JP2002262887A - グルタミナーゼおよびグルタミナーゼ遺伝子 - Google Patents

グルタミナーゼおよびグルタミナーゼ遺伝子

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JP2002262887A
JP2002262887A JP2001267791A JP2001267791A JP2002262887A JP 2002262887 A JP2002262887 A JP 2002262887A JP 2001267791 A JP2001267791 A JP 2001267791A JP 2001267791 A JP2001267791 A JP 2001267791A JP 2002262887 A JP2002262887 A JP 2002262887A
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glutaminase
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protein
dna
amino acid
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JP2001267791A
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Koutaro Ito
考太郎 伊藤
Genryu Umitsuke
玄龍 海附
Taiji Koyama
泰二 小山
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Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐塩性・耐熱性に優れたグルタミナーゼ、
およびそれをコードするグルタミナーゼ遺伝子を提供す
る。 【解決手段】特定のアミノ酸配列を含むグルタミナー
ゼ、コードするグルタミナーゼ遺伝子、グルタミナーゼ
遺伝子を含有する組み換え体DNA、該組み換え体DN
Aを含む形質転換体または形質導入体、上記形質転換体
または形質導入体を培養し、培養物からグルタミナーゼ
を採取することを特徴とするグルタミナーゼの製造法。
本発明のグルタミナーゼは、醤油および食塩を多量に含
む調味食品の製造において、絶大な品質向上効果を発揮
する。また、本発明のグルタミナーゼ遺伝子をもちいる
ことにより、遺伝子工学的手法によるさらなる酵素機能
の改変および本酵素の大量製造法の構築が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルタミナーゼ、
およびそれをコードするグルタミナーゼ遺伝子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】グルタミナーゼは、L-グルタミンを加水
分解して、アンモニアと、うま味成分であるL-グルタミ
ン酸を生成する酵素である。グルタミナーゼは、食品加
工業において重要な役割を果たしており、例えば、醤油
や、タンパク質を酵素的に分解して得られる調味食品を
製造する際に有用である。グルタミナーゼは、種々の生
物種から単離されており、その酵素学的性質およびその
遺伝子についての報告がなされている(例えば、特公平
6−38748)。
【0003】醤油製造ならびに食塩を多量に含む調味食
品の製造においては、至適pH、耐塩性または耐熱性に優
れたグルタミナーゼが求められている。本発明者らの属
するグループは、先にクリプトコッカス・ノダエンシス
G60(FERM BP-6351)から耐塩性・耐熱性に優れ、効
率的にグルタミン酸量の豊富なタンパク質加水分解物
(例えば醤油)を製造できる新規なグルタミナーゼを見
出した(特開平11-332553)。
【0004】本酵素の性質を遺伝子工学的手法によりさ
らに向上させ、また本酵素を多量に製造するためには、
本酵素の遺伝子を取得することが重要である。これによ
り、容易にタンパク質加水分解物(例えば醤油)の品質
を向上させることができ、かつ安価に提供することが可
能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐塩性・耐
熱性に優れたグルタミナーゼ、およびそれをコードする
グルタミナーゼ遺伝子の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記課題について種々検討した結果、クリプトコッカス
・ノダエンシス由来のグルタミナーゼ遺伝子を単離する
ことに成功し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、下記の物および方法を提
供するものである。 1.以下の(a)または(b)のいずれかに示すタンパ
ク質。 (a)配列番号2のアミノ酸番号1〜684で表されるアミ
ノ酸配列を含むタンパク質 (b)上記(a)のアミノ酸配列において、1もしくは
複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加された
アミノ酸配列を含み、かつグルタミナーゼ活性を有する
タンパク質
【0008】2.以下の(c)または(d)のいずれかに
示すタンパク質。 (c)配列番号2のアミノ酸番号49〜684で表されるアミ
ノ酸配列を含むタンパク質 (d)上記(c)のアミノ酸配列において、1もしくは複
数のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたア
ミノ酸配列を含み、かつグルタミナーゼ活性を有するタ
ンパク質
【0009】3.以下の(e)または(f)のいずれかに
示すDNAを含む遺伝子。 (e)上記1.記載のタンパク質をコードするDNAを含
む遺伝子 (f)上記(e)のDNAとストリンジェントな条件でハイ
ブリダイズし、かつ、グルタミナーゼ活性を有するタン
パク質をコードする遺伝子
【0010】4.以下の(g)または(h)のいずれかに
示すDNAを含む遺伝子。 (g)上記1.記載のタンパク質をコードするDNAを
含む遺伝子 (h)上記(g)のDNAとストリンジェントな条件でハイ
ブリダイズし、かつ、グルタミナーゼ活性を有するタン
パク質をコードする遺伝子。
【0011】5.上記3.または4.に記載の遺伝子を
含有する組み換え体DNA。 6.上記5.記載の組み換え体DNAを含む形質転換体
または形質導入体。 7.上記6.記載の形質転換体または形質導入体を培養
し、培養物からグルタミナーゼを採取することを特徴と
する、グルタミナーゼの製造法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 1.グルタミナーゼおよびそれをコードする遺伝子 本発明のグルタミナーゼは、以下の(a)または(b)
のいずれかに示すタンパク質である。 (a)配列番号2のアミノ酸番号1〜684で表されるアミ
ノ酸配列を含むタンパク質 (b)上記(a)のアミノ酸配列において、1もしくは
複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加された
アミノ酸配列を含み、かつグルタミナーゼ活性を有する
タンパク質。 (a)に示すタンパク質は、クリプトコッカス・ノダエン
シスG60の染色体DNA又はcDNA由来の天然型グル
タミナーゼ遺伝子をクロ−ニングし、これを適当なベク
ター−宿主系に導入して発現させることにより得られ
る。
【0013】なお、該タンパク質は、(b)に示す通り、
グルタミナーゼ活性を有する限り、(a)のアミノ酸配列
において、1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿
入もしくは付加されていてもよい。本発明において「複
数」とは、アミノ酸残基の種類や、グルタミナーゼタン
パク質の立体構造における位置によっても異なるが、通
常2〜300個、好ましくは、2〜170個、さらに好
ましくは、2〜50個、最も好ましくは、2〜10個を意味
する。
【0014】そのような変異型グルタミナーゼ、すなわ
ち上記(b)のタンパク質は、天然型グルタミナーゼ遺
伝子の塩基配列に対して置換、欠損、挿入、付加、又は
逆位等の変異を導入して変異型グルタミナーゼ遺伝子を
作製し、これを適当なベクター−宿主系に導入して発現
させることにより得られる。遺伝子への変異導入法とし
ては、例えば、部位特異的変異誘導法、PCRによるラン
ダム変異導入法、さらには、遺伝子を選択的に開裂し、
次いで、選択されたヌクレオチドを除去または付加した
後、遺伝子を連結する方法などが挙げられる。
【0015】本発明のグルタミナーゼ遺伝子は、上記
(a)または(b)のタンパク質をコードするDNAを
含む遺伝子である。なお、本発明のグルタミナーゼ遺伝
子は、(a)または(b)のタンパク質をコードするD
NAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、か
つ、グルタミナーゼ活性を有するタンパク質をコードす
る遺伝子であってもよい。本発明において「ストリンジ
ェントな条件」とは、例えば、ナトリウム濃度が50〜
300mM、好ましくは150mMであり、温度が42
〜68℃、好ましくは65℃での条件をいう。上記
(a)のタンパク質をコードするDNAを含む遺伝子の
一例としては、配列番号1の塩基番号1〜2052で表
される塩基配列を含むDNAが挙げられる。このDNA
は、天然型グルタミナーゼ遺伝子である。
【0016】天然型グルタミナーゼ遺伝子は、クリプト
コッカス・ノダエンシスG60の染色体DNA又はcDN
A由来の天然型遺伝子をクロ−ニングすることにより得
られる。遺伝子のクロ−ニング方法としては、例えば、
グルタミナーゼを精製して部分アミノ酸配列を決定した
後、適当なプロ−ブDNAを合成し、これを用いてクリ
プトコッカス・ノダエンシス染色体DNAからスクリ−
ニングする方法が挙げられる。また、部分アミノ酸配列
にもとづき適当なプライマ−DNAを作製して、5’R
ACE法や3’RACE法などの適当なポリメラ−ゼ連
鎖反応(以下PCR法と略称する。)により、該遺伝子
の断片を含むDNAを増幅させ、これらを連結させて全
長の遺伝子を含むDNAを得る方法も挙げられる。
【0017】より詳細には、天然型グルタミナーゼ遺伝
子は以下のようにして取得できる。先ず、クリプトコッ
カス・ノダエンシスを培養し、得られた菌体を液体窒素
中で凍結させた後、乳鉢などを用いて物理的に磨砕する
ことにより細かい粉末状の菌体片とし、該菌体片から通
常の方法により染色体DNAを抽出する。該抽出操作に
は、市販のDNA抽出キットが利用できる。
【0018】次いで、グルタミナーゼを精製してN末端
アミノ酸配列を決定する。さらに、リジルエンドペプチ
ダ−ゼ消化により得られたペプチド断片のアミノ酸配列
を決定する。グルタミナーゼは、特開平11-332553記載
の方法により精製できる。まず、クリプトコッカス・ノ
ダエンシスG60を適当な培地に接種し、増殖した菌体を
含む培養液を得る。培養液を遠心分離して得た菌体に細
胞壁溶解酵素を加えた後、遠心分離して上澄液を得る。
この上澄液を加熱して夾雑タンパク質を変性させ、さら
に遠心分離して変性タンパク質を除く。
【0019】上記の上澄液にアセトン(−20℃)を加
え、よく撹拌し、4℃にて5時間保持した後、遠心分離
し沈殿を集める。この沈殿を酢酸緩衝液に溶解し、グル
タミナーゼを含む粗酵素溶液を得る。さらにDEAE−
セファロースカラム、フェニルセファロースカラム、ハ
イドロキシアパタイトカラム、ゲル濾過カラム、HPL
Cを用いて、グルタミナーゼ活性画分を精製することに
より、グルタミナーゼが精製できる。
【0020】次いで、部分アミノ酸配列の情報、クリプ
トコッカス属に属する微生物のコドン使用頻度などを考
慮して、PCRに用いるプライマ−を合成する。これら
のプライマ−と上記で得られた染色体DNAを鋳型とし
て、PCRを行い、グルタミナーゼの一部をコードする
DNA断片を得る。さらに、得られたDNAの塩基配列
に基づき、プライマ−を合成する。
【0021】次いで、得られた一部のグルタミナーゼ遺
伝子領域(この中にイントロンが含まれる)にある制限
酵素により染色体DNAを酵素処理した後、セルフライゲ
ーションさせる。これを鋳型として上述のプライマーを
用いてインバースPCRを行う。得られた各々のDNA断片の
塩基配列を連結させることにより、ゲノム上にコードさ
れる、イントロンを含むグルタミナーゼ遺伝子が得られ
る。
【0022】次いで、イントロンを含まないグルタミナ
ーゼ遺伝子、すなわちグルタミナーゼ遺伝子をコードす
るcDNAを取得する。まず、クリプトコッカス・ノダエ
ンシスG60を培養し、得られた菌体を液体窒素中で凍結
させた後、乳鉢などを用いて物理的に磨砕することによ
り細かい粉末状の菌体片とする。次いで、該菌体片から
通常の方法により全RNA画分を抽出する。該抽出操作
には、市販のRNA抽出キットが利用できる。
【0023】得られたRNA抽出液からエタノール沈殿に
よりRNAを回収し、このRNAから通常の方法によりポリA
鎖を有するRNAを分画しても良い。該分画操作には市販
のOligo dTカラムが利用できる。
【0024】次に、グルタミナーゼのN末端アミノ酸配
列、リジルエンドペプチダ−ゼ消化により得られたペプ
チド断片のアミノ酸配列からPCRに用いるプライマ−を
合成する。このプライマーDNAと上記のようにして得ら
れたRNAを使用し、5’RACE法や3’RACE法な
どの適当なRT-PCR反応により、該遺伝子の断片を含むD
NAを増幅させ、これらを連結させて全長の遺伝子を含
むDNAを得る。5’RACE法や3’RACE法によ
る部分cDNA合成操作には市販のキットが利用できる。
【0025】前記cDNAを鋳型として、5’末端配列
および3’末端配列に相補的な合成プライマーを用いて
PCRを行うことにより、DNAを増幅する。増幅され
たDNAは、通常の方法に準じてクローニングできる。
【0026】増幅されたDNAを適当なベクターに挿入
して組み換え体DNAを得る。クローニングには、TA
Cloning Kit(Invitrogen社)等の市販のキットや、pUC1
19(宝酒造社製)、pBR322(宝酒造社製)、pBluescrip
t SK+ (Stratagene社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen
社製)等の市販のプラスミドベクタ−DNA、λEMBL3
(Stratagene社製)等の市販のバクテリオファ−ジベク
タ−DNAが使用できる。
【0027】得られた組み換え体DNAを用いて、宿主
細胞を形質転換又は形質導入して、夫々形質転換体又は
形質導入体を得る。形質転換は、例えば、D.M.Morrison
の方法(Method in Enzymology,68,326-331,1979)によ
り行うことができる。また、形質導入は、例えば、B.Ho
hnの方法(Method in Enzymology,68,299-309,1979)に
より行うことができる。宿主細胞としては、大腸菌(K-
12、大腸菌JM109(宝酒造社製)、XL-Blue(フナコシ社
製))、酵母(INVSc1 (Invitorogen社製))、糸状菌、
放線菌などの微生物や動物細胞など使用できる。
【0028】上記で増幅されたDNAの全塩基配列(配
列番号1参照)は、例えば、LI-CORMODEL 4200Lシーク
エンサー(アロカ社より購入)、370DNAシ−クエ
ンス・システム(パ−キンエルマ−社製)を用いて解析
できる。塩基配列を、部分アミノ酸配列の情報と比較す
ることにより、天然型グルタミナーゼ遺伝子が取得でき
たか否かを確認することができる。
【0029】そして、天然型グルタミナーゼ遺伝子の解
析により、翻訳されるポリペプチド、すなわち、(a)の
タンパク質のアミノ酸配列が確定される。別の態様で
は、本発明のグルタミナーゼは、以下の(c)または
(d)のいずれかに示すタンパク質である。 (c)配列番号2のアミノ酸番号49〜684で表されるアミ
ノ酸配列を含むタンパク質 (d)上記(c)のアミノ酸配列において、1もしくは複
数のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたア
ミノ酸配列を含み、かつグルタミナーゼ活性を有するタ
ンパク質
【0030】(c)に示すタンパク質は、本発明者らが、
クリプトコッカス・ノダエンシスのグルタミナーゼ精製
標品中に存在することを見出したタンパク質である。該
タンパク質は、天然型グルタミナーゼ遺伝子の塩基配列
に対して、欠損の変異を導入して、配列番号2のアミノ
酸番号49〜684で表されるアミノ酸配列をコードする変
異型グルタミナーゼ遺伝子を作製し、これを適当なベク
ター−宿主系に導入して発現させることにより得られ
る。
【0031】(c)に示すタンパク質をコードする変異型
グルタミナーゼ遺伝子は、具体的には以下の方法により
作製できる。既知のシグナル配列の下流に、配列番号2
のアミノ酸番号49〜684のタンパク質をコードする塩基
配列を連結させる形でセンスプライマーを合成する。次
いでC末端のアミノ酸配列をコードする塩基配列に相補
するアンチセンスプライマーを合成する。それぞれのプ
ライマーの5’末端には、フレームが合う形で適当な制
限酵素認識部位を付加させておく。それらのプライマー
を用いてグルタミナーゼ全長cDNAを鋳型としてPCR増幅
する。増幅した断片は、制限酵素処理をした後に、先に
記載したクローニングベクターに組み込む。これにより
(c)に示すタンパク質をコードする変異型グルタミナー
ゼ遺伝子が得られる。
【0032】なお、該タンパク質は、(d)に示す通り、
グルタミナーゼ活性を有する限り、(c)のアミノ酸配
列において、1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、
挿入もしくは付加されていてもよい。(d)に示すタン
パク質は、天然型グルタミナーゼ遺伝子または(c)に
示すタンパク質をコードするDNAの塩基配列に対して
欠損の変異を導入して変異型グルタミナーゼ遺伝子を作
製し、これを適当なベクター−宿主系に導入して発現さ
せることにより得られる。
【0033】上記(c)に示すタンパク質をコードする
DNAを含む遺伝子の一例としては、配列番号1の塩基
番号145〜2052で表される塩基配列を含むDNA
が挙げられる。なお、本発明のグルタミナーゼ遺伝子
は、(c)または(d)のタンパク質をコードするDNA
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、
グルタミナーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺
伝子であってもよい。
【0034】2.グルタミナーゼの製造法 本発明のグルタミナーゼを製造する場合は、まずグルタ
ミナーゼ遺伝子を含有する組み換え体DNAを作製す
る。次いで、該組み換え体DNAを含む形質転換体また
は形質導入体を作製し、これらを培養し、培養物からグ
ルタミナーゼを採取すればよい。
【0035】本発明のグルタミナーゼ遺伝子を用いて、
グルタミナーゼ活性を有するタンパク質を生産するため
には、好適なベクター−宿主系を選択する必要がある。
そのような系としては、酵母発現ベクターpYES2(Invit
rogen社製)と酵母(Saccharomyces cerevisiae)の
系、大腸菌発現ベクターpTE(Stratagene社製)と大腸
菌(E.coli)の系、などが挙げられる。タンパク質への
糖鎖付加が起こるという点で酵母の系を使用することが
好ましい。
【0036】組み換え体DNAは、グルタミナーゼ遺伝
子を適当なベクターに挿入することにより得られる。ベ
クターとしては市販品、例えば、酵母発現ベクターpYES
2、pYD1(Invitrogen社製)、pAUR123(宝酒造社
製)、pYEX-BX、pYEX-S1、pYEX-4T(クローンテック社
CLONETECH社製)、YEpFLAG-1(SIGMA社)、大腸菌発現ベ
クターpSET(Invitrogen社製)、pTE(Stratagene社
製)などが使用できる。
【0037】次いで、該組み換え体DNAを宿主細胞に
形質転換または形質導入する。酵母への形質導入は、例
えば、Becker D Mらの方法(Method in Enzymology,19
4,182-187,1991)により行うことができる。大腸菌への
形質導入は、例えば、B.Hohnの方法(Method in Enzymo
logy,68,299-309,1979)により行うことができる。宿主
細胞としては、大腸菌や酵母、そ他の細菌、糸状菌、放
線菌、動物細胞などが使用可能である。以上により、グ
ルタミナーゼ生産能を有する形質転換体または形質導入
体が得られる。形質転換体または形質導入体を培養する
には、通常の固体培養法で培養してもよいが、可能な限
り液体培養法を採用することが好ましい。
【0038】宿主として酵母を用いた場合、培地として
は、例えばYPD培地やYM培地などの一般的な富栄養培地
が使用できる。また、宿主の遺伝的性質から選択培地を
使用する場合は、最小培地であるSC培地が使用できる。
選択培地を使用する場合は、使用した宿主ベクター系に
よって選択圧が異なるため、適宜、宿主の遺伝的要求性
に応じて、選択圧以外のアミノ酸や核酸等を、最小培地
に添加する。
【0039】その他、必要に応じ、培地に無機塩類、糖
質原料、ビタミン類等を適宜添加してもよい。なお、培
地の初発 pHは、pH6〜9に調整するのが適当であ
る。さらに、使用するベクターによっては、タンパクの
発現を調節できるものもある。それらのベクターを使用
する場合は、ベクターに応じた誘導剤、例えば、ガラク
トースや銅イオンを添加してグルタミナーゼを誘導する
ことができる。酵母を培養する場合は、25〜35℃、好ま
しくは30℃前後で、24〜48時間、通気攪拌深部培養、振
盪培養、静置培養などにより培養することが好ましい。
【0040】なお、本発明における遺伝子工学的方法
は、例えば、「Molecular Cloning:ALaboratory Manual
2nd edition」 (1989),Cold Spring Harbor Laborator
y Laboratory Press,ISBN 0-87969-309-6、「Current P
rotocols in Molecular Biology」(1989), John Wiley
& Sons,Inc.ISBN 0-471-50338-X等の記載に準じて実行
可能である。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。但し、本発明の技術的範囲は、これら実施例に
よりなんら限定されるものではない。
【0042】〔実施例1〕グルタミナーゼ遺伝子のクロ
ーニング (1)クリプトコッカス・ノダエンシスからの染色体D
NAの抽出 クリプトコッカス・ノダエンシスG60(FERM BP-635
1)を培養し、得られた菌体1gを液体窒素中で凍結さ
せた後、乳鉢を用いて物理的に磨砕し、細かい粉末状の
菌体片とした。菌体片から核酸抽出剤SepaGene
(三光純薬株式会社製)を利用して染色体DNAを抽出
した。全ての操作は、添付のプロトコールに従った。
【0043】(2)グルタミナーゼのN末端アミノ酸配
列および内部部分アミノ酸配列の決定 クリプトコッカス・ノダエンシスG60の生産するグル
タミナーゼを特開平11-332553記載の方法に従って精製
した。すなわち、クリプトコッカス・ノダエンシスG6
0を、グルコース 3.0%、酵母エキス 0.5%、K
2PO4 0.1%、MgSO4 0.1%、pH5.5
からなる培地に接種し、25℃で4日間振盪培養し、種
培養物を得た。この種培養物を上記の組成と同じ培地1
5リットルに接種し、30リットル容ジャーファーメン
ターにて通気量20リットル/分、撹拌速度300rp
mの条件下で25℃で30時間培養し、増殖した菌体を
含む培養液を得た。
【0044】増殖した菌体を含む培養液を遠心分離し、
得られたペースト状の菌体から一部200gを採り、こ
れに0.2M酢酸緩衝液(pH5.0)を2.0リット
ル加え、菌をよく分散させ、次にこれに細胞壁溶解酵素
としてセルラーゼ・オノヅカR−10(ヤクルト本社
製)16gを加え、42℃で12時間撹拌し、その後、
遠心分離(8000rpm、20分間)して上澄液を得
た。この上澄液を60℃で1時間加熱し、0.2M K2
HPO4でpHを7.0に調整後、さらに60℃で1時
間加熱して夾雑タンパク質を変性させ、遠心分離(80
00rpm、20分間)して変性したタンパク質を除い
た。
【0045】上記の上澄液に2倍量のアセトン(−20
℃)を加え、よく撹拌し、4℃にて5時間保持した後、
遠心分離し(8000rpm、20分間)沈殿を集め
た。この沈殿を0.02Mの酢酸緩衝液(pH6.0)
に溶解し、これを0.02Mの酢酸緩衝液(pH6.
0)で透析した。上記の粗酵素液を0.02M酢酸緩衝
液(pH6.0)で緩衝化したDEAE−セファロース
CL−6Bカラム(ファルマシア社製)に通し、酵素を
吸着させ、0.02M酢酸緩衝液(pH6.0)でよく
洗浄し、続いてNaCl 0〜0.5Mの濃度勾配で溶
出して活性区分を集めた。
【0046】次に、この酵素溶液を硫安とエチレングリ
コールそれぞれ0.5M、20%(w/v)を含む0.
1M酢酸緩衝液に透析した後、上記と同じ緩衝液で緩衝
化したフェニルセファロースカラム(ファルマシア社
製)に吸着させ、同緩衝液で洗浄後、硫安、エチレング
リコール、それぞれ0.5〜0M、20〜60%、の濃
度勾配で溶出し、活性区分を集めた。得られた酵素液
を、限外濾過装置(分画分子量10000、アミコン社
製)にて濃縮後、0.02Mリン酸緩衝液(pH6.
0)で透析した。この酵素液を予め0.02Mリン酸緩
衝液(pH6.0)で緩衝化したハイドロキシアパタイ
トカラム(半井社製)に吸着させ、同リン酸緩衝液にて
洗浄後、リン酸0.02〜0.3Mの濃度勾配で溶出
し、活性画分を集めた。また、同上の限外濾過装置を用
い酵素液を濃縮した。
【0047】濃縮された酵素液を0.2Mの食塩を含む
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で緩衝化しておい
たセファクリルS−300を充填したカラム(1.2×
100cm)にかけ、ゲル濾過した。得られた活性画分
を、セントリコン(ファルマシア社製、分画分子量3
0,000)にて濃縮し、その酵素液をTSKgelG
3000SW(東洋ソーダ社製)を用いるHPLCにて
分離し、単一な酵素標品を得た。
【0048】グルタミナーゼのN末端アミノ酸配列解析
は、精製グルタミナーゼ標品500μgを東レリサーチセン
ターに依頼した。N末端解析の結果、精製標品中には3種
類のタンパクが混在していることが明らかとなった。ま
た、上記の精製法では、N末端アミノ酸配列解析を確実
に行なうための精製ができなかったことも判明した。
【0049】上記で得られたN末端アミノ酸配列解析の
情報、および後述する染色体DNAの塩基配列の情報か
ら、3種類のタンパク質のN末端アミノ酸配列は、配列
番号3、4、5に示すものであると推定した。当初、こ
の結果より、ゲルろ過法による酵素の分子量からグルタ
ミナーゼは、3つの異なるサブユニットからなるヘテロ
3量体であると推定された。そのため、3種類のタンパク
を別々にクローニングしなくてはならず、合計の遺伝子
サイズが大きくなり、クローニングしたとしても遺伝子
自体が安定保持されにくくなるため、クローニングする
ことは大変困難であると懸念された。
【0050】しかし、後述するが、これらの断片は、同
一のタンパクから生じるものであった。それらは精製の
初期工程で膜タンパクであるグルタミナーゼを細胞壁よ
り可溶化させる際、使用したセルラーゼに含まれるプロ
テアーゼにより酵素的に部分分解されたか、または、精
製工程中に混在したプロテアーゼにより部分分解された
か、若しくは細胞内における局在部の違いによるもので
あると判断した。
【0051】グルタミナーゼ内部部分アミノ酸配列の解
析は、以下に示すように行った。精製グルタミナーゼ標
品400μgを1μgのリジルエンドペプチダ−ゼ(和光純薬
工業社製)、0.3%SDSを含む50mMトリス-塩酸緩衝液
(pH9.0)500μl中で、37℃、16時間酵素消化した。こ
の酵素消化液をShimadzuHPLCシステム(島
津製作所社製、カラム:Asahipak ODP-5E)に供し、生
成したペプチド断片を精製した。上記ペプチド断片のア
ミノ酸配列をプロテインシ−クエンサ−(492型アプ
ライドバイオシステムズ社製)を用いて、エドマン法に
より分析した。4種のペプチド断片のアミノ酸配列を、
配列番号6、7、8及び9にそれぞれ示した。
【0052】(3)PCR法によるグルタミナーゼ遺伝子
の部分断片の増幅 (2)において、決定したグルタミナーゼの部分アミノ酸
配列より、配列番号10〜13でそれぞれ表されるプラ
イマーをデザインし、DNA合成した。
【0053】すなわち、配列番号6で表されるペプチド
配列に対応して、配列番号10で表されるセンスミック
スプライマー、配列番号7で表されるペプチド配列に対
応して、配列番号11で表されるセンスミックスプライ
マーおよび配列番号12で表されるアンチセンスミック
スプライマー、配列番号8で表されるペプチド配列に対
応して、配列番号13で表されるアンチセンスミックス
プライマーをそれぞれ合成した。これらのプライマーを
用いてPCR反応を行った。反応には、Ex taq polymerase
(宝酒造社製)を使用し、反応液条件は、添付のプロト
コールに従った。
【0054】PCRはStratagene社製、Robocycler GRADIE
NT96で行った。PCRの基本的反応条件は、変性を94
℃、0.5分、アニーリングを42−58℃、0.5
分、伸長反応を72℃、3分を1サイクルとし45サイ
クル行った。アニーリング温度は、42℃〜58℃まで
温度勾配をかけて行った。
【0055】(1)で得られた染色体DNAを鋳型とし、
配列番号10のプライマーと配列番号12のプライマー
を組み合わせたPCR反応では、約1.6kbp、配列番
号10のプライマーと配列番号13のプライマーを組み
合わせたPCR反応では、約1.8kbp、配列番号11
のプライマーと配列番号13のプライマーを組み合わせ
たPCR反応では、約0.2kbp、に相当する特異的なD
NA断片の増幅が各々検出された。これらのことから、グ
ルタミナーゼの内部では配列番号6―配列番号7−配列
番号8のペプチドの順序で並んでいることが予想され
た。
【0056】しかし、特異的なDNA断片の増幅効率は、
1.6kbpのものが最も良く、他のものは、特異的な
DNA断片の他に若干の非特異的DNA断片の増幅も確認され
たため、以下、1.6kbpのDNA断片の塩基配列を解
析することとした。
【0057】(4)増幅されたDNA断片の塩基配列の決定 上記の1.6kbpの増幅DNA断片を0.7%アガロー
スゲル電気泳動後のゲルより回収し、これをTOPO TA Cl
oning Kit(Invitrogen社製)を用いてpCR2.1-TOPOベ
クターに組み込んだ。得られた組換えプラスミド(以下
pTKgln1.6と記す)は、Thermo Sequenase Cycle Sequen
cing Kit(アマシャムファルマシアバイオテック社製)
を用いてシークエンス反応を行い、LI-COR MODEL 4200L
シークエンサー(アロカ社より購入)で塩基配列の解析
を行った。シークエンス反応は、添付のプロトコールに
従った。
【0058】その結果、配列番号6のペプチド配列中プ
ライマー合成に対応させなかったアミノ酸残基をコード
する塩基配列が確認され、かつ、得られた塩基配列中に
配列番号6、7および9のそれぞれをコードする塩基配
列が見出された。このことから、増幅されたDNA断片が
目的のグルタミナーゼをコードする遺伝子の一部である
ことが明らかとなった。しかし、配列番号8のペプチド
は見出されなかった。
【0059】(5)クリプトコッカス・ノダエンシス染色
体DNAのサザンブロット解析 次に、実施例1−(1)で調整した染色体DNA3μg
を、制限酵素BamHI、EcoRV、HindIII、NruI、NotI、Sa
cI、SalI、StuI、XhoI各100ユニットを用い、37℃で16
時間消化した。これらの制限酵素は、上記の増幅された
DNA断片内の一箇所または二箇所を切断する。得られた
制限酵素消化DNAを0.7%アガロースゲル電気泳動に
供した。泳動後、サザンブロット法により、ナイロン膜
(ハイボンド-N+(Hybond-N+)、アマシャムファルマシ
アバイオテック社製)にDNAを転写した。ハイブリダイ
ゼーションのプローブとしては、(3)で得られたpTKg
ln1.6を鋳型とし、配列番号14と配列番号15をプラ
イマーとし、PCR DIG ラベリングミックス(ロシュ・ダ
イアグノスティックス社製)存在下でPCR増幅させたも
のを使用した。PCRの反応条件等は、上記(3)と同様
に行った。ただし、伸長反応を72℃で2分とし、反応
サイクルを30サイクルで行った。
【0060】上記のナイロン膜を2×SSC(0.3MNaC
l、0.03Mクエン酸ナトリウム;pH7.0)で洗浄
後、DIGシステムを用い、ユーザーガイド(ロシュ・
ダイアグノスティックス社製)に従って解析した。
【0061】その結果、BamHI、EcoRV、HindIII、Nru
I、NotI、SacI、SalI、StuI、XhoIの各消化産物でそ
れぞれ、約3.0kbpと約2.5kbp、約4.5k
bpと約2.5kbp、約6.0kbpと約1.0kb
p、約2.5kbpと約1.8kbp、約5.0kbp
と約3.0kbp、約1.8kbpと0.8kbp、約
2kbpと0.8kbp、約6.0kbpと1.3kb
p、約2.0kbpと約0.5kbpの位置にハイブリ
ダイズしたプローブに由来するシグナルが認められた。
【0062】(6)インバースPCR法によるグルタミナー
ゼ遺伝子の部分断片の取得 上記の結果に基づき、約2.5kbpのEcoRV断片
と約2.0kbpのSalI断片を用いて、インバース
PCRを行った。EcoRVおよびSalI消化した染
色体DNA3μgを0.7%アガロースゲル電気泳動で
分離し、それぞれの大きさに相当する(EcoRVであ
れば、約2.5kbp、SalIであれば、約2kb
p)位置のアガロースゲルを切り出した。ゲルからQI
Aquick Gel Extraction Kit(キアゲン、QIA
GEN社製)によりDNA断片を抽出精製し、該DNA
断片をDNA Ligation Kit Ver.2(宝酒造社製)を用
いてセルフライゲーションさせた。上記のライゲーショ
ン産物を鋳型とし、常法に従いインバースPCRを行っ
た。
【0063】PCRに使用したプライマーは、EcoR
V断片を鋳型としたものには、配列番号16および配列
番号17の組み合わせで、SalI断片を鋳型としたも
のには、配列番号18および配列番号19の組み合わせ
で行った。PCR反応には、Ex taq polymerase(宝酒
造社製)を使用し、反応液条件は、添付のプロトコール
に従った。PCRはStratagene社製、Robocycler GRADIENT
96で行った。
【0064】PCRの基本的反応条件は、変性を94
℃、0.5分、アニーリングを48−59℃、0.5
分、伸長反応を72℃、3分(鋳型がEcoRV断片)
及び2分(鋳型がSalI断片)を1サイクルとし30
サイクル行った。アニーリング温度は、48℃〜59℃
まで温度勾配をかけて行った。それぞれの増幅DNA断片
をアガロースゲル電気泳動後のゲルより回収し、これを
TOPO TA Cloning Kit(Invitrogen社製)を用いてpCR
2.1-TOPOベクターに組み込んだ。得られた組換えプラス
ミドは、Thermo Sequenase Cycle Sequencing Kit(ア
マシャムファルマシアバイオテク社)を用いてシークエ
ンス反応を行い、LI-COR MODEL 4200Lシークエンサー
(アロカ社より購入)で塩基配列の解析を行った。その
結果、EcoRV断片からは、(3)で得られたDNA
断片1.6kbpのさらに3’下流域が、また、Sal
I断片からは、さらに5’上流域が明らかとなった。ま
た、3’側下流域からは、先に見出されなかった配列番
号8のペプチド断片をコードする塩基配列が見出され
た。従って、(3)で得られた1.6kbpのDNA断
片、および(6)で得られた2.5kbpのDNA断片と
2.0kbpのDNA断片を全て連結した約6.0kb
pのDNA断片中には、グルタミナーゼをコードする遺
伝子が含まれることがさらに確実となった。
【0065】[実施例2]グルタミナーゼcDNAの取得 (1)クリプトコッカス・ノダエンシスからの全RNA
の抽出 クリプトコッカス・ノダエンシスを生醤油培地(6%水
あめ、16%生醤油、0.1%MgSO4、0.1%K
2PO4、pH6.0)100mlに接種し、25℃で
30時間培養した。培養終了後、得られた培養液を遠心
分離して菌体を集め、そのうち菌体約500mgを液体
窒素中で凍結させた後、乳鉢を用いて物理的に磨砕し、
細かい粉末状の菌体片とした。菌体片からRNeasy
Plant mini Kit(キアゲン社製)を利用
して全RNAを抽出した。全ての操作は、添付のプロト
コールに従った。
【0066】(2)RACE法を用いたグルタミナーゼcDN
Aの取得 上記で得られた全RNAを使用し、FirstChoice RLM-RA
CE Kit(Ambion社製)、3’-Full RACE Core Se
t(宝酒造社製)を利用して、それぞれグルタミナーゼ
cDNAの5’側領域に相当する約1.0kbpのDN
A断片及び、3’側領域に相当する約2.0kbpのD
NA断片の増幅を確認した。全ての操作は、添付のプロ
トコールに従った。FirstChoice RLM-RACE Kitに使用し
たプライマーを配列番号20、3’-Full RACE Cor
e Setに使用したプライマーを配列番号21に、それ
ぞれ記す。増幅されたDNA断片は、実施例1−(4)
と同様にクローニングし、塩基配列の確認を行った。
【0067】次にFirstChoice RLM-RACE Kit(Ambion
社)の5’側末端塩基配列情報から配列番号22に示す
グルタミナーゼcDNA5'末端塩基配列に相補的なセン
スプライマーを合成した。先の3’-Full RACE Cor
e Set(宝酒造社製)を利用して、プライマーを配列
番号21のプライマーの代わりに配列番号22のプライ
マーと、キットに付属しているアダプタープライマーの
代わりに配列番号23のプライマーを用いて全長グルタ
ミナーゼcDNAを増幅した(約2.0kbp)。
【0068】増幅したDNA断片を、実施例1−(4)
と同様にTOPO TA Cloning Kit(Invitrogen社製)を用
いてpCR2.1-TOPOベクターに組み込み、組み換え体DNA
(plasmid pTKgln)を得た。
【0069】plasmid pTKglnに組み込まれたDNA断片
の塩基配列を解析した結果、該DNA断片には、配列番
号1の塩基番号1〜2052に示す、グルタミナーゼ遺
伝子が含まれていることが明らかとなった。配列番号1
の塩基番号1〜2052がコーディング領域であり、塩
基番号2053〜2055がストップコドンである。該
グルタミナーゼ遺伝子から翻訳されるポリペプチドのア
ミノ酸配列を、配列番号2に示した。イントロンを考慮
して比較したところ、配列番号1の塩基配列は、先の染
色体上のグルタミナーゼ遺伝子配列と一致することが確
認された。配列番号1の塩基配列から翻訳されるポリペ
プチドのアミノ酸配列中には、配列番号3〜5のN末端
ポリペプチド配列、および配列番号6〜9の内部部分ア
ミノ酸配列が全て見出された。
【0070】これらの結果から、N末端解析で得られた
3つペプチド断片は、前述したように同一のタンパクが
部分分解を受けて生成したものであり、グルタミナーゼ
が当初考えられていたような異種タンパク3量体ではな
く、同一遺伝子にコードされたタンパクからなる3量体
であることが明らかとなった。また、配列番号2のアミ
ノ酸番号49〜684のアミノ酸配列は、プロセシング
をうけたグルタミナーゼと推定された。ホモロジー検索
を行ったところ、本発明のグルタミナーゼ遺伝子は、既
知のグルタミナーゼと類似性が見られず、新規のグルタ
ミナーゼ遺伝子であると推定された。
【0071】全長グルタミナーゼcDNA、すなわち、
配列番号1の塩基番号1〜2052で表される塩基配列
を含むplasmid pTKglnは、独立行政法人産業技術総合研
究所に(FERM BP−7292)として寄託されて
いる。 [実施例3]グルタミナーゼcDNAの発現 1. 全長グルタミナーゼcDNAの発現 以下の方法により、全長グルタミナーゼcDNA(配列番号
1の配列番号1〜2052で表される塩基配列)を発現
させた。該cDNAは、配列番号2のアミノ酸番号1〜684で
表されるアミノ酸配列をコードする。上記のplasmid pT
Kglnを鋳型とし、開始Metの直前にKpn Iサイトを導入し
た配列番号24と終止コドンの直後にEcoR Iサイトを導
入した配列番号25のプライマーを用いて、全長グルタ
ミナーゼcDNAを増幅した。制限酵素EcoR IとKpnI
(共に宝酒造社製)で酵素処理した後、0.7%アガロースゲ
ル電気泳動に供し、目的の大きさ(約2 kbp)のDNA断片を
切り出し精製した。
【0072】次に上記DNA断片を、同制限酵素で酵素処
理した酵母発現ベクターpYES2(Invitrogen社製)に組み
込み、plasmid pYES-TKglnを作製した。上記のplasmid
は、ガラクトースにより目的タンパク質(グルタミナー
ゼ)の誘導発現が可能である。宿主酵母(Saccharomyces
cerevisiae)としてInvitrogen社製のINVSc1 (Genoty
pe:MATa、his3Δ1、leu2、trp1-289、ura3-52/ MATα、
his3Δ1、leu2、trp1-289、ura3-52)を使用した。酢酸
リチウム法により、上記のplasmid pYES-TKglnで宿主酵
母を形質転換した。選択培地には、(0.67% Yeast Nitr
ogenbase without amino acids (Difco社製)、2% raffi
nose (和光純薬工業社製)、0.01% adenine、arginine、
cysteine、leucine、lysine、threonine、tryptophan、
0.005% aspartic acid、histidine、isoleucine、methi
onine、phenylalanine、proline,serine、tyrosine、va
line (以上関東化学社製))を使用した。酢酸リチウム
法は、「タンパク質実験プロトコール-機能解析編-」(P
63-P88細胞工学別冊:秀潤社)の記載に従った。次に、
得られた形質転換体を用いて、pYES2ベクターに添付の
プロトコールに従い、タンパク質の発現を行った。200
ml用バッフル付三角フラスコを用いて選択培地20 mlに
形質転換体をコロニーより植菌し、30 ℃、140 rpmで約
14時間旋回培養し、これを種培養とした。次に種培養の
濁度(OD600)を測定し、初期濁度がOD600 = 0.4となるよ
うにタンパク質発現誘導培地へ種培養を接種した。タン
パク質発現誘導培地による培養は500 ml用坂口フラスコ
を使用し、培地50 mlで30 ℃、140rpmで振とう培養し
た。タンパク質発現誘導培地は、選択培地の炭素源を1%
raffinose、2% galactose(和光純薬工業社製)としたも
のを使用した。
【0073】グルタミナーゼ活性は、特開平11-332553
記載の方法を一部改変した方法で測定した。すなわち、
2%(W/V)L-グルタミン溶液250 μlに0.2 M リン酸緩衝液
(pH6.5) 500 μlおよび酵素液250 μlを加え、37℃、30
分間反応させた後、0.75 N過塩素酸液250 μlを添加し
て反応を停止させ、これに1.5 N水酸化ナトリウム液125
μlを加え、反応液を中和した。上記の反応液を遠心(1
0000 rpm、10分)し、上清100μlに0.1 M塩酸ヒドロキシ
ルアミン緩衝液1.0 ml (pH 8.0)、20 mM NAD+溶液(オリ
エンタル酵母社製)1.0 ml および500単位/mlのL-グルタ
ミン酸脱水素酵素液(SIGMA社製)50 μlを添加し、37℃
で30分間反応させ、分光光度計により340 nmにおける吸
光度を測定した。上記の条件下で1分間あたり1μモルの
グルタミン酸を生成する酵素量を1単位(U)とした。
【0074】上記形質転換体の活性測定の結果を表1に
示す。表中の数値は、タンパク質の発現誘導32時間後の
培養液1 mlあたりのグルタミナーゼ活性(mU/ml)を示
す。「vector」はplasmid pYES2の形質転換体、「TK-GL
N」は、plasmid pYES-TKglnの形質転換体をそれぞれ示
す。また、(-)は、ガラクトースを含まないタンパク質
非発現誘導培地、(+)は、ガラクトースを含むタンパク
質発現誘導培地で培養したことを示す。タンパク質発現
誘導培地で培養したplasmid pYES-TKglnの形質転換体
は、plasmid pYES2の形質転換体と比較してグルタミナ
ーゼ活性が上昇していた。また、plasmid pYES-TKglnの
形質転換体を、ガラクトースを含まないタンパク質非発
現誘導培地で培養した時と比較してもグルタミナーゼ活
性が上昇していた。plasmid pYES-TKglnの形質転換体の
グルタミナーゼ活性は、Cryptococcus nodaensis G62株
と同様に菌体表面に観察された。
【0075】
【表1】
【0076】以上により、配列番号1の塩基番号1〜2
052で表される塩基配列にコードされるアミノ酸配列
(配列番号2のアミノ酸番号1〜684)がグルタミナーゼ
活性を有することが示された。
【0077】2. N末1〜48アミノ酸を欠損させたグ
ルタミナーゼをコードする遺伝子の発現 以下の方法により、N末1〜48アミノ酸を欠損させたグ
ルタミナーゼをコードする遺伝子(配列番号1の塩基番
号145〜2052で表される塩基配列)を発現させ
た。該cDNAは、配列番号2のアミノ酸番号49〜684で表
されるアミノ酸配列(以下「TKGLN-M」という)をコー
ドする。発現ベクターは、FLAG発現ベクターYEpFLAG-1
(SIGMA社)、宿主は、上記INVScを使用した。まず、上記
のplasmid pTKglnを鋳型とし、発現ベクター由来のシグ
ナル配列をコードする塩基配列とフレームを合わせる形
で、49番目のGly残基をコードする塩基のすぐ上流に
EcoR Iサイトを導入した配列番号26と終止コドンの直
後にSac IIサイトを導入した配列番号27のプライマー
を用いて、cDNAを増幅した。
【0078】PCR反応は、Tbr EXT Polymerase (Finzyme
社)を使用し、反応条件は、添付のプロトコールに従っ
た。PCR産物はEcoR I(宝酒造)、Sac II(NEB)で制限酵素
処理し、同処理を行ったYEpFLAG-1に組み込みplasmid p
FLAGTKgln-Mを作製した。上記のpFLAGTKgln-Mを酢酸リ
チウム法により、宿主酵母INVScに導入した。選択培地
には、0.67% Yeast Nitrogen base without amino acid
s、2% glucose、YEASTSYNTHETIC DROPOUT MEDIUM SUPPL
EMENT without tryptophan(SIGMA社)を使用した。タン
パク質発現誘導培地にはYPHSM培地(1% glucose、3% gly
cerol (和光純薬工業)、1% Yeast Extract (Difco)、8%
Peptone、20mM CaCl2)を用いた。
【0079】次に、得られた形質転換体を用いて、YEpF
LAG-1ベクターの添付のプロトコールに従い、タンパク
質の発現を行った。200 ml用バッフル付三角フラスコを
用いて選択培地20 mlに形質転換体をコロニーより植菌
し、30 ℃、140 rpmで約30時間旋回培養し、これを種培
養とした。種菌2.5mlを500 ml用坂口フラスコ中ののタ
ンパク質発現誘導培地50mlに植菌し、30 ℃、140rpmで
振とう培養した。グルタミナーゼ活性の測定は上記の方
法に従った。同様の方法で、発現ベクター由来のシグナ
ル配列の下流に配列番号2のアミノ酸番号2〜684のア
ミノ酸配列が連結されているタンパク質「TKGLN-F」を
調製した。「TKGLN-F」をコードするcDNAをYEpFLAG
-1に組み込んで得られたプラスミドをplasmid pFLAGTKg
ln-Fと命名した。
【0080】上記で得られた形質転換体の活性測定の結
果を表2に示す。表中の数値は、タンパク質の発現誘導
72時間後の培養液1 mlあたりのグルタミナーゼ活性(mU
/ml)を示す。「Vector」はplasmid YEpFLAG-1の形質転
換体、「TKGLN-M」は、plasmid pFLAGTKgln-Mの形質転
換体、「TKGLN-F」は、plasmid pFLAGTKgln-Fの形質転
換体をそれぞれ示す。plasmid pFLAGTKgln-Mの形質転換
体は、タンパク質発現誘導培地で培養した際にplasmid
YEpFLAG-1の形質転換体と比較してグルタミナーゼ活性
が上昇していた。ポジティブコントロールとしてYEpFLA
G-1由来のシグナル配列の下流に配列番号2の2〜684の
アミノ酸を含むタンパク質をコードするcDNAを組み
込んだplasmid pFLAGTKgln-Fの形質転換体と比較しても
plasmid pFLAGTKgln-Mの形質転換体のグルタミナーゼ活
性は高かった。
【0081】配列番号2のアミノ酸番号2〜684番目のア
ミノ酸配列の中にはグルタミナーゼ自身のシグナル配列
が存在する。従って、plasmid pFLAGTKgln-F由来のタン
パクは、発現ベクター由来のシグナル配列と自身のシグ
ナル配列と2つもつこととなる。そのため、プロセシン
グが正しく行われず、タンパク質の発現や構造の安定化
に負の影響を受け、plasmid pFLAGTKgln-F由来のグルタ
ミナーゼの活性が低下したものと考えられる。なお、グ
ルタミナーゼの活性は、上記pYES2ベクターの系と同様
に、菌体表面に観察された。
【0082】
【表2】
【0083】以上により、配列番号1の塩基番号145
〜2052で表される塩基配列にコードされるアミノ酸
配列(配列番号2のアミノ酸番号49〜684)がグルタミ
ナーゼ活性を有することが示された。宿主−ベクター系
を用いてタンパク質を製造する場合、宿主由来のシグナ
ルペプチドを使用することは有効である。クリプトコッ
カス属の微生物以外の宿主を用いて本発明のグルタミナ
ーゼ遺伝子を大量発現させる場合、宿主由来のシグナル
ペプチドの下流に、N末の48アミノ酸残基を欠損させた
グルタミナーゼをコードする遺伝子を連結することによ
り、発現効率が上昇することが明らかとなった。
【0084】また、宿主がCryptococcus属である場合に
限らず、酵母である場合も、遺伝子から発現されたグル
タミナーゼは、菌体表面に局在性を示した。この性質
は、本遺伝子から翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列
に起因するものである。本グルタミナーゼを大量製造す
る際、菌体自体を集菌することで容易に本タンパク質の
濃縮が行えることは大変利点である。
【0085】
【発明の効果】本発明により、グルタミナーゼおよびそ
れをコードするグルタミナーゼ遺伝子が提供された。ま
た、グルタミナーゼ遺伝子を含有する組み換え体DN
A、該組み換え体DNAを含む形質転換体または形質導
入体が提供された。さらには、本発明により、上記形質
転換体または形質導入体を培養し、培養物からグルタミ
ナーゼを採取することを特徴とするグルタミナーゼの製
造法も提供された。
【0086】本発明のグルタミナーゼは、醤油および食
塩を多量に含む調味食品の製造において、絶大な品質向
上効果を発揮する。また、本発明のグルタミナーゼ遺伝
子をもちいることにより、遺伝子工学的手法によるさら
なる酵素機能の改変および本酵素の大量製造法の構築が
可能となる。本発明は、産業上極めて有意義なものであ
る。
【0087】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kikkoman Corporation <120> Glutaminase and glutaminase gene <130> P2175 <150> JP2000-270371 <151> 2000-09-06 <160> 23 <210> 1 <211> 2055 <212> DNA <213> Cryptococcus nodaensis <400> 1 atggccacaa gcatcaacat gctggccctc ctgtacggtc tgttgagtgc ttcgcccgct 60 ttgtctgcgc agcttgccgg caatgaggac tacgcccacg ccgcaaggca atcgctcgct 120 cacaatccca cattcggcaa acgcggcgtg accagcggtc tcgcatttca gccggcttcc 180 gtctccttca ccgtgggcga caagcagtat ttgtccccca ccggagccca gttcaggcgg 240 tacagcatcg gagctgaatg gggattggac gccctcgctg gacaaagctt ggcggttacc 300 gttctcgaag tggagggcga ggtcacctgc gatgttctgg ggagcaagct ggacaagttc 360 caacaggcgg acgatgtctg ggacacgtca ttcctcaacg gcatcttcct gacgactacg 420 tcgtcttacc acgtagcaag cgatgtttct agctgtttgg aaggctgggg aggatctctg 480 gttgtgaaga gtgggaatgc tacgtccgac gtggagggtg tgagcgttgc caaagtcgcg 540 agcgtatcga ttccacaagg cccgtatctc gcccacgtca acggtaacat cacactcacg 600 caaatctatc gatcgtaccg cgacgaagca caggccttca ccgccggcgt cattcacact 660 gaagacaaca ccttcgtcga tctctccacc cccgtccctg cgctcaacac cctctctatc 720 tctgtcccgt cacgacttta cacactcaac gtgcctaatc caagacccct ggaagggagg 780 cgaatcgctg tcaaggactt gttcgacatg gccggactga agactggagg aggtaacagg 840 gcatactaca acacgtatcc cgccaagaat gttaccgcga tcgccataca gcgattggtt 900 gatcaaggtg gcatcatcgt tggccgggtc aagacgagcc aatttgccaa cggagaggat 960 gccacggcgg actgggtgga ccagatgtgc cccttcaacc cgcgagggga tggatatcag 1020 cagccggcgt cgtcctcaag cggtccgggt gcggccgcag gtgcatacga ctggctcgac 1080 catacgatcg gatccgatac cggtggtagc atcatcgatc cggcctcggt acaaggggta 1140 tatggccttc gcccctcatg gagtgctatt tccctcgagg gcgcaatccc tcttcaggcc 1200 acccaagaca cagcagggtt cttcgcgcga gacgctcaat ccgggctcgc gttcgcccag 1260 ggatggtatg gtgaccgttt cggcaacttt tcaaccctgc ccaccaatct catcttgccg 1320 aacagctcgt gggagtttgc ccccgacttt gccggcgcgg agcagttcaa cgccttccgt 1380 gacggccttc ttgaccttgt caagccggct tcagtcgacg tgcgagactt tgagggctat 1440 tggaacacgt caggccgttt cgaacaggtc aatgccaccg cttccgatta cctatacgag 1500 gtctacgcca acctgatcac ctactaccaa tggaacaact ttggcaaact ctggtacgaa 1560 gattacgccg agcagaacga tggacgccaa ccttttgtgg acccgtcgcc tttggtccga 1620 tggacctacg cacgggacaa cctaactgag gctgacttca actcgtcgac cgccaaaaag 1680 gagctcttca aggagttcat cgacaccgag gtgttggtca aggacaactc gacgtgctcg 1740 agcgccatct acgtggcgcc gtatggcctg gctcagactg cctaccgtaa catctataag 1800 caagctgcga gcgttccgtt cggcttctac tatcccgcgc agttctctgg ggtgcctcag 1860 ctgatcgtcc ccatcggcca gctaccatac gagtcaacca tcacgaacca taccgagtac 1920 ctgcccctga ctgtgacgct gtacgccgcc gccgactgcg attacgtcct gtgggatctg 1980 gctgcaaagt tggaggcggc tggagtgacg agctcggttg ctgcgggtgc agtcgcctac 2040 ccagatcgcg tgtag 2055 <210> 2 <211> 684 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <400> 2 Met Ala Thr Ser Ile Asn Met Leu Ala Leu Leu Tyr Gly Leu Leu 1 5 10 15 Ser Ala Ser Pro Ala Leu Ser Ala His Val Ala Gly Asn Glu Asp 20 25 30 Tyr Ala His Ala Ala Arg Gln Ser Leu Ala His Asn Pro Thr Phe 35 40 45 Gly Lys Arg Gly Val Thr Ser Gly Leu Ala Phe Gln Pro Ala Ser 50 55 60 Val Ser Phe Thr Val Gly Asp Lys Gln Tyr Leu Ser Pro Thr Gly 65 70 75 Ala Gln Phe Arg Arg Tyr Ser Ile Gly Ala Glu Trp Gly Leu Asp 80 85 90 Ala Leu Ala Gly Gln Ser Leu Ala Val Thr Val Leu Glu Val Glu 95 100 105 Gly Glu Val Thr Cys Asp Val Leu Gly Ser Lys Leu Asp Lys Phe 110 115 120 Gln Gln Ala Asp Asp Val Trp Asp Thr Ser Phe Leu Asn Gly Ile 125 130 135 Phe Leu Thr Thr Thr Ser Ser Tyr His Val Ala Ser Asp Val Ser 140 145 150 Ser Cys Leu Glu Gly Trp Gly Gly Ser Leu Val Val Lys Ser Gly 155 160 165 Asn Ala Thr Ser Asp Val Glu Gly Val Ser Val Ala Lys Val Ala 170 175 180 Ser Val Ser Ile Pro Gln Gly Pro Tyr Leu Ala His Val Asn Gly 185 190 195 Asn Ile Thr Leu Thr Gln Ile Tyr Arg Ser Tyr Arg Asp Glu Ala 200 205 210 Gln Ala Phe Thr Ala Gly Val Ile His Thr Glu Asp Asn Thr Phe 215 220 225 Val Asp Leu Ser Thr Pro Val Pro Ala Leu Asn Thr Leu Ser Ile 230 235 240 Ser Val Pro Ser Arg Leu Tyr Thr Leu Asn Val Pro Asn Pro Arg 245 250 255 Pro Leu Glu Gly Arg Arg Ile Ala Val Lys Asp Leu Phe Asp Met 260 265 270 Ala Gly Leu Lys Thr Gly Gly Gly Asn Arg Ala Tyr Tyr Asn Thr 275 280 285 Tyr Pro Ala Lys Asn Val Thr Ala Ile Ala Ile Gln Arg Leu Val 290 295 300 Asp Gln Gly Gly Ile Ile Val Gly Arg Val Lys Thr Ser Gln Phe 305 310 315 Ala Asn Gly Glu Asp Ala Thr Ala Asp Trp Val Asp Gln Met Cys 320 325 330 Pro Phe Asn Pro Arg Gly Asp Gly Tyr Gln Gln Pro Ala Ser Ser 335 340 345 Ser Ser Gly Pro Gly Ala Ala Ala Gly Ala Tyr Asp Trp Leu Asp 350 355 360 His Thr Ile Gly Ser Asp Thr Gly Gly Ser Ile Ile Asp Pro Ala 365 370 375 Ala Ser Val Gln Gly Val Tyr Gly Leu Arg Pro Ser Trp Ser Ala 380 385 390 Ile Ser Leu Glu Gly Ala Ile Pro Leu Gln Thr Gln Asp Thr Ala 395 400 405 Gly Phe Phe Ala Arg Asp Ala Gln Ser Gly Leu Ala Phe Ala Gln 410 415 420 Gly Trp Tyr Gly Asp Arg Phe Gly Asn Phe Ser Thr Leu Pro Thr 425 430 435 Asn Leu Ile Leu Pro Asn Ser Ser Trp Glu Phe Ala Pro Asp Phe 440 445 450 Ala Gly Ala Glu Gln Phe Asn Ala Phe Arg Asp Gly Leu Leu Asp 455 460 465 Leu Val Lys Pro Ala Ser Val Asp Val Arg Asp Phe Glu Gly Tyr 470 475 480 Trp Asn Thr Ser Gly Arg Phe Glu Gln Val Asn Ala Thr Ala Ser 485 490 495 Asp Tyr Leu Tyr Glu Val Tyr Ala Asn Leu Ile Thr Tyr Tyr Gln 500 505 510 Trp Asn Asn Phe Gly Lys Leu Trp Tyr Glu Asp Tyr Ala Glu Gln 515 520 525 Asn Asp Gly Arg Gln Pro Phe Val Asp Pro Ser Pro Leu Val Arg 530 535 540 Trp Thr Tyr Ala Arg Asp Asn Leu Thr Glu Ala Asp Phe Asn Ser 545 550 555 Ser Thr Ala Lys Lys Glu Leu Phe Lys Glu Phe Ile Asp Thr Glu 560 565 570 Val Leu Val Lys Asp Asn Ser Thr Cys Ser Ser Ala Ile Tyr Val 575 580 585 Ala Pro Tyr Gly Leu Ala Gln Thr Ala Tyr Arg Asn Ile Tyr Lys 590 595 600 Gln Ala Ala Ser Val Pro Phe Gly Phe Tyr Tyr Pro Ala Gln Phe 605 610 615 Ser Gly Val Pro Gln Leu Ile Val Pro Ile Gly Gln Leu Pro Tyr 620 625 630 Glu Ser Thr Ile Thr Asn His Thr Glu Tyr Leu Pro Leu Thr Val 635 640 645 Thr Leu Tyr Ala Ala Ala Asp Cys Asp Tyr Val Leu Trp Asp Leu 650 655 660 Ala Ala Lys Leu Glu Ala Ala Gly Val Thr Ser Ser Val Ala Ala 665 670 675 Gly Ala Val Ala Tyr Pro Asp Arg Val 680 684 <210> 3 <211> 20 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <400> 3 Gly Val Thr Ser Gly Leu Ala Phe Gln Pro Ala Ser Val Ser Phe 1 5 10 15 Thr Val Gly Asp Lys 20 <210> 4 <211> 16 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <400> 4 Lys Val Ala Ser Val Ser Ile Pro Gln Gly Pro Tyr Leu Ala His 1 5 10 15 Val 16 <210> 5 <211> 13 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <400> 5 Ser Val Ser Ile Pro Gln Gly Pro Tyr Leu Ala His Val 1 5 10 13 <210> 6 <211> 15 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <221> misc_feature <222> 14 <223> Xaa is uncertain <400> 6 Gly Val Thr Ser Gly Leu Ala Phe Gln Pro Ala Ser Val Xaa Phe 1 5 10 15 <210> 7 <211> 11 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <400> 7 Leu Trp Tyr Glu Asp Tyr Ala Glu Gln Asn Asp 1 5 10 <210> 8 <211> 8 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <400> 8 Glu Phe Ile Asp Thr Glu Val Leu 1 5 8 <210> 9 <211> 5 <212> PRT <213> cryptococcus nodaensis <221> misc_feature <222> 1 <223> Xaa is uncertain <400> 9 Xaa Ser Gln Phe Ala 1 5 <210> 10 <211> 29 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 10 ggngtnacnw snggnytngc nttycarcc 29 <210> 11 <211> 23 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 11 tggtaygarg aytaygcnga rca 23 <210> 12 <211> 23 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 12 ttytgytcng crtartcytc rta 23 <210> 13 <211> 23 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 13 arnacytcng trtcdatraa ytc 23 <210> 14 <211> 25 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 14 caccgtgggc gacaagcagt atttg 25 <210> 15 <211> 25 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 15 ccacgagctg ttcggcaaga tgaga 25 <210> 16 <211> 30 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 16 atcgtatggt cgagccagtc gtatgcacct 30 <210> 17 <211> 30 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 17 aggtctacgc caacctgatc acctactacc 30 <210> 18 <211> 30 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 18 tccaatcccc attcagctcc gatgctgtac 30 <210> 19 <211> 30 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 19 aaagtcgcga gcgtatcggt gagtgaggga 30 <210> 20 <211> 26 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 20 catcctctcc gttggcaaat tggctc 26 <210> 21 <211> 25 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 21 caccgtgggc gacaagcagt atttg 25 <210> 22 <211> 30 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 22 caaaatggcc acaagcatca acatgctgg 30 <210> 23 <211> 25 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 23 cagcgatgac ctatcgcgat tttgc 25 <210> 24 <211> 35 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 24 gcaggtacca tggccacaag catcaacatg ctggcc 35 <210> 25 <211> 36 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 25 attgaattcc tacacgcgat ctgggtaggc gactgc 36 <210> 26 <211> 29 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 26 ggcgaattcg gcgtgaccag cggtctcgc 29 <210> 27 <211> 31 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 27 ttgccgcggc tacacgcgat ctgggtaggc g 31
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/80 C12N 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA05 BA11 CA01 GA11 4B050 CC03 DD02 EE10 LL02 4B065 AA01Y AB01 AC14 BA01 CA31 CA42

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)または(b)のいずれかに
    示すタンパク質。 (a)配列番号2のアミノ酸番号1〜684で表されるアミ
    ノ酸配列を含むタンパク質 (b)上記(a)のアミノ酸配列において、1もしくは
    複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加された
    アミノ酸配列を含み、かつグルタミナーゼ活性を有する
    タンパク質
  2. 【請求項2】 以下の(c)または(d)のいずれかに示
    すタンパク質。 (c)配列番号2のアミノ酸番号49〜684で表されるアミ
    ノ酸配列を含むタンパク質 (d)上記(c)のアミノ酸配列において、1もしくは複
    数のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたア
    ミノ酸配列を含み、かつグルタミナーゼ活性を有するタ
    ンパク質
  3. 【請求項3】 以下の(e)または(f)のいずれかに示
    すDNAを含む遺伝子。 (e)請求項1記載のタンパク質をコードするDNAを
    含む遺伝子 (f)上記(e)のDNAとストリンジェントな条件でハイ
    ブリダイズし、かつ、グルタミナーゼ活性を有するタン
    パク質をコードする遺伝子。
  4. 【請求項4】 以下の(g)または(h)のいずれかに示
    すDNAを含む遺伝子。 (g)請求項2記載のタンパク質をコードするDNAを
    含む遺伝子 (h)上記(g)のDNAとストリンジェントな条件でハイ
    ブリダイズし、かつ、グルタミナーゼ活性を有するタン
    パク質をコードする遺伝子。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の遺伝子を含有
    する組み換え体DNA。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の組み換え体DNAを含む
    形質転換体または形質導入体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の形質転換体または形質導
    入体を培養し、培養物からグルタミナーゼを採取するこ
    とを特徴とする、グルタミナーゼの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009038984A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Taiyo Kagaku Co Ltd 耐熱性グルタミナーゼ
WO2024032886A1 (en) * 2022-08-10 2024-02-15 Picea Biosolutions Gmbh Glutaminase

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