JP2002265270A - 多孔質炭化珪素焼結体の製造方法 - Google Patents
多孔質炭化珪素焼結体の製造方法Info
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Abstract
安価に製造することができる多孔質炭化珪素焼結体の製
造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、炭化珪素粉末とバインダー
とを含む炭化珪素成形体を作製する成形体作製工程と、
上記炭化珪素成形体の脱脂を行って炭化珪素脱脂体を製
造する脱脂工程と、上記炭化珪素脱脂体の焼成を行って
多孔質炭化珪素焼結体を製造する焼成工程とを含む多孔
質炭化珪素焼結体の製造方法であって、上記成形体作製
工程において、SiO2 を0.1〜5重量%含む炭化珪
素粉末を用いることを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体
の製造方法。
Description
結体の製造方法に関する。
械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含まれるパ
ティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが問題に
なっている。この排気ガスを多孔質セラミックを通過さ
せることにより、排気ガス中のパティキュレートを捕集
して排気ガスを浄化するセラミックフィルタが種々提案
されている。
たような多孔質セラミック部材20が複数個結束されて
セラミックフィルタ10を構成している。また、この多
孔質セラミック部材20は、図2に示したように、長手
方向に多数の貫通孔21が並設され、貫通孔21同士を
隔てる隔壁23がフィルタとして機能するようになって
いる。
れた貫通孔21は、排気ガスの入口側又は出口側の端部
のいずれかが充填材22により封口され、一の貫通孔2
1に流入した排気ガスは、必ず貫通孔21を隔てる隔壁
23を通過した後、他の貫通孔21から流出するように
なっており、排気ガスがこの隔壁23を通過する際、パ
ティキュレートが隔壁23部分で捕捉され、排気ガスが
浄化される。
て、最近では、耐熱性、機械的強度及び捕集効率が高
く、化学的に安定しており、また、圧力損失が小さい等
の利点があることから、非酸化物セラミックの一種であ
る多孔質炭化珪素がフィルタ形成材料として用いられて
いる。
セラミック部材20を製造する際には、まず、炭化珪素
粉末とバインダーと分散媒液とを混合して成形体作製用
の混合組成物を調製した後、この混合組成物の押出成形
等を行うことにより、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手
方向に並設された柱状の炭化珪素粉末を含む成形体を作
製し、所定の長さに切断する。
を飛散させることにより、一定の強度を有し、取り扱い
が容易な成形体の乾燥体とし、続いて、この成形体の端
部を、炭化珪素粉末を主成分とする封口剤で市松模様状
に封口する。
成形体を脱脂用治具に載置した後、熱風循環式の脱脂炉
に搬入し、酸素含有雰囲気下において、成形体中を40
0〜650℃に加熱し、有機バインダー成分中の溶剤を
揮発させるとともに、樹脂成分を分解、消失させる脱脂
工程を行い、さらに、炭化珪素成形体を下駄材を介して
焼成用治具に載せ代えた後、焼成炉に搬入し、不活性ガ
ス雰囲気下、2000〜2200℃に加熱することによ
り焼結させる焼成工程を経て、炭化珪素からなる多孔質
セラミック部材20が製造される。
うな従来の多孔質炭化珪素焼結体の製造方法において、
原料である炭化珪素粉末に、不純物として、SiO2 が
一定量以上含有されていると、下記するような問題が発
生するとされていた。即ち、このSiO2 は、炭化珪素
脱脂体の焼成工程で2000〜2200℃と極めて高温
にまで加熱されることで昇華し、上記炭化珪素脱脂体か
ら放出される。一方で、脱脂工程を経た炭化珪素脱脂体
には、若干の炭素が残留(残炭)しており、昇華し、放
出された上記SiO2 と、上記炭化珪素脱脂体中の炭素
との間では、下記反応式(1);
る。さらに、この発生したSiOガスと、炭化珪素脱脂
体中の炭素との間に下記反応式(2);
珪素脱脂体の炭素量は微量なものであるため、上記
(1)及び(2)に示した反応式におけるCは、SiO
2 及びSiOガスによりすぐに消費し尽くされる。従っ
て、SiOガスと、炭化珪素脱脂体の大部分を構成する
炭化珪素(SiC)との間で下記反応式(3);
の炭化珪素脱脂体中にSiが存在することとなり、この
ような炭化珪素脱脂体では、焼結が進行しにくくなり、
炭化珪素粒子自体は粒成長をするものの、この粒成長し
た炭化珪素粒子同士の結び付き、所謂、ネッキングが余
り形成されず、製造する多孔質炭化珪素焼結体の強度に
バラツキが発生し、強度が低下するとされていた。
構成する材料や、炭化珪素脱脂体を載置する下駄材は炭
素からなるものであったため、上記炭素粉末中に含まれ
るSiO2 と、上記焼成炉や下駄材を構成する炭素との
間でも上記反応式(1)及び(2)に示した反応が進行
してSiCが発生し、この発生したSiCと製造した多
孔質炭化珪素焼結体とが接触することにより、上記多孔
質炭化珪素焼結体に破損が生じるとされていた。
製造方法においては、このような得られる多孔質炭化珪
素燒結体の強度の低下や破損を防止するために、原料の
炭化珪素粉末の純度を高める純化処理を行っていた。具
体的には、原料粉末をNaOH等で洗浄することによ
り、該粉末中に含まれているSiO2 とNaOHとを反
応させて原料粉末中からSiO2 を除去し、上記反応式
(1)〜(3)に示した反応が進行しないようにしてい
た。即ち、従来の多孔質炭化珪素焼結体の製造方法にお
いては、原料の炭化珪素粉末の純化処理は、上述した各
問題が生じることを防ぐために必須の工程であると思わ
れていた。
粉末の純化処理を含む従来の多孔質炭化珪素焼結体の製
造方法で製造した多孔質炭化珪素焼結体であっても、そ
の強度が劣ることがあり、また、原料の炭化珪素粉末の
純化処理を行うため、製造工程数が多く製造コストを引
く抑えることができなかった。
であり、充分に高い強度を有する多孔質炭化珪素焼結体
を、安価に製造することができる多孔質炭化珪素焼結体
の製造方法を提供することを目的とする。
焼結体の製造方法は、少なくとも、炭化珪素粉末とバイ
ンダーとを含む炭化珪素成形体を作製する成形体作製工
程と、上記炭化珪素成形体の脱脂を行って炭化珪素脱脂
体を製造する脱脂工程と、上記炭化珪素脱脂体の焼成を
行って多孔質炭化珪素焼結体を製造する焼成工程とを含
む多孔質炭化珪素焼結体の製造方法であって、上記成形
体作製工程において、SiO2 を0.1〜5重量%含む
炭化珪素粉末を用いることを特徴とする。以下、本発明
を詳細に説明する。
製造方法(以下、単に本発明の製造方法ともいう)は、
少なくとも、炭化珪素粉末とバインダーとを含む炭化珪
素成形体を作製する成形体作製工程と、上記炭化珪素成
形体の脱脂を行って炭化珪素脱脂体を製造する脱脂工程
と、上記炭化珪素脱脂体の焼成を行って多孔質炭化珪素
焼結体を製造する焼成工程とを含む多孔質炭化珪素焼結
体の製造方法であって、上記成形体作製工程において、
SiO2 を0.1〜5重量%含む炭化珪素粉末を用いる
ことを特徴とする。
くとも、炭化珪素粉末とバインダーとを含む炭化珪素成
形体を作製する成形体作製工程を行う。
炭化珪素粉末には、SiO2 が0.1〜5重量%含まれ
ている。ここで、純化処理を行っていない炭化珪素粉末
には、SiO2 が0.1〜5重量%程度含まれているも
のが多い。従って、本発明の製造方法においては、従来
の多孔質炭化珪素焼結体の製造方法では必須であると考
えられていた原料の炭化珪素粉末の浄化処理を行わない
か、浄化処理を行う場合であっても、簡単な浄化処理工
程で済ますことができ、安価な原料粉末を用いることが
できる。
であると、後で詳述するが、製造する多孔質炭化珪素焼
結体を構成する炭化珪素粒子の焼結が不充分となり、多
孔質炭化珪素焼結体の強度が低下する。また、このよう
にSiO2 の含有量が少ない炭化珪素粉末を純化処理を
行わずに得ること自体が困難である。一方、上記SiO
2 の含有量が5重量%を超えると、炭化珪素粉末に含ま
れる不純物の含有量が多すぎ、焼成工程において炭化珪
素粒子の焼結が阻害されるとともに、発生するSiOガ
スが多く、多孔質炭化珪素焼結体にSiが生成され、炭
化珪素粒子同士のネッキングが不充分となり、多孔質炭
化珪素焼結体の強度にバラツキが発生し、強度が低下す
る。また、上記炭化珪素粉末中に含まれるSiO2 は、
0.5〜3重量%であることが望ましい。より安定した
強度を有する多孔質炭化珪素焼結体を製造することがで
きるからである。
ものではないが、後で炭化珪素成形体を焼成する際に収
縮が少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μm
程度の平均粒径を有する粒子100重量部と0.1〜
1.0μm程度の平均粒径を有する粒子5〜65重量部
とを組み合わせたものが好ましい。
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。上記バ
インダーの配合量は、通常、炭化珪素粉末100重量部
に対して、1〜10重量部であることが好ましい。
もに、分散剤や分散媒液が添加されていてもよい。上記
分散剤としては特に限定されず、例えば、トリメチルホ
スフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホス
フェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、クレジル・ジフェニルホスフェート等のリン酸エス
テル系化合物等を挙げることができる。また、この分散
剤は、炭化珪素粒子100重量部に対して0.1〜5重
量部添加されることが好ましい。
えば、ベンゼン、シクロヘキサン等の有機溶媒;メタノ
ール等のアルコール、水等を挙げることができる。上記
分散媒液は、これら、炭化珪素粉末、バインダー、分散
剤及び分散媒液の粘度が一定範囲内となるように適量配
合される。
及び分散媒液等を、アトライター等で混合した後、ニー
ダー等で充分に混練して炭化珪素成形体作製用の混合組
成物を調製する。そして、押し出し成形法等により、上
記混合組成物を押し出すことで、図2に示した従来のセ
ラミック部材20と略同形状の炭化珪素成形体を形成す
る。
燥手段を用いて、上記炭化珪素成形体の内部に存在する
水分を飛散、蒸発させて、炭化珪素成形体の乾燥体とす
る。次に、この作製した炭化珪素成形体を従来の技術で
説明したようなセラミックフィルタとして使用する場
合、この炭化珪素成形体の乾燥体に形成された所定の貫
通孔の端部を炭化珪素粒子を主成分とする封口剤で封口
する。
は、炭化珪素成形体を構成するものと同様のものである
ことが好ましい。後の脱脂、焼成工程において、収縮率
の差に起因するクラックの発生を防止するためである。
上記封口工程を経て、多数の貫通孔が長手方向に並設さ
れ、これら貫通孔のどちらかの一端が互い違いに封口さ
れた柱状の炭化珪素成形体を作製する。
炭化珪素脱脂体を製造する脱脂工程を行う。
体中にある程度の炭素が残留(残炭)するように上記炭
化珪素脱脂体を脱脂する必要がある。炭化珪素脱脂体の
耐熱衝撃性を確保するとともに、後の焼成工程で詳述す
るが、焼成工程において発生するSiOガスと炭素とを
反応させてSiCを生成するためである。
が、0.15〜0.5%となる条件で脱脂を行うことが
望ましい。上記残炭率が0.15%未満であると、炭化
珪素脱脂体の耐熱衝撃性が劣り、次に行う焼成工程にお
いて炭化珪素脱脂体にクラックが生じることがある。一
方、上記残炭率が0.5%を超えると、上記炭化珪素脱
脂体中に過剰な炭素が存在することとなり、次に行う焼
成工程において、炭化珪素脱脂体を充分に焼結させるこ
とができず、製造する多孔質炭化珪素焼結体の強度が低
くなることがある。なお、このようにして脱脂した炭化
珪素脱脂体中にはSiO2 が略0.1〜5重量%含まれ
ている。
素成形体を炭素からなる脱脂用治具に載置し、ルツボ内
に上記脱脂用治具を搬入することで行うが、その条件と
して、ルツボ内の酸素濃度は6〜10%であることが望
ましい。酸素濃度が6%未満であると、製造する炭化珪
素脱脂体の残炭率が0.5%を超えることがあり、一
方、酸素濃度が10%を超えると、製造する炭化珪素脱
脂体の残炭率が0.15%未満になることがある。
体の加熱温度は、400〜650℃であることが望まし
い。加熱温度が400℃未満であると、脱脂後の炭化珪
素脱脂体の残炭率が高くなりすぎ、製造する多孔質炭化
珪素焼結体の強度が低下する場合がある。一方、加熱温
度が650℃を超えると、脱脂後の炭化珪素脱脂体の残
炭率が低くなりすぎ、炭化珪素脱脂体の耐熱衝撃性が劣
り、製造する多孔質炭化珪素焼結体にクラックが生じる
場合があるとともに、該多孔質炭化珪素焼結体の強度に
バラツキが発生する場合がある。
多孔質炭化珪素焼結体を製造する焼成工程を行う。
脂体を炭素からなる下駄材を介してルツボ(焼成用治
具)内に載置した後、焼成炉に搬入し、窒素、アルゴン
等の不活性ガス雰囲気下、2000〜2200℃に加熱
して上記炭化珪素脱脂体を焼結する。
体は、SiO2 が略0.1〜5重量%程度含まれるとと
もに、炭素量が0.15〜0.5重量%程度と従来に比
べて高い残炭率を有する。そのため、上記焼成工程で
は、上記炭化珪素脱脂体中の残炭と、高温に加熱されて
昇華したSiO2 との間で下記反応式(1);
する。この発生したSiOガスは、さらに、上記炭素と
の間で下記反応式(2);
製造方法においては、上記炭化珪素脱脂体は、上述した
ような残炭率を有するものであるため、上記反応式
(1)及び(2)におけるCは、SiO2 やSiOガス
によりすぐに消費し尽くすされることはない。即ち、焼
成工程の進行に伴って、炭化珪素脱脂体中に存在する炭
素が、昇華したSiO2 やSiOガスと反応してSiC
が生成されることとなる。
いては、従来の多孔質炭化珪素焼結体の製造方法のよう
に発生したSiOガスとSiCとの間に下記反応式
(3);
なる。従って、焼成中の炭化珪素脱脂体に生成するSi
の量が極めて少なくなり、炭化珪素脱脂体の焼結が良好
に進行し、炭化珪素粒子は充分に粒成長及びネッキング
し、製造する多孔質炭化珪素焼結体の強度にバラツキ
や、強度の低下が発生することがない。また、下記する
ように、ルツボ内に炭化珪素粉末及び/又は炭素粒を敷
き詰めることにより、Siの生成量をさらに少なくする
ことができる。
記SiOガスとの間で上記反応式(1)及び(2)に示
した反応が進行することもないため、上記ルツボや下駄
材の表面がSiC化することもなく、焼成工程中に、炭
化珪素脱脂体と下駄材とが接していた部分や、焼成中の
振動等により、炭化珪素脱脂体とルツボとが接触した部
分にに欠けが発生することもない。
脂体との間に空間を形成するために設けており、炭化珪
素脱脂体を炭素からなるルツボ内に直接載置すること
で、これらの間に炭化珪素粗大粒子が発生し、製造する
多孔質炭化珪素焼結体に欠けやピンホールが生じること
を防止する役割を果している。このような下駄材は、上
述した通り、通常、炭素からなるものが使用されるが、
その他の材質として、例えば、炭化珪素等のセラミック
を使用することも可能である。しかしながら、上記下駄
材は、比較的優れた熱伝導率を有するとともに、炭化珪
素脱脂体を傷つけない程度の強度を有することが好まし
いことを勘案すると、炭素からなるものであることが望
ましい。
工程では、ルツボ内に下駄材を介して炭化珪素成形体を
載置し、そのまま、脱脂工程及び焼成工程を行うことが
望ましい。脱脂工程及び焼成工程を効率的に行うことが
でき、また、載せ代え等において、炭化珪素脱脂体が傷
つくのを防止することができるからである。
いては、ルツボ内に炭化珪素粉末及び/又は炭素粒を敷
き詰めていてもよい。例えば、炭化珪素脱脂体の残炭率
に対して、含まれるSiO2 の量が多い場合であって
も、上記反応式(1)により発生したSiOガスと上記
炭化珪素粉末及び/又は炭素粒との間で、上記反応式
(2)に示した反応が確実に進行し、製造する多孔質炭
化珪素焼結体にSiが発生したり、ルツボ等がSiC化
することを防止することができるからである。
100μm以下の炭素粒子のことをいい、上記炭素粒と
は、上記炭素粉末がバインダー等により多数結合し、そ
の粒径が1〜10mm程度のものをいう。このような炭
素粉末や炭素粒としては特に限定されず、例えば、カー
ボンブラック、グラファイト、すす等を挙げることがで
きる。
及び/又は炭素粒の量は、上記炭化珪素脱脂体に含まれ
るSiO2 の量に合わせて適宜調整する。具体的には、
上記炭素粉末及び/又は炭素粒のモル数が上記SiO2
のモル数の3倍以上となるように調整することが望まし
い。上記反応式(1)及び(2)に示した反応を充分に
行うためには、SiO2 1モルに対して、Cは3モル必
要だからである。
えて、例えば、カーボン繊維を組み合わせて布状にした
カーボンフェルトや糸状のものを組み上げたものを、上
記ルツボ内に敷き詰めてもよい。同様の効果を得ること
ができるからである。
素焼結体の製造方法では、成形体作製工程において、S
iO2 を0.1〜5重量%含む炭化珪素粉末を用いる。
即ち、本発明の多孔質炭化珪素焼結体の製造方法による
と、従来においては必須であると考えられていた原料の
炭化珪素粉末の純化処理を行わなくても充分に高い強度
を有する多孔質炭化珪素焼結体を製造することができ、
また、上記炭化珪素粉末の純化処理が不要であるので、
製造コストを低く抑えることができる。また、焼成工程
において、ルツボ及び下駄材の表面がSiC化すること
もないので、製造する多孔質炭化珪素焼結体に欠けが発
生することもない。さらに、炭化珪素脱脂体には、ある
程度の炭素を残留させているため、その耐熱衝撃性が向
上し、焼成工程において、上記炭化珪素脱脂体を200
0℃以上の高温に加熱しても、クラックが発生すること
もない。
焼結体の製造方法を用いて、上記従来の技術において説
明したような、多孔質炭化珪素部材を複数個結束してセ
ラミックフィルタを製造すると、耐久性に優れたセラミ
ックフィルタを安価に製造することができる。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
粒径0.28μmのα型炭化珪素粉末30重量部、メチ
ルセルロース5重量部、分散剤4重量部、水20重量部
を配合した後、ボールミル中にて5時間混合することに
より、均一な混合組成物を調製した。なお、上記平均粒
径が30μmのα型炭化珪素粉末と、平均粒径が0.2
8μmのα型炭化珪素粉末とからなる炭化珪素粉末中に
は、1.5重量%のSiO2 が含まれていた。
押出速度2cm/分にて、図2に示したような形状から
なる炭化珪素成形体を作製した。この炭化珪素成形体
は、その大きさが33mm×33mm×300mmで、
貫通孔の数が31個/cm2 、隔壁の厚さが0.35m
mであった。
ロ波乾燥機を用いて100℃で3分の乾燥を行った後、
熱風乾燥機を用いて110℃で20分の乾燥を行った。
さらに、乾燥された炭化珪素成形体を切断した後、上記
貫通孔を炭化珪素からなる封止用ペーストによって封止
した。
社製 G100)からなるルツボ内に、カーボンフェル
ト(3mm×5mm×410mm、熱伝導率:0.24
W/m・K、嵩密度:0.15g/cm3 )からなる下
駄材を載置し、この上に乾燥した炭化珪素成形体を10
本載置して、上記ルツボを連続脱脂炉内に搬入し、8%
の酸素濃度を有する空気と窒素との混合ガス雰囲気下、
500℃で加熱することにより脱脂工程を行い、炭化珪
素脱脂体を製造した。このとき、製造した炭化珪素脱脂
体の残炭率は場所により異なるものであったが、平均す
ると0.33%であった。
に載置したまま、焼成装置に搬入し、常圧のアルゴン雰
囲気下において2200℃で約3時間の焼成を行い、多
孔質炭化珪素焼結体を製造した。
ったほかは、実施例1と同様にして、炭化珪素成形体を
作製した。次に、ポーラスカーボン(東海カーボン社製
G100)からなるルツボ内に、平均粒径25〜30
0μmのカーボン粉を40g敷き詰めた後、カーボンフ
ェルト(3mm×5mm×410mm、熱伝導率:0.
24W/m・K、嵩密度:0.15g/cm3 )からな
る下駄材を載置し、この上に乾燥した炭化珪素成形体を
10本載置して、上記ルツボを連続脱脂炉内に搬入し、
7%の酸素濃度を有する空気と窒素との混合ガス雰囲気
下、400℃で加熱することにより脱脂工程を行い、炭
化珪素脱脂体を製造した。このとき、製造した炭化珪素
脱脂体の残炭率は場所により異なるものであったが、平
均すると0.45%であった。
に載置したまま、焼成装置に搬入し、常圧のアルゴン雰
囲気下において2200℃で約3時間の焼成を行い、多
孔質炭化珪素焼結体を製造した。
粒径が0.28μmのα型炭化珪素粉末とにNaOHを
用いて純化処理を施したほかは実施例1と同様にして炭
化珪素成形体を作製した。なお、上記純化処理を経た原
料の炭化珪素粉末に含まれるSiO2 は0.05重量%
であった。
ボ内の酸素濃度を12%としたほかは、実施例1と同様
にして多孔質炭化珪素成形体を製造した。なお、上記脱
脂工程により製造した炭化珪素脱脂体の残炭率は、場所
により異なるものであったが、平均すると0.13%で
あった。
造した多孔質炭化珪素焼結体の4点曲げ試験を行い、そ
れぞれの曲げ強度を求めた。その結果を下記の表1に示
した。なお、このときの試験条件としては、上治具のス
パンが119mm、下治具のスパンが227mmであ
り、上治具及び下治具は、共に多孔質炭化珪素焼結体の
中央から均等な位置に配置した。また、併せて実施例
1、2及び比較例1に係る多孔質炭化珪素焼結体の曲げ
強度のワイブル係数を算出し、その結果を下記の表1に
示した。
結体の表面のネッキングの状態を、走査型電子顕微鏡
(SEM)写真により評価した。その結果を下記の表1
に示した。なお、ネッキングが充分なものを○、不充分
なものを×で表示した。
結体の表面を観察することにより評価した。その結果を
下記の表1に示した。なお、欠けが観察されなかったも
のを○、観察されたものを×で表示した。
施例1、2に係る多孔質炭化珪素焼結体の曲げ強度、及
び、ワイブル係数は、いずれも、比較例1に係る多孔質
炭化珪素焼結体の曲げ強度、及び、ワイブル係数よりも
優れたものであった。また、実施例1、2に係る多孔質
炭化珪素焼結体を構成する炭化珪素粒子は、充分にネッ
キングしており、欠けが発生しているものはなかった。
一方、比較例1に係る多孔質炭化珪素焼結体を構成する
炭化珪素粒子は、粒成長しているものの、ネッキングが
不充分であり、また、一部に欠けが発生していた。さら
に、実施例1、2に係る多孔質炭化珪素焼結体は、原料
の炭化珪素粉末の純化処理を行っていないため、製造工
程数が少なく、安価に製造することができた。
孔質炭化珪素焼結体を用いて、図1に示したようなセラ
ミックフィルタを製造したところ、実施例1、2に係る
セラミックフィルタは、充分な耐久性を有するものであ
ったが、比較例1に係るセラミックフィルタは、構成す
る多孔質炭化珪素焼結体の一部に破損が発生し、耐久性
に劣るものであった。
法は、上述した通りであるので、従来よりも原料の炭化
珪素粉末中のSiO2含有量が多くても、充分に高い強
度を有する多孔質炭化珪素焼結体を製造することがで
き、また、上記純化処理が不要であるため、製造工程数
が少なくなり、安価に多孔質炭化珪素焼結体を製造する
ことができる。
視図である。
構成する多孔質炭化珪素部材の一例を模式的に示した斜
視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも、炭化珪素粉末とバインダー
とを含む炭化珪素成形体を作製する成形体作製工程と、
前記炭化珪素成形体の脱脂を行って炭化珪素脱脂体を製
造する脱脂工程と、前記炭化珪素脱脂体の焼成を行って
多孔質炭化珪素焼結体を製造する焼成工程とを含む多孔
質炭化珪素焼結体の製造方法であって、前記成形体作製
工程において、SiO2 を0.1〜5重量%含む炭化珪
素粉末を用いることを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体
の製造方法。 - 【請求項2】 SiO2 を0.5〜3重量%含む炭化珪
素粉末を用いる請求項1記載の多孔質炭化珪素焼結体の
製造方法。
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JP2008069069A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Ibiden Co Ltd | ハニカム構造体の製造方法、及び、ハニカム焼成用原料組成物 |
WO2016052467A1 (ja) * | 2014-09-29 | 2016-04-07 | イビデン株式会社 | ハニカムフィルタの製造方法 |
-
2001
- 2001-03-05 JP JP2001060681A patent/JP2002265270A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2008069069A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Ibiden Co Ltd | ハニカム構造体の製造方法、及び、ハニカム焼成用原料組成物 |
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