JP2002256020A - ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法

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JP2002256020A
JP2002256020A JP2001059575A JP2001059575A JP2002256020A JP 2002256020 A JP2002256020 A JP 2002256020A JP 2001059575 A JP2001059575 A JP 2001059575A JP 2001059575 A JP2001059575 A JP 2001059575A JP 2002256020 A JP2002256020 A JP 2002256020A
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meth
acrylate
vinyl
palladium
vinyl ether
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JP2001059575A
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Hiroko Yamaguchi
博子 山口
Keiji Yurugi
啓嗣 万木
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体を経済的に効率よく製造する
方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、 Rは水素原子またはメチル基、Rは有機
残基を表す)で表される構造単位を有する水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、下記一般式
(2): R−O−CH=CH−R (式中、 Rは有機残基を表し、Rは水素原子また
は有機残基を表す)で表わされるビニルエーテル類およ
び/または下記一般式(3): RCOO−CH=CH−R (式中、 R、Rはそれぞれ独立に水素原子または
有機残基を表す)で表されるカルボン酸ビニルエステル
類とを反応させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニルエーテル基
を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、水酸基
含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体とビニルエー
テル類および/またはカルボン酸ビニルエステル類とを
反応させることによるビニルエーテル基を側鎖に有する
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法に関す
るものである。
【0002】ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)
アクリル酸エステル系重合体は、医農薬原料、合成中間
体、架橋剤、粉体塗料用樹脂、さらに重合性材料として
接着剤、粘着剤、生体材料、歯科材料、光学部材、情報
記録材料、光ファイバー用材料、レジスト材料、絶縁
体、封止材、印刷インキ、塗料、注型材料、化粧板、W
PC、被覆材、ライニング材、土木建築材料、パテ、補
修材、床材、舗装材ゲルコート、オーバーコート、ハン
ドレイアップ・スプレーアップ・引抜成形・フィラメン
トワインディング・SMC・BMC等の成形材料、シー
ト等の用途に広範囲に用いられる有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】ビニルエーテル基を側鎖に有する(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としては、
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の
(メタ)アクリレート側のビニル基を選択的にラジカル
またはアニオン重合する方法が知られている。
【0004】また、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル系重合体と、水酸基含有アルキルビニルエーテルとの
エステル交換反応による方法が、特許公報第28676
44号に記載されている。
【0005】しかしながら、上記従来の製造方法では、
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の
ラジカル重合の場合、(メタ)アクリレート側のビニル
基のみならずビニルエーテル側のビニル基までも重合
し、架橋した不溶の重合体が生成する可能性がある。ま
た、アニオン重合は工業的に有利でない。
【0006】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重
合体と水酸基含有アルキルビニルエーテルとのエステル
交換反応による方法は、高温で長時間の反応であり、経
済的に不利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のごとき
状況に鑑みてなされたものであり、ビニルエーテル基を
側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を経
済的に効率良く提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、ビニル
エーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル
系重合体を経済的に効率良く製造する方法を提供するた
め、鋭意検討を重ねた結果、水酸基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体とビニルエーテル類および/また
はカルボン酸ビニルエステル類とを反応させることによ
って、ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体を経済的に効率良く製造できるこ
とを見い出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本
発明は、下記一般式(1):
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Rは水素原子またはメチル基、
は有機残基を表す)で表される構造単位を有する水
酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、下記
一般式(2): R−O −CH=CH −R (式中、Rは有機残基を表し、Rは水素原子または
有機残基を表す)で表わされるビニルエーテル類および
/または下記一般式(3): RCOO−CH=CH−R (式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子ま
たは有機残基を表す)で表されるカルボン酸ビニルエス
テル類とを反応させることを特徴とする、下記一般式
(4):
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Rは水素原子またはメチル基を
表し、Rは有機残基を表し、Rは水素原子または有
機残基を表す)で表される構造単位を有するビニルエー
テル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重
合体の製造方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。
【0014】本発明において原料として用いられる水酸
基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、一般式
(1)で表される構造単位を有する重合体であれば、単
独重合体でも共重合体でも特に限定されるものではな
い。一般式(1)中のRで示される置換基は水素原子
またはメチル基であり、式中のRで示される置換基は
有機残基である。
【0015】前記一般式(1)で表わされる構造単位を
必須に含む水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系重
合体の重合度の範囲は、数平均分子量の下限が、好まし
くは1,000、より好ましくは2000、特に好まし
くは3000であり、数平均分子量の上限が、好ましく
は20,000,000、より好ましくは10,00
0,000、特に好ましくは5,000,000であ
る。
【0016】Rで表される有機残基とは、例えば炭素
数1〜20の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基、
構造中にエーテル結合および/またはエステル結合によ
り酸素原子を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数6〜11の置換されていてもよい芳香族基等が挙げら
れる。
【0017】これらのうち、炭素数2〜6のアルキル
基、構造中にエーテル結合および/またはエステル結合
により酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキル基が好
適に用いられる。
【0018】前記一般式(1)で表される構造単位の代
表例としては、特に限定されるものではないが、具体的
には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸1−メチル−2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)
アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒド
ロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロ
キシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシメチ
ルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ヒド
ロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル
酸2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エ
チル、(メタ)アクリル酸2−(2−ヒドロキシプロポ
キシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ヒドロ
キシイソプロポキシ)イソプロピル、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル等の単量
体に由来する構造単位が挙げられる。
【0019】本発明にかかる水酸基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体を構成する前記一般式(1)で表
される構造単位以外の構造単位は、特に限定されるもの
でないが、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert
−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデ
シル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソ
オクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンタニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル
(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(ア
セトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノ
キシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレ
ート類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、カル
ボキシル基末端カプロラクトン変性アクリレート(商品
名プラクセルFAシリーズ、ダイセル化学工業(株)
製)、カルボキシル基末端カプロラクトン変性メタクリ
レート(商品名プラクセルFMAシリーズ、ダイセル化
学工業(株)製)、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホ
スフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
アシッドホスフェート等の酸性官能基含有(メタ)アク
リレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン等のビニル化合物類;ビニルトリクロル
シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、トリメチルシロキシエチルメタクリレート等の珪素
含有重合性単量体類;トリフルオロエチル(メタ)アク
リレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
プタドデカフルオロデシルアクリレート、β−(パーフ
ロロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、ヘキサフ
ルオロプロピルメタクリレート、パーフロロオクチルエ
チル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有重合性単量
体類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリル
アミド、t−ブチルアクリルアミド、メチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシ
メチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、 N,N’−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、 N−メチル−N−ビニルホルムア
ミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、N
−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニ
ルピロール、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の窒素原
子含有重合性単量体類;エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール#600ジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9
−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ル#400ジ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、
グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3
−ジメタクリロキシプロパンジアクリレート、2,2−
ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロ
パンジアクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロ
キシジエトキシ)フェニル]プロパンジアクリレート等
の多官能性重合性単量体類;ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビ
ニル−n−プロピルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−n−アミル
エーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−2−エ
チルヘキシルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエー
テル、シアノメチルビニルエーテル、2,2−ジメチル
アミノエチルビニルエーテル、2−クロルエチルビニル
エーテル、β―ジフルオロメチルビニルエーテル、ベン
ジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ジビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類;グリシジル(メタ)
アクリレート、α−メチルグリシジルアクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート
(商品名CYCLOMER A200、ダイセル化学工
業(株)製)、α−メチルグリシジルメタクリレート
(商品名M-GMA、ダイセル化学工業(株)製)、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
(商品名CYCLOMER M100、ダイセル化学工
業(株)製)等のエポキシ基含有重合性単量体類;2−
メタクロイルオキシエチルイソシアネート(商品名カレ
ンズMOI、昭和電工(株))、メタクロイルイソシア
ネート(商品名MAI、日本ペイント(株))、m−イ
ソプロペニル−α、αジメチルベンジルイソシアネート
(商品名m−TMI、武田薬品工業(株))等のイソシ
アネート基含有重合性単量体類;4−(メタ)アクリロ
イルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−(メタ)アクリロイルオキシ− 1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリ
ロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−
(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルア
ミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−
(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミ
ノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−
(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アク
リロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安
定性重合性単量体類;等の単量体に由来する構造単位が
挙げられる。これらの構造単位は、単独でも2種類以上
を組み合わせてもよい。
【0020】前記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体中の前記一般式(1)で表わされる構造単位
は、重合体中に1〜100重量%の割合、より好ましく
は3〜80重量%の割合、さらに好ましくは5〜50重
量%の割合で含有されていればよい。前記含有割合が、
反応効率の面、物性の面で好ましい。
【0021】本発明において原料として用いられるビニ
ルエーテル類は、一般式(2)で表される化合物であれ
ば特に限定されず、式中のRで示される基が有機残基
であり、Rで示される基が水素原子または有機残基で
ある。
【0022】Rで表される有機残基としては、例えば
炭素数1〜18の直鎖状、分枝状または環状のアルキル
基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜
20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアセト
キシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化(例えば塩
素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、炭素数2〜
18のアルケニル基、または炭素数6〜20のアリール
基である。
【0023】これらのうち、炭素数1〜10のアルキル
基が好適に用いられる。
【0024】前記一般式(2)中のRで表される有機
残基とは、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分枝状また
は環状のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化(例え
ば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、炭素数
6〜11の芳香族基等が挙げられる。
【0025】これらのうち、炭素数1〜2のアルキル基
が好適に用いられる。
【0026】前記一般式(2)で表されるビニルエーテ
ル類の代表例としては、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プ
ロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t
−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘ
キシルビニルエーテル、ヘプチルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デカニル
ビニルエーテル、アリルビニルエーテル、フェニルビニ
ルエーテル、ベンジルビニルエーテル等が挙げられ、好
ましくは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテルである。
【0027】前記一般式(1)で表される水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステル系重合体と前記一般式
(2)で表わされるビニルエーテル類の反応初期におけ
る比は、特に限定されるものではないが、具体的には、
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体に含ま
れる一般式(1)で表される構造単位中の水酸基1つに
対して、ビニルエーテル類が0.05〜100分子の範
囲内であればよく、0.1〜50分子の範囲内がより好
ましく、0.2〜30分子の範囲内がさらに好ましい。
前記比の範囲が、収率の点および経済性の点で好まし
い。
【0028】本発明において原料として用いられるカル
ボン酸ビニルエステル類は、一般式(3)で表される化
合物であれば特に限定されず、式中のR、Rで示さ
れる基がそれぞれ独立に水素原子または有機残基であ
る。
【0029】前記一般式(3)中のRで示される有機
残基とは、前記一般式(2)の定義と同義である。
【0030】Rで表される有機残基としては、例えば
炭素数1〜18の直鎖状、分枝状または環状のアルキル
基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜
20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアセト
キシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化(例えば塩
素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、炭素数2〜
18のアルケニル基、または炭素数6〜20のアリール
基である。
【0031】これらのうち、炭素数1〜10のアルキル
基が好適に用いられる。
【0032】前記一般式(3)で表されるカルボン酸ビ
ニルエステル類の代表例としては、ぎ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニ
ル、吉草酸ビニル、ピバル酸ビニル、ヘキサン酸ビニ
ル、ヘプタン酸ビニル、オクタン酸ビニル、ノナン酸ビ
ニル、デカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、2−エチル
ヘキサン酸ビニル、ネオノナン酸ビニル、ネオデカン酸
ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シ
クロヘキサン酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル
酸ビニル、クロトン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸
ビニル等が挙げられ、好ましくは、ぎ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニ
ル、吉草酸ビニル、ピバル酸ビニルである。
【0033】前記一般式(1)で表される水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステル系重合体と前記一般式
(3)で表わされるカルボン酸ビニルエステル類の反応
初期における比は、特に限定されるものではないが、具
体的には、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系重
合体に含まれる一般式(1)で表される構造単位中の水
酸基1つに対して、カルボン酸ビニルエステル類が0.
05〜50分子の範囲内であればよく、0.1〜30分
子の範囲内がより好ましく、0.2〜20分子の範囲内
がさらに好ましく、0.3〜10分子の範囲内が特に好
ましい。前記比の範囲が、収率の点および経済性の点で
好ましい。
【0034】本発明は触媒を使用することが好ましく、
パラジウムを含有する触媒がより好ましく、さらには、
パラジウム錯体を含有する触媒が特に好ましい。
【0035】前記パラジウムを含有する触媒としては特
に限定されるわけではないが、具体的には、塩化パラジ
ウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウ
ム、およびパラジウム錯体が挙げられる。
【0036】パラジウム錯体としては特に限定されるわ
けではないが、具体的には、ジアセタト(1,10−フ
ェナントロリン)パラジウム、ジアセタト(2,2’−
ビピリジン)パラジウム、ジアセタト(エチレンジアミ
ン)パラジウム、ジアセタト(2,4−ペンタンジアミ
ン)パラジウム、ジアセタト(1,2−シクロヘキサン
ジアミン)パラジウム、ジアセタト(N,N,N’,
N’−テトラメチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ
(1,10−フェナントロリン)パラジウム、ジクロロ
(2,2’−ビピリジン)パラジウム、ジクロロ(エチ
レンジアミン)パラジウム、ジクロロ(2,4−ペンタ
ンジアミン)パラジウム、ジクロロ(1,2−シクロヘ
キサンジアミン)パラジウム、ジクロロ(N,N,
N’,N’−テトラメチレンジアミン)パラジウム、
(2,2’−ビピリジン)ジニトロパラジウム、(2,
2’−ビピリジン)ジメチルパラジウム、ジネオペンチ
ル(2,2’−ビピリジン)パラジウム、ジクロロビス
(ピリジン)パラジウム、ジクロロビス(ヒドラジン)パ
ラジウム、ジアンミンジブロモパラジウム、テトラアン
ミンジクロロパラジウム、ジアンミンジニトロパラジウ
ム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム、ビス
(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム、ジクロロビス
(イソシアニド)パラジウム、ジクロロビス(フェニル
イソシアニド)パラジウム、テトラクロロビス(η−エ
チレン)二パラジウム、ジ−η−クロロ−ビス[クロロ
(エチレン)パラジウム]、ジクロロ(エチレン)パラジウ
ム、(η−アリル)(η−シクロペンタジエニル)
パラジウム、(η−アリル)(η−ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)パラジウム、ジクロロ(η
1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、(クロロ)
(η−1,5−シクロオクタジエン)(メチル)パラ
ジウム、ビス(η−アリル)ジクロロ二パラジウム、ジ
−η−クロロ−ビス[η−アリルパラジウム]、ジクロ
ロビス(ホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリ
ブチルホスフィン)パラジウム、ブロモ(メチル)ビス
(トリエチルホスフィン)パラジウム、trans−ジメチ
ルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジニト
ロビス(ホスフィン)パラジウム、アンミンジクロロ
(ホスフィン)パラジウム、ジクロロ(η−テトラフ
ェニルシクロブタジエン)パラジウム、テトラクロロビ
ス(ホスフィン)二パラジウム、ビス(8−キノリノラ
ト)パラジウム、ビス(サリチルアルデヒドオキシマ
ト)パラジウム、ビス(ジメチルグリオキシマト)パラ
ジウム、ビス(ベンジルメチルグリオキシマト)パラジ
ウム、ビス(N−エチルサリチルアルジミナト)パラジ
ウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、[ビス
(アセチルアセトン)エチレンジアミナト]パラジウ
ム、ビス(グリシナト)パラジウム、(η−1−アセチ
ル−2−ヒドロキシアリル)クロロ(トリフェニルホス
フィン)パラジウム、ジ−η−クロロビス[(η−1−
アセチル−2−ヒドロキシアリル)パラジウム]等が挙
げられる。
【0037】これらの内、塩化パラジウム、酢酸パラジ
ウム、硝酸パラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロ
ロパラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジ
ウム、ジアセタト(1,10−フェナントロリン)パラ
ジウム、ジアセタト(2,2’−ビピリジン)パラジウ
ム、ジアセタト(エチレンジアミン)パラジウム、ジア
セタト(2,4−ペンタンジアミン)パラジウム、ジア
セタト(1,2−シクロヘキサンジアミン)パラジウ
ム、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウ
ム、ジクロロ(2,2’−ビピリジン)パラジウム、ジ
クロロ(エチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ
(2,4−ペンタンジアミン)パラジウム、ジクロロ
(1,2−シクロヘキサンジアミン)パラジウムが好ま
しい。これらのパラジウム錯体は、予めパラジウム錯体
として合成および単離したものを反応系中に添加するば
かりではなく、酢酸パラジウム、塩化パラジウム等のパ
ラジウム化合物と1,10−フェナントロリン、2,
2’−ビピリジン等の配位子により、反応系中でパラジ
ウム錯体を生成させる方法であってもよい。
【0038】前記パラジウム触媒の使用量は、用いる前
記一般式(1)で表される水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステル系重合体や、一般式(2)で表されるビニル
エーテル類および一般式(3)で表されるカルボン酸ビ
ニルエステル類の種類や組み合わせにもよるが、該ビニ
ルエーテル類または該カルボン酸ビニルエステル類1モ
ルに対して0.0001〜0.2モル、より好ましくは
0.001〜0.1モル、特に好ましくは0.005〜
0.05モルの範囲内となるように使用すればよい。前
記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点、触媒安
定性の点で好ましい。
【0039】水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系
重合体とビニルエーテル類との反応においては、反応系
中にパラジウム錯体に対して、1,10−フェナントロ
リン、2,2’−ビピリジン、エチレンジアミン、2,
4−ペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミ
ン等の窒素化合物をさらに添加することが収率を向上さ
せる点で好ましい。窒素化合物としては、特に限定され
るものではないが、1,10−フェナントロリン、2,
2’−ビピリジン、エチレンジアミン、2,4−ペンタ
ンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチレンジアミン、ピリジン、
ヒドラジン等が挙げられる。
【0040】これらの内、1,10−フェナントロリ
ン、2,2’−ビピリジン、エチレンジアミン、2,4
−ペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン
がより好ましく、1,10−フェナントロリンまたは
2,2’−ビピリジンが特に好ましい。
【0041】添加する窒素化合物の量は、パラジウム錯
体を構成するパラジウム原子に1モルに対して、0〜1
00モルの範囲が好ましく、より好ましくは1〜80モ
ルの範囲であり、特に好ましくは5〜50モルの範囲で
ある。前記窒素化合物の添加量の範囲が、収率の点、経
済性の点で好ましい。
【0042】また、水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体とカルボン酸ビニルエステルとの反応おい
て、反応系中に塩基性化合物を存在させることが転化率
および選択率の点で好ましい。前記塩基性化合物として
は、特に限定されるものではないが、具体的には、ギ酸
リチウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸マグネ
シウム、ギ酸カルシウム、ギ酸バリウム、酢酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、プロピオン酸リチ
ウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウ
ム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カルシウ
ム、プロピオン酸バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム等のアルカリ金属および/またはア
ルカリ土類金属塩;リン酸チタン、リン酸クロム、リン
酸マンガン、リン酸鉄、リン酸コバルト、リン酸ニッケ
ル等の遷移金属原子のリン酸塩;タングステン酸ナトリ
ウム、亜テルル酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウ
ム、セレン酸ナトリウム、クロム酸ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム等の酸素酸塩;エチレンジアミン四酢酸二
ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム・バリウム、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム・カドミウム、エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム・カルシウム、エチレンジアミン四酢酸二
ナトリウム・コバルト、エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウム・銅、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・水
銀、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・マグネシウ
ム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・マンガン、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・ニッケル、エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム・鉛、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム・亜鉛、エチレンジアミン四酢酸
ナトリウム・鉄、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、
エチレンジアミン四酢酸三カリウム、エチレンジアミン
四酢酸二カリウム・マグネシウム等のエチレンジアミン
四酢酸錯塩等が挙げられる。これらは単独でも、あるい
は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0043】これらの中でも、炭酸水素ナトリウム、塩
化カルシウム、モリブデン酸ナトリウム、タングステン
酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム・亜鉛が好適に用いられる。特に、
炭酸水素ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、エチレ
ンジアミン四酢酸二ナトリウム・亜鉛がより好適に用い
られる。
【0044】上記塩基性化合物の添加量は、パラジウム
触媒を構成するパラジウム原子1モルに対して、0.0
01〜3モル、好ましくは0.01〜2モル、より好ま
しくは0.05〜1.8モル、特に好ましくは0.1〜
1.5モルの範囲内となるように添加すればよい。前記
塩基性化合物添加量が、収率の点、経済性の点で好まし
い。
【0045】反応温度は、−40℃〜150℃の範囲内
が好ましく、−10℃〜100℃の範囲内がより好まし
く、10℃〜80℃の範囲が特に好ましい。反応時間
は、上記反応が完結するように、水酸基含有(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体、ビニルエーテル類、カルボ
ン酸ビニルエステル類、触媒および有機溶剤の種類や組
み合わせ、使用量等に応じて適宜設定すればよい。ま
た、反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧
(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
【0046】本発明では特に溶剤を使用する必要は無い
が、有機溶剤を使用することもできる。有機溶剤は、特
に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素
類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の
極性溶媒類:クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエ
タン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等が挙
げられる。
【0047】上記有機溶剤の使用量は、用いる前記一般
式(1)で表される水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体、前記一般式(2)で表されるビニルエー
テル類および/または前記一般式(3)で表されるカル
ボン酸ビニルエステル類の組み合わせにもよるが、該水
酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ビニル
エーテル類および/またはカルボン酸ビニルエステル類
を合わせた総量の0〜200重量%、好ましくは0〜1
00重量%、さらに好ましくは0〜80重量%、特に好
ましくは0〜70重量%の範囲内となるように使用すれ
ばよい。前記有機溶剤の使用量が収率の点、経済性の点
で好ましい。
【0048】本発明により製造されるビニルエーテル基
を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体
は、前記一般式(4)で表され、式中のR、Rおよ
びRは、各々前記一般式(1)、一般式(2)の定義
と同様である。
【0049】本発明にしたがって製造されたビニルエー
テル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重
合体は、反応溶液を精製することによって得ることがで
きる。上記精製手段は特に限定されるものではないが、
製造された(メタ)アクリル酸エステル系重合体の貧溶
媒に再沈殿させる方法、未反応のビニルエーテル類およ
び/またはカルボン酸ビニルエステル類や溶媒を蒸発さ
せる方法およびGPC分取による方法等によって分離・
精製することができる。これらの方法は組み合わせて実
施してもよい。
【0050】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。なお、ビニルエーテル基導入率とは、(メ
タ)アクリル系重合体中の前記一般式(1)で表される
構造単位がビニルエーテル基に転化した割合を表す。ビ
ニルエーテル基導入率の算出にはH−NMRを用い
た。
【0051】参考例 1 (アクリル酸2−(2−ヒド
ロキシエトキシ)エチル/アクリル酸エチル共重合体の
製造) 攪拌装置、温度計、冷却装置、滴下装置および窒素ガス
導入管を取付けた四つ口フラスコにアクリル酸2−(2
−ヒドロキシエトキシ)エチル 32.0g、アクリル
酸エチル 50.1g、AIBN 0.82g、ベンゼン
500mlを仕込み、窒素ガス気流下55℃に昇温し、
さらに同温度で6時間保持し、重合体を得た。
【0052】溶媒のベンゼンを減圧下留去し、それをヘ
キサン1Lを用いて再沈殿することにより精製した。重
合体の精製収率は85モル%であった。
【0053】また、HLC−8020型ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(東ソー(株)製;以下「G
PC」と呼ぶ)により測定した重合体の数平均分子量
(ポリスチレン換算)は11300であった。
【0054】参考例 2 (メタクリル酸2−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)エチル/メタクリル酸メチル共重合
体の製造) 参考例1と同様の装置に、メタクリル酸2−(2−ヒド
ロキシエトキシ)エチル 34.8g、メタクリル酸メ
チル 60.1g、AIBN 0.95g、ベンゼン50
0mlを仕込み、窒素気流下55℃に昇温し、同温度で
6時間保持し、重合体を得た。
【0055】溶媒のベンゼンを減圧下留去し、それをヘ
キサン1Lを用いて再沈殿することにより精製した。重
合体の精製収率は89モル%であった。
【0056】また、GPCにより測定した重合体の数平
均分子量(ポリスチレン換算)は9800であった。
【0057】実施例 1 容量200mlのフラスコにエチルビニルエーテル 7
2.0g、参考例1で製造したアクリル酸2−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)エチル/アクリル酸エチル共重合体
(共重合モル比;アクリル酸2−(2−ヒドロキシエト
キシ)エチル/アクリル酸エチル=2/5) 41.0
g、ジアセタト(2,2’−ビピリジン)パラジウム
(II)1.91gを仕込み、30℃で攪拌しながら2
4時間保持した。過剰のエチルビニルエーテルを減圧下
留去し、それを500mlのヘキサンを用いて再沈殿す
ることにより精製した。ビニルエーテル基導入率は16
モル%であった。
【0058】実施例 2 2、2’−ビピリジン 15.6gを添加した以外は、
実施例1と同じ操作を行った。ビニルエーテル基導入率
は28モル%であった。
【0059】実施例 3 容量100mlのフラスコに酢酸ビニル42.4g、参
考例2で製造したメタクリル酸2−(2−ヒドロキシエ
トキシ)エチル/メタクリル酸メチル共重合体(共重合
モル比;メタクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エチル/メタクリル酸メチル=1/3)47.4g、塩
化パラジウム 0.44gを仕込み、40℃で攪拌しな
がら3時間保持した。過剰の酢酸ビニルを減圧下留去
し、それをヘキサン500mlを用いて精製した。ビニ
ルエーテル基導入率は12モル%であった。
【0060】実施例 4 炭酸水素ナトリウム0.21gを添加した以外は、実施
例3と同じ操作を行った。ビニルエーテル基導入率は2
4モル%であった。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、ビニルエーテル基を側
鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を経済
的に効率良く製造することができる。
【0062】本発明により得られるビニルエーテル基を
側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、
医農薬原料、合成中間体、架橋剤、粉体塗料用樹脂、さ
らに重合性材料として接着剤、粘着剤、生体材料、歯科
材料、光学部材、情報記録材料、光ファイバー用材料、
レジスト材料、絶縁体、封止材、印刷インキ、塗料、注
型材料、化粧板、WPC、被覆材、ライニング材、土木
建築材料、パテ、補修材、床材、舗装材ゲルコート、オ
ーバーコート、ハンドレイアップ・スプレーアップ・引
抜成形・フィラメントワインディング・SMC・BMC
等の成形材料、シート等の用途に広範囲に用いられる有
用な化合物である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは有機残
    基を表す)で表される構造単位を有する水酸基含有(メ
    タ)アクリル酸エステル系重合体と、下記一般式
    (2): R−O −CH=CH −R (式中、Rは有機残基を表し、Rは水素原子または
    有機残基を表す)で表わされるビニルエーテル類および
    /または下記一般式(3): RCOO−CH=CH−R (式中、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子ま
    たは有機残基を表す)で表されるカルボン酸ビニルエス
    テル類とを反応させることを特徴とする下記一般式
    (4): 【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R
    有機残基を表し、Rは水素原子または有機残基を表
    す)で表される構造単位を有するビニルエーテル基を側
    鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造
    方法。
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