JP2002265608A - 複合体 - Google Patents
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Abstract
性、耐熱性などの諸物性に優れた複合体を提供するこ
と。 【解決手段】 フタロシアニン系化合物をケイ素含有重
合体中に導入した複合体。
Description
化合物をケイ素含有重合体中に導入した複合体に関す
る。詳しくは、透明性に優れ、耐光性、耐ブリードアウ
ト性、耐熱性などの諸物性に優れた該複合体に関する。
おり、また多くの場合、分子内電荷移動構造をとるの
で、興味ある電子的、光化学的挙動が期待できる。色素
の中でもフタロシアニンは、インドリン単位が4つ環状
に縮合した化合物で、今世紀初頭に偶然に合成され、1
930年代に入ってX線構造解析により構造が確認され
たほぼ正方形に近い芳香属化合物である。安い原料から
短工程で効率よく合成でき、耐熱性、耐光性、耐候性、
耐薬品性などの使用特性の面で優れているため、多方面
で使用が試みられている。即ち、青〜緑系の染料や顔料
として初めに工業化され、今世紀後半に入ると、石油精
製における脱硫工程での触媒、そして近年には複写機の
感光体の電荷発生物質、光記録媒体、消臭・抗菌繊維と
して実用化の道が広がっている。更に、液晶、太陽電
池、エレクトロクロミックディスプレイ、燃料電池、癌
の光化学治療、一次元導電体、センサー分子素子等々、
応用面で多くの期待を集めている。
能を発揮する場合が多く、各種のバインダーとの組合
せ、コーティング方法など、複合材料としての見方が必
要となる。特に、微粒子顔料を使用する場合において
は、分散の問題が必ずつきまとってくる。そのため、色
素の機能を最大に発揮させるのに必要な複合化技術が不
可欠である。
法として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポバー
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂に顔料を
分散させた着色層を用いる方法が実用化または試みられ
ている。粒子を細かくする方法としては、物理的な方法
が行われている。通常の塗料、インキなどでは、一般に
顔料の分散度を上げていくと透明性が向上する。サンド
ミル、3本ロールミル、ボールミル等の通常の分散機で
は一次粒子まで分散されるが、それ以上透明性が上がら
なくなる。通常の分散機での分散工程は、主に顔料の一
次粒子の凝集体である二次粒子をほぐして一次粒子に近
い状態の分散体を得る工程であり、それ以上透明性を向
上させるためには一次粒子を更に細かくする必要があ
る。このように、顔料の樹脂に対する分散性が十分でな
いため、透明性が不十分であったり、コントラストが悪
いといった点が問題となっており、高溶解性、高耐光性
を有するものとしては満足いくものがないのが現状であ
る。
され、金属フタロシアニン錯体とすることができる。例
えば、Cuが入ったCu−フタロシアニンは安定で、我
が国の新幹線ブルーなど顔料として長い間使われてい
る。金属フタロシアニン錯体はきわめて安定な大環状配
位子の金属錯体であり、顔料や塗料としての利用法のみ
ならず、機能性分子としても注目され、多くの研究が行
われている。しかし、金属フタロシアニン錯体は溶解性
に乏しく、精製や加工などがきわめて困難である。そこ
で、種々の置換基をフタロシアニン環周辺に導入し、溶
解性に富む錯体の合成が報告されている。その中で、金
属フタロシアニン錯体と合成及び天然高分子との複合化
によって溶解性を高め、高機能化を図る試みが行われ、
二次元シート型ポリマー、ペンダント型ポリマー、主鎖
型ポリマーなどが報告されている。
士を経由して配位結合及び共有結合などで連結すること
によって、一次元ポリマーを得ることができる。これら
連結した一次元ポリマーは、金属フタロシアニン錯体と
無機及び有機の二官能配位子との反応によって合成され
る。
性、耐光性、耐候性等の特性に優れたフタロシアニン化
合物が望まれているが、十分なものは見出されていな
い。
べて、耐熱性、耐寒性、光学的性質に優れ、また、広い
温度範囲で電気特性が安定などの性質を持つため、機能
膜、電子材料、電気材料、光学材料としての用途が開拓
されつつある。更に、ポリシロキサンと有機ポリマーと
を組み合わせた有機・無機ハイブリッド材料は有機物、
無機物としての特性を併せ持つのみならず、加成則では
予想ができない両者の長所を兼ね備えた、それぞれの素
材とは全く異なる新しい機能性材料となることが期待さ
れている。
性に優れ、耐光性、耐ブリードアウト性、耐熱性などの
諸物性に優れた複合体を提供することにある。
を重ねた結果、上記のような従来の課題を解決すること
ができた。即ち本発明は、フタロシアニン系化合物をケ
イ素含有重合体中に導入した複合体を提供するものであ
る。また本発明は、フタロシアニン系化合物が金属フタ
ロシアニン系錯体である前記複合体を提供するものであ
る。また本発明は、ケイ素含有重合体がポリシロキサン
系化合物である前記複合体を提供するものである。また
本発明は、金属フタロシアニン系錯体とケイ素含有重合
体が化学結合している前記複合体を提供するものであ
る。また本発明は、金属フタロシアニン系錯体が中心金
属同士を経由した結合で連結した重合体からなる前記複
合体を提供するものである。
ン系化合物は、ケイ素含有重合体中に微分散させる場合
は特に限定されず、フタロシアニン、更にフタロシアニ
ンの類縁体として、テトラアザポルフィリン、ナフタロ
シアニン、テトラベンゾトリアザポルフィリン、スーパ
ーフタロシアニン、テトラベンゾポルフィリン、ナフタ
ロポルフィリン、アンソラソシアニン、テトラピリドポ
ルフィラジン、テトラピラジノポルフィラジン、テトラ
ナフタロポルフィリン、サブフタロシアニン、テトラベ
ンズトリアザコールなどの各無金属体及び金属錯体が例
として挙げられる。
は、例えば下記式(1)により表されるものが挙げられ
る。
水素原子、ハロゲン原子、好ましくは炭素数1〜30
の、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいア
リールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ス
ルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表す。k、
l、m、nは置換基X1〜X4の置換数で0〜4の整数を
表す。
例えば下記式(2)により表されるものが挙げられる。
金属ハロゲン化物を表し、X1〜X4は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、好ましくは炭素数1〜30
の、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいア
リールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ス
ルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表す。k、
l、m、nは置換基X1〜X4の置換数で0〜4の整数を
表す。
導入する場合は金属錯体を使用し、その場合、金属には
反応基が必須である。フタロシアニン環の中心にSi、
Ge、Snなどを含む錯体の場合、環の上下にClやO
H基などの脱離基を持つので、この脱離基の反応性を利
用して、ケイ素含有重合体中に化学結合させて導入する
ことができる。ジオール、ジカルボン酸、ジチオールな
どとの組合せも可能である。
としては、例えば下記式(3)で表されるものが挙げら
れる。
Si、Ge、Snであり、X1〜X4は、それぞれ独立に
水素原子、ハロゲン原子、好ましくは炭素数1〜30
の、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいア
リールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ス
ルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表す。k、
l、m、nは置換基X1〜X4の置換数で0〜4の整数を
表す。R1、R2は同一でも異なっていてもよい反応性を
有する置換基であり、その例としては、ハロゲン基、水
酸基、アルコキシ基、アルコキシシロキサン基、ヒドロ
キシシロキサン基、クロロシロキサン基等が挙げられ
る。
ば式(4)で表されるフタロシアニンシリコンジクロラ
イドが挙げられる。
水素原子、ハロゲン原子、好ましくは炭素数1〜30
の、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいア
リールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ス
ルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表す。k、
l、m、nは置換基X1〜X4の置換数で0〜4の整数を
表す。
は、例えば式(5)で表されるフタロシアニンシリコン
ジヒドロキシが挙げられる。
水素原子、ハロゲン原子、好ましくは炭素数1〜30
の、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいア
リールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ス
ルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表す。k、
l、m、nは置換基X1〜X4の置換数で0〜4の整数を
表す。
ば式(6)で表される化合物が挙げられる。
水素原子、ハロゲン原子、好ましくは炭素数1〜30
の、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいア
リールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ス
ルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表す。k、
l、m、nは置換基X1〜X4の置換数で0〜4の整数を
表し、R’1〜R’6は水素原子、水酸基、好ましくは炭
素数1〜30の、アルキル基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シ
リル基、シクロヘキシル基またはヘテロ環基を表し、
R’1〜R’3のうち少なくとも一つは、水素原子、水酸
基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコ
キシ基、アリーロキシ基またはシリル基であり、R’4
〜R’6のうち少なくとも一つは、水素原子、水酸基、
アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ
基、アリーロキシ基またはシリル基である。
元ポリマーを合成できる。例えば、Si(Pc)(O
H)2(フタロシアニンシリコンジヒドロキシ)、Ge
(Pc)(OH)2(フタロシアニンゲルマニウムジヒ
ドロキシ)、Sn(Pc)(OH)2(フタロシアニン
錫ジヒドロキシ)を、減圧下350℃で脱水を行うこと
により一次元ポリマーが合成できる。また、Si(P
c)Cl2(フタロシアニンシリコンジクロライド)も
Cl基の反応性を利用して一次元ポリマーを合成でき
る。これらの一次元ポリマーは、末端にClやOH基な
どの脱離基を持つので、この脱離基の反応性を利用し
て、ケイ素含有重合体中に化学結合を導入することもで
きる。
は、配位子と金属フタロシアニン錯体とのσ結合と配位
結合によってもよく、これらをケイ素含有重合体に化学
結合させてもよい。たとえばAl、Gaフタロシアニン
錯体の場合はフッ素イオンとの反応によって一次元ポリ
マーが生成できる。同様に、Mn、Cr、Fe、Co、
Rh、Ruを中心金属とする金属フタロシアニン錯体
と、CN及びSCNイオンとの組合せによっても同様な
一次元ポリマーが生成する。中心金属が、Fe、Ru、
Coを持つ金属フタロシアニン錯体の場合は、ピアジン
(pyazine)、タトラジン(tatrazine)、ビピリジル
(bipyridyl)及びジイソシアノベンゼン(diisocyanob
enzene)などの配位子と配位結合−配位結合によって一
次元ポリマーが形成できることが知られている。
体の脱離基、或いはそれらの一次元ポリマーの脱離基の
反応性を利用して、ケイ素含有重合体中に化学結合導入
することができる。ケイ素含有重合体の反応部位は、金
属フタロシアニン錯体の脱離基、或いはそれらの一次元
ポリマーの脱離基に応じて、適宜選択することができ
る。例えば、金属フタロシアニン錯体などの脱離基がC
lやOH基の場合は、ケイ素含有重合体の反応部位はS
i−OHやSi−OR(R:アルキル基)でよい。ま
た、ケイ素含有重合体中に、金属フタロシアニン錯体な
どの金属と同種の金属を導入し、当該フタロシアニン錯
体の一次元ポリマー形成と同様にして、金属フタロシア
ニン錯体、或いはそれらの一次元ポリマーをケイ素含有
重合体中に化学結合導入することができる。
或いはその一次元ポリマーの金属としては、Si、G
e、Snなどが好ましく、反応基はClやOH基を有す
るものが好ましい。
ケイ素含有重合体中に導入すると、耐光性が上がり好ま
しい。本発明で用いられるケイ素含有重合体は、ポリシ
リケート化合物、ポリシラン化合物、ポリシロキサン系
化合物等、ケイ素を含有する重合体であればよく、特
に、分子中にSi−O−Si結合を有する、いわゆるポ
リシロキサン系化合物が望ましい。フタロシアニン系化
合物を微分散させる場合はポリシロキサン化合物であれ
ば特に限定されない。化学結合により導入する場合は金
属フタロシアニン錯体などと反応する官能基を有するも
のなら限定されないが、反応性の官能基を有することが
好ましく、例えばSi−Cl基またはSi−OH基を有
するものが好ましい。
外に、反応性基として、エポキシ基、アルケニル基、S
i−H基等を有していてもよく、これらを利用した、他
の有機重合体との、有機−無機ハイブリッド化合物も、
本発明ではポリシロキサン系化合物として扱う。
アルコキシシラン等を原料にして、ゾル−ゲル反応によ
って合成することができるが、その場合、末端にSi−
OH基等が残り、これを上述したように、フタロシアニ
ン錯体との化学結合形成に使用できる。また、その反応
性や、保存安定性を制御するために、そのポリシロキサ
ン系化合物の末端のSi−OH基を、オルト蟻酸エステ
ル、オルト酢酸エステル、テトラアルコキシメタン、炭
酸エステル等の加水分解性エステルで処理してもよい。
物とケイ素含有重合体の比は、必要に応じて適宜選択す
ればよいが、フタロシアニン系化合物が、ケイ素含有重
合体に対して、重量比で10%〜0.1ppmが好まし
い。また、フタロシアニン系化合物とケイ素含有重合体
を化学結合させる場合は、微分散させる場合に比べて、
フタロシアニン系化合物が少ない量で同等の吸光度が得
られる傾向がある。
ない。感光体、消臭剤、太陽電池、液晶、電池、センサ
ー、ディスプレイ、光カード、セキリティインキ、光記
録媒体、有機光導電体、近赤外線吸収フィルター、熱線
遮蔽フィルム、保護眼鏡、農業用フィルム、レーザーダ
イレクト製版(CTP)、レーザー熱転写記録、レーザ
ー感熱記録、光熱変換材料等の近赤外線吸収能を必要と
する用途への展開が可能なものである。特に透明性、耐
光性、耐熱性、耐ブリードアウト性等が要求される用途
に好ましく用いることができる。
が、本発明はこれら実施例によって限定されるものでは
ない。尚、特に記述がない限り、実施例中の「部」は重
量によるものである。
シシラン(11部)、及び0.03%リン酸水溶液(9.7部)を混合
し、10℃にて加水分解した。更に、エタノール(24部)を
加え、水酸化ナトリウム水溶液で反応液を中和後、30℃
にて15分間反応した。次いで、オルトギ酸トリエチル(1
30部)を加え、130℃にて1時間攪拌した。その後、吸着
剤(協和化学工業製キョワード600S、以下同様)を(0.5
部)を加え、100℃にて処理してから吸着剤を濾過して除
去後、130℃、10mmHgにて揮発成分を留去し、ケイ素含
有重合体Aを得た。GPCによる分析の結果、重量平均分
子量は3300(ポリスチレン換算、以下同様)であった。
(13部)を混合し、攪拌後、β-(3,4-エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン(7.4部)を加えて10℃に
て加水分解した。更に、水酸化ナトリウム水溶液で反応
液を中和後、60℃にて15分間反応した。次いで、オルト
ギ酸トリエチル(180部)を加え、130℃にて1時間攪拌し
た。その後、吸着剤(0.7部)を加え、100℃にて処理して
から吸着剤を濾過して除去後、130℃、10mmHgにて揮発
成分を留去し、ケイ素含有重合体Bを得た。GPCによる分
析の結果、重量平均分子量は6400であった。
32部)、2%水酸化ナトリウム水溶液(10部)、及びピリ
ジン(10部)を混合し、110℃にて1時間反応した。反応
後、ポアサイズ0.45μmPTFE膜で濾過し、沈殿を水及び
アセトンで洗浄後、60℃にて乾燥してフタロシアニンシ
リコンジヒドロキシ(化合物2)を得た。吸収スペクト
ル分析の結果、フタロシアニンシリコンジクロライドの
吸収(λmax=690nm)は消失し、新たな吸収(λmax=670n
m)が出現しており、フタロシアニンシリコンジヒドロキ
シの生成が確認できた。次いで、フタロシアニンシリコ
ンジヒドロキシ(0.012部)と1-クロロナフタレン(50
部)を混合し、260℃にて4時間反応し、フタロシアニン
シリコンジヒドロキシ重合体(化合物3)を得た。反応
液は、吸収スペクトル分析の結果、フタロシアニンシリ
コンジヒドロキシの吸収(λmax=670nm)が消失し、新
たな吸収(λmax=630nm)が出現しており、フタロシアニ
ンシリコンジヒドロキシの重合が確認できた。更に、MA
LDI-TOF-MS(マトリックス支援-飛行時間型質量分析)に
より、重合度はn=1(20%)、n=2(39%)、n=3(30%)、 n=4(9
%)、n=5(2%)と判明した。
ロヘキサンカルボキシレート(30部)にフタロシアニン
(化合物4)(0.1部)を加え、60℃で10分間攪拌後、
超音波処理を1時間行った。次いで、0.5μmガラスフィ
ルターで濾過した。得られた濾液(0.2部)にケイ素含
有重合体B(7部)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル
-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(2.8
部)、及び光硬化触媒として4-(2-クロロ-4-ベンゾイル
フェニルチオ)フェニルビス(4-フロロフェニル)スルホ
ニウムヘキサフロロアンチノネート0.03部を混合して、
青色透明な硬化性組成物を得た。この硬化性組成物は68
0nmに吸光度1.3(厚さ1cm) の吸収を示したこの硬化性組
成物をフッ素系離型剤を表面にスプレーしたガラス板上
に厚さ0.5mmになるように塗布後、高圧水銀灯により100
0mJ/cm2照射した。フィルムをガラス板からはがし、更
に120℃にて4時間熱処理して硬化し、青色透明なフィル
ムを得た。硬化後のフィルムの透明性は良好であった
が、硬化前の硬化性組成物をポアサイズ0.1μmPTFE膜で
濾過すると、フタロシアニン色素は分離した。
(9.6部)を混合攪拌後、ビニルトリメトキシシラン(3.4
部)を加えて10℃にて加水分解した。更に、水酸化ナト
リウム水溶液で反応液を中和後、30℃にて15分間反応し
てからフタロシアニンシリコンジクロライド(化合物
1)(0.001部)を溶解したクロロホルム(1.5部)を加え
た。次いで、オルトギ酸トリエチル(270部)を加え、130
℃にて1時間攪拌した。その後、吸着剤(0.1部)を加え、
100℃にて処理してから吸着剤を濾過して除去後、80
℃、10mmHgにて揮発成分を留去し、硬化性組成物を得
た。フタロシアニンとケイ素含有重合体が化学結合して
いることは、GPC分析において、RI検出器のクロマトグ
ラムと、UV検出器(波長670nm)のクロマトグラムの比較
により確認した。得られた複合体(5部)、Si-H末端ポリ
ジメチルシロキサン(5部)、及び白金カルボニルビニル
メチルシロキサン溶液(0.01部)を混合して、青色透明な
硬化性組成物を得た。この硬化性組成物は670nmに吸光
度0.7(厚さ1cm) の吸収を示した。また、この硬化性組
成物はポアサイズ0.1μmのPTFE膜をフタロシアニン色素
が分離することなく通過した。この硬化性組成物をガラ
ス板上に滴下後、150℃にて2時間加熱し、青色透明なフ
ィルムを得た。
ヒドロキシ(化合物2)(0.002部)を溶解したクロロホ
ルム(2部)を混合後、150℃、10mmHgにて2時間反応
し、フタロシアニンシリコンジヒドロキシとケイ素重合
体が化学結合している複合体を得た。フタロシアニンと
ケイ素含有重合体が化学結合していることは、GPC分析に
おいて、RI検出器のクロマトグラムと、UV検出器(波長6
80nm)のクロマトグラムの比較により確認した。得られ
た複合体(2部)、ケイ素含有重合体A(5部)、シラノール
末端ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリ
マー(3部)、及び硬化触媒としてジブチルジアセトキシ
スズ(0.01部)を混合して、青色透明な硬化性組成物を得
た。この硬化性組成物は670nmに吸光度1.4(厚さ1cm) の
吸収を示した。また、この硬化性組成物はポアサイズ0.
1μmのPTFE膜をフタロシアニン色素が分離することなく
通過した。この硬化性組成物をガラス板上に滴下後、
“室温→(10℃/分)→150℃×10分→(10℃/分)→200℃×
10分→(10℃/分)→250℃×4時間”にて硬化し、青色透
明なフィルムを得た。
ジヒドロキシ(化合物2)(0.002部)を溶解したクロロ
ホルム(2部)を混合後、150℃、10mmHgにて2時間反応
し、フタロシアニンシリコンジヒドロキシとケイ素重合
体が化学結合している複合体を得た。フタロシアニンと
ケイ素含有重合体が化学結合していることは、GPC分析に
おいて、RI検出器のクロマトグラムと、UV検出器(波長6
80nm)のクロマトグラムの比較により確認した。得られ
た複合体(2部)、ケイ素含有重合体B(5部)、3,4-エポ
キシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート(3部)及び熱重合開始剤として1-
(2-ブテニル)チオラニウムヘキサフルオロホスフェート
(0.03部)を混合して、青色透明な硬化性組成物を得た。
この硬化性組成物は670nmに吸光度1.4(厚さ1cm) の吸収
を示した。また、この硬化性組成物はポアサイズ0.1μm
のPTFE膜をフタロシアニン色素が分離することなく通過
した。この硬化性組成物をガラス板上に滴下後、120℃
にて2時間硬化し、青色透明なフィルムを得た。
シアニンシリコンジヒドロキシ重合体(化合物3)の1-
クロロナフタレン溶液(16部)を混合し、150℃、10mmH
gにて2時間反応させ、フタロシアニンシリコンジヒドロ
キシ重合体とケイ素重合体が化学結合している複合体を
得た。フタロシアニン重合体とケイ素含有重合体が化学
結合していることは、GPC分析において、RI検出器のク
ロマトグラムと、UV検出器(波長680nm)のクロマトグラ
ムの比較により確認した。得られた複合体(4.7部)、
ケイ素含有重合体B(2.3部)、3,4-エポキシシクロヘ
キシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート(3.0部)、及び光硬化触媒として4-(2-クロロ-4-
ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4-フロロフェニ
ル)スルホニウムヘキサフロロアンチノネート(0.03部)
を混合して、青色透明な硬化性組成物を得た。この硬化
性組成物は680nmに吸光度1.4(厚さ1cm) の吸収を示し
た。また、この硬化性組成物はポアサイズ0.1μmのPTFE
膜をフタロシアニン色素が分離することなく通過した。
この硬化性組成物をフッ素系離型剤を表面にスプレーし
たガラス板上に厚さ0.6mmになるように塗布後、高圧水
銀灯により1000mJ/cm2照射した。フィルムをガラス板か
らはがし、更に120℃にて4時間熱処理して硬化し、青色
透明なフィルムを得た。
性、耐ブリードアウト性、耐熱性などの諸物性に優れ
た、フタロシアニン系化合物をケイ素含有重合体中に導
入した複合体を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 フタロシアニン系化合物をケイ素含有重
合体中に導入した複合体。 - 【請求項2】 フタロシアニン系化合物が金属フタロシ
アニン系錯体である請求項1記載の複合体。 - 【請求項3】 ケイ素含有重合体がポリシロキサン系化
合物である請求項1または2記載の複合体。 - 【請求項4】 金属フタロシアニン系錯体とケイ素含有
重合体が化学結合している請求項2または3記載の複合
体。 - 【請求項5】 金属フタロシアニン系錯体が中心金属同
士を経由した結合で連結した重合体からなる請求項2〜
4のいずれか1項記載の複合体。
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JP2015103735A (ja) * | 2013-11-27 | 2015-06-04 | ソニー株式会社 | 固体撮像素子および電子機器 |
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