JP2002261597A - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JP2002261597A JP2001393104A JP2001393104A JP2002261597A JP 2002261597 A JP2002261597 A JP 2002261597A JP 2001393104 A JP2001393104 A JP 2001393104A JP 2001393104 A JP2001393104 A JP 2001393104A JP 2002261597 A JP2002261597 A JP 2002261597A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高速・低消費電力の半導体
集積回路を提供することにある。 【解決手段】 動作状態にある回路と待機状態にある回
路を混在するようにして、回路毎にバックゲート電圧を
設定可能にする。 【効果】 待機時には小電流とし低消費電力性を得て、
動作時には大電流として高速性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細MOSトランジ
スタで構成された半導体集積回路に係り、特に高速・低
電力動作に適した回路に関する。
【0002】
【従来の技術】1989 インターナショナル シンポ
ジウム オン ブイ・エル・エス・アイ テクノロジ
ー,システムズ アンド アプリケーションズ、プロシ
ーディングズ オブ テクニカル ペーパーズ(1989年
5月)第188頁から第192頁(1989 International
Symposium on VLSI Technology, Systems and Applicat
ions, Proceedings of Technical Papers, pp.188-192
(May 1989))に述べられているように、MOSトランジ
スタが微細化されるにつれてその耐圧が低下するため
に、その動作電圧を低くせざるを得ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合に、高速動作
を維持するためには、動作電圧の低下に見合ってMOS
トランジスタのしきい電圧(VT)も低下させる必要が
ある。これは、動作速度は、MOSトランジスタの実効
ゲート電圧、すなわち動作電圧からVTを差し引いた値
で支配され、この値が大きいほど高速だからである。し
かし、VTを0.4V程度以下にすると、以下に述べる
ように、MOSトランジスタのサブスレッショルド特性
(テーリング特性)によって、トランジスタを完全にオ
フすることはもはやできなくなり、直流電流が流れると
いう現象が生ずる。
【0004】図28に示す従来のCMOSインバータに
ついて説明する。理想的には、入力信号INが低レベル
(=VSS)の時はNチャネルMOSトランジスタMN
オフ、INが高レベル(=VCC)の時はPチャネルMO
SトランジスタMPがオフになり、いずれにしても電流
が流れることはない。しかし、MOSトランジスタのV
Tが低くなると、サブスレッショルド特性を無視するこ
とができなくなる。
【0005】図29に示すように、サブスレッショルド
領域におけるドレイン電流IDSは、ゲート・ソース間電
圧VGSの指数関数に比例し、次式で表される。
【0006】
【数1】
【0007】ただし、WはMOSトランジスタのチャネ
ル幅、I0、W0はVTを定義する際の電流値およびチャ
ネル幅、Sはテーリング係数(VGS-log IDS特性の傾
きの逆数)である。したがって、VGS=0でもサブスレ
ッショルド電流
【0008】
【数2】
【0009】が流れる。図28のCMOSインバータで
オフ状態のトランジスタはVGS=0であるから、非動作
時において高電源電圧VCCから接地電位である低電源電
圧VSSに向かって上記の電流ILが流れることになる。
【0010】このサブスレッショルド電流は、図29に
示すように、しきい電圧をVTからVT'に低下させる
と、ILからIL'に指数関数的に大きくなる。
【0011】数2の上式から明らかなように、サブスレ
ッショルド電流を低減するためには、VTを大きくする
かSを小さくすればよい。しかし、前者は実効ゲート電
圧の低下による速度の低下を招く。特に、耐圧の点から
微細化とともに動作電圧を低くしていくと、速度低下は
顕著になり、微細化の利点を生かせなくなるので好まし
くない。また後者は、室温動作を前提とする限り、次の
理由により困難である。
【0012】テーリング係数Sは、ゲート絶縁膜の容量
OXとゲート下の空乏層の容量CDにより、次のように
表される。
【0013】
【数3】
【0014】ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温
度、qは素電荷である。上式から明らかなように、COX
およびCDの如何にかからわずS≧kT ln 10/qであ
り、室温では60mV以下にすることは困難である。
【0015】以上述べた現象のために、多数のMOSト
ランジスタで構成された半導体集積回路の実質的な直流
電流は著しく増大してしまう。特に高温動作時には、V
Tが低くSが大きくなるため、この問題はさらに深刻に
なる。低電力化が重要である今後のコンピュータ等のダ
ウンサイジング時代においては、このサブスレッショル
ド電流の増大は本質的な問題である。
【0016】一方、サブスレッショルド電流の増大を抑
えるためではないが、特開平2−350号公報の第11
図には、インバータのMOSトランジスタのソースと電
源の間に他のトランジスタを挿入し、そのゲート電圧を
制御することにより、インバータの動作電流を制御して
動作速度を制御するものが開示されている。これは、プ
ロセス上のバラツキや温度変化に対して回路性能の変動
を抑えることを目的としており、MOSトランジスタが
微細化され動作電圧を低くした際の上記問題点を解決す
る開示はなされていない。
【0017】本発明の目的は、MOSトランジスタを微
細化した際のサブスレッショルド電流を低減し、高速・
低電力の半導体集積回路を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、インバータを構成する低いしきい電圧
(例えば0.1V)のMOSトランジスタのソースと電
源の間に高いしきい電圧のMOSトランジスタと抵抗を
並列に挿入し、高いしきい電圧のMOSトランジスタが
オン時にはこの高いしきい電圧のMOSトランジスタを
介して大電流を供給し、オフ時には抵抗を介して小電流
を供給する。これらの電流は、たとえば、高速動作が要
求される時は大電流を供給し、低消費電力が要求される
時は小電流を供給するようにする。
【0019】通常動作時には高速動作が要求されるの
で、上記電流供給手段から大電流をMOSトランジスタ
回路に供給し、高速動作を可能にする。この時、MOS
トランジスタ回路には前述のとおり直流電流が流れる
が、動作電流すなわち負荷の充放電電流に比べて普通十
分小さいので差し支えない。
【0020】一方、待機時には低消費電力が要求される
ので、供給される電流を小電流に切り換え、サブスレッ
ショルド電流を抑える。この時、電流が制限されること
により、MOSトランジスタ回路の論理振幅は一般に大
電流供給時よりも小さくなるが、論理レベルを保証でき
る程度であれば差し支えない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の具体
的な実施例を、より詳細に説明する。
【0022】〔実施例1〕まず、図1は本発明の原理を
説明するのに好適な実施例である。
【0023】図1(a)は本発明の実施例によるインバ
ータの回路図である。図中、LはCMOSインバータで
あり、PチャネルMOSトランジスタMPとNチャネル
MOSトランジスタMNからなる。本発明は、後述のよ
うに、インバータだけでなくNAND、NORなどの論
理ゲートあるいは論理ゲート群にも適用できるが、ここ
では簡単のためインバータの場合について説明する。S
CおよびSSはスイッチ、RCおよびRSは抵抗であり、本
実施例の特徴は、インバータLの電源端子VCL、VSL
電源VCC、VSSの間にそれぞれスイッチSC、SSと抵抗
C、RSが並列に挿入されていることであり、これによ
り以下に説明するようにサブスレッショルド電流低減が
実現される。
【0024】高速動作が要求される時間帯には、スイッ
チSC、SSをオンにし、VCC、VSSを直接インバータL
に印加する(以下、高速動作モードという)。MP、MN
のしきい電圧(VT)を低く設定しておけば、高速動作
させることができる。この時、前述のようにインバータ
Lにはサブスレッショルド電流が流れるが、これは普
通、動作電流すなわち負荷の充放電電流に比べて十分小
さいので問題にならない。
【0025】一方、低消費電力が要求される時間帯に
は、スイッチSC、SSをオフにして、抵抗RC、RSを通
してインバータに電源を供給する(以下、低消費電力モ
ードという)。サブスレッショルド電流が抵抗を通して
流れることによる電圧降下により、VCLはVCCよりも低
下し、VSLはVSSよりも上昇する。図2に示すように、
この電圧降下により、次の2種の機構によってサブスレ
ッショルド電流が減少する。尚、入力信号INが低レベ
ル(VSS)の場合のMNについて説明するが、INが高
レベル(VCC)の場合のMPも同様である。
【0026】(i)ソース電位VSLが上昇するため、バッ
クゲートバイアスVBS=VSS−VSL=−VMがかかり、
しきい電圧がVT0からVT1まで上昇する。しきい電圧の
上昇分は、
【0027】
【数4】
【0028】である。これにより、サブスレッショルド
電流はIL0からIL1まで減少する。減少率は、
【0029】
【数5】
【0030】である。ここでKは基板効果係数である。
例えば、VM=0.3V、K=0.4√V、S=100mV/deca
de、2ψ=0.64Vならば、サブスレッショルド電流は21
%に低減される。
【0031】(ii)ソース電位VSLが上昇するため、ゲー
ト・ソース間電圧VGS=VSS−VSL=−VMが負にな
る。これにより、サブスレッショルド電流はさらにIL1
からIL 2まで減少する。減少率は、
【0032】
【数6】
【0033】である。例えば、VM=0.3V、S=100m
V/decadeならば、サブスレッショルド電流は0.1%
に低減される。
【0034】(i)(ii)の効果を併せると、
【0035】
【数7】
【0036】となる。例えば、VM=0.3Vならば0.02%
になる。ここで、VMは方程式
【0037】
【数8】
【0038】の解である。
【0039】尚、インバータLのMOSトランジスタM
P、MNのバックゲートはそれぞれのソース(VCL
SL)に接続してもよいが、(i)の効果を得るためには
図1(a)のようにVCC、VSSに接続する方が望まし
い。
【0040】図3にサブスレッショルド電流低減効果を
示す。ここでは、将来の超低電圧動作の超高集積LSI
を想定し、バックゲートバイアスが0のときのしきい電
圧V T0=0.05〜0.15V、LSI全体のオフ状態のトラン
ジスタのチャネル幅の総和W=100mである場合につい
て計算している。抵抗を大きくするほどVMが大きくな
り、効果が大きくなる。
【0041】ただし、図1(b)に示すように、出力信
号OUTの論理振幅は入力信号INの論理振幅よりも小
さくなるので、多段接続の際は信号の電圧レベルに注意
しなければならないが、これについては後述する。
【0042】また、本発明にはしきい電圧のバラツキを
自動的に補償する作用がある。すなわち、しきい電圧が
低くサブスレッショルド電流が大きいときは、抵抗によ
る電圧降下VMが大きくなり、しきい電圧が高くサブス
レッショルド電流が小さいときは、VMが小さくなる。
いずれの場合も、電流の変動が抑制される。図3から明
らかなように、サブスレッショルド電流の変動は抵抗値
が大きいほど小さい。例えば、抵抗値を3kΩ以上にす
れば、しきい電圧が±0.05Vばらついても、サブス
レッショルド電流ILの変動は±20%以内に抑えられ
る。
【0043】〔実施例2〕次に、実施例1で説明したス
イッチと抵抗の具体的な実現方法を示す。図4は、スイ
ッチと抵抗とをともにMOSトランジスタで実現した例
である。
【0044】スイッチ用のMOSトランジスタMC1とM
S1は、コンダクタンスの大きいMOSトランジスタであ
り、それぞれ図1のスイッチSC、SSに相当する。高速
動作モードの時は、信号φCを低レベル、φSを高レベル
にすることによって、MC1、MS1はオンになる。φC
φSの電圧レベルは、それぞれVSS、VCCでもよいが、
C1、MS1のコンダクタンスをより大きくするために、
φCをVSSよりも低く、φSをVCCよりも高くしてもよ
い。そのための電圧は、チップの外部から与えるか、E
EPROMやDRAMで周知のオンチップ昇圧回路で発
生させればよい。
【0045】低消費電力モードのときは逆に、φCを高
レベル、φSを低レベルにすることによって、MC1、M
S1はオフになる。この時は、電流を確実に抑止できるよ
うにしなければならない。そのためには、次の2通りの
方法がある。第1の方法は、外部電圧またはオンチップ
昇圧回路によって、φCをVCCよりも高く、φSをVSS
りも低くすることである。第2の方法は、MC1、MS1
して、インバータLに用いられているものよりもしきい
電圧が高い(よりエンハンスメントの)トランジスタを
用いることである。第1の方法は、しきい電圧の異なる
トランジスタを作るための工程が不要であるという利点
がある。一方、第2の方法は、外部電圧を受ける端子あ
るいはオンチップ昇圧回路が不要であるから、面積の点
で有利である。
【0046】MOSトランジスタMC2とMS2はコンダク
タンスの小さいMOSトランジスタであり、それぞれ図
1の抵抗RC、RSに相当する。これらのトランジスタ
は、ゲートがそれぞれVSS、VCCに接続されており、常
にオンである。これらのトランジスタはオフにする必要
がないので、そのしきい電圧は低くても差し支えない。
【0047】次に、本発明が適用される時間帯について
述べる。図5に信号φC、φSのタイミングの例を示す。
【0048】図5(a)および(b)は、本発明をメモ
リLSIに適用した場合である。メモリLSIは、チッ
プエネーブル信号CE ̄(補信号)が低レベルのとき動
作状態、高レベルのとき待機状態になる。図5(a)の
場合は、信号φCは、CE ̄の立下りに同期して低レベ
ルになり、CE ̄の立上りからやや遅れて高レベルにな
る。信号φSはその逆である。従って、図中のaの時間
帯は高速動作モード、bの時間帯は低消費電力モードに
なる。一般に多数のメモリLSIを用いたメモリ装置で
は、動作状態にあるLSIは少数であり、大多数のLS
Iは待機状態にある。従って、待機状態にあるLSIを
低消費電力にすれば、メモリ装置全体の低消費電力化に
大きく寄与する。なお、CE ̄の立上りから低消費電力
モードに入るまでに遅延を設ける理由は、この間にLS
Iの内部回路のリセットが行われるからである。
【0049】図5(b)はさらに低消費電力化を図った
例である。ここでは、CE ̄が変化した直後のみを高速
動作モードにしている。すなわち、CE ̄が低レベルに
なった直後はデータの読出し/書込みが行なわれ、CE
 ̄が高レベルになった直後は内部回路のリセットが行な
われるので、これらの時間帯は高速動作モードとし、そ
の他の時間帯は低消費電力モードにしている。なお、こ
こには記載されていないが、アドレス信号が変化したと
きに高速動作モードに入るようにしてもよい。
【0050】図5(c)は本発明をマイクロプロセッサ
に適用した例である。通常動作状態では、クロックCL
Kが印加されている。このとき、信号φCは低レベル、
φSは高レベルであり、高速動作モードである。マイク
ロプロセッサが待機状態またはデータ保持状態になる
と、クロックCLKが停止し、信号BUが高レベルにな
る。これに同期して、φCは高レベル、φSは低レベルに
なり、低消費電力モードになる。これにより、マイクロ
プロセッサの消費電力が低減され、電池などの小容量の
電源で長時間バックアップすることが可能になる。
【0051】図6は、図4の回路を実現するためのデバ
イス構造の一例である。この図のポリシリコン130、
131、132、133がそれぞれ図4のMC2、MP
N、MS2のゲートに相当する(MC1、MS1はここには
記載されていない)。
【0052】注意すべきことは、MC2とMPとが同一の
nウェル101(n+拡散層120を介してVCCに接続
されている)を共有していることである。MNとMS2
同様にp基板(VSSに接続されている)100を共有し
ている。これからわかるように、MOSトランジスタの
バックゲートをVCC、VSSに接続する方が、ソースに接
続する場合に比べて、前述の(i)の効果が得られるだけ
でなく、レイアウト面積の点でも有利である。
【0053】ここに示した例では、p基板中にnウェル
を形成しているが、逆にn基板中にpウェルを形成して
もよい。あるいは、アイ・エス・エス・シー・シー、ダ
イジェスト・オブ・テクニカル・ペーパーズ、第248
頁から第249頁、1989年2月(ISSCC Digest of
Technical Papers, pp.248-249, Feb.1989)に記載され
ているような三重ウェル構造を用いてもよい。
【0054】〔実施例3〕図7にスイッチと抵抗の他の
実現方法を示す。本実施例の特徴は、カレントミラー回
路を用いていることである。すなわち、しきい電圧が同
じMOSトランジスタMC2とMC3は、ゲートとソースを
共有するいわゆるカレントミラー回路を成しており、M
C2には電流源I0に比例する電流が流れ、そのインピー
ダンスは大きい。MS2とMS3についても同様である。し
たがって、MC2、MS2は高抵抗とみなすことができる。
尚、電流源I0とMC3、MS3から成る回路CSを複数の
論理ゲートで共有してもよい。
【0055】カレントミラー回路はここに示した回路だ
けでなく、他の回路でもよい。例えば、MOSトランジ
スタの代わりにバイポーラトランジスタを用いてもよ
い。
【0056】このように、スイッチと抵抗の実現方法
は、いろいろな変形がありうる。要は、高速動作が要求
される時間帯には大電流を、低消費電力が要求される時
間帯には小電流を流す手段であればよい。以下の図面で
は、簡単のため、図1のようにスイッチと抵抗で表すこ
とにする。
【0057】〔実施例4〕インバータのMOSトランジ
スタのバックゲートは、VCC、VSSに限らず別の電源に
接続してもよく、その電圧を可変にしてもよい。図8に
その例を示す。ここでは、MP、MNのバックゲートをそ
れぞれ電源VWW、VBBに接続し、それらのバックゲート
電圧値を動作時と待機時とで変えている。VBBについて
言えば、高速動作が要求される時間帯にはVBBを浅くし
て(あるいは極端な場合わずかに正にして)MNのVT
低くして高速動作を可能にする。低消費電力が要求され
る時間帯にはVBBを深くしてMNのVTを高くして、サブ
スレッショルド電流を抑える。これにより、前記(i)の
効果がさらに大きくなる。以上VBBについて述べたが、
WWも電圧の極性が逆になるだけで同様である。なお、
この種のバックゲート電圧発生回路は、例えばアイ・エ
ス・エス・シー・シー、ダイジェスト・オブ・テクニカ
ル・ペーパーズ、第254頁から第255頁、1985
年2月(ISSCCDigest of Technical Papers, pp.254-25
5, Feb.1985)に記載されている。
【0058】図9は、図8の回路を実現するためのデバ
イス構造の一例である。ここでは、前述の三重ウェル構
造を用いており、nウェル105(PチャネルMOSト
ランジスタのバックゲート)はn+拡散層120を介し
てVWWに、pウェル103(NチャネルMOSトランジ
スタのバックゲート)はp+拡散層127を介してV BB
に接続されている。
【0059】この三重ウェル構造は、Pチャネル、Nチ
ャネル共に回路ごとに独立したウェルに入れることがで
きるので、回路ごとにバックゲート電圧を設定できると
いう利点がある。例えば、1つのLSI内に動作状態に
ある回路と待機状態にある回路が混在する場合、前者の
バックゲート電圧を浅く、後者のバックゲート電圧を深
くすることができる。
【0060】〔実施例5〕次に、インバータを多段接続
したインバータ列の場合について述べる。簡単のため、
まず2段の場合で原理を説明する。
【0061】図10(a)は、CMOSインバータ
1、L2を接続した場合の回路図である。各段のインバ
ータごとに、スイッチSCi、SSiと抵抗RCi、RSi(i
=1,2)が挿入されている。
【0062】高速動作モードでは、4個のスイッチをす
べてオンにし、VCC、VSSを直接インバータL1、L2
印加する。インバータのMOSトランジスタのしきい電
圧(VT)を低く設定しておけば、高速動作させること
ができる。一方、低消費電力モードでは、4個のスイッ
チをすべてオフにして、抵抗を通してインバータに電源
を供給する。サブスレッショルド電流が抵抗を通して流
れることによる電圧降下により、VCL1、VCL2はVCC
りも低下し、VSL1、VSL2はVSSよりも上昇する。
【0063】第1段のインバータL1については、図1
の場合と同様に、前記(i)(ii)の機構によってサブスレ
ッショルド電流が減少する。しかし、図10(b)に示
すように、L1の出力N1の論理振幅は入力信号INの論
理振幅よりも小さい。すなわち、INが低レベル(=V
SS)の時はN1の電圧レベルはVCL1になり、INが高レ
ベル(=VCC)の時はN1の電圧レベルはVSL1になる。
これが第2段のインバータL2の入力となるから、L2
サブスレッショルド電流低減のためには、VCC>VCL1
>VCL2、VSS<VSL1<VSL2となるように抵抗値を設
定するのが望ましい。これにより、L2についても前記
(i)(ii)の機構によってサブスレッショルド電流が減少
する。VCL1=VCL2、VSL1=VSL2の時は、(i)による
効果は得られるが(ii)による効果は得られない。
【0064】〔実施例6〕図11(a)に示す多段接続
の場合も上と同様で、VCC>VCL1>VCL2>……>V
CLk、VSS<VSL1<VSL2<……<VSLkとなるようにす
るのがよい。ただし、図11(b)に示すように、1段
ごとに論理振幅が小さくなるので、適宜レベル変換回路
を挿入して振幅を回復させる。この例では、k段のイン
バータの後にレベル変換回路LCを付加して、出力信号
OUTの論理振幅が入力信号INと同じになるようにし
ている。この種のレベル変換回路は、例えばシンポジウ
ム・オン・ブイ・エル・エス・アイ・サーキッツ、ダイ
ジェスト・オブ・テクニカル・ペーパーズ、第82頁か
ら第83頁、1992年6月(Symposium on VLSI Circ
uits, Digest of Technical Papers, pp.82-83, June 1
992)に記載されている。
【0065】レベル変換回路LCは高速動作時には不要
である。なぜなら、スイッチがすべてオンになっている
ので、VCL1=VCL2=……=VCLk=VCC、VSL1=V
SL2=……=VSLk=VSSであり、論理振幅の減少がない
からである。したがって、高速動作時には、スイッチS
LCをオンにしてレベル変換回路をバイパスさせることに
よって、遅延を避けることができる。
【0066】〔実施例7〕図12(a)に多段接続イン
バータ列の他の例を示す。この例では、スイッチSC
Sと抵抗RC、RSがすべてのインバータL1〜Lkによ
り共有されており、電圧VCL、VSLはL1〜Lkに共通で
ある。それゆえに、図10の説明で述べたように、前記
(i)の機構によるサブスレッショルド電流低減効果は得
られるが(ii)による効果は得られない。したがって、サ
ブスレッショルド電流低減効果は前実施例よりも小さく
なる。
【0067】しかし、その反面スイッチと抵抗のレイア
ウト面積が節約できるという利点がある。また、図12
(b)に示すように、すべての信号(入出力信号を含め
て)の電圧レベルが同一であり、前実施例のような論理
振幅の減少がないという特長がある。そのため、レベル
変換回路は不要であり、また、NAND、NORなどの
論理が組みやすいという利点がある。
【0068】〔実施例8〕次に、本発明を一般の組合せ
論理回路に適用する場合について述べる。
【0069】例えば、図13に示す組合せ論理回路を考
える。これに本発明を適用するには、まず論理ゲートを
図13のようにグループ分けする。この例では、15個
の論理ゲートL1〜L15が3つのグループG1、G2、G3
に分けられている。グループ分けに当たっては、第i番
目のグループに含まれる論理ゲートの出力信号は、第
(i+1)番目以降のグループの論理ゲートにのみ入力
されるようにする。
【0070】次に、図14に示すように、各グループご
とに電源との間にスイッチと抵抗を挿入する。論理ゲー
トの出力信号の論理振幅は、図11の場合と同様に、1
段ごとに小さくなるから、図14に示すようにレベル変
換回路群GC1、GC2を挿入して振幅を回復させる。
尚、図示されていないが、高速動作時には図11の場合
と同様にレベル変換回路群GC1、GC2をパイパスさせ
てもよい。
【0071】本実施例の特徴の1つは、同じグループに
含まれる論理ゲートは、スイッチと抵抗を共有している
ことである。図13の例で言えば、グループG1に含ま
れる3個のインバータは、スイッチSC1、SS1と抵抗R
C1、RS1を共有している。
【0072】本実施例のもう1つの特徴は、レベル変換
回路の前後のグループでスイッチと抵抗を共有している
ことである。すなわち、グループG1とGk+1はスイッチ
C1、SS1および抵抗RC1、RS1を、グループG2とG
k+2はスイッチSC2、SS2および抵抗RC2、RS2を、…
…、グループGkとG2kはスイッチSCk、SSkおよび抵
抗RCk、RSkをそれぞれ共有している。
【0073】このように、複数の論理ゲートでスイッチ
と抵抗を共有することにより、LSI全体として見れば
スイッチと抵抗との数を低減でき、レイアウト面積を節
約できる。
【0074】〔実施例9〕図15に本発明の他の実施例
を示す。図15の実施例がこれまでの実施例と相違する
のは、電圧リミッタ(降圧回路、昇圧回路)VC1、V
2、……、VCk、VS1、VS2、……、VSkを用い
ていることである。
【0075】低消費電力が要求される時には、スイッチ
C1〜TCk、TS1〜TSkを図示の側に切換え、電圧リミ
ッタによって論理ゲート群に電源を供給する。電圧リミ
ッタVC1、VC2、……、VCkは、電源電圧VCC側の
降圧回路として動作し、VCCよりも低くほぼ安定化され
た内部電圧VCL1、VCL2、……、VCLkをそれぞれ発生
する。一方、VS1、VS2、……、VSkは、接地VSS
側の昇圧回路として動作し、VSSよりも高くほぼ安定化
された内部電圧VSL1、VSL2、……、VSLkをそれぞれ
発生する。発生する電圧は前述の実施例と同様に、VCC
>VCL1>VCL2>……>VCLk、VSS<VSL1<VSL2
……<VSLkとするのがよい。尚、この種の電圧リミッ
タについては、特開平2−246516号公報に開示さ
れている。
【0076】逆に、高速動作が要求される時は、スイッ
チを図示されているのとは反対側に切換えて、VCC、V
SSを直接論理ゲート群に印加して、高速動作を可能にす
る。尚、この時は電圧リミッタは不要になるので、その
動作を停止させてもよい。
【0077】〔実施例10、11〕これまでの実施例
は、インバータ列や組合せ論理回路といったフィードバ
ックのない回路であったが、本発明はフィードバックの
ある回路にも適用できる。一例として、図16(a)に
示す2個のNANDゲートを組合せたラッチ回路の場合
について説明する。
【0078】図16(b)に回路図を示す。2個のNA
NDゲートL1、L2と電源Vccおよび接地Vssとの間
に、それぞれスイッチSC1、SS1、SC2、SS2および抵
抗RC1、RS1、RC2、RS2が挿入されている。VCL1
CL2がVCCよりも低下し、VSL 1、VSL2がVSSよりも
上昇し、前記(i)の機構によってサブスレッショルド電
流が低減される。
【0079】図17は、さらにサブスレッショルド電流
を低減するために、情報のラッチに用いられる4個のM
OSトランジスタMP12、MP22、MN12、MN22のしきい
電圧VTを他のMOSトランジスタMP11、MP21
N11、MN21のしきい電圧より高く(よりエンハンスメ
ントに)した例である。入力信号が印加される他のMO
SトランジスタMP11、MP21、MN11、MN21のしきい電
圧VTは低いままであるから、高速動作が可能である。
この場合、VSS側のスイッチと抵抗は不要である。なぜ
ならば、高しきい電圧のVSS側トランジスタMN12、M
N22によって電流を確実に抑止できるからである。
【0080】〔実施例12、13〕これまでの実施例
は、入力信号が低レベルでも高レベルでもサブスレッシ
ョルド電流を低減できるものであった。しかし実際のL
SIでは、サブスレッショルド電流低減が必要な時間
帯、例えば待機状態における特定の信号のレベルは予め
判っていることが多い。このような場合は、より簡単な
回路でサブスレッショルド電流を低減することができ
る。
【0081】図18は、待機状態における入力信号IN
は低レベル(“L”)であると判っている場合のインバ
ータ列の回路例である。INが低レベルであるから、ノ
ードN1、N3、N5、……は高レベル、N2、N4、N6
……は低レベルになり、PチャネルMOSトランジスタ
のうちMP2、MP4、……がオフ、NチャネルMOSトラ
ンジスタのうちMN1、MN3、……がオフである。スイッ
チと抵抗は、これらのオフ状態のトランジスタのソース
にのみ挿入すれば十分である。サブスレッショルド電流
が流れるのはオフ状態のトランジスタだからである。
【0082】また、図19に示すように、スイッチと抵
抗を複数のインバータで共有しても差し支えない。
【0083】これらの実施例は、入力信号のレベルが判
っていなければならないという制約はあるが、簡単な回
路でサブスレッショルド電流を低減できるという利点が
ある。図18、19を図11と比較してみれば明らかな
ように、スイッチと抵抗の数が少なくなり、レベル変換
回路が不要になる。
【0084】〔実施例14、15〕インバータだけでな
くNAND、NORなどの論理ゲートでも、待機状態に
おける入力信号のレベルが判っている場合は、より簡単
な回路でサブスレッショルド電流を低減することができ
る。
【0085】図20は2入力NANDゲート、図21は
2入力NORゲートの例である。2つの入力信号IN1
とIN2がいずれも低レベル、あるいはいずれも高レベ
ルの場合は、これらのゲートは実質的にインバータと等
価であるから、図18、図19で説明した方法が適用で
きる。問題は、図のように一方の入力が低レベル
(“L”)、他方の入力が高レベル(“H”)の場合で
ある。
【0086】図20のNANDゲートの場合は、Pチャ
ネルMOSトランジスタMP12とNチャネルMOSトラ
ンジスタMN11がオフであるが、出力OUTは高レベル
であるから、サブスレッショルド電流が流れるのはM
N11である。従って、VSS側にスイッチと抵抗を挿入す
ればよい。図21のNORゲートの場合は逆に、サブス
レッショルド電流が流れるのはPチャネルMOSトラン
ジスタMP14である。従って、VCC側にスイッチと抵抗
を挿入すればよい。
【0087】図20、図21は本発明を2入力論理ゲー
トに適用した例であるが、3入力以上の論理ゲートでも
同様にできる。また、スイッチと抵抗は、他の論理ゲー
トと共有してもよいことはもちろんである。
【0088】〔実施例16〕図22はクロックインバー
タにおいて、待機状態ではクロックCLK1は低レベ
ル、CLK2は高レベルであると判っている場合の回路
例である。この場合は、MOSトランジスタMP16、M
N16が共にオフであるから、出力OUTは高インピーダ
ンスになり、その電圧レベルはOUTに接続されている
他の回路(図示せず)によって決まる。電圧レベルによ
ってMOSトランジスタMP16、MN16のいずれにサブス
レッショルド電流が流れるかが決まるから、この場合
は、図のようにスイッチと抵抗をVCC側、VSS側の両方
に挿入すればよい。
【0089】〔実施例17〕一般の組合せ論理回路の場
合も、入力信号のレベルが予め判っている場合は、より
簡単な回路でサブスレッショルド電流を低減することが
できる。図13に示した組合せ論理回路を例にとりあげ
て説明する。
【0090】図23は、この回路の入力IN1〜IN6
すべて低レベルと判っている場合の回路構成例である。
インバータL1〜L3、L5、L6については、図18、図
19と同様に、L1〜L3のVSS側とL5、L6のVCC側に
スイッチと抵抗を挿入する。NORゲートL7は、入力
信号がいずれも低レベルであるから、実質的にインバー
タと等価である。従って、VSS側にスイッチと抵抗を挿
入すればよい。NORゲートL4は、入力信号の一方が
低レベル、他方が高レベルであるから、図21と同様
に、VCC側にスイッチと抵抗を挿入する。8個のNAN
Dゲートのうち、L12だけは3つの入力信号がすべて高
レベルであり、インバータと等価であるから、VCC側に
スイッチと抵抗を挿入する。他のNANDゲートは、入
力信号に低レベルのものと高レベルのものが混在するか
ら、図20と同様に、VSS側にスイッチと抵抗を挿入す
ればよい。
【0091】以上の説明から明らかなように、出力が高
レベルである論理ゲートにはVSS側に、出力が低レベル
である論理ゲートにはVCC側に、スイッチと抵抗を挿入
すればよい。図23に示すように、これらのスイッチと
抵抗を複数の論理ゲートで共有することにより、レイア
ウト面積を節約できる。
【0092】〔実施例18〕フィードバックがある回路
についても、信号のレベルが予め判っている場合は、よ
り簡単な回路でサブスレッショルド電流を低減すること
ができる。図24は、図16(a)のラッチに適用した
例である。
【0093】この種のラッチは、待機状態においては普
通、入力信号IN1、IN2が共に高レベルであり、出力
信号OUT1、OUT2のうちの一方が低レベル、他方が
高レベルとなって1ビットの情報を保持している。図2
4は、OUT1が低レベル、OUT2が高レベルであると
判っている場合の回路構成例である。NANDゲートL
1は、2つの入力信号が共に高レベルであるから、イン
バータと等価であり、図18、図19と同様に、VCC
にスイッチと抵抗を挿入する。NANDゲートL2は、
入力信号の一方が低レベル、他方が高レベルであるか
ら、図20と同様に、VSS側にスイッチと抵抗を挿入す
ればよい。これらのスイッチと抵抗は、他の論理ゲート
と共有してもよいことはもちろんである。
【0094】〔実施例19〕図25は、本発明をメモリ
LSIなどで周知のデータ出力バッファに適用した例で
ある。待機状態においては、出力エネーブル信号OEが
低レベルであり、NANDゲートL21及びL22の出力は
高レベル、インバータL23の出力は低レベルである。従
って、出力段L24を構成する2個のMOSトランジスタ
P20およびMN20は共にオフであり、出力DOUTは高
インピーダンスである。
【0095】論理ゲートL21〜L23については、図23
の説明で述べた方針に従って、VSS側もしくはVCC側に
スイッチと抵抗を挿入すればよい。出力段L24について
は、図22のクロックインバータの場合と同様に、スイ
ッチと抵抗をVCC側、VSS側の両方に挿入すればよい。
【0096】〔実施例20〕図26は、本発明をメモリ
LSIなどで周知のデータ入力バッファに適用した例で
ある。図中、SBは待機状態のときに高レベルになる信
号である。インバータL31およびL32の出力は、図4お
よび図7に示したように、それぞれφS、φCとしてスイ
ッチの制御に用いることができる。L33はNANDゲー
トであり、その入力はφSとデータ入力信号DINであ
る。待機状態のときはφSは低レベルであるから、DIN
の如何にかかわらずL33の出力は高レベル、従ってイン
バータL34の出力dINの出力は低レベルになる。一方、
動作状態のときは、SBが低レベルであるから、dIN
INに追随する。
【0097】NANDゲートL33とインバータL34につ
いては、それぞれVSS側、VCC側にスイッチと抵抗を
挿入することにより、サブスレッショルド電流を低減で
きる。インバータL31とL32についてはこの手法は使え
ないが、MOSトランジスタのしきい電圧を高くするこ
とにより、サブスレッショルド電流を低減できる。待機
状態と動作状態の切り換えにはそれほど高速性は要求さ
れないことが多いから、しきい電圧の高いMOSトラン
ジスタを用いても差し支えない。
【0098】図18〜25の実施例は、簡単な回路でサ
ブスレッショルド電流を低減できるという利点がある反
面、サブスレッショルド電流低減が必要な時間帯、例え
ば待機状態における信号レベルが判っていなければ適用
できないという制約がある。従って、このときには、L
SI内のできるだけ多くのノードのレベルが確定するよ
うにすることが望ましい。図26の入力バッファを用い
ることによって、このときの信号dINのレベルを低レベ
ルに確定させることができる。なお、信号dINのレベル
を確定させる方法としては、この他に、例えば「待機状
態のときはデータ入力端子DINは低レベル(または高レ
ベル)にする」という仕様を定めておく方法もある。
【0099】以上、データ入力バッファについて述べた
が、アドレス信号その他の信号の入力バッファも同様で
ある。
【0100】図18〜図26の実施例は、メモリLSI
に適用するのに好適である。メモリLSIでは、待機状
態の時に高レベルであるか低レベルであるかが判ってい
るノードが比較的多く、さらに図26の入力バッファを
用いることによってほとんどのノードのレベルを確定さ
せられるからである。
【0101】図25、26の実施例は、LSIチップの
外部端子に対する入出力回路としてだけでなく、例えば
マイクロプロセッサの内部バスに対するドライバ/レシ
ーバとしても用いることができる。
【0102】〔実施例21〕これまでは本発明をCMO
S回路に適用した実施例について述べてきたが、本発明
は、単一極性のMOSトランジスタで構成された回路に
も適用できる。図27にNチャネルMOSトランジスタ
のみで構成された回路の例を示す。図中、PCはプリチ
ャージ信号、IN1、IN2は入力信号である。
【0103】待機時、すなわちプリチャージ状態では、
PCが高レベル、IN1とIN2は低レベルであり、出力
OUTは高レベル(=VCC−VT)にプリチャージされ
ている。動作時には、PCが低レベルになった後、IN
1とIN2は高レベルになるかあるいは低レベルにとどま
る。IN1とIN2のうち少なくとも一方が高レベルにな
れば、OUTは低レベルになり、両方共低レベルにとど
まれば、OUTは高レベルのままである。すなわち、こ
の回路はIN1とIN2のNORを出力する回路である。
【0104】この回路では、待機時にオフになっている
トランジスタは、VSS側のMN41、MN42であり、これら
のトランジスタにサブスレッショルド電流が流れる。従
って、この回路に本発明を適用するには、図に示すよう
に、VSS側にスイッチと抵抗を挿入すればよい。VCC
には不要である。
【0105】以上説明したように、本発明は、MOSト
ランジスタ回路およびそれで構成された半導体集積回路
の低消費電力化にきわめて有効である。半導体集積回路
の低消費電力化に対する要求は、最近特に強く、例えば
日経エレクトロニクス1991年9月2日号、第106
頁から第111頁には、低電力バックアップモードを有
するマイクロプロセッサシステムについて記載されてい
る。バックアップモードでは、クロックを停止させた
り、不要な部分への電源の供給を停止したりして、低消
費電力化を図っている。しかし、サブスレッショルド電
流の低減についてまでは考慮されていない。本発明を、
例えばレジューム用回路(バックアップモードでも電源
が供給されている)に適用すれば、さらに低消費電力化
が実現できる。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速・低消費電力のMOSトランジスタ回路、およびそ
れで構成された半導体集積回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のインバータを示す図であ
る。
【図2】本発明によるサブスレッショルド電流低減の原
理を示す図である。
【図3】本発明によるサブスレッショルド電流低減効果
を示す図である。
【図4】本発明の実施例2のインバータの回路図であ
る。
【図5】本発明の信号のタイミングを示す図である。
【図6】本発明のデバイス構造を示す図である。
【図7】本発明の実施例3のインバータの回路図であ
る。
【図8】本発明の実施例4のインバータの回路図であ
る。
【図9】本発明のデバイス構造を示す図である。
【図10】本発明の実施例5のインバータ列を示す図で
ある。
【図11】本発明の実施例6のインバータ列を示す図で
ある。
【図12】本発明の実施例7のインバータ列を示す図で
ある。
【図13】本発明が適用される組合せ論理回路のグルー
プ分けの例を示す図である。
【図14】本発明の実施例8の組合せ論理回路を示す図
である。
【図15】本発明の実施例9の組合せ論理回路を示す図
である。
【図16】本発明の実施例10のラッチを示す図であ
る。
【図17】本発明の実施例11のラッチの回路図であ
る。
【図18】本発明の実施例12のインバータ列の回路図
である。
【図19】本発明の実施例13のインバータ列の回路図
である。
【図20】本発明の実施例14のNANDゲートの回路
図である。
【図21】本発明の実施例15のNORゲートの回路図
である。
【図22】本発明の実施例16のクロックインバータの
回路図である。
【図23】本発明の実施例17の組合せ論理回路の回路
図である。
【図24】本発明の実施例18のラッチの回路図であ
る。
【図25】本発明の実施例19の出力バッファの回路図
である。
【図26】本発明の実施例20の入力バッファの回路図
である。
【図27】本発明の実施例21のNMOSダイナミック
回路の回路図である。
【図28】従来のCMOSインバータの回路図である。
【図29】MOSトランジスタのサブスレッショルド特
性を示す図である。
【符号の説明】
L、L1〜Lk……論理ゲート、G1〜Gk……論理ゲート
群、SC、SC1〜SCk、SS、SS1〜SSk……スイッチ、
C、RC1〜RCk、RS、RS1〜RSk……抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/088 27/092 H03K 19/0948 (72)発明者 阪田 健 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F038 DF08 DF17 EZ20 5F048 AB03 AB04 AB10 AC03 BA01 BB05 BB14 BE02 BE03 BE09 5J056 AA03 BB07 BB17 CC03 DD13 DD29 EE04 FF01 FF08 HH00 KK02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の回路ブロックを有する半導体集積回
    路であって、 上記複数の回路ブロックはそれぞれ待機状態と動作状態
    なる2状態をとり、 上記複数の回路ブロックは、ある時点において、待機状
    態にある第1回路ブロックと動作状態にある第2回路ブ
    ロックを有し、 上記第1回路ブロックは、上記第1回路ブロックが動作
    状態にある他の時点よりも上記第1回路ブロック内のM
    OSトランジスタのしきい電圧の絶対値が大きくなるよ
    うにバックゲート電圧が設定され、 上記第2回路ブロックは、上記第2回路ブロックが待機
    状態にある他の時点よりも上記第2回路ブロック内のM
    OSトランジスタのしきい電圧の絶対値が小さくなるよ
    うにバックゲート電圧が設定されている半導体集積回
    路。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記第1回路ブロックと上記第2回路ブロックとは、そ
    れぞれ第1動作電位点と第2動作電位点で決定される動
    作電圧で動作し、第1導電型の第1MOSトランジスタ
    と第2導電型の第2MOSトランジスタとの直列接続を
    含む論理ゲートと、上記論理ゲートと直列に接続され、
    上記論理ゲートの電流経路に流れる電流量を制御する制
    御回路とを有し、 上記第1回路ブロックの上記制御回路は、上記ある時点
    において第1値の電流が上記第1回路ブロックの上記論
    理ゲートの電流経路を通って上記第1動作電位点と上記
    第2動作電位点との間に流れることを許容し、上記第1
    回路ブロックが待機状態にある他の時点において上記第
    1回路ブロックの上記論理ゲートの電流経路を通って上
    記第1動作電位点と上記第2動作電位点との間に流れる
    電流を上記第1値より小さい第2値に制限し、 上記第2回路ブロックの上記制御回路は、上記ある時点
    において第3値の電流が上記第2回路ブロックの上記論
    理ゲートの電流経路を通って上記第1動作電位点と上記
    第2動作電位点との間に流れることを許容し、上記第2
    回路ブロックが待機状態にある他の時点において上記第
    2回路ブロックの上記論理ゲートの電流経路を通って上
    記第1動作電位点と上記第2動作電位点との間に流れる
    電流を上記第3値より小さい第4値に制限する半導体集
    積回路。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、 上記第1回路ブロックと上記第2回路ブロックとは、そ
    れぞれ第1導電型のMOSトランジスタと第2導電型の
    MOSトランジスタとを含み、 第2導電型の第1半導体領域に第1導電型の第2半導体
    領域及び第1導電型の第3半導体領域と第1導電型の第
    4半導体領域及び第1導電型の第5半導体領域が形成さ
    れ、 上記第2半導体領域に第2導電型の第6半導体領域が形
    成され、 上記第4半導体領域に第2導電型の第7半導体領域が形
    成され、 上記第1回路ブロックの上記第1導電型のMOSトラン
    ジスタは上記第6半導体領域に形成され、 上記第1回路ブロックの上記第2導電型のMOSトラン
    ジスタは上記第3半導体領域に形成され、 上記第2回路ブロックの上記第1導電型のMOSトラン
    ジスタは上記第7半導体領域に形成され、 上記第1回路ブロックの上記第2導電型のMOSトラン
    ジスタは上記第5半導体領域に形成される半導体集積回
    路。
  4. 【請求項4】請求項1において、 上記第1回路ブロック内のMOSトランジスタの基板電
    位は、上記第2回路ブロック内のMOSトランジスタの
    基板電位とは独立に制御される半導体集積回路。
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