JP2002266297A - 障子紙およびその製造方法 - Google Patents

障子紙およびその製造方法

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JP2002266297A
JP2002266297A JP2001060521A JP2001060521A JP2002266297A JP 2002266297 A JP2002266297 A JP 2002266297A JP 2001060521 A JP2001060521 A JP 2001060521A JP 2001060521 A JP2001060521 A JP 2001060521A JP 2002266297 A JP2002266297 A JP 2002266297A
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diatomaceous earth
shoji
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JP2001060521A
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English (en)
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Rikio Imamura
力男 今村
Masayuki Kamite
正行 上手
Katsuyoshi Mizutani
勝義 水谷
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YAMAICHI WASHI KOGYO KK
Misawa Homes Co Ltd
Misawa Ceramics Corp
Original Assignee
YAMAICHI WASHI KOGYO KK
Misawa Homes Co Ltd
Misawa Ceramics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、十分な光触媒活性を有するととも
に、十分な耐久性、透光性及び通気性を有する障子紙を
提供するものである。 【解決手段】 障子紙1は、光触媒活性酸化チタンを含
有しない紙基材層2と、紙基材層2の両面に、光触媒活
性酸化チタン担持珪藻土粒子5を含有する紙表面層4
a,4bを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒活性酸化チ
タンを含有する障子紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、多くの光触媒活性を有する光
触媒活性酸化チタン含有紙が提案されている。これらの
多くは、紙に直接酸化チタンを含有しており、酸化チタ
ンの酸化作用により紙自体が劣化するため耐久性に問題
がある。そこで、光触媒の酸化作用による劣化を抑制し
た酸化チタン含有紙が提案されている。具体的には、特
開平8−173805号公報には、無機物を含有した紙
に酸化チタンを塗布またはコーティングすることにより
作製した酸化チタン含有紙が、特開平10−12812
5号公報には、紙の表面にバインダーと酸化チタンを混
合したコーティング剤を被覆した酸化チタン含有紙が提
案されている。また、特開平10−226983号公報
には、水溶性高分子と酸化チタンの混合組成物と、製紙
用繊維とを混合抄紙して作製した酸化チタン含有紙が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平8−173
805号公報の酸化チタン担持紙では、水不溶化無機物
を紙内部全体に含有しており、通気性が低く、また、紙
の表面に存在する水不溶化無機物に酸化チタンを析出に
より付着させているので、表面における酸化チタンの存
在量が多く透光性も十分ではなくなり障子紙として使用
できるものではない。また、特開平10−128125
号公報の担持紙では、紙表面にバインダーと光触媒を含
有したコート剤が被覆されており、通気性および透光性
が十分ではなくなり障子紙として使用できるものではな
い。
【0004】また、特開平10−226983号の光触
媒内添紙では、水溶性高分子と酸化チタンを紙内部全体
に含有している。このため、長期間使用すると酸化チタ
ンにより紙全体が劣化するおそれがある。また、水溶性
高分子による通気性および透光性の低下もあり障子紙と
して使用できるものではない。そして、上記公報のすべ
ての酸化チタン担持紙は、いわゆる単層紙であり、劣化
の開始は紙全体の劣化となる。そこで、本発明の目的
は、十分な光触媒活性を有するとともに、十分な耐久
性、透光性及び通気性を有する障子紙を提供するもので
ある。具体的に本発明は、酸化チタンを含有しない紙基
材層と、酸化チタンを含有する紙表面層から構成される
障子紙を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、 (1) 光触媒活性酸化チタンを含有しない紙基材層
と、該紙基材層の少なくとも一方の面に形成された光触
媒活性酸化チタン微粒子を担持した光触媒活性酸化チタ
ン担持珪藻土粒子を含有する紙表面層とを備える障子紙
である。
【0006】(2) 上記(1)において、前記障子紙
は、前記紙基材層の両面に、前記酸化チタン担持珪藻土
粒子を含有する紙表面層を備えていることが好ましい。 (3) 上記(1)または(2)において、前記紙表面
層の坪量は、障子紙の片面において10〜20g/m
であり、かつ、該紙表面層における光触媒活性酸化チタ
ン担持珪藻土粒子含有量は、10〜50重量%であるこ
とが好ましい。 (4) 上記(1)ないし(3)のいずれかにおいて、
前記紙基材層は、補強用布帛を有しているものであるこ
とが好ましい。
【0007】上記目的を達成するものは、(5) 紙基
材層となる湿紙層を形成する紙基材湿紙層形成工程と、
光触媒活性酸化チタン微粒子を固定した酸化チタン担持
珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーを用いて形成
した紙表面層となる湿紙層を前記紙基材湿紙層形成工程
において形成された湿紙層に重ね合わせる重ね合わせ工
程と、重ね合わされた湿紙層を乾燥させる乾燥工程を備
える障子紙の製造方法である。
【0008】上記目的を達成するものは、(6) 紙基
材層となる湿紙層を形成する紙基材湿紙層形成工程と、
酸化チタン微粒子を固定した酸化チタン担持珪藻土粒子
を含有するパルプ原料スラリーを用いて形成された表面
層となる第1の湿紙層を前記紙基材湿紙層形成工程にお
いて作製された湿紙層の一方の面に重ね合わせた後、酸
化チタン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリー
を用いて形成された表面層となる第2の湿紙層を前記第
1の湿紙層を重ね合わせた湿紙層の他方の面に重ね合わ
せる重ね合わせ工程と、重ね合わされた湿紙層を乾燥さ
せる乾燥工程を備える障子紙の製造方法である。
【0009】(7) 上記(5)または(6)におい
て、前記紙基材湿紙層形成工程中に補強用布帛の供給が
行われるものであることが好ましい。
【0010】上記目的を達成するものは、(8) 光触
媒活性酸化チタン微粒子を担持した光触媒活性酸化チタ
ン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーを用い
て形成した湿紙層に紙基材を重ね合わせた後、乾燥させ
ることにより、光触媒活性酸化チタン微粒子を含有する
紙表面層を形成する紙表面層形成工程を行う障子紙の製
造方法である。
【0011】上記目的を達成するものは、(9) 酸化
チタン微粒子を固定した酸化チタン担持珪藻土粒子を含
有するパルプ原料スラリーを用いて形成された表面層と
なる第1の湿紙層を紙基材の一方の面に重ね合わせた
後、酸化チタン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料ス
ラリーを用いて形成された表面層となる第2の湿紙層を
前記第1の湿紙層を重ね合わせた前記紙基材の他方の面
に重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた積層
物を乾燥させる乾燥工程とを備える障子紙の製造方法で
ある。
【0012】(10) 上記(5)ないし(9)のいず
れかにおいて、前記酸化チタン担持珪藻土粒子を含有す
るパルプ原料スラリーの作製は、紙材を準備する工程
と、珪藻土粒子に光触媒活性酸化チタン微粒子を担持し
た光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子を準備する工程
と、該酸化チタン担持珪藻土粒子と紙材を用いてスラリ
ーを作製する工程とを備えていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の障子紙を図面に示した実
施例を用いて説明する。図1は、本発明の実施例である
障子紙の断面図である。図2は、本発明の実施例である
障子紙に使用される光触媒活性酸化チタン微粒子担持珪
藻土粒子の拡大図である。本発明の障子紙1は、酸化チ
タンを含有しない紙基材層2と、紙基材層2の少なくと
も一方の面に形成された酸化チタン微粒子6を担持した
光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子5を含有する紙表
面層4a,4bとを備えている。
【0014】特に、図1に示す実施例の障子紙1では、
紙基材層2の両面に、酸化チタン担持珪藻土粒子5を含
有する紙表面層4a,4bを備えている。障子紙の大き
さとしては、厚さが、0.1〜0.2mm、幅が90〜
100cm、長さが、3.6m以上、特に、7.2〜6
0m程度のものが好適である。なお、障子紙の大きさ、
形状などは、特に限定されるものではない。また、障子
紙の重量(坪量)は、実用的には50〜80g/m
度が好適である。
【0015】本発明の障子紙の紙基材層は、主として、
木材パルプ、天然パルプ、古紙パルプもしくはその混合
物により作製されている。紙基材層の重量(坪量)は、
強度等を考慮すれば40〜60g/m程度が好適であ
る。原紙配合は木材パルプもしくは天然パルプ100〜
60%、古紙パルプ0〜40%程度が好ましい。より高
い強度を有するものとするためには、古紙パルプを含有
しないことが好ましい。木材パルプとしては、針葉樹晒
クラフトパルプ(NBKP)を用いることが好適であ
る。また、古紙パルプはリサイクル促進のために配合す
るが、これは障子紙のコストダウンにもつながる。そし
て、古紙パルプは、脱墨したものが使用される。
【0016】本発明の障子紙の紙表面層4a,4bは、
酸化チタン担持珪藻土粒子5とパルプ材等を用いて抄紙
することにより形成されている。そして、酸化チタン担
持珪藻土粒子5は、珪藻土粒子15に光触媒活性酸化チ
タン微粒子6が固定されることにより作製されている。
パルプ材としては、主として、木材パルプ、天然パルプ
もしくはその混合物が用いられる。紙表面層の坪量は特
に限定されないが、障子紙の片面において10〜20g
/m程度が好適である。
【0017】また、紙基材層及び紙表面層は、上述した
パルプ材にマニラ麻、楮等の天然繊維、レーヨン、キュ
プラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリエ
ステル繊維、アクリル繊維、ビニロン等の合成繊維を混
合して作製してもよく、また、上述した繊維もしくはそ
れらの混合物により作製されていてもよい。また、パル
プ材に上述した繊維のうち、特に、ポリエステル繊維、
アクリル繊維を混合することにより障子紙の強度は高く
なる。また、紙表面層及び紙基材層が天然繊維以外の長
繊維(半合成繊維、合成繊維)を含む場合は、層中の繊
維同士を互いに結合させるため、紙表面層及び紙基材層
には接着剤が添加されていることが好ましい。接着剤と
しては、粉末状もしくは繊維状低融点PVA(メルティ
ングポイント70〜80゜C)等であることが好まし
い。
【0018】また、紙表面層には、長繊維と酸化チタン
担持珪藻土とのバインダーとして接着剤が添加されてい
ることが好ましい。また、紙表面層には、紙基材層との
層間剥離を防止するためにも接着剤が添加されているこ
とが好ましい。また、層間剥離をより確実に防止するた
め紙表面層及び紙基材層の両面に接着剤が添加されてい
てもよい。これらの接着剤としては、上述したものであ
ることが好ましい。なお、上記層中の繊維同士を結合さ
せるための接着剤、バインダーとしての接着剤、層間剥
離を防止するための接着剤は、いずれも他の接着剤を兼
ねてもよい。
【0019】光触媒活性酸化チタンは、光エネルギーに
よって活性をおび、表面に付着した有機物等を光触媒活
性により酸化分解する性質および抗菌性等を有する。使
用される酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン、ルチ
ル型酸化チタンなどの光触媒作用を示す全ての酸化チタ
ンを使用できる。好ましくは、アナターゼ型酸化チタン
である。酸化チタンは、微粒子状のものを使用する。超
微粒の粉体、あるいは、これを水に分散させたゾルのも
のを使用する。酸化チタン微粒子の平均粒径としては、
後述する珪藻土粒子の細孔の径より小さいことが好まし
く、5〜30nm程度のものが好ましい。
【0020】使用される珪藻土粒子としては、珪藻土原
石を所定粒径になるまで粉砕した未焼成粉、未焼成粉を
焼成した焼成粉、未焼成粉にフラックスを添加して焼成
した融剤焼成粉末、またはこれらの粉末の2種以上の混
合物が使用される。珪藻土粒子は多孔質構造(細孔)を
有しており比表面積が大きいため、表面に多量の酸化チ
タン微粒子を固定可能である。さらに、細孔内に酸化チ
タン微粒子が充填若しくは部分的に埋め込まれることに
より、酸化チタン微粒子がパルプ材部分に接触しにくく
なるため、光触媒作用による紙の劣化を防ぐことができ
る。
【0021】さらに、酸化チタン担持珪藻土粒子5は、
珪藻土粒子15に酸化チタン微粒子6を物理的に固定す
ることによるいわゆる乾式法で作製すれば簡単である
が、例えば、特開平8−105178号公報や特開平8
−266897号公報等のようにいわゆる湿式法による
ものでもよいことは勿論である。尚、乾式法とは、珪藻
土粒子に酸化チタン微粒子を押圧することにより作製す
ることで、具体的には後述する。このような酸化チタン
を固定した酸化チタン担持珪藻土粒子とパルプ材等を用
いて抄紙することにより酸化チタンを含有しかつその離
脱の少ない紙表面層を製造することができる。
【0022】紙表面層における酸化チタン担持珪藻土粒
子の含有量は、10〜50重量%が好ましく、20〜3
0重量%が特に好ましい。10%未満では酸化チタンの
実効性に乏しく、50%超では強度的に実用的でない。
また、酸化チタン担持珪藻土粒子における酸化チタンの
含有量は、25〜30重量%が好ましい。そして、この
実施例のように、酸化チタン含有紙を表面層として有す
る場合における紙基材層の坪量は30〜50g/m
表面層は片面において10〜20g/mの範囲で得よ
うとする障子紙としての坪量に応じて適宜設定すればよ
い。また、紙基材層の両面に紙表面層を設ける場合は、
それぞれの紙表面層の酸化チタンの含有量は、異なるも
のとしてもよい。例えば、廊下等室内外を仕切る障子の
場合、室内側となる紙表面層を酸化チタンを多く含有す
るものとし、室外側(廊下側)となる紙表面層を酸化チ
タン含有量が少ないものとしてもよい。
【0023】そして、本発明の障子紙では、紙基材層に
は酸化チタンが含有されておらず紙基材層が紙表面層を
補強するように機能するので、酸化チタン添加に起因す
る紙の劣化が生じにくく、さらに、全体に酸化チタンを
添加する場合に比べて、紙中に埋没し光触媒活性を発揮
しない酸化チタンを少なくすることができ、酸化チタン
の使用量も少なくできる。また、酸化チタンを紙表面に
塗布、コーティングする場合に比べて高い透光性及び通
気性を得ることができる。
【0024】また、図3に示す障子紙10のように、障
子紙のほぼ全体に渡って広がる補強用布帛11を有して
いてもよい。補強用布帛11は、紙基材層中に全体もし
くは大部分が埋没した状態になっていることが好まし
く、特に、布帛の両面が、紙基材層で被包されているこ
とが好ましい。さらに、補強用布帛11の端部は、障子
紙より突出しないように、障子紙内に内在していること
が好ましく、具体的には、障子紙の周縁には、補強用布
帛が存在しない部分が形成されていることが好ましい。
このように、補強用布帛の端部を露出させないことによ
り、布帛に何かが引っかかり紙が破損することを防止す
る。そして、このような布帛を内在させることにより、
障子紙は更に十分な強度を有する。
【0025】補強用布帛11としては、通気性を有する
ものであればどのようなものでもよい。例えば、綿、マ
ニラ麻などの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生
繊維、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド系繊
維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系繊維、ビニロンなどの合成繊維等により形成された
ものが使用できる。また、布帛としては、織布、不織
布、編布のいずれであってもよい。特に好ましくは、紙
基材との親和性も高い、綿もしくはセルロース系再生繊
維である。さらに、織布、不織布、編布は、目の粗いも
のが好ましい。さらに、補強用布帛は、障子紙内におい
て連続する1枚ものであることが好ましい。このように
することにより、布帛の切れ目に起因する物性の低下が
少ない。
【0026】そして、障子紙の紙基材層のほぼ全体に渡
って広がると共に障子紙中に内在する補強用布帛を備え
る障子紙(紙基材層)は、例えば、紙基材湿紙層形成工
程中に紙基材層となる湿紙層に布帛を重ね合わせること
により、また、紙基材層の原料スラリー中に補強用布帛
を通過させ湿紙層中に抄き込むことにより作製すること
ができる。なお、上述した障子紙は、表面および裏面に
酸化チタン含有紙表面層を備えているが、本発明は、こ
の実施例に限定されるものではなく、一方の面にのみ酸
化チタン含有紙表面層を備えているものでもよい。
【0027】次に、本発明の実施例である障子紙の製造
方法について説明する。本発明の障子紙の製造方法は、
紙基材層となる湿紙層を形成する紙基材湿紙層形成工程
と、光触媒活性酸化チタン微粒子を固定した酸化チタン
担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーを用いて
形成した湿紙層を前記紙基材湿紙層形成工程において作
製された湿紙層に重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね
合わされた湿紙層を乾燥させる乾燥工程を備えている。
【0028】また、本発明の障子紙の製造方法は、紙基
材層となる湿紙層を形成する紙基材湿紙層形成工程と、
酸化チタン微粒子を固定した酸化チタン担持珪藻土粒子
を含有するパルプ原料スラリーを用いて形成された表面
層となる第1の湿紙層を前記紙基材湿紙層形成工程にお
いて作製された湿紙層の一方の面に重ね合わせた後、酸
化チタン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリー
を用いて形成された表面層となる第2の湿紙層を前記第
1の湿紙層を重ね合わせた湿紙層の他方の面に重ね合わ
せる重ね合わせ工程と、重ね合わされた湿紙層を乾燥さ
せる乾燥工程を備えている。
【0029】以下、本発明の障子紙の製造方法として、
紙基材層の両面に、酸化チタン微粒子を固定した酸化チ
タン担持珪藻土粒子を含有する紙表面層を備える障子紙
を実施例として説明する。実施例に示す障子紙の製造
は、例えば、図4に示すような抄紙装置20を用いるこ
とにより行うことができる。
【0030】抄紙装置20は、第1の丸網抄紙部21、
第2の丸網抄紙部22、紙基材湿紙層形成部23、乾燥
機部60を備える。紙基材湿紙層形成部23は、紙基材
湿紙形成用のパルプ原料スラリーを貯留したフローボッ
クス36と、フローボックス36から供給されたスラリ
ー34を用いて紙基材層となる湿紙層を形成する無端帯
状金網機構24を備えている。無端帯状金網機構24
は、無端帯状金網24aと、この金網を循環するための
ローラ24b,24c,24d,24e,24fを備え
ており、上側に上面平坦部240を備えている。第1の
丸網抄紙部21は、表面側(第1の湿紙層)の紙表面層
抄紙用の酸化チタン担持珪藻土粒子含有パルプ原料スラ
リー25を貯留したスラリー貯留槽26と、この貯留層
26内で回転する第1の円形金網27を備えている。そ
して、円形金網27の回転により、その表面には、第1
の湿紙層が形成される。
【0031】第2の丸網抄紙部22も、同様に、裏面側
(第2の湿紙層)の紙表面層抄紙用の酸化チタン担持珪
藻土粒子含有パルプ原料スラリー31を貯留したスラリ
ー貯留槽32と、この貯留槽32内で回転する第2の円
形金網33を備えている。そして、円形金網33の回転
により、その表面には、第2の湿紙層が形成される。ま
た、抄紙装置20は、第1の丸網抄紙部21により形成
された第1の湿紙層を紙基材層となる湿紙層に圧接する
ためのロール47を備えている。また、抄紙装置20
は、ローラ41,42,43,44,45,46,4
7,48,49,50,51からなるフェルト送り機構
と、この送り機構により循環する無端の帯状フェルト3
5を備えている。
【0032】まず、紙基材湿紙層形成工程及び重ね合わ
せ工程で使用されるパルプ原料スラリーを準備する。紙
基材湿紙層形成工程に使用されるパルプ原料スラリー3
4の準備方法としては、公知の方法が使用される。具体
的には、上述したパルプ材、天然繊維、半合成繊維、合
成繊維等(以下、紙材という)をパルパーもしくはリフ
ァイナーを用いて十分に離解した後、叩解機(ビータ
ー)を用いて所定の条件まで処理する。次に、所定条件
に叩解されたパルプに水を添加してスラリーとする。そ
して、スラリーに、上述した接着剤、製紙用耐水補強剤
などを添加する。このように調製されたパルプ原料スラ
リー34は、紙基材湿紙層形成部23のフローボックス
36に注入され紙基材層となる湿紙層の製造に使用され
る。
【0033】重ね合わせ工程で使用される酸化チタン担
持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリー25,31
は以下のように調製される。酸化チタン担持珪藻土粒子
を含有するパルプ原料スラリーの作製は、紙材を準備す
る工程と、珪藻土粒子に酸化チタン微粒子を固定した酸
化チタン担持珪藻土粒子を準備する工程と、該酸化チタ
ン担持珪藻土粒子と紙材を用いてスラリーを作製する工
程とを備えている。紙材を準備する工程としては、上述
したような紙材をパルパーもしくはリファイナーを用い
て離解した後、叩解機(ビーター)を用いて所定の条件
まで処理することにより行われる。
【0034】次に、珪藻土粒子に酸化チタン微粒子を固
定した酸化チタン担持珪藻土粒子を準備する。珪藻土粒
子としては、平均粒径が、1〜20μm程度のものが好
適であり、特に、平均粒径が5〜10μmのものが好適
である。珪藻土粒子より粒径が小さい酸化チタン微粒子
としては、上述したような光触媒活性を備える酸化チタ
ンの平均粒径5〜30nmのものを準備する。酸化チタ
ン微粒子6は珪藻土粒子15の細孔16内に充填もしく
は細孔内壁に部分的に埋め込まれることにより、また、
加工手段によっては、珪藻土粒子15の表面(細孔16
以外の部分)にも部分的に埋め込まれることにより固定
される。
【0035】酸化チタン微粒子6を珪藻土粒子15に固
定する手段として、具体的には、前述した従来既知の湿
式法や乾式法が利用される。乾式法においては、珪藻土
粒子と酸化チタン微粒子は、撹拌および強圧可能な装
置、例えば、粉砕用ボールミルに投入されて得られる。
珪藻土粒子と酸化チタン微粒子の投入量比は、4:1〜
3:1程度が好適である。粉砕用ボールミル、例えば、
乾式ボールミルに投入された珪藻土粒子と酸化チタン微
粒子は、ミル内において攪拌されるとともにボールによ
り酸化チタン微粒子と珪藻土粒子が相互に押しつけられ
ることにより、上述したように固定される。このように
固定することにより、酸化チタン粒子の少なくとも一部
が珪藻土粒子表面から露出するため、十分な光触媒活性
を得ることができる。
【0036】そして、このようにして作製された酸化チ
タン担持珪藻土粒子を用いてスラリーを作製する。酸化
チタン担持珪藻土粒子と紙材を含有した混合物に水を添
加して攪拌することにより紙表面層形成用スラリーを作
製する。紙材料(パルプ)と酸化チタン担持珪藻土粒子
の重量配合比は、80〜65:20〜35が好ましい。
そして、このスラリーに、上述した接着剤、製紙用耐水
補強剤などを添加する。そして、このようにして準備さ
れた酸化チタンを含有するパルプ原料スラリー25,3
1は、第1の丸網抄紙部21のスラリー貯留槽26と、
第2の丸網抄紙部22のスラリー貯留槽32に注入さ
れ、紙基材の表面および裏面の紙表層の形成に使用され
る。
【0037】なお、酸化チタンを含有するパルプ原料ス
ラリーは、表面側(第1の湿紙層)形成側と、裏面側
(第2の湿紙層)形成側とを異なるものとしてもよい。
例えば、一方のスラリーが他方のスラリーに比べて酸化
チタンを高濃度に含有するものとしてもよい。このよう
なスラリーは、一方のスラリーと他方のスラリーとの酸
化チタン担持珪藻土粒子添加濃度を異なるものとするこ
と、酸化チタン担持珪藻土粒子として酸化チタン固定量
の異なるものを用いることなどにより、作製することが
できる。
【0038】そして、上述したように準備されたパルプ
原料スラリー34を用いて紙基材湿紙層形成工程を行っ
た。図4に示す実施例では、フローボックス36の右側
面下部付近から注入されたスラリー34は、フローボッ
クスの内部に形成された壁に沿ってフローボックス36
の右側から左側に向かって流動し、最終的にフローボッ
クス36の開口部分の左端に形成されたスラリー供給部
350から無端帯状金網機構24の上面平坦部240上
に連続的に供給される。この際、無端帯状金網機構24
の無端帯状金網24aは半時計方向に連続的に回転して
いるため、無端帯状金網機構24の上面平坦部240上
には、紙基材層となる湿紙層が形成される。紙基材層の
厚さは、フローボックス36から上面平坦部240上へ
のスラリーの流出速度と、無端状金網24aの回転速度
により調節することができる。
【0039】次に、上述したように準備されたスラリー
25,31を用いて重ね合わせ工程を行った。第1の抄
紙部において、円形金網27の回転により、その表面に
形成された第1の湿紙層は、ローラ44により無端の帯
状フェルト35の下面に圧接され、フェルト35に付着
した状態で、フェルト35とともに送られる。そして、
第1の湿紙層を付着したフェルト35の下面、つまり、
第1の湿紙層の下面に紙基材湿紙層形成により作製され
た湿紙層が重ねられるとともに、ローラ47とローラ2
4bにより圧接される。そして、上層よりフェルト3
5、第1の湿紙層、紙基材層となった積層物は、さらに
第2の抄紙部側に送られ、この積層物の下面はローラ4
8により第2の円形金網33に圧接され、第2の円形金
網上に形成された第2の湿紙層は、積層物の下面(紙基
材層の下面)に付着した状態で3層積層物となりフェル
ト35とともに、第1のローラ(ボトムプレスロール)
41、ローラ(アッパープレスロール)52方向に移送
される。
【0040】次に、重ね合わされた湿紙層を乾燥させる
乾燥工程を行った。表裏の湿紙層と紙基材層との一体化
物55はフェルト35と共に進行し、ローラ(ボトムプ
レスロール)41とローラ(アッパープレスロール)5
2により圧着された後、ローラ(アッパープレスロー
ル)52に沿ってフェルト35から分離され乾燥機部6
0に移行する。一体化物55は、ローラ61上で乾燥ド
ライヤーにより乾燥された後、巻取りロール62に巻き
取られる。これにより、酸化チタン担持珪藻土粒子を含
有しない紙基材層の両面に酸化チタン担持珪藻土粒子を
含有する紙表面層を有する障子紙を製造することができ
る。
【0041】また、紙基材湿紙層形成工程中に補強用布
帛の供給を行うものであってもよい。この場合には、図
5に示すような抄紙機30が用いられる。図5に示す抄
紙機30と図4に示す抄紙機20との相違は、補強用布
帛ロール65の有無のみである。補強用布帛の供給は、
補強用布帛ロール65より、上面平坦部240上の湿紙
層の表面に補強用布帛65aを重ね合わせることにより
行われる。そして、湿紙層中にある程度移行させて、紙
基材中に布帛を内在させることが好ましい。次に、本発
明の他の実施例である障子紙の製造方法について説明す
る。他の実施例である障子紙の製造方法と上記製造方法
の相違点は、上記製造方法が紙基材層となる湿紙層と紙
表面層となる湿紙層を重ね合わせることにより障子紙を
一度に製造するのに対し、他の実施例は予め準備した紙
基材に紙表面層となる湿紙層を重ねて障子紙を製造する
点である。
【0042】本発明の障子紙の製造方法は、光触媒活性
酸化チタン微粒子を担持した光触媒活性酸化チタン担持
珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーを用いて形成
した湿紙層に紙基材を重ね合わせた後、乾燥させること
により、光触媒活性酸化チタン微粒子を含有する紙表面
層を形成する紙表面層形成工程を行うものである。ま
た、本発明の障子紙の製造方法は、酸化チタン微粒子を
固定した酸化チタン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原
料スラリーを用いて形成された表面層となる第1の湿紙
層を紙基材の一方の面に重ね合わせた後、酸化チタン担
持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーを用いて形
成された表面層となる第2の湿紙層を前記第1の湿紙層
を重ね合わせた前記紙基材の他方の面に重ね合わせる重
ね合わせ工程と、重ね合わされた積層物を乾燥させる乾
燥工程を備えるものである。
【0043】以下、本発明の障子紙の製造方法として、
紙基材層の両面に、酸化チタン微粒子を固定した酸化チ
タン担持珪藻土粒子を含有する紙表面層を備える障子紙
を実施例として説明する。紙基材を最初に準備する。紙
基材としては、どのようなものでもよいが、例えば、上
述したようなパルプ材、天然繊維、半合成繊維、合成繊
維等(以下、紙材という)をパルパーもしくはリファイ
ナーを用いて十分に離解した後、叩解機(ビーター)を
用いて抄紙したものを用いることができる。さらに、紙
基材としては、紙基材中に布帛が内在するものであって
もよい。また、紙表面層形成工程で使用される酸化チタ
ン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーには、
上記重ね合わせ工程にて使用されたパルプ原料スラリー
が使用される。そして、このスラリーに、上述した接着
剤、製紙用耐水補強剤などを添加する。
【0044】次に、紙基材の両面に酸化チタン担持珪藻
土粒子を含有する紙表面層を形成する紙表面層形成工程
について説明する。紙表面層の形成は、例えば、図6に
示すような抄紙装置40を用いることにより行うことが
できる。
【0045】抄紙装置40は、第1の丸網抄紙部21、
第2の丸網抄紙部22、紙基材供給部23、乾燥機部6
0を備える。第1の丸網抄紙部21は、表面側(第1の
湿紙層)の紙表面層抄紙用の光触媒活性酸化チタン担持
珪藻土粒子含有パルプ原料スラリー25を貯留したスラ
リー貯留槽26と、この貯留層26内で回転する第1の
円形金網27を備えている。円形金網27の回転によ
り、その表面にパルプ原料の第1の湿紙層を形成させ
る。第2の丸網抄紙部22も、同様に、裏面側(第2の
湿紙層)の紙表面層抄紙用の光触媒活性酸化チタン担持
珪藻土粒子含有パルプ原料スラリー31を貯留したスラ
リー貯留槽32と、この貯留槽32内で回転する第2の
円形金網33を備えている。円形金網33の回転によ
り、その表面にパルプ原料の第2の湿紙層を形成させ
る。また、紙基材供給部23は、紙基材ロール23aを
備える。
【0046】また、抄紙装置40は、ローラ41,4
2,43,44,45,46,47,48,49,5
0,51からなるフェルト送り機構と、この送り機構に
より循環する無端の帯状フェルト35を備えている。こ
のフェルト送り機構に支持されたフェルト35の下面は
ローラ44により第1の円形金網27に圧接され、第1
の円形金網上に形成された第1の湿紙層は、フェルト3
5に付着した状態で、フェルト35とともに送られる。
そして、下面に第1の湿紙層を付着したフェルト35の
下面、つまり、第1の湿紙層の下面には、紙基材23a
から巻き戻された紙基材が重ねられる。そして、上層よ
りフェルト35、第1の湿紙層、紙基材層となった積層
物は、さらに第2の抄紙部側に送られ、この積層物の下
面はローラ48により第2の円形金網33に圧接され、
第2の円形金網上に形成された第2の湿紙層は、積層物
の下面(紙基材層の下面)に付着した状態で、3層積層
物となりフェルト35とともに、第1のローラ(ボトム
プレスロール)41、ローラ(アッパープレスロール)
52方向に移送される。
【0047】そして、表裏の湿紙層と紙基材層との一体
化物55はフェルト35と共に進行し、第1のローラ
(ボトムプレスロール)41とローラ(アッパープレス
ロール)52により圧着された後、ローラ(アッパープ
レスロール)52に沿ってフェルト35から分離され乾
燥機部60に移行する。一体化物55は、ローラ61上
で乾燥ドライヤーにより乾燥された後、巻取りロール6
2に巻き取られる。これにより、酸化チタン担持珪藻土
粒子を含有しない紙基材層の両面に酸化チタン担持珪藻
土粒子を含有する紙表面層を有する障子紙を製造するこ
とができる。
【0048】
【実施例】本発明の障子紙の具体的実施例について説明
する。 (実施例1) (原料スラリーの調製) (紙基材層となる湿紙層の形成に使用されるスラリーの
調製)CSF650ccに叩解した針葉樹晒クラフトパ
ルプを用い、以下の配合においてスラリーを調製した。 針葉樹晒クラフトパルプ 300kg 水 20000L
【0049】(紙表面層となる湿紙層の形成に使用され
るスラリーの調製) (光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子の準備)平均粒
径5μmの珪藻土粒子と平均粒径7nmの酸化チタンで
作製した担持率25%の酸化チタン担持珪藻土粒子を準
備した。 (光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子含有スラリーの
調製)上記の酸化チタン担持珪藻土粒子とCSF600
ccに叩解した針葉樹晒クラフトパルプを用い、以下の
配合においてスラリーを調製した。 酸化チタン担持珪藻土粒子 75kg 針葉樹晒クラフトパルプ 225kg 接着剤(粉末状PVA) 15kg 水 20000L
【0050】上記配合のスラリーを用いて以下のように
障子紙を製造した。図4に示す抄紙装置の紙基材湿紙層
形成部により形成された紙基材層となる湿紙層の両面
に、第1の丸網抄紙部及び第2の丸網抄紙部によって形
成された紙表面層となる湿紙層を重ね合わせ後、湿紙層
の積層物を乾燥させることにより、紙基材層の両面に酸
化チタン担持珪藻土を含有する紙表面層を有する障子紙
を作製した。なお、第1の貯留槽および第2の貯留槽に
は、上記のように調製した酸化チタン担持珪藻土粒子含
有スラリーを1/2ずつ投入した。作製された障子紙
は、重量(坪量)70g/m、厚さ0.170mmの
障子紙(長さ4000m、抄き幅1m)であり、1つの
紙表面層の重量(坪量)は、18g/mであり、その
うち、酸化チタン担持珪藻土粒子含有量は3.6g/m
であり、酸化チタン含有量は、0.9g/mであっ
た。また、障子紙全体における酸化チタン担持珪藻土粒
子含有量は7.2g/mであり、酸化チタン含有量
は、1.8g/mであった。
【0051】(実施例2)図4に示す第2の丸網抄紙部
の第2のスラリー貯留槽に酸化チタン担持珪藻土粒子含
有スラリーを投入しなかったこと以外は、実施例1と同
様に行い、紙基材の片面に酸化チタン担持珪藻土粒子を
含有する紙表面層が形成された障子紙を作製した。作製
された障子紙は、重量(坪量)58g/m、厚さ0.
140mm(長さ2000m、抄き幅1m)であり、紙
表面層の重量(坪量)は、18g/mで、そのうち、
酸化チタン担持珪藻土粒子含有量は、3.6g/m
あり、酸化チタン含有量は、0.9g/mであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の障子紙は、光触媒活性酸化チタ
ンを含有しない紙基材層と、該紙基材層の少なくとも一
方の面に形成された光触媒活性酸化チタン微粒子を担持
した酸化チタン担持珪藻土粒子を含有する紙表面層とを
備えている。このため、本発明の障子紙は、十分な光触
媒活性を有するとともに、十分な耐久性、透光性及び通
気性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例の障子紙の断面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の実施例である障子紙に使用さ
れる光触媒活性酸化チタン微粒子担持珪藻土粒子の拡大
図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施例の障子紙の断面図
である。
【図4】図4は、障子紙の製造に用いられる抄紙装置の
一例を説明するための説明図である。
【図5】図5は、障子紙の製造に用いられる抄紙装置の
他の例を説明するための説明図である。
【図6】図6は、障子紙の製造に用いられる抄紙装置の
他の例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 障子紙 2 紙基材層 5 光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子 4a,4b 紙表面層 20,30,40 抄紙装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 力男 山梨県西八代郡市川大門町1488 山一和紙 工業株式会社内 (72)発明者 上手 正行 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号 ミ サワホーム株式会社内 (72)発明者 水谷 勝義 愛知県江南市前野町東2番地の1 ミサワ セラミックス株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AA02 AC06 AC09 AF09 AF10 AF16 AF17 AF21 AF27 AF33 AF35 AG18 AG19 AG98 AH50 BD18 CD13 CD25 FA30 GA23

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒活性酸化チタンを含有しない紙基
    材層と、該紙基材層の少なくとも一方の面に形成された
    光触媒活性酸化チタン微粒子を担持した光触媒活性酸化
    チタン担持珪藻土粒子を含有する紙表面層とを備えるこ
    とを特徴とする障子紙。
  2. 【請求項2】 前記障子紙は、前記紙基材層の両面に、
    前記酸化チタン担持珪藻土粒子を含有する紙表面層を備
    えている請求項1に記載の障子紙。
  3. 【請求項3】 前記紙表面層の坪量は、障子紙の片面に
    おいて10〜20g/mであり、かつ、該紙表面層に
    おける光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子含有量は、
    10〜50重量%である請求項1または2に記載の障子
    紙。
  4. 【請求項4】 前記紙基材層は、補強用布帛を有してい
    るものである請求項1ないし3のいずれかに記載の障子
    紙。
  5. 【請求項5】 紙基材層となる湿紙層を形成する紙基材
    湿紙層形成工程と、光触媒活性酸化チタン微粒子を固定
    した酸化チタン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料ス
    ラリーを用いて形成した紙表面層となる湿紙層を前記紙
    基材湿紙層形成工程において形成された湿紙層に重ね合
    わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた湿紙層を乾燥
    させる乾燥工程を備えることを特徴とする障子紙の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 紙基材層となる湿紙層を形成する紙基材
    湿紙層形成工程と、酸化チタン微粒子を固定した酸化チ
    タン担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーを用
    いて形成された表面層となる第1の湿紙層を前記紙基材
    湿紙層形成工程において作製された湿紙層の一方の面に
    重ね合わせた後、酸化チタン担持珪藻土粒子を含有する
    パルプ原料スラリーを用いて形成された表面層となる第
    2の湿紙層を前記第1の湿紙層を重ね合わせた湿紙層の
    他方の面に重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わさ
    れた湿紙層を乾燥させる乾燥工程を備えることを特徴と
    する障子紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記紙基材湿紙層形成工程中に補強用布
    帛の供給が行われるものである請求項5または6に記載
    の障子紙の製造方法。
  8. 【請求項8】 光触媒活性酸化チタン微粒子を担持した
    光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子を含有するパルプ
    原料スラリーを用いて形成した湿紙層に紙基材を重ね合
    わせた後、乾燥させることにより、光触媒活性酸化チタ
    ン微粒子を含有する紙表面層を形成する紙表面層形成工
    程を行うことを特徴とする障子紙の製造方法。
  9. 【請求項9】 酸化チタン微粒子を固定した酸化チタン
    担持珪藻土粒子を含有するパルプ原料スラリーを用いて
    形成された表面層となる第1の湿紙層を紙基材の一方の
    面に重ね合わせた後、酸化チタン担持珪藻土粒子を含有
    するパルプ原料スラリーを用いて形成された表面層とな
    る第2の湿紙層を前記第1の湿紙層を重ね合わせた前記
    紙基材の他方の面に重ね合わせる重ね合わせ工程と、重
    ね合わされた積層物を乾燥させる乾燥工程とを備えるこ
    とを特徴とする障子紙の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記酸化チタン担持珪藻土粒子を含有
    するパルプ原料スラリーの作製は、紙材を準備する工程
    と、珪藻土粒子に光触媒活性酸化チタン微粒子を担持し
    た光触媒活性酸化チタン担持珪藻土粒子を準備する工程
    と、該酸化チタン担持珪藻土粒子と紙材を用いてスラリ
    ーを作製する工程とを備えている請求項5ないし9のい
    ずれかに記載の障子紙の製造方法。
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