JP2002263193A - カテーテル用バルーン及びバルーンカテーテル - Google Patents

カテーテル用バルーン及びバルーンカテーテル

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Abstract

(57)【要約】 【課題】折りたたみ性が良く、血管内または血管狭窄部
の通過性が向上したカテーテル用バルーンを提供するこ
と。 【解決手段】中間部12Mの両側に隣接する円錐部12
C、12Cの少なくとも一方の円錐部12Cに、少なく
とも一箇所以上の面部Pを形成したカテーテル用バルー
ン11。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば経皮的冠状
動脈血管形成術(PTCA)等に使用するバルーンカテ
ーテルを構成するカテーテル用バルーン及び該カテーテ
ル用バルーンを有するバルーンカテーテルに関するもの
で、特にバルーンの形態を改良したカテーテル用バルー
ンの発明に関する。本発明のカテーテル用バルーンは、
本発明の目的を達成できるものであればバルーンを有す
る全てのカテーテルに適用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図5は
従来のカテーテル用バルーン61(以下、バルーン61
と略記する)の概略図((A)正面図、(B)(A)の
右側面図)である。図5のバルーン61は中間部62M
の両側に円錐部62Cを隣接して形成している。このた
めバルーン61をラッピングするとき、円錐部62Cの
折りたたみ性が悪く、血管内にバルーンを折りたたんで
挿入したとき、円錐部62Cよりバルーンの一部が若干
膨らんでしまう傾向があった。この膨張部が血管内を通
過するときに血管内壁面に引っかかってしまうため、バ
ルーンの血管通過性が悪かった。
【0003】また血管が完全に狭窄している場合、バル
ーン61を膨らませながら、狭窄部の通過させるが、前
記円錐部62Cが通過時の抵抗になるため、狭窄部通過
性も悪かった。そこで、本発明者は以上の課題を解決す
るために鋭意検討を重ねた結果、次の発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】[1]本発明は、中間部
12Mの両側に隣接する円錐部12C、12Cの少なく
とも一方の円錐部12Cに、少なくとも一箇所以上の面
部Pを形成したカテーテル用バルーン11を提供する。 [2]本発明は、中間部12Mの両側に隣接する円錐部
12C、12Cの少なくとも一方の円錐部12Cを、3
箇所以上の角部Rと面部Pを有する多角錐状に形成した
カテーテル用バルーン11Aを提供する。 [3]本発明は、中間部12Mの両側に隣接する円錐部
12C、12Cの少なくとも一方の円錐部12Cに、突
部13及び/又は溝部20を形成したカテーテル用バル
ーン11B、11Cを提供する。 [4]本発明は、[1]ないし[3]に記載のカテーテ
ル用バルーン11、11A、11B、11Cを有するバ
ルーンカテーテルを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】図1から図4は本発明の一例を示
すカテーテル用バルーン11、11A、11B、11C
(以下、バルーン11、11A、11B、11Cと略記
する)の概略図((A)正面図、(B)(A)の右側面
図)である。図1に例示したバルーン11は、中間部1
2Mの両側に隣接する円錐部12C、12Cの少なくと
も一方の円錐部12Cに、少なくとも一箇所以上の面部
Pを形成したバルーン11である。以上のように円錐部
12Cに面部Pを形成することにより、円錐部12Cは
面部Pに沿って折りたたみやすくなり、折りたたみ性が
向上する。さらに従来の円錐部よりも面積を小さくでき
るため、血管との接触面積が小さくなり、拡張しながら
狭窄部を通過させる場合、通過性、通過時の抵抗が小さ
くなる。本発明で前記面部Pの円錐部12C中に占める
表面積は少なくとも30%以上形成するのが良い。30
%未満では折りたたみ性が悪くなるので好ましくない。
前記面部Pは円錐部12Cの上または下または側面のど
こに形成しても良い。前記面部Pは前記円錐部12Cの
みに形成しても良いし前記円錐部12Cから中間部12
Mの端部に亘って形成しても良い。また面部Pは前方及
び後方の円錐部12C、12Cに形成しても良いし、前
方または後方のどちらか一方の円錐部12Cに形成して
も良い。どちらか一方の円錐部12Cに形成する場合
は、前方の円錐部12Cに形成するのが良い。
【0006】図2に例示したバルーン11Aは中間部1
2Mの両側に隣接する円錐部12C、12Cの少なくと
も一方の円錐部12Cを3箇所以上の角部Rと面部Pを
有する多角錐状に形成したバルーン11である。本発明
で前記多角錐状とは、少なくともそれぞれ3つ以上の角
部Rと面部Pを有する多角錐状であれば何でも良く、図
2のように四角錐以外の多角錐(三角錐、五角錐、六角
錐、八角錐等)を採用することができる。また前記角部
Rは、鋭角でも良いし若干丸みを帯びていても良い。以
上のように円錐部12Cを多角錐状に形成することによ
り、円錐部12Cは前記角部Rと面部Pに沿って折りた
たみやすくなり、折りたたみ性が向上する。また、多角
錐状に形成することにより従来の円錐部よりも面積を小
さくできるため、血管との接触面積が小さくなり、拡張
しながら狭窄部を通過させる場合、通過性、通過時の抵
抗が小さくなる。前記角部Rと面部Pはそれぞれ3箇所
から10箇所設けるのが良い。3箇所未満では、立体的
なバルーンを製造することができず、10箇所を超える
と製造が困難となるからである。また前方及び後方の円
錐部12C、12Cを多角錐状に形成しても良いし、前
方または後方のどちらか一方の円錐部12Cを多角錐状
に形成しても良い。どちらか一方の円錐部12Cを多角
錐状に形成する場合は、前方の円錐部12Cを多角錐状
に形成するのが良い。
【0007】また図3に例示したバルーン11Bは中間
部12Mの両側に隣接する円錐部12C、12Cの少な
くとも一方の円錐部12Cに突部13を形成したバルー
ン11Aである。本発明で突部13とは円錐部12Cの
長さ方向に連続して伸びる線状または不連続に伸びる点
線状の突部であり、円錐部12Cの外周に設ける数は、
3箇所から10箇所設けることが望ましい。3箇所未満
では、折りたたみ性が悪く、血管との接触面積を小さく
することが困難であり、10箇所を超えると製造が困難
となるからである。突部13の高さは5μmから25μ
mに形成される。高さが小さい(5μm未満)と血管と
の接触面積を小さくすることが困難であり、大きすぎる
(25μmを超える)と血管内に挿入したときに血管内
壁面への引っかかりの原因となるので好ましくない。以
上のように円錐部12Cの外周に突部13を形成するこ
とにより、円錐部12Cは前記突部13に沿って折りた
たみやすくなり、拡張して通過させる場合突部13が部
分的に血管と接するため、血管との接触面積が小さくな
り、通過時の抵抗が低減され、通過性が向上する。前記
突部13は前記円錐部12Cにのみに形成しても良いし
前記円錐部12Cから中間部12Mの端部に亘って形成
しても良い。また突部13は前方及び後方の円錐部12
C、12Cに形成しても良いし、前方または後方のどち
らか一方の円錐部12Cに形成しても良い。どちらか一
方の円錐部12Cに形成する場合は、前方の円錐部12
Cに形成するのが良い。
【0008】また図4に例示したバルーン11Cは中間
部12Mの両側に隣接する円錐部12C、12Cの少な
くとも一方の円錐部12Cに溝部20を形成したバルー
ン11Cである。本発明で溝部20とは円錐部12Cの
長さ方向に伸びる連続した線状または不連続の点線状の
溝部であり、円錐部12Cの外周に設ける数は、3箇所
から10箇所設けることが望ましい。3箇所未満では、
折りたたみ性が悪く、10箇所を超えると製造が困難と
なるからである。溝部20の深さは5μmから25μm
に形成される。溝部20はあまり深く(25μmを超え
る)形成すると、バルーン11Bの破損の原因となるの
で好ましくない。他方、溝部20はあまり浅く(5μm
未満)形成すると通過時の抵抗が低下せず好ましくな
い。以上のように円錐部12Cの外周に溝部20を形成
することにより、円錐部12Cは前記溝部20に沿って
折りたたみやすくなり、折りたたみ性が向上する。ま
た、狭窄部の通過性が向上する。前記溝部20は前記円
錐部12Cにのみに形成しても良いし前記円錐部12C
から中間部12Mの端部に亘って形成しても良い。また
溝部20は前方及び後方の円錐部12C、12Cに形成
しても良いし、前方または後方のどちらか一方の円錐部
12Cに形成しても良い。どちらか一方の円錐部12C
に形成する場合は、前方の円錐部12Cに形成するのが
良い。
【0009】
【発明の作用効果】本発明のバルーン11、11A、1
1B、11Cは、中間部12Mの両側に隣接する円錐部
12C、12Cの少なくとも一方の円錐部12Cに、少
なくとも一箇所以上の面部Pを形成し、また前記円錐部
12を3つ以上の角部Rと面部Pを有する多角錐状に形
成し、また前記円錐部12に突部13及び/又は溝部2
0を形成することにより、円錐部12Cの折りたたみ性
が良くなり、血管内または血管狭窄部の通過性が向上す
る。バルーンを拡張させながら狭窄部を通過させると
き、通過時の抵抗が小さくなり、血管狭窄部の通過性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルーンの概略図((A)正面図、
(B)(A)の右側面図)
【図2】本発明のバルーンの概略図((A)正面図、
(B)(A)の右側面図)
【図3】本発明のバルーンの概略図((A)正面図、
(B)(A)の右側面図)
【図4】本発明のバルーンの概略図((A)正面図、
(B)(A)の右側面図)
【図5】従来のバルーンの概略図((A)正面図、
(B)(A)の右側面図)
【符号の説明】
11、11A、11B、11C カテーテル用バルーン
(バルーン) 12C 円錐部 12M 中間部 12S 細径部 R 角部 P 面部 13 突部 20 溝部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中間部12Mの両側に隣接する円錐部12
    C、12Cの少なくとも一方の円錐部12Cに、少なく
    とも一箇所以上の面部Pを形成した、ことを特徴とする
    カテーテル用バルーン11。
  2. 【請求項2】中間部12Mの両側に隣接する円錐部12
    C、12Cの少なくとも一方の円錐部12Cを、3箇所
    以上の角部Rと面部Pを有する多角錐状に形成した、こ
    とを特徴とするカテーテル用バルーン11A。
  3. 【請求項3】中間部12Mの両側に隣接する円錐部12
    C、12Cの少なくとも一方の円錐部12Cに、突部1
    3及び/又は溝部20を形成した、ことを特徴とするカ
    テーテル用バルーン11B、11C。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3に記載のカテーテ
    ル用バルーン11、11A、11B、11Cを有する、
    ことを特徴とするバルーンカテーテル。
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