JP2002258000A - 材料照射用液体金属ターゲット - Google Patents
材料照射用液体金属ターゲットInfo
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- JP2002258000A JP2002258000A JP2001054128A JP2001054128A JP2002258000A JP 2002258000 A JP2002258000 A JP 2002258000A JP 2001054128 A JP2001054128 A JP 2001054128A JP 2001054128 A JP2001054128 A JP 2001054128A JP 2002258000 A JP2002258000 A JP 2002258000A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】主たる課題は、核破砕反応による材料照射用液
体金属ターゲットにおいて、材料照射試験を行う際に課
題となるターゲット容器、試料の冷却性を向上させ、試
料挿入孔の密封構造の健全性を確保する。 【解決手段】前記課題は、高速に加速された陽子ビーム
を液体金属と交差させて水平方向に流し、ターゲット容
器またはターゲット容器を兼ねる配管の上部に試料挿入
孔を設け、試料を上方に引き抜いて交換することで、陽
子ビーム入射方向と液体金属の流れの方向と照射試料の
引き抜き方向を互いに交差させるよう構成することによ
って達成される。
体金属ターゲットにおいて、材料照射試験を行う際に課
題となるターゲット容器、試料の冷却性を向上させ、試
料挿入孔の密封構造の健全性を確保する。 【解決手段】前記課題は、高速に加速された陽子ビーム
を液体金属と交差させて水平方向に流し、ターゲット容
器またはターゲット容器を兼ねる配管の上部に試料挿入
孔を設け、試料を上方に引き抜いて交換することで、陽
子ビーム入射方向と液体金属の流れの方向と照射試料の
引き抜き方向を互いに交差させるよう構成することによ
って達成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギーの陽
子ビームを液体金属に照射して、核破砕反応により中性
子を発生させ、材料照射実験を行う材料照射用液体金属
ターゲットに関する。
子ビームを液体金属に照射して、核破砕反応により中性
子を発生させ、材料照射実験を行う材料照射用液体金属
ターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】高エネルギーの陽子ビームを重金属ター
ゲットに照射し、核破砕反応により中性子を発生させる
中性子源施設は、入射エネルギーに対して最も多くの中
性子を発生させることができるばかりでなく、原子炉に
比べて設備が簡素である。このため、中性子を利用する
生命科学、物質・材料研究、核物理、医療等多分野での
利用を目的として、欧州、米国、日本等世界的に大出力
化した核破砕中性子源施設の建設が計画されている。ま
た、原子炉で発生する長寿命の放射性廃棄物を核破砕反
応により短半減期の核種に変換する核変換施設も21世
紀中盤の実用化を目指して研究が進められている。
ゲットに照射し、核破砕反応により中性子を発生させる
中性子源施設は、入射エネルギーに対して最も多くの中
性子を発生させることができるばかりでなく、原子炉に
比べて設備が簡素である。このため、中性子を利用する
生命科学、物質・材料研究、核物理、医療等多分野での
利用を目的として、欧州、米国、日本等世界的に大出力
化した核破砕中性子源施設の建設が計画されている。ま
た、原子炉で発生する長寿命の放射性廃棄物を核破砕反
応により短半減期の核種に変換する核変換施設も21世
紀中盤の実用化を目指して研究が進められている。
【0003】MW級の核破砕中性子源の構造材料は、年
に100dpaを超える重照射を受けるため、材料の寿
命が短くなることが懸念される。また、大規模の加速器
中性子源では熱除去の困難からターゲット材に液体金属
を用いることが必要となるが、高温の液体金属に接する
環境下での照射と腐食の両方の影響を受ける状態での材
料特性は明らかにされていない。この点を解明すること
が世界的な開発課題となっているが、核破砕中性子源は
核融合、核分裂には無い数100MeV〜数GeVの高
エネルギー中性子を含む中性子と陽子の同時照射を受け
る特徴的な照射場であるため、材料特性を調べる照射場
にも核破砕中性子源を使わざるを得ない。
に100dpaを超える重照射を受けるため、材料の寿
命が短くなることが懸念される。また、大規模の加速器
中性子源では熱除去の困難からターゲット材に液体金属
を用いることが必要となるが、高温の液体金属に接する
環境下での照射と腐食の両方の影響を受ける状態での材
料特性は明らかにされていない。この点を解明すること
が世界的な開発課題となっているが、核破砕中性子源は
核融合、核分裂には無い数100MeV〜数GeVの高
エネルギー中性子を含む中性子と陽子の同時照射を受け
る特徴的な照射場であるため、材料特性を調べる照射場
にも核破砕中性子源を使わざるを得ない。
【0004】このような目的のために、材料照射用の中
規模の核破砕中性子源を建設する計画が日本で進められ
ている。液体金属の鉛ビスマスをターゲット材に用いて
ターゲット容器中に照射試料を浸漬し、照射と腐食によ
る材料の変化を研究する施設である。核破砕中性子源は
これまで中性子散乱実験用のビームを供給するために主
に用いられてきており、材料照射用の核破砕中性子源は
これまでに無い。中性子散乱実験用に中性子ビームを供
給するための液体金属ターゲット概念の例としてはJA
ERI−Tech 2000−003 p.31に示され
ている水銀ターゲット概念がある。またこの施設は重金
属と高エネルギー陽子との核破砕反応を利用するもの
で、国際核融合材料照射施設(IFMIF)で検討され
たd−Li反応を用いる照射施設とは関係が無い。
規模の核破砕中性子源を建設する計画が日本で進められ
ている。液体金属の鉛ビスマスをターゲット材に用いて
ターゲット容器中に照射試料を浸漬し、照射と腐食によ
る材料の変化を研究する施設である。核破砕中性子源は
これまで中性子散乱実験用のビームを供給するために主
に用いられてきており、材料照射用の核破砕中性子源は
これまでに無い。中性子散乱実験用に中性子ビームを供
給するための液体金属ターゲット概念の例としてはJA
ERI−Tech 2000−003 p.31に示され
ている水銀ターゲット概念がある。またこの施設は重金
属と高エネルギー陽子との核破砕反応を利用するもの
で、国際核融合材料照射施設(IFMIF)で検討され
たd−Li反応を用いる照射施設とは関係が無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまでに建設された
核破砕中性子源は全て固体ターゲットを用いたものであ
る。また、これまでに提案された液体金属ターゲット概
念はビーム供給用ターゲットであり、材料照射に適した
構造になっていない。
核破砕中性子源は全て固体ターゲットを用いたものであ
る。また、これまでに提案された液体金属ターゲット概
念はビーム供給用ターゲットであり、材料照射に適した
構造になっていない。
【0006】材料照射用液体金属ターゲットでは、発生
中性子数の多い陽子ビーム入射面近傍の有効な照射体積
に多数の試料を設置する必要がある。一方、核破砕反応
による発熱も陽子ビーム入射面近傍が多い。この場合、
発熱が高い場所で多数の試料により液体金属の流れが阻
害され、除熱効率が低下することで照射試料、ターゲッ
ト容器の温度が局所的に上昇することになり、容器およ
び試料の健全性が保てない可能性がある。
中性子数の多い陽子ビーム入射面近傍の有効な照射体積
に多数の試料を設置する必要がある。一方、核破砕反応
による発熱も陽子ビーム入射面近傍が多い。この場合、
発熱が高い場所で多数の試料により液体金属の流れが阻
害され、除熱効率が低下することで照射試料、ターゲッ
ト容器の温度が局所的に上昇することになり、容器およ
び試料の健全性が保てない可能性がある。
【0007】また、試料挿入孔は液体金属を密封できる
構造になっている必要があるが、このシール面が放射線
の照射により変質すると充分な密封性を保てなくなる恐
れがある。
構造になっている必要があるが、このシール面が放射線
の照射により変質すると充分な密封性を保てなくなる恐
れがある。
【0008】さらに、核破砕中性子源のターゲット材は
極めて放射化が激しいため、放射線防護の観点からは、
ターゲット材を容器に閉じ込めるほうがよい。一方、材
料照射試験の目的からは、ターゲット容器を開放して試
料の挿入、取出しを行うことが要求される。容器から液
体金属を排出したとしても、液体金属の一部は容器内壁
に付着して容器内に残り、完全な排出は困難であり、こ
の状態でターゲット容器を開放すれば、高度に放射化し
た液体金属が飛散しやすく、雰囲気中にも飽和蒸気圧濃
度まで蒸発する。このため、できるだけ短時間で試料の
挿入、取出しができる操作性の良い構造が求められる。
極めて放射化が激しいため、放射線防護の観点からは、
ターゲット材を容器に閉じ込めるほうがよい。一方、材
料照射試験の目的からは、ターゲット容器を開放して試
料の挿入、取出しを行うことが要求される。容器から液
体金属を排出したとしても、液体金属の一部は容器内壁
に付着して容器内に残り、完全な排出は困難であり、こ
の状態でターゲット容器を開放すれば、高度に放射化し
た液体金属が飛散しやすく、雰囲気中にも飽和蒸気圧濃
度まで蒸発する。このため、できるだけ短時間で試料の
挿入、取出しができる操作性の良い構造が求められる。
【0009】本発明の第1の課題は、核破砕反応による
材料照射用液体金属ターゲットにおいて、材料照射試験
を行う際に課題となるターゲット容器、試料の冷却性を
向上させ、試料挿入孔の密封構造の健全性を確保した容
器構造を有する材料照射試験に適したターゲット構造を
提供することにある。
材料照射用液体金属ターゲットにおいて、材料照射試験
を行う際に課題となるターゲット容器、試料の冷却性を
向上させ、試料挿入孔の密封構造の健全性を確保した容
器構造を有する材料照射試験に適したターゲット構造を
提供することにある。
【0010】本発明の第2の課題は、前記第1の課題に
加えて、迅速な試料の交換を可能にしたターゲット構造
を提供することにある。
加えて、迅速な試料の交換を可能にしたターゲット構造
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題は、高エ
ネルギーに加速された陽子ビームを水平方向から液体金
属に入射し、核破砕反応により発生する中性子を容器内
部に設置した試料に照射する材料照射用液体金属ターゲ
ットであって、液体金属を陽子ビームと交差する方向に
流し、ターゲット容器またはターゲット容器を兼ねる配
管の上部に試料挿入孔を設け、試料を上方に引き抜いて
交換することで、陽子ビーム入射方向と液体金属の流れ
の方向と照射試料の引き抜き方向を互いに交差させるよ
う構成することによって達成される。
ネルギーに加速された陽子ビームを水平方向から液体金
属に入射し、核破砕反応により発生する中性子を容器内
部に設置した試料に照射する材料照射用液体金属ターゲ
ットであって、液体金属を陽子ビームと交差する方向に
流し、ターゲット容器またはターゲット容器を兼ねる配
管の上部に試料挿入孔を設け、試料を上方に引き抜いて
交換することで、陽子ビーム入射方向と液体金属の流れ
の方向と照射試料の引き抜き方向を互いに交差させるよ
う構成することによって達成される。
【0012】また、前記第2の課題は、前記第1の構成
に加えて、照射を受ける試料を、支持具を用いて試料挿
入孔の蓋に固定することによって達成される。
に加えて、照射を受ける試料を、支持具を用いて試料挿
入孔の蓋に固定することによって達成される。
【0013】さらに、前記第1の課題は、前記第1の構
成または第2の構成に加えて、ターゲット容器の陽子ビ
ーム入射面および試料部を冷却するために容器内部に流
量調整板を設けることによって達成される。
成または第2の構成に加えて、ターゲット容器の陽子ビ
ーム入射面および試料部を冷却するために容器内部に流
量調整板を設けることによって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明による液体金属ター
ゲットについて、図面を用いて詳細に説明する。
ゲットについて、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】図1は本発明による液体金属ターゲットの
第1実施例の縦断面図、図2は横断面図である。
第1実施例の縦断面図、図2は横断面図である。
【0016】入口管フランジ7および出口管フランジ9
を介してターゲット容器1は外部の液体金属供給設備に
接続される。高エネルギー加速された陽子ビーム2は図
の左側から水平方向にターゲット容器1に入射し、核破
砕反応により高密度の中性子を発生させる(なお、陽子
ビーム2の入射方向は厳密な意味で水平である必要はな
く、若干傾いていても問題は無く、要するに液体金属1
0の流れの方向と交差すればよく、これらを含めて本発
明では水平と呼ぶ)。
を介してターゲット容器1は外部の液体金属供給設備に
接続される。高エネルギー加速された陽子ビーム2は図
の左側から水平方向にターゲット容器1に入射し、核破
砕反応により高密度の中性子を発生させる(なお、陽子
ビーム2の入射方向は厳密な意味で水平である必要はな
く、若干傾いていても問題は無く、要するに液体金属1
0の流れの方向と交差すればよく、これらを含めて本発
明では水平と呼ぶ)。
【0017】核破砕反応による発生中性子の分布、およ
び核破砕反応による発熱分布の概略図を図6に示す。
び核破砕反応による発熱分布の概略図を図6に示す。
【0018】図のように発生中性子の分布は陽子ビーム
入射面に近いところで鋭いピークをもつため、照射試料
3は陽子ビーム入射面に近いところに設置される。一
方、発生中性子数が飽和するターゲット長さは陽子のエ
ネルギーおよびターゲット材質によっても異なるが、数
100MeVの陽子で10−20cm、数GeVでは6
0cm以上になる。ターゲットが短いと高エネルギー陽
子が後方に漏れるため中性子発生効率が下がる。そのた
め試料設置部の後方にも液体金属10が流れるような流
路が設けられている。液体金属10を流す配管の口径が
大きく、必要なターゲット長さを確保できる場合にはタ
ーゲット容器1は設けずに配管が容器1を兼ねていても
よい。液体金属10はターゲット容器1の側方に取り付
けられた入口配管6を通ってターゲット容器1に流入
し、容器1の反対側から出口配管8を通って流出する。
液体金属10の流れは陽子ビーム2に交差するため、液
体金属10が核破砕反応で加熱される時間が短い。その
ため、液体金属10の温度を低く抑えることが可能であ
り、照射試料3およびターゲット容器1の冷却性を確保
するのに効果がある。
入射面に近いところで鋭いピークをもつため、照射試料
3は陽子ビーム入射面に近いところに設置される。一
方、発生中性子数が飽和するターゲット長さは陽子のエ
ネルギーおよびターゲット材質によっても異なるが、数
100MeVの陽子で10−20cm、数GeVでは6
0cm以上になる。ターゲットが短いと高エネルギー陽
子が後方に漏れるため中性子発生効率が下がる。そのた
め試料設置部の後方にも液体金属10が流れるような流
路が設けられている。液体金属10を流す配管の口径が
大きく、必要なターゲット長さを確保できる場合にはタ
ーゲット容器1は設けずに配管が容器1を兼ねていても
よい。液体金属10はターゲット容器1の側方に取り付
けられた入口配管6を通ってターゲット容器1に流入
し、容器1の反対側から出口配管8を通って流出する。
液体金属10の流れは陽子ビーム2に交差するため、液
体金属10が核破砕反応で加熱される時間が短い。その
ため、液体金属10の温度を低く抑えることが可能であ
り、照射試料3およびターゲット容器1の冷却性を確保
するのに効果がある。
【0019】図3に試料部の詳細を示す。
【0020】照射試料3の形状は柱状であり、試料支持
棒5に取り付けられた試料支持板11に固定されてい
る。試料支持板11には、試料3の冷却のため、液体金
属10が通過する孔15が適宜空けられる。試料支持棒
5および試料支持板11を介して照射試料3を試料挿入
孔蓋4に固定することで、蓋4を開放すると同時に蓋4
と一体となった試料3を引き上げることができ、交換時
の作業性を向上している。また試料3の挿入孔を陽子ビ
ーム入射面と異なる面に設け、発生中性子分布のピーク
から試料挿入孔を遠ざけることで、シール部の放射線損
傷による劣化を低減できる。また、開放面が運転時の液
体金属10の液面より上にあるため、開放時の液漏れの
危険性を軽減している。
棒5に取り付けられた試料支持板11に固定されてい
る。試料支持板11には、試料3の冷却のため、液体金
属10が通過する孔15が適宜空けられる。試料支持棒
5および試料支持板11を介して照射試料3を試料挿入
孔蓋4に固定することで、蓋4を開放すると同時に蓋4
と一体となった試料3を引き上げることができ、交換時
の作業性を向上している。また試料3の挿入孔を陽子ビ
ーム入射面と異なる面に設け、発生中性子分布のピーク
から試料挿入孔を遠ざけることで、シール部の放射線損
傷による劣化を低減できる。また、開放面が運転時の液
体金属10の液面より上にあるため、開放時の液漏れの
危険性を軽減している。
【0021】この例では液体金属10の流れに対する試
料3の流動抵抗を少なくするために試料3の長手方向を
流れに平行に置く。また、試料支持板11には液体金属
10を通過させる孔15を適宜設ける。このようにする
ことで試料部での均一な流れを確保する。しかし、試料
3の無い部分と比較すれば、試料3を設置した部分での
流動抵抗が大きいため流量調整板12を設置し、液体金
属10は試料3の無い部分ではスリット13を通るよう
にして流動抵抗を調節し、発熱の大きい陽子ビーム入射
面および試料部で除熱に必要な流量を確保する。
料3の流動抵抗を少なくするために試料3の長手方向を
流れに平行に置く。また、試料支持板11には液体金属
10を通過させる孔15を適宜設ける。このようにする
ことで試料部での均一な流れを確保する。しかし、試料
3の無い部分と比較すれば、試料3を設置した部分での
流動抵抗が大きいため流量調整板12を設置し、液体金
属10は試料3の無い部分ではスリット13を通るよう
にして流動抵抗を調節し、発熱の大きい陽子ビーム入射
面および試料部で除熱に必要な流量を確保する。
【0022】また、この例では試料挿入孔蓋4の下部に
自由液面14がある。これは特開平11−297498
号公報に示されているように液体金属中で発生する圧力
波を低減する効果がある。自由液面14と試料挿入孔蓋
4の間は、ターゲット材の酸化を抑えるため、ヘリウム
等の不活性ガスで覆われる。不活性ガスは貯留させても
閉ループを循環させてもよい。
自由液面14がある。これは特開平11−297498
号公報に示されているように液体金属中で発生する圧力
波を低減する効果がある。自由液面14と試料挿入孔蓋
4の間は、ターゲット材の酸化を抑えるため、ヘリウム
等の不活性ガスで覆われる。不活性ガスは貯留させても
閉ループを循環させてもよい。
【0023】図4は本発明による液体金属ターゲットの
第2実施例の縦断面図、図5は横断面図である。
第2実施例の縦断面図、図5は横断面図である。
【0024】この例では、液体金属10の流れに対し照
射試料3の長手方向を鉛直におき、液体金属10の流れ
に対して直交するようにする。第1実施例では液体金属
10の流れが試料の長手方向に平行に流れるため、試料
3の長手方向で温度分布がつく。第2実施例では、液体
金属10の流れに対し試料3の長手方向を直交させるよ
うに置くため、そのような問題は生じない。ただし、試
料部での流動抵抗は第1実施例に比べて大きくなる。照
射試料3の長手方向を液体金属10の流れに平行に置
き、流動抵抗を下げるか、試料3の長手方向を流れに直
交させ、試料温度の均一性を確保するかの選択は、陽子
ビーム2の出力、および液体金属10の種類、流速等の
条件により、どちらが制約条件になるかで決めればよ
い。
射試料3の長手方向を鉛直におき、液体金属10の流れ
に対して直交するようにする。第1実施例では液体金属
10の流れが試料の長手方向に平行に流れるため、試料
3の長手方向で温度分布がつく。第2実施例では、液体
金属10の流れに対し試料3の長手方向を直交させるよ
うに置くため、そのような問題は生じない。ただし、試
料部での流動抵抗は第1実施例に比べて大きくなる。照
射試料3の長手方向を液体金属10の流れに平行に置
き、流動抵抗を下げるか、試料3の長手方向を流れに直
交させ、試料温度の均一性を確保するかの選択は、陽子
ビーム2の出力、および液体金属10の種類、流速等の
条件により、どちらが制約条件になるかで決めればよ
い。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、核破砕反応による液体
金属ターゲットにおいて、材料照射試験を行う際に課題
となるターゲット容器、試料の冷却性を向上させ、試料
挿入孔の密封構造の健全性を確保することができる。
金属ターゲットにおいて、材料照射試験を行う際に課題
となるターゲット容器、試料の冷却性を向上させ、試料
挿入孔の密封構造の健全性を確保することができる。
【0026】また、本発明によれば、前記効果に加え
て、迅速な試料の交換を可能にすることができる。
て、迅速な試料の交換を可能にすることができる。
【図1】本発明の第1実施例の縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の横断面図である。
【図3】本発明の第1実施例の試料部詳細図である。
【図4】本発明の第2実施例の縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施例の横断面図である。
【図6】核破砕反応における中性子発生分布、および発
熱分布と陽子ビーム入射面からの距離の関係を示す概略
図である。。
熱分布と陽子ビーム入射面からの距離の関係を示す概略
図である。。
1…ターゲット容器、2…陽子ビーム、3…照射試料、
4…試料挿入孔蓋、5…試料支持棒、6…入口配管、7
…入口部フランジ、8…出口配管、9…出口部フラン
ジ、10…液体金属、11…試料支持板、12…流配
板、13…スリット、14…自由液面、15…孔。
4…試料挿入孔蓋、5…試料支持棒、6…入口配管、7
…入口部フランジ、8…出口配管、9…出口部フラン
ジ、10…液体金属、11…試料支持板、12…流配
板、13…スリット、14…自由液面、15…孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 一輝 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 道下 秀紀 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 林 克己 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 菊地 賢司 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 大井川 宏之 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 佐々 敏信 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 池田 裕二郎 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 Fターム(参考) 2G085 BA17 BE02 BE06 BE08 DA03 EA06
Claims (3)
- 【請求項1】 高エネルギーに加速された陽子ビームを
水平方向から液体金属に入射し、核破砕反応により発生
する中性子を容器内部に設置した試料に照射する材料照
射用液体金属ターゲットであって、液体金属を陽子ビー
ムと交差する方向に流し、ターゲット容器またはターゲ
ット容器を兼ねる配管の上部に試料挿入孔を設け、試料
を上方に引き抜いて交換することで、陽子ビーム入射方
向と液体金属の流れの方向と照射試料の引き抜き方向を
互いに交差させるよう構成したことを特徴とする材料照
射用液体金属ターゲット。 - 【請求項2】 請求項1において、照射を受ける試料
を、支持具を用いて試料挿入孔の蓋に固定したことを特
徴とする材料照射用液体金属ターゲット。 - 【請求項3】 請求項1または2において、ターゲット
容器の陽子ビーム入射面および試料部を冷却するために
容器内部に流量調整板を設けたことを特徴とする材料照
射用液体金属ターゲット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001054128A JP2002258000A (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | 材料照射用液体金属ターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001054128A JP2002258000A (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | 材料照射用液体金属ターゲット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002258000A true JP2002258000A (ja) | 2002-09-11 |
Family
ID=18914503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001054128A Pending JP2002258000A (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | 材料照射用液体金属ターゲット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002258000A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006084241A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Japan Atom Energy Res Inst | 核破砕中性子源水銀ターゲット容器の診断方法及び装置 |
JP2017069018A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 株式会社東芝 | 中性子発生標的装置及びホウ素中性子捕捉療法システム |
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2001
- 2001-02-28 JP JP2001054128A patent/JP2002258000A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006084241A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Japan Atom Energy Res Inst | 核破砕中性子源水銀ターゲット容器の診断方法及び装置 |
JP2017069018A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 株式会社東芝 | 中性子発生標的装置及びホウ素中性子捕捉療法システム |
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