JP2002257973A - 運転限界最小臨界出力比の評価方法、システムおよびプログラム - Google Patents
運転限界最小臨界出力比の評価方法、システムおよびプログラムInfo
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Abstract
学モデリング及び性能評価のための方法及びシステムを
提供する。 【解決手段】 単一のオペレータの過失又は設備の誤作
動などにより生じる原子炉中の過渡的条件を生成する異
常事象(AOO)をシミュレーションするに際し、多次
元的方法を使用する。臨界出力比(ΔCPR/ICP
R)の変化における総称の過渡的偏り及び不確定性に基
づいて、燃料棒臨界出力比(CPR)のヒストグラムが
生成される。最終的に、原子炉の運転限界最小臨界出力
比(OLMCPR)が、過渡的条件中の沸騰遷移(NR
SBT)を生じる燃料棒の本数を表す確率計算のヒスト
グラムから評価される。ヒストグラムを使用して、US
NRC規定に従った原子炉炉心設計のOLMCPRが統
計的に実証される。
Description
炉心運転を評価する方法に関し、特に、沸騰水型原子炉
(BWR)の効率の向上及び運転の向上を実現するよう
に、運転限界最小臨界出力比(OLMCPR)を決定す
る改良された方法及び装置に関する。
た核分裂反応により発電を行う。図1に示す様に、簡易
BWRは、核燃料炉心及び水を含む原子炉室101を含
む。生成された蒸気が、パイプ102を介してタービン
103に移送される。タービン103で発電が行われ、
水はパイプ104を介して炉心に戻る。図2に示す様
に、炉心201は、原子炉炉心内に一定の方法で配列さ
れた約500の燃料棒の束202から成る。図3に示す
様に、各束301は、約100本の燃料棒302を含
む。燃料棒は、炉心中の水により囲まれる。核反応によ
り生成された熱は、燃料棒から炉心の中を循環する水へ
と伝えられ、水の一部は沸騰する。炉心において生成さ
れた熱は、安全で効率的な原子炉運転を維持するために
慎重に制御される。
温度限度を定義する際に考慮されなければならない電熱
の3つのモード(i)核沸騰、(ii)遷移沸騰、(ii
i)膜沸騰がある。「核沸騰」は、伝熱の好適で効率的
なモードであり、BWRは、このモードで運転されるよ
うに設計されている。「遷移沸騰」は、燃料棒上の伝熱
表面の蒸気ブランケッティングが発生すると急激に上昇
し、蒸気ブランケットが冷却流により一掃されると核沸
騰温度まで下降し、その後再度上昇する不安定な燃料棒
クラッディングの表面温度により明示される。更に高い
燃料棒/束運転出力では、「膜沸騰」が生じ、その結
果、燃料棒クラッディング温度が上昇する。膜沸騰にお
けるクラッディング温度と、場合によっては、遷移沸騰
における温度ピークは、燃料棒のクラッディングの弱体
化と加速腐食を生じるような値に到達する恐れがある。
燃料棒の過熱は、核沸騰から膜沸騰への遷移の開始とし
て保守的に定義される。原子炉炉心及び燃料棒設計に対
する従来の基準は、多様な設計及び運転時の「不確定
性」を受容する「限界」が、炉心の耐用期間中、常に、
最大限界運転条件と遷移沸騰条件との間で維持されるよ
うに定義される。
気の質、すなわち、「臨界性」に対する相関により予測
することができる。蒸気の質の測定は容易に行うことが
でき、蒸気の質は、その他の要素のうち、任意のマスフ
ロー量、出力レベル、圧力及び束のフロー外形に対し
て、沸騰限界(沸騰長さ)からの距離を測定する機能で
ある。「臨界出力」は、蒸気の臨界性を生じる束の出力
として定義される。従って、「臨界出力比」(CPR)
は、臨界出力対当該の原子炉条件における束の運転出力
の比として定義される。CPRは、通常の運転条件と沸
騰遷移を生じる条件との関係を表す。CPRは、通常、
原子炉の設計及び運転を評価するのに使用される。原子
炉の安全で効率的な運転を保証するには、CPRは炉心
中の燃料集合体の全体に対して、規定値より高く維持さ
れる。原子炉運転限界は、従来、炉心中の最大限界燃料
束集合体に関して、「最小臨界出力比」(MCPR)と
して定義される。原子炉運転限界は、MCPRに関して
説明されることが多い。
転に固有の種々の「不確定性」及び許容限度と組み合わ
された原子炉の過渡事象の発生により、遷移沸騰が一定
期間、局所的に燃料棒に発生する可能性があることが広
く認識されている。従って、MCPR運転限界は、従
来、the United States Nuclear Regulatory Commissio
n(USNRC)設計基準要件に従って設定される。こ
の要件では、単一のオペレータの過失又は単一の設備の
誤作動により生じた過渡現象は、炉心運転状態における
不確定性を考慮に入れて、99.9%を超える燃料棒
が、これらの過失や誤作動の際に沸騰遷移を回避するこ
とが予期されるように制限される。安全限界最小臨界出
力比(SLMCPR)は、現在のUSNRC要件の下で
は、沸騰遷移を生じる燃料棒が0.1%未満であるMC
PRとして定義される。対応するOLMCPRは、MC
PRが一定の統計的信頼度までSLMCPR以上である
ように炉心運転条件を記述する。
の異常事象(AOO)に対して、炉心中の燃料棒のうち
の0.1%未満が沸騰遷移を生じることが予期されるよ
うに直接計算することができる。この方法は、Shaug等
による米国特許第5,912,933号に記載される。
これに関係するプロセスは、図4に示される。図4は、
燃料棒のCPR値401対特定のCPR値における燃料
棒の本数402のヒストグラム400を示す。CPR値
は、通常、燃料束と関連付けられるが、実際は、束中の
限界燃料棒を指す。束中の各燃料棒は、局所出力分布
(TIP不確定性)及び束内の燃料棒の相対位置(R係
数)により判定されるCPR値を有する。束中の任意の
1本の燃料棒の最小CPRは、束全体に対するCPRの
特徴を示すのに使用される。
の判定における不確定性を反映する関連の確率分布関数
(PDF)を有する。PDFは、実験に基づいて判定さ
れ、実験臨界出力比(ECPR)分布410として示さ
れる。従って、公称CPR値411が1.0である場
合、予想される実際のCPR値のPDF410は、0.
90から1.10の範囲である。燃料棒のCPR値にお
ける可変性は、初期の燃料棒条件、すなわち、原子炉運
転状態におけるパラメータの測定値(炉心出力)及び抽
出されたパラメータのモデリング(出力分布)における
不確定性によるものである。
るために、最小燃料棒のCPRに対する許容公称CPR
値405をより大きいCPR値、すなわち、1.25に
ずらすことによって、CPR値に安全限界がもたらされ
る。従って、最小CPR燃料棒に対するECPRヒスト
グラム分布403は、CPRヒストグラム全体がCPR
値1.20よりも高く、CPR値1.0よりは更に高く
なるようにずらされる。更に、最小CPR燃料棒以外の
燃料棒に対する公称CPR値407は、最小CPR燃料
棒の1.25などの公称CPR値より高い。
のCPRのヒストグラム407は、CPR値を下げるた
めに左にずらされ、ヒストグラム408になる。このず
れにより、過渡現象中の「公称」CPR値406は、例
えば、1.05などの点にある。この場合、最小CPR
値には、過渡現象中に到達する。限界燃料棒は、初期燃
料棒条件における不確定性と「過渡的不確定性」の双方
を含む関連PDF404を有するであろう。過渡現象中
の臨界出力比の最大変化(ΔCPR409)は、過渡現
象のモデリングにおける不確定性、すなわち、物理モデ
ル及びプラントパラメータの双方を含む。
及び関連するOLMCPRは、図5に示す様に生成され
る。以下で説明を行う。
パラメータを使用する1組の基準炉心運転条件により、
ブロック501に示す様に、OLMCPRに等しい炉心
のMCPRが生成されると想定する。
力などのブロック506に示す通常の束のCPRを予測
するパラメータを使用して、ブロック502に示す様
に、炉心中の各束に対するMCPRを決定する。
棒出力などのブロック507に示す各束のCPRを個々
の燃料棒のCPR値に変換するパラメータを使用して、
ブロック503に示す様に、炉心中の各束に対するMC
PRを決定する。
式1及び2により生成されたECPR確率分布を使用し
て、ブロック504に示す様に、沸騰遷移を生じる炉心
中の各燃料棒の確率を合計することによって、炉心中の
NRSBTのパーセンテージを決定する。この合計は、
式3により示される。
設定回数のモンテカルロ統計試行に対して、ブロック5
06及び507に示すパラメータを変化させる。ステッ
プ2から4までの全ての試行からの統計を編集して、N
RSBTの確率分布を生成する。
NRSBTのパーセンテージの値を0.1%と比較す
る。パーセンテージが0.1%よりも大きい場合、ブロ
ック510に示す様に、USNRC規定への対応性のた
めに、炉心パラメータを異なる初期条件にリセットす
る。ステップ1及びブロック501と同様に、新規の初
期条件により、OLMCPRが生成されるものとする。
NRSBTの判定が再開され、NRSBTの値が0.1
%に等しくなるまで繰り返される。同様に、パーセンテ
ージが0.1%未満の場合、炉心パラメータはリセット
され、炉心をより効率よく又は廃棄物を低減して運転す
るために、NRSBT値が増加される。
が0.1%に等しい場合、炉心のMCPRに等しいOL
MCPRの予想値は、ブロック511に示す様に、US
NRC規定に従う。従って、運転炉心条件は、予想パラ
メータとして設定される。
考案する必要性により、上記で概略を説明した理想プロ
セスについては、以下で説明を行なわない。現在認可済
のプロセス及びOLMCPRを決定する新規の方法を以
下の章で説明する。
様に主に2つのステップに分けられる。炉心中の燃料棒
の0.1%未満がこの値で沸騰遷移を生じることが予期
される様に、理想プロセスに類似したプロセスを使用す
ることによって、最初にSLMCPRの判定を行う。言
い換えると、炉心中のMCPRがSLMCPRよりも大
きい場合、炉心中の燃料棒の99.9%が、沸騰遷移を
回避することが予期される。次に、最大限界過渡事象及
びSLMCPRから予期されるMCPRの最大変化(Δ
CPR95/95)を合計することによって、OLMCPR
が確立される。
要素の一部のみ以下で説明する。ヒストグラム600
は、特定のCPR値における燃料棒の本数602、対そ
の対応するCPR値601を示す。ヒストグラム608
は、例えば、1.05などの値に最小CPR燃料棒60
7を有し、この値は、SLMCPR603と等しい。限
界燃料棒分布606は、限界CPR燃料棒607の判定
における不確定性を示す。理想プロセスと同様に、SL
MCPR603は、NRSBTが0.1%に等しい場合
に判定される。
現在のプロセスは、各束内の出力分布及び各燃料棒に沿
った出力分布などの特定のパラメータを十分に予測/測
定することができない。また、SLMCPRを計算する
際の不確定性により、OLMCPRをSLMCPRと等
しくすることもできない。従って、誤差係数ΔCPR
95/95605が、SLMCPR603に加算され、OL
MCPR609が判定される。ΔCPR95/95605
は、SLMCPR603の計算における固有の限界を保
守的に訂正する。
OLMCPR609が図7に示す様に生成される。以下
で説明を行う。
パラメータを使用する1組の基準炉心運転条件により、
ブロック701に示す様に、SLMCPRに等しい炉心
のMCPRが生成されると想定する。
力、束出力などのブロック706に示す通常の束のCP
Rを予測するパラメータを使用して、ブロック702に
示す様に、炉心中の各束に対するMCPRを決定する。
このプロセスステップでは、束出力を予測する際の不確
定性が大きく、計算に偏りが生じる。
棒出力などのブロック707に示す各束のCPRを個々
の燃料棒のCPR値に変換するパラメータを使用して、
ブロック703に示す様に、炉心中の各束に対するMC
PRを決定する。各燃料棒出力は測定が困難であり、不
確定性を束出力分布不確定性と組み合わせることによ
り、SLMCPRの実際の計算における不確定性が増加
する。
式1及び2により生成されたECPR確率分布を使用し
て、ブロック704に示す様に、沸騰遷移を生じる炉心
中の各燃料棒の確率を合計することによって、炉心中の
NRSBTのパーセンテージを決定する。この合計は、
上述の式3を使用して行われる。
設定回数のモンテカルロ統計試行に対して、ブロック7
06及び707に示すパラメータを変化させる。ステッ
プ2から4までの全ての試行からの統計を編集して、N
RSBTの確率分布を生成する。
NRSBTのパーセンテージの値を0.1%と比較す
る。パーセンテージが0.1%よりも大きい場合、ブロ
ック710に示す様に、USNRC規定への対応性のた
めに、炉心パラメータを異なる初期条件にリセットす
る。ステップ1及びブロック701と同様に、新規の初
期条件により、SLMCPRが生成されるものとする。
NRSBTの判定は、NRSBT値が0.1%に等しく
なるまで繰り返される。同様に、パーセンテージが0.
1%未満の場合、炉心パラメータはリセットされ、炉心
をより効率よく運転するために、NRSBT値が増加さ
れる。
が0.1%に等しい場合、炉心のMCPRに等しいSL
MCPRの予想値は、ブロック711に示す様に、炉心
が運転される限界である。
2及び703に示す様に、ステップ2及び3における比
較的不確定なシミュレーションを含むので、CPRの変
化は、95%の信頼区間、ΔCPR95/95において評価
される。OLMCPRは、SLMCPRにΔCPR
95/95を線形加算したものに等しい。OLMCPRの結
果値は、USNRC規定に従う。
る非常に保守的な概算方法における困難が動機となっ
て、本発明者等は、BWR設計の評価及びOLMCPR
の計算において従来使用されるプロセスのうちの幾つか
に対してより綿密な調査を行なった。例えば、以下に記
載するのは、理想の方法を使用して直接OLMCPRを
計算する機能を制限するものとして、本発明者等により
識別される最も顕著な要因のうちの2つを手短に説明し
た簡潔な一覧である。
計算は、非常に煩わしいものであろう。NRSBTの統
計的に適切な推算を確立するためには、各AOOに対し
て約100回の試行を行なわなければならない。現在使
用可能な設備は、必要な時間枠の範囲内で所要数の過渡
的計算を行うことの妨げとなる固有の限界を有する。
(TIP不確定性)又は燃料束内の燃料棒の相対位置
(R係数)をシミュレーションすることができない。各
燃料棒の束内でのバラツキは、正確なNRSBTを計算
するのに必要不可欠である。バラツキの影響を推算する
正確な方法がない場合、OLMCPRの直接計算は、必
然的に不正確になる。
来の基準に内在する保守性の度合いが過剰であるため、
BWRの運転限界の実質的な向上は、OLMCPRを決
定するための他の方法を使用することによって実現が可
能である。発明者等は、原子炉の許容運転限界の実質的
な向上と、運転効率の向上、燃料生成量の増加及び/又
は燃料消耗の低減とを可能にするOLMCPRを決定す
るための数学的に適切な方法を開発した。例えば、特定
の原子炉又は原子炉設計が、必要以上に保守的な評価方
法を使用することによって従来は実現されていた運転限
界よりも上の運転限界を実際に有することを実証するこ
とにより、向上した出力レベルでの運転又は燃料の使用
を抑えた同等の出力レベルでの運転が可能になる。従っ
て、OLMCPRの計算/実証を行うのに、沸騰水型原
子炉の運転限界が実質的に向上するより数学的に適切な
方法が、ここでは提示される。
子炉の設計上の制約及び運転条件を示す選択されたパラ
メータ量における一定範囲の変量に対して、「沸騰遷
移」温度での運転を生じる原子炉燃料棒の本数のヒスト
グラムを生成することに基づく。また、BWRの種類に
固有の各種の過渡事象に対して臨界出力比(ΔCPR/
ICPR)の変化の所定のPDFを使用する炉心運転モ
デリング法が、原子炉における「予想される運転時の異
常事象(AOO)」(簡潔な出力過渡現象を生じる運転
時の異常事象など)中にBWR熱水力学及び中性子動力
学をシミュレーションするために使用される。基本的
に、本発明では、NRSBTのPDFを予測する際に、
沸騰遷移(NRSBT)を生じる燃料棒の本数に影響す
る可能性のある全てのモデルパラメータ及び原子炉プラ
ントパラメータが考慮される。NRSBTは、次に、最
初にSLMCPRに対する値を計算する必要無しに直接
OLMCPRを決定するために、統計的に評価される。
この方法を使用して、本発明は、安定状態のSLMCP
R及び過渡的運転時の異常事象による臨界出力比(ΔC
PR)の変化を同時且つ個別に評価することによって得
られる値の組み合わせからOLMCPRを決定する従来
の「間接的な」方法と比較して、過渡的条件に対するヒ
ストグラムの統計分析から原子炉のOLMCPRの直接
評価を達成する。
及び利点と同様、添付の図面と関連させながら、本発明
の好適な実施例の以下の詳細な説明を綿密に検討するこ
とによって、より完全に理解されるであろう。
界最小臨界出力比(OLMCPR)を決定する実際の方
法がここでは開示される。この実際の改良により、炉心
に対する運転限界の向上が実現され、炉心の運転及び/
又は構成が効率的で費用効果の優れたものになる。これ
は、このような目的で従来使用されているプロセスより
も、核原子炉のUSNRC認可要件への対応性を実証す
ることに対してのより直接的なアプローチである。メモ
リを有するコンピュータと種々の入出力装置又は表示装
置とを含み、BWRにおける過渡的運転中事象のシミュ
レーションを実行し、原子炉プラント初期状態条件とそ
の他の重要なパラメータとに関連する全ての固有の「不
確定性」を含む1つ以上の反応ヒストグラムの編集及び
表示を続けて行うために特にプログラムされたデータ処
理システムが開示される。
/ICPR)における総称的な偏りを計算するために使
用される方法は、結果の確率分布関数(PDF)を使用
することでSMLCPRを最初に計算しなくてもOLM
CPRをより正確に予測する。多くの要素を考慮に入れ
た実験試行を何度も行うことにより、過渡的ΔCPR/
ICPRが形成され、ΔCPR/ICPRにおける標準
偏差が、各過渡事象に対して判定される。公称初期条件
から開始する過渡事象に対する公称ΔCPR/ICPR
も判定される。過渡現象における最小点に対する個々の
燃料棒のCPR値のヒストグラムが、初期CPR値及び
過渡的ΔCPR/ICPR不確定性値を無作為に引くこ
とによって形成される。初期臨界出力比(ICPR)
は、ΔCPR/ICPRの共通無作為値によりMCPR
に変換される。NRSBTのパーセンテージは、試行の
度にこのMCPR値より計算される。NRSBTのパー
センテージが0.1%よりも大きい場合、初期運転条件
は変更され、プロセスはNRSBTが0.1%に等しく
なるまで繰り返される。
法を使用して分析され、分布の「中心傾向」が判定され
る。通常、平均値又はメジアンが、中心傾向を定量化す
るための統計量として使用される。この統計量の値は、
ここでは、公称値として定義される。以下の説明では、
平均値が公称値として選択される場合の例が挙げられる
が、本発明は、この選択に限定されるものではない。メ
ジアン値又はその他の中心傾向用の統計量を公称値とし
て使用する場合も、本発明の一部と考えられる。
計量の公称値における不確定性は、公称値に対する「信
頼区間」として表される。信頼区間は、その区間が公称
値を含む確率が指定の確率(通常、50%以上)である
ように定義される。例えば、その区間が平均値を含む確
率が95%である場合、平均値に対する95%の信頼区
間が定義される。この信頼区間を確立するのに使用され
る指定確率は、「信頼水準」と呼ばれる。
(1)炉心中の単一の燃料棒が沸騰遷移を生じる確率、
あるいは、(2)炉心中の全ての燃料棒のうち、沸騰遷
移を生じることが予想される分率として定量化される。
各試行でのNRSBT値は、個々の燃料棒が過渡現象中
に1.0未満のCPR値を有する確立を合計することに
よって判定されるので、このような統計的関係が成り立
つ。また、各NRSBT分布に対する公称値も、本発明
では、炉心中の全燃料棒に対する初期の燃料棒のCPR
値の分布と関連付けることが可能である。本プロセスに
より、炉心中の全燃料棒に対する最小初期MCPR値
と、燃料棒が過渡現象中に沸騰遷移を生じる確率及び信
頼水準との間である関係を確立することができる。炉心
に対する最小初期MCPR値は、このようにAOO過渡
現象中に沸騰遷移を生じない燃料棒の本数に対するUS
NRC設計の基準要求値により確立される確率及び信頼
水準を使用して判定される場合、定義上では、対応性を
実証するのに必要な最小運転限界MCPRになる。
発明の改良された方法に従ってBWR炉心運転条件をシ
ミュレーションし、原子炉のOLMCPRの計算/統計
的実証を行うために特定のルーチンを実行するようにプ
ログラムされたデータ処理装置を含むシステムである。
答の多次元シミュレーションとBWR原子炉炉心に対す
るOLMCPRの直接評価とを行うことを意図したデー
タ処理システムの一例のブロック図を示す。システム
は、中央処理装置(CPU)801、記憶メモリ80
2、ユーザインタフェース入出力装置803、及び、場
合によっては、1台以上のディスプレイ804を必然的
に含む。記憶メモリ802は、原子炉プラント状態情報
と、パラメータ値と、後述の本発明の改良された方法に
従って炉心運転条件の多次元シミュレーションを実現
し、OLMCPRの評価を行うためのルーチンとから構
成されるデータベース(不図示)を含む。
の型、各種の燃料に対して統計調査が行われ、ΔCPR
/ICPRにおける総称の過渡的偏り及び不確定性が判
定される。モデル及びプラントパラメータを無作為に変
動させて、(100のオーダでの)十分な回数の試行が
公称条件で開始される。ΔCPR/ICPRに寄与する
初期条件(炉心出力など)における不確定性も、摂動に
含まれる。データを利用して過渡的ΔCPR/ICPR
における偏り及び標準偏差が判定される。
9に示される。ブロック909は、OLMCPRの計算
を通して一定であり、各種の原子炉及び各種の燃料に対
する個々の過渡事象に対するΔCPR/ICPRは、プ
ロセスが使用される前に判定されなければならない。図
10は、ある特定種類のAOOに対するΔCPR/IC
PRの結果グラフを示す。ヒストグラム1000は、各
燃料棒に対する結果のCPR1001を有する試行回数
1002、対その対応するCPR1001値を示す。P
DF1003は、過渡事象前のCPRの分布を表す。各
CPR値は、個々のΔCPR/ICPR1006値に従
って変化する。過渡的CPR値の集合により、過渡事象
中のPDF1004が生成される。公称ΔCPR/IC
PR1005は、PDF1003の公称CPR値とPD
F1004の公称CPR値との間の差違であるように定
義される。OLMCPRの計算は、以下の通りである。
パラメータを使用する1組の基準炉心運転条件により、
ブロック901により示す様なOLMCPRに等しい炉
心のMCPRが生成されると想定する。
力、束出力などのブロック907に示す通常の束のCP
Rを予測する各パラメータを使用して、ブロック902
により示す様に、炉心中の各束に対するICPRを決定
する。
棒出力分布などのブロック908に示す個々の燃料棒の
CPR値を変更するパラメータを使用して、ブロック9
03に示す様に、炉心中の各束に対するICPRを決定
する。
のグラフから無作為に引いた個々のΔCPR/ICPR
1006値を使用して、MCPR値が、式4によるIC
PRの対応する値に対して予測される。図11では、こ
のプロセスは、ずれ1109により表される。ヒストグ
ラム1100は、特定のCPR値1102における燃料
棒の本数、対その対応するCPR値1101を示す。ヒ
ストグラム1107は、無作為に選択されたΔCPR/
ICPR1006値を使用して過渡現象中にヒストグラ
ム1108に変換される。最小CPR値1105は、最
小CPR値1106になり、最小CPR燃料棒のPDF
1103は、最小CPR燃料棒1104になる。
れ、ブロック910で説明されるECPR確率分布を使
用して、ブロック905に示す様に沸騰遷移を生じる炉
心中の各燃料棒の確率を合計することによって、炉心中
のNRSBTのパーセンテージを決定する。
設定回数のモンテカルロ統計試行に対してブロック90
7及び908に記載のパラメータを変化させる。ステッ
プ2からステップ5までの全ての試行からの統計を収集
して、NRSBTの確率分布を生成する。
NRSBTのパーセンテージの値を0.1%と比較す
る。ブロック912に示す様に、パーセンテージが0.
1%よりも大きい場合、USNRC規定に従うために、
炉心パラメータを異なる初期条件にリセットする。ステ
ップ1及びブロック901と同様に、新規の初期条件に
より、OLMCPRが生成されるものとする。NRSB
Tの判定が再開され、NRSBTの値が0.1%に等し
くなるまで繰り返される。同様に、パーセンテージが
0.1%未満の場合、炉心パラメータはリセットされ、
炉心をより効率よく運転するか、あるいは、廃棄物の削
減を行うために、NRSBTの値が増加される。
が0.1%に等しい場合、炉心のMCPRに等しいOL
MCPRの想定値は、ブロック913に示す様に、US
NRC規定に従う。従って、運転炉心条件は、想定パラ
メータとして設定される。
つの想定が行われる。まず、図11では、ずれ1109
として、また、図9ではブロック904として示される
ステップ4を実行する際に、ΔCPR/ICPRからの
無作為抽出は、初期条件における摂動に対して差し支え
ないものと発明者等は想定する。従って、ΔCPR/I
CPRにおけるバラツキは、初期条件における摂動とは
無関係であるか、あるいは、負の相関を有する必要があ
り、その結果、相互作用により個々の影響が減少する傾
向がある。次に、ステップ4を実行する際に、ΔCPR
/ICPRにおける過渡的変化は、全ての燃料棒に適用
されるものと発明者等は想定する。
炉心出力、炉心流量、炉心圧力、給水温度及び燃料棒ピ
ーキング係数(R係数)における不確定性により影響さ
れないことが示される。このうち、現在認可済のプロセ
スにおいて最も重要なパラメータの1つは、炉心出力で
ある。このパラメータは、実際、ICPRに対する影響
に相反する影響を生じる。出力が増加すると、ICPR
は減少するが、ΔCPR/ICPRも減少する。これに
より、現在認可済のプロセスを介して抽出された値より
もMCPRが高くなるであろう。別の保守的な要素は、
公称ΔCPR/ICPRの故意の使用である。現在認可
済のプロセスに対して行われている様に、寄与する束の
数が最大になるように炉心が限界燃料棒パターンに合せ
て調節される場合、ΔCPR/ICPRは4%低下す
る。
のΔCPR/ICPRに対する影響を示す。列101
は、ΔCPR/ICPRに影響する臨界パラメータ量の
一覧を示す。列102は、関連するPDFの標準偏差に
対応する各パラメータの不確定性のパーセンテージの一
覧を示す。(は、パラメータ量における不確定性に対応
するPDFの標準偏差である。列103は、各パラメー
タの1つの標準偏差の変更に対応するΔCPR/ICP
Rの変化の一覧を示す。
セスにおける他の未知のパラメータに影響されない。軸
方向出力分布も、現在認可済のプロセスにおける局所出
力分布(TIP不確定性)計算の一部である。軸方向出
力形状における大規模な変化(束の底部のほぼ2倍の高
出力)に対して、ΔCPR/ICPRに対する影響は、
2%未満であり、TIP不確定性と比較してこの値はあ
まり重要ではない。
CPR/ICPRを様々なICPR値において燃料棒に
適用できるということである。上述の様に、過渡的MC
PR分布は、式4を使用してICPR分布を変換するこ
とによって得られるであろう。
算が行われた。モデルにおける不確定性と同様に、炉心
出力及びチャネル圧力低下における不確定性を初期条件
として含む過渡事象に対して基準計算が行われた。炉心
出力及びチャネル圧力低下の不確定性が選択されたの
は、これらの不確定性が、唯一、現在認可済プロセス両
立型であり、総称の不確定性確率分布関数を生成する際
に変化させられるためである。様々過渡現象中のMCP
R分布は、98回の過渡的計算を介して炉心中の2つの
燃料束のために生成された。2つの束はICPR値にお
いて非常に近接しており、同一のΔCPR/ICPR値
を有する。
ンテカルロ計算が行なわれ、その計算では、炉心出力及
び圧力低下のみが変化させられ、初期運転状態において
ICPRのPDFが生成された。図12は、ヒストグラ
ム1200を示し、このヒストグラムは、ある特定のC
PRにおける燃料棒の本数1202、対その対応するC
PR1201値である。PDF1203は、炉心出力及
び圧力低下を変化させるモンテカルロ計算を使用して形
成されたICPR分布である。PDF1205は、本発
明の変換のプロセスが適用された後の対応する過渡的M
CPR分布である。PDF1204は、基準ICPR分
布である。PDF1206は、現在認可済のプロセスを
適用する場合の過渡的MCPR分布である。PDF12
05及びPDF1206は、MCPRの最確値と各分布
の関連する標準偏差の双方において非常に類似する。2
つの結果のMCPR分布間には非常な類似性があるの
で、本発明のプロセスを使用する変換は有効である。
PRに影響する不確定性に対して無関係であるか、ある
いは、共分散が、無関係を想定することが保守的なほど
であることと(2)過渡的MCPR分布が、このアプロ
ーチを使用して過渡的ΔCPR/ICPR不確定性を燃
料棒のICPR分布に適用することによって決定するこ
とができることを実証してきた。
される。図13において、ヒストグラム1300は、あ
る特定のCPR値の燃料棒の本数1302、対その対応
するCPR値1301を示す。PDF1303は、全て
の不確定性を適用した1組約98回のICPR試行から
の結果のICPR値を示す。98回の新規の試行が行わ
れ、ICPR値をMCPR値に変換するために特定の過
渡事象に対するΔCPR/ICPR分布が生成された。
このΔCPR/ICPR分布は、図13には示されてい
ない。ΔCPR/ICPR分布は、本発明のプロセスを
使用してICPRのPDF1303に適用され、MCP
RのPDF1304が得られた。NRSBTが、本発明
のプロセスを使用して判定され、OLMCPRは1.2
6であると判定された。一方、現在認可済のプロセスを
使用して、SLMCPRは1.10であると判定され
た。従って、ここに記載されたプロセスは、現在認可済
のプロセスの第1段階よりも保守的である。しかし、最
終的には、現在認可済のプロセスは、誤差係数がSLM
CPR値に加算された後で、必要以上に保守的な値を生
成し、これにより、本発明のプロセスよりも不必要に大
きいOLMCPR値が得られる。
算と複数回の繰り返しを必要とするシミュレーションル
ーチンを処理することが可能な高速データ処理システム
を使用して実現されるのが好ましいが、本発明は、特定
の種類のコンピュータ又はデータ処理システムに限定さ
れない。十分な容量且つ高速の記憶メモリ及び統計デー
タ分析/縮約を実現するためのプログラム可能な計算機
能を有する総称のデータ処理システムを利用して本発明
が実現されても良い。
示す横断面図。
断面図。
グラフ。
を行うためのデータ処理システムにより実行可能な処理
ステップのシーケンスを示すフローチャート。
判定のためのΔCPRのSMLCPRへの線形加算を示
すグラフ。
Rの評価を行うためのデータ処理システムにより実行可
能な処理ステップのシーケンスを示すフローチャート。
リングとBWRに対するOLMCPRの間接評価とに使
用されるデータ処理システムの一例のブロック図。
を使用してOLMCPRを計算するのに使用される処理
ステップのシーケンスを示すフローチャート。
ける総称の不確定性の判定を示すグラフ。
性を使用するNRSBTの判定を示すグラフ。
を示すグラフ。
示すグラフ。
00、1100、1200、1300…ヒストグラム、
402、602、1102、1202、1302…燃料
棒の本数、609…運転限界最小臨界出力比(OLMC
PR)、801…中央処理装置(CPU)、802…記
憶メモリ、803…入出力装置、804…ディスプレイ
Claims (20)
- 【請求項1】 設計上の制約及び運転条件を示す1つ以
上のパラメータ量により記述される沸騰水型原子炉(B
WR)の運転限界最小臨界出力比(OLMCPR)を仮
定の運転事象と過渡事象に対する臨界出力比(ΔCPR
/ICPR)の変化における所定の変換とのコンピュー
タシミュレーションを使用して直接評価する方法におい
て、 a)BWRのクラス、運転事象及び燃料の種類に対する
ポテンシャルΔCPR/ICPRの確率分布P(ΔCP
R/ICPR)を決定する過程と、 b)前記パラメータ量を公称値へと初期化する過程と、 c)原子炉運転の安定状態初期条件を決定する過程と、 d)BWR炉心における複数の燃料棒に対する運転事象
をシミュレーションする過程と、 e)前記過程(a)で取得された前記確率分布を使用し
て前記過程(d)でシミュレーションされた前記各燃料
棒に対する最小臨界出力比(MCPR)を計算する過程
と、 f)前記過程(e)で取得された前記各MCPR値に対
するポテンシャルMCPR値の確率分布P(MCPR)
を決定する過程と、 g)前記過程(f)からの前記各確率分布に対してMC
PR<1.0である場合、MCPRに対する値に対応す
る確率分布の部分を合計することによって、沸騰遷移
(NRSBT)を生じる燃料棒の総本数に対する値を計
算する過程と、 h)前記パラメータ量のうちの1つ以上を摂動させ、N
RSBTに対する別の値を再計算する過程と、 i)前記過程(c)から(h)を所定回数の摂動に対し
て繰り返す過程と、 j)前記過程(g)から(h)において計算されたNR
SBT値のヒストグラムを展開する過程と、 k)前記過程(j)において編集された前記NRSBT
値のヒストグラムから、NRSBT分布の中心傾向に基
づいて、公称NRSBT値を計算する過程と、 l)前記公称NRSBT値に対する信頼区間を計算する
過程と、 m)最大限界運転事象のシミュレーションに対して、規
定の信頼水準における前記公称NRSBT値が、所定の
カットオフ値未満のままであるように、初期最小MCP
Rとして前記原子炉に対するOLMCPRを選択する過
程と、 n)前記過程(l)で選択された前記OLMCPRを運
転制御パラメータとして適用することによって前記BW
Rの運転を遂行する過程とから成る方法。 - 【請求項2】 前記運転事象は、予想される運転時の異
常事象(AOO)と関連付けられた過渡事象である請求
項1記載の方法。 - 【請求項3】 予想される運転時の異常事象をシミュレ
ーションするために、原子炉の熱水力学及び出力の多次
元モデリングが使用される請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記パラメータ量は、原子炉プラント状
態値又はモデリングパラメータに対応する請求項1記載
の方法。 - 【請求項5】 前記過程(d)において、前記運転事象
は、複数本の燃料棒に対して同時にシミュレーションが
行われる請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 前記パラメータ量のうちの1つ以上の摂
動過程は、モンテカルロ統計分析法を使用して達成され
る請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 原子炉の予想される運転時の異常事象中
に複数の燃料棒に対して熱運転特性を同時にシミュレー
ション/評価するための規則と原子炉プラント運転状態
値及び/又は燃料棒モデリングパラメータを表す1つ以
上のパラメータ量のデータベースとを内部に記憶した記
憶メモリ及び入出力装置を含むコンピュータを具備する
沸騰水型原子炉(BWR)の運転限界最小臨界出力比
(OLMCPR)を決定するためのシステムにおいて、 前記コンピュータは、 (i)前記原子炉に対して予想される運転時の異常事象
をシミュレーションし、 (ii)前記予想される運転時の異常事象に対する臨界出
力比(ΔCPR/ICPR)値のポテンシャル変化の所
定の確率分布P(ΔCPR/ICPR)に基づいてシミ
ュレーションされる各燃料棒に対して最小臨界出力比
(MCPR)を判定し、 (iii)各MCPR値に対してポテンシャルMCPR値
の確率分布P(MCPR)を計算し、 (iv)シミュレーションされた全ての燃料棒に対してM
CPR<1.0である場合、MCPRに対する値に対応
する確率分布の部分を合計することによって、沸騰遷移
(NRSBT)を生じる燃料棒の本数に対する値を計算
し、前記パラメータ量の1つ以上を摂動させた後にNR
SBTに対する更なる値を繰り返し計算し、 (v)全ての摂動に対して計算されたNRSBT値のヒ
ストグラムを展開し、 (vi)最大限界運転事象のシミュレーションに対して、
前記過程(v)から判定された前記ヒストグラムの分析
から判定される様に、規定の信頼水準における前記公称
NRSBT値が、所定のカットオフ値未満のままである
ように、最小MCPRから前記OLMCPRを選択する
ようにプログラムされるシステム。 - 【請求項8】 シミュレーションされた前記運転事象
は、予想される運転時の異常事象(AOO)と関連付け
られた過渡事象である請求項7記載のシステム。 - 【請求項9】 予想される運転時の異常事象をシミュレ
ーションするために、燃料棒の熱水力学及び原子炉出力
の多次元モデリングが使用される請求項7記載のシステ
ム。 - 【請求項10】 前記過程(i)において、前記予想さ
れる運転時の異常事象は、複数本の燃料棒に対して同時
にシミュレーションが行われる請求項7記載のシステ
ム。 - 【請求項11】 沸騰水型原子炉(BWR)の運転限界
最小臨界出力比(OLMCPR)を決定するためのコン
ピュータ読取可能媒体上で実施されるコンピュータプロ
グラムにおいて、 前記運転事象に対する臨界出力比(ΔCPR/ICP
R)の変化の所定の確率分布を使用して、前記原子炉に
おける運転事象中に原子炉熱水力学及び出力の多次元シ
ミュレーションを行う第1の命令シーケンス手段と、 前記第1の命令シーケンス手段に結合され、前記第1の
命令シーケンス手段から取得される様な各燃料棒に対す
る最小臨界出力(MCPR)の統計的評価に基づいてO
LMCPR値を直接計算し、且つ、所定の原子炉プラン
ト状態値及び燃料棒モデリングパラメータの摂動から計
算される予想NRSBT(沸騰遷移を生じる燃料棒の本
数)値のヒストグラムを展開する第2の命令シーケンス
手段とを含むコンピュータプログラム。 - 【請求項12】 前記原子炉熱水力学及び出力の多次元
シミュレーションを行う手段は、複数の燃料棒に対して
同時に過渡的運転時の異常事象のシミュレーションを行
う請求項11記載のコンピュータプログラム。 - 【請求項13】 沸騰水型原子炉(BWR)の運転限界
最小臨界出力比(OLMCPR)を評価する方法におい
て、 コンピュータにより実行可能な以下の過程: a)前記原子炉において使用される複数の核燃料棒の各
々に対して最小臨界出力比(MCPR)を設定する過程
と、 b)臨界出力比(ΔCPR/ICPR)の変化の所定の
確率分布に基づいて、沸騰遷移を生じる燃料棒の総本数
(NRSBT)に対する値を計算する過程と、 c)1つ以上の原子炉プラント状態値及び/又は燃料棒
モデリングパラメータを摂動させ、NRSBTに対する
値を再計算する過程と、 d)所定回数の摂動に対して前記過程(c)を実行する
過程と、 e)前記過程(b)、(c)及び(d)において判定さ
れたNRSBT値のヒストグラムを展開する過程と、 f)最大限界運転事象のシミュレーションに対して、前
記過程(e)から判定された前記ヒストグラムの分析か
ら判定される様に、規定の信頼水準における前記公称N
RSBT値が、所定のカットオフ値未満のままであるよ
うに、最小MCPRから前記OLMCPRを選択する過
程とから成る方法。 - 【請求項14】 前記過程(b)におけるNRSBT値
の計算過程は、以下の過程:前記過程(a)で設定され
た各MCPR値に対して、種々の運転及び設計上の不確
定性から生じる予想MCPR値の範囲を示す確率分布P
(MCPR)を決定する過程と、 各燃料棒に対してMCPR<1.0である値に対する前
記確率分布を統合し、全燃料棒に対する統合結果を合計
する過程とにより達成される請求項13記載の方法。 - 【請求項15】 前記過程(c)における1つ以上の原
子炉プラント状態値又はモデリングパラメータの前記摂
動は、前記値及びパラメータの無作為に生成された変量
を使用して達成される請求項13記載の方法。 - 【請求項16】 燃料設計及び/又は炉心構成が、運転
限界最小臨界出力比(OLMCPR)を評価するための
プロセスにより判定される前記原子炉の運転限界に依存
する沸騰水型原子炉の核燃料炉心に対して、OLMCP
Rを評価し且つ沸騰水型原子炉を運転することを目的と
し、結果的に前記原子炉の運転限界を向上させる改良さ
れたプロセスにおいて、 (a)臨界出力比(ΔCPR/ICPR)の前記変化の
所定の確率分布に基づいた原子炉における過渡的運転時
の異常事象の複数のコンピュータシミュレーションに対
応するNRSBT(沸騰遷移を生じる燃料棒の本数)値
のヒストグラムをコンピュータシステムのメモリ中に展
開し、前記シミュレーションは、前記原子炉に対する複
数の異なるパラメータ量に対する1本以上の燃料棒に対
する臨界出力比(CPR)に対する値を供給する過程
と、 (b)NRSBT分布の中心傾向に基づいて、前記過程
(a)において展開されたNRSBT値の前記ヒストグ
ラムから前記コンピュータシステムにより統計的に判定
された公称NRSBT値を選択する過程と、 (c)前記公称NRSBT値に対する信頼水準を選択す
る過程と、 (d)限界過渡的運転時の異常事象のシミュレーション
中に、前記公称NRSBT値が、所定のカットオフ値未
満のままであるように、最小CPRからOLMCPR値
を選択する過程と、 (e)前記過程(d)において選択された前記OLMC
PRを運転制御パラメータとして適用することによっ
て、前記沸騰水型原子炉運転を遂行する過程とから成る
方法。 - 【請求項17】 前記ヒストグラムは、過渡的運転時の
異常事象の多次元モデリングを使用して、前記シミュレ
ーションから取得されたCPRデータを記憶するための
メモリを含むデータ処理システム上で展開される請求項
16記載の方法。 - 【請求項18】 燃料棒設計及び/又は炉心構成が、運
転限界最小臨界出力比(OLMCPR)を評価するため
のプロセスにより判定される前記原子炉の運転限界に依
存する沸騰水型原子炉の核燃料炉心に対して、OLMC
PRを評価し且つ沸騰水型原子炉を運転することを目的
とし、結果的に前記原子炉の運転限界を向上させる改良
されたプロセスにおいて、 コンピュータにより実行可能な以下の過程: (a)前記過渡的運転時の異常事象に対する臨界出力比
(ΔCPR/ICPR)の前記変化の所定の確率分布に
基づいた原子炉における過渡的運転時の異常事象の複数
のコンピュータシミュレーションに対応するNRSBT
(沸騰遷移を生じる燃料棒の本数)値のヒストグラムを
コンピュータシステムのメモリ中に展開し、前記シミュ
レーションは、前記原子炉に対する複数の異なるパラメ
ータ量に対する1本以上の燃料棒に対する臨界出力比
(CPR)に対する値を供給する過程と、 (b)NRSBT分布の中心傾向に基づいて、前記過程
(a)において取得されたNRSBT値の前記ヒストグ
ラムから公称NRSBT値を計算する過程と、 (c)前記公称NRSBT値に対する信頼水準を選択す
る過程と、 (d)過渡現象のシミュレーション中に、前記公称NR
SBT値が、所定のカットオフ値未満のままであるよう
に、前記初期最小MCPRとして前記原子炉に対するO
LMCPRを選択する過程と、 (e)前記過程(d)において選択された前記OLMC
PRを運転制御パラメータとして適用することによっ
て、沸騰水型原子炉運転を遂行する過程とから成る方
法。 - 【請求項19】 設計上の制約及び運転条件を示す1つ
以上のパラメータ量を有することを特徴とする沸騰水型
原子炉(BWR)の運転限界最小臨界出力比(OLMC
PR)を許可要件への対応性のために統計的に実証する
方法において、 (a)コンピュータが沸騰水型原子炉に対するOLMC
PR値を決定するようにプログラムし、前記コンピュー
タが少なくとも、 (i)原子炉における過渡的運転時の異常事象の複数の
シミュレーションに対応するNRSBT(沸騰遷移を生
じる燃料棒の本数)値のヒストグラムを展開し、前記シ
ミュレーションは、前記過渡的運転時の異常事象に対す
る臨界出力比(ΔCPR/ICPR)の変化の所定の確
率分布に基づいて、前記原子炉に対する前記パラメータ
量における複数の無作為に選択された変量に対して1本
以上の燃料棒に対する臨界出力比(CPR)に対する値
を供給し、 (ii)NRSBT値の前記ヒストグラムから公称NRS
BT値を計算し、 (iii)過渡現象のシミュレーション中に、前記公称N
RSBT値が、所定のカットオフ値未満のままであるよ
うに、最小MCPRに対応する前記原子炉に対するOL
MCPRを選択するようにプログラムされる過程と、 (b)表示、記録又は記憶させるために前記OLMCP
R値を出力装置に供給する過程とから成る方法。 - 【請求項20】 運転限界最小臨界出力比(OLMCP
R)値を有することを特徴とする核燃料炉心を有する沸
騰水型原子炉を制御する際に使用するための前記OLM
CPR値を決定する方法において、 (a)コンピュータを使用して、沸騰水型原子炉の運転
中に発生する可能性のある過渡的運転時の異常事象を前
記異常事象の所定の分布に基づいてシミュレーションす
る過程と、 (b)1本以上の燃料棒に対する臨界出力比(CPR)
に対する値を提供する沸騰水型原子炉における過渡的運
転時の異常事象のコンピュータシミュレーションからN
RSBT値のヒストグラムを展開する過程と、 (c)NRSBT分布の中心傾向に基づいて、前記過程
(a)において取得されたNRSBT値の前記ヒストグ
ラムから公称NRSBT値を決定する過程と、 (d)前記公称NRSBT値に対する信頼水準を選択す
る過程と、 (e)過渡現象のシミュレーション中に、前記公称NR
SBT値が、所定のカットオフ値未満のままであるよう
に、前記初期最小MCPRとして前記原子炉に対するO
LMCPRを選択する過程とから成る方法。
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