JP2002268663A - 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体

Info

Publication number
JP2002268663A
JP2002268663A JP2001065072A JP2001065072A JP2002268663A JP 2002268663 A JP2002268663 A JP 2002268663A JP 2001065072 A JP2001065072 A JP 2001065072A JP 2001065072 A JP2001065072 A JP 2001065072A JP 2002268663 A JP2002268663 A JP 2002268663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
synthesized sound
output
voice
information processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001065072A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Asano
康治 浅野
Kenichiro Kobayashi
賢一郎 小林
Nobuhide Yamazaki
信英 山崎
Shinichi Kariya
真一 狩谷
Yaeko Fujita
八重子 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001065072A priority Critical patent/JP2002268663A/ja
Publication of JP2002268663A publication Critical patent/JP2002268663A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • Toys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インタラクティブ性の高いペットロボット等
を実現する。 【解決手段】 テキスト生成部31および規則合成部3
2では、行動指令情報にしたがい、その行動指令情報に
含まれるテキストに対応する合成音データが生成され、
データバッファ33に記憶される。一方、出力制御部3
4は、ペットロボットの感情の状態に基づき、データバ
ッファ33に記憶された合成音データの出力を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声合成装置およ
び音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体に関
し、特に、例えば、エンタテイメント用のロボットの感
情等の状態に基づいて、合成音出力を制御するようにす
ることで、インタラクティブ性の高いロボットを実現す
ること等ができるようにする音声合成装置および音声合
成方法、並びにプログラムおよび記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の音声合成装置においては、テキス
ト、またはそのテキストを解析して得られる発音記号に
基づいて、合成音が生成される。また、音声合成装置で
は、例えば、合成音の発話速度や、高さ、強さ、ポーズ
の長さ等が、音声合成装置に入力されるテキストや発音
記号に挿入されたタグに基づいて制御される。
【0003】ここで、タグが挿入された発音記号として
は、例えば、次のようなものがある。
【0004】 {(コレマ'テ゛ススメラレタ/ケンキュウワ)P3(オ'オキナ/セ'イカヲ)・・・) ・・・(1)
【0005】(1)においては、発音記号をカタカナで
表している。また、タグ'は、アクセントを表し、タ
グ{}および()は、フレーズの区切りを表す。さらに、タ
グP3のうちのPは、ポーズを表し、続く数字の3は、ポー
ズの長さを表す。また、タグ/は、アクセント句の区切
りを表す。
【0006】(1)の発音記号によれば、音声合成装置
では、音韻が「これまで進められた研究は、大きな成果
を・・・」という合成音が生成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、例え
ば、ペット型のペットロボット等として、音声合成装置
を搭載し、ユーザに話しかけたり、ユーザと会話(対
話)を行うものが提案されている。
【0008】さらに、ペットロボットとしては、感情の
状態を表す感情モデルを取り入れ、その感情モデルが表
す感情の状態に応じて、合成音の発話速度や、高さ、強
さ、ポーズの長さ等を制御し、感情を表現した合成音を
出力するものも提案されている。
【0009】なお、音声に含まれる発話意図や感情と、
発話速度や基本周波数等との関係については、例えば、
前川、「音声によるパラ言語情報の伝達:言語学の立場
から」、日本音響学会平成9年度秋季研究発表会講演論
文集、pp.381-384(以下、文献1という)等に記載され
ている。
【0010】ところで、例えば、上述のような音声合成
装置を搭載したペットロボットにおいて、ユーザとのイ
ンタラクティブ性を向上させるためには、合成音を出力
している最中に、感情の状態の変化に応じて、合成音の
出力を停止したり、合成音の発話速度や高さ等を変更す
ることができるようにするのが望ましい。
【0011】しかしながら、従来の音声合成装置では、
上述したようなタグが挿入された発音記号列にしたがっ
て、合成音が生成されるため、合成音が出力されている
最中に、感情の状態が変化した場合に、リアルタイム
で、合成音の出力を停止したりすること等が困難であっ
た。
【0012】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、ロボットの感情等の状態に応じて、合成
音の出力を制御することにより、インタラクティブ性の
高いロボット等を実現することができるようにするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の音声合成装置
は、情報処理装置の制御にしたがって、合成音を生成す
る音声合成手段と、情報処理装置の内部状態に基づい
て、合成音の出力を制御する出力制御手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0014】本発明の音声合成方法は、情報処理装置の
制御にしたがって、合成音を生成する音声合成ステップ
と、情報処理装置の内部状態に基づいて、合成音の出力
を制御する出力制御ステップとを備えることを特徴とす
る。
【0015】本発明のプログラムは、情報処理装置の制
御にしたがって、合成音を生成する音声合成ステップ
と、情報処理装置の内部状態に基づいて、合成音の出力
を制御する出力制御ステップとを備えることを特徴とす
る。
【0016】本発明の記録媒体は、情報処理装置の制御
にしたがって、合成音を生成する音声合成ステップと、
情報処理装置の内部状態に基づいて、合成音の出力を制
御する出力制御ステップとを備えるプログラムが記録さ
れていることを特徴とする。
【0017】本発明の音声合成装置および音声合成方
法、並びにプログラムにおいては、情報処理装置の制御
にしたがって、合成音が生成される一方、情報処理装置
の内部状態に基づいて、合成音の出力が制御される。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用したロボッ
トの一実施の形態の外観構成例を示しており、図2は、
その電気的構成例を示している。
【0019】本実施の形態では、ロボットは、例えば、
犬等の四つ足の動物の形状のものとなっており、胴体部
ユニット2の前後左右に、それぞれ脚部ユニット3A,
3B,3C,3Dが連結されるとともに、胴体部ユニッ
ト2の前端部と後端部に、それぞれ頭部ユニット4と尻
尾部ユニット5が連結されることにより構成されてい
る。
【0020】尻尾部ユニット5は、胴体部ユニット2の
上面に設けられたベース部5Bから、2自由度をもって
湾曲または揺動自在に引き出されている。
【0021】胴体部ユニット2には、ロボット全体の制
御を行うコントローラ10、ロボットの動力源となるバ
ッテリ11、並びにバッテリセンサ12および熱センサ
13からなる内部センサ部14などが収納されている。
【0022】頭部ユニット4には、「耳」に相当するマ
イク(マイクロフォン)15、「目」に相当するCCD
(Charge Coupled Device)カメラ16、触覚に相当する
タッチセンサ17、「口」に相当するスピーカ18など
が、それぞれ所定位置に配設されている。また、頭部ユ
ニット4には、口の下顎に相当する下顎部4Aが1自由
度をもって可動に取り付けられており、この下顎部4A
が動くことにより、ロボットの口の開閉動作が実現され
るようになっている。
【0023】脚部ユニット3A乃至3Dそれぞれの関節
部分や、脚部ユニット3A乃至3Dそれぞれと胴体部ユ
ニット2の連結部分、頭部ユニット4と胴体部ユニット
2の連結部分、頭部ユニット4と下顎部4Aの連結部
分、並びに尻尾部ユニット5と胴体部ユニット2の連結
部分などには、図2に示すように、それぞれアクチュエ
ータ3AA1乃至3AAK、3BA1乃至3BAK、3CA
1乃至3CAK、3DA1乃至3DAK、4A1乃至4AL
5A1および5A2が配設されている。
【0024】頭部ユニット4におけるマイク15は、ユ
ーザからの発話を含む周囲の音声(音)を集音し、得ら
れた音声信号を、コントローラ10に送出する。CCD
カメラ16は、周囲の状況を撮像し、得られた画像信号
を、コントローラ10に送出する。
【0025】タッチセンサ17は、例えば、頭部ユニッ
ト4の上部に設けられており、ユーザからの「なでる」
や「たたく」といった物理的な働きかけにより受けた圧
力を検出し、その検出結果を圧力検出信号としてコント
ローラ10に送出する。
【0026】胴体部ユニット2におけるバッテリセンサ
12は、バッテリ11の残量を検出し、その検出結果
を、バッテリ残量検出信号としてコントローラ10に送
出する。熱センサ13は、ロボット内部の熱を検出し、
その検出結果を、熱検出信号としてコントローラ10に
送出する。
【0027】コントローラ10は、CPU(Central Pro
cessing Unit)10Aやメモリ10B等を内蔵してお
り、CPU10Aにおいて、メモリ10Bに記憶された
制御プログラムが実行されることにより、各種の処理を
行う。
【0028】即ち、コントローラ10は、マイク15
や、CCDカメラ16、タッチセンサ17、バッテリセ
ンサ12、熱センサ13から与えられる音声信号、画像
信号、圧力検出信号、バッテリ残量検出信号、熱検出信
号に基づいて、周囲の状況や、ユーザからの指令、ユー
ザからの働きかけなどの有無を判断する。
【0029】さらに、コントローラ10は、この判断結
果等に基づいて、続く行動を決定し、その決定結果に基
づいて、アクチュエータ3AA1乃至3AAK、3BA1
乃至3BAK、3CA1乃至3CAK、3DA1乃至3DA
K、4A1乃至4AL、5A1、5A2のうちの必要なもの
を駆動させる。これにより、頭部ユニット4を上下左右
に振らせたり、下顎部4Aを開閉させる。さらには、尻
尾部ユニット5を動かせたり、各脚部ユニット3A乃至
3Dを駆動して、ロボットを歩行させるなどの行動を行
わせる。
【0030】また、コントローラ10は、必要に応じ
て、合成音を生成し、スピーカ18に供給して出力させ
たり、ロボットの「目」の位置に設けられた図示しない
LED(Light Emitting Diode)を点灯、消灯または点
滅させる。
【0031】以上のようにして、ロボットは、周囲の状
況等に基づいて自律的に行動をとるようになっている。
【0032】次に、図3は、図2のコントローラ10の
機能的構成例を示している。なお、図3に示す機能的構
成は、CPU10Aが、メモリ10Bに記憶された制御
プログラムを実行することで実現されるようになってい
る。
【0033】コントローラ10は、特定の外部状態を認
識するセンサ入力処理部50、センサ入力処理部50の
認識結果を累積して、感情や、本能、成長の状態を表現
するモデル記憶部51、センサ入力処理部50の認識結
果等に基づいて、続く行動を決定する行動決定機構部5
2、行動決定機構部52の決定結果に基づいて、実際に
ロボットに行動を起こさせる姿勢遷移機構部53、各ア
クチュエータ3AA1乃至5A1および5A2を駆動制御
する制御機構部54、並びに合成音を生成する音声合成
部55から構成されている。
【0034】センサ入力処理部50は、マイク15や、
CCDカメラ16、タッチセンサ17等から与えられる
音声信号、画像信号、圧力検出信号等に基づいて、特定
の外部状態や、ユーザからの特定の働きかけ、ユーザか
らの指示等を認識し、その認識結果を表す状態認識情報
を、モデル記憶部51および行動決定機構部52に通知
する。
【0035】即ち、センサ入力処理部50は、音声認識
部50Aを有しており、音声認識部50Aは、マイク1
5から与えられる音声信号について音声認識を行う。そ
して、音声認識部50Aは、その音声認識結果として
の、例えば、「歩け」、「伏せ」、「ボールを追いかけ
ろ」等の指令その他を、状態認識情報として、モデル記
憶部51および行動決定機構部52に通知する。
【0036】また、センサ入力処理部50は、画像認識
部50Bを有しており、画像認識部50Bは、CCDカ
メラ16から与えられる画像信号を用いて、画像認識処
理を行う。そして、画像認識部50Bは、その処理の結
果、例えば、「赤い丸いもの」や、「地面に対して垂直
なかつ所定高さ以上の平面」等を検出したときには、
「ボールがある」や、「壁がある」等の画像認識結果
を、状態認識情報として、モデル記憶部51および行動
決定機構部52に通知する。
【0037】さらに、センサ入力処理部50は、圧力処
理部50Cを有しており、圧力処理部50Cは、タッチ
センサ17から与えられる圧力検出信号を処理する。そ
して、圧力処理部50Cは、その処理の結果、所定の閾
値以上で、かつ短時間の圧力を検出したときには、「た
たかれた(しかられた)」と認識し、所定の閾値未満
で、かつ長時間の圧力を検出したときには、「なでられ
た(ほめられた)」と認識して、その認識結果を、状態
認識情報として、モデル記憶部51および行動決定機構
部52に通知する。
【0038】モデル記憶部51は、ロボットの感情、本
能、成長の状態を表現する感情モデル、本能モデル、成
長モデルをそれぞれ記憶、管理している。
【0039】ここで、感情モデルは、例えば、「うれし
さ」、「悲しさ」、「怒り」、「楽しさ」等の感情の状
態(度合い)を、所定の範囲(例えば、−1.0乃至
1.0等)の値によってそれぞれ表し、センサ入力処理
部50からの状態認識情報や時間経過等に基づいて、そ
の値を変化させる。本能モデルは、例えば、「食欲」、
「睡眠欲」、「運動欲」等の本能による欲求の状態(度
合い)を、所定の範囲の値によってそれぞれ表し、セン
サ入力処理部50からの状態認識情報や時間経過等に基
づいて、その値を変化させる。成長モデルは、例えば、
「幼年期」、「青年期」、「熟年期」、「老年期」等の
成長の状態(度合い)を、所定の範囲の値によってそれ
ぞれ表し、センサ入力処理部50からの状態認識情報や
時間経過等に基づいて、その値を変化させる。
【0040】モデル記憶部51は、上述のようにして感
情モデル、本能モデル、成長モデルの値で表される感
情、本能、成長の状態を、状態情報として、行動決定機
構部52に送出する。
【0041】なお、モデル記憶部51には、センサ入力
処理部50から状態認識情報が供給される他、行動決定
機構部52から、ロボットの現在または過去の行動、具
体的には、例えば、「長時間歩いた」などの行動の内容
を示す行動情報が供給されるようになっており、モデル
記憶部51は、同一の状態認識情報が与えられても、行
動情報が示すロボットの行動に応じて、異なる状態情報
を生成するようになっている。
【0042】即ち、例えば、ロボットが、ユーザに挨拶
をし、ユーザに頭を撫でられた場合には、ユーザに挨拶
をしたという行動情報と、頭を撫でられたという状態認
識情報とが、モデル記憶部51に与えられ、この場合、
モデル記憶部51では、「うれしさ」を表す感情モデル
の値が増加される。
【0043】一方、ロボットが、何らかの仕事を実行中
に頭を撫でられた場合には、仕事を実行中であるという
行動情報と、頭を撫でられたという状態認識情報とが、
モデル記憶部51に与えられ、この場合、モデル記憶部
51では、「うれしさ」を表す感情モデルの値は変化さ
れない。
【0044】このように、モデル記憶部51は、状態認
識情報だけでなく、現在または過去のロボットの行動を
示す行動情報も参照しながら、感情モデルの値を設定す
る。これにより、例えば、何らかのタスクを実行中に、
ユーザが、いたずらするつもりで頭を撫でたときに、
「うれしさ」を表す感情モデルの値を増加させるよう
な、不自然な感情の変化が生じることを回避することが
できる。
【0045】なお、モデル記憶部51は、本能モデルお
よび成長モデルについても、感情モデルにおける場合と
同様に、状態認識情報および行動情報の両方に基づい
て、その値を増減させるようになっている。また、モデ
ル記憶部51は、感情モデル、本能モデル、成長モデル
それぞれの値を、他のモデルの値にも基づいて増減させ
るようになっている。
【0046】行動決定機構部52は、センサ入力処理部
50からの状態認識情報や、モデル記憶部51からの状
態情報、時間経過等に基づいて、次の行動を決定し、決
定された行動の内容を、行動指令情報として、姿勢遷移
機構部53に送出する。
【0047】即ち、行動決定機構部52は、ロボットが
とり得る行動をステート(状態)(state)に対応させた
有限オートマンを、ロボットの行動を規定する行動モデ
ルとして管理しており、この行動モデルとしての有限オ
ートマンにおけるステートを、センサ入力処理部50か
らの状態認識情報や、モデル記憶部51における感情モ
デル、本能モデル、または成長モデルの値、時間経過等
に基づいて遷移させ、遷移後のステートに対応する行動
を、次にとるべき行動として決定する。
【0048】ここで、行動決定機構部52は、所定の取
りが(trigger)があったことを検出すると、ステートを
遷移させる。即ち、行動決定機構部52は、例えば、現
在のステートに対応する行動を実行している時間が所定
時間に達したときや、特定の状態認識情報を受信したと
き、モデル記憶部51から供給される状態情報が示す感
情や、本能、成長の状態の値が所定の閾値以下または以
上になったとき等に、ステートを遷移させる。
【0049】なお、行動決定機構部52は、上述したよ
うに、センサ入力処理部50からの状態認識情報だけで
なく、モデル記憶部51における感情モデルや、本能モ
デル、成長モデルの値等に基づいて、行動モデルにおけ
るステートを遷移させることから、同一の状態認識情報
が入力されても、感情モデルや、本能モデル、成長モデ
ルの値(状態情報)によっては、ステートの遷移先は異
なるものとなる。
【0050】その結果、行動決定機構部52は、例え
ば、状態情報が、「怒っていない」こと、および「お腹
がすいていない」ことを表している場合において、状態
認識情報が、「目の前に手のひらが差し出された」こと
を表しているときには、目の前に手のひらが差し出され
たことに応じて、「お手」という行動をとらせる行動指
令情報を生成し、これを、姿勢遷移機構部53に送出す
る。
【0051】また、行動決定機構部52は、例えば、状
態情報が、「怒っていない」こと、および「お腹がすい
ている」ことを表している場合において、状態認識情報
が、「目の前に手のひらが差し出された」ことを表して
いるときには、目の前に手のひらが差し出されたことに
応じて、「手のひらをぺろぺろなめる」ような行動を行
わせるための行動指令情報を生成し、これを、姿勢遷移
機構部53に送出する。
【0052】また、行動決定機構部52は、例えば、状
態情報が、「怒っている」ことを表している場合におい
て、状態認識情報が、「目の前に手のひらが差し出され
た」ことを表しているときには、状態情報が、「お腹が
すいている」ことを表していても、また、「お腹がすい
ていない」ことを表していても、「ぷいと横を向く」よ
うな行動を行わせるための行動指令情報を生成し、これ
を、姿勢遷移機構部53に送出する。
【0053】なお、行動決定機構部52には、モデル記
憶部51から供給される状態情報が示す感情や、本能、
成長の状態に基づいて、遷移先のステートに対応する行
動のパラメータとしての、例えば、歩行の速度や、手足
を動かす際の動きの大きさおよび速度などを決定させる
ことができ、この場合、それらのパラメータを含む行動
指令情報が、姿勢遷移機構部53に送出される。
【0054】また、行動決定機構部52では、上述した
ように、ロボットの頭部や手足等を動作させる行動指令
情報の他、ロボットに発話を行わせる行動指令情報も生
成される。ロボットに発話を行わせる行動指令情報は、
音声合成部55に供給されるようになっており、音声合
成部55に供給される行動指令情報には、音声合成部5
5に生成させる合成音に対応するテキスト等が含まれ
る。そして、音声合成部55は、行動決定部52から行
動指令情報を受信すると、その行動指令情報に含まれる
テキストに基づき、合成音を生成し、スピーカ18に供
給して出力させる。これにより、スピーカ18からは、
例えば、ロボットの鳴き声、さらには、「お腹がすい
た」等のユーザへの各種の要求、「何?」等のユーザの
呼びかけに対する応答その他の音声出力が行われる。こ
こで、音声合成部55には、モデル記憶部51から状態
情報も供給されるようになっており、音声合成部55
は、この状態情報が示す感情の状態に基づいて韻律等を
制御した合成音を生成することが可能となっている。な
お、音声合成部55では、感情の他、本能や本能の状態
に基づいて韻律等を制御した合成音を生成することも可
能である。また、行動決定機構部52は、合成音を出力
する場合には、下顎部4Aを開閉させる行動指令情報
を、必要に応じて生成し、姿勢遷移機構部53に出力す
る。この場合、合成音の出力に同期して、下顎部4Aが
開閉し、ユーザに、ロボットがしゃべっているかのよう
な印象を与えることができる。
【0055】姿勢遷移機構部53は、行動決定機構部5
2から供給される行動指令情報に基づいて、ロボットの
姿勢を、現在の姿勢から次の姿勢に遷移させるための姿
勢遷移情報を生成し、これを制御機構部54に送出す
る。
【0056】ここで、現在の姿勢から次に遷移可能な姿
勢は、例えば、胴体や手や足の形状、重さ、各部の結合
状態のようなロボットの物理的形状と、関節が曲がる方
向や角度のようなアクチュエータ3AA1乃至5A1およ
び5A2の機構とによって決定される。
【0057】また、次の姿勢としては、現在の姿勢から
直接遷移可能な姿勢と、直接には遷移できない姿勢とが
ある。例えば、4本足のロボットは、手足を大きく投げ
出して寝転んでいる状態から、伏せた状態へ直接遷移す
ることはできるが、立った状態へ直接遷移することはで
きず、一旦、手足を胴体近くに引き寄せて伏せた姿勢に
なり、それから立ち上がるという2段階の動作が必要で
ある。また、安全に実行できない姿勢も存在する。例え
ば、4本足のロボットは、その4本足で立っている姿勢
から、両前足を挙げてバンザイをしようとすると、簡単
に転倒してしまう。
【0058】このため、姿勢遷移機構部53は、直接遷
移可能な姿勢をあらかじめ登録しておき、行動決定機構
部52から供給される行動指令情報が、直接遷移可能な
姿勢を示す場合には、その行動指令情報を、そのまま姿
勢遷移情報として、制御機構部54に送出する。一方、
行動指令情報が、直接遷移不可能な姿勢を示す場合に
は、姿勢遷移機構部53は、遷移可能な他の姿勢に一旦
遷移した後に、目的の姿勢まで遷移させるような姿勢遷
移情報を生成し、制御機構部54に送出する。これによ
りロボットが、遷移不可能な姿勢を無理に実行しようと
する事態や、転倒するような事態を回避することができ
るようになっている。
【0059】制御機構部54は、姿勢遷移機構部53か
らの姿勢遷移情報にしたがって、アクチュエータ3AA
1乃至5A1および5A2を駆動するための制御信号を生
成し、これを、アクチュエータ3AA1乃至5A1および
5A2に送出する。これにより、アクチュエータ3AA1
乃至5A1および5A2は、制御信号にしたがって駆動
し、ロボットは、自律的に行動を起こす。
【0060】次に、図4は、図3の音声認識部50Aの
構成例を示している。
【0061】マイク15からの音声信号は、AD(Analo
g Digital)変換部21に供給される。AD変換部21で
は、マイク15からのアナログ信号である音声信号がサ
ンプリング、量子化され、ディジタル信号である音声デ
ータにA/D変換される。この音声データは、特徴抽出
部22および音声区間検出部27に供給される。
【0062】特徴抽出部22は、そこに入力される音声
データについて、適当なフレームごとに、例えば、MF
CC(Mel Frequency Cepstrum Coefficient)分析を行
い、その分析の結果得られるMFCCを、特徴パラメー
タ(特徴ベクトル)として、マッチング部23に出力す
る。なお、特徴抽出部22では、その他、例えば、線形
予測係数、ケプストラム係数、線スペクトル対、所定の
周波数帯域ごとのパワー(フィルタバンクの出力)等
を、特徴パラメータとして抽出することが可能である。
【0063】マッチング部23は、特徴抽出部22から
の特徴パラメータを用いて、音響モデル記憶部24、辞
書記憶部25、および文法記憶部26を必要に応じて参
照しながら、マイク15に入力された音声(入力音声)
を、例えば、連続分布HMM(Hidden Markov Model)法
に基づいて音声認識する。
【0064】即ち、音響モデル記憶部24は、音声認識
する音声の言語における個々の音素や音節などの音響的
な特徴を表す音響モデルを記憶している。ここでは、連
続分布HMM法に基づいて音声認識を行うので、音響モ
デルとしては、HMM(Hidden Markov Model)が用いら
れる。辞書記憶部25は、認識対象の各単語について、
その発音に関する情報(音韻情報)が記述された単語辞
書を記憶している。文法記憶部26は、辞書記憶部25
の単語辞書に登録されている各単語が、どのように連鎖
する(つながる)かを記述した文法規則を記憶してい
る。ここで、文法規則としては、例えば、文脈自由文法
(CFG)や、統計的な単語連鎖確率(N−gram)
などに基づく規則を用いることができる。
【0065】マッチング部23は、辞書記憶部25の単
語辞書を参照することにより、音響モデル記憶部24に
記憶されている音響モデルを接続することで、単語の音
響モデル(単語モデル)を構成する。さらに、マッチン
グ部23は、幾つかの単語モデルを、文法記憶部26に
記憶された文法規則を参照することにより接続し、その
ようにして接続された単語モデルを用いて、特徴パラメ
ータに基づき、連続分布HMM法によって、マイク15
に入力された音声を認識する。即ち、マッチング部23
は、特徴抽出部22が出力する時系列の特徴パラメータ
が観測されるスコア(尤度)が最も高い単語モデルの系
列を検出し、その単語モデルの系列に対応する単語列の
音韻情報(読み)を、音声の認識結果として出力する。
【0066】より具体的には、マッチング部23は、接
続された単語モデルに対応する単語列について、各特徴
パラメータの出現確率(出力確率)を累積し、その累積
値をスコアとして、そのスコアを最も高くする単語列の
音韻情報を、音声認識結果として出力する。
【0067】以上のようにして出力される、マイク15
に入力された音声の認識結果は、状態認識情報として、
モデル記憶部51および行動決定機構部52に出力され
る。
【0068】なお、音声区間検出部27は、AD変換部
21からの音声データについて、特徴抽出部22がMF
CC分析を行うのと同様のフレームごとに、例えば、パ
ワーを算出している。さらに、音声区間検出部27は、
各フレームのパワーを、所定の閾値と比較し、その閾値
以上のパワーを有するフレームで構成される区間を、ユ
ーザの音声が入力されている音声区間として検出する。
そして、音声区間検出部27は、検出した音声区間を、
特徴抽出部22とマッチング部23に供給しており、特
徴抽出部22とマッチング部23は、音声区間のみを対
象に処理を行う。
【0069】次に、図5は、図3の音声合成部55の構
成例を示している。
【0070】テキスト生成部31には、行動決定機構部
52が出力する、音声合成の対象とするテキストを含む
行動指令情報が供給されるようになっており、テキスト
生成部31は、辞書記憶部36や生成用文法記憶部37
を参照しながら、その行動指令情報に含まれるテキスト
を解析する。
【0071】即ち、辞書記憶部36には、各単語の品詞
情報や、読み、アクセント等の情報が記述された単語辞
書が記憶されており、また、生成用文法記憶部37に
は、辞書記憶部36の単語辞書に記述された単語につい
て、単語連鎖に関する制約等の文法規則が記憶されてい
る。そして、テキスト生成部31は、この単語辞書およ
び文法規則に基づいて、そこに入力されるテキストの形
態素解析や構文解析等の解析を行い、後段の規則合成部
32で行われる規則音声合成に必要な情報を抽出する。
ここで、規則音声合成に必要な情報としては、例えば、
ポーズの位置や、アクセントおよびイントネーションを
制御するための情報その他の韻律情報や、各単語の発音
等の音韻情報などがある。
【0072】テキスト生成部31で得られた情報は、規
則合成部32に供給され、規則合成部32は、音素片記
憶部38を用いて、テキスト生成部31に入力されたテ
キストに対応する合成音の音声データ(ディジタルデー
タ)を生成する。
【0073】即ち、音素片記憶部38には、例えば、C
V(Consonant, Vowel)や、VCV、CVC等の形で音素
片データが記憶されており、規則合成部32は、テキス
ト生成部31からの情報に基づいて、必要な音素片デー
タを接続し、さらに、ポーズ、アクセント、イントネー
ション等を適切に付加することで、テキスト生成部31
に入力されたテキストに対応する合成音データを生成す
る。
【0074】この音声データは、データバッファ33に
供給される。データバッファ33は、規則合成部32か
ら供給される合成音データを記憶する。
【0075】出力制御部34は、定期的または不定期
に、モデル記憶部51(図3)に記憶された感情モデル
等をチェックし、その感情モデル等に基づいて、データ
バッファ33に記憶された合成音データの出力を制御す
る。
【0076】即ち、出力制御部34は、感情モデルの値
(感情モデル値)が、ある条件を満たすとき、データバ
ッファ33に記憶された合成音データを読み出し、DA
(Digital Analogue)変換部35に供給する。この場
合、DA変換部35は、ディジタル信号としての合成音
データを、アナログ信号としての音声信号にD/A変換
する。この音声信号は、スピーカ18に供給され、これ
により、テキスト生成部31に入力されたテキストに対
応する合成音が出力される。
【0077】また、出力制御部34は、感情モデル値
が、他の条件を満たすとき、データバッファ33に記憶
された合成音データの読み出しを停止する。この場合、
スピーカ18からの合成音の出力は停止する。
【0078】また、出力制御部34は、感情モデル値
が、さらに他の条件を満たすとき、データバッファ33
に記憶された合成音データの読み出しを停止し、その
後、データバッファ33に記憶された合成音データの読
み出しを再開する。この場合、スピーカ18からの合成
音の出力は、一旦停止され、その後、再開される。
【0079】なお、テキスト生成部31および規則合成
部32も、出力制御部34と同様に、モデル記憶部51
(図3)に記憶された感情モデルの値(感情モデル値)
や本能モデルの値(本能モデル値)をチェックするよう
になっており、この感情モデル値や本能モデル値を考慮
して処理を行うようになっている。
【0080】次に、図6のフローチャートを参照して、
図5の音声合成部55による音声合成処理について説明
する。
【0081】行動決定機構部52が、音声合成の対象と
するテキストを含む行動指令情報を、音声合成部55に
出力すると、テキスト生成部31は、ステップS1にお
いて、その行動指令情報を受信し、ステップS2に進
む。ステップS2では、テキスト生成部31および規則
合成部32において、モデル記憶部51を参照すること
で、感情モデル値や本能モデル値が認識(チェック)さ
れ、ステップS3に進む。
【0082】ステップS3では、テキスト生成部31に
おいて、行動決定機構部52からの行動指令情報に含ま
れるテキストから、実際に合成音として出力するテキス
ト(以下、適宜、発話テキストという)を生成する際に
用いる語彙(発話語彙)が、感情モデル値や本能モデル
値に基づいて設定され、ステップS4に進む。ステップ
S4では、テキスト生成部31において、ステップS3
で設定された発話語彙を用いて、行動指令情報に含まれ
るテキストに対応する発話テキストが生成される。
【0083】即ち、行動決定機構部52からの行動指令
情報に含まれるテキストは、例えば、標準的な感情およ
び本能の状態における発話を前提としたものとなってお
り、ステップS4では、そのテキストが、ロボットの感
情や本能の状態を考慮して修正され、これにより、発話
テキストが生成される。
【0084】具体的には、例えば、行動指令情報に含ま
れるテキストが、「何ですか」である場合において、ロ
ボットの感情の状態が「怒っている」ことを表している
ときには、その怒りを表現する「何だよ!」が、発話テ
キストとして生成される。あるいは、また、例えば、行
動指令情報に含まれるテキストが、「やめて下さい」で
ある場合において、ロボットの感情の状態が「怒ってい
る」ことを表しているときには、その怒りを表現する
「やめろ!」が、発話テキストとして生成される。
【0085】そして、ステップS5に進み、テキスト生
成部31は、発話テキストを対象に、形態素解析や構文
解析等のテキスト解析を行い、その発話テキストについ
て規則音声合成を行うのに必要な情報としての、ピッチ
周波数や、パワー、継続時間長等の韻律情報を生成す
る。さらに、テキスト生成部31は、発話テキストを構
成する各単語の発音等の音韻情報も生成する。ここで、
ステップS5では、発話テキストの韻律情報として、標
準的な韻律情報が生成される。
【0086】その後、テキスト生成部31は、ステップ
S6において、ステップS5で設定した発話テキストの
韻律情報を、ロボットの感情や本能の状態に基づいて修
正し、これにより、発話テキストが合成音で出力される
ときの感情表現が高められる。
【0087】テキスト生成部31で得られた発話テキス
トの音韻情報および韻律情報は、規則合成部32に供給
され、規則合成部32では、ステップS7において、そ
の音韻情報および韻律情報にしたがい、規則音声合成が
行われることにより、発話テキストの合成音のディジタ
ルデータ(合成音データ)が生成される。ここで、規則
合成部32でも、規則音声合成の際、感情モデル値や本
能モデル値に基づいて、ロボットの感情や本能の状態を
適切に表現するように、合成音のポーズの位置や、アク
セントの位置、イントネーション等の韻律が変更され
る。
【0088】規則合成部32で得られた合成音データ
は、ステップS8において、データバッファ33に供給
され、データバッファ33は、規則合成部32からの合
成音データを記憶する。
【0089】そして、ステップS9に進み、出力制御部
34は、モデル記憶部51に記憶された感情モデル値や
本能モデル値をチェックし、ステップS10に進む。ス
テップS10では、出力制御部34は、直前のステップ
S9においてチェックした感情モデル値や本能モデル値
に基づき、合成音の出力を中断(停止)するかどうかを
判定する。
【0090】ステップS10において、合成音の出力を
中断しないと判定された場合、ステップS11に進み、
出力制御部34は、データバッファ33から所定量(例
えば、1秒分)の合成音データを読み出し、DA変換部
35に供給する。DA変換部35では、ステップS12
において、出力制御部34からの合成音データがD/A
変換され、スピーカ18に供給されて出力される。
【0091】その後、ステップS13に進み、出力制御
部34は、データバッファ33に合成音データが記憶さ
れていないかどうか、即ち、データバッファ33が空か
どうかを判定する。ステップS13において、データバ
ッファ33が空でなく、まだ、合成音データが記憶され
ていると判定された場合、ステップS9に戻り、以下、
同様の処理が繰り返される。
【0092】従って、この場合は、規則合成部32で生
成された合成音が出力され続ける。
【0093】また、ステップS13において、データバ
ッファ33が空であると判定された場合、即ち、データ
バッファ33に記憶された合成音データの出力が完了し
た場合、処理を終了する。
【0094】一方、ステップS10において、合成音の
出力を中断すると判定された場合、ステップS14に進
み、出力制御部34は、データバッファ33をクリア
し、ステップS15に進む。ステップS15では、出力
制御部34は、必要に応じて、行動決定機構部52に対
して、音声合成の対象とするテキストを含む行動指令情
報の再出力を要求し、処理を終了する。
【0095】従って、この場合は、合成音の出力が途中
で停止される。そして、行動指令情報の再出力の要求が
行われた場合には、行動決定機構部52からの行動指令
情報の再出力を待って、ステップS1からの処理が行わ
れることにより、合成音の出力が、最初から再開され
る。
【0096】以上のような音声合成処理において、ステ
ップS10における、合成音の出力を中断するかどうか
の判定は、感情モデル値のうちの、例えば、「怒り」を
表すものに基づいて行うことができる。即ち、「怒り」
の度合いが高い場合に、合成音の出力を停止するように
することができる。
【0097】この場合、合成音が出力されている最中
に、ユーザが、ペットロボットを叩く等して、「怒り」
の度合いが高くなると、ペットロボットは、即座に合成
音の出力を停止する。従って、この場合、ペットロボッ
トが突然黙った状態となることによって、ユーザに対し
て、ペットロボットが怒った状態にあることを印象づけ
ることができる。
【0098】さらに、「怒り」の度合いが高いが、それ
ほどでもない場合には、出力制御部34において、デー
タバッファ33をクリアした後、行動決定機構部52に
対して、行動指令情報の再出力を要求するようにするこ
とができる。
【0099】この場合、「怒り」の度合いが高くなって
いることから、上述したように、テキスト生成部31で
は、「怒り」を表現する発話テキストが生成され、さら
に、規則合成部32では、「怒り」を表現する韻律が付
された合成音データが生成される。従って、この場合、
スピーカ18からは、「怒り」を表す合成音が出力さ
れ、その結果、ユーザには、ペットロボットが、いわば
怒った口調で言い直しを行ったかのような印象を与える
ことができる。
【0100】以上のように、ペットロボットの感情の状
態に基づいて、合成音の出力を制御するようにしたの
で、インタラクティブ性の高いペットロボットを実現す
ることができる。
【0101】なお、例えば、ユーザがシステムからの音
声出力中に発話を行った場合に、いわゆるバージインに
対処する必要から、システムの音声出力を中断する音声
対話システムが研究されているが、これは、ユーザによ
る音声入力を遮らないようにするためであり、感情等の
システムの内部状態に基づいて、システムの音声出力を
中断するものではない。従って、このような音声対話シ
ステムによれば、ユーザによる音声入力を妨げることを
防止することはできるが、本実施の形態におけるペット
ロボットのように、ユーザとの間のインタラクティブ性
を向上させることはできない。
【0102】以上、本発明を、エンターテイメント用の
ロボット(疑似ペットとしてのロボット)に適用した場
合について説明したが、本発明は、これに限らず、例え
ば、音声合成装置を搭載した対話システムその他に広く
適用することが可能である。また、本発明は、現実世界
のロボットだけでなく、例えば、液晶ディスプレイ等の
表示装置に表示される仮想的なロボットにも適用可能で
ある。
【0103】なお、本実施の形態においては、上述した
一連の処理を、CPU10Aにプログラムを実行させる
ことにより行うようにしたが、一連の処理は、それ専用
のハードウェアによって行うことも可能である。
【0104】ここで、プログラムは、あらかじめメモリ
10B(図2)に記憶させておく他、フロッピーディス
ク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magn
etooptical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、
磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒
体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくこ
とができる。そして、このようなリムーバブル記録媒体
を、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供し、ロ
ボット(メモリ10B)にインストールするようにする
ことができる。
【0105】また、プログラムは、ダウンロードサイト
から、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、無線
で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネ
ットといったネットワークを介して、有線で転送し、メ
モリ10Bにインストールすることができる。
【0106】この場合、プログラムがバージョンアップ
されたとき等に、そのバージョンアップされたプログラ
ムを、メモリ10Bに、容易にインストールすることが
できる。
【0107】なお、本明細書において、CPU10Aに
各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理
ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された
順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的ある
いは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいは
オブジェクトによる処理)も含むものである。
【0108】また、プログラムは、1のCPUにより処
理されるものであっても良いし、複数のCPUによって
分散処理されるものであっても良い。
【0109】次に、図5の音声合成装置55は、専用の
ハードウェアにより実現することもできるし、ソフトウ
ェアにより実現することもできる。音声合成装置55を
ソフトウェアによって実現する場合には、そのソフトウ
ェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等に
インストールされる。
【0110】そこで、図7は、音声合成装置55を実現
するためのプログラムがインストールされるコンピュー
タの一実施の形態の構成例を示している。
【0111】プログラムは、コンピュータに内蔵されて
いる記録媒体としてのハードディスク105やROM1
03に予め記録しておくことができる。
【0112】あるいはまた、プログラムは、フロッピー
(登録商標)ディスク、CD-ROM,MOディスク,DVD、磁
気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体
111に、一時的あるいは永続的に格納(記録)してお
くことができる。このようなリムーバブル記録媒体11
1は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供する
ことができる。
【0113】なお、プログラムは、上述したようなリム
ーバブル記録媒体111からコンピュータにインストー
ルする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放
送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送し
たり、LAN、インターネットといったネットワークを介
して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータで
は、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信
部108で受信し、内蔵するハードディスク105にイ
ンストールすることができる。
【0114】コンピュータは、CPU(Central Processing
Unit)102を内蔵している。CPU102には、バス1
01を介して、入出力インタフェース110が接続され
ており、CPU102は、入出力インタフェース110を
介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイ
ク等で構成される入力部107が操作等されることによ
り指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read O
nly Memory)103に格納されているプログラムを実行
する。あるいは、また、CPU102は、ハードディスク
105に格納されているプログラム、衛星若しくはネッ
トワークから転送され、通信部108で受信されてハー
ドディスク105にインストールされたプログラム、ま
たはドライブ109に装着されたリムーバブル記録媒体
111から読み出されてハードディスク105にインス
トールされたプログラムを、RAM(Random Access Memor
y)104にロードして実行する。これにより、CPU10
2は、上述したフローチャートにしたがった処理、ある
いは上述したブロック図の構成により行われる処理を行
う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応
じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、
LCD(Liquid CryStal Display)やスピーカ等で構成され
る出力部106から出力、あるいは、通信部108から
送信、さらには、ハードディスク105に記録等させ
る。
【0115】なお、本実施の形態では、行動決定機構部
52が生成するテキストから合成音を生成するようにし
たが、本発明は、あからじめ用意されたテキストから合
成音を生成する場合にも適用可能である。さらに、本発
明は、あらかじめ録音してある音声データを編集して、
目的とする合成音を生成する場合にも適用可能である。
【0116】また、本実施の形態では、ペットロボット
の感情の状態に基づいて、合成音の出力を制御するよう
にしたが、合成音の出力は、その他、例えば、本能や成
長その他のペットロボットの内部状態に基づいて制御す
ることが可能である。
【0117】
【発明の効果】以上の如く、本発明の音声合成装置およ
び音声合成方法、並びにプログラムによれば、情報処理
装置の制御にしたがって、合成音が生成される一方、情
報処理装置の内部状態に基づいて、合成音の出力が制御
される。従って、インタラクティブ性の高い合成音の出
力を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したロボットの一実施の形態の外
観構成例を示す斜視図である。
【図2】ロボットの内部構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】コントローラ10の機能的構成例を示すブロッ
ク図である。
【図4】音声認識部50Aの構成例を示すブロック図で
ある。
【図5】音声合成部55の構成例を示すブロック図であ
る。
【図6】音声合成部55による音声合成処理を説明する
フローチャートである。
【図7】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態
の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 頭部ユニット, 4A 下顎部, 10 コントロ
ーラ, 10A CPU, 10B メモリ, 15
マイク, 16 CCDカメラ, 17 タッチセン
サ, 18 スピーカ, 21 AD変換部, 22
特徴抽出部, 23 マッチング部, 24 音響モデ
ル記憶部, 25 辞書記憶部, 26文法記憶部,
27 音声区間検出部, 31 テキスト生成部, 3
2 規則合成部, 33 データバッファ, 34 出
力制御部, 35 DA変換部,36 辞書記憶部,
37 生成用文法記憶部, 38 音素片記憶部, 5
0 センサ入力処理部, 50A 音声認識部, 50
B 画像認識部, 50C 圧力処理部, 51 モデ
ル記憶部, 52 行動決定機構部, 53 姿勢遷移
機構部, 54 制御機構部, 55 音声合成部,
101 バス,102 CPU, 103 ROM, 104
RAM, 105 ハードディスク,106 出力部,
107 入力部, 108 通信部, 109 ドラ
イブ,110 入出力インタフェース, 111 リム
ーバブル記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 信英 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 狩谷 真一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 藤田 八重子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2C150 CA01 CA02 CA04 DA05 DA24 DA25 DA26 DA27 DA28 DF03 DF04 DF33 ED42 ED52 EF03 EF07 EF09 EF13 EF16 EF23 EF29 EF34 EF36 3C007 AS36 CS08 KS10 MT14 WA04 WA14 WB16 WB28 WC30 5D045 AA08 AA09 AB11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報処理装置の制御にしたがって、合成
    音を生成する音声合成装置であって、 前記情報処理装置の制御にしたがって、合成音を生成す
    る音声合成手段と、 前記情報処理装置の内部状態に基づいて、前記合成音の
    出力を制御する出力制御手段とを備えることを特徴とす
    る音声合成装置。
  2. 【請求項2】 前記出力制御手段は、前記情報処理装置
    の内部状態に基づいて、前記合成音の出力を停止するこ
    とを特徴とする音声合成装置。
  3. 【請求項3】 前記音声合成手段は、前記出力制御手段
    が前記合成音の出力を停止した後、前記情報処理装置の
    内部状態に基づいて、前記合成音を再生成し、 前記出力制御手段は、前記音声合成手段において再生成
    された前記合成音を出力することを特徴とする請求項2
    に記載の音声合成装置。
  4. 【請求項4】 前記情報処理装置は、実際の、または仮
    想的なロボットであることを特徴とする請求項1に記載
    の音声合成装置。
  5. 【請求項5】 前記出力制御手段は、前記ロボットの感
    情または本能の状態に基づいて、前記合成音の出力を制
    御することを特徴とする請求項4に記載の音声合成装
    置。
  6. 【請求項6】 情報処理装置の制御にしたがって、合成
    音を生成する音声合成方法であって、 前記情報処理装置の制御にしたがって、合成音を生成す
    る音声合成ステップと、 前記情報処理装置の内部状態に基づいて、前記合成音の
    出力を制御する出力制御ステップとを備えることを特徴
    とする音声合成方法。
  7. 【請求項7】 情報処理装置の制御にしたがって、合成
    音を生成する音声合成処理を、コンピュータに行わせる
    プログラムであって、 前記情報処理装置の制御にしたがって、合成音を生成す
    る音声合成ステップと、 前記情報処理装置の内部状態に基づいて、前記合成音の
    出力を制御する出力制御ステップとを備えることを特徴
    とするプログラム。
  8. 【請求項8】 情報処理装置の制御にしたがって、合成
    音を生成する音声合成処理を、コンピュータに行わせる
    プログラムが記録されている記録媒体であって、 前記情報処理装置の制御にしたがって、合成音を生成す
    る音声合成ステップと、 前記情報処理装置の内部状態に基づいて、前記合成音の
    出力を制御する出力制御ステップとを備えるプログラム
    が記録されていることを特徴とする記録媒体。
JP2001065072A 2001-03-08 2001-03-08 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体 Withdrawn JP2002268663A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065072A JP2002268663A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065072A JP2002268663A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002268663A true JP2002268663A (ja) 2002-09-20

Family

ID=18923791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001065072A Withdrawn JP2002268663A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002268663A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7241947B2 (en) 2003-03-20 2007-07-10 Sony Corporation Singing voice synthesizing method and apparatus, program, recording medium and robot apparatus
JP2007213190A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Advanced Telecommunication Research Institute International コミュニケーションロボット改良システム
JP2011115936A (ja) * 2009-11-04 2011-06-16 Advanced Telecommunication Research Institute International 触覚提示付ロボット
US8072426B2 (en) 2004-08-11 2011-12-06 Pixart Imaging Inc. Interactive device capable of improving image processing
CN102596516A (zh) * 2009-07-10 2012-07-18 奥尔德巴伦机器人公司 用于产生移动机器人的情境行为的系统和方法
US8650034B2 (en) 2009-02-16 2014-02-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Speech processing device, speech processing method, and computer program product for speech processing
US9024880B2 (en) 2004-08-11 2015-05-05 Pixart Imaging Inc. Interactive system capable of improving image processing
JP2016012342A (ja) * 2014-06-05 2016-01-21 ソフトバンク株式会社 行動制御システム及びプログラム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7241947B2 (en) 2003-03-20 2007-07-10 Sony Corporation Singing voice synthesizing method and apparatus, program, recording medium and robot apparatus
US8072426B2 (en) 2004-08-11 2011-12-06 Pixart Imaging Inc. Interactive device capable of improving image processing
US8760390B2 (en) 2004-08-11 2014-06-24 Pixart Imaging Inc. Interactive device capable of improving image processing
US9024880B2 (en) 2004-08-11 2015-05-05 Pixart Imaging Inc. Interactive system capable of improving image processing
JP2007213190A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Advanced Telecommunication Research Institute International コミュニケーションロボット改良システム
US8650034B2 (en) 2009-02-16 2014-02-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Speech processing device, speech processing method, and computer program product for speech processing
CN102596516A (zh) * 2009-07-10 2012-07-18 奥尔德巴伦机器人公司 用于产生移动机器人的情境行为的系统和方法
JP2012532390A (ja) * 2009-07-10 2012-12-13 オルドウバラン、ロボティクス エス、ア 移動ロボットのコンテキスト動作を生成するためのシステムおよび方法
US9205557B2 (en) 2009-07-10 2015-12-08 Aldebaran Robotics S.A. System and method for generating contextual behaviors of a mobile robot
JP2011115936A (ja) * 2009-11-04 2011-06-16 Advanced Telecommunication Research Institute International 触覚提示付ロボット
JP2016012342A (ja) * 2014-06-05 2016-01-21 ソフトバンク株式会社 行動制御システム及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4296714B2 (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法、記録媒体、並びにプログラム
US7065490B1 (en) Voice processing method based on the emotion and instinct states of a robot
JP2002268699A (ja) 音声合成装置及び音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP2002358095A (ja) 音声処理装置および音声処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP4687936B2 (ja) 音声出力装置および音声出力方法、並びにプログラムおよび記録媒体
US7233900B2 (en) Word sequence output device
JP2001188779A (ja) 情報処理装置および方法、並びに記録媒体
JP2002116792A (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法、並びに記録媒体
JP2002318594A (ja) 言語処理装置および言語処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP2002268663A (ja) 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP4587009B2 (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法、並びに記録媒体
JP2002258886A (ja) 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP2001154693A (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法、並びに記録媒体
JP4656354B2 (ja) 音声処理装置および音声処理方法、並びに記録媒体
JP2002311981A (ja) 自然言語処理装置および自然言語処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP2004286805A (ja) 話者識別装置および話者識別方法、並びにプログラム
JP2002304187A (ja) 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP2002318590A (ja) 音声合成装置および音声合成方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP4742415B2 (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法、並びに記録媒体
JP2002189497A (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法、記録媒体、並びにプログラム
JP2002318593A (ja) 言語処理装置および言語処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP2002120177A (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法、並びに記録媒体
JP2001212779A (ja) 行動制御装置および行動制御方法、並びに記録媒体
JP2002366188A (ja) 音声認識装置および音声認識方法、並びにプログラムおよび記録媒体
JP2004258290A (ja) 音声処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080513