構造
体とが積層一体化され、前記第1の構造体には複数の受
信アンテナが配置され、前記第3の構造体には前記受信
アンテナの数と同数の受信機回路が配され、前記第2の
構造体には前記第1の構造体の各受信アンテナと前記第
3の構造体の各受信機回路を互いに個別の組として一対
一の関係をもって接続する接続回路が形成され、各受信
機回路の出力は合成器で合成されている構成をもって、
課題を解決する手段としている。
【0026】さらに、第4の発明は、前記第2又は第3
の発明の構成を備えたものにおいて、合成器は第1、第
2、第3のいずれかの構造体に形成されるか又は第3の
構造体の底面側に第4の構造体を積層一体化してこの第
4の構造体に形成する構成をもって、課題を解決する手
段としている。
【0027】さらに、第5の発明は、前記第1乃至第4
の何れか1つの発明の構成を備えたものにおいて、第1
の構造体には受信機回路の数の2倍以上の整数倍の数の
受信アンテナが配置され、これらの受信アンテナは受信
機回路の数に等しい数のグループに区分され、各グルー
プの複数の受信アンテナはグループ毎に個別の対応する
受信機回路に第2の構造体に形成された対応する接続回
路を介して共通接続されている構成をもって、課題を解
決する手段としている。
【0028】さらに、第6の発明は、前記第1乃至第5
のいずれかの発明の構成を備えたものにおいて、接続回
路にはフィルタが含まれていることを特徴とする。
【0029】さらに、第7の発明は、前記第2乃至第6
のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、複
数の各受信機回路は共通の1個の発振器から局部発振源
が供給されていることを特徴とする。
【0030】さらに、第8の発明は、前記第1乃至第7
の何れか1つの発明の構成を備えたものにおいて、少な
くとも第1の構造体と、第2の構造体と、第3の構造体
は積層基板の各層の層構造体によって構成されて、電波
受信モジュール構造が積層基板に埋め込み形成されてい
る構成をもって、課題を解決する手段としている。
【0031】さらに、第9の発明は、前記第1乃至第7
の何れか1つの発明の構成を備えたものにおいて、第1
の構造体と、第2の構造体と、第3の構造体とを含む各
構造体の積層体は一体的なブロック状と成して電波受信
モジュール構造が1チップ電子部品と成している構成を
もって、課題を解決する手段としている。
【0032】さらに、第10の発明は、前記第9の発明
の構成を備えたものにおいて、少なくとも第1の構造体
と、第2の構造体と、第3の構造体は半導体層により構
成されて、受信アンテナと接続回路と受信機回路の少な
くとも1つはIC回路により形成されている構成をもっ
て、課題を解決する手段としている。
【0033】本発明においては、受信アンテナが形成さ
れた第1の構造体と、受信アンテナと受信機回路を接続
する接続回路が形成された第2のブロックと、受信機回
路が形成された第3のブロックとを積層一体化して受信
システムがモジュール形態で構成されるため、小型化、
低コスト化が達成され、また、複数の各受信アンテナの
出力を受信機回路を通して合成するために、指向性を鋭
くすることなくアンテナ等価受信断面積を増加でき、非
常に扱い易いものとなる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に基づき説明する。図1〜図3には本発明に係る電波受
信モジュール構造の第1実施形態例が示されている。本
実施形態例の電波受信モジュール構造は電波の受信シス
テムを一体構造として形成した点に特徴がある。図1に
おいて、第1の構造体Sと第2の構造体Sと第3の
構造体Sとが順に積層されて一体化されており、表面
側の第1の構造体Sには複数の受信アンテナA
(A,A,・・・・・,A)が配置されている。
また、底面側の第3の構造体Sには複数(受信アンテ
ナの数と同数)の受信機回路D(D,D,・・・・
・,D)が配され、中間部の第2の構造体Sには前
記受信アンテナAと受信機回路Dとを一対一の関係をも
って互いに独立に接続する接続回路C(C,C,・
・・・・,C)が形成されている。
【0035】前記第1,第2,第3の各構造体S,S
,Sは例えば、図2に示すように、積層基板4の各
層の層構造体によって構成され、図2の例では、受信ア
ンテナAは積層基板4の表面層Sに面実装され、受信
機回路Dは積層基板4の底面層Sに埋め込み形成さ
れ、接続回路Cは積層基板4の中間層Sに形成されて
いる。前記接続回路Cは受信アンテナAと受信機回路D
を導通接続するスルーホール5によって形成されるが、
図2に示すように、必要に応じ、接続回路Cにはフィル
タ6等の素子が介設される。
【0036】図1において、受信アンテナAと接続回
路Cと受信機回路Dとの接続体が第1受信系列B
を構成し、受信アンテナAと接続回路Cと受信機回
路D との接続体が第2受信系列Bを構成するという
如く、n個の受信系列が形成されている。そして、各受
信系列B〜Bの出力(受信機回路D〜Dの出
力)は合成器1に接続されて合成され、その合成出力が
合成器1から出力される。この合成器1は各構造体
,S,Sのいずれかの層に形成してもよく、あ
るいは図1の想像線で示すごとく、第3の構造体S
層の下面側に第4の構造体Sの層を設けこの第4の構
造体Sに合成器1を形成してもよい。
【0037】図4は本実施形態例の電波受信モジュール
構造を上方から見た受信アンテナAの配置例を示すもの
で、図4(a)においては、各受信アンテナA(A
)はマトリックス状に配置されており、図4(b)
の例では各受信アンテナA(A〜A)はセル状に配
置されているが、受信アンテナAの配置形態はこれらに
限定されず、任意の形態に配置可能である。
【0038】図2は1つの受信系列Bのブロック部分を
抜き出して示したものであり、図3はその1つの受信系
列Bのブロック部分の概念を斜視的に示したものであ
る。図3により明らかなように、受信アンテナAと受信
機回路Dはフィルタ6を介してスルーホール5によって
導通接続されている。
【0039】前記受信機回路Dの回路構成は特に限定さ
れることなく適宜の回路構成をとり得るが、その一例と
して図6に示すようなダイレクトコンバージョン受信機
の回路を採用することが可能である。ダイレクトコンバ
ージョン方式はホモダイン検波とも呼ばれ、中間周波数
を0とする受信方式である。この方式はスーパーヘテロ
ダイン方式に比べ、イメージ周波数がないのでイメー
ジ周波数除去用のフィルタが不要であることと、チャ
ネルフィルタがベースバンド帯のLPF(低域通過濾波
器)で構成できるので、LSIの中に収容できる、とい
う特徴を有する。このように、図6に示す受信機回路は
フィルタ8がLPFによって構成されるので、回路のI
C化がし易く、そのため、図2に示すように、受信機回
路Dのチップを積層基板4の中に埋め込んで実装した
り、あるいは基板表面(図2の例では積層基板4の裏面
側の表面)に実装でき、本実施形態例のような積層一体
化型の電波受信モジュール構造の回路として、より適し
ている。
【0040】受信機回路Dは図6に示すように、発振器
7により局部発振源が提供されており、各受信系列B
〜Bの各受信機回路Dにそれぞれ固有の(専用の)発
振器7を設けて局部発振させてもよいが、好ましくは共
通の1個の発振器7により各受信系列B〜Bの複数
の受信機回路Dに対して局部発振源を提供するようにす
ることが望ましい。そうすることにより、各受信機回路
〜Dの局部発振器間で起こる干渉を著しく軽減す
ることができる上に、複数の発振源を必要としないの
で、コストを低減することができる。
【0041】本実施形態例の電波受信モジュール構造の
電波受信信号の処理は図9に示した従来例と同じであ
り、各受信アンテナA(A,A,・・・・・,
)で受信された信号は接続回路C(C,C,・
・・・・,C)を通して受信機回路D(D,D
・・・・・,D)に導かれ、各受信機回路D(D
,・・・・・,D)で復調されてベースバンド信
号が取り出される。そして、この各受信系列B(B
,・・・・・,B)のベースバンド信号は合成器
1で合成されて出力される。
【0042】例えば、図4(a)に示すように、受信ア
ンテナAの数(受信系列Bの数)を9個としたとき、受
信アンテナ1本の利得と比較した場合、本実施形態例の
電波受信モジュール構造のアンテナ利得Gは前記
(4)式により、G=10log109=9.5(d
B)となる。このように、本実施形態例においては、上
記の高利得が指向性を鋭くすることなく得ることができ
る。また、回路基板として機能する積層基板4に受信機
回路Dを埋め込んで一体化し、接続回路Cも積層基板4
の内部に形成されるので、積層基板4の表面上に表れる
電波受信モジュール構造全体の大きさは受信アンテナA
自体の大きさとほとんど同じ大きさの小型なものとな
り、低コストな受信システムをモジュール構造として実
現することが可能となる。
【0043】図5には本発明に係る電波受信モジュール
構造の第2実施形態例が示されている。この第2実施形
態例が前記第1実施形態例と異なる点は、第1の構造体
に形成する受信アンテナAの数を受信機回路Dの数
の2倍以上の整数倍とし、これらの複数の受信アンテナ
Aを受信機回路Dの数と同じ数のグループに区分し、各
グループの複数の受信アンテナAをそれぞれ対応する接
続回路Cに接続している点にあり、それ以外の構成は第
1実施形態例と同様である。
【0044】図5の例では、受信アンテナAの数は受信
機回路Dの数の2倍となっており、各受信系列Bの受信
アンテナAの数mはそれぞれ2個(m=2)により構成
され、第1の受信系列Bにおいては2個の受信アンテ
ナA11,A12が接続回路Cに接続され、第2の受
信系列Bにおいては2個の受信アンテナA21,A
22が接続回路Cに接続されるという如く、各受信系
列Bは2個の受信アンテナAを有し、その2個の受信ア
ンテナAが1グループを構成し、各グループの受信アン
テナAが対応する受信系列Bの接続回路Cに接続されて
いる。
【0045】図5に示す例においては、1つの受信系列
Bについての等価的な利得G(m=2)は、前記の
(3)式でnをmに置き換えて計算すると、G(m=
2)=20log102=6(dB)となる。したがっ
て、受信系列Bの数nを9とすれば、電波受信モジュー
ル構造の総合的な合成器1の出力の利得G(n,m)
は、G(n,m)=G(9,2)=9.4+6=1
5.4(dB)となり、等価的な高利得が指向性を鋭く
せずに得られる。
【0046】なお、1つの受信系列B当りの利得は前記
(3)式に示されるように、mの2乗で大きくなるが、
あまり大きくすると前述のように指向性が鋭くなって扱
いにくくなるので、好ましくは1つの受信系列B当りの
受信アンテナAの数mは2以上4以下(2≦m≦4)と
することが望ましい。
【0047】第2実施形態例によれば、上記のように、
等価的な高利得が指向性を鋭くせずに得られるので、利
得が高められる分、電波の到達距離をよりいっそう長く
することができる。ただ、第1実施形態例のものに比
べ、少しだけ指向性が強くなるが、その度合いは軽微で
あり、扱い易さを損ねることはない。また、上記第1実
施形態例の場合と同様に電波受信モジュール構造が積層
基板4に一体化して構成されるので、小型化、低コスト
化等の第1実施形態例と同様の効果を奏する。
【0048】なお、本発明は上記各実施形態例に限定さ
れることなく様々な実施の形態を採り得る。例えば、上
記各実施形態例では、電波受信モジュール構造を回路基
板等の積層基板4に一体化して埋設構成したが、これを
1チップの電子部品構造とすることが可能である。その
場合、例えば、第1の構造体Sと第2の構造体S
第3の構造体Sを半導体層によって構成し、各層に形
成する受信アンテナA、接続回路C、受信機回路Dの1
つ以上(好ましくは全て)をIC回路によって形成する
ことが望ましい。特にその場合、第4の構造体Sも半
導体層によって一体形成し、この第4の構造体Sに形
成する合成器1もIC回路によって形成することが望ま
しい。このように構成すれば、受信アンテナAと接続回
路Cと受信機回路Dとを有する複数の受信系列B〜B
と、合成器1とをIC化した1チップの電子部品とし
て構築することができ、より小型の扱い易い電子部品と
して提供することができる。
【0049】また、場合によっては、1つの受信系列B
を1つのチップ形態として電子部品化することも可能で
ある。その場合は、必要とする受信アンテナAの数に応
じてその数の受信系列Bのチップを回路基板に実装して
使用してもよいし、或いは受信系列Bの必要数の個数を
図4に示すように複数並置状に集積一体化し、全体とし
て1ブロックの1チップ部品の形態にして使用すること
も可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明は、複数の受信アンテナの受信信
号をそれぞれ受信機回路を通した後に合成器で合成する
ようにしたので、指向性を鋭くすることなくアンテナ等
価受信断面積を増加することができるので(指向性を鋭
くすることなく等価的なアンテナ利得を高くすることが
できるので)、ミリ波等の短波長の電波を扱い易く、よ
り遠方位置で支障なく電波を受信することができる。
【0051】また、本発明の電波受信モジュール構造は
受信アンテナが配置された第1の構造体と、受信機回路
が配された第3の構造体と、前記受信アンテナと受信機
回路を導通接続する接続回路が形成された第2の構造体
とを積層一体化した構成としたので、受信システムの全
体構造を小型化できるとともに、低コスト化を図ること
ができる。
【0052】さらに、第1,第2,第3の各構造体を積
層基板の各層の層構造体によって構成した発明によれ
ば、電波受信モジュール構造の例えば受信機回路を積層
基板に埋設配置し、接続回路を積層基板の内部に形成で
きるので、積層基板の表面に現れる電波受信モジュール
構造の大きさはほぼ積層基板の表面に実装される受信ア
ンテナ自体の大きさとほぼ同じになり、積層基板の内部
に回路が形成できる分、積層基板表面の有効実装面積の
拡大を図ることができる。
【0053】さらに、前記電波受信モジュール構造を1
チップ電子部品として構成した本発明によれば、受信シ
ステムの回路を1チップ部品として取り扱えるので、そ
の取り扱いが一層容易となる上に、受信システムの回路
のより小型化が可能である。とくに、各構造体を半導体
層により形成し、受信システムの回路をIC回路に構成
した本発明においては、回路を精度良く形成でき、受信
システムの品質を高めることができる上に、受信システ
ムの回路のさらなる小型化が可能となる。
【0054】さらに、第1の構造体に受信機回路の数の
2倍以上の整数倍の数の受信アンテナを配置し、各受信
機回路に複数の受信アンテナを接続した構成の本発明に
よれば、指向性が鋭くならない範囲で、アンテナ利得を
上げることができるので、その分、電波の到達距離をよ
り長くすることが可能である。
【0055】さらに、複数の各受信機回路の局部発振源
を1個の共通の発振器により提供する構成とした本発明
によれば、各受信機回路の局部発振器間で生じる干渉を
著しく低減できる上に、複数の発振源を必要としないの
で、コストを大幅に低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波受信モジュール構造の第1実
施形態例の構成説明図である。
【図2】積層基板に形成された電波受信モジュール構造
中の1つの受信系列B部分を抜き出して示す、部分構成
図である。
【図3】電波受信モジュール構造中の1つの受信系列B
部分を抜き出して概念的に示す斜視説明図である。
【図4】本実施形態例の電波受信モジュール構造の受信
アンテナ配置例の説明図である。
【図5】本発明に係る電波受信モジュール構造の第2実
施形態例の構成説明図である。
【図6】受信機回路の一例を示す回路図である。
【図7】従来の受信システムの説明図である。
【図8】従来の他の受信システムの説明図である。
【図9】従来のさらに他の受信システムの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 合成器 4 積層基板 6 フィルタ 7 発振器 8 フィルタ(LPF) A(A〜A) 受信アンテナ a(a〜a) 接続線 D(D〜D) 受信機回路 S 第1の構造体 S 第2の構造体 S 第3の構造体 S 第4の構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA01 AB06 CA06 FA17 FA23 FA25 FA26 HA05 JA08 5J047 AA03 AB13 FD06 5K016 AA06 AA08 AA10 CA01 CB05 GA02 HA09 KA01 5K061 AA01 AA10 AA11 CC02 CC14 JJ24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側の第1の構造体と、中間部の第2
    の構造体と、底面側の第3の構造体とが積層一体化さ
    れ、前記第1の構造体には受信アンテナが配置され、前
    記第3の構造体には受信機回路が配され、前記第2の構
    造体には前記受信アンテナと受信機回路を接続する接続
    回路が形成されている電波受信モジュール構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電波受信モジュール構造
    が複数並置状に集積形成され、各受信機回路の出力は合
    成器で合成されている電波受信モジュール構造。
  3. 【請求項3】 表面側の第1の構造体と、中間部の第2
    の構造体と、底面側の第3の構造体とが積層一体化さ
    れ、前記第1の構造体には複数の受信アンテナが配置さ
    れ、前記第3の構造体には前記受信アンテナの数と同数
    の受信機回路が配され、前記第2の構造体には前記第1
    の構造体の各受信アンテナと前記第3の構造体の各受信
    機回路を互いに個別の組として一対一の関係をもって接
    続する接続回路が形成され、各受信機回路の出力は合成
    器で合成されている電波受信モジュール構造。
  4. 【請求項4】 合成器は第1、第2、第3のいずれかの
    構造体に形成されるか又は第3の構造体の底面側に第4
    の構造体を積層一体化してこの第4の構造体に形成する
    請求項2又は請求項3記載の電波受信モジュール構造。
  5. 【請求項5】 第1の構造体には受信機回路の数の2倍
    以上の整数倍の数の受信アンテナが配置され、これらの
    受信アンテナは受信機回路の数に等しい数のグループに
    区分され、各グループの複数の受信アンテナはグループ
    毎に個別の対応する受信機回路に第2の構造体に形成さ
    れた対応する接続回路を介して共通接続されている請求
    項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の電波受信モジ
    ュール構造。
  6. 【請求項6】 接続回路にはフィルタが含まれている請
    求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の電波受信モ
    ジュール構造。
  7. 【請求項7】 複数の各受信機回路は共通の1個の発振
    器から局部発振源が供給されている請求項2乃至請求項
    6のいずれか1つに記載の電波受信モジュール構造。
  8. 【請求項8】 少なくとも第1の構造体と、第2の構造
    体と、第3の構造体は積層基板の各層の層構造体によっ
    て構成されて、電波受信モジュール構造が積層基板に埋
    め込み形成されている請求項1乃至請求項7のいずれか
    1つに記載の電波受信モジュール構造。
  9. 【請求項9】 第1の構造体と、第2の構造体と、第3
    の構造体とを含む各構造体の積層体は一体的なブロック
    状と成して電波受信モジュール構造が1チップ電子部品
    と成している請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記
    載の電波受信モジュール構造。
  10. 【請求項10】 少なくとも第1の構造体と、第2の構
    造体と、第3の構造体は半導体層により構成されて、受
    信アンテナと接続回路と受信機回路の少なくとも1つは
    IC回路により形成されている請求項9記載の電波受信
    モジュール構造。
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