JP2002268197A - 位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスク - Google Patents

位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスク

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JP2002268197A
JP2002268197A JP2001064198A JP2001064198A JP2002268197A JP 2002268197 A JP2002268197 A JP 2002268197A JP 2001064198 A JP2001064198 A JP 2001064198A JP 2001064198 A JP2001064198 A JP 2001064198A JP 2002268197 A JP2002268197 A JP 2002268197A
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晴夫 小久保
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 基板の段差部にも遮光膜の成膜を均一に行う
ことができる位相シフトマスクと、その製造方法を提供
する。 【解決手段】 シフター部180と非シフター部185
が互いに隣接し、シフター部の端部から非シフタ一部の
端部までを、シフター部を形成するための凹部115の
側面部116も含め、連続して覆う遮光膜150からな
る遮光層パタンが形成されており、且つ、前記側面部が
基板110表面に向かい広がるように傾斜している基板
掘り込み型位相シフトマスクの製造方法であって、
(a)基板上に直接、シフター部を開口してレジストパ
タンを形成するレジストパタン形成工程と、(b)前記
レジストパタンを耐エッチングマスクとして、ドライエ
ッチングしてシフター部を形成するドライエッチング工
程と、(c)全面に遮光膜を形成した後、フォトエッチ
ング法により遮光層パタンを形成する遮光層パタン形成
工程とを行なう方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトマスクとそ
の製造方法に関し、特に基板掘り込み型の位相シフトマ
スクとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】より微細なレジストパターンをウエハ上
に形成するための、光リソグラフィー技術の進歩は目ざ
ましい中、投影露光装置の解像度を向上させる一手法と
して、マスク上の隣接する2箇所の透明部分を透過する
光の位相を互いに変え、パターン解像度を上げる位相シ
フト法が採られている。この方法は、隣接する透光部の
一方に位相を反転させるためのシフタとして、膜厚を
d、屈折率をn、露光波長をλとするとき、d=λ/2
(n−1)の関係を満たすように形成したマスク(以
降、位相シフトマスクと言う)を用いてウエハ上に投影
露光するもので、シフタを通過した光は隣接する他の透
光部の透過光と逆位相(180度のずれ)であるため、
パターン境界部で光強度が0となり、パターンが分離し
解像度が向上する。
【0003】上記位相シフト法による高解像度を実現す
るマスク形状としては、図4(a)に示すように、隣合
う開口部(透光部)521の片方に透明で屈折率が空気
と異なる媒質(位相シフト膜あるいはシフタとも言う)
530を設けたシフタ形成型の位相シフトマスクもある
が、このマスクの場合、基板と同一の屈折率を有する位
相シフト膜を精度良く堆積させることが困難であり、さ
らに位相シフト膜530における多重反射の問題があ
る。これらの問題を解決する位相シフトマスクとして、
透明基板をエッチング等にて掘り込んだ、基板掘り込み
型位相シフトマスク(彫り込み型位相シフトマスクとも
言う)が種々あるが、中でも、図4(b)(ロ)、図4
(c)に示す基板掘り込み型位相シフトマスクが、現
在、主流となっている。図4(b)(ロ)に示す掘り込
み型位相シフトマスクは、図4(b)(イ)に示すよう
に、途中まで基板(一般にはQzが使用される)のドラ
イエッチングを行い、更に、掘り込み部にのみウェット
エッチングを追加し、所定位相差(通常180°)を生
じるようにする片掘り型位相シフトマスクと言われるも
ので、図4(c)に示す掘り込み型位相シフトマスク
は、所定位相差(通常180°)を生じるように基板
を、図4(b)(イ)に示すように、ドライエッチング
した後に、更に、開口部全面にウェットエッチングを追
加した両掘り型位相シフトマスクと言われるものであ
る。基板を垂直にドライエッチングしただけの基板掘り
込み型位相シフトマスク(図4(b)(イ)で所定位相
差(通常180°)としたもの)では、開口部の基板掘
り込みの有無で、その透過光強度が異なるという問題が
あり、これを解決するために、図4(b)(ロ)、図4
(c)に示す基板掘り込み型位相シフトマスクが開発さ
れたものである。尚、一般に、波長λの露光光に対して
透明な屈折率nの透明基板上に、露光光を遮光する遮光
部と透光部とが形成されたパターンを有し、且つ、透光
部の透明基板部を掘り込んで、一方の凹部深さをd1、
他方の凹部深さをd2とし、d1−d2をほぼλ/2
(n−1)した、隣接する透光部を設けた位相シフトマ
スクを、基板掘り込み型の位相シフトマスクと言ってい
る。ここでは、波長λの露光光に対して透明な屈折率n
の透明基板上に、露光光を遮光する遮光部と透光部とが
形成されたパターンを有し、且つ、透光部の透明基板部
を掘り込んで、一方の凹部深さをd1、他方の凹部深さ
をd2とし、d1−d2をほぼλ/2(n−1)した、
隣接する透光部を設けた位相シフトマスクを、基板掘り
込み型位相シフトマスクと言い、d1、d2の一方が0
の場合を片掘り型の基板掘り込み型位相シフトマスクと
言う。また、ここでは、凹部深さ(掘り込み量とも言
う)d1,d2の大きい凹部側をシフター部、小さい凹
部側を非シフター部と言う。基板掘り込み型位相シフト
マスクとして、レベンソン型位相シフトマスク等が挙げ
られる。基板掘り込み型の位相シフトマスクとしては、
露光光が波長248nmのKrFエキシマレーザー用の
位相シフトマスク、露光光が波長193nmのArFエ
キシマレーザー用の位相シフトマスク、露光光が波長1
57nmのF2エキシマレーザー用の位相シフトマスク
にも適用できる。
【0004】しかし、図4(b)(ロ)や図4(c)に
示す掘り込み型位相シフトマスクの構造では、ウェット
エッチングにより遮光膜の庇525が形成されてしま
い、遮光膜の欠けや剥がれが発生しやすくなってしま
う。特にウェットエッチング後の洗浄耐性が著しくしく
低下してしまい、通常の洗浄を行うことができなくなっ
ている。また、半導体集積回路の高速化や高密度化に伴
い、今後回路パターンの微細化が進んでくると、この構
造ではウェットエッチング中に遮光膜剥がれが発生して
しまい、製造困難となることは容易に予想でき、最近で
は、この構造上の問題を解決するために、エッチング部
(シフター部)と非エッチング部(非シフター部)が互
いに隣接している基板掘り込み型位相シフトマスクで、
シフター部の端部から非シフタ一部の端部までを連続し
て覆うように遮光膜が成膜されている、図5のような構
造の基板掘り込み型位相シフトマスクが提案されてい
る。図5に示す構造のマスクであれば、遮光膜の庇がな
いために欠けや剥がれが発生せず、耐久性に優れたマス
クを作製することができる。しかし、図5のような構造
の基板掘り込み型位相シフトマスクを作製する際には、
基板の段差部にも遮光膜の成膜を均一に行う必要があ
る。尚、図5において、610は透明基板、650は遮
光層、655は透光部である。遮光膜が不均一に成膜さ
れていると、製版時の加工精度に影響が生じたり、遮光
膜の薄い部分で洗浄耐性の低下など様々な問題が発生し
てしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、エッチン
グ部(シフター部)と非エッチング部(非シフター部)
が互いに隣接している基板掘り込み型位相シフトマスク
で、シフター部の端部から非シフタ一部の端部を覆うよ
うに遮光膜が成膜されている、図5のような構造のマス
クで、且つ、基板の段差部にも遮光膜の成膜を均一に行
うことができる位相シフトマスクが求められていた。本
発明は、これに対応するもので、シフター部と非シフタ
ー部が互いに隣接し、且つ、シフター部の端部から非シ
フタ一部の端部までを、シフター部を形成するための掘
り込み部(凹部とも言う)の側面部も含め、連続して覆
う遮光膜からなる遮光層パタンが形成されている基板掘
り込み型位相シフトマスクで、基板の段差部にも遮光膜
の成膜を均一に行うことができる位相シフトマスクと、
その製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の位相シフトマス
クは、シフター部と非シフター部が互いに隣接し、シフ
ター部の端部から非シフタ一部の端部までを、シフター
部を形成するための掘り込み部(凹部とも言う)の側面
部も含め、連続して覆う遮光膜からなる遮光層パタンが
形成されている片掘り型の基板掘り込み型位相シフトマ
スクであって、前記側面部が基板表面に向かい広がるよ
うに傾斜していることを特徴とするものである。
【0007】本発明の位相シフトマスクの製造方法は、
シフター部と非シフター部が互いに隣接し、シフター部
の端部から非シフタ一部の端部までを、シフター部を形
成するための掘り込み部(凹部)の側面部も含め、連続
して覆う遮光膜からなる遮光層パタンが形成されてお
り、且つ、前記側面部が基板表面に向かい広がるように
傾斜している片掘り型の基板掘り込み型位相シフトマス
クを作製するための、位相シフトマスクの製造方法であ
って、順に、(a)基板上に直接、シフター部を開口し
てレジストパタンを形成するレジストパタン形成工程
と、(b)前記レジストパタンを耐エッチングマスクと
して、ドライエッチングしてシフター部を形成するドラ
イエッチング工程と、(c)全面に遮光膜を形成した
後、フォトエッチング法により遮光層パタンを形成する
遮光層パタン形成工程とを行なうもので、前記レジスト
パタンは、ドライエッチングにより開口幅を広げるよう
に膜減りするもので、前記ドライエッチング工程は、レ
ジストパタンの開口幅を広げながら行ない、その側面部
が基板表面に向かい広がるように傾斜させて、掘り込み
部(凹部)を形成するものであることを特徴とするもの
である。そして、上記において、レジストパタン形成工
程は、基板上に直接レジストを塗布した後、フォト描画
装置により露光描画を行い、更に現像処理を経て、レジ
ストパタンを形成するものであることを特徴とするもの
である。
【0008】
【作用】本発明の位相シフトマスクは、このような構成
にすることにより、シフター部と非シフター部が互いに
隣接し、且つ、シフター部の端部から非シフタ一部の端
部までを、シフター部を形成するための掘り込み部(凹
部)の側面部も含め、連続して覆う遮光膜からなる遮光
層パタンが形成されている片掘り型の基板掘り込み型位
相シフトマスクで、基板の段差部にも遮光膜の成膜を均
一に行うことができる位相シフトマスクの提供を可能と
している。即ち、シフター部の側面部が基板表面に向か
い広がるように傾斜していることにより、遮光膜の成膜
を均一に行なうことができる構造で、従来の図5の構造
の場合のように、遮光膜の成膜が不均一にならない。
【0009】本発明の位相シフトマスクの製造方法は、
このような構成にすることにより、遮光膜開口のシフタ
ー部と非シフター部が互いに隣接し、且つ、シフター部
の端部から非シフタ一部の端部までを、シフター部を形
成するための凹部の側面部も含め、連続して覆う遮光膜
からなる遮光層パタンが形成されている片掘り型の基板
掘り込み型位相シフトマスクで、基板の段差部にも遮光
膜の成膜を均一に行うことができる位相シフトマスクを
製造できる、位相シフトマスクの製造方法の提供を可能
としている。具体的には、(a)基板上に直接、シフタ
ー部を開口してレジストパタンを形成するレジストパタ
ン形成工程と、(b)前記レジストパタンを耐エッチン
グマスクとして、ドライエッチングしてシフター部を形
成するドライエッチング工程と、(c)全面に遮光膜を
形成した後、フォトエッチング法により遮光層パタンを
形成する遮光層パタン形成工程とを行なうもので、且
つ、前記レジストパタンは、ドライエッチングにより開
口幅を広げるように膜減りするもので、前記ドライエッ
チング工程は、レジストパタンの開口幅を広げながら行
ない、その側面部が基板表面に向かい広がるように傾斜
させて、掘り込み部(凹部)を形成するものであること
により、これを達成している。即ち、遮光膜の成膜され
ていない基板上に直接レジストを塗布し、露光、現像を
行い所望のパターンを形成し、そのまま基板エッチング
を行うもので、基板がエッチングされていくのと同時
に、レジストパタンの開口を次第に広げるもので、レジ
ストパタンの開口を次第に広げることにより、シフター
部の側面部が基板表面に向かい広がるように傾斜させる
ことができる。そして、シフター部の側面部が基板表面
に向かい広がるように傾斜していることにより、全面に
遮光層を形成する際に均一に遮光膜の形成が行なえるも
のとしている。また、基板上に直接、シフター部を開口
してレジストパタンを形成するレジストパタン形成工程
後、前記レジストパタンを耐エッチングマスクとして、
ドライエッチングしてシフター部を形成しているため、
工程短縮が図れ、コストダウンも図ることができる。
尚、従来の図4(b)(ロ)、図4(c)の基板掘り込
み型位相シフトマスクの作製の際には、クロム等からな
る遮光性のパタンを耐エッチングマスクとして用いてい
たため、その分工程が長く複雑であった。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態例を図に基づ
いて説明する。図2(i)は本発明の位相シフトマスク
の実施の形態の1例の一部断面図で、図1は本発明の位
相シフトマスクの製造方法の実施の形態の1例の一部の
工程断面図で、図2は図1に続く工程断面図で、図3
(a)は、本発明の位相シフトマスクの構造をラインア
ンドスペースパタンに適用し、投影した場合の隣接する
透光部(ライン部)のウエハ上での光強度分布を示した
図で、図3(b)はラインアンドスペースパタンの配列
を示した図である。図1〜図3中、110は基板(透明
基板とも言う)、115は掘り込み部(凹部とも言
う)、116は側面部、120はレジスト、125は開
口部、130はドライエッチング処理ガス、150は遮
光膜、155は開口、160はレジスト、165は開
口、180はシフター部(透光部)、185は非シフタ
ー部(透光部)、190は段差部、250は凹部の深さ
d1=0の透光部(ライン部ないしラインパタン部とも
言う)、250Aはウエハ上光強度、260は凹部の深
さd2の透光部(ライン部ないしラインパタン部とも言
う)、260Aはウエハ上光強度、270は透光部(ラ
イン部ないしラインパタン部とも言う)、275はマス
クの隣接するライン間ピッチ、275Aは投影像のライ
ン間ピッチ、280は遮光部(遮光膜)、290は(ウ
エハ上の)光強度プロファイル、295は閾値である。
【0011】本発明の位相シフトマスクの実施の形態の
1例を、図2(i)に基づいて説明する。本例の基板掘
り込み型位相シフトマスクは、シフター部180と非シ
フター部185が互いに隣接し、シフター部180の端
部から非シフタ一部185の端部までを、シフター部1
80を形成するための凹部115の側面部116も含
め、連続して覆う遮光膜150からなる遮光層パタンが
形成されている片掘り型の位相シフトマスクで、側面部
116が基板110の表面に向かい広がるように傾斜し
ている。基板110としては、ウエハへの投影露光の際
の露光光に透明な基板で、遮光層としては、ウエハへの
投影露光の際の露光光に対し遮光性を有する膜が用いら
れる。通常、基板110としては、石英基板、合成石英
基板が一般的で、遮光膜150としては、クロム系のも
ので、クロム単層、あるいはクロム層に必要に応じ、酸
化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等を積層して用
いる。露光光としては、波長248nmのKrFエキシ
マレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザ
ー、波長157nmのF2エキシマレーザーが用いられ
る。通常、シフター部180形成用の掘り込み部115
の深さD0は、使用する露光光の波長λとした場合、ほ
ぼλ/2(n−1)とする。ここで、λは露光光の波
長、nは基板110の屈折率である。
【0012】位相シフトマスクの絵柄としては、例え
ば、図3(b)に示すような配列のラインパターン(透
光部270)を有し、一断面が図2(i)で示される位
相シフトマスクが挙げられる。ここでは、λは露光光の
波長、nは基板の屈折率であり、隣接する透光部(ライ
ンパターン)270の一方の凹部深さを、遮光膜280
から露出した屈折率nの波長λの露光光に透明な基板部
を掘り込んで、ほぼλ/2(n−1)としてある。透光
部(ライン部)250の凹部の深さd1(掘り込みの深
さのこと)は0で、透光部(ライン部)260の凹部の
深さd2はほぼλ/2(n−1)である。
【0013】次に、本発明の位相シフトマスクの製造方
法の実施の形態の1例を、図1、図2に基づいて説明す
る。本例は、図2(i)で示される位相シフトマスクの
製造方法であり、これを以って、図2(i)に示す実施
の形態例の位相シフトマスクの製造方法の説明に代え
る。先ず、波長λの露光光に対し透明な、屈折率nの透
明基板110(図1(a))一面に、直接、通常のフォ
トリソグラフィー法により、形成する掘り込み部の形状
に合せ、所定の開口を有するレジスト膜120を形成し
(図1(b))、該レジスト膜を耐エッチングマスクと
して、ドライエッチングを行い(図1(c))、掘り込
み部115を形成する。(図1(d)) この場合、ドライエッチングは異方性で、ほぼ基板面に
直交する方向のみに掘り込み(エッチング)が進む。掘
り込む深さの管理は、位相差測定装置(レーザーテック
製MPM−248)等を用い、正確に行なうことができ
る。エッチング用ガスとしては、CF4 ガス、CFH3
等のフッ素系ガスを用い、選択的にドライエッチングし
て、所定の深さD0(通常、λ/2(n−1)に相当)
とする。尚、ウエットエッチング法は等方性で、各方向
にほぼ等しい速度で掘り込み(エッチング)が進むた
め、ここではこの方法は用いない。レジスト膜120と
しては、ドライエッチングの際に膜減りをするもので、
膜減り効果により、レジスト膜の開口部125の幅が次
第に大きくなるものを用いる。ドライエッチングの際
に、レジスト膜の開口部125の幅が次第に大きくなる
ことにより、側面部116は、基板表面に向かい広がる
ように傾斜して形成される。レジスト膜120を形成す
るためのレジストとしては、例えば、IP3500(東
京応化工業株式会社製)、THMR−M100(東京応
化工業株式会社製)等が適用でき、レジスト膜120の
露光を、レーザー描画装置(例えば、ETEC社製AL
TA3000)やフォトリピーター転写装置(例えば、
Nikon製NSR−365)で行なう。この露光の場
合、電子ビーム露光装置の場合のようなチャージアップ
の問題もない。
【0014】次いで、所定の剥離液により、レジスト膜
120を剥離除去し、洗浄処理を施した(図1(e))
後、スパッタリング法、蒸着法等により、基板110の
掘り込み部115形成側全面に遮光膜150を形成す
る。(図2(f)) 遮光膜150としては、クロム系のものが一般的で、通
常は、クロム単層、あるいはクロム層に必要に応じ、酸
化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等を積層する。
次いで、遮光膜150上に、フォトリソ法によりレジス
ト層160を所定形状に形成する。(図2(g)) 作製する位相シフトマスクのシフタ部と非シフター部領
域を開口する。レジスト層160は遮光膜150をエッ
チングする際の耐エッチングレジストとなるもので、処
理性が良く、目的とする解像性があれば特に限定はされ
ない。
【0015】次いで、レジスト膜160の開口部165
から露出した遮光膜150をエッチング除去する。(図
2(h)) エッチングは、遮光膜150としてクロム、酸化窒化ク
ロム等を用いる場合には、硝酸セリウムアンモン液、あ
るいは塩素系のガスを用いたドライエッチングでも良
い。この後、レジスト膜160を剥離除去して、洗浄処
理等を施し、目的とする基板掘り込み型位相シフトマス
クが得られる。(図2(i)) 図2(i)中、180はシフター部(透光部)、185
は非シフター部(透光部)である。
【0016】尚、図5に示す位相シフトマスクの場合に
は、図6に示すように、遮光膜750を所定形状に形成
した後に、遮光膜750とレジスト膜720を、あるい
は遮光膜750のみを耐エッチング層として基板710
のエッチングを行なうため、耐エッチング層の開口76
0の幅は変化せず、掘り込み部(凹部)の側壁が傾斜し
て形成はされない。尚、図6中、730はドライエッチ
ング処理ガスである。
【0017】
【実施例】更に、実施例を挙げて、本発明を説明する。
実施例は、図1、図2に示す製造方法にて、図2(i)
に示す一断面を示し、図3(b)に示すラインパターン
配列を有するKrF用レベンソン型の位相シフトマスク
を形成したものである。図1、図2に基づいて説明す
る。先ず、図1(a)のような合成石英基板(以下Qz
基板とも言う)からなる透明基板110(図1(a))
の一面上に、レジストIP3500(東京応化工業株式
会社製)を塗布し、レーザー描画装置(ETEC社製A
LTA3000)で露光し、無機アルカリ現像液で現像
し、所定形状にレジスト膜120を形成した。(図1
(b))次いで、シフター部を形成するためにCF4
スを用いドライエッチングし(図1(c))180°の
位相差分までエッチングして、掘り込み部115を形成
した。(図1(d)) このとき、基板110部のエッチングと同時にレジスト
膜120も膜減りしていくため、時間とともに開口幅パ
ターンが広がっていき、図1(d)のように掘り込み部
115の側壁116が表面に向かい広がるように傾斜し
た状態でエッチングが仕上がる。次いで、レジスト膜1
20を剥離し、洗浄処理を施した(図1(e))後、基
板110の掘り込み部115形成側面全体に、クロム
膜、酸化クロム膜を、それぞれ、110nm,数nm
(6〜8nm程度)にスパッタリング法により成膜し、
遮光膜150を形成した。(図2(f)) 側壁部116を含み全面に、基板110の表面平坦部や
掘り込み部115の底面部と同様に遮光膜150が均一
に成膜された。次いで、遮光膜150上に、レジストZ
EP(日本ゼオン株式会社製)を塗布し、電子ビーム描
画装置HL800(日立株式会社製)で描画し、無機ア
ルカリ現像液で現像し、所定形状にレジスト膜160を
形成した。(図2(g)) 次いで、レジスト膜160の開口部165から露出した
酸化クロム及びクロムからなる遮光膜150に対し塩素
を主成分とするエッチャントにてドライエッチングを行
なった。(図2(h)) 次いで、レジスト膜を所定の剥離液で剥離して、洗浄処
理を施し、図2(i)に示す本発明の片掘り型の基板掘
り込み型位相シフトマスクを作製した。これにより、図
3(b)に示す、掘り込み部のラインパターン(透光
部)260の遮光膜280の開口サイズを0. 6μmと
し、且つ、掘り込みをいれない(凹部深さを0の)ライ
ンパターン(透光部)250の遮光膜280の開口サイ
ズを0. 6μmとし、これら開口のピッチを1. 2μm
とした位相シフトマスクを得た。
【0018】このようにして、得られた片掘り型の基板
掘り込み型位相シフトマスクを用い、ウエハ上に投影露
光を行なったが、現像後、マスクの掘り込み部のライン
パターン(透光部)260のレジスト像と、マスクの掘
り込みをいれない(凹部深さ0の)ラインパターン(透
光部)250のレジスト像は、同じ寸法で形成された。
ウエハ上の光強度を、レーザテック社製のシュミレータ
MSM100等を用いて測定した結果、図3(a)のよ
うになった。ウエハ上の光強度プロファイル290は、
図3(a)のようになり、ラインパターン部(透光部)
250、260にそれぞれ対応する、隣接するラインパ
ターンのウエハ上の光強度250A,260Aには、ほ
とんど差がみられなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明は、上記のように、シフター部と
非シフター部が互いに隣接し、且つ、シフター部の端部
から非シフタ一部の端部までを、シフター部を形成する
ための掘り込み部(凹部)の側面部も含め、連続して覆
う遮光膜からなる遮光層パタンが形成されている片掘り
型の基板掘り込み型位相シフトマスクで、基板の段差部
にも遮光膜の成膜を均一に行うことができる位相シフト
マスクと、その製造方法の提供を可能とした。また、そ
の製造方法は、基板上に直接、シフター部形成領域を開
口してレジストパタンを形成するレジストパタン形成工
程後、前記レジストパタンを耐エッチングマスクとし
て、ドライエッチングしてシフター部を形成しているた
め、従来に比べ、工程短縮と、コストダウンを可能とし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相シフトマスクの製造方法の実施の
形態の1例の一部の工程断面図
【図2】図2(f)〜図2(i)は図1に続く工程断面
図で、図2(i)は本発明の位相シフトマスクの実施の
形態の1例の一部断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の位相シフトマスクの構
造をラインアンドスペースパタンに適用し、投影した場
合の隣接する透光部(ライン部)のウエハ上での光強度
分布を示した図で、図3(b)はラインアンドスペース
パタンの配列を示した図である。
【図4】従来の位相シフトマスクを説明するための一部
断面図
【図5】従来の掘り込み型の位相シフトマスクの一部断
面図
【図6】本例の掘り込み型の位相シフトマスクの製造方
法とは別の作製途中の一部断面図
【符号の説明】
110 基板(透明基板とも言う) 115 掘り込み部(凹部とも言う) 116 側面部 120 レジスト 125 開口部 130 ドライエッチング処理ガス 150 遮光膜 155 開口 160 レジスト 165 開口 180 シフター部(透光部) 185 非シフター部(透光部) 190 段差部 250 凹部の深さd1=0の透光部
(ライン部ないしラインパタン部とも言う) 250A ウエハ上光強度 260 凹部の深さd2の透光部(ライ
ン部ないしラインパタン部とも言う) 260A ウエハ上光強度 270 透光部(ライン部ないしライン
パタン部とも言う) 275 マスクの隣接するライン間ピッ
チ 275A 投影像のライン間ピッチ 280 遮光部(遮光膜) 290 (ウエハ上の)光強度プロファイ
ル 295 閾値 510 透明基板 520 遮光膜 521 開口部(透光部) 522、522A 開口部(透光部) 523、523A 開口部(透光部) 524、524A 開口部(透光部) 525 庇 530 シフタ 540、545、547 掘り込み部(凹部とも言う) 710 基板 720 レジスト膜 730 ドライエッチング処理ガス 750 遮光膜 760 開口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シフター部と非シフター部が互いに隣接
    し、シフター部の端部から非シフタ一部の端部までを、
    シフター部を形成するための掘り込み部(凹部)の側面
    部も含め、連続して覆う遮光膜からなる遮光層パタンが
    形成されている片掘り型の基板掘り込み型位相シフトマ
    スクであって、前記側面部が基板表面に向かい広がるよ
    うに傾斜していることを特徴とする位相シフトマスク。
  2. 【請求項2】 シフター部と非シフター部が互いに隣接
    し、シフター部の端部から非シフタ一部の端部までを、
    シフター部を形成するための掘り込み部(凹部)の側面
    部も含め、連続して覆う遮光膜からなる遮光層パタンが
    形成されており、且つ、前記側面部が基板表面に向かい
    広がるように傾斜している片掘り型の基板掘り込み型位
    相シフトマスクを作製するための、位相シフトマスクの
    製造方法であって、順に、(a)基板上に直接、シフタ
    ー部を開口してレジストパタンを形成するレジストパタ
    ン形成工程と、(b)前記レジストパタンを耐エッチン
    グマスクとして、ドライエッチングしてシフター部を形
    成するドライエッチング工程と、(c)全面に遮光膜を
    形成した後、フォトエッチング法により遮光層パタンを
    形成する遮光層パタン形成工程とを行なうもので、前記
    レジストパタンは、ドライエッチングにより開口幅を広
    げるように膜減りするもので、前記ドライエッチング工
    程は、レジストパタンの開口幅を広げながら行ない、そ
    の側面部が基板表面に向かい広がるように傾斜させて、
    掘り込み部(凹部)を形成するものであることを特徴と
    する位相シフトマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、レジストパタン形成
    工程は、基板上に直接レジストを塗布した後、フォト描
    画装置により露光描画を行い、更に現像処理を経て、レ
    ジストパタンを形成するものであることを特徴とする位
    相シフトマスクの製造方法。
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