JP2002262863A - 酸化酵素の安定化方法及び安定化酸化酵素 - Google Patents

酸化酵素の安定化方法及び安定化酸化酵素

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JP2002262863A
JP2002262863A JP2001066097A JP2001066097A JP2002262863A JP 2002262863 A JP2002262863 A JP 2002262863A JP 2001066097 A JP2001066097 A JP 2001066097A JP 2001066097 A JP2001066097 A JP 2001066097A JP 2002262863 A JP2002262863 A JP 2002262863A
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Haruo Takahashi
治雄 高橋
Chie Imamura
千絵 今村
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化酵素の安定性、特にリグニン分解活性を
示す酸化酵素の過酸化水素に対する安定性を向上させ
る。 【解決手段】 酸化酵素に対して、その酵素機能に関与
する内部構造を不安定な特定のアミノ酸の変換等の手段
により安定化させ、かつ、該酸化酵素を構造安定性を備
えた所定の内径を有する構造ユニット中に固定化して、
酵素表面をも安定化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化酵素の安定化方
法及び安定化酸化酵素に関する。更に詳しくは、本発明
は、酸化酵素に対してその酵素機能に関与する内部構造
を安定化する手段と酵素表面を安定化する手段とを併せ
実施することにより、通常の予測を超える酸化酵素の安
定化を実現し得た酸化酵素の安定化方法と、この方法を
実施してなる安定化酸化酵素に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素を蛋白質工学的にデザインす
ることにより、酵素の機能,安定性,基質特異性等を好
ましく改変しようとする研究がなされている。
【0003】例えば、マンガンペルオキシダーゼやリグ
ニンペルオキシダーゼのような酸化酵素に関しては、紙
パルプの製造工程における着色原因物質たるリグニンの
分解、特開平6−296949号公報で指摘されている
プラスチック分解等の産業上重要な広範囲の用途があ
り、優れたペルオキシダーゼ変異体の提供が特に強く求
められる。そして従来、リグニンペルオキシダーゼのベ
ラトリルアルコール結合部位の付加の研究(J. Exp. Me
d., 184, 831-837, 1996)、ペルオキシダーゼの基質特
異性の改変(特開平11−155570)等に関する報
告もしくは提案がなされている。
【0004】一方、酵素を固定化することも酵素の安定
性の向上に有効であることが知られている。従来の酵素
の固定化方法としては、酵素を樹脂ビーズ等に直接固定
させる方法、酵素を半透明のポリマー被膜により被覆す
るマイクロカプセル法、酵素蛋白質の表面をポリエチレ
ングリコールや糖脂質で修飾して安定化させる表面修飾
法等が提案されている。
【0005】又、例えばアクリルアミドやポリビニルア
ルコール、テトラメトキシシラン(TMOS)や有機基
を有するシラン等のゾルないしはコロイド懸濁液を用
い、そのゲル化反応を利用して酵素を固定化するゾルゲ
ル法も提案されている(川上らJ. Ferment. Bioeng., 8
4, 240-242, 1998 )
【発明が解決しようとする課題】ところで、酵素活性に
ついては常に安定性が問題となるが、特に酸化酵素(ペ
ルオキシダーゼ)については、酵素反応に過酸化水素を
利用することから、過酸化水素によって容易に失活しな
い酵素活性の確保が問題となる。
【0006】特にリグニン分解活性を示すタイプの酸化
酵素(リグニンペルオキシダーゼやマンガンペルオキシ
ダーゼ)は、紙パルプの製造その他の分野において非常
に有用であるにも関わらず、過酸化水素耐性がとりわけ
低いと言う問題がある。従って、例えば紙パルプの製造
工程においてリグニンペルオキシダーゼやマンガンペル
オキシダーゼを用いてリグニンを酵素的に分解する際、
活性化物質である過酸化水素を非常に低濃度に制御しな
ければ酵素の失活を招くため、過酸化水素の高濃度化に
よる酵素反応の効率アップを図り難い現状である。
【0007】しかしながら、酸化酵素の改変に関する前
記従来技術は、いずれも、酸化酵素の過酸化水素に対す
る安定性や、過酸化水素の存在下における酸化酵素の熱
安定性等を考慮したものではない。USP(アメリカ合
衆国特許)第 5,817,495号公報には、酸化酵素の改変に
より過酸化水素耐性を付加した例が開示されているが、
この酸化酵素はリグニン分解活性を示すタイプのもので
はないし、その改変内容もシャッフリングによるもので
あって、酸化酵素の改変に関する技術的思想が明瞭には
示されていない。
【0008】一方、酵素の固定化に関する前記従来技術
も、酵素を固定化担体の表面に露出状態で固定化した
り、固定化用の構造ユニットの構造安定性が欠けていた
りするため、酵素の安定性が不足し勝ちであった。又、
前記川上らのゾルゲル法も、ある程度の酵素安定化効果
は得られるが、十分とは言えなかった。
【0009】このような従来技術の状況より、酸化酵
素、特にリグニン分解活性を示すタイプの酸化酵素につ
いて、その産業上の有用性に鑑み、安定性、特に過酸化
水素耐性を劇的に向上させることが強く求められる。そ
こで本発明は、かかる要求に応えることを、解決すべき
課題とする。
【0010】本件出願人は既に、特願2000−170
443号、及び特願2000−341859号(いずれ
も未公表)の願書に添付した明細書において、酸化酵素
の活性中心あるいは過酸化水素結合ポケットを安定化さ
せると言う改変により優れた過酸化水素耐性を獲得した
安定化変異体を開示している。更に、本件出願人の出願
に係る特願平11−27702号に開示された酵素固定
化方法によれば、優れた酵素安定化効果が得られること
が確認されている。この酵素固定化方法は、構造安定性
を有する構造ユニット中に酵素を固定化する方法であ
り、特に好ましくは、メソポーラスシリカ多孔体を最適
例とする無機多孔質材料の細孔を構造ユニットとして利
用する方法である。
【0011】
【着眼点】以上の特願2000−170443号及び特
願2000−341859号に開示した発明は、酸化酵
素の活性中心あるいは過酸化水素結合ポケットと言う、
酸化酵素の酵素機能に関与する内部構造を安定化させる
方法であると考えることができる。一方、特願平11−
27702号に開示した発明は、酸化酵素の外部構造
(表面)を安定化させる方法であると考えることができ
る。
【0012】本願発明者は、上記の考察から、酸化酵素
を内部(重要な内部構造)と外部(表面)とから同時に
安定化させれば、その安定性を劇的に向上させ得るので
はないか、と着想した。そして実験の結果、上記両方法
の相乗効果としての通常の予測を大きく超える効果を確
認し、本願発明を完成した。
【0013】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、酸化酵素に対して、酵素機能に関与す
る内部構造を安定化する内部構造安定化手段と、酵素表
面を安定化する表面安定化手段とを併せ実施する、酸化
酵素の安定化方法である。
【0014】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る内部構造安定化手段が次の1)及び
/又は2)の手段である、酸化酵素の安定化方法であ
る。1)酸化酵素の活性中心から半径12Å以内の範囲
に位置するアミノ酸の内、1又は2以上の易酸化性アミ
ノ酸あるいは立体形状が変化し易いアミノ酸を、耐酸化
性アミノ酸あるいは立体形状が変化し難いアミノ酸に変
換すること。2)酸化酵素の過酸化水素結合ポケットに
面するアミノ酸の内、1又は2以上の易酸化性アミノ酸
あるいは立体形状が変化し易いアミノ酸を、耐酸化性ア
ミノ酸あるいは立体形状が変化し難いアミノ酸に変換す
ること。
【0015】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第2発明に係る易酸化性アミノ酸あるいは立体形状
が変化し易いアミノ酸に対して、これと変換されるべき
前記耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し難いア
ミノ酸が類似した立体構造を有する、酸化酵素の安定化
方法である。
【0016】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る表面安定化手段が、酵素
直径の1.2倍以上の内径を備え構造安定性を有する構
造ユニット中に酵素を固定化することである、酸化酵素
の安定化方法である。
【0017】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る表面安定化手段が、酵素
直径の1.2倍以上の内径を備え構造安定性を有する構
造ユニット中に酵素を固定化した後、構造ユニットの開
口部及び/又は内部空隙にゲル化物質の網状構造を形成
することである、酸化酵素の安定化方法である。
【0018】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第4発明又は第5発明に係る構造ユニットがメソポ
ーラスシリカ多孔体における細孔である、酸化酵素の安
定化方法である。
【0019】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第6発明に係る酸化酵素の安定化方法に
より安定化される酸化酵素の特性として、少なくとも過
酸化水素耐性が含まれる、酸化酵素の安定化方法であ
る。
【0020】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
酸化酵素に対して第1発明〜第7発明のいずれかに係る
安定化方法を実施してなる、安定化酸化酵素である。
【0021】(第9発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第9発明(請求項9に記載の発明)の構成は、
前記第8発明に係る酸化酵素がリグニン分解活性を有す
るペルオキシダーゼである、安定化酸化酵素である。
【0022】(第10発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第10発明(請求項10に記載の発明)の構
成は、前記第9発明に係るリグニン分解活性を有するペ
ルオキシダーゼがマンガンペルオキシダーゼ又はリグニ
ンペルオキシダーゼである、安定化酸化酵素である。
【0023】(第11発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第11発明(請求項11に記載の発明)の構
成は、前記第8発明〜第10発明に係る易酸化性アミノ
酸あるいは立体形状が変化し易いアミノ酸がアスパラギ
ン,グルタミン,トリプトファン,システイン又はメチ
オニンであり、前記耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状
が変化し難いアミノ酸がアラニン,ロイシン,イソロイ
シン,バリン,セリン又はグリシンである、安定化酸化
酵素である。
【0024】(第12発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第12発明(請求項12に記載の発明)の構
成は、前記第8発明〜第11発明に係る酸化酵素が配列
番号1に示すアミノ酸配列を有する天然型マンガンペル
オキシダーゼである場合において、前記内部構造安定化
手段が、少なくとも、酸化酵素の活性中心から半径12
Å以内の範囲に位置する第67位,第237位及び第2
73位のメチオニンの内の少なくとも1個のメチオニン
をロイシン,イソロイシン,バリン,アラニン,グリシ
ン又はセリンに置換したことを含む内容である、安定化
酸化酵素である。
【0025】(第13発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第13発明(請求項13に記載の発明)の構
成は、前記第12発明に係る安定化酸化酵素の過酸化水
素に対する安定性が、10mM過酸化水素存在下での残
存活性が100%である、安定化酸化酵素である。
【0026】(第14発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第14発明(請求項14に記載の発明)の構
成は、前記第8発明〜第11発明に係る酸化酵素が配列
番号1に示すアミノ酸配列を有する天然型マンガンペル
オキシダーゼである場合において、前記内部構造安定化
手段が、少なくとも、第81位のアスパラギンをセリ
ン,アラニン,ロイシン,バリン又はグリシンに置換し
たことを含む内容である、安定化酸化酵素である。
【0027】(第15発明の構成)上記課題を解決する
ための本願第15発明(請求項15に記載の発明)の構
成は、前記第14発明に係る安定化酸化酵素の過酸化水
素に対する安定性が、10mM過酸化水素存在下での残
存活性が100%である、安定化酸化酵素である。
【0028】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明においては、酸化酵素に対して内部構造安定化手段と
表面安定化手段とを併せ実施する。このように、酸化酵
素を内部と外部とから同時に安定化させると言う試み
は、未だ報告されていない。
【0029】そして少なくとも酸化酵素に対しては、酸
化酵素の重要な内部構造と酵素表面とを同時に安定化さ
せる試みが通常の予測を大きく超える酵素安定化効果を
もたらすことが確認された。
【0030】(第2発明の作用・効果)第1発明におけ
る内部構造安定化手段として、第2発明の1)及び/又
は2)の手段を好ましく例示できる。第2発明の1)の
内部構造安定化手段は酸化酵素の内部構造である活性中
心を安定化させるものであり、第2発明の2)の内部構
造安定化手段は酸化酵素の内部構造である過酸化水素結
合ポケットを安定化させるものである。
【0031】上記1)の内部構造安定化手段により、活
性中心近傍のアミノ酸の酸化又は立体形状の変化が起こ
り難くなり、酸化酵素の安定性、特に過酸化水素に対す
る酸化酵素の安定性又は過酸化水素の存在下における酸
化酵素の安定性が著しく向上する。その正確な理由は未
だ判明していないが、次のような点が推定される。 (a)天然型酸化酵素においては、過酸化水素によっ
て、活性中心近傍の易酸化性アミノ酸の酸化に基づく化
学変化を生じ、あるいは立体形状が変化し易いアミノ酸
の立体形状が変化し、これらの変化が酵素の失活に関与
している。個々の酵素の種類に対応して、活性中心近傍
の全ての易酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し易
いアミノ酸が関与する場合と、それらの一部が関与する
場合とがある。活性中心から離れた易酸化性アミノ酸あ
るいは立体形状が変化し易いアミノ酸の同様な酸化に基
づく化学変化によっては、通常は酵素の失活を生じな
い。 (b)活性中心近傍の易酸化性アミノ酸あるいは立体形
状が変化し易いアミノ酸の一部又は全部を耐酸化性アミ
ノ酸あるいは立体形状が変化し難いアミノ酸に変換する
ことにより、上記のような酵素の失活を防止できる。
【0032】酸化酵素の過酸化水素結合ポケットは、活
性中心とは別個に観念されるポケット様の空洞状構造で
あり、過酸化水素の結合により活性中心の鉄分子を酸化
してラジカルを生じさせると言う機能を担っている。過
酸化水素結合ポケットに面する易酸化性アミノ酸の酸
化、あるいは立体形状が変化し易いアミノ酸の立体形状
の変化によって過酸化水素結合ポケットが変形すると、
活性中心の鉄分子が酸化され難くなり、酸化酵素の活性
が低下すると考えられる。個々の酵素の種類に対応し
て、このような酸化酵素の活性低下には、過酸化水素結
合ポケットに面する易酸化性アミノ酸あるいは立体形状
が変化し易いアミノ酸の全てが関与する場合と、それら
の一部が関与する場合とがある。このような過酸化水素
結合ポケットの変形が上記2)の内部構造安定化手段に
より有効に防止され、酸化酵素が安定化される。
【0033】なお、上記1),2)の内部構造安定化手
段が、例えば後述する第4発明のような表面安定化手段
と具体的にどのように連携して酸化酵素の劇的な安定化
をもたらすのか、その詳しいメカニズムは未だ判明して
いない。
【0034】(第3発明の作用・効果)上記第2発明に
おいて、活性中心を安定化させる場合においても、過酸
化水素結合ポケットを安定化させる場合においても、易
酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し易いアミノ酸
と変換されるべき耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が
変化し難いアミノ酸は、類似した立体構造を有すること
が好ましい。これによってアミノ酸の変換による酵素立
体構造の有害な変化が防止される。
【0035】(第4発明の作用・効果)第4発明におい
ては、酵素直径の1.2倍以上の内径を備え構造安定性
を有する構造ユニットに酸化酵素を固定化するので、酸
化酵素の表面が堅固に固定される。このため、酸化酵素
立体構造の大きな変化が拘束され、安定化する。
【0036】又、酸化酵素の表面と構造ユニット間にあ
る程度の内部空間が確保されるので、酸化酵素の活性発
現に必要な立体構造の若干の変化は許容され、かつ、酸
化酵素と基質との接触も確保される。
【0037】(第5発明の作用・効果)第5発明によれ
ば、酸化酵素を固定した構造ユニットの開口部及び/又
は内部空隙にゾルゲル法によるゲル化物質の網状構造を
形成するので、固定化酵素はこの網状構造によって立体
構造の大きな変化をより良好に拘束され、比較的大きい
構造ユニット中においても十分に堅固に固定されて安定
化する。なお、ゲル化物質の網状構造は多くのチャネル
もしくは隙間を伴うので、酵素活性の発現に必要な酵素
立体構造の変化は許容され、又、構造ユニットの開口部
や内部空間を完全に閉塞することはないので、酵素と基
質との接触を阻害しない。
【0038】(第6発明の作用・効果)構造ユニットが
第6発明のようにメソポーラスシリカ多孔体における細
孔である場合、特に高い酵素安定化効果が得られ、しか
もメソポーラスシリカ多孔体においては構造ユニットが
極めて高密度に形成されているので、酵素を高単位に固
定することができる。
【0039】(第7発明の作用・効果)第1発明〜第6
発明の酸化酵素の安定化方法によって種々なカテゴリー
の酵素活性が安定化されるが、少なくともその中に過酸
化水素耐性の向上が含まれているので、特に酸化酵素が
元々過酸化水素耐性の劣るマンガンペルオキシダーゼや
リグニンペルオキシダーゼである場合において、極めて
有用性が高い。
【0040】(第8発明の作用・効果)第8発明の安定
化酸化酵素は、第1発明〜第7発明の酸化酵素の安定化
方法による上記各種の作用・効果を発揮することができ
る。
【0041】(第9発明の作用・効果)安定化酸化酵素
としては、紙パルプの製造その他の分野において非常に
有用である、リグニン分解活性を有するペルオキシダー
ゼが特に重要である。しかも、これらのペルオキシダー
ゼは過酸化水素耐性が元々低いため、安定化させるメリ
ットがとりわけ大きい。
【0042】(第10発明の作用・効果)リグニン分解
活性を有するペルオキシダーゼとして、マンガンペルオ
キシダーゼ又はリグニンペルオキシダーゼが好ましく例
示される。
【0043】(第11発明の作用・効果)酸化酵素を構
成するアミノ酸の内、アスパラギン,グルタミン,トリ
プトファン,システイン又はメチオニンが特に易酸化性
でありあるいは立体形状が変化し易い。従って、内部構
造安定化手段として、酸化酵素の活性中心から半径12
Å以内の範囲に位置するこれらのアミノ酸、又は酸化酵
素の過酸化水素結合ポケットに面するこれらのアミノ酸
を、耐酸化性でありあるいは立体形状が変化し難いアラ
ニン,ロイシン,イソロイシン,バリン,セリン又はグ
リシンに変換することは、極めて有効である。
【0044】(第12発明の作用・効果)酸化酵素が配
列番号1に示すアミノ酸配列を有する天然型マンガンペ
ルオキシダーゼ(白色腐朽菌 Phanerochaete chrysosp
orium 由来)である場合において、前記内部構造安定化
手段が第12発明のようなアミノ酸の変換からなり、あ
るいはかかるアミノ酸の変換を含むことが極めて有効で
ある。
【0045】(第13発明の作用・効果)第12発明の
安定化酸化酵素は、前記表面安定化手段とも相まって、
少なくとも10mM過酸化水素存在下での残存活性が1
00%と言う過酸化水素に対する安定性を示す。
【0046】(第14発明の作用・効果)酸化酵素が配
列番号1に示すアミノ酸配列を有する天然型マンガンペ
ルオキシダーゼである場合において、前記内部構造安定
化手段が第14発明のようなアミノ酸の変換からなり、
あるいはかかるアミノ酸の変換を含むことが極めて有効
である。
【0047】(第15発明の作用・効果)第14発明の
安定化酸化酵素は、前記表面安定化手段とも相まって、
少なくとも10mM過酸化水素存在下での残存活性が1
00%と言う過酸化水素に対する安定性を示す。
【0048】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第15発明の実
施の形態について説明する。以下において単に「本発
明」と言うときは、第1発明〜第15発明を一括して指
している。
【0049】〔酸化酵素〕本発明が対象とする酵素の種
類は、過酸化水素を活性化物質とする酸化酵素(ペルオ
キシダーゼ)である。酸化酵素には、天然型の酸化酵素
だけでなく、酸化酵素の活性中心から半径12Å以内の
範囲に位置するアミノ酸又は過酸化水素結合ポケットに
面するアミノ酸以外のアミノ酸に対して置換等を行った
酸化酵素も含まれる。
【0050】特に好ましい酸化酵素が、リグニン分解活
性を有するペルオキシダーゼ、とりわけマンガンペルオ
キシダーゼ又はリグニンペルオキシダーゼである。その
具体的な1例である白色腐朽菌由来の天然型マンガンペ
ルオキシダーゼのアミノ酸配列を配列表の配列番号1に
示し、かつ、その活性型の立体構造を図1に概念化して
示す。上記以外の酸化酵素も、由来生物の相違等により
具体的なアミノ酸配列,立体構造,活性中心の構造,過
酸化水素結合ポケットの構造、過酸化水素結合ポケット
に面するアミノ酸の種類等が必ずしも同一ではないが、
いずれも対象となる。
【0051】本発明において、「酸化酵素」としては、
通常の酸化酵素蛋白質分子だけでなく、その活性ユニッ
ト(活性部位を含む酵素の断片)のみを利用することも
可能である。
【0052】〔内部構造安定化手段〕本発明における内
部構造安定化手段とは、酸化酵素の酵素機能に関与する
内部構造を安定化することである限りにおいて、その具
体的な内容は限定されない。内部構造安定化手段の好ま
しい例が、酸化酵素の立体構造において所定の空間位置
を占める易酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し易
いアミノ酸を、耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変
化し難いアミノ酸に変換することである。なお、易酸化
性アミノ酸あるいは立体形状が変化し易いアミノ酸であ
っても、他のアミノ酸への変換によって酵素機能の阻害
を起こすアミノ酸があり得る。かかるアミノ酸について
は、例外的に、変換の対象とすることは好ましくない。
【0053】ここに、「所定の空間位置」として、1)
酸化酵素の活性中心から半径12Å以内の範囲、2)酸
化酵素の過酸化水素結合ポケットに面する位置、を好ま
しく例示することができる。「過酸化水素結合ポケット
に面する」とは、当該アミノ酸の構造の一部分又は大部
分が過酸化水素結合ポケットの空洞に対して露出してい
ることを言う。上記1)及び2)の空間位置を占めるア
ミノ酸の一方のみを変換の対象としても良く、双方を同
時に変換の対象としても良い。
【0054】〔アミノ酸の変換〕上記所定の空間位置に
あって変換の対象となるアミノ酸(以下、これらを「変
換元アミノ酸」とも言う)は、その化学構造のために
酸,アルカリ,熱等により立体形状の変化し易いアミノ
酸、あるいは同様の理由から立体形状の変化し易いアミ
ノ酸である。上記の変換元アミノ酸を、その化学構造の
ために酸,アルカリ,熱等により立体形状の変化し難い
アミノ酸、あるいは同様の理由から立体形状の変化し難
いアミノ酸に変換(以下、これらを「変換先アミノ酸」
とも言う)に変換することが好ましい。これらのアミノ
酸の変換に当たり、変換元アミノ酸と変換先アミノ酸の
立体構造が類似していることが、更に好ましい。
【0055】以上の点を総合すると、変換元アミノ酸と
しては、硫黄を含むアミノ酸や側鎖にアミノ基を有する
アミノ酸が好ましく例示され、更に具体的には、アスパ
ラギン,グルタミン,トリプトファン,システイン又は
メチオニンが例示される。
【0056】変換先アミノ酸としては、脂肪族アミノ酸
又は側鎖の小さいアミノ酸が好ましく例示され、更に具
体的には、アラニン,ロイシン,イソロイシン,バリ
ン,セリン又はグリシンが例示される。
【0057】上記所定の空間位置にある変換元アミノ酸
の内、その1個だけを変換することにより優れた安定化
効果を得る場合と、その2個以上ないし全てを変換する
ことにより優れた安定化効果を得る場合とがある。この
点は、具体的な酸化酵素の種類次第で要求が異なり、一
律には決定できない。例えば、酸化酵素の活性中心近傍
に位置し、あるいは過酸化水素結合ポケットに面する変
換元候補のアミノ酸がA,B,Cの3個あるとした場
合、酸化酵素の種類次第で、3個全ての変換が必要であ
る場合と、A,B,Cのうちの特定の1個あるいは2個
の変換が決定的な効果をもたらす場合とがある。
【0058】酸化酵素が白色腐朽菌由来の天然型マンガ
ンペルオキシダーゼである場合、酸化酵素の活性中心か
ら半径12Å以内の範囲に位置する変換元アミノ酸とし
ては、配列番号1のアミノ酸配列における第67位,第
237位及び第273位のメチオニンの内の1又は2以
上のメチオニンが特に好適であり、その場合の変換先ア
ミノ酸としては、ロイシン,イソロイシン,バリン,ア
ラニン,グリシン又はセリン、とりわけロイシンが好適
である。
【0059】又、同上の天然型マンガンペルオキシダー
ゼにおいて、酸化酵素の過酸化水素結合ポケットに面す
る変換元アミノ酸としては、配列番号1のアミノ酸配列
における第81位のアスパラギンが特に好適であり、そ
の場合の変換先アミノ酸としては、セリンが特に好適で
あり、アラニン,ロイシン,バリン又はグリシンも、セ
リンに次いで好適である。
【0060】以上のように種々のアミノ酸の変換によっ
て内部構造安定化手段を実施した酸化酵素は、公知の任
意の方法により製造することができる。例えば、目的と
する酸化酵素変異体をコーディングするDNAを含む発
現ベクターを構築し、これを適当な宿主細胞に導入して
培養し、生産された酸化酵素変異体を適当なプロセスに
より回収することにより、高効率に生産することができ
る。上記DNAは、公知の任意の方法、例えば、変換し
たいアミノ酸を含む部分的アミノ酸配列をコードする塩
基配列のプライマーを準備し、これを用いて天然型ペル
オキシダーゼの遺伝子DNAを鋳型とするPCR法を行
うこと、等の任意の手段により、効率的に増幅して調製
することができる。
【0061】上記において、発現ベクターの種類及び内
容、宿主細胞の種類、宿主細胞の培養条件、生産された
ペルオキシダーゼ変異体の分離・精製方法等は必要に応
じて任意に決定すれば良い。
【0062】〔表面安定化手段〕本発明における表面安
定化手段とは、酸化酵素の表面を安定化することである
限りにおいて、その具体的な内容は限定されない。表面
安定化手段の好ましい例が、酵素直径の1.2倍以上の
内径、好ましくは1.2〜1.5倍程度の内径を備えた
構造安定性を有する構造ユニットの中に酸化酵素を固定
することである。表面安定化手段の他の好ましい例が、
5〜10nm程度の内径を備えた構造安定性を有する構
造ユニットの中に酸化酵素を固定することである。しか
も該構造ユニットの開口部及び/又は内部空隙にゲル化
物質の網状構造が形成されているものが、一層好まし
い。
【0063】構造ユニット中には、内部構造安定化手段
が実施された酸化酵素だけでなく、その他に、例えば、
内部構造安定化手段が実施されていない酸化酵素を併せ
固定することができる。内部構造安定化手段が実施され
た2種以上の酸化酵素を併せ固定することもできる。酸
化酵素と一連の反応に関わる関係を有する多種の酵素を
併せ固定することもできる。これらの場合において、2
種類以上の酵素は同一の多孔体等における別々の構造ユ
ニット中に固定されていても良く、同一の構造ユニット
中に固定されていても良い。
【0064】〔構造ユニット及び多孔質材料〕構造ユニ
ットとしては、前記の内径を備えた構造安定性を有する
ものが用いられる。構造ユニットは無機材料から構成さ
れても良く、有機ポリマー等の有機材料から構成されて
も良い。そしてアンカーユニット(構造ユニットと酵素
とを連結する水酸基,アミノ基,シラン誘導体等の官能
基等を備えた要素)を備えた構造ユニットが、酵素安定
化作用の強さから特に好ましい。有機材料からなる構造
ユニットにおいては、酵素の周りを、場合によってはア
ンカーユニットを介して被覆するためのポリマー形成反
応が必要である。上記ポリマーやそれを構成するモノマ
ーの種類は、発明の目的を阻害しない限り特段に限定さ
れない。
【0065】無機材料からなる構造安定性を備えた構造
ユニットは、例えばケイ酸やアルミナ等の各種金属酸化
物、ケイ酸と他種の金属との複合酸化物等によって構成
することができる(無機多孔質材料)。例えば、ケイ酸
からなる構造ユニットの形成方法においては、カネマイ
トのような層状シリケート,アルコキシシラン,シリカ
ゲル,水ガラス,ケイ酸ソーダ等を好ましく用いること
ができる。
【0066】無機材料から構造ユニットを作製するに
は、無機材料を界面活性剤(テンプレート物質)と混合
反応させ、界面活性剤のミセルのまわりに無機の骨格が
形成された界面活性剤/無機複合体を形成させた後、例
えば400°C〜600°Cでの焼成や、有機溶剤抽出
等により界面活性剤を除去して、界面活性剤のミセルと
同じ形状のメソポア細孔を無機骨格中に形成することが
できる(メソポーラスシリカ多孔体)。
【0067】上記構造ユニットの作製方法において、ケ
イ素含有化合物、例えばケイ酸を出発材料とする場合に
は、カネマイトの如き層状シリケートをまず形成し、こ
の層間にミセルを挿入し、ミセルが存在しない層間をシ
リケート分子で繋ぎ、その後ミセルを除去して細孔を形
成することができる。又、水ガラスのようなケイ素含有
物質を出発材料とし、ミセルの周囲にシリケートモノマ
ーを集合させて重合させることによりシリカを形成し、
次いでミセル分子を取り除いて細孔を形成することもで
きる。この場合、ミセルは通常柱状となり、その結果柱
状の細孔が形成される。
【0068】これらの場合において、界面活性剤のアル
キル鎖の長さを変えてミセルの径を変化させることによ
り、構造ユニットの内径を制御することができる。又、
界面活性剤と併せ、トリメチルベンゼン,トリプロピル
ベンゼン等の比較的疎水性の分子を添加することによ
り、ミセルを膨潤させ、結果的に更に大きな内径の構造
ユニットを形成することもできる。
【0069】構造ユニットの形態としては粉末状,顆粒
状,シート状,バルク状,膜状等がある。個々の細孔で
ある構造ユニットの内径は、固定される酵素直径の1.
2倍以上、とりわけ、1.2〜1.5倍程度であること
が好ましい。具体的な内径値は酵素直径との関係で決定
されるので一律には規定できないが、例えば5〜10n
m程度とすることができる。
【0070】〔ゲル化物質の網状構造〕構造ユニットに
固定化された酸化酵素を安定化させるゲル化物質の網状
構造は、酵素の固定化後、ゾルゲル法により形成され
る。本発明において「ゾルゲル法」とは、高分子ゲル化
物質を構成するべき低分子原料のゾルないしはコロイド
懸濁液中に固定化酵素を共存させたもとで、前記低分子
原料のゲル化を行う方法を言う。ゾルゲル法の実施によ
り形成されたゲル化物質は、構造ユニットの開口部及び
/又は内部空隙に、チャネルや隙間の多い網状構造体と
して形成される。
【0071】上記低分子原料の種類は限定されないが、
例えば前記従来技術の項で記載したアクリルアミドやポ
リビニルアルコール、テトラメトキシシラン(TMO
S)や有機基を有するシラン等を用いることができる。
又、本発明に係る前記構造ユニットの構成原料、例えば
ケイ酸やアルミナ等の各種金属酸化物,ケイ酸と他種の
金属との複合酸化物等,アルコキシシラン,シリカゲ
ル,水ガラス,ケイ酸ソーダ等も、一般的に有効に利用
することができる。
【0072】ゾルゲル法の実施条件、例えば緩衝溶液の
使用,ゲル化すべきゾルないしはコロイド懸濁液中にお
ける低分子原料の濃度、pH調整,反応時の加熱もしく
は冷却の要否等の点については、一律には限定されな
い。低分子原料としてアルコキシシランを用いる場合に
おいて、より好ましいゾルゲル法の実施条件として、ジ
メチル−ジメトキシシラン(DMDMOS)を添加する
こと、DMDMOSとテトラメトキシシラン(TMO
S)とを1:1〜1:3の割合に添加すること、ゲル化
の際のpHを5〜8に上げること、等の点を挙げること
ができる。
【0073】
【発明の有益な実施態様】本発明は、以下のような有益
な態様において実施することができる。この実施態様欄
において、「上記」とは、該当する内容の先行する実施
態様番号に係る全ての実施態様を、択一的に指してい
る。
【0074】1)酸化酵素に対して、酵素機能に関与す
る内部構造を安定化する内部構造安定化手段と、酵素表
面を安定化する表面安定化手段とを併せ実施する酸化酵
素の安定化方法。
【0075】2)上記内部構造安定化手段が、酸化酵素
の活性中心から半径12Å以内の範囲に位置するアミノ
酸の内、1又は2以上の易酸化性アミノ酸あるいは立体
形状が変化し易いアミノ酸を、耐酸化性アミノ酸あるい
は立体形状が変化し難いアミノ酸に変換することであ
る。
【0076】3)上記内部構造安定化手段が、酸化酵素
の過酸化水素結合ポケットに面するアミノ酸の内、1又
は2以上の易酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し
易いアミノ酸を、耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が
変化し難いアミノ酸に変換することである。
【0077】4)上記1)の内部構造安定化手段が、上
記2)の手段と上記3)の手段とを併せ実施することで
ある。
【0078】5)上記易酸化性アミノ酸あるいは立体形
状が変化し易いアミノ酸に対して、これと変換されるべ
き前記耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し難い
アミノ酸が類似した立体構造を有する。
【0079】6)上記表面安定化手段が、酵素直径の
1.2倍以上の内径を備え構造安定性を有する構造ユニ
ット中に酵素を固定化することである。
【0080】7)上記表面安定化手段が、酵素直径の
1.2倍以上の内径を備え構造安定性を有する構造ユニ
ット中に酵素を固定化した後、構造ユニットの開口部及
び/又は内部空隙にゲル化物質の網状構造を形成するこ
とである。
【0081】8)上記構造ユニットが、酵素直径の1.
2〜1.5倍の内径を有し、あるいは5〜10nm程度
の内径を有する。
【0082】9)上記ゲル化物質の網状構造は、酵素の
固定化後、ゾルゲル法により形成される。
【0083】10)上記ゲル化物質の網状構造は、構造
ユニットの開口部及び/又は内部空隙に、チャネルや隙
間の多い網状構造体として形成される。
【0084】11)上記構造ユニットは、構造ユニット
と酵素とを連結する水酸基,アミノ基,シラン誘導体等
の官能基を備えた要素であるアンカーユニットを備え
る。
【0085】12)上記構造ユニットが、ケイ酸やアル
ミナ等の各種金属酸化物、ケイ酸と他種の金属との複合
酸化物によって構成された無機多孔質材料の細孔であ
る。
【0086】13)上記構造ユニットがメソポーラスシ
リカ多孔体における細孔である。
【0087】14)上記酸化酵素の安定化方法により安
定化される酸化酵素の特性として、少なくとも過酸化水
素耐性が含まれる。
【0088】15)上記の安定化方法を実施してなる安
定化酸化酵素。
【0089】16)上記安定化酸化酵素における対象と
なった酸化酵素が、リグニン分解活性を有するペルオキ
シダーゼである。
【0090】17)上記リグニン分解活性を有するペル
オキシダーゼがマンガンペルオキシダーゼ又はリグニン
ペルオキシダーゼである。
【0091】18)上記マンガンペルオキシダーゼが配
列番号1に示すアミノ酸配列を有する天然型マンガンペ
ルオキシダーゼである。
【0092】19)上記易酸化性アミノ酸あるいは立体
形状が変化し易いアミノ酸がアスパラギン,グルタミ
ン,トリプトファン,システイン又はメチオニンであ
る。
【0093】20)上記耐酸化性アミノ酸あるいは立体
形状が変化し難いアミノ酸がアラニン,ロイシン,イソ
ロイシン,バリン,セリン又はグリシンである。
【0094】21)上記酸化酵素が配列番号1に示すア
ミノ酸配列を有する天然型マンガンペルオキシダーゼで
ある場合において、少なくとも、酸化酵素の活性中心か
ら半径12Å以内の範囲に位置する第67位,第237
位及び第273位のメチオニンの内の少なくとも1個の
メチオニンをロイシン,イソロイシン,バリン,アラニ
ン,グリシン又はセリンに置換している。。
【0095】22)上記21)の安定化酸化酵素の過酸
化水素に対する安定性が、10mM過酸化水素存在下で
の残存活性が100%である。
【0096】23)上記酸化酵素が配列番号1に示すア
ミノ酸配列を有する天然型マンガンペルオキシダーゼで
ある場合において、少なくとも、第81位のアスパラギ
ンをセリン,アラニン,ロイシン,バリン又はグリシン
に置換している。
【0097】24)上記23)の安定化酸化酵素の過酸
化水素に対する安定性が、10mM過酸化水素存在下で
の残存活性が100%である。
【0098】
【実施例】(マンガンペルオキシダーゼ変異体の作成
配列番号1にアミノ酸配列を、図1に活性型の立体構造
を示す白色腐朽菌由来の天然型マンガンペルオキシダー
ゼについて、その活性中心であるヘム部分(図1におい
て「ヘム」と表記)の近傍、即ち活性中心から半径12
Å以内の範囲に存在する67位,237位,273位の
3個のメチオニン(図1において、それぞれ該当する
「67」,「237」,「273」の数字で表記)をロ
イシンに変換したマンガンペルオキシダーゼ変異体
〔1〕を作成した。そのプロセスは、「発明の実施形
態」欄で前記した遺伝子工学的手法により行い、宿主細
胞としては大腸菌を用いた。
【0099】そして大腸菌において封入体として生産さ
せた上記変異体蛋白質は、8M尿素に溶解させた後、H
is−tag精製カラムによって精製した。更に5μM
のヘミンを加えた後、1mMのカルシウムを含むトリス
緩衝液に対して透析を行い、活性型のマンガンペルオキ
シダーゼ変異体〔改変MnP〕を得た。
【0100】(過酸化水素に対する安定性試験)上記の
改変MnPを用いて、各種濃度の過酸化水素溶液中での
残存活性のモニター試験を行った。
【0101】活性測定は、25mMのコハク酸緩衝液
(pH4.5)に対して0.5mMの硫酸マンガン、2
mMのシュウ酸及び0.5mMのABTS(2,2'-azino
bis 3-ethylbennzothiazoline-6-sulfonate )を含ませ
た溶液に、過酸化水素を各種濃度に加えたものを調製し
た。別々の上記溶液に、上記の改変MnP及び天然型マ
ンガンペルオキシダーゼ〔天然型MnP〕をそれぞれ5
ユニット加えて25°Cで5分間の反応を行った後、4
05nmでの吸光度を測定して、残存活性を算出した。
【0102】その結果を図2に示す。図2より明らかな
ように、本発明の実施例である改変MnPは、各種濃度
の過酸化水素存在下における残存活性が天然型MnPに
比較して顕著に高い。例えば、天然型MnPは過酸化水
素濃度の上昇によって容易に活性を失うのに対して、改
変MnPは過酸化水素1mM存在下における25°Cで
の5分後の残存活性が50%以上を示す。
【0103】改変MnP(1500ユニット)及び天然
型MnP(1500ユニット)を平均細孔径が約70Å
であるメソポーラスシリカ多孔体30mgに加え、4°
Cで一晩攪拌して、メソポーラスシリカ多孔体に固定化
した改変MnP〔FSM−改変MnP〕及びメソポーラ
スシリカ多孔体に固定化した天然型MnP〔FSM−天
然型MnP〕を得た。
【0104】これらのFSM−改変MnP及びFSM−
天然型MnPについて、1〜10mMの過酸化水素存在
下で37°C、1時間放置後、0.1mM過酸化水素濃
度まで希釈し、残存活性を測定した。その結果を図3に
示す。図3と図2との対比より明らかなように、FSM
−改変MnPは改変MnPに比較して、又、FSM−天
然型MnPは天然型MnPに比較して、それぞれ過酸化
水素に対する安定性が向上している。
【0105】そして注目すべきことは、改変MnPと対
比した場合のFSM−改変MnPの安定性向上効果が、
天然型MnPと対比した場合のFSM−天然型MnPの
安定性向上効果に基づいて通常予測される効果(図3に
破線のグラフで表記)に比較して、極めて大きいことで
ある。例えば、FSM−天然型MnPでは10mM過酸
化水素存在下に放置後の残存活性が20%程度まで低下
したのに対して、同条件下でFSM−改変MnPでは1
00%の残存活性を維持した。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KABUSHIKI KAISHA TOYOTA CHUO KENKYUSHO <120> 酸化酵素の安定化方法及び安定化酸化酵素 <130> POK-01-006 <160> 1 <210> 1 <211> 358 <212> PRT <213> Phanerochaete chrysosporium <400> 1 gca gtc tgt cca gac ggc acc cgc gtc act aac gca gct tgt tgc gca 48 Ala Val Cys Pro Asp Gly Thr Arg Val Thr Asn Ala Ala Cys Cys Ala 5 10 15 ttt att cca ctg gct caa gac ctc cag gag acc ctc ttc cag ggc gac 96 Phe Ile Pro Leu Ala Gln Asp Leu Gln Glu Thr Leu Phe Gln Gly Asp 20 25 30 tgc ggt gaa gat gcg cat gag gtc att cgt ctt acc ttc cac gac gcc 144 Cys Gly Glu Asp Ala His Glu Val Ile Arg Leu Thr Phe His Asp Ala 35 40 45 att gct atc tct cag agc ctg gga ccc cag gcc ggc ggt ggt gct gac 192 Ile Ala Ile Ser Gln Ser Leu Gly Pro Gln Ala Gly Gly Gly Ala Asp 50 55 60 ggc tcc atg ctg cac ttc ccg acc atc gag ccg aat ttt tcg gcg aac 240 Gly Ser Met Leu His Phe Pro Thr Ile Glu Pro Asn Phe Ser Ala Asn 65 70 75 80 aac ggc att gac gac tcc gtg aac aac ctt atc ccc ttc atg cag aag 288 Asn Gly Ile Asp Asp Ser Val Asn Asn Leu Ile Pro Phe Met Gln Lys 85 90 95 cac aac acg atc agc gcc gct gac ctc gtc cag ttc gcg gga gcc gtt 336 His Asn Thr Ile Ser Ala Ala Asp Leu Val Gln Phe Ala Gly Ala Val 100 105 110 gct ctc agt aac tgc ccc ggc gcc cct cgc ctc gag ttc ctc gct ggt 384 Ala Leu Ser Asn Cys Pro Gly Ala Pro Arg Leu Glu Phe Leu Ala Gly 115 120 125 cgc ccg aac acg act att ccc gca gtc gag ggc ctc atc cct gag ccg 432 Arg Pro Asn Thr Thr Ile Pro Ala Val Glu Gly Leu Ile Pro Glu Pro 130 135 140 cag gac agt gtc acc aaa att cta caa cgc ttc gag gac gca ggg aac 480 Gln Asp Ser Val Thr Lys Ile Leu Gln Arg Phe Glu Asp Ala Gly Asn 145 150 155 160 ttc tcg cct ttt gag gtc gta tcc ctc ctc gcc tct cac act gtt gct 528 Phe Ser Pro Phe Glu Val Val Ser Leu Leu Ala Ser His Thr Val Ala 165 170 175 cgt gca gac aag gtc gac gag acc atc gac gcc gca ccc ttc gat tcc 576 Arg Ala Asp Lys Val Asp Glu Thr Ile Asp Ala Ala Pro Phe Asp Ser 180 185 190 acg cct ttc act ttc gac acc cag gtc ttc ctc gag gtc ctt ctg aag 624 Thr Pro Phe Thr Phe Asp Thr Gln Val Phe Leu Glu Val Leu Leu Lys 195 200 205 ggt acc ggc ttc cct gga tcg aac aac aac acc ggt gag gtc atg tcc 672 Gly Thr Gly Phe Pro Gly Ser Asn Asn Asn Thr Gly Glu Val Met Ser 210 215 220 cca ctt ccc ctc ggc agc ggc agc gac acg ggc gag atg cgc ctg cag 720 Pro Leu Pro Leu Gly Ser Gly Ser Asp Thr Gly Glu Met Arg Leu Gln 225 230 235 240 tct gac ttt gcg ctc gcg cgc gac gag cgc acg gcg tgc ttc tgg cag 768 Ser Asp Phe Ala Leu Ala Arg Asp Glu Arg Thr Ala Cys Phe Trp Gln 245 250 255 tcg ttc gtc aac gag cag gag ttc atg gcg gcg agc ttc aag gcc gcg 816 Ser Phe Val Asn Glu Gln Glu Phe Met Ala Ala Ser Phe Lys Ala Ala 260 265 270 atg gcg aag ctc gcg atc ctc ggc cac agc cgc agc agc ctc atc gac 864 Met Ala Lys Leu Ala Ile Leu Gly His Ser Arg Ser Ser Leu Ile Asp 275 280 285 tgc agc gac gtc gtc ccc gtg ccg aag ccc gcc gtc aac aag ccc gcg 912 Cys Ser Asp Val Val Pro Val Pro Lys Pro Ala Val Asn Lys Pro Ala 290 295 300 acg ttc ccc gcg acg aag ggc ccc aag gac ctc gac aca ctc acg tgc 960 Thr Phe Pro Ala Thr Lys Gly Pro Lys Asp Leu Asp Thr Leu Thr Cys 305 310 315 320 aag gcc ctc aag ttc ccg acg ctg acc tct gac ccc ggt gct acc gag 1008 Lys Ala Leu Lys Phe Pro Thr Leu Thr Ser Asp Pro Gly Ala Thr Glu 325 330 335 acc ctc atc ccc cac tgc tcc aac ggc ggc atg tcc tgc cct ggt gtt 1056 Thr Leu Ile Pro His Cys Ser Asn Gly Gly Met Ser Cys Pro Gly Val 340 345 350 cag ttc gat ggc cct gcc 1074 Gln Phe Asp Gly Pro Ala 355 358
【図面の簡単な説明】
【図1】マンガンペルオキシダーゼの立体構造を概念的
に示す図である。
【図2】酵素の安定性を示すグラフ線図である。
【図3】酵素の安定性を示すグラフ線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:19) C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA03 BA08 CA04 DA06 EA04 GA11 GA19 HA01 4B033 NA01 NA23 NB12 NB24 NB68 NC04 ND04 ND20 4B050 CC03 DD05 FF14E GG10 HH02 LL10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化酵素に対して、酵素機能に関与する
    内部構造を安定化する内部構造安定化手段と、酵素表面
    を安定化する表面安定化手段とを併せ実施することを特
    徴とする酸化酵素の安定化方法。
  2. 【請求項2】 前記内部構造安定化手段が次の1)及び
    /又は2)の手段であることを特徴とする請求項1に記
    載の酸化酵素の安定化方法。 1)酸化酵素の活性中心から半径12Å(オングストロ
    ーム)以内の範囲に位置するアミノ酸の内、1又は2以
    上の易酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し易いア
    ミノ酸を、耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し
    難いアミノ酸に変換すること。 2)酸化酵素の過酸化水素結合ポケットに面するアミノ
    酸の内、1又は2以上の易酸化性アミノ酸あるいは立体
    形状が変化し易いアミノ酸を、耐酸化性アミノ酸あるい
    は立体形状が変化し難いアミノ酸に変換すること。
  3. 【請求項3】 前記易酸化性アミノ酸あるいは立体形状
    が変化し易いアミノ酸に対して、これと変換されるべき
    前記耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し難いア
    ミノ酸が類似した立体構造を有することを特徴とする請
    求項2に記載の酸化酵素の安定化方法。
  4. 【請求項4】 前記表面安定化手段が、酵素直径の1.
    2倍以上の内径を備え構造安定性を有する構造ユニット
    中に酵素を固定化することであることを特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載の酸化酵素の安定化方
    法。
  5. 【請求項5】 前記表面安定化手段が、酵素直径の1.
    2倍以上の内径を備え構造安定性を有する構造ユニット
    中に酵素を固定化した後、構造ユニットの開口部及び/
    又は内部空隙にゲル化物質の網状構造を形成することで
    あることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに
    記載の酸化酵素の安定化方法。
  6. 【請求項6】 前記構造ユニットが、メソポーラスシリ
    カ多孔体における細孔であることを特徴とする請求項4
    又は請求項5に記載の酸化酵素の安定化方法。
  7. 【請求項7】 前記酸化酵素の安定化方法により安定化
    される酸化酵素の特性として、少なくとも過酸化水素耐
    性が含まれることを特徴とする請求項1〜請求項6のい
    ずれかに記載の酸化酵素の安定化方法。
  8. 【請求項8】 酸化酵素に対して請求項1〜請求項7の
    いずれかに記載の安定化方法を実施してなることを特徴
    とする安定化酸化酵素。
  9. 【請求項9】 前記酸化酵素がリグニン分解活性を有す
    るペルオキシダーゼであることを特徴とする請求項8に
    記載の安定化酸化酵素。
  10. 【請求項10】 前記リグニン分解活性を有するペルオ
    キシダーゼがマンガンペルオキシダーゼ又はリグニンペ
    ルオキシダーゼであることを特徴とする請求項9に記載
    の安定化酸化酵素。
  11. 【請求項11】 前記易酸化性アミノ酸あるいは立体形
    状が変化し易いアミノ酸がアスパラギン,グルタミン,
    トリプトファン,システイン又はメチオニンであり、前
    記耐酸化性アミノ酸あるいは立体形状が変化し難いアミ
    ノ酸がアラニン,ロイシン,イソロイシン,バリン,セ
    リン又はグリシンであることを特徴とする請求項8〜請
    求項10のいずれかに記載の安定化酸化酵素。
  12. 【請求項12】 前記酸化酵素が配列番号1に示すアミ
    ノ酸配列を有する天然型マンガンペルオキシダーゼであ
    る場合において、前記内部構造安定化手段が、少なくと
    も、酸化酵素の活性中心から半径12Å以内の範囲に位
    置する第67位,第237位及び第273位のメチオニ
    ンの内の少なくとも1個のメチオニンをロイシン,イソ
    ロイシン,バリン,アラニン,グリシン又はセリンに置
    換したことを含む内容であることを特徴とする請求項8
    〜請求項11のいずれかに記載の安定化酸化酵素。
  13. 【請求項13】 前記安定化酸化酵素の過酸化水素に対
    する安定性が、10mM過酸化水素存在下での残存活性
    が100%であることを特徴とする請求項12に記載の
    安定化酸化酵素。
  14. 【請求項14】 前記酸化酵素が配列番号1に示すアミ
    ノ酸配列を有する天然型マンガンペルオキシダーゼであ
    る場合において、前記内部構造安定化手段が、少なくと
    も、第81位のアスパラギンをセリン,アラニン,ロイ
    シン,バリン又はグリシンに置換したことを含む内容で
    あることを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれか
    に記載の安定化酸化酵素。
  15. 【請求項15】 前記安定化酸化酵素の過酸化水素に対
    する安定性が、10mM過酸化水素存在下での残存活性
    が100%であることを特徴とする請求項14に記載の
    安定化酸化酵素。
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