JP2002258085A - プレーナー光導波路およびその製造方法、ならびに高分子光導波路 - Google Patents

プレーナー光導波路およびその製造方法、ならびに高分子光導波路

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JP2002258085A
JP2002258085A JP2001397048A JP2001397048A JP2002258085A JP 2002258085 A JP2002258085 A JP 2002258085A JP 2001397048 A JP2001397048 A JP 2001397048A JP 2001397048 A JP2001397048 A JP 2001397048A JP 2002258085 A JP2002258085 A JP 2002258085A
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fluorinated
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polymer
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Masahiro Mitsuta
昌弘 光田
Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易なプロセスで実質的に円形断面を有する
プレーナー光導波路を提供する。 【解決手段】 基板11上に形成された積層膜(21、
41)と、積層膜(21、41)中に形成された光導波
路コア(31)とを備えたプレーナー光導波路である。
光導波路コア(31)の断面は、略四角形であり、光導
波路コア(31)の周辺には、低屈折率化分子を含有す
るドーパント層(21、41)が設けられており、ドー
パント層(21、41)に含有されていた低屈折率化分
子は、光導波路コア(31)の外側かつ角部ほど高濃度
で、光導波路コア(31)に偏在分布しており、それに
よって、グレーデッド型光導波路が構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光情報処
理などに利用されるプレーナー光導波路およびその製造
方法に関する。特に、高分子材料から構成されたプレー
ナー光導波路およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信、光情報処理の技術が発達し光通
信システムの実用化に伴い、光伝送路、半導体レーザ、
受光素子等の種々な光通信用部品の開発が望まれてい
る。中でも、光信号を伝送する光伝送路は重要で、光損
失が小さく、しかも製造が容易に行える等の条件が要求
される。
【0003】光伝送路は、石英をベースにした石英系の
ものと有機高分子材料をベースにした有機系のものがあ
る。中でも、プレーナー型の有機高分子系の光導波路
(高分子導波路)を有する光伝送路は、石英系のものに
比べて透明膜の透明度、耐熱性、あるいは性能が劣るも
のの、柔軟性に優れていること、容易に透明膜の形成が
できること、製造工程の数が少なく低コストで製造でき
ること等の面から期待が高い。
【0004】高分子光導波路の材料としては、特開平9
−251113号公報のほか、疋田真、今村三郎「電子
材料」、32頁、1996年2月号や、丸野透「応用物
理」、第68巻、第1号(1999年)などに、フッ素
化ポリイミドをはじめ、ポリメチルメタクリレート、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂などに代表される多くの高
分子材料が開示されている。
【0005】図8(a)および(b)を参照しながら、
従来の高分子系のプレーナー光導波路について説明す
る。図8(a)および(b)は、それぞれ、プレーナー
光導波路の断面構成を模式的に示している。
【0006】図8(a)に示すように、従来のプレーナ
ー光導波路は、基板100上に断面が四角形の溝を有す
る下側クラッド層200が形成され、その溝に有機高分
子材料からなるコア層300が埋め込まれ、さらに、コ
ア層300を埋め込むように上側クラッド層400が形
成されたものであった。
【0007】あるいは、図8(b)に示すように、従来
のプレーナー光導波路は、基板101上に下側クラッド
層201が形成され、下側クラッド層201上に断面が
四角形の有機高分子材料からなるコア層301が形成さ
れ、コア層301を埋め込むように上側クラッド層40
1が形成されたものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のように光導波路
となるコア層300、301の断面形状が四角形の場合
には、光導波路を反射しながら導波する光の光路長が必
要以上に長くなる可能性があった。さらには、四角形の
一辺と一辺との境目で光の伝送損失や乱れを生じてい
た。それゆえ、コア層の断面形状は、円形であることが
望ましい。
【0009】しかしながら、従来のプレーナー光導波路
では、製法上、コア層の断面形状は四角形になってしま
う。図8(a)に示した方法では、下側クラッド層20
0の溝をエッチングにより形成するため、コア層300
の断面形状は四角形になり、同様に、図8(b)に示し
た方法でも、コア層301そのものがエッチングによっ
て形成されるため、コア層301の断面形状は四角形に
なる。
【0010】また、本願出願人は、光導波路の断面を円
形に形成する方法を幾つか検討させ、それを特願200
0−180648号に開示している。しかし、これらの
方法は、既存のプロセスとは全く異なったプロセスを用
いるため、コストが高くなるという課題が新たに生じ
る。
【0011】一方、低光損失の光伝送路を実現するため
には、特に、コア層となる光導波路の高分子材料に、光
分散のない均一な透明性、高品質の成膜性が要求され
る。透明度の高いコア層を実現する上で、分子間のスタ
ッキングや結晶化を妨げて無定形にするために、従来の
高分子光導波路では、高分子中にバルキーな分子成分を
導入していた。しかし、このような手法では、高分子の
マトリクスの物性が脆弱になりやすいという課題が生じ
る。
【0012】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の第1の目的は、容易なプロセスで実質
的に円形断面を有するプレーナー光導波路およびその製
造方法を提供することにある。そして、本発明の第2の
目的は、光導波路の均一透明性を高めるとともに、耐久
性、接着性などに優れた高分子光導波路を提供すること
になる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による第1のプレ
ーナー光導波路は、基板上に形成された積層膜と、前記
積層膜中に形成された光導波路コアとを備えたプレーナ
ー光導波路であって、前記光導波路コアの断面は、略四
角形であり、前記略四角形の断面を有する前記光導波路
コアの周辺には、低屈折率化分子を含有するドーパント
層が設けられており、前記ドーパント層に含有されてい
た前記低屈折率化分子は、前記光導波路コアの外側かつ
角部ほど高濃度で、前記光導波路コアに偏在分布してお
り、それによって、グレーデッド型光導波路が構成され
ている。
【0014】ある実施形態において、前記ドーパント層
は、前記基板上に形成されており、前記ドーパント層上
に、前記光導波路コアが形成されている。
【0015】ある実施形態において、前記ドーパント層
は、前記光導波路コアの上側に形成されている。
【0016】前記光導波路コアは、高分子材料から構成
されており、前記低屈折率化分子は、前記高分子材料よ
りもフッ素濃度が高いフッ素化相溶性分子から構成され
ており、前記フッ素化相溶性分子は、前記高分子材料が
有する反応性基と反応して化学結合で固定化されている
ことが好ましい。
【0017】前記高分子材料は、フッ素化ポリイミド、
フッ素化ポリシロキサン、フッ素化ポリメタアクリレー
ト系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種のフ
ッ素化高分子材料であり、前記低屈折率化分子は、前記
フッ素化高分子材料よりもフッ素濃度が高いフッ素化相
溶性分子から構成されていることが好ましい。
【0018】本発明による第1のプレーナー光導波路の
製造方法は、(a)基板上に、低屈折率化分子を含有す
る第1のドーパント層を形成する工程と、(b)前記基
板上に、光導波コアとなる薄膜を形成し、次いで、前記
薄膜をエッチングして、断面が略四角形の光導波コアを
形成する工程と、(c)断面が略四角形の前記光導波コ
アの上側に、低屈折率化分子を含有する第2のドーパン
ト層を形成する工程と、(d)前記第1および第2のド
ーパント層から、前記略四角形の光導波コア中に前記低
屈折率化分子をドーピングすることによって、前記四角
形の光導波コアの外側かつ角部ほど、前記低屈折率化分
子を高濃度に偏在分布させる工程とを包含する。
【0019】ある実施形態において、前記工程(d)
は、熱処理工程を含む。
【0020】前記低屈折率化分子は、フッ素化相溶性分
子であり、紫外線処理、電子線処理、プラズマ処理およ
び熱処理からなる群から選択された少なくとも一種の処
理により、前記光導波コアを構成する高分子材料と、ド
ーピングされた前記低屈折率化分子である前記フッ素化
相溶性分子が有する反応性基とを反応させて、両者を化
学結合で固体化させる工程を実行することが好ましい。
【0021】本発明による第2のプレーナー光導波路
は、光導波路コアを有するプレーナー光導波路であっ
て、前記光導波路コアは、基板上に形成されており、前
記光導波路コアの周辺には、低屈折率化分子を有する低
屈折率層が形成されており、前記光導波路コアは、その
周縁部に前記低屈折率化分子を含有している。
【0022】前記低屈折率化分子は、前記光導波路コア
の外側ほど高濃度に分布していることが好ましい。
【0023】本発明による第2のプレーナー光導波路の
製造方法は、基板上に、低屈折率化分子を含有するドー
パント層を形成する工程と、前記ドーパント層の上に光
導波路コアを形成し、その後、加熱処理をする工程とを
包含する。
【0024】本発明による第3のプレーナー光導波路の
製造方法は、基板上に、光導波路コアを形成する工程
と、前記光導波路コアの周辺に、低屈折率化分子を含有
するドーパント層を形成し、その後、加熱処理をする工
程とを包含する。
【0025】本発明による第4のプレーナー光導波路の
製造方法は、基板上に、低屈折率化分子を含有する第1
のドーパント層を形成する工程と、前記第1のドーパン
ト層の上に光導波路コアを形成する工程と、前記光導波
路コアを覆うように、前記第1のドーパント層上に、低
屈折率化分子を含有する第2のドーパント層を形成し、
その後、加熱処理をする工程とを包含する。
【0026】前記光導波路コアの断面に、前記低屈折率
化分子の等濃度線が略円形状となるように加熱すること
が好ましい。
【0027】本発明による高分子光導波路は、フッ素化
ポリイミド、フッ素化ポリメタクリレート、およびフッ
素化ポリシロキサンからなる群から選択される少なくと
も一種のフッ素化高分子材料に、前記フッ素化高分子材
料よりもフッ素濃度が高いフッ素化相溶性分子が添加さ
れた高分子組成物から構成されている。
【0028】前記高分子光導波路の断面の外側ほど、前
記フッ素化相溶性分子が高濃度に偏在分布していること
が好ましい。
【0029】ある実施形態では、前記フッ素化相溶性分
子が有する反応性基と、前記フッ素化高分子材料が有す
る反応性基とが反応して形成された化学結合を有する。
【0030】ある実施形態において、前記フッ素化高分
子材料は、フッ素化ポリイミドであり、前記フッ素化相
溶性分子は、次の(1)〜(3);(1)ポリビニルピ
ロリドン、(2)(メチルメタクリレートビニルピロリ
ドン)共重合体、および(3)ポリメチルメタクリレー
トと(メチルメタクリレートビニルピロリドン)共重合
体の組成物からなる群から選択される、ビニルピロリド
ン骨格含有化合物のフッ化物である。
【0031】前記フッ素化高分子材料は、フッ素化ポリ
メチルメタクリレート系樹脂であり、前記フッ素化相溶
性分子は、第三級フルオロメチル基を有する有機化合物
であることが好ましい。
【0032】前記第三級フルオロメチル基を有する有機
化合物は、OH基、エポキシ基およびイソシアネート基
のうちの少なくとも1つを有し、前記OH基、前記エポ
キシ基および前記イソシアネート基の少なくとも1つ
と、前記フッ素化ポリメチルメタクリレート系樹脂中の
カルボキシル基とが反応して化学結合を形成し、それに
よって固定化されていることが好ましい。
【0033】前記フッ素化高分子材料は、フッ素化ポリ
シロキサンであり、前記フッ素化相溶性分子は、第三級
フルオロメチル基を有するシロキサン骨格化合物であっ
てもよい。
【0034】前記フッ素化ポリシロキサンに添加される
前記シロキサン骨格化合物は、Si−OH基およびSi
−Cl基の少なくとも一方を有し、前記Si−OH基お
よび前記Si−Cl基の少なくとも一方と、前記フッ素
化ポリシロキサン中の反応性基とが反応して形成された
化学結合を有することが好ましい。
【0035】さらに、前記フッ素化相溶性基と、活性水
素を有する非相溶性基とを共に備えた有機化合物が、2
重量%以下で前記フッ素化高分子材料中に添加されてい
ることが好ましい。
【0036】前記フッ素化相溶性基は、−CF132
0基、=CF2基、−Cnm2n-m+ 1基(n≧1、2n
≧m≧1)、−Cnm2n-m基(n≧1、2n≧m≧
1)、および−C6m6-m基(5≧m≧1)からなる
群から選択された少なくとも1種であり、前記活性水素
を有する非相溶性基は、−CONH2基、−NH3基、−
OH基、および−COOH基からなる群から選択された
少なくとも1種であることが好ましい。
【0037】本発明のプレーナー光導波路は、基板上に
形成された光導波路コア中の周縁部に低屈折率化分子を
含有しており、これにより、光導波路コアにおいて屈折
率差を有する光導波路を形成でき、グレーデッド型のプ
レーナー光導波路を得ることができる。また、本発明の
プレーナー光導波路の製造方法では、基板上に低屈折率
化分子を含有するドーパント層を形成し、前記ドーパン
ト層の上に光導波路コアを形成し、その後加熱処理す
る。このようにして加熱処理すると、ドーパント層の低
屈折率化分子が光導波路コアに移行するので、光導波路
コアにおいて実質的に円形の光導波路を形成することで
きる。
【0038】本発明の高分子光導波路は、フッ素化ポリ
イミド、フッ素化ポリメタクリレート、またはフッ素化
ポリシロキサンのいずれかより選ばれた1つのフッ素化
高分子材料(フッ素化高分子マトリクス)中に、当該フ
ッ素化高分子材料より高いフッ素濃度を有するフッ素化
相溶性分子が添加された高分子組成物から構成されてい
る。この構成により、フッ素化高分子材料中に、そのフ
ッ素化高分子材料よりも高いフッ素濃度を有するフッ素
化相溶性分子が入って、フッ素化相溶性分子が高分子材
料(マトリクス)中で可塑剤のような作用をするので、
固溶体を形成し無定形な分子凝集体を形成することにな
る。従って、光に対して光学分散を持たない均一透明性
を有する優れたコア層を得ることができる。また、フッ
素化高分子材料中に、そのフッ素化高分子材料よりも高
いフッ素濃度を有するフッ素化相溶性分子を添加するこ
とにより、添加した部分の屈折率をも低くすることがで
きる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明による実施の形態を説明する。以下の図面において
は、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する
構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下
の実施形態に限定されない。
【0040】(第1の実施形態)図1を参照しながら、
本発明による第1の実施形態に係るプレーナー光導波路
を説明する。図1は、本実施形態のプレーナー光導波路
の断面構成を模式的に示している。
【0041】本実施形態のプレーナー光導波路は、基板
11上に形成された積層膜(21、41)と、積層膜
(21、41)中に形成された光導波路コア31とを有
している。光導波路コア31は、略四角形の断面を有し
ており、光導波路コア31の周辺には、低屈折率化分子
を含有するドーパント層(21、41)が形成されてい
る。そして、ドーパント層(21、41)に含有されて
いた低屈折率化分子は、光導波路コア31の外側かつ角
部ほど高濃度で、光導波路コア31に偏在分布してい
る。このように偏在分布していることによって、グレー
デッド型光導波路が構成されている。ドーパント層は、
低屈折率化分子を含有する層であり、言い換えると、移
行性分子供給層である。そして、低屈折率化分子は、当
該低屈折率化分子をある物質に導入すると、その物質の
屈折率を低くする分子のことをいう。
【0042】本実施形態の構成をさらに詳述すると、次
のようである。基板11は、例えば、シリコンから構成
されており、本実施形態では、シリコン基板の表面に酸
化膜(不図示)が形成された基板11を用いている。な
お、基本となる基板(主基板)の表面に1または複数の
層が形成された場合でも、本明細書では、その層を含め
て基板という場合がある。
【0043】酸化膜(不図示)が形成されたシリコン基
板11上には、下側のドーパント層21(第1のドーパ
ント層)が形成されており、その膜厚は、例えば、5〜
100μm、典型的には10μmである。ドーパント層
21は、低屈折率化分子を光導波路コアとなるコア層に
移行する下側移行性分子供給層(第1の移行性分子供給
層)である。
【0044】下側ドーパント層21上には、断面が略四
角形(矩形状)の光導波路コアとなるコア層31が形成
されている。コア層31は、ポリジ(フッ化フェニル)
シロキサンから構成されている。コア層31の断面形状
は、略四角形であればよく、幾何学的な四角形に限定さ
れない。例えば製造プロセス的な観点からみて、実質的
に四角形となるように形成されていればよい。
【0045】コア層31は、低屈折率化分子としてメチ
ル(トリフルオロメチル)シロキサン3量体(3M3F
Si)を含有している。言い換えると、ポリジ(フッ化
フェニル)シロキサンからなるコア層31に、メチル
(トリフルオロメチル)シロキサン3量体(3M3FS
i)がドープされている。この3M3FSiは、コア層
31の断面の重心(中心)から断面の周囲(外側)に向
かって外側ほど高濃度に偏在して分布している。したが
って、コア層31の四角形の断面において、外側ほど低
屈折率となっている。コア層31におけるこの分布の様
子を、図1では、等濃度線で表している。図1に示すよ
うに、等濃度線は、重心に向かうほど円形に近い形状
(略円形状)となり、外側になるほど断面形状に近い円
形となっていることがわかる。
【0046】コア層31を覆うように、コア層31及び
下側のドーパント層21の上には、低屈折率化分子をコ
ア層に移行(ドープ)するための上側ドーパント層(第
2のドーパント層)41が形成されている。下側ドーパ
ント層21及び上側ドーパント層41は、その屈折率が
コア層31の屈折率よりも低い材料で形成することが好
ましい。このようにすることにより、下側ドーパント層
21及び上側ドーパント層41をコア層31に対するク
ラッド層として用いることができる。
【0047】また、コア層31をフッ素化高分子材料
(フッ素化高分子マトリクス)から構成した場合に、低
屈折率化分子が、コア層31のフッ素濃度よりも高いフ
ッ素濃度を有し、かつ、コア層31のフッ素化高分子マ
トリクス中で可塑剤として作用するフッ素化相溶性分子
とすると、コア層31にドープされたフッ素化相溶性分
子を、フッ素化高分子マトリクス中で可塑剤として働か
せることができるため、脆性(クラック発生)を改良し
て、より透明性、成膜性、均質性に優れた光導波路にす
ることができる。
【0048】また、この場合、フッ素化相溶性分子の反
応性基とフッ素化高分子マトリクス中の反応性基とを反
応させて、化学結合により固定化することが好ましい。
このようにすると、ドープされたフッ素化相溶性分子が
フッ素化高分子マトリクス中で拡散しないため、熱環境
下でも一定の組成を保つことができ、経時安定性の高い
優れた高分子光導波路を得ることができる。さらに、コ
ア層31における断面の外側のフッ素濃度が高まるの
で、その部分において低屈折率となり、クラッド−コア
における屈折率差を大きくすることができ、光の伝搬性
をよくすることができる。なお、フッ素濃度とは、フッ
素原子の密度をいい、単位体積当たりのフッ素原子の数
をいう(フッ素数/cm3)。
【0049】低屈折率化分子としては、可塑化効果を有
するアルキル基、アルコキシ基、エステル基、カーボネ
ート基などを有する分子を選択することが好ましい。
【0050】上記の可塑化作用を有する低屈折率化分子
が化学結合で固定化される挙動は、ちょうど外部可塑化
された高分子組成物が固定化反応により「内部可塑化」
されることを意味しており、高分子中のソフトセグメン
トとなって好適な機械特性と光学特性を与える働きをす
る。
【0051】コア層31を構成する、フッ素を含むフッ
素化高分子材料(フッ素化高分子マトリクス)として
は、(i)フッ素化ポリイミド、(ii)フッ素化ポリメ
チルメタアクリレート系樹脂、(iii)フッ素化ポリシ
ロキサンなどがある。
【0052】(i) フッ素化高分子マトリクスとし
て、フッ素化ポリイミドを用いる場合、フッ素化相溶性
分子として次の(1)〜(3)のいずれかより選ばれた
ビニルピロリドン骨格含有化合物のフッ化物を用いるの
が好ましい。
【0053】(1)ポリビニルピロリドン (2)(メチルメタクリレート−ビニルピロリドン)共
重合体 (3)ポリメチルメタクリレートと(メチルメタクリレ
ート−ビニルピロリドン)共重合体の組成物 ビニルピロリドン骨格含有化合物は、ポリイミドに対し
て相溶性が高いため、同様にそのフッ化物もフッ素化ポ
リイミドに対して相溶性が高く優れたドーパントとな
る。
【0054】一般に、ポリイミドは、分子拡散性の小さ
い固体膜の熱縮合重合によってイミド構造に架橋される
ため、固体膜中に縮合重合できなかった未反応基が多く
残存するという欠点があるが、フッ素化ポリイミドも同
様の硬化反応をするため、固体膜中に未反応のCOOH
基及び−NH−基が多く残存する。従って、これら未反
応基とフッ素化されたビニルピロリドン骨格含有化合物
とを反応させて、化学結合で固定化された高分子光導波
路を得る。
【0055】(ii) フッ素化高分子マトリクスとし
て、フッ素化ポリメチルメタアクリレート系樹脂を用い
る場合、フッ素化相溶性分子として第三級フルオロメチ
ル基を有する有機化合物を用いるのが好ましい。フッ素
化ポリメチルメタアクリレートに第三級フルオロメチル
基を有する有機化合物が添加されることにより構造の歪
みが減るとともに、無定形性が増して、いっそう透明性
が高く屈折率の低い優れた光学樹脂を構成できる。フッ
素化ポリメチルメタアクリレート系樹脂は一部のエステ
ルを加水分解すれば高分子マトリクス中に反応性官能基
COOH基が得られるため、これを固定化反応に利用で
きる。
【0056】第三級フルオロメチル基を有する有機化合
物としては、OH基、エポキシ基、イソシアネート基の
いずれかを有するものが好ましく、フッ素化ポリメチル
メタアクリレート系樹脂中の前記未反応カルボキシル基
と反応してエステル結合やウレタン結合やエポキシ硬化
結合などを形成して固定化される。
【0057】(iii) フッ素化高分子マトリクスとし
て、フッ素化ポリシロキサンを用いる場合、フッ素化相
溶性分子として第三級フルオロメチル基を有するシロキ
サン骨格化合物を用いるのが好ましい。フッ素化ポリシ
ロキサンに第三級フルオロメチル基を有するシロキサン
骨格化合物が添加されることにより、構造の歪みが減る
と共に無定形性が増し、いっそう透明性が高く屈折率の
低い優れた光学樹脂にすることができる。
【0058】シリコーン樹脂に代表されるポリシロキサ
ンは、これ自身でも透明であり、そして、メチル基、フ
ェニル基などの置換基をフッ素化したフッ素化ポリシロ
キサンはさらに屈折率が低下した優れた光学樹脂であ
る。これにさらに第三級フルオロメチル基を有するシロ
キサン骨格化合物を偏在分布させて、本実施形態のフッ
素化高分子マトリクスは構成される。光導波路に必要と
される赤外域の透明度をさらに高くするために、ポリシ
ロキサン中に重水素が導入される場合もある。
【0059】また、反応性のフッ素化ポリシロキサン
は、フッ素化ポリシロキサンの有機置換基であるメチル
基やフェニル基に、OH基やCOOH基などの反応性官
能基を導入すれば容易に得ることができる。そして、エ
ステル結合やウレタン結合やアミド結合やエポキシ硬化
結合などによって高分子マトリクス中の偏在分布した前
記シロキサン骨格化合物を固定化する。
【0060】次に、図2(a)〜(d)を参照しなが
ら、本実施形態に係るプレーナー光導波路の製造方法を
説明する。なお、図2(a)および(d)は、本実施形
態の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0061】まず、表面に酸化膜(不図示)が形成され
たシリコンからなる基板11を用意した後、図2(a)
に示すように、その基板11上に、低屈折率化分子とし
ての3M3FSiと、ポリジ(トリフッ化フェニル)シ
ロキサンとを1:1の重量比で含有するフルオロトルエ
ン溶液をキャストして、下側ドーパント層21を形成す
る。下側ドーパント層21の厚さは、例えば、10μm
である。
【0062】次に、図2(b)に示すように、下側ドー
パント層21の上に、ポリジ(フッ化フェニル)シロキ
サン薄膜を形成し、次いで、酸素プラズマによるエッチ
ングを施して、光導波路コアとなる断面が四角形のコア
層31を形成する。
【0063】次に、図2(c)に示すように、コア層3
1を覆うように、コア層31及び下側ドーパント層21
の上に、上側ドーパント層41を形成する。上側ドーパ
ント層41の形成は、下側ドーパント層21と同じフル
オロトルエン溶液を用いて実行する。すなわち、低屈折
率化分子としての3M3FSiと、ポリジ(トリフッ化
フェニル)シロキサンとを1:1の重量比で含有する下
側ドーパント層21と同じフルオロトルエン溶液を用い
て、上側ドーパント層41を形成する。
【0064】次に、図2(d)に示すように、下側ドー
パント層21及び上側ドーパント層41に含有する、低
屈折率化分子である3M3FSiをコア層31に移行
(ドーピング)して偏在分布する。このドーピングは、
例えば150℃の温度で熱処理することにより行われ
る。
【0065】このとき、下側ドーパント層21及び上側
ドーパント層41における3M3FSiは、コア層31
の外側、即ち、下側ドーパント層21及び上側ドーパン
ト層41に近い部分から移行(ドーピング)していくた
め、下側ドーパント層21及び上側ドーパント層41に
近い部分ほど高濃度に偏在分布する。特に、四角形の角
部ほど高濃度に偏在分布するため、コア層31は、その
光導波路としての断面は実質的に円形となり、グレーデ
ッド型の光導波路となる。なお、コア層31に光を導波
し、コア層31の端面から観察すると、コア層31の中
心(四角形の重心)を中心としてほぼ円形に光ってい
た。さらに、光導波特性を測定すると、SN比の高いコ
ヒーレントな光伝送が行えていることがわかった。
【0066】また、3M3FSiをコア層31に移行後
に、さらにコア層31を電子線照射により硬化処理し、
ドーパント分子である3M3FSiを固定化することに
より、さらに安定なグレーデッド型の光導波路を得るこ
とができる。これは、コア層31のマトリクス内にドー
プした3M3FSiの反応性基と、コア層31の反応性
基とを互いに化学結合により固定することができるから
である。この場合、電子線照射したコア層31の光導波
路は、電子線照射しないものに比べて、経時変化が約1
/12に小さくなる。なお、第1の実施形態では、電子
線照射により固定化したが、コア層31及び低屈折率化
分子の材料によっては、紫外線、プラズマ、又は熱によ
り固定化する方法を採用することもできる。
【0067】(第2の実施形態)以下、図3を参照しな
がら、第2の実施形態に係るプレーナー光導波路を説明
する。なお、図3は、本実施形態に係るプレーナー光導
波路の断面構成を模式的に示している。なお、説明の簡
潔化を図るため、上記第1の実施形態と同様の説明につ
いては、省略または簡略化する。
【0068】本実施形態のプレーナー光導波路において
は、酸化膜(図示せず)が形成されたシリコンからなる
基板12上に、低屈折率化分子をコア層に移行するため
の下側ドーパント層(第1のドーパント層)22が形成
されている。下側ドーパント層22の厚さは、例えば1
0μmである。
【0069】下側ドーパント層22上には、断面が四角
形の光導波路コアとなるコア層32が形成されている。
コア層32は、ポリジ(フッ化フェニル)シロキサンか
らなり、低屈折率化分子として(トリフルオロメチルメ
タクリレート−ビニルピロリドン(重量濃度=3:
1))共重合オリゴマー(3FMMA−VPY)を含有
している。その3FMMA−VPYは、コア層32の断
面の重心から断面の周囲(外側)に向かって外側ほど高
濃度に偏在して分布している。なお、図3では、コア層
32におけるこの分布の様子を、等濃度線で表してい
る。図3に示すように、等濃度線は、重心に向かうほど
円形に近い形状(略円形状)となり、外側になるほど断
面形状に近い円形となっていることがわかる。
【0070】そして、コア層32を覆うように、下側ド
ーパント層22の上には、低屈折率化分子をコア層に移
行する上側ドーパント層(第2のドーパント層)42が
形成されている。
【0071】次に、図4(a)〜(d)を参照しなが
ら、本実施形態に係るプレーナー光導波路の製造方法を
説明する。なお、図4(a)〜(d)は、本実施形態の
製造方法を説明するための工程断面図である。
【0072】まず、図4(a)に示すように、酸化膜を
形成した(不図示)シリコンからなる基板12上に、膜
厚が例えば10μmの下側ドーパント層22を形成す
る。下側ドーパント層22は、低屈折率化分子として3
FMMA−VPYと、ポリジ(トリフッ化フェニル)シ
ロキサンとを1:1の重量比で含有するN−メチルピロ
リドン溶液をキャストして形成する。
【0073】次に、図4(b)に示すように、下側ドー
パント層22の上に、(6FDA−ODA)ポリアミド
酸のジメチルアセトアミド(DMAc)溶液を塗布し、
次いで、250度の温度で1時間の熱処理を施してフッ
素化ポリイミド膜を形成する。その後、酸素プラズマに
よるエッチングを施して、光導波路となる断面が四角形
のコア層32を形成する。ここで、6FDAとは、2,
2’−bis(3,4−dicarboxypheny
l)hexafluoropanedianhtdri
deであり、ODAは、4,4’−oxydianil
ineである。
【0074】次に、図4(c)に示すように、コア層3
2を覆うように、下側ドーパント層22の上に、上側ド
ーパント層42を形成する。上側ドーパント層42は、
下側ドーパント層22と同様のN−メチルピロリドン溶
液を用いて形成される。すなわち、低屈折率化分子とし
て3FMMA−VPYと、ポリジ(トリフッ化フェニ
ル)シロキサンとを1:1の重量比で含有するN−メチ
ルピロリドン溶液を用いて形成される。
【0075】次に、図4(d)に示すように、下側ドー
パント層22及び上側ドーパント層42に含有する低屈
折率化分子である3FMMA−VPYを、コア層32に
移行(ドーピング)して偏在分布する。これは、140
℃の温度で熱処理することにより行われる。
【0076】このとき、3FMMA−VPYは、コア層
32の外側、即ち、下側ドーパント層22及び上側ドー
パント層42に近い部分から移行するため、下側ドーパ
ント層22及び上側ドーパント層42に近い部分ほど高
濃度に偏在分布する。特に、矩形状の角部ほど高濃度に
偏在分布するため、コア層32は、その光導波路として
の断面は実質的に円形となり、グレーデッド型の光導波
路となる。なお、コア層32に光を導波し、コア層32
の端面から観察すると、コア層32の中心(四角形の重
心)を中心としてほぼ円形に光っていた。さらに、光導
波特性を測定すると、SN比の高いコヒーレントな光伝
送が行えていることがわかった。
【0077】また、3FMMA−VPYをコア層32に
移行後に、さらにコア層32を紫外線照射により架橋処
理して3FMMA−VPYを固定化することにより、さ
らに安定なグレーデッド型の光導波路を得ることができ
る。これは、コア層32のマトリクス内にドープした3
FMMA−VPYの反応性基とコア層32の反応性基と
が互いに化学結合により固定することができるからであ
る。この場合、紫外線照射したコア層32の光導波路
は、紫外線照射しないものに比べて、経時変化が約1/
9に小さくなる。
【0078】上記第1および第2の実施形態に係るプレ
ーナー光導波路は、基板上に形成された光導波路コア中
の周縁部に低屈折率化分子を有するものである。これに
より、光導波路コアにおいて屈折率差を有する光導波路
を形成でき、グレーデッド型のプレーナー光導波路を得
ることができる。
【0079】特に、今後の高速、高容量通信として期待
の高い波長多重光通信(WDM)用の光導波路として
は、グレーデッド型の光導波路が適しており、これらの
プレーナー光導波路は、波長多重用光導波路を構成する
のに極めて有用である。
【0080】また、上述した実施形態のプレーナー光導
波路の製造方法は、基板上に低屈折率化分子を含有する
ドーパント層を形成し、当該ドーパント層の上に光導波
路コアを形成し、その後加熱処理するものである。した
がって、加熱処理することにより、ドーパント層の低屈
折率化分子が光導波路コアに移行し、光導波路コアにお
いて実質的に円形の光導波路を形成できる。また、既存
の設備を用いて、容易に製造することもできる。
【0081】(第3の実施形態)次に、第3の実施形態
に係る高分子導波路を説明する。ここで、第3の実施形
態に係る高分子光導波路を説明する前提として、上述し
た実施形態と重複する内容もあるが、本実施形態の高分
子導波路に共通する要素をまず先に説明する。
【0082】上記第1および第2の実施形態と同様に、
第3の実施形態におけるコア層も、フッ素化高分子材料
(フッ素化高分子マトリクス)から構成されている。例
えば、フッ素化ポリイミド、フッ素化ポリメタクリレー
ト、またはフッ素化ポリシロキサンのいずれかの材料か
ら構成されている。
【0083】フッ素化高分子マトリクスには、フッ素化
高分子マトリクスよりも高いフッ素濃度を有するフッ素
化相溶性分子が添加(ドーピング)されて、フッ素化高
分子マトリクスは、高分子組成物を構成する。ここで、
高分子組成物とは、添加されたフッ素化相溶性分子が高
分子マトリクス中における分子化合物とはなっていない
ものの、フッ素化相溶性分子が高分子マトリクス中に取
り込まれて、高分子マトリクスと一体として振る舞うよ
うな全体を指して、高分子組成物と呼んでいる。ただ
し、フッ素化相溶性分子が高分子マトリクス中で分子化
合物となっている場合を高分子組成物の意味から排除す
るものではない。また、ここで、「フッ素濃度」とはフ
ッ素原子の密度をいい、単位体積当たりのフッ素の数と
する(F数/cm3)。
【0084】フッ素化相溶性分子は、母体となるフッ素
化高分子マトリクスに入り込み、フッ素化マトリクス中
でゲル状の可塑剤のような作用をする分子である。この
作用により、フッ素化相溶性分子を添加されたフッ素化
高分子マトリクス(高分子組成物)は、固溶体を形成し
無定形な分子凝集体を形成することになる。従って、光
に対して光学分散を持たない均一透明性を有する優れた
光導波路となる。また、フッ素濃度が高くなった部分に
おける光導波路の屈折率をも低くすることができる。
【0085】また、高分子導波路におけるフッ素化相溶
性分子の反応性基とフッ素化高分子マトリクスの反応性
基とを反応させて化学結合で固定化することにより、フ
ッ素化相溶性分子がフッ素化高分子マトリクスに固定化
されるので、熱によってフッ素化相溶性分子が拡散せ
ず、熱環境下でも一定の組成を保つことができ、経時安
定性の高い高分子光導波路が得られる。
【0086】また、フッ素化高分子マトリクス中に添加
されたフッ素化相溶性分子光導波路の断面において外側
ほど高濃度に偏在分布させることにより、フッ素濃度が
大きくなった部分ほど低屈折率となり、屈折率分布型
(グレーデッド型)の光導波路を構成することができ
る。このとき、フッ素化相溶性分子を液相や気相に添加
することによって容易に外側ほど高濃度に偏在分布させ
ることができる。
【0087】なお、フッ素化高分子マトリクスの具体的
な材料として、トリフルオロメチル基を導入したフッ素
化ポリメタクリレート系樹脂、ジ(トリフルオロ)イソ
プロピレン基を導入したフッ素化ポリイミド等が知られ
ている。しかし、バルキーで立体障害を起こすようなフ
ッ素置換基でないほうが好ましく、テトラフルオロフェ
ニレン基やポリフルオロアルキル基やポリフルオロアル
コキシ基などの導入したものが好ましい。
【0088】また、フッ素化相溶性分子としては、可塑
化効果を有するポリフルオロアルキル基、ポリフルオロ
アルコキシ基、エステル基、あるいはカーボネート基等
を有する相溶性の良い分子を用いる。これにより、ドー
ピングされたフッ素化相溶性分子が可塑剤として働き、
フッ素化高分子マトリクスにおけるクラック発生を防
ぎ、より透明性、成膜性、均質性に優れた高分子光導波
路を形成する。
【0089】以下、第3の実施形態に係る高分子導波路
をより具体的に説明する。 <第1の構成>本実施形態では、フッ素化高分子マトリ
クスをフッ素化ポリイミドとし、フッ素化相溶性分子
を、次の(1)〜(3)のいずれかより選ばれたビニル
ピロリドン骨格含有化合物のフッ化物とする。
【0090】(1)ポリビニルピロリドン (2)(メチルメタクリレートビニルピロリドン)共重
合体 (3)ポリメチルメタクリレートと(メチルメタクリレ
ートビニルピロリドン)共重合体の組成物 ビニルピロリドン骨格含有化合物は、ポリイミドに対し
て相溶性が高いため、同様にそのフッ化物もフッ素化ポ
リイミドに対して相溶性が高く優れたドーパントとな
る。
【0091】また、上記(2)の(メチルメタクリレー
トビニルピロリドン)共重合体は、透明性の高い無定形
のメチルメタクリレート(MMA)とビニルピロリドン
との共重合体であり、ビニル基により共重合体を形成す
るので、透明度と相溶性に優れる樹脂が得られる。
【0092】なお、一般に、ポリイミドは分子拡散性の
小さい固体膜の熱縮合重合によってイミド構造に架橋さ
れるため、固体膜中に縮合重合できなかった未反応基が
多く残存するという欠点がある。上記フッ素化ポリイミ
ドも同様の硬化反応をするため、固体膜中に未反応のC
OOH基及びNH基が多く残存する。本実施形態では、
これらの残存基と上記のフッ素化されたビニルピロリド
ン骨格含有化合物とを反応させて、化学結合で固定化さ
れた高分子光導波路を得るものである。
【0093】ポリイミドを形成する前駆体(プレポリマ
ー)であるポリアミド酸の溶剤には、N−メチルアセト
アミドやN−メチルピロリドンなどの高沸点溶剤を用い
ることが好ましい。さらには、これらの溶液中にフッ素
化ポリイミドよりなる光導波路を浸漬してドーピングす
れば、断面の外側ほど高濃度に偏在分布させることがで
き、屈折率分布型の高分子光導波路が容易に得られる。
【0094】なお、上記(3)は、上記の(2)の共重
合体とMMAとの混合組成物であり上記(2)の材料の
変形である。 <第2の構成>次に、上記の構成とは異なり、フッ素化
高分子マトリクスをフッ素化ポリメチルメタクリレート
(フッ素化PMMA)系樹脂とし、フッ素化相溶性分子
を第三級フルオロメチル基を有する有機化合物とした構
成について説明する。
【0095】この構成の場合、フッ素化PMMAに第三
級フルオロメチル基を有する有機化合物が添加されるこ
とにより、構造の歪みが減ると共に無定形性が増し、い
っそう透明性が高く屈折率の低い優れた光学樹脂を構成
できる。
【0096】ポリメチルメタクリレート(PMMA:P
oly Methyl meta−acrylate)
(「ポリメチルメタアクリレート」ともいう)はこれ自
身でも透明度が高く、フッ素化PMMAはさらに屈折率
が低下した優れた光学樹脂である。本実施形態では、こ
れにさらに第三級フルオロメチル基を有する有機化合物
が添加されることにより、さらに透明で屈折率の低い高
分子組成物が構成できる。なお、PMMAは一部のエス
テルを加水分解すれば高分子マトリクス中に反応性官能
基COOH基が得られるため、これを固定化反応に利用
できる。
【0097】なお、第三級フルオロメチル基を有する有
機化合物が、OH基、エポキシ基、イソシアネート基の
いずれかを有し、フッ素化PMMA系樹脂中の未反応カ
ルボキシル基と反応して化学結合を形成することによ
り、エステル結合やウレタン結合やエポキシ硬化結合な
どを形成してフッ素化相溶性分子が固定化される。 <第3の構成>次に、フッ素化高分子マトリクスをフッ
素化ポリシロキサンとし、フッ素化相溶性分子を第三級
フルオロメチル基を有するシロキサン骨格化合物とした
構成について説明する。この構成の場合、フッ素化ポリ
シロキサンに第三級フルオロメチル基を有するシロキサ
ン骨格化合物が添加されることにより、構造の歪みが減
ると共に無定形性が増し、いっそう透明性が高く屈折率
の低い優れた光学樹脂を構成できる。
【0098】シリコーン樹脂に代表されるポリシロキサ
ンはこれ自身でも透明で、メチル基、フェニル基などの
置換基をフッ素化したフッ素化ポリシロキサンはさらに
屈折率が低下した優れた光学樹脂であるが、第3の実施
形態では、さらに第三級フルオロメチル基を有するシロ
キサン骨格化合物が添加されることにより、さらに透明
で屈折率の低い高分子組成物が構成できる。
【0099】なお、反応性のフッ素化ポリシロキサン
は、フッ素化ポリシロキサンの有機置換基であるメチル
基やフェニル基にOH基やCOOH基などの反応性官能
基を導入すれば容易に得られる。さらに、光導波路に必
要とされる赤外域の透明度をさらに高くするために、ポ
リシロキサン中に重水素が導入される場合もある。
【0100】また、シロキサン骨格化合物としては、低
分子量のフッ素化シロキサンオリゴマーなどを用いる場
合もある。なお、シロキサン骨格化合物が、Si−OH
基、Si−Cl基のいずれかを有し、フッ素化ポリシロ
キサン中の反応性基と反応して化学結合を形成して固定
化することにより、エステル結合やウレタン結合やアミ
ド結合やエポキシ硬化結合などが形成されてシロキサン
骨格化合物を固定化できる。これにより製造された高分
子光導波路は、フッ素化シランカップラーなども利用で
きる。 <第4の構成>次に、フッ素化高分子マトリクス中に、
フッ素化相溶性基と、活性水素を有する非相溶性基とを
共に有する有機化合物を2重量%以下で添加した構成に
ついて説明する。
【0101】有機化合物は、2重量%以下と添加量は少
ないものの、上記2種の官能基の性質によってフッ素化
高分子マトリクスよりなる光導波路断面の表面付近に偏
在して表面から活性水素を有する非相溶性基が顔を出
し、その活性水素によって光導波路の表面に接着性が付
与される。この接着性によって、光導波モジュールのコ
ア−クラッド間、クラッド−基板間、クラッド−電極バ
ンプ間などの界面接着性が高められ、信頼性の高い素子
が構成できる。また、添加量を2重量%以下とするの
で、光導波特性への影響は少ない。なお、非相溶性基と
は、他の分子とブレンドしにくい性質を持つ基をいう。
この非相溶性基に、特定の機能(ここでは、活性水素の
接着性)を付与することにより、その分子の表面に特定
の機能を持たすことができる。この例では、活性水素を
有する非相溶性基によって、分子の表面に接着性を持た
している。
【0102】なお、フッ素化相溶性基として、−CF1
320基、=CF2基、−Cnm2n-m+1基(n≧
1、2n≧m≧1)、−Cnm2n-m基(n≧1、2n
≧m≧1)、−C6m6-m基(5≧m≧1)から1種
選択し、活性水素を有する非相溶性基として、−CON
2基、−NH3基、−OH基、−COOH基より1種選
択した有機化合物とする。このような有機化合物の場
合、2重量%以下の少ない量の添加で表面接着性に優れ
る高分子光導波路が得られる。 <製造方法>次に、本実施形態にかかる高分子導波路の
製造方法を説明する。図5(a)〜(d)は、本実施形
態におけるグレーデッド型のプレーナー型高分子導波路
についての工程断面図である。
【0103】まず、図5(a)に示すように、シリコン
基板10上に形成された酸化膜20の上に(6FDA−
ODA)ポリアミド酸のジメチルアセトアミド(DMA
c)溶液をキャストして成膜し、160℃の温度で1時
間乾燥後、250℃の温度で1時間硬化処理して透明な
フッ素化高分子マトリクスであるフッ素化ポリイミド膜
30を形成する。ここで、6FDAは2,2’−bis
(3,4−dicarboxyphenyl)hexa
fluoropropanedianhydride
で、ODAは4,4’−oxydianilineであ
る。酸化膜20の厚さは、例えば、1〜10μmであ
り、フッ素化ポリイミド膜30の厚さは、例えば、50
〜200μmである。
【0104】次に、図5(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィとエッチングにより、フッ素化ポリイミド膜
30を断面の一辺が例えば45μmの矩形状の光導波路
40に形成する。
【0105】次に、図5(c)に示すように、この光導
波路が形成されたシリコン基板10を、フッ素化ポリイ
ミド膜30よりもフッ素濃度の高いフッ素化相溶性分子
である(トリフルオロメチルメタクリレートビニルピロ
リドン(3:1))共重合オリゴマーのN−メチルピロ
リドン溶液中に浸漬し、そして、表面を少し膨潤させて
その共重合オリゴマーを添加(ドーピング)する。図5
(c)中、光導波路40における斜線部が添加された部
分である。なお、このときドーピングされた光導波路4
0に電子線を照射し、主としてビニル部分を架橋するこ
とによりオリゴマーを固定してもよい。
【0106】次に、図5(d)に示すように、光導波路
40上に(6FDA−TFDB)ポリアミド酸のジメチ
ルアセトアミド(DMAc)溶液をキャストして成膜
し、160℃の温度で1時間乾燥後、250℃の温度で
1時間硬化処理して透明なフッ素化ポリイミド膜よりな
る上側クラッド層50を形成する。ここで、TFDB
は、2,2’−bis(trifluoromethy
l)9−4,4’−diaminobiphenylで
ある。なお、上側クラッド層50の厚さは、例えば、1
0〜100μmである。
【0107】この製造された光導波路の断面形状は矩形
であるが、その矩形の角の部分にフッ素濃度の高い共重
合オリゴマーが多くドープされて屈折率が大きく低下す
るため、光導波断面は実質的に円形に近くなる。
【0108】次に、図6(a)〜(c)を参照しなが
ら、本実施形態におけるグレーデッド型のプレーナー型
高分子導波路の他の製造方法を説明する。図6(a)〜
(c)は、その高分子導波路の工程断面図である。
【0109】まず、図6(a)に示すように、シリコン
基板10上に形成された酸化膜20の上に、ポリジフッ
化フェニルシロキサンのフルオロトルエン溶液をキャス
トして成膜し、160℃の温度で1時間乾燥後、フッ素
化高分子マトリクスであるフッ素化ポリシロキサン膜3
5を形成する。フッ素化ポリシロキサン膜35の厚さ
は、例えば、20〜50μmである。
【0110】次に、図6(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィとエッチングにより、フッ素化ポリシロキサ
ン膜35を断面の一辺が例えば15μmの矩形状の光導
波路41に形成する。
【0111】次に、図6(c)に示すように、この光導
波路45が形成されたシリコン基板10を、フッ素化ポ
リシロキサン膜35よりもフッ素濃度の高いフッ素化相
溶性分子であるメチル(トリフルオロメチル)シロキサ
ン3量体のフルオロトルエン溶液中に浸漬し、そして、
表面を少し膨潤させてそのメチル(トリフルオロメチ
ル)シロキサン3量体を添加(ドーピング)して、それ
により、グレーデッド型の光導波路45を得る。図6
(c)中、光導波路45における斜線部が添加された部
分である。
【0112】なお、この後、前述のように光導波路45
を覆うように上側クラッド層を形成してもよい。
【0113】この製造された光導波路の断面形状は矩形
であるが、その矩形の角の部分にフッ素濃度の高い共重
合オリゴマーが多くドープされて屈折率が大きく低下す
るため、光導波断面は実質的に円形に近くなる。
【0114】また、メチル(トリフルオロメチル)シロ
キサン3量体をドーピング後に、電子線で硬化処理して
ドーパント分子を反応固定化する。これにより、安定な
グレーデッド型の光導波路を得ることができ、電子線で
硬化処理した光導波路は、電子線で硬化処理しない光導
波路に比べて、経時変化が約1/12に小さくなった。
【0115】次に、図7(a)〜(d)を参照しなが
ら、本実施形態におけるステップ型のプレーナー型高分
子導波路の製造方法を説明する。図7(a)〜(d)
は、その高分子導波路の工程断面図である。
【0116】まず、図7(a)に示すように、シリコン
基板10上に形成された酸化膜20の上に(6FDA−
ODA)ポリアミド酸のジメチルアセトアミド(DMA
c)溶液をキャストして成膜し、160℃の温度で1時
間乾燥後、250℃の温度で1時間硬化処理して透明な
フッ素化ポリイミド膜よりなる下側クラッド層62を形
成する。
【0117】次に、図7(b)に示すように、(6FD
A−ODA)ポリアミド酸のジメチルアセトアミド(D
MAc)溶液と(トリフルオロメチルメタクリレートビ
ニルピロリドン(3:1)共重合オリゴマーのN−メチ
ルピロリドン溶液との混合液を、キャストして成膜し、
160℃の温度で1時間乾燥後、フッ素化高分子マトリ
クスであるフッ素化ポリイミド膜36を形成する。フッ
素化ポリイミド膜36の厚さは、例えば、20〜50μ
mである。
【0118】次に、図7(c)に示すように、フォトリ
ソグラフィとエッチングにより、フッ素化ポリイミド膜
36を断面の一辺が例えば15μmの矩形状のコア層と
なる光導波路46を形成する。
【0119】次に、図7(d)に示すように、光導波路
46上に(6FDA−TFDB)ポリアミド酸のジメチ
ルアセトアミド(DMAc)溶液をキャストして成膜
し、160℃の温度で1時間乾燥後、250℃の温度で
1時間硬化処理して透明なフッ素化ポリイミド膜よりな
る上側クラッド層56を形成する。
【0120】なお、(6FDA−ODA)ポリアミド酸
のジメチルアセトアミド(DMAc)溶液と(トリフル
オロメチルメタクリレートビニルピロリドン(3:
1))共重合オリゴマーのN−メチルピロリドン溶液と
の混合液に、さらに2,2’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを固形分の1%
加える。
【0121】これにより得られた光導波路は、コア−ク
ラッド界面の接着性が良く、安定した光導波特性が得ら
れる。
【0122】本実施形態によれば、フッ素化高分子マト
リクスに、そのフッ素化高分子マトリクスよりも高いフ
ッ素濃度を有するフッ素化相溶性分子を添加して高分子
光導波路を構成するので、フッ素化高分子マトリクス中
に、フッ素化相溶性分子が入って、フッ素化相溶性分子
がマトリクス中で可塑剤のような働きをして、固溶体を
形成し無定形な分子凝集体を形成することになる。従っ
て、光に対して光学分散を持たない均一透明性、光伝搬
性などに優れた高分子の光導波路を得ることができる。
【0123】以上、本発明を好適な実施形態により説明
してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、
種々の改変が可能である。
【0124】
【発明の効果】本発明によると、低屈折率化分子を含有
するドーパント層が光導波路コアの周辺に設けられてお
り、ドーパント層に含有されていた低屈折率化分子が、
光導波路コアの外側かつ角部ほど高濃度で、光導波路コ
アに偏在分布してので、容易なプロセスで実質的に円形
断面を有するプレーナー光導波路を実現することができ
る。また、本発明の高分子光導波路は、フッ素化ポリイ
ミド、フッ素化ポリメタクリレート、およびフッ素化ポ
リシロキサンからなる群から選択される少なくとも一種
のフッ素化高分子材料に、前記フッ素化高分子材料より
もフッ素濃度が高いフッ素化相溶性分子が添加された高
分子組成物から構成されているので、光導波路の均一透
明性が向上し、そして、耐久性、接着性などに優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態に係るプレーナー
光導波路の断面図である。
【図2】(a)から(d)は、第1の実施形態に係るプ
レーナー光導波路の製造方法を説明するための工程断面
図である。
【図3】本発明による第2の実施形態に係るプレーナー
光導波路の断面図である。
【図4】(a)から(d)は、第2の実施形態に係るプ
レーナー光導波路の製造方法を説明するための工程断面
図である。
【図5】(a)から(d)は、第3の実施形態に係るグ
レーデッド型のプレーナー型高分子導波路の製造方法を
説明するための工程断面図である。
【図6】(a)から(c)は、第3の実施形態に係るグ
レーデッド型のプレーナー型高分子導波路の製造方法を
説明するための工程断面図である。
【図7】(a)から(d)は、第3の実施形態に係るス
テップ型のプレーナー型高分子導波路の製造方法を説明
するための工程断面図である。
【図8】従来のプレーナー光導波路の断面図
【符号の説明】
10、11、12 基板(シリコン基板) 20 酸化膜 21、22 下側ドーパント層 31、32 コア層 30、36 フッ素化ポリイミド膜 35 フッ素化ポリシロキサン膜 40、45、46 光導波路 41、42 上側ドーパント層 50、52 上側クラッド層 62 下側クラッド層 100、101 基板 200、201 下側クラッド層 300、301 コア層 400、401 上側クラッド層

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された積層膜と、 前記積層膜中に形成された光導波路コアとを備えたプレ
    ーナー光導波路であって、 前記光導波路コアの断面は、略四角形であり、 前記略四角形の断面を有する前記光導波路コアの周辺に
    は、低屈折率化分子を含有するドーパント層が設けられ
    ており、 前記ドーパント層に含有されていた前記低屈折率化分子
    は、前記光導波路コアの外側かつ角部ほど高濃度で、前
    記光導波路コアに偏在分布しており、それによって、グ
    レーデッド型光導波路が構成されている、プレーナー光
    導波路。
  2. 【請求項2】 前記ドーパント層は、前記基板上に形成
    されており、 前記ドーパント層上に、前記光導波路コアが形成されて
    いる、請求項1に記載のプレーナー光導波路。
  3. 【請求項3】 前記ドーパント層は、前記光導波路コア
    の上側に形成されている、請求項1に記載のプレーナー
    光導波路。
  4. 【請求項4】 前記光導波路コアは、高分子材料から構
    成されており、 前記低屈折率化分子は、前記高分子材料よりもフッ素濃
    度が高いフッ素化相溶性分子から構成されており、 前記フッ素化相溶性分子は、前記高分子材料が有する反
    応性基と反応して化学結合で固定化されている、請求項
    1から3の何れか一つに記載のプレーナー光導波路。
  5. 【請求項5】 前記高分子材料は、フッ素化ポリイミ
    ド、フッ素化ポリシロキサン、フッ素化ポリメタアクリ
    レート系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種
    のフッ素化高分子材料であり、 前記低屈折率化分子は、前記フッ素化高分子材料よりも
    フッ素濃度が高いフッ素化相溶性分子から構成されてい
    る、請求項4に記載のプレーナー光導波路。
  6. 【請求項6】 (a)基板上に、低屈折率化分子を含有
    する第1のドーパント層を形成する工程と、 (b)前記基板上に、光導波コアとなる薄膜を形成し、
    次いで、前記薄膜をエッチングして、断面が略四角形の
    光導波コアを形成する工程と、 (c)断面が略四角形の前記光導波コアの上側に、低屈
    折率化分子を含有する第2のドーパント層を形成する工
    程と、 (d)前記第1および第2のドーパント層から、前記略
    四角形の光導波コア中に前記低屈折率化分子をドーピン
    グすることによって、前記四角形の光導波コアの外側か
    つ角部ほど、前記低屈折率化分子を高濃度に偏在分布さ
    せる工程とを包含する、プレーナー光導波路の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記工程(d)は、熱処理工程を含む、
    請求項6に記載のプレーナー光導波路の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記低屈折率化分子は、フッ素化相溶性
    分子であり、 紫外線処理、電子線処理、プラズマ処理および熱処理か
    らなる群から選択された少なくとも一種の処理により、
    前記光導波コアを構成する高分子材料と、ドーピングさ
    れた前記低屈折率化分子である前記フッ素化相溶性分子
    が有する反応性基とを反応させて、両者を化学結合で固
    体化させる工程を実行する、請求項6または7に記載の
    プレーナー光導波路の製造方法。
  9. 【請求項9】 光導波路コアを有するプレーナー光導波
    路であって、 前記光導波路コアは、基板上に形成されており、 前記光導波路コアの周辺には、低屈折率化分子を有する
    低屈折率層が形成されており、 前記光導波路コアは、その周縁部に前記低屈折率化分子
    を含有している、プレーナー光導波路。
  10. 【請求項10】 前記低屈折率化分子は、前記光導波路
    コアの外側ほど高濃度に分布している、請求項9に記載
    のプレーナー光導波路。
  11. 【請求項11】 基板上に、低屈折率化分子を含有する
    ドーパント層を形成する工程と、 前記ドーパント層の上に光導波路コアを形成し、その
    後、加熱処理をする工程とを包含する、プレーナー光導
    波路の製造方法。
  12. 【請求項12】 基板上に、光導波路コアを形成する工
    程と、 前記光導波路コアの周辺に、低屈折率化分子を含有する
    ドーパント層を形成し、その後、加熱処理をする工程と
    を包含する、プレーナー光導波路の製造方法。
  13. 【請求項13】 基板上に、低屈折率化分子を含有する
    第1のドーパント層を形成する工程と、 前記第1のドーパント層の上に光導波路コアを形成する
    工程と、 前記光導波路コアを覆うように、前記第1のドーパント
    層上に、低屈折率化分子を含有する第2のドーパント層
    を形成し、その後、加熱処理をする工程とを包含する、
    プレーナー光導波路の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記光導波路コアの断面に、前記低屈
    折率化分子の等濃度線が略円形状となるように加熱す
    る、請求項11から13の何れか一つに記載のプレーナ
    ー光導波路の製造方法。
  15. 【請求項15】 フッ素化ポリイミド、フッ素化ポリメ
    タクリレート、およびフッ素化ポリシロキサンからなる
    群から選択される少なくとも一種のフッ素化高分子材料
    に、前記フッ素化高分子材料よりもフッ素濃度が高いフ
    ッ素化相溶性分子が添加された高分子組成物から構成さ
    れている、高分子光導波路。
  16. 【請求項16】 前記高分子光導波路の断面の外側ほ
    ど、前記フッ素化相溶性分子が高濃度に偏在分布してい
    る、請求項15に記載の高分子光導波路。
  17. 【請求項17】 前記フッ素化相溶性分子が有する反応
    性基と、前記フッ素化高分子材料が有する反応性基とが
    反応して形成された化学結合を有する、請求項15また
    は16に記載の高分子光導波路。
  18. 【請求項18】 前記フッ素化高分子材料は、フッ素化
    ポリイミドであり、 前記フッ素化相溶性分子は、次の(1)〜(3) (1)ポリビニルピロリドン、(2)(メチルメタクリ
    レートビニルピロリドン)共重合体、および(3)ポリ
    メチルメタクリレートと(メチルメタクリレートビニル
    ピロリドン)共重合体の組成物からなる群から選択され
    る、ビニルピロリドン骨格含有化合物のフッ化物であ
    る、請求項15から17の何れか一つに記載の高分子光
    導波路。
  19. 【請求項19】 前記フッ素化高分子材料は、フッ素化
    ポリメチルメタクリレート系樹脂であり、 前記フッ素化相溶性分子は、第三級フルオロメチル基を
    有する有機化合物である、請求項15から17の何れか
    一つに記載の高分子光導波路。
  20. 【請求項20】 前記第三級フルオロメチル基を有する
    有機化合物は、OH基、エポキシ基およびイソシアネー
    ト基のうちの少なくとも1つを有し、 前記OH基、前記エポキシ基および前記イソシアネート
    基の少なくとも1つと、前記フッ素化ポリメチルメタク
    リレート系樹脂中のカルボキシル基とが反応して化学結
    合を形成し、それによって固定化されている、請求項1
    9に記載の高分子光導波路。
  21. 【請求項21】 前記フッ素化高分子材料は、フッ素化
    ポリシロキサンであり、 前記フッ素化相溶性分子は、第三級フルオロメチル基を
    有するシロキサン骨格化合物である、請求項15から1
    7の何れか一つに記載の高分子光導波路。
  22. 【請求項22】 前記フッ素化ポリシロキサンに添加さ
    れる前記シロキサン骨格化合物は、Si−OH基および
    Si−Cl基の少なくとも一方を有し、 前記Si−OH基および前記Si−Cl基の少なくとも
    一方と、前記フッ素化ポリシロキサン中の反応性基とが
    反応して形成された化学結合を有する、請求項21に記
    載の高分子光導波路。
  23. 【請求項23】 さらに、前記フッ素化相溶性基と、活
    性水素を有する非相溶性基とを共に備えた有機化合物
    が、2重量%以下で前記フッ素化高分子材料中に添加さ
    れている、請求項15に記載の高分子光導波路。
  24. 【請求項24】 前記フッ素化相溶性基は、−CF13
    20基、=CF2基、−Cnm2n-m+1基(n≧1、
    2n≧m≧1)、−Cnm2n-m基(n≧1、2n≧m
    ≧1)、および−C6m6-m基(5≧m≧1)からな
    る群から選択された少なくとも1種であり、 前記活性水素を有する非相溶性基は、−CONH2基、
    −NH3基、−OH基、および−COOH基からなる群
    から選択された少なくとも1種である、請求項23に記
    載の高分子光導波路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008242449A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Keio Gijuku ポリマー並列光導波路とその製造方法
JP2011146015A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd タッチスクリーン入力装置

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