JP2002265383A - インターフェロンα注射用液状製剤 - Google Patents

インターフェロンα注射用液状製剤

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JP2002265383A
JP2002265383A JP2001071307A JP2001071307A JP2002265383A JP 2002265383 A JP2002265383 A JP 2002265383A JP 2001071307 A JP2001071307 A JP 2001071307A JP 2001071307 A JP2001071307 A JP 2001071307A JP 2002265383 A JP2002265383 A JP 2002265383A
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ifnα
injection
liquid preparation
rhsa
interferon
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JP2001071307A
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Katsumi Tanaka
克実 田中
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Original Assignee
Mitsubishi Pharma Corp
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    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/19Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • A61K38/21Interferons [IFN]
    • A61K38/212IFN-alpha
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インターフェロンαを含有し、長期保
存が可能な、安定性に優れた注射用液状製剤を提供する
こと。 【解決手段】 インターフェロンα、組換えヒト血清
アルブミンおよび非イオン系界面活性剤を含有してな
り、かつpHが6.5〜7.5である注射用液状製剤、
および、インターフェロンαおよび非イオン系界面活性
剤を含有してなり、かつpHが6.5〜7.5である注
射用液状製剤において、組換えヒト血清アルブミンを添
加することを特徴とするインターフェロンαの安定化方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターフェロン
αを含有する注射用液状製剤、および当該液状製剤にお
ける安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インターフェロン(IFN)は生体内に
おいて産生される糖蛋白質の一種であり、サイトカイン
とも呼ばれる。細胞内でのウイルス複製および細胞増殖
を抑制し、免疫反応などに関与するといった生理活性を
有する。IFNはα型、β型、γ型の3種に大別され
る。IFNαは生体内においてウイルス感染後に主に白
血球などにより産生される。
【0003】IFNα製剤には凍結乾燥製剤と液状製剤
の2種類がある。前者は製剤としての長期保存安定性に
優れるものの、製造工程における凍結乾燥の手間、用時
(患者への投与時)に注射用水などで再溶解する手間な
どが欠点である。後者は、IFNαが他の蛋白質と同様
に水溶液中で、蛋白質分解、酸化、ジスルフィド交換、
オリゴマー化、脱アミド化あるいはβ−脱離のような化
学的影響、ならびに凝集、沈殿および吸着のような物理
的影響を受けやすいために、長期保存安定性をいかに改
善するかが焦点である。
【0004】IFNαを注射用として液状製剤化する手
法としては、安定化剤を添加する方法として、例えば、
ポリソルベート(商品名「トウイーン」、特開昭61−
277633号公報、特公平7−5479号公報、特表
平10−506912号公報)などが報告されている。
また、IFNαは特定のpHで安定化することが知られ
ており、市販されている多くのIFNαの凍結乾燥製剤
においても溶解時のpHとして5〜6が選択されてい
る。また、IFNαの液状製剤においてpHを4.5〜
5.5に調製する方法(特開平8−283176号公
報、特許2758154号公報)などが報告されてい
る。
【0005】また、IFNα(ナマルバ細胞由来)、血
漿由来のヒト血清アルブミン(HSA)、トロメタモー
ル、グリシンおよび塩化ナトリウムを含有してなり、p
Hが7.1の注射用液状製剤が市販されている(商品名
「スミフェロン」、住友製薬)。
【0006】なお、特開昭63−295513号公報
は、IFN、血漿由来のHSA、非イオン系界面活性
剤、等張剤および緩衝剤からなる凍結乾燥製剤を開示し
ている。しかしながら、凍結乾燥製剤は溶液状態として
長期間(例えば、1〜3年間)保存することを想定した
ものではないので、液状製剤としての長期安定性を担保
するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヒト
IFNαを含有し、長期保存が可能な、安定性に優れた
注射用液状製剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情を考慮に入れて研究を行った結果、組換えHSAを用
いることにより、IFNαの力価の低下を抑えることを
確認した。しかしながら、この製剤は長期保存により凝
集を起こすことから、さらに研究を進めた結果、組換え
HSAと非イオン系界面活性剤を併用することにより、
IFNαの力価の低下を抑え、しかも凝集を生じないと
いう、優れた長期保存安定性を有する、IFNαの注射
用液状製剤を調製できることを見出して、本発明を完成
した。
【0009】すなわち、本発明は、1)IFNα、組換
えHSAおよび非イオン系界面活性剤を含有してなり、
かつpHが6.5〜7.5であるIFNα注射用液状製
剤、および、2)IFNαおよび非イオン系界面活性剤
を含有してなり、かつpHが6.5〜7.5であるIF
Nα注射用液状製剤において、組換えHSAを添加する
ことを特徴とするIFNαの安定化方法、に関するもの
である。以下に詳細を説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】IFNα 本発明で用いられるIFNαは、天然型または遺伝子組
換え型のいずれでもよいが、好ましくは天然型ヒトIF
Nαが挙げられる。IFNαはウイルス複製および細胞
増殖を阻害し、免疫応答を調整する作用を有する。IF
Nαにはアミノ酸配列の一部の置換もしくは欠失、また
は糖鎖などとの結合により20種以上のサブタイプが存
在する。代表的なIFNαサブタイプとしては、IFN
α2a、α2b、α2cが挙げられるが、その他にも、
IFNα1、α4、α5、α6、α7a、α7b、α7
c、α8、α10、α13、α14、α17a、α17
b、α17c、α21、α78、α88、λ2などが挙
げられ、さらに糖鎖の違いなどによる多数のサブタイプ
が存在する。本発明では、IFNαとして上記のサブタ
イプのいずれを含むものであっても使用することができ
る。好ましくは少なくとも5種類のサブタイプ、より好
ましくは少なくとも10種類のサブタイプ、特に好まし
くは少なくとも20種類のサブタイプを含有するIFN
αを使用することができる。天然型IFNαにはナマル
バ細胞由来あるいはBALL−1細胞由来のもの(持田
製薬の「IFNαモチダ」、大塚製薬の「オーアイエ
フ」)などが存在する。また、遺伝子組換え型IFNα
には、組換えIFNα2a(武田薬品の「キャニフェロ
ンA」、日本ロシュの「ロフェロンA」)あるいは組換
えIFNα2b(シェリングプラウ社の「イントロン
A」)などが存在する。特には、ナマルバ細胞由来の天
然型IFNαの精製混合物が好適である。
【0011】本発明の注射用液状製剤において、IFN
αの濃度は1×106〜20×106IU/mL程度の範
囲が好適である。
【0012】組換えHSA 本発明で用いられる組換えHSAは、遺伝子組換え技術
を用いて調製されたものであって、医薬品(注射剤)と
して利用可能な程度に十分に精製されたものであれば特
に限定されるものではなく、公知のものを利用すること
ができる。
【0013】組換えHSA(rHSA)は、遺伝子操作
を経て調製されたHSA産生宿主により産生されるHS
Aであれば特に限定されないが、好ましくは産生宿主に
由来する夾雑成分(例えば、蛋白質、多糖類等)を実質
的に含まない、より好ましくは公知の手段でrHSA産
生宿主を培養した後、その培養濾液または菌体、細胞か
らそれぞれ公知の分離手段および精製手段により採取お
よび精製されたものが用いられる。また、トランスジェ
ニック動物、トランスジェニック植物を利用することも
できる(特表平9−509565号公報、同10−50
4289号公報)。具体的には以下の方法が挙げられ
る。
【0014】本発明において用いられる、rHSAを得
るための宿主は、遺伝子操作を経て調製されたものであ
れば特に限定されず、既に公知文献記載のものの他、今
後開発されるものであっても適宜利用することができ
る。具体的には、遺伝子操作を経てrHSA産生性とさ
れた菌(例えば、大腸菌、酵母、枯草菌等)、動物細胞
等が例示される。特に、宿主として酵母、好ましくはサ
ッカロマイセス属[例えば、サッカロマイセス・セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisi
ae)]、もしくはピキア属[例えば、ピキア・パスト
リス(Pichiapastoris)]を用いる。ま
た、栄養要求性株や抗生物質感受性株を用いてもよい。
さらに好適にはサッカロマイセス・セレビシエAH22
株(a,his 4,leu 2,can 1)、ピキ
ア・パストリスGTS115株(his 4)が用いら
れる。
【0015】これらのrHSA産生宿主の調製方法、該
宿主を培養することによるrHSAの生産方法および培
養物からのrHSAの分離採取方法は、公知ならびにそ
れに準じた手法を採用することによって実施することが
できる。例えば、rHSA産生宿主の調製方法として
は、例えば通常のHSA遺伝子を用いる方法(特開昭5
8−56684号公報、同58−90515号公報、同
58−150517号公報)、新規なHSA遺伝子を用
いる方法(特開昭62−29985号公報、特開平1−
98486号公報)、合成シグナル配列を用いる方法
(特開平1−240191号公報)、血清アルブミンシ
グナル配列を用いる方法(特開平2−167095号公
報)、組み換えプラスミドを染色体上に組み込む方法
(特開平3−72889号公報)、宿主同士を融合させ
る方法(特開平3−53877号公報)、メタノール含
有培地で変異を起こさせる方法、変異型AOX2プロモ
ーターを用いる方法(特開平6−90768号公報、同
4−299984号公報)、枯草菌によるHSAの発現
(特開昭62−25133号公報)、酵母によるHSA
の発現(特開昭60−41487号公報、同63−39
576号公報、同63−74493号公報)、ピキア酵
母によるHSAの発現(特開平2−104290号公
報)などが例示される。
【0016】このうち、メタノール含有培地で変異を起
こさせる方法は具体的には以下のように行う。すなわ
ち、まず適当な宿主、好ましくはピキア酵母、具体的に
はGTS115株(NRRL寄託番号Y−15851)
のAOX1遺伝子領域に常法によりAOX1プロモータ
ー支配下にHSAが発現する転写ユニットを有するプラ
スミドを導入して形質転換体を得る(特開平2−104
290号公報を参照のこと)。この形質転換体はメタノ
ール培地中での増殖能は弱い。そこで、この形質転換体
をメタノール含有培地中で培養して変異を起こさせ、生
育可能な菌株のみを回収する。この際、メタノール濃度
としては0.0001〜5%程度が例示される。培地は
人工培地、天然培地のいずれでもよい。培養条件として
は15〜40℃、1〜1000時間程度が例示される。
【0017】また、rHSA産生宿主の培養方法として
は、上記の各公報に記載された方法の他に、フェッドバ
ッチ培養(半回分培養)により、高濃度のグルコースあ
るいはメタノール等を適度に少量ずつ供給し、産生菌体
に対する高濃度基質阻害を避けて高濃度の菌体と産生物
を得る方法(特開平3−83595号公報)、培地中に
脂肪酸を添加してrHSAの産生を増強する方法(特開
平4−293495号公報)等が例示される。
【0018】培養処理により産生されたrHSAを、宿
主細胞に由来する成分及び培養成分等から十分な精度を
もって単離・精製する方法については各種の方法が提案
されている。例えば、従来行われている方法としてrH
SAを含有する酵母培養液を、圧搾→限外濾過膜処理→
加熱処理→限外濾過膜処理に供した後、陽イオン交換体
処理、疎水性クロマト処理、陰イオン交換体処理等の工
程に供する方法(特開平5−317079号公報;バイ
オテクノロジー・オブ・ブラッド・プロテインズ、22
7巻、293〜298頁、1993年発行)などが挙げ
られる。また、上記の従来法の後で、さらにキレート樹
脂処理またはホウ酸・塩処理の工程に供する方法も報告
されている(特開平6−56883号公報、同6−24
5789号公報)。また、当該酵母培養液を加熱処理後
に、吸着流動床技術を用いたストリームライン法(特開
平8−116985号公報)等を用いることもできる。
このようにして調製・精製されたrHSAは公知の手
法、例えば、滅菌加熱、限外濾過膜処理、安定化剤の添
加、除菌濾過、分注、凍結乾燥等の処理を施すことがで
きる。
【0019】組換えHSAはIFNα 1×106IU
当たり0.05〜1mg程度を添加することが好まし
く、IFNα 1×106IU当たり0.08〜0.5
mg程度を添加することがより好ましい。
【0020】非イオン系界面活性剤 本発明で用いられる非イオン系界面活性剤としては、ポ
リオキシアルキレン誘導体あるいはポリオキシアルキレ
ン共重合体などが挙げられる。具体的には、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、
商品名「トウイーン」)、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル(商品名「トリトン」)、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール(商品名「プルロニッ
ク」)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品名「H
CO」)、脂肪酸モノグリセリドなどが例示される。こ
のうち、好ましい非イオン系界面活性剤は、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステルである。これにはモ
ノオレエート(ポリソルベート20)、モノラウレート
(同40)、モノステアレート(同60)、モノパルミ
テート(同80)などが存在するが、特に好ましいのは
ポリソルベート80である。
【0021】非イオン系界面活性剤の添加濃度として
は、0.001〜10mg/mL程度が例示される。好
ましくは0.01〜1mg/mL程度であり、特に好ま
しくは、0.1〜0.3mg/mL程度である。
【0022】pH・緩衝剤 本発明の注射用液状製剤のpHは6.5〜7.5の範囲
で、IFNαの安定化を図ることができるが、より好ま
しいpHは6.8〜7.1程度である。
【0023】本発明の注射用液状製剤は緩衝剤を含有し
ていてもよい。緩衝剤は、注射剤に利用可能であって、
上記のpH範囲で緩衝能を有するものであれば特に限定
されず、慣用のものを利用することができる。また、緩
衝剤を添加した後に、慣用のpH調整剤を使用して、上
記のpH範囲に調整することもできる。本発明で用いら
れる緩衝剤としては、例えば、トロメタモール、グリシ
ン、リン酸緩衝剤(第一リン酸塩と第二リン酸塩の組合
せ、例えば、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナ
トリウムの組合せ)などが例示される。好ましくは、ト
ロメタモールおよびグリシンを用いる。緩衝剤の添加濃
度はpHを所望の範囲に維持できる程度であれば特に限
定されないが、トロメタモールの場合ならば1〜2mg
/mL程度、グリシンの場合ならば0.5〜1mg/m
L程度が例示される。
【0024】等張化剤 本発明の注射用液状製剤は等張化剤を含有していてもよ
い。等張化剤は、医薬的に許容され、注射剤に利用可能
なものであれば特に限定されず、慣用のものを使用する
ことができる。例えば、塩化ナトリウムなどの無機塩、
グリセリンなどのポリオール、ブドウ糖などの単糖類、
ショ糖などの二糖類、マンニトールなどの糖アルコール
などが例示される。好ましくは、塩化ナトリウムを用い
る。等張化剤は、注射用液状製剤の浸透圧比を1〜2程
度に維持する濃度で添加される。なお、浸透圧比とは、
0.9w/v%の塩化ナトリウム(生理食塩液)の浸透
圧に対する溶液の浸透圧の比をいう。
【0025】その他の添加剤 本発明の液状製剤においては、組換えHSAを安定化す
るための公知の添加剤を添加・含有していてもよい。例
えば、アセチルトリプトファンまたはその塩、カプリル
酸またはその塩などである。その添加濃度としては各
々、0.01〜10mg/mL程度(あるいはモル表示
では1〜10mM程度)が例示される。
【0026】調製方法 本発明の注射用液状製剤は、例えば以下の方法により製
造することができる。すなわち、IFNαを含む水溶液
(好適には、塩化ナトリウムなどの等張化剤、トロメタ
モールおよびグリシンなどの緩衝剤などを含む)に組換
えHSAおよび非イオン系界面活性剤(例えば、ポリソ
ルベート80など)を所定濃度となるように添加し、p
Hを調整後に、IFNαを所定濃度となるように希釈す
る。その後に無菌条件下にて除菌濾過し、バイアル等の
密封容器に充填することにより、本発明の注射用液状製
剤を得ることができる。
【0027】本発明の注射用液状製剤は、凍結乾燥を経
ることなく調製されたものであり、凍結乾燥製剤とは異
なり、用時に注射用蒸留水のような溶剤に溶解する必要
がなく、そのまま患者に注射投与することができるもの
である。
【0028】用法用量・適応症 本発明のIFNα注射剤は、腎臓癌、多発性骨髄種、白
血病、慢性および急性B型/C型肝炎、亜急性硬化性全
脳炎、HTLV−1脊髄症(HAM)等の種々の疾患の
処置に有効である。通常は皮下または筋肉内に1日当た
り3×106〜9×106IUが投与される。
【0029】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために、実施例
および実験例を挙げるが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0030】なお、実施例および実験例で使用したIF
Nα(ナマルバ細胞由来、住友製薬)は、サブタイプα
1、α2、α5、α7、α8、α88、λ2h等を含有
する(糖鎖の違いなどで16種類以上を含有する)もの
である。また、MUは100万IUを意味する。
【0031】実施例1 IFNα 3MU、rHSA 1.5mgおよびポリソ
ルベート80 0.1mgを適量の注射用水に溶解し、
pHを7.1に調整して、全量を1mLとした。これを
1mL容のガラスバイアルに充填してIFNα注射用液
状製剤を調製した。
【0032】実施例2〜4 実施例1と同様にして表1に示す処方のIFNα注射用
液状製剤を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】実験例1 1mL当たりIFNα 3MU、rHSA 1.5また
は3mg、およびトリス/グリシン緩衝液を含み、pH
を6.8または7.1に調整した液状製剤を、長期保存
後に凝集の有無を観察した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】IFNα液状製剤にrHSAを添加して長
期保存した場合は、凝集が起きることが判明した。
【0037】実験例2 実験例1のロットA〜CのIFNα液状製剤を、10℃
で1年間保存後にIFNα含量を測定した。結果を表3
に示す。
【0038】
【表3】
【0039】rHSAはIFNαの活性を保持するため
の安定化剤として有効であることが判明した。
【0040】実験例3 1mL当たりIFNα 3MU、rHSA 1.5m
g、各種添加剤、トロメタモール1.22mg、塩化ナ
トリウム8.8mgおよびグリシン0.76mgを含
み、pHを7.1に調整したIFNα液状製剤を、1m
L容のガラスバイアルに充填して、10℃で2カ月間保
存後に凝集の有無を観察した。結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】IFNα液状製剤に、rHSAとともにア
セチルトリプトファンナトリウムおよびカプリル酸ナト
リウムを添加することにより、長期保存時の凝集を抑え
ることができた。オレイン酸ナトリウムの効果は弱いも
のであった。
【0043】実験例4 1mL当たりIFNα 3MU、rHSA 1.5m
g、ポリソルベート800または0.1mg、トロメタ
モール1.22mg、塩化ナトリウム8.8mgおよび
グリシン0.76mgを含み、pHを7.1に調整した
IFNα液状製剤を、1mL容のガラスバイアルに充填
した。10℃で10カ月間の保存後に凝集の有無を観察
した。結果を表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】IFNα液状製剤に、rHSAとともにポ
リソルベートを添加することにより、長期保存時の凝集
を抑えることができた。
【0046】実験例5 1mL当たりIFNα 3MU、rHSA 1.5m
g、ポリソルベート800〜0.3mg、トロメタモー
ル 1.22mg、塩化ナトリウム 8.8mgおよび
グリシン 0.76mgを含み、pHを7.1に調整し
たIFNα液状製剤を、1mL容のガラスバイアルに充
填した。振とう下、室温で50日間保存後に凝集の有無
を観察した。結果を表6に示す。
【0047】
【表6】
【0048】ポリソルベートの添加効果は、0.1〜
0.3mg/mLの濃度のときが最も優れていることが
判明した。
【0049】実験例6 1mL当たりIFNα 3または6MU、rHSA
1.5mg、ポリソルベート80 0.1mg、トロメ
タモール 1.22mg、塩化ナトリウム 8.8mg
およびグリシン 0.76mgを含み、pHを7.1に
調整したIFNα液状製剤を、1mL容のガラスバイア
ルまたはシリンジに充填した。長期保存後に凝集の有無
を観察した。結果を表7に示す。
【0050】
【表7】
【0051】IFNαの含量、剤型の種類に関係なく、
凝集の生成を抑制できることが判明した。
【0052】参考例(rHSAの調製) rHSA産生酵母ピキア・パストリスの取得およびその
培養については、特開平5−317079号公報に記載
された方法に準じて行った。得られた培養液からrHS
Aを回収・精製するには、特開平8−116985号公
報に記載された方法に準じて行った。
【0053】精製されたrHSAを25%溶液に調整
し、さらにカプリン酸ナトリウムおよびアセチルトリプ
トファンナトリウムを終濃度0.02Mとなるように添
加した後に、60℃30分間の加熱滅菌処理および0.
22μmフィルター(ミリポア社)を用いて除菌濾過す
ることにより、rHSAを注射剤として使用することが
できる。その組成としては、塩化ナトリウム含量が3.
7mg/mL以下、pHが6.4〜7.4、浸透圧比が
約1(生理食塩液に対する比)であった。
【0054】精製されたrHSA(含有組成物)の性状
を確認した。 HPLC分析: rHSAをHPLCゲル濾過により分
析した。ゲル濾過分析は以下の条件で行った。カラムは
TSK gel G3000SW(東ソー)。展開液は
0.1M KH2PO4/0.3M NaCl緩衝液。検
出は波長280nmの吸光度。
【0055】酵母由来成分の分析: HSA非産生酵母
の上清を、上記の方法で粗精製したものをウサギに免疫
し、得られた抗血清を用いて精製rHSA含有組成物中
に夾雑する酵母由来成分を検出した。測定は酵素免疫測
定法(EIA法)によった。rHSA濃度として25%
に調整したものを用いて測定した。
【0056】分子量: 前述のHPLCゲル濾過法によ
った。
【0057】等電点: 薄層ポリアクリルアミドゲルを
用い、Allenらの方法(J.Chromato
g.、146、p1、1978年)に準じて測定した。
【0058】着色度: 波長280nm、350nm、
450nmおよび500nmでの吸光度を測定し、A
350/A280、A450/A280、A500/A280を各々算出し
た。
【0059】パイロジェン: 生化学工業のエンドスペ
シーを用いた。全ての測定結果を表8に示す。
【0060】
【表8】
【0061】当該rHSA含有組成物を本発明の実施例
および実験例に供した。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、IFNα注射用液状製
剤に、組換えHSAおよび非イオン系界面活性剤を添加
し、pHを特定範囲(pH6.5〜7.5)に調整する
ことにより、長期間にわたってIFNαの力価の低下を
抑制し、高度な安定性を維持することができる。特に、
長期保存中の凝集物または沈殿物の生成を抑制するとい
う組換えHSAを添加したIFNαの液状製剤に特有の
問題を解決するものである。本発明の製剤は、長期保存
が可能で安定な注射用液状製剤であり、用時に溶剤に溶
解する必要がなく、簡便に患者に投与できるという利点
を有する。本発明によれば、ヒト生体内で産生されるも
のと同じサブタイプを含有するIFNαを含有し、かつ
長期保存可能で安定な注射用液状製剤を提供することが
可能となる。
【0063】また、組換えHSAを用いることにより血
漿由来のHSAより均一な性状のものを、より安定的に
供給できるなど、組換えHSAは質および量の両面から
も好適なものと期待される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インターフェロンα、組換えヒト血
    清アルブミンおよび非イオン系界面活性剤を含有してな
    り、かつpHが6.5〜7.5であるインターフェロン
    α注射用液状製剤。
  2. 【請求項2】 インターフェロンαおよび非イオン
    系界面活性剤を含有してなり、かつpHが6.5〜7.
    5であるインターフェロンα注射用液状製剤において、
    組換えヒト血清アルブミンを添加することを特徴とする
    インターフェロンαの安定化方法。
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