JP2002266118A - 防護衣料またはスポーツ衣料 - Google Patents

防護衣料またはスポーツ衣料

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JP2002266118A
JP2002266118A JP2001395129A JP2001395129A JP2002266118A JP 2002266118 A JP2002266118 A JP 2002266118A JP 2001395129 A JP2001395129 A JP 2001395129A JP 2001395129 A JP2001395129 A JP 2001395129A JP 2002266118 A JP2002266118 A JP 2002266118A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明は、使用目的に要求される耐熱性
と、引裂強さや引張強さなどの強度を備え、くり返しの
洗濯によっても品質の劣化が実質的になく、かつ、清潔
感を与え、汚れを認識しやすいという外観上の利点をも
有する防護衣料またはスポーツ衣料を提供することを目
的とする。 【解決手段】 白色系高強力繊維と耐熱高機能繊維とを
複合した防護衣料またはスポーツ衣料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱高機能繊維と
白色系高強力繊維とが複合された防護衣料またはスポー
ツ衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロンやポリエステル繊維等の汎用熱
可塑性合成繊維は約250℃前後で溶融するのに対し
て、アラミド繊維(全芳香族ポリアミド繊維ともい
う。)、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維等の耐熱高機能繊維の分
解温度は500℃前後と高温である。また、前記非耐熱
性の汎用繊維であるナイロンやポリエステルの限界酸素
指数は20前後であり、空気中でよく燃焼するのに対し
て、上述の耐熱高機能繊維の限界酸素指数は25以上で
あって、空気中では熱源である炎を近づけることによっ
て燃焼するが、炎を遠ざけると燃焼を続けることができ
ない。このように、耐熱高機能繊維は耐熱性および難燃
性に優れた素材である。例えばアラミド繊維は炎や高熱
に曝される危険の大きい場面での衣料製品、例えば消防
服、自動車レース用のレーシングスーツ、製鉄用もしく
は溶接用作業服等に用いられている。特に、パラ系アラ
ミド繊維は引裂強さを要するスポーツ衣料や作業服など
はもちろんのこと、また刃物によって切れにくいことか
ら作業用手袋などにも利用されている。
【0003】これら耐熱高機能繊維のほとんどは、繊維
自体が既に比較的濃い色を有している。例えば、上市さ
れている耐熱高機能繊維のうち、ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド繊維であるケブラー(商品名 東レ・デ
ュポン株式会社製)は黄色、全芳香族ポリエステル繊維
であるベクトラン(商品名、株式会社クラレ製)は淡褐
色、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維で
あるザイロン(商品名、東洋紡株式会社製)は茶色であ
る。このような耐熱高機能繊維のみからなる作業服また
は作業用手袋などの防護衣料は、汚れを認識しにくく、
それゆえに不衛生になりやすいという欠点がある。ま
た、該防護衣料は清潔感を与えくいという欠点もある。
とくに、食品や医薬品の製造における作業服または作業
用手袋においては、かかる欠点がより問題となる。ま
た、上記耐熱高機能繊維のみからなるアウトドア用ウエ
アやスキーウエアなどのスポーツ衣料は、ファッション
性に乏しく、需要者の購買意欲をそそりにくいという問
題点があった。
【0004】そこで、上記問題点を解決すべく、従来よ
り汎用されている木綿、ナイロンまたはポリエステルな
どの白色系の繊維と、上記耐熱高機能繊維を複合した糸
または布帛などを用いて防護衣料やスポーツ衣料を製造
することが考えられる。しかし、木綿の強度は約3.5
cN/dtex程度、衣料用ナイロンステープルの強度
は約5.3cN/dtex程度、衣料用ポリエステルス
テープルの強度は約5cN/dtex程度であるため、
かかる汎用の白色系繊維と上記耐熱高機能繊とを複合し
た糸または布帛などは強度において劣り、ゆえに該糸ま
たは布帛などを用いた場合は、使用目的に要求される耐
熱性と、引裂強さや引張強さなどの強度を満たした防護
衣料やスポーツ衣料が得られ難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用目的に
要求される耐熱性と、引裂強さや引張強さなどの強度を
備え、くり返しの洗濯によっても品質の劣化が実質的に
なく、かつ、清潔感を与え、汚れを認識しやすいという
外観上の利点をも有する防護衣料またはスポーツ衣料を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、耐熱高機能繊維と白色
系高強力繊維とを複合することにより、上記従来の問題
点を一挙に解決できることを知見した。すなわち、白色
系高強力繊維と耐熱高機能繊維とを複合させることによ
って、耐熱高機能繊維のほとんどが有する比較的濃い色
を淡くすることができ、それにより清潔感を与え、また
汚れを認識しやすく、かつ切創抵抗の高い防護衣料また
はスポーツ衣料を製造できる。また、木綿、ナイロンま
たはポリエステルなどの汎用の白色系繊維と耐熱高機能
繊維とを複合した糸や布帛などに比べて、白色系高強力
繊維と耐熱高機能繊維とを複合した糸や布帛などは、強
度に優れており、ゆえに該糸や布帛から作られる防護衣
料やスポーツ衣料は使用目的に要求される強度を備えて
いる。
【0007】本発明者らは、さらに検討を加えた結果、
白色系高強力繊維のみからなる布帛はくり返し洗濯する
と生地が硬くなるなどの品質の劣化が見られるが、白色
系高強力繊維と耐熱高機能繊維とを複合させると、くり
返し洗濯しても生地が硬くなるなどの品質の劣化が実質
的に見られないという思いがけない知見を得た。衣料は
一般にくり返し洗濯して使用されるものであり、特に防
護衣料やスポーツ衣料は頻繁に洗濯されるものも多いこ
とから、くり返しの洗濯にも耐えられるような防護衣料
やスポーツ衣料は非常に有用である。また、耐熱高機能
繊維がメタ系アラミド繊維の場合は、該繊維が白色であ
るので、白色系高強力繊維との組み合わせにより上述の
ような外観の改善という利点はないが、かかる組み合わ
せにより白色系高強力繊維が有するくり返し洗濯による
品質の劣化を実質的になくすことができるので、本発明
における耐熱高機能繊維として好適に用いられる。
【0008】すなわち、本発明は、(1)耐熱高機能繊
維と白色系高強力繊維とを複合した防護衣料またはスポ
ーツ衣料、(2)耐熱高機能繊維がパラ系アラミド繊
維、メタ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維お
よびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維か
らなる群から選ばれる少なくとも1種類の繊維であるこ
とを特徴とする前記(1)に記載の防護衣料またはスポ
ーツ衣料、(3)パラ系アラミド繊維が、ポリパラフェ
ニレンテレフタルアミド繊維である前記(2)に記載の
防護衣料またはスポーツ衣料、(4)白色系高強力繊維
が、ポリビニルアルコール系繊維または/および超高分
子量ポリエチレン繊維である前記(1)〜(3)に記載
の防護衣料またはスポーツ衣料、(5)耐熱高機能繊維
の含有割合が、繊維成分全体に対して0〜80重量%で
あることを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の防護
衣料またはスポーツ衣料、(6)手袋であることを特徴
とする前記(1)〜(5)に記載の防護衣料、および、
(7)白色系高強力繊維からなる防護衣料またはスポー
ツ衣料、(8)さらに、弾性繊維が複合されていること
を特徴とする前記(1)〜(7)に記載の防護衣料また
はスポーツ衣料、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明にかかる耐熱高機能繊維と
しては、限界酸素指数が約25以上の難燃性と示差走査
熱量測定法による熱分解温度が約400℃以上の耐熱性
とを有する繊維が好ましい。その例としては、アラミド
繊維、全芳香族ポリエステル繊維(例えば株式会社クラ
レ製、商品名ベクトラン)、ポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾール繊維(例えば東洋紡株式会社製、商品
名ザイロン)、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアミ
ドイミド繊維(例えばローヌプーラン社製、商品名ケル
メル)、ポリイミド繊維などが挙げられる。アラミド繊
維にはメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維があ
る。メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン社製、商品名
ノーメックス)などのメタ系全芳香族ポリアミド繊維が
挙げられる。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポ
リパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポ
ン株式会社製、商品名ケブラー)およびコポリパラフェ
ニレン−3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミ
ド繊維(帝人株式会社製、商品名テクノーラ)などのパ
ラ系全芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。なかでも、
本発明に係る耐熱性高機能繊維としては、高強度の繊維
が好ましい。具体的には、本発明に係る耐熱性高機能繊
維の引張弾性率が約300cN/dtex以上、好まし
くは約400cN/dtex以上で、かつ引張強度が約
9cN/dtex程度以上、より好ましくは約11cN
/dtex程度以上であることが、引裂強さや切創抵抗
の面でより好ましい。かかる高強度タイプの耐熱性高機
能繊維としては、例えばポリパラフェニレンテレフタル
アミド繊維やコポリパラフェニレン−3,4’−ジフェ
ニルエーテルテレフタルアミド繊維などのパラ系アラミ
ド繊維、全芳香族ポリエステル繊維またはポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール繊維などが挙げられる。
本発明にかかる耐熱高機能繊維としては、上記のような
繊維の1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0010】本発明において用いる白色系高強力繊維と
しては、白色であって、引張強度が好ましくは約9cN
/dtex程度以上、より好ましくは約11cN/dt
ex程度以上、さらに好ましくは約13〜40cN/d
tex程度の繊維が好適である。ここで、白色とは、明
るさを表すL値が約80程度以上のものが好ましい。な
お、L値は、例えば、SMカラーコンピューターMOD
EL−SM4(スガ試験機株式会社製)など自体公知の
測定機を用いて、JIS Z 8729に示される表示
方法L*a*b*表現系として測定できる。また、引張
弾性率が、好ましくは約150〜3000cN/dte
x程度、より好ましくは約200〜2000cN/dt
ex程度、さらに好ましくは約300〜1500cN/
dtex程度である白色系高強力繊維が好適に用いられ
る。一般に耐熱性高機能繊維の引張弾性率は高く、約3
50〜2000cN/dtex程度であることが多い。
混紡または交撚などにより異種繊維を複合する場合、両
繊維の引張弾性率が甚だしくかけ離れていると、混紡糸
やそれからなる織物に加えられる応力が両繊維に均一に
分散されないので、混紡糸やそれらからなる織物の強度
は、両繊維の強度の加算された強度とならず両者を複合
する利点が減少する。したがって、耐熱性高機能繊維
と、混紡または交織などにより複合させる白色系高強力
繊維の強度を十分利用するために、白色系高強力繊維の
引張弾性率は前記範囲が望ましい。
【0011】本発明において用いる白色系高強力繊維と
して、具体的には、超高分子量ポリエチレン繊維または
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略称する)系繊
維が挙げられる。本発明にかかる白色系高強力繊維とし
て超高分子量ポリエチレン繊維を用いた場合は、強度の
ほかに弾性率にも優れた防護衣料またはスポーツ衣料が
得られるという利点がある。防護衣料またはスポーツ衣
料の一部または全部に異方性を持たせることも可能であ
る。ここで、異方性とは、一方向には大きな弾性率を有
するが、それと直角な方向には弾性率が低いという性質
のことである。また、本発明にかかる白色系の高強力繊
維としてPVA系繊維を用いた場合は、強度のほかに耐
熱性にも優れた防護衣料またはスポーツ衣料が得られる
という利点がある。構成繊維が耐熱性に優れていれば、
防護衣料やスポーツ衣料が比較的高温にされされても繊
維が溶けないので、やけどをしにくいという利点を生じ
る。本発明にかかる白色系高強力繊維としては、上記の
ような繊維の1種類を単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0012】本発明において用いる超高分子量ポリエチ
レン繊維は、例えば特開昭55−5228または特開昭
55−107506などに開示されている自体公知の製
造方法に従って容易に製造することができる。具体的に
は、例えば、まずエチレンを遷移金属元素化合物とアル
カリ金属、アルカリ土類金属等の金属水素化合物または
有機金属化合物等の触媒の存在下に、有機溶媒中でスラ
リー重合させることにより超高分子量ポリエチレン重合
体を得、ついで、該超高分子量エチレン重合体を例えば
希釈剤を配合し、または常温のワックス類を混合して溶
融押出し成形し、次いで延伸(例えば約5〜80倍程度
の倍率で)するという製造方法が挙げられる。上記超高
分子量ポリエチレン重合体は、分子量が約50万程度以
上、好ましくは約100万程度以上を有することが好適
であり、ホモポリマーの他、炭素原子数3〜10程度の
低級α−オレフィン類、例えばプロピレン、ブテン、ペ
ンテンもしくはヘキセン等との共重合体であってもよ
い。該超高分子量ポリエチレン重合体がエチレンとα−
オレフィンとの共重合体の場合、α−オレフィンの割合
は炭素数1000個当たり平均0.1〜20個程度、好
ましくは平均0.5〜10個程度であるような共重合体
が好ましい。また、本発明においては、市販の超高分子
量ポリエチレン繊維を適宜用いることもできる。かかる
市販の繊維としては、例えば、ダイニーマ(商品名 東
洋紡績株式会社製)等が挙げられる。
【0013】本発明において用いるPVA系繊維は、自
体公知の製造方法に従って容易に製造することができ
る。具体的には、例えば、重合度1500程度以上のP
VA系重合体を溶媒であるジメチルスルフォキシド(以
下「DMSO」という)に溶解して紡出原液を得、得ら
れた原液を口金吐出孔から押出してメタノールからなる
凝固浴中に乾湿式紡糸した後、連続してメタノール液中
で洗浄、浴延伸、乾燥を行い、有効全延伸倍率が約15
倍程度以上となるように加熱延伸後、繊維束温度が約4
0℃〜70℃程度になるように温水予熱した後、特定さ
れた捲縮特性を有するように捲縮機で捲縮を付与し、約
80℃程度以下で実質的な熱固定を行うという製造方法
(特公平06−033523号公報)、さらに、通常の
スフ紡績法により紡績糸を得るという製造方法(特公平
06−033536号公報)などが挙げられる。
【0014】また、重合度が3500程度以上のPVA
系重合体をDMSOに溶解して紡糸ドープを作製し、こ
の紡糸ドープを空中走行距離を約2〜20mm程度とし
てメタノール、エタノール、アセトンおよびこれらとD
MSOとの混合溶媒のいずれかからなる凝固浴中へ乾・
湿式紡糸し、得られた乾・湿式紡糸出の未延伸糸条を約
200〜250℃程度の乾熱延伸によりその有効全延伸
倍率を少なくとも約25倍程度、好ましくは約30倍程
度になるごとく延伸するという方法(特公平6−119
27号公報)も挙げられる。上記製造方法により得られ
るPVA系繊維は、耐熱性のほか、耐候性、結節強度、
表面平滑性などにおいても優れている。
【0015】本発明に係る防護衣料またはスポーツ衣料
は、上記耐熱高機能繊維と白色系高強力繊維とが複合さ
れていることを特長とし、かかる特長を有していればど
のような形態をとってもよい。具体的には、例えば、
(a)耐熱高機能繊維と白色系高強力繊維との混紡糸、
混繊糸、交撚糸もしくは引き揃え糸、または該糸を含む
布帛を用いた防護衣料またはスポーツ衣料、(b)耐熱
高機能繊維からなる糸と白色系高強力繊維からなる糸と
を交織した布帛を用いた防護衣料またはスポーツ衣料、
または(c)耐熱高機能繊維と白色系高強力繊維とを含
むウェブ、もしくはそれから得られる不織布を用いた防
護衣料またはスポーツ衣料などの態様が挙げられる。
【0016】上記混紡糸は、通常は白色系高強力繊維と
耐熱高機能繊維とを混合して紡績された糸である。上記
混繊糸は、通常は白色系高強力繊維からなるフィラメン
トと耐熱高機能繊維からなるフィラメントとを均一混合
して作られた糸である。上記交撚糸とは、通常は白色系
高強力繊維からなる糸と耐熱高機能繊維からなる糸とを
撚り合わせて作られた糸である。上記引き揃え糸は、通
常は白色系高強力繊維からなる糸と耐熱高機能繊維から
なる糸とを、2〜10本程度、好ましくは2〜5本程度
揃え、撚りをかけずに用いる糸である。ここで、白色系
高強力繊維からなる糸または耐熱高機能繊維からなる糸
は、紡績糸、フィラメントまたは撚り糸などいずれの形
態の糸であってもよい。
【0017】混紡、混繊または交撚の方法としては、自
体公知の方法を用いてよい。例えば、混紡の方法として
は、(a)紡績工程の最初に機械で混合する方法、
(b)前紡工程で繊維ごとに単独でスライバーをつくっ
た後、混紡する方法、(c)パシフィックコンバーター
を使用する方法、すなわち、トゥの切断・分離・ドラフ
ト・スライバーの形成、捲縮などを連続的に行う装置に
よって、スライバー混紡または繊維の状態で混紡して1
本のスライバーとし、ついで、ピントラプタに通し、粗
紡・精紡などの工程を経て、所望の番手の混紡糸を作る
方法などが挙げられる。
【0018】また、混繊の方法としては、例えば、乱流
を起こすように設計したノズルに圧空管から空気を吹き
込み、ノズルの一方から同時に2種類以上の糸条または
あらかじめ混繊する繊維を引き揃えた糸条を導入して乱
流によって糸条をミックスし、他方から送り出される糸
条を巻き取るというエアー混繊などが挙げられる。交撚
の方法としては、例えば、耐熱高機能繊維からなるフィ
ラメントもしくは紡績糸と、白色系高強力繊維からなる
フィラメントもしくは紡績糸とを、それぞれ1本以上、
合計2本以上引き揃えて、リング撚糸機、ダブルツイス
ターまたはイタリー式撚糸機など自体公知の撚糸機を用
いて撚りをかける方法などが挙げられる。
【0019】上記交織とは、耐熱高機能繊維からなる糸
と白色系高強力繊維からなる糸とを用いて織成して、織
物などの布帛をつくることを通常はいう。ここで、白色
系高強力繊維からなる糸または耐熱高機能繊維からなる
糸は、紡績糸、フィラメントまたは撚り糸などいずれの
形態の糸であってもよい。織成の方法(織り方)として
は、例えば、平織、朱子織、綾織、横縞織、からみ織ま
たは斜こ織などが挙げられ、本発明においてはいずれの
織り方を用いてもよい。交織は、例えばジェット織機
(エアージェット織機、ウォータージェット織機)、ス
ルザー織機またはレピヤー織機などの自体公知の織機を
用いるなど、自体公知の方法に従って容易に行うことが
できる。
【0020】上記ウェブとは、耐熱高機能繊維と白色系
高強力繊維とを集合させてできている連続的な薄膜状物
を通常はいう。上記不織布とは、該ウェブを織ったり編
んだりしないで、ウェブの繊維同士を化学的、物理的も
しくは熱によって接着または絡ませて作られたシート状
の構造体を通常はいう。該不織布の製造方法として、例
えば、湿式法、乾式法または直接法など自体公知の方法
を用いることができる。
【0021】本発明に係る防護衣料またはスポーツ衣料
は、高い伸縮性をもつ弾性繊維を含んでいてもよい。弾
性繊維としては公知のものを用いてよいが、ポリウレタ
ン系弾性繊維が伸縮性の面において好ましい。このよう
に、本発明に係る防護衣料またはスポーツ衣料に高い伸
縮性をもつ弾性繊維を複合することにより、伸縮性があ
って身体に良くなじみ、かつ動きやすく、作業性の良い
防護衣料や活動しやすいスポーツ衣料が得られる。弾性
繊維を複合する方法としては、特に限定されないが、例
えば弾性繊維と本発明に係る耐熱性繊維と白色系繊維の
複合糸を同時に編み機に供給することによって、より高
い伸縮性をもったニット地が得られる。また、例えば、
弾性繊維を芯糸とし、本発明に係る耐熱性繊維と白色系
繊維の複合糸を鞘糸としたカバリング糸となし、これを
織物やニット地に加工するという方法も挙げられる。前
記カバリング糸は、芯糸の周りを鞘糸が捲回することに
よる公知の方法によって得られ、例えばリング撚糸機を
応用したカバリング機が公知である。複合する弾性繊維
の割合は、着用感の良好な伸縮性を得るために、本発明
に係る防護衣料またはスポーツ衣料を構成する生地単体
の3〜30重量%程度が望ましい。
【0022】本発明に係る防護衣料またはスポーツ衣料
においては、耐熱高機能繊維および白色系高強力繊維の
含有割合は特に限定されないが、耐熱高機能繊維の含有
割合が、繊維成分全体に対し約0〜80重量%程度が好
ましく、より好ましくは約10〜60重量%程度、さら
に好ましくは約20〜50重量%程度である。また、本
発明に係る防護衣料またはスポーツ衣料は、耐熱高機能
繊維を含まず、白色系高強力繊維のみからなるものであ
ってもよい。また、本発明に係る防護衣料またはスポー
ツ衣料は、耐熱高機能繊維および白色系高強力繊維以外
の繊維を含んでいてもよい。そのような繊維としては、
自体公知の繊維を用いてよいが、具体的には、例えば、
レーヨンなどの再生繊維;アセテートなどの半合成繊
維;ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル
系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
塩化ビニリデン系、ポリウレタン系もしくはフェノール
系などの合成繊維などが挙げられる。耐熱高機能繊維お
よび白色系高強力繊維以外の繊維の割合は、繊維成分の
全重量の約1/2程度以下が好ましい。
【0023】本発明に係る防護衣料としては、身体を保
護する目的で使用される衣料であれば特に限定されない
が、例えば手袋、特に作業用手袋、消防服、または作業
服、特に製鉄用もしくは溶接用作業服等が挙げられる。
また、近年独居老人などが料理などの最中に、特に袖口
などに炎が移ってやけどする事故が多く起こっており、
このような事故を防止するための衣料、例えばエプロン
や割烹着なども本発明に係る防護衣料に含まれる。ま
た、本発明に係るスポーツ衣料としては、強度(例えば
引張強さや切れにくさ)や耐熱性(熱によって溶けな
い)・難燃性(燃えにくい)を要する衣料が好ましく、
具体的には、例えば自動車レース用のレーシングスーツ
や、スキーウエア、アウトドアウエアなどが挙げられ
る。アウトドアウエアとしては、例えば、キャンプなど
の野外活動においてたき火や炊事の際に使用する手袋や
衣類などが挙げられる。ただし、本発明に係るスポーツ
衣料は、これに限定されるものではない。
【0024】本発明に係る防護衣料またはスポーツ衣料
は、該衣料の使用目的に要求される強度を有することが
特長である。具体的には、本発明に係る防護衣料または
スポーツ衣料を構成する繊維の引張強度が、好ましくは
約9cN/dtex程度以上、より好ましくは約12c
N/dtex程度以上、さらに好ましくは約14〜40
cN/dtex程度であることが好適である。繊維の引
張強度は、JIS L1095:1999 化学繊維ス
テープル試験方法7.7、またはJIS L1013:
1999 化学繊維フィラメント糸試験方法8.5.1
などに従って容易に測定することができる。また、本発
明に係る防護衣料またはスポーツ衣料を構成する布帛
は、汎用織物である木綿織物と比較したときに、引張強
さ指数が約2程度以上、引裂強さ指数が約5程度以上、
切創抵抗指数が約1.5程度以上であることが好まし
い。なお、引張強さ指数、引裂強さ指数および切創抵抗
指数は、実施例に記載の方法に従って容易に測定するこ
とができる。
【0025】本発明に係る防護衣料やスポーツ衣料は、
くり返しの洗濯によっても品質の劣化が実質的にないこ
とも特長である。例えば、くり返しの洗濯による品質の
劣化としては、防護衣料やスポーツ衣料の生地が硬くな
るなどの風合いの低下、防護衣料やスポーツ衣料を構成
する繊維の強度の低下、毛羽の発生、または色あせもし
くは色落ちの発生などが挙げられる。より具体的には、
5回洗濯したときの生地の剛軟度が未洗濯時の約3程度
以下、好ましくは2倍以下である防護衣料やスポーツ衣
料が好ましい。ここで、前記洗濯は、詳細には、JIS
L 1042織物の収縮率測定法 6.7.2に規定
する電気洗濯機による洗濯を行った後、JIS L 1
042 6.9.2(2)I−2(高温タンブール法)
に規定する方法に従って、80℃で乾燥する。剛軟度
は、生地の柔軟性を示し、JIS L 1096 6.
20.1で測定できる。
【0026】
【実施例】本発明の実施例では次の繊維素材を使用し
た。耐熱高機能繊維として、ポリパラフェニレンテレフ
タルアミド繊維ケブラー(商品名 東レ・デュポン株式
会社製)およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール繊維ザイロン(商品名 東洋紡株式会社製)を使用
した。白色系高強力繊維として、特公平6−33523
に記載の方法で製造した高強力PVA繊維(以下HT−
PVAと略す)ステープルを用いた。すなわち、重合度
3500の完全ケン化型PVAを溶媒であるDMSOに
溶解した紡出原液をメタノール中に押出して乾湿式紡糸
し、連続して洗浄、浴延伸、乾燥を行い、雰囲気温度2
40℃で有効全延伸倍率20.0倍の乾熱延伸した後、
合糸して12万Dの繊維束とした。次いで該繊維束を5
0℃に温水加熱した後、押込み捲縮機により捲縮を付与
し,乾熱ヒートセッタにより70℃で5分間熱固定し
た。その後、仕上油剤を付与し、該繊維束を定長カッテ
ィング法により切断して原綿繊度2.8dtex、繊維
長51mmの上記ステープルを得た。また、白色系高強
力繊維として、超高分子量ポリエチレン繊維(以下、U
HMW−PEと略す)であるダイニーマ(商品名 東洋
紡績株式会社製)も使用した。比較としての汎用繊維に
は、晒した木綿繊維、及びポリエステルステープル(東
レ株式会社製)を用いた。
【0027】これら繊維の物性を表1に示す。なお、該
物性は以下のように測定した。 (a)引張強度、伸度、引張弾性率、繊度:JIS L
1015 化学繊維ステープル試験方法、およびJI
S L 1018 化学繊維フィラメント試験方法によ
り測定した。なお、前記試験方法による初期引張抵抗度
を、本発明では機能繊維で使われる呼称の引張弾性率と
した。また、繊維の太さは、JIS L0101 テッ
クス方式に示される補助単位デシテックス(dtex)
で表示した。 (b)色の表示:JIS Z 8729に規定されるL
*、a*、b*を、SMカラーコンピューターMODE
L−SM4(スガ試験器株式会社製)で測定した。
【0028】
【表1】
【0029】上記表中、L*、a*、b*はそれぞれの
繊維の色を表示し、L*は明度を表し、L*値が大きい
ほど明るく白に近いことを示す。a*は、+が赤みを表
し、−が緑味を表す。b*は、+が黄味を表し、−が青
みを表す。L*、a*、b*の測定結果から、耐熱高機
能繊維は、白色系高強力繊維および汎用繊維に比べL*
値が小さく、a*、b*の絶対値が大きいので白色から
かけ離れた色であることがわかる。なお、その他の耐熱
高機能繊維であるコポリパラフェニレン−3,4’−ジ
フェニルエーテルテレフタルアミド繊維テクノーラ(商
品名 帝人株式会社製)及びパラ系全芳香族ポリエステ
ル繊維ベクトラン(商品名 株式会社クラレ製)も白色
とはかけ離れた色合いであり、そのL*、a*、b*の
測定結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】上記繊維のうち、UHMW−PEはフィラ
メントであるので、それ以外の繊維のステープルを、常
法により混打綿、カード、練条、粗紡、リング精紡の各
工程を通して、混紡糸の場合は表3および表4に示す混
紡率となるように、綿番手20/1(292dtex相
当)の紡績糸を作成した。このように作成した紡績糸
と、UHMW−PEからなるフィラメント糸を、以下の
実施例において使用した。
【0032】〔実施例1〕白色系高強度繊維HT−PV
Aの綿番手20/1(292dtex相当)の紡績糸を
合撚して綿番手20/2(292dtex×2相当)の
双糸とし、次の構造の織物を製織した。 糸使い ;綿番手20/2(292dtex
×2相当) 糸密度・たて×よこ;55x45(本/25.4mm) 織物組織 ;2/1綾織り 単位面積あたりの質量;240(g/m
【0033】〔実施例2〜4〕HT−PVAの代わり
に、白色系高強度繊維HT−PVAと耐熱高機能繊維ケ
ブラーの混紡糸を用いた以外は、実施例1と同様にして
織物を製織した。なお、混紡糸における混紡率は、表3
のようにした。
【0034】〔実施例5〕HT−PVAの代わりに、白
色系高強度繊維HT−PVAと耐熱高機能繊維ザイロン
の混紡糸を用いた以外は、実施例1と同様にして織物を
製織した。なお、混紡糸における混紡率は、表3のよう
にした。
【0035】〔比較例1〜6〕HT−PVAの代わり
に、比較例1ではケブラー紡績糸を、比較例2では晒木
綿を、比較例3では晒木綿とケブラーの混紡糸(混紡率
は50:50)を、比較例4ではザイロン紡績糸を、比
較例5ではポリエステル紡績糸を、比較例6ではポリエ
ステルとケブラーの混紡糸(混紡率は50:50)を用
いた以外は、実施例1と同様にして織物を製織した。
【0036】〔試験例1 織物の物性〕得られた織物の
物性を表3および表4に示す。なお、この織物構造の織
物厚さは、繊維素材によってやや異なるが約0.45m
mである。また、織物の物性は、以下のようにして測定
した。 (a)織物の引張強さ:JIS L 1096 一般織
物試験法6.12.1により測定した。なお、同目付の
木綿織物の引張強さに対する比率を引張強さ指数として
表した。 (数式1)引張強さ指数=対象の織物の引張強さ/木綿
織物の引張強さ (b)織物の引裂強さ:JIS L 1096 一般織
物試験法6.15.1シングルタング法により測定し
た。なお、同目付の木綿織物の引裂強さに対する比率を
引裂強さ指数として表した。 (数式2)引裂指数=対象の織物の引裂強さ/木綿織物
の引裂強さ (c)耐熱性:下部の電熱装置によって所定の温度に加
熱され、長さ方向を垂直に配置した直径8mmの円柱状
金属製加熱体の円形で平らな先端に、6cmx6cmの
試験片をのせて、熱によって試験片に穴が空くまでの時
間を測定する。加熱体の温度を550℃に設定して測定
した。 (d)切創抵抗(切れにくさ):ASTM F1790
−97により、規定の刃(American Safety Razor Co.,
品番No.88-0121)を用いて測定した。測定値はN(=ニ
ュートン)で示し、規定の試料台上に測定試料を置き、
規定の刃を25.4mm(1インチ)動かしたとき刃が
サンプルを貫通するために必要な荷重を示し、数値が大
きいほど切れにくいことを示す。なお、同目付の木綿織
物の切創抵抗に対する比率を切創抵抗指数として表し
た。 (数式3)切創抵抗指数=対象の織物の切創抵抗/木綿
織物の切創抵抗 (e)柔軟性:JIS L 1096 6.20.1
A法(ガーレ法)で剛軟度を測定した。 (f)色の表示:JIS Z 8729に規定されるL
*、a*、b*を、SMカラーコンピューターMODE
L−SM4(スガ試験器株式会社製)で測定した。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】実施例2〜4で得られた白色系高強度繊維
HT−PVAと耐熱高機能繊維ケブラーの混紡織物のL
*値は80以上であり、比較例1の耐熱高機能繊維ケブ
ラー100%織物のL*値=77に比べ高くなっている
ことから、ケブラーからなる織物の明度が白色系高機能
繊維の混紡によって改善されることがわかる。実施例1
で得られた織物の耐熱性は穴あきまでに10秒を要し、
比較例5のポリエステル繊維織物と比較すると、5倍の
耐熱性がある。さらに、白色系高強度繊維HT−PVA
にケブラーが混紡された実施例2〜4の織物は、550
℃の加熱体に30秒以上接しても穴が空かず優れた耐熱
性を示した。実施例1〜4で得られた織物の引張強さ指
数は2以上、引裂強さ指数は5以上、切創抵抗指数は
1.5以上であった。いずれも汎用織物である木綿織物
より高い数値であり、本発明の防護衣料やスポーツ衣料
として十分な特性を有す。このように、異種の繊維を混
紡する場合、引張弾性率が近いほど両者の繊維への応力
負荷が均一になるので紡績糸及び織物としての強さは、
両者を加えあわせた強さが実現する。白色系高強度繊維
と耐熱性高機能繊維は引張弾性率が等しく高いので、両
者の混紡は、織物の引張強さ、及び引張強さの寄与する
引裂強さの面からも好ましいことがわかった。
【0040】実施例5で得られる耐熱高機能繊維のザイ
ロンと白色系高強力繊維の混紡織物はL*値が80であ
って、比較例4に示すザイロン100%の織物のL値*
=48と比較すると、白色系高強力繊維の混紡の効果が
わかる。また、引張強さ指数は2以上、引裂強さ指数は
5以上、切創抵抗指数1.5以上であって本発明の防護
衣料やスポーツ衣料として十分な特性を有する。
【0041】比較例3で得られる晒木綿とケブラーの混
紡織物のL*値は81で、比較例1のケブラー100%
織物のL*値77より高く、晒木綿の混紡によってケブ
ラーからなる織物の明度が改善される。しかし、表1か
ら分かる通りケブラーと木綿の引張弾性率は約7倍の差
があり、織物に加わる応力が両繊維に対して不均一な負
荷となるため両繊維の強度が加算された強度とならず、
また木綿繊維の引張強度はケブラーの1/6でその引張
強度が低いこととあいまって、比較例3は高い引張強さ
及び高い引裂強さを実現していない。
【0042】比較例5の汎用繊維のポリエステル100
%織物は、耐熱性試験において2秒で穴が空き、顕著な
溶融痕があったことから、溶融したポリマーによって着
用者がやけどをするおそれがある。また、引張強さ指数
は2以下、引裂強さ指数は5以下、切創抵抗指数は1.
5以下で低いレベルにある。比較例6で得られる耐熱高
機能繊維ケブラーと汎用繊維ポリエステルの混紡織物の
L*値は81で、ケブラー100%のL*値77よりも
明度は改善されており、また切創抵抗指数1.5以上で
あるが、引裂強さ指数は2以下、引張強さ指数は5以下
であるため、本発明の防護衣料またはスポーツ衣料とし
て十分ではない。また、耐熱性試験では、耐熱性の高い
ケブラーが混紡されているので穴あきは無かったが、ポ
リエステルが溶融してケブラー繊維にしみこんだ顕著な
溶融痕が見られた。表1からわかる通り、両繊維素材の
引張弾性率の差は約12倍であり、従って織物に加わる
応力が両繊維に対して不均一となるため、混紡率が5
0:50である比較例6の織物は、高強度であるケブラ
ー繊維の混紡織物であっても高い引張強さ及び高い引裂
強さが実現せず、本発明の防護衣料およびスポーツ衣料
に要求される物性を十分に満たしているとはいえない。
【0043】〔試験例2 耐洗濯性〕実施例1、実施例
3および比較例1で得られた織物それぞれを、JIS
L1042織物の収縮率測定法 6.7.2に規定する
電気洗濯機による洗濯を行った後、JIS L 104
2 6.9.2(2)I−2(高温タンブール法)に規
定する方法に従って、80℃で乾燥した。これを洗濯1
回として、洗濯を5回繰り返した。洗濯前後の柔軟性を
ガーレ法による剛軟度を測定して評価した。その結果を
表5に示す。
【表5】
【0044】実施例1で得られた白色系高強度繊維HT
−PVA100%織物は、洗濯−加熱乾燥を繰り返すこ
とにより硬くなり、比較例1のケブラー100%織物に
比べ剛軟度が約2.9倍であった。実施例3で得られた
織物は、比較例1のケブラー100%織物に比べ剛軟度
が約1.5倍以下であり、HT−PVAにケブラーを混
紡することにより洗濯による硬化が少ないことがわか
る。白色系高強度繊維の一種であるHT−PVAは、熱
収縮性があるため洗濯−加熱乾燥を繰り返すことにより
乾燥時の熱によって繊維が収縮し、織物の硬さが硬い方
向へ変化したのである。一般にケブラーなどの耐熱高機
能繊維は分解温度より100℃以下、すなわち300℃
以下の環境下では熱収縮は少ない。例えば、耐熱高機能
繊維として代表的なケブラーの場合は、160℃下で3
0分間の乾熱加熱による熱収縮率は0.2%以下であ
り、これは防護衣料やスポーツ衣料などの布帛の分野で
は実質的に熱収縮率0に等しい。したがって、例えば白
色系高強度繊維の一種であるHT−PVAのように熱収
縮性のある繊維に熱収縮性の非常に少ない耐熱高機能繊
繊維を混紡することにより、乾燥機付きの家庭用洗濯機
や工業用洗濯において洗濯−加熱乾燥を繰り返しても硬
くなりにくい織物等の布帛が得られるのである。以上か
ら、白色系高強度繊維に耐熱高機能繊繊維を複合するこ
とは、洗濯・乾燥を繰り返しても硬くなりにくく、本発
明においてより好ましい態様であることがわかった。
【0045】〔実施例6〕綿番手20/2(292dt
ex×2相当)の白色系高強力繊維HT−PVA紡績糸
を5本引きそろえてシームレスグローブ編み機7ゲージ
タイプ(島精機株式会社製)に供給して編み、本発明に
係る防護衣料やスポーツ衣料の一種である手袋を作成し
た。
【0046】〔実施例7、比較例7,8〕白色系高強力
繊維HT−PVAの代わりに、実施例7ではケブラーと
白色系高強力繊維HT−PVAの混紡糸を、比較例7で
はケブラーの紡績糸を、比較例8では木綿の紡績糸を用
いた以外は実施例6と同様にして手袋を作成した。
【0047】〔実施例8〕綿番手20/1(292dt
ex相当)のケブラー紡績糸と白色系高強力糸UHMW
−PEフィラメント275dtexを合撚して合撚糸と
し、さらにそれを5本引き揃えて、実施例6において用
いたグローブ編み機で編み、本発明に係る防護衣料やス
ポーツ衣料の一種である手袋を作成した。
【0048】〔試験例3 手袋の評価〕実施例6〜8、
または比較例7、8で得られた手袋の評価結果を表6に
示す。実施例6と7及び8の切創抵抗指数は1.5以上
であり、比較例9の木綿100%の手袋より高く、また
L*値は比較例8のケブラー100%の手袋より高いの
で、本発明の防護衣料やスポーツ衣料の一種である手袋
として申し分のないものである。
【表6】
【0049】〔実施例9〕ウレタン系弾性繊維(商品名
ライクラ 東レ・デュポン株式会社製)33dtexを
芯糸とし、実施例3で用いたケブラーとHT−PVAの
混紡糸(混紡率50:50)、綿番手20/1(292
dtex相当)を鞘糸として、カバリング糸を作製し
た。このカバリング糸を用いて、18ゲージの丸編み機
で編み組織リブステッチ(lib stitch)のニット地を編
み上げた。この生地で競艇選手用のアンダータイツを縫
製した。ケブラーのみからなるアンダータイツは黄色系
統の色をしているのに比べ、得られたアンダータイツは
白色系統の色をしているので下着として違和感がなく、
さらに、ウレタン系弾性繊維を含み伸縮性が高いのでレ
ース中の激しい動きが損なわれず運動性能の高いアンダ
ーウェアであった。また、競艇選手は落水時にスクリュ
ーから身体を守るために耐切創性の高いケブラー織物製
などのオーバーパンツを着用しているが、前記アンダー
タイツはそのオーバーパンツの、防護目的である耐切創
性性能をさらに補強するものである。
【0050】〔実施例10〕実施例9で作製したカバリ
ング糸を4本引き揃え、10ゲージタイプのシームレス
グローブ編み機(島精機株式会社製)に供給して手袋を
作製した。これを90℃の温水で処理して、充分収縮さ
せた。このようにして得られた防護手袋は嵩張らず輸送
や保管に便利で、着用時には充分に伸張して着用者の手
になじみ、かつ耐切創性に優れており、また白色系統で
違和感がないので、登山やハイキング用の防護手袋とし
て有用である。また、伸縮性が高いので手に良くなじむ
ことから、精密作業用防護手袋など作業用手袋としても
有用である。
【0051】
【発明の効果】本発明において、白色系高強力繊維と耐
熱高機能繊維とを複合することにより、耐熱高機能繊維
のほとんどが有する比較的濃い色を淡くすることができ
る。したがって、本発明に係る防護衣料またはスポーツ
衣料は清潔感を与え、またファッション性も有してい
る。また、汚れを認識しやすく、ゆえに洗濯を頻繁に行
うので衣料を清潔に保つことができる。
【0052】また、本発明によれば、上記のような外観
上の利点を奏するために、木綿、ナイロンまたはポリエ
ステルなどの汎用の白色系繊維と耐熱高機能繊維とを複
合させる場合に比べて、強度に優れた防護衣料またはス
ポーツ衣料が得られる。本発明に係る防護衣料またはス
ポーツ衣料が有する強度は、該衣料の使用目的に要求さ
れる強度を十分に満たすものである。特に、白色系高強
力繊維として、超高分子量ポリエチレンを用いれば、弾
力性にも優れた防護衣料またはスポーツ衣料を提供で
き、また、PVA系繊維を用いれば、耐熱性にも優れた
防護衣料またはスポーツ衣料を提供できる。
【0053】さらに、本発明に係る防護衣料またはスポ
ーツ衣料は、頻繁に洗濯しても品質の劣化が実質的にな
いという利点がある。このような利点は、上述のように
汚れがつきやすく、頻繁に洗濯することの多い防護衣料
またはスポーツ衣料にとっては有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 502 A41D 31/00 502A 503 503F 503H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱高機能繊維と白色系高強力繊維とを
    複合した防護衣料またはスポーツ衣料。
  2. 【請求項2】 耐熱高機能繊維が、パラ系アラミド繊
    維、メタ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維お
    よびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種類の繊維であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の防護衣料またはスポー
    ツ衣料。
  3. 【請求項3】 パラ系アラミド繊維が、ポリパラフェニ
    レンテレフタルアミド繊維である請求項2に記載の防護
    衣料またはスポーツ衣料。
  4. 【請求項4】 白色系高強力繊維が、ポリビニルアルコ
    ール系繊維または/および超高分子量ポリエチレン繊維
    である請求項1〜3に記載の防護衣料またはスポーツ衣
    料。
  5. 【請求項5】 耐熱高機能繊維の含有割合が、繊維成分
    全体に対して0〜80重量%であることを特徴とする請
    求項1〜4に記載の防護衣料またはスポーツ衣料。
  6. 【請求項6】 手袋であることを特徴とする請求項1〜
    5に記載の防護衣料。
  7. 【請求項7】 白色系高強力繊維からなる防護衣料また
    はスポーツ衣料。
  8. 【請求項8】 さらに、弾性繊維が複合されていること
    を特徴とする請求項1〜7に記載の防護衣料またはスポ
    ーツ衣料。
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