JP2002256000A - 鳥類のビテロジェニンを特異的に認識する抗体及び鳥類のビテロジェニン測定系 - Google Patents

鳥類のビテロジェニンを特異的に認識する抗体及び鳥類のビテロジェニン測定系

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JP2002256000A JP2001055687A JP2001055687A JP2002256000A JP 2002256000 A JP2002256000 A JP 2002256000A JP 2001055687 A JP2001055687 A JP 2001055687A JP 2001055687 A JP2001055687 A JP 2001055687A JP 2002256000 A JP2002256000 A JP 2002256000A
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Masaru Wada
勝 和田
Atsuko Nakaji
敦子 中路
Tamami Sakamoto
珠美 坂本
Naomi Nakamichi
直美 中道
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鳥のビテロジェニンを認識する抗体の提供。 【解決手段】 鳥のビテロジェニンを認識する抗体、及
び該抗体と鳥の体液中のビテロジェニンとを反応させる
ことを特徴とする鳥のビテロジェニンの濃度測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鳥類のビテロジェ
ニンを認識する抗体、並びに該抗体を用いた化学物質の
毒性又は環境汚染の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、化学物質が原因であると考えられ
ている動物の生殖異常が世界各地で観察されている。例
えば、アメリカ合衆国、フロリダ州のアポプカ湖におけ
る生殖異常に関する報告が最もよく知られている。その
調査報告によると、雄ワニのペニスが正常の1/4〜1/2の
大きさに萎縮した個体が多数発見され、その一方、雌ワ
ニでは、正常に比べて卵巣の多卵性ろ胞、多核卵の形成
が顕著であった。その原因は、湖畔に立地する化学工場
から出されたDDT関連物質であるジコホルと呼ばれる物
質によるものであることが判明し、ジコホルは女性ホル
モンと同様の作用を有するものであることが分かってき
た。
【0003】このように生物の内分泌系に作用し機能を
障害する化学物質は、内分泌撹乱物質(endocrine disr
uptors)(いわゆる環境ホルモン)と呼ばれ、これまでに
有機塩素化合物、ビスフェノールA、有機金属化合物等
が内分泌撹乱作用をもつ物質として知られている。そし
て、これらの物質以外の様々な未知化合物の中にも同様
の作用をもつ物質が存在するのではないかと疑われてい
る。
【0004】本来の女性ホルモンであるエストロジェン
化合物に類似の構造を持つ化学物質は、その生体内レセ
プターへの結合を示すことで、ある種のホルモン作用を
惹起することが知られている。1950年〜1970年に米国で
DES(合成ホルモン剤)を服用した母親から生まれた子
供に生殖器異常の多くを引き起こしたのもその例であ
る。しかしながら、上述した化学物質は必ずしもエスト
ロジェンと類似の構造でない場合も多く、内分泌撹乱物
質として予測することは非常に困難であった。
【0005】従来、化学物質の内分泌撹乱作用を評価す
る方法として、試験管内において酵母にエストロジェン
受容体を発現させ、当該化合物がその受容体に結合する
度合を測定する方法、あるいは生体内においてマウス等
に化学物質を投与し、その生殖機能等を解析する等の方
法が採用されている。しかし、前者の試験管内における
試験方法においては、化学物質の生体内での代謝物の影
響を評価できない。また、後者の生体内における試験方
法においては、観察及び解析に大量の動物を使用し、ま
た、その解析に多大な労力を要する等、問題も多い。
【0006】ところで、近年内分泌撹乱物質と関連のあ
る物質としてビテロジェニンが注目されている。ビテロ
ジェニンは、卵黄に含まれるリンタンパク質の前駆体
で、分子量は約24万、燐酸の他に、糖、脂肪及びカル
シウムを含む水溶性のタンパク質であり、アイソタイプ
を有することが知られている。ビテロジェニンは、肝臓
で大量に作られ、血中に分泌される。血中では分子量約
50万の2量体として存在し、卵巣に摂取される。卵巣
では2種類の卵黄リンタンパク質、すなわちリポビテリ
ンとホスビチンに分解される。これらは卵内で成長する
胚にとって、重要な栄養源となっている。例えば、チキ
ンビテロジェニンについて、チキンビテロジェニンが分
子量260kDaのチキンビテロジェニンI、分子量246Kdaの
チキンビテロジェニンII、分子量210kDaのチキンビテロ
ジェニンIIIのアイソタイプを含み、この中でチキンビ
テロジェニンIIが主要アイソタイプであること、各ビテ
ロジェニンともリポビテリン(分子量120,000のリポビ
テリン-Iと分子量32,000のリポビテリン-IIが存在す
る)部分と分子量44,000のホスビチン部分を含むことが
報告されている(Biochimica et Biophysica Acta, 124
4(1995) 384-394)。ビテロジェニンは、卵生の生物、
すなわち鳥類、両生類、魚類、昆虫類などで検出され
る。メスの肝臓ではエストロジェンによってビテロジェ
ニン遺伝子の転写が促進され、このタンパク質の合成が
増加する。正常のオスではほとんど合成されないが、大
量のエストロジェン投与により誘導される。
【0007】内分泌撹乱作用を有する化学物質の存在下
で魚類などを飼育すると、雌特有の卵黄蛋白前駆物質で
あるビテロジェニンが雄の生体中にも誘導されることが
知られている(Steroids 1980 Mar;35(3):315-328 、Le
Menn Fら)。従って、ビテロジェニンの濃度を測定す
ることによって化学物質が有する内分泌撹乱作用を評価
しようとする試みがなされてきた。しかしながら、ビテ
ロジェニンは不安定な物質であるため、高速液体クロマ
トグラフィーなどの機器分析によっては正確に測定する
ことに大きな問題があった。
【0008】本発明者は、先にコイのビテロジェニンを
特異的に認識する抗体を開発し、その抗体を用いてコイ
の体液中のビテロジェニンを測定することにより、化学
物質の毒性(特に内分泌撹乱作用の強度)を評価し、あ
る地域における内分泌撹乱物質の汚染状況を把握するこ
とを可能にする測定系を開発した。水生環境に棲息する
生物だけではなく陸生環境に棲息する生物における内分
泌撹乱化学物質のスクリーニング手法の確立が、広く地
球上の化学物質の汚染状況を把握するためにも望まれて
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鳥類、特に
ウズラのビテロジェニンに対する抗体、並びに該抗体を
用いた化学物質の毒性又は環境汚染の評価方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、体液中に存在する
卵巣に由来する他の関連タンパク質には反応せず、ビテ
ロジェニンにのみ特異的に反応する抗体を作製し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、鳥、特に
ウズラのビテロジェニンに対する抗体である。
【0011】さらに、本発明は、前記抗体を用いて鳥、
特にウズラの体液中のビテロジェニンを検出することを
特徴とする化学物質の毒性又は環境汚染を評価する方法
である。化学物質としては、例えば内分泌撹乱作用を引
き起こすものが挙げられ、環境汚染としては、当該化学
物質が原因で生じる内分泌撹乱作用によるものが挙げら
れる。さらに、本発明は、前記抗体を含む、化学物質の
毒性又は環境汚染を評価するためのキットである。
【0012】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1) 鳥のビテロジェニンを特異的に認識する抗体、
(2) 鳥のリポビテリンを動物に免疫して得られた、
(1)の抗体、(3) 鳥のホスビチンを動物に免疫し
て得られた、(1)の抗体、(4) モノクローナル抗
体である(1)〜(3)のいずれかの抗体、(5) 鳥
がウズラである(1)〜(4)のいずれかの抗体、
(6) (1)〜(4)のいずれかの抗体と鳥の体液中
のビテロジェニンとを反応させることを特徴とする、鳥
のビテロジェニンの濃度の測定方法、(7) (1)〜
(4)のいずれかの抗体と該鳥の体液中のビテロジェニ
ンとを反応させ、該反応により測定されたビテロジェニ
ンの濃度の上昇を指標として化学物質の毒性又は環境汚
染を評価する方法、(8) 化学物質が内分泌撹乱作用
を有するものである(7)の方法、(9) 環境汚染が
内分泌撹乱作用を有する化学物質によるものである
(7)の方法、(10) 鳥がウズラである(6)〜
(9)のいずれかの方法、及び(11) (1)〜
(5)の抗体を含む、化学物質の毒性又は環境汚染の評
価用キット。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、鳥類の雌特有の卵黄蛋
白であるビテロジェニンを特異的に認識することができ
る抗体に関するものであり、該抗体を鳥類の体液中のビ
テロジェニンと反応させることにより、ビテロジェニン
を簡便かつ高感度に測定することを可能とするものであ
る。その結果、本発明により化学物質の毒性(特に内分
泌撹乱作用の強度)を評価し、ある地域における内分泌
撹乱物質の汚染状況を把握することが可能となる。鳥の
種類は問わないが、入手及び飼育の簡便性、分布等を考
慮するとウズラが好ましい。
【0014】そこで、本発明では、鳥類のビテロジェニ
ンに対する抗体を作製するとともに、該抗体を用いて、
簡便かつ正確で、高速液体クロマトグラフィーなどに比
べて高感度なビテロジェニンの測定法を確立する。そし
て、本発明の抗体を用いて化学物質が有する毒性(内分
泌撹乱作用)の強度を検討する。この強度は、内分泌撹
乱作用を有する化学物質により生体内のビテロジェニン
濃度が有意に上昇するか否かを測定することにより評価
することができる。
【0015】本発明の抗体は、ビテロジェニンを免疫原
として用いて作製することもできるし、ビテロジェニン
を構成する糖タンパク質であるリポビテリン又はホスビ
チンを免疫原として用いることもできる。このようにし
て作製した抗体は、ビテロジェニンのリポビテリン部分
を認識する抗体及びホスビチン部分を認識する抗体を含
み、それぞれ卵巣でビテロジェニンから分解されたリポ
ビテリン、ホスビチンをも認識する。また、ビテロジェ
ニンが分解してできるリポビテリン、ホスビチンを認識
せず、完全な構造を有するビテロジェニンのみを認識す
る抗体も含まれる。いずれの抗体もビテロジェニンの測
定に用いることができる。これらのビテロジェニン中の
認識する部分が異なる抗体を用いれば、血中の完全なビ
テロジェニンだけでなく分解産物であるリポビテリンや
ホスビチンの濃度も正確に求めることができ、より正確
にビテロジェニンの産生量を求めることが可能になる。
また、血中でのビテロジェニンの動態の解析も可能にな
る。尚、本明細書中で免疫原として用いた抗原に従っ
て、抗リポビテリン抗体、抗ビテロジェニン抗体と称し
ているが、これは抗体の反応性を限定する意図ではな
く、抗リポビテリン抗体がビテロジェニンを認識するこ
と、及び抗ビテロジェニン抗体がビテロジェニンを構成
するいずれかの部分等タンパク質を認識し得ることはビ
テロジェニンの構造から理解される。本発明の抗体を作
製するにあたり、動物を免疫するための免疫原として、
及び鳥類のビテロジェニンを特異的に認識する抗体の評
価のためにビテロジェニン、リポビテリン及びホスビチ
ンを当業者に知られた糖タンパク質の精製法を用いて調
製することができる。例えば、これらのタンパク質は以
下のようにして調製することができる。
【0016】リポビテリンは、卵黄に含まれているリポ
タンパク質である。従って、鳥類の卵黄から各種の分離
精製方法により、分離・精製することができる。この
際、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過、イオン交換クロ
マトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等
を単独でまたは適宜組合せて用いることができる。例え
ば、ウズラ卵黄より遠心分離及び塩析を利用して卵黄顆
粒(yolk granule)画分を得て、卵黄顆粒画分からゲル
ろ過クロマトグラフィーによりリポビテリンを精製する
ことができる。リポビテリンは、分子量により同定する
ことが可能である。精製されたリポビテリンは、ビテロ
ジェニンを特異的に認識する抗体を作製するための免疫
原として用いられる。
【0017】ビテロジェニンは、卵黄に含まれるリンタ
ンパク質の前駆体であり、肝臓で大量に作られ血中に分
泌されるので、鳥類から採取した血液から各種の分離精
製方法により、分離・精製することができる。この際、
硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過、イオン交換クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単
独でまたは適宜組合せて用いることができる。例えば、
ウズラから採取した血液を遠心分離にかけて血清を調製
し、ゲルろ過カラムクロマトグラフィーにより粗ビテロ
ジェニン分画を回収し、さらにヘパリンカラムやレクチ
ンカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーに
よりビテロジェニン以外の糖タンパク質を除去し、ビテ
ロジェニンを精製することができる。ビテロジェニン
は、公知のチキンビテロジェニンの分子量との比較、抗
リポビテリン抗体との反応性、チキンビテロジェニンと
の配列の相同性等により同定することができる。
【0018】精製されたビテロジェニンは、免疫原とし
て、又は鳥のビテロジェニンを特異的に認識する抗体の
評価などに用いられる。免疫原をマウス、モルモット、
ウサギ、ヤギ等の動物の皮下、筋肉内、腹腔内、静脈等
に複数回接種する。免疫の間隔は特に限定されないが、
例えば1〜2週間おきに、2〜5回免疫すればよい。1
回の接種免疫原量も限定されないが、例えば被免疫動物
がウサギの場合、1回にウサギ1羽当たり、10〜50
0μg接種すればよい。この際、フロイントの完全アジ
ュバント、フロイントの不完全アジュバント、BCG、水
酸化アルミニウムゲル、百日咳菌ワクチン等の公知のア
ジュバントとともに免疫することが望ましい。十分に免
疫した後に動物から採血し、ポリクローナル抗体を得る
ことができる。
【0019】血液を遠心分離し血清を得て、該血清から
リポビテリンを認識する抗体を精製することができる。
この際、硫安分画法、イオン交換クロマトグラフィー、
アフィニティクロマトグラフィー等の公知の免疫グロブ
リン精製の技術を用いることができる。例えば、Protei
n Gカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィー
によりIgGを精製し、次いでウズラオス血清成分を固定
化したアフィニティーカラムを用いたアフィニティーク
ロマトグラフィーにより非特異抗体を吸収し、ウズラリ
ポビテリンに対する特異抗体を精製することができる。
【0020】得られた抗血清または精製抗体は、固相酵
素免疫測定法(ELISA)等の酵素免疫測定法(EIA)、放
射線免疫測定法(RIA)、ウエスタンブロッティング等
により特異性検定や抗体価を測定し、評価することがで
きる。この際、抗原として免疫原として用いたウズラリ
ポビテリンを用いることもできるし、ウズラビテロジェ
ニンを用いることもできる。
【0021】モノクローナル抗体も例えば、ケーラーと
ミルステインの方法(Kohler, G. and Milstein, C., N
ature, 256, 495-497, 1975)等の公知の方法により作
製し得る。例えば、ウズラリポビテリンで免疫したマウ
スの脾細胞またはリンパ節細胞とマウスのミエローマ細
胞との細胞融合により得られるハイブリドーマを作製
し、該ハイブリドーマの培養上清又は該ハイブリドーマ
を腹腔内に投与したマウスの腹水から調製することがで
きる。被免疫動物は、マウスに限定されずラット、モル
モット等も利用可能である。ミエローマ細胞は、一般に
被免疫動物と同種の動物より得られたものを用いるが、
異種間でも可能な場合がある。また、免疫されていない
動物の脾細胞またはリンパ節をin vitroで免疫して、感
作細胞を得ることもできる。ハイブリドーマのスクリー
ニングは、種々の免疫化学的方法で実施することがで
き、例えばELISA法、ウエスタンブロット法等が利用で
きる。ハイブリドーマ上清またはマウス腹水からのモノ
クローナル抗体の調製は、当業者に知られた免疫グロブ
リン精製法を用いればよく、例えば、硫安分画法、イオ
ン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラ
フィー等により行うことができる。
【0022】このようにして得られた抗体を用いて、鳥
類体液(例えば、血漿、血清など)中の鳥類ビテロジェ
ニンの濃度を測定(定量)することができる。測定は、
ELISAなどの酵素免疫測定法(EIA)、放射線免疫測定法
(RIA)、蛍光抗体法、凝集反応を利用した方法、イム
ノクロマトグラフィー法等の当業者に知られた方法によ
り行うことができる。この際、抗体は、完全抗体であっ
ても、Fab、Fab'、F(ab‘)2、Fv等の抗原結合部位を有
するフラグメントであってもよい。
【0023】例えば、ELISAにおいては、抗ウズラリポ
ビテリン抗体をマイクロタイタープレート等の担体に物
理吸着や化学結合により固相化する。固相化量は、特に
限定されないが、担体がマイクロタイタープレートの場
合、1ウェル当たり数ngから数十μgが望ましい。固相化
は固相化すべき抗体を適切なバッファーに溶解し、担体
と接触させ行うことができる。例えば、マイクロタイタ
ーウェルを用いる場合、抗体溶液をマイクロタイタープ
レートのウェルに分注し一定時間置くことにより固相化
することができる。基質を固相化した後は、アッセイ中
の非特異的結合を防ぐためにウシ血清アルブミン、ヒト
血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、卵白アルブミ
ン等を含んだブロッキング溶液を用いてブロッキングを
行うのが好ましい。次いで、固相化担体とサンプルを反
応させ、洗浄後、標識した抗ウズラリポビテリン抗体を
反応させる。標識は、β-D-ガラクトシダーゼ、ペルオ
キシダーゼ、アルカリフォスファターゼやグルコースオ
キシダーゼ等の酵素を用いて行うことができる。また、
この際、抗体をビオチンで標識し、さらに酵素標識スト
レプトアビジンを結合させることもできる。次いで、酵
素に対応した基質を反応させ、発色を測定することによ
りサンプル中のウズラビテロジェニンを定量することが
できる。ELISAにおいては、多数のウェル(例えば、96
穴)を有するマイクロタイタープレートに基質を固相化
させ、ウェル中で抗原抗体反応を行わせることにより一
度に大量測定が可能になる。また、用いる抗体および試
料の使用量を非常に少なくすることも可能である。さら
に、全自動EIA測定装置などの自動測定機器を用いる事
も可能になる。
【0024】本発明においては、前記のようにして測定
された鳥類ビテロジェニンの濃度の上昇を指標として化
学物質の毒性又は環境汚染を評価することができる。こ
の際、内分泌撹乱化学物質の存在しない環境下ではビテ
ロジェニンがほとんど合成されないオスを用いるのが望
ましい。
【0025】例えば、オスのウズラを評価対象となる化
学物質の存在下で飼育した後又は該化学物質を投与した
後、血液などを採取し、試料中に含まれるビテロジェニ
ンを本発明の抗体と反応させてビテロジェニン濃度を測
定する。得られた測定値の大小により、化学物質の毒性
(例えば内分泌撹乱作用の強度)を評価することができ
る。すなわち、評価対象となる化学物質(例えばフタル
酸エステル)の存在下で又は該化学物質を投与してオス
のウズラを飼育し、経時的に血清中のビテロジェニン濃
度を測定し、対照のウズラから得られた血清中のビテロ
ジェニン濃度と比較する。その結果、ビテロジェニン濃
度が対照と比較して高い場合は、評価対象となる化学物
質は、内分泌撹乱作用を有すると判断される。
【0026】また、ある濃度のエストロジェン存在下で
飼育したときのビテロジェニン濃度と、評価対象となる
化学物質存在下で飼育したときのビテロジェニン濃度と
を比較することにより、評価対象となる化学物質の内分
泌撹乱作用の強度をエストロジェンと相対化して評価す
ることが可能である。すなわち、ある濃度(例えば100p
pm)のエストロジェン存在下で飼育したときのビテロジ
ェニン濃度が、内分泌撹乱作用の強度が不明であってエ
ストロジェンと同濃度(例えば100ppm)である化学物質
の存在下で飼育したときのビテロジェニン濃度よりも10
分の1である場合は、当該化学物質の内分泌撹乱作用は
エストロジェンに対して10倍強いと判断することができ
る。
【0027】さらに、内分泌撹乱作用を有する化学物質
による環境汚染状態を以下のようにして評価することが
できる。評価対象となる地域に生息する雄のウズラの体
液中のビテロジェニンを本発明の抗体と反応させてビテ
ロジェニンの濃度を測定することにより、内分泌撹乱作
用を有する化学物質によるその環境の汚染状態を評価す
ることができる。その測定結果が対照と比較して高い場
合には、何らかの内分泌撹乱作用を有する化学物質によ
って、その環境が汚染されていると判断できる。なお、
ビテロジェニン濃度は、前記の方法により測定すること
ができる。
【0028】本発明の抗体は、1M〜10Mの公知緩衝液(pH
7〜8)で希釈して0.01μg/ml〜1μg/mlの濃度にし、化学
物質の毒性若しくは環境汚染の評価用キットとして用い
ることができる。緩衝液としては、リン酸緩衝液、マク
ラーレン緩衝液、トリス緩衝液、ベロナール緩衝液、グ
リシン緩衝液等が挙げられる。また、本発明の抗体を担
体に固定化して使用することもできる。担体としては、
セファロースなどが挙げられる。例えば、本発明の抗体
を担体に結合させ、緩衝液中に分散させ、あるいはカラ
ムに詰めることにより使用することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例にその技術的範囲が
限定されるものではない。 実施例1 ウズラリポビテリン-Iの精製 ウズラリポビテリン-Iは、以下の方法で精製した。ウズ
ラ卵黄250mgに氷冷水1mLを添加し、4℃にて3,100rpmで1
0分間遠心分離した後、上清を除き、沈殿に2%(0.68M)
NaCl、25mM Tris/HCl バッファー1mLを重層静置し卵黄
顆粒(yolk granule)を溶解させた。次いでこの卵黄顆
粒溶解液をゲルろ過ベースバッファー(25mM Tris/HCl
pH7.4, 0.15M NaCl)で平衡化したShodex-KW803カラム
(昭和電工株式会社製)に添加し、同バッファーで流速
0.5mL/minの条件で溶出し、250μL/チューブずつ分取し
た。分子量120,000のピーク分画を回収し、再度同カラ
ムを用いて分画した。7%ポリアクリルアミドゲルを用
いたSDS-PAGEを行い銀染色でバンドを検出したところ、
分子量120,000の位置に単一バンドが認められ、ウズラ
リポビテリンであることが確認できた(図1)。図1の
レーン1は分子量マーカー、レーン2は卵黄顆粒画分、
レーン3はリポビテリン-Iを示す。この画分のウズラリ
ポビテリン-Iの純度は95%であり、250mgのウズラ卵黄か
ら700μgのリポビテリン-Iを精製することが出来た。
【0030】実施例2 抗ウズラリポビテリン-I抗体の
作製 0.5mg/mLの抗原(ウズラリポビテリン-I)を、等量のフ
ロイント完全アジュバントと混合してエマルジョンを作
製した後、約2.5kgのウサギ(Japanese White)の背中
皮下に500μL/羽(ウズラリポビテリン-I 250μg/羽)
ずつ投与した。以後、隔週で500μL/羽(ウズラリポビ
テリン-I 70μg/羽)の量で追加免疫を行い、初回免疫
から4回免疫した後、耳静脈より採血を行い、抗血清を
分離しウズラリポビテリンを固相化したマイクロタイタ
ープレートを用いた固相酵素免疫測定法(ELISA)によ
り抗体価の確認を行った。
【0031】次に、得られた抗ウズラリポビテリン抗血
清からの抗ウズラリポビテリン-I抗体を精製した。得ら
れた抗血清からプロテインGカラム(アマシャム社製)
を用いて(平衡化バッファー:PBS、溶出バッファー0.1
M Glycine/HCl, pH3.0)IgGを精製した。次いで、ウズ
ラオス血清をゲルに結合させたウズラオス血清アフィニ
ティーカラムを用いて、ウズラメス血清とウズラオス血
清に共通して含まれる物質に対する抗体を吸収除去し、
非吸着画分を得た(精製抗ウズラリポビテリン-I抗体画
分)。
【0032】抗血清及び抗ウズラリポビテリン-I抗体の
抗体価は、ウズラリポビテリンを固相化したマイクロタ
イタープレートを用いた固相酵素免疫測定法(ELISA)
により測定した。また、オスのウズラの血清、メスのウ
ズラの血清及び後述の精製ビテロジェニンをSDS-PAGE用
サンプルバッファーで希釈し、7%アクリルアミドゲルを
用いたSDS-PAGEにより分離し(サンプル添加量5μL)、
1次抗体液として抗ウズラリポビテリン抗体(0.1mg/m
L)、2次抗体液としてホースラディッシュペルオキシ
ダーゼ(HRP)標識抗ウサギIgG抗体(Biorad社製、2500
倍希釈)を用いたウエスタンブロットにより抗ウズラリ
ポビテリン抗体の反応性を調べた(図3)。図3左はSD
S-PAGEの銀染色像であり、図3右はウエスタンブロット
の結果を示す。レーン1は分子量マーカー、レーン2は
ウズラオス血清、レーン3はウズラメス血清、レーン4
は精製ビテロジェニンをそれぞれ抗原として用いた。抗
ウズラリポビテリン抗体はビテロジェニンが合成される
メスウズラの血清とは反応し分子量120,000の位置にバ
ンドが認められたが、ビテロジェニンが合成されないオ
スウズラの血清とは反応しなかった。
【0033】実施例3 ウズラビテロジェニンの精製 ウズラオス血清及びウズラメス血清を7%ポリアクリルア
ミドゲルを用いたSDS-PAGEにより分離し、銀染色法によ
りバンドを染色して解析した。オス血清とメス血清のSD
S−PAGE分離パターンを比較したところ、メス血清のみ
で250kDa付近に2本のバンドが認められた。チキンビテ
ロジェニンの分子量(チキンビテロジェニンI:260kD
a、チキンビテロジェニンII:246kDa、チキンビテロジ
ェニンIII:210kDa)との比較によりメス血清のみに認
められる250kDa付近の2本のバンドがウズラビテロジェ
ニンのバンドであると推測した。
【0034】ウズラビテロジェニンは、以下の方法で精
製した。ウズラメスより採取した血清200μLにゲルろ過
ベースバッファー(25mM Tris/HCl pH7.4, 0.15M NaC
l)1800μLを加えて10倍希釈液とし、0.45μmフィルタ
ーを用いて前処理を行った。このようにして調製したウ
ズラメス血清10倍希釈液200μLを、ゲルろ過ベースバッ
ファーで平衡化したShodex-KW803カラム(昭和電工株式
会社製)に添加し、同バッファーで流速0.5mL/minの条
件で溶出し、250μL/チューブずつ分取した。ゲルろ過
による200μLのウズラメス血清10倍希釈液200μLの分離
を8回行い(総ウズラメス血清10倍希釈液1600μL)、
各フラクションをプールした。この際、同カラムを用い
てゲルろ過用分子量標準物質(アマシャム社製、カタロ
グ番号17-0441-01)を同条件で流し、タンパク質の分子
量と分離時間の関係を求めておいた。次いで、7%ポリ
アクリルアミドゲルを用いたSDS-PAGEを行い、各プール
フラクションに含まれるタンパク質の分子量を求めた。
ゲルろ過分子量標準物質を用いた分離の結果と、各フラ
クションのSDS-PAGE像を基にして、分子量640kDa〜440k
Daのフラクションを回収し、粗ビテロジェニン画分(粗
Vg画分)とした。粗Vg画分について7%ポリアクリルア
ミドゲルを用いたSDS-PAGEを行い銀染色でバンドを検出
したところ、320kDa及び270kDaのビテロジェニン画分並
びに1000kDa以上のタンパク質及び180KDaのタンパク質
が含まれていた(図2)。図2のレーン1は分子量マー
カー、レーン2はオスのウズラ血清、レーン3はメスのウ
ズラ血清及びレーン4は、粗Vg画分を示している。
【0035】次いで、粗Vg画分にNaClを添加し、最終Na
Cl濃度を0.5Mに調整した。これをレクチンカラムバイン
ディングバッファー(20mM Tris/HCl pH7.4, 0.5M NaC
l)15mLであらかじめ平衡化しておいたゲル容量1mLのレ
クチンカラム Hi Trap WheatGerm Lectin(アマシャム
社製、カタログ番号17-5107-01)にアプライし、非吸着
画分を回収した。続いて、レクチンカラム溶出バッファ
ー(0.5M N-acetylglucosamine, 20mM Tris/HCl pH7.4,
0.5M NaCl)で吸着画分を溶出した。SDS-PAGEにより分
子量180kDaのタンパク質が吸着画分として除かれている
ことを確認した。
【0036】レクチンカラム非吸着画分をさらに、ヘパ
リンカラムバインディングバッファー(20mM Tris/HCl
pH7.4)15mLであらかじめ平衡化しておいたヘパリンカ
ラムHi Trap Wheat Germ Lectin(アマシャム社製、カ
タログ番号17-0406-01)にアプライし、非吸着画分を回
収した。続いて、ヘパリンカラム溶出バッファー(20mM
Tris/HCl pH7.4, 0.2M NaCl)で吸着画分を溶出した。
SDS-PAGEにより分子量1000kDa以上のタンパク質が吸着
画分として除かれていることを確認した。この非吸着画
分は、抗リポビテリン抗体と反応した。分子量及び抗リ
ポビテリン抗体との反応性により、該分画が精製ウズラ
ビテロジェニン画であることを確認した。図3に精製ビ
テロジェニンのSDS-PAGEの結果を示す(図3左、第4レ
ーン)。
【0037】実施例4 抗ウズラビテロジェニンモノク
ローナル抗体の作製 ウズラビテロジェニン100μL(50μg)をフロイント完
全アジュバントと共に5週齢、雌のBALB/cマウスに免
疫し、2週間毎に2回、同抗原25μgをフロイント不完全
アジュバンとともに投与し追加免疫を行った。さらに2
週間後、同抗原25μgを投与し、その3日後に脾臓細胞を
摘出した。摘出された脾臓細胞はケラーらの方法(Kohl
er et al.,Nature, vol.256,p495-497(1975))によりマ
ウスミエローマ細胞(P3U1)と融合し、炭酸ガスイ
ンキュベーター中で37℃で培養した。増殖してきたハイ
ブリドーマの培養上清をウズラメス血清を固相化(5μg
/mL濃度に希釈したものをウェル当たり50μL添加して固
相化)したマイクロタイタープレートを用いたELISAに
てスクリーニングし、抗ウズラビテロジェニンモノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマを選択した。選択された
ハイブリドーマを限界希釈法によって1細胞/ウェルで、
96ウェルプレートに播き、ウェル中に単一コロニーとし
て発育したハイブリドーマのみクローンとし、この限界
希釈法を2度繰り返すことによりクローニングを行っ
た。この結果、4つのクローン1F2、10H5、2D3及び1G7
が得られた。オスのウズラの血清及びメスのウズラの血
清をSDS-PAGE用サンプルバッファーで300倍に希釈し、7
%アクリルアミドゲルを用いたSDS-PAGEにより分離し
(サンプル添加量5μL)、1次抗体液として抗ウズラビ
テロジェニンモノクローナル抗体(0.1mg/ml)、2次抗
体液としてHRP標識抗マウス血清(2500倍希釈)を用い
たウエスタンブロットにより抗ウズラモノクローナル抗
体の反応性を調べた(図4)。図4のレーン1は分子量
マーカーであり、レーン2、4、6、8はオスのウズラ
血清、レーン3、5、7、9はメスのウズラ血清を抗原
として用い、レーン2及び3、4及び5、6及び7並び
に8及び9は、1次抗体としてそれぞれクローン1F2、1
0H5、2D3及び1G7の産生するモノクローナル抗体を用い
た。各モノクローナル抗体ともビテロジェニンを合成し
ないオスの血清とは反応せず、合成するメスの血清では
250kDa付近にバンドが認められた。
【0038】実施例5 抗ウズラリポビテリン抗体を用
いたウズラビテロジェニンの測定 検量線作成用サンプルは、2000ng/mL精製ウズラビテロ
ジェニン溶液を1mg/mLBSA, Tween-PBSバッファーで倍々
希釈して作製した。96ウェルマイクロタイタープレート
(NUNC社製)の各ウェルに、抗ウズラリポビテリン抗体
溶液(0.01mg/mLの濃度でPBSバッファーに溶解)を50μ
L添加し、室温で1時間置き抗体を固相化した。洗浄バ
ッファー(Tween-PBS)で3回洗浄した後に、各ウェルを
1mg/mL BSA、0.5% Tween 20添加PBSを用いて室温で1時
間ブロッキングし、さらに洗浄バッファーで3回洗浄
し、抗ウズラリポビテリン抗体固相化プレートを得た。
【0039】抗ウズラリポビテリン抗体固相化プレート
に上記検量線作成用サンプルを50μL添加し、室温で2時
間反応させ、洗浄バッファーで3回洗浄した。次に、ビ
オチン標識抗ウズラリポビテリン抗体溶液(0.01mg/mL
の濃度で1mg/mL BSA, Tween-PBSバッファーに溶解)を
添加し、室温で1時間反応させたのち、洗浄バッファー
で3回洗浄した。HRP標識ストレプトアビジン溶液(Zyme
d社製、1mg/mL BSA, Tween-PBSバッファーで4000倍希
釈)を各ウェルに50μL添加し、室温で1時間反応させた
後、洗浄バッファーで3回洗浄した。オルトフェニレン
ジアミン(OPD)溶液を添加し室温で10分間反応させ発
色させ、2N H2SO4で反応を停止させた後、マイクロプレ
ートリーダを用いて各ウェルの吸光度を測定し検量線を
作成した(図5)。
【0040】実施例6 抗ウズラリポビテリン抗体を用
いたウズラビテロジェニン測定系によるウズラビテロジ
ェニン濃度を上昇させる化学物質のスクリーニング 10週齢のオスウズラの腹腔内に、ごま油に溶解した被検
物質を投与し、7日間、16時間明:8時間暗の照明条件
下、室温20℃で飼育を行った。被検物質として、エスト
ラジオール、ノニルフェノール、トリブチルスズ、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、ベンゾフェ
ノン、4−オクチルフェノール及びジエチルスチルベス
チロールの8種類を用い、それぞれ体重当たりの用量で7
段階の濃度を設定し、投与した。投与群は一群6羽と
し、ごま油のみを投与したものを対照群とした。
【0041】7日間の飼育後、翼静脈(尺骨静脈)を注
射針によって破り出血させ、これをヘマトクリット毛細
管で吸引し採血した。採血血液から遠心分離により血清
を採取し、測定用サンプルとした。サンプルは、上述の
測定系を用いてビテロジェニン濃度を測定した。
【0042】被検物質のうち、エストラジオール、ノニ
ルフェノール及びジエチルスチルベスチロールの3物質
で用量依存的にウズラ血液中のビテロジェニンの濃度上
昇が認められた(図6〜8)。他の5物質では、ビテロ
ジェニンの有意な上昇は認められなかった。この結果よ
り、女性ホルモンであるエストラジオールはもとより、
ジエチルスチルベスチロールやノニルフェノールといっ
た環境ホルモン作用を有する化学物質の内分泌撹乱作用
を検出できることが明らかとなった。
【0043】
【発明の効果】本発明により、鳥類、特にウズラのビテ
ロジェニンに対する抗体、並びに該抗体を用いた化学物
質の毒性又は環境汚染の評価方法が提供される。本発明
の抗体はビテロジェニンを特異的に認識するため、他の
タンパク質の影響を受けず正確な測定を可能にする。従
って、本発明の抗体は、化学物質の毒性の測定方法、環
境汚染の評価方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウズラリポビテリンのSDS-PAGEの結果を示す図
である。
【図2】ウズラビテロジェニンのSDS-PAGEの結果を示す
図である。
【図3】ウズラビテロジェニンのSDS-PAGEの結果及び抗
リポビテリン抗体を用いたウエスタンブロットの結果を
示す図である。
【図4】抗ウズラビテロジェニンモノクローナル抗体を
用いたウエスタンブロットの結果を示す図である。
【図5】抗ウズラビテロジェニン抗体を用いたアッセイ
系の検量線を示す図である。
【図6】エストラジオールのウズラ血中濃度への影響を
示す図である。
【図7】ノニルフェノールのウズラ血中濃度への影響を
示す図である。
【図8】ジエチルスチルベスチロールのウズラ血中濃度
への影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中道 直美 熊本県熊本市長嶺東1−7−1−201 Fターム(参考) 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 CE12 DA13 4H045 AA11 AA30 CA40 DA76 EA50 FA72 GA22 GA26

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鳥のビテロジェニンを特異的に認識する
    抗体。
  2. 【請求項2】 鳥のリポビテリンを動物に免疫して得ら
    れた、請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 鳥のホスビチンを動物に免疫して得られ
    た、請求項1に記載の抗体。
  4. 【請求項4】 モノクローナル抗体である請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 【請求項5】 鳥がウズラである請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の抗体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗
    体と鳥の体液中のビテロジェニンとを反応させることを
    特徴とする、鳥のビテロジェニンの濃度の測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗
    体と該鳥の体液中のビテロジェニンとを反応させ、該反
    応により測定されたビテロジェニンの濃度の上昇を指標
    として化学物質の毒性又は環境汚染を評価する方法。
  8. 【請求項8】 化学物質が内分泌撹乱作用を有するもの
    である請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 環境汚染が内分泌撹乱作用を有する化学
    物質によるものである請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 鳥がウズラである請求項6〜9のいず
    れか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    抗体を含む、化学物質の毒性又は環境汚染の評価用キッ
    ト。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0356500A (ja) * 1989-07-26 1991-03-12 Q P Corp 卵黄ホスビチンの抽出方法
JP2000125867A (ja) * 1998-08-20 2000-05-09 Kumamoto Kotai Kenkyusho:Kk コイのビテロジェニンに対するモノクロ―ナル抗体

Patent Citations (2)

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