JP2002267387A - 熱交換器及びプレス加工品の製造方法 - Google Patents
熱交換器及びプレス加工品の製造方法Info
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Abstract
確保する。 【解決手段】 突起部125、127をプレス加工にて
タンクプレート123、124に一体成形する。なお、
プレス加工(パンチにてタンクプレート123、124
を押圧する際)は、突起部125、127の根元側に対
応する部位において、タンクプレート123、124の
一部が突起部125、127の根元から遠ざかるように
広がって塑性流動してしまうことを規制した状態で行
う。これにより、突起部125、127の根元部に穴の
ないタンクプレート123、124を得ることができる
ので、ヘッダタンク120(タンク本体120a)の液
密性(密閉性)を安定的に確保することができる。
Description
ヘッダタンクに設けられた突起部(プレス加工品)の製
造方法に関するものである。
の構造として、例えば特開2000−220988号公
報に記載の発明(図10参照)では、筒状のタンク本体
を構成する第1、2タンク部材P1、P2のうち一方側
にツメ部1を設け、他方側に穴部2を設けるとともに、
ツメ部1を穴部2に嵌合させた状態で両タンク部材P
1、P2をろう付けしている。
載の発明では、タンク部材P1の一部を切り起こすこと
によりツメ部1を形成しているので、ツメ部1の根元側
に必然的に切り起こし穴3が形成されてしまう。
すように、ツメ部の周囲と穴部の周囲とを接合するフィ
レット(ろう材の固まり)により閉塞される構造である
ので、フィレット部分でのろう付け不良(ろう切れ)が
僅かでも発生すると、ヘッダタンクの液密性(密閉性)
を確保することが難しい。
液密性(密閉性)を安定的に確保することを目的とす
る。
成するために、請求項1に記載の発明では、流体が流通
する複数本のチューブ(111)と、チューブ(11
1)の長手方向両端側に配設され、チューブ(111)
の長手方向と直交する方向に延びて複数本のチューブ
(111)と連通するタンク本体(120a)を有して
構成されたヘッダタンク(120)とを備え、タンク本
体(120a)は、所定形状に成形された少なくとも2
枚のプレート(123、124)をろう付け接合するこ
とにより構成されており、さらに、2枚のプレート(1
23、124)のうち一方側のプレート(123、12
4)には、その表面から突出する突起部(125、12
7)が一体形成され、他方側のプレート(123、12
4)には、突起部(125、127)が挿入された穴部
(126、128)が形成されており、突起部(12
5、127)の根元部全周は、プレート(123、12
4)の表面から連続して繋がっていることを特徴とす
る。
根元部に穴のないプレート(123、124)を得るこ
とができるので、「発明が解決しようとする課題」の欄
で述べたような、フィレット部分でのろう付け不良(ろ
う切れ)を考慮する必要がない。したがって、ヘッダタ
ンク(120)(タンク本体(120a))の液密性
(密閉性)を安定的に確保することができる。
項2に記載の発明のごとく、プレート(123、12
4)の一部を塑性流動させることにより成形することが
望ましい。
起部(125、127)の先端側には、突起部(12
5、127)の突出方向と交差する方向に突出したフラ
ンジ突起(125a、127a)を一体成形し、さら
に、穴部(126、128)をダルマ穴状とすることが
望ましい。
材を塑性流動させることにより母材を所定形状に成形す
るものであるが、図8に示すように、パンチ(210)
にて母材を押圧した際に、母材の一部は、ダイス(20
0)の穴部(201)内に塑性流動することなく、パン
チ(210)の押圧方向(D)と直交する方向(穴部
(201)の外周側)に塑性流動(逃げて)しまうの
で、一般的に、突出寸法が大きい突起部をプレス加工に
て一体成形することが難しい。
明のごとく、突起部(125、127)の根元側に対応
する部位において、プレート(123、124)の一部
が突起部(125、127)の根元から遠ざかるように
広がって塑性流動してしまうことを規制した状態でプレ
ス工程を施工すれば、母材(プレート(123、12
4))の一部が、パンチ(210)の押圧方向(D)と
直交する方向(穴部(201)の外周側)に塑性流動
(逃げて)しまうことを抑制できるので、突出寸法が大
きい突起部(125、127)であっても、容易にプレ
ス加工にて一体成形することができる。
ては、請求項6に記載の発明のごとく、ダイス(20
0)のうち穴部(201)の外周側に、パンチ(21
0)側に突出してプレート(123、124)の塑性流
動を規制する規制用突起部(2021)が設けられたダ
イス(200)を用いてプレス工程を施工することが望
ましい。
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
換器を車両走行用のエンジンの冷却水を冷却するラジエ
ータに適用したものであって、図1は本実施形態に係る
ラジエータ100の斜視図である。
に、その断面形状が扁平状(長円状)に形成されたアル
ミニウム製のチューブであり、これら複数本のチューブ
111間には波状(コルゲート状)に形成されたアルミ
ニウム製のフィン112が配設されており、このフィン
112及びチューブ111により冷却水と大気との間で
熱交換を行うコア部110が構成されている。
(図1の左側)には、チューブ111の長手方向と直交
する方向に延びるとともに、複数本のチューブ111と
連通して各チューブ111に冷却水を分配供給する第1
ヘッダタンク121が設けられ、他端側には、第1ヘッ
ダタンク121と同様に、複数本のチューブ111と連
通して各チューブ111から流出する冷却水を集合回収
する第2ヘッダタンク122が設けられている。なお、
両ヘッダタンク121、122は、同一構造であり、以
下、特に断りがない限り、両ヘッダタンク121、12
2を総称してヘッダタンク120と呼ぶ。
出側に接続される流入側ジョイント部であり、122a
はエンジンの冷却水流入側に接続される流出側ジョイン
ト部である。
示すように、チューブ111がろう付け接合されて、そ
の断面形状が略J字状にプレス形成された第1タンクプ
レート123と、断面形状が略J字状に形成され、か
つ、第1タンクプレート123と共に各筒状のタンク空
間(タンク本体120a)を形成する第2タンクプレー
ト124とを有して構成されている。因みに、ヘッダタ
ンク120の長手方向両端側は、図1に示すように、キ
ャップ125aにより閉塞されている。
第2タンクプレート124に接合される部位には、図3
(a)に示すように、プレス成形にて第1タンクプレー
ト一体成形された第1突起部125が形成され、一方、
第2タンクプレート124のうち第1突起部125に対
応する部位には、第1突起部125が挿入される第1穴
部126が形成されている。
うち第1タンクプレート123に接合される部位には、
第1タンクプレート123側に向けて突出した第2突起
部(突起部)127が形成され、一方、第1タンクプレ
ート124のうち第2突起部127に対応する部位に
は、第2突起部127が挿入される第2穴部128が形
成されている。
端側には、図4(a)に示すように、第1、2突起部1
25、127の突出方向と交差する方向に突出したフラ
ンジ突起125a、127aが一体成形されており、本
実施形態では、第1、2突起部125、127の先端を
押し潰すようにして第1、2突起部125、127の一
部を塑性流動させることにより一体形成している。
4(b)に示すように、フランジ突起125a、127
aより大きい穴径D1を有する大径部126a、128
a、及びフランジ突起125a、127aより小さい穴
径D2を有する小径部126b、128bからなるダル
マ穴状のものである。
(a)〜(c)に示すように、第1タンクプレート12
3を第2タンクプレート124に対してヘッダタンク1
20の長手方向に相対的に平行移動(スライド)させる
ことにより、両突起部125、127を両穴部126、
128に嵌合固定されている。
穴部126、128に嵌合固定され状態においては、両
突起部125、127は両穴部126、128の小径部
126b、128bに位置するので、図5に示すよう
に、第1、2タンクプレート123、124が互いに係
合した状態となる。
ト123、124を表裏両面にろう材が被覆(クラッ
ド)されたアルミニウム製のクラッド材にプレス加工に
施して成形するとともに、前述のごとく、両タンクプレ
ート123、124を係合固定した状態で、キャップ1
25及びチューブ111等と共に炉内で加熱されてろう
付け接合する。
ついて述べる。
特徴を示す説明図である。図6中、200は突起部12
5、127の外形状に沿った穴部201を有するダイス
であり、210はタンクプレート123、124プレー
ト(123、124)の一部をダイス200側に押圧す
るパンチであり、このパンチ210及びダイス200に
よりタンクプレート123、124の一部を塑性流動さ
せるプレス工程を施工する。
周側全域には、パンチ210側に突出してタンクプレー
ト123、124の塑性流動を規制する規制用突起部
(拘束用突起部)202が設けられており、この規制用
突起部202により、プレス工程時(パンチ210にて
タンクプレート123、124を押圧する際)に、突起
部125、127の根元側に対応する部位において、タ
ンクプレート123、124の一部が突起部125、1
27の根元から遠ざかるように広がって塑性流動してし
まうが規制される。
は、突起部125、127を成形するプレス加工の終了
後、その先端を押し潰すようにプレス加工を施すことに
より成形される。
り後)の突起部125、127を示す断面図であり、タ
ンクプレート123、124のうちパンチ210側(突
起部125、127と反対側)は、パンチ210により
押圧されてタンクプレート123、124の一部が塑性
流動して凹部123a、124aが形成され、この凹部
123a、124aに相当する量が塑性流動して突起部
125、127が成形される。また、突起部125、1
27の外周側全域には、規制用突起部202により形成
された環状の凹部123b、124bが形成される。
べる。
ート123、124を係合固定する突起部125、12
7をプレス加工で成形して突起部125、127をタン
クプレート123、124と一体に形成しているので、
図7に示すように、突起部125、127の根元部全周
は、タンクプレート123、124の表面から連続して
繋がった形状となり、突起部125、127の根元部に
穴のないタンクプレート123、124を得ることがで
きる。
題」の欄で述べたような、フィレット部分でのろう付け
不良(ろう切れ)を考慮する必要がないので、ヘッダタ
ンク120(タンク本体120a)の液密性(密閉性)
を安定的に確保することができる。
材(この場合は、タンクプレート123、124)を塑
性流動させることにより母材を所定形状に成形するもの
であるが、図8に示すように、パンチ210にて母材を
押圧した際に、母材の一部は、ダイス200の穴部20
1内に塑性流動することなく、パンチ210の押圧方向
Dと直交する方向(穴部201の外周側)に塑性流動
(逃げて)しまうので、一般的に、突出寸法が大きい突
起部をプレス加工にて一体成形することが難しい。
起部125、127の突出寸法h(図7参照)が、タン
クプレート123、124の肉厚寸法t(図7参照)よ
り大きいプレス成形品においては、図8に示すような手
段では、プレス加工にて突起部125、127をタンク
プレート123、124から一体成形することは、極め
て困難である。
起部202により、突起部125、127の根元側に対
応する部位において、タンクプレート123、124の
一部が突起部125、127の根元から遠ざかるように
広がって塑性流動してしまうことを規制した状態でプレ
ス工程を施工するので、母材(タンクプレート123、
124)の一部が、パンチ210の押圧方向Dと直交す
る方向(穴部201の外周側)に塑性流動(逃げて)し
まうことを抑制できる。したがって、突出寸法hが大き
い突起部125、127であっても、容易にプレス加工
にて一体成形することができる。
置、パンチ210の押圧面積及びパンチ210の押圧量
は、図9に示すような関係になっていることが望まし
い。具体的には、ダイス200の穴部201の相当直径
をAとし、パンチ210の押圧面積の相当直径をBと
し、規制用突起部202の位置を示す相当直径をCとし
たときに、B=(1.2〜3)×Aを満たし、かつ、C
=(1.2〜1.5)×Bを満たし、かつ、h1=
(0.3〜0.6)×tを満たすようにする。
は、本発明に係るプレス品の製造方法をラジエータのヘ
ッダタンクタンク120に設けられた突起部125、1
27の成形に用いたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、その他のプレス成形品に適用することができ
る。
5、127の突出寸法hが、タンクプレート123、1
24の肉厚寸法tより大きいプレス成形品であったが、
本発明はこれに限定されるものではない。
て突起部125、127を成形したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、切削加工やキャストにて突起
部125、127を成形してもよい。
タ)の斜視図である。
である。
付けを示す説明図である。
の突起部及び穴部の断面図であり、(b)は本発明の実
施形態に係るヘッダタンクの突起部及び穴部の上面図で
ある。
向と直交する方向におけるヘッダタンクの断面図であ
る。
の製造方法を示す説明図である。
の断面図である。
方法を示す説明図である。
の断面図である。
起部の嵌合状態を示す断面図であり、(b)は従来の技
術に係るヘッダタンクの突起部の嵌合状態を示す上面図
である。
部分の拡大図である。
起部。
Claims (6)
- 【請求項1】 流体が流通する複数本のチューブ(11
1)と、前記チューブ(111)の長手方向両端側に配
設され、前記チューブ(111)の長手方向と直交する
方向に延びて前記複数本のチューブ(111)と連通す
るタンク本体(120a)を有して構成されたヘッダタ
ンク(120)とを備え、 前記タンク本体(120a)は、所定形状に成形された
少なくとも2枚のプレート(123、124)をろう付
け接合することにより構成されており、 さらに、前記2枚のプレート(123、124)のうち
一方側のプレート(123、124)には、その表面か
ら突出する突起部(125、127)が一体形成され、
他方側のプレート(123、124)には、前記突起部
(125、127)が挿入された穴部(126、12
8)が形成されており、 前記突起部(125、127)の根元部全周は、前記プ
レート(123、124)の表面から連続して繋がって
いることを特徴とする熱交換器。 - 【請求項2】 前記突起部(125、127)は、前記
プレート(123、124)の一部を塑性流動させるこ
とにより成形されていることを特徴とする請求項1に記
載の熱交換器。 - 【請求項3】 前記突起部(125、127)の先端側
には、前記突起部(125、127)の突出方向と交差
する方向に突出したフランジ突起(125a、127
a)が一体成形されており、 さらに、前記穴部(126、128)は、前記フランジ
突起(125a、127a)より大きい穴径(D1)を
有する大径部(126a、128a)、及び前記フラン
ジ突起(125a、127a)より小さい穴径(D2)
を有する小径部(126b、128b)からなるダルマ
穴状のものであることを特徴とする請求項1又は2に記
載の熱交換器。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1つに記載
された突起部(125、127)の製造方法であって、 前記突起部(125、127)の外形状に沿った穴部
(201)を有するダイス(200)に向けて前記プレ
ート(123、124)の一部をパンチ(210)にて
押圧し、前記プレート(123、124)の一部を塑性
流動させるプレス工程を有し、 前記突起部(125、127)の根元側に対応する部位
において、前記プレート(123、124)の一部が前
記突起部(125、127)の根元から遠ざかるように
広がって塑性流動してしまうことを規制した状態で、前
記プレス工程を施工することを特徴とするプレス加工品
の製造方法。 - 【請求項5】 金属製のプレート(123、124)か
ら突出した突起部(125、127)が、前記プレート
(123、124)にプレス加工にて一体形成されたプ
レス加工品の製造方法であって、 前記突起部(125、127)の外形状に沿った穴部
(201)を有するダイス(200)に向けて前記プレ
ート(123、124)の一部をパンチ(210)にて
押圧し、前記プレート(123、124)の一部を塑性
流動させるプレス工程を有し、 前記突起部(125、127)の根元側に対応する部位
において、前記プレート(123、124)の一部が前
記突起部(125、127)の根元から遠ざかるように
広がって塑性流動してしまうことを規制した状態で、前
記プレス工程を施工することを特徴とするプレス加工品
の製造方法。 - 【請求項6】 前記ダイス(200)のうち前記穴部
(201)の外周側に、前記パンチ(210)側に突出
して前記プレート(123、124)の塑性流動を規制
する規制用突起部(2021)が設けられた前記ダイス
(200)を用いて、前記プレス工程を施工することを
特徴とする請求項4又は5に記載のプレス加工品の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001070868A JP4543568B2 (ja) | 2001-03-13 | 2001-03-13 | 熱交換器及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP4543568B2 JP4543568B2 (ja) | 2010-09-15 |
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-
2001
- 2001-03-13 JP JP2001070868A patent/JP4543568B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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