JP2002255841A - 分娩ストレス緩和用組成物および分娩ストレス緩和剤 - Google Patents

分娩ストレス緩和用組成物および分娩ストレス緩和剤

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JP2002255841A
JP2002255841A JP2001054301A JP2001054301A JP2002255841A JP 2002255841 A JP2002255841 A JP 2002255841A JP 2001054301 A JP2001054301 A JP 2001054301A JP 2001054301 A JP2001054301 A JP 2001054301A JP 2002255841 A JP2002255841 A JP 2002255841A
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Takahisa Karita
貴久 刈田
Takeshi Karita
毅 刈田
Yuko Shimazu
優子 島津
Toshihiko Nakao
敏彦 中尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分娩時のストレスを緩和し、新生仔が正常な
状態で誕生するように、難産の発生を予防するために有
効な薬剤を開発することを目的とする。 【解決手段】 ケン化価98.0〜98.5のポリビニルアルコ
ール系高分子吸水性樹脂粒子上に、(a)ラベンダー油
またはラバンジン油を吸着させ精油脱着調節剤で被覆し
た被覆粒子と、(b)ネロリ油またはマンダリン油を吸
着させ前記精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、
(c)イランイラン油を吸着させ前記精油脱着調節剤で
被覆した被覆粒子と、(d)ネロリ油またはマンダリン
油以外のミカン科植物から得られる精油を吸着させ前記
精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、(e)前記
(a)〜(d)以外の植物精油を吸着させ前記精油脱着
調節剤で被覆した被覆粒子と、を含んでなる分娩ストレ
ス緩和用組成物を提供することにより、分娩ストレスが
大きく低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分娩時のストレス
を緩和する薬剤に関する。より詳細には、乳牛などの動
物が分娩時に受けるストレスを低減し、その後に起こる
繁殖機能の抑制を緩和する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種のストレスが原因となっ
て、雌雄動物の繁殖機能が抑制されることが知られてい
る(Dobson, H., Acta Endocrinologica (Copenh), 15
5:63-66(1987), 田谷一善 臨床獣医 8(1):27-37(199
0), 富田明夫 医学のあゆみ 125:363-367(1983))。
ウシにおいても各種のストレスにより繁殖機能が抑制さ
れることがあるが、分娩時のストレスが、分娩後の繁殖
機能に悪影響を与えることも知られている(中尾敏彦
家畜診療(380):11-17(1995))。
【0003】一般的に、分娩のストレスがかかると、視
床下部−下垂体−副腎皮質軸が刺激され、副腎皮質ホル
モン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormon
e、以下、「CRH」と略すことがある。)、副腎皮質刺激
ホルモン(adrenocorticotropic hormone、以下、「ACT
H」と略すことがある。)、副腎皮質ホルモン(以下、
「糖質コルチコイド」ともいうことがある。なお、ウシ
では主にコルチゾールとなる。)の分泌が分娩前一過性
に亢進し、生体の恒常性維持機構が働く(日本比較内分
泌学会編 ストレスとホルモン、pp. 1-10(1997);村田
英雄 臨床獣医4(5):57-61(1986);佐藤和雄ら編、講座
プロスタグランジン1、pp279-293(1988);Thun, R., e
t al., Reprod. Dom. Amin. 31: 571-574(1996); 富田
明夫 医学のあゆみ 125:363-367(1983))。
【0004】しかし、上記のようなホルモンの作用には
種差があることも知られている。具体的に述べると、ラ
ットとアカゲザルでは、CRHは視床下部を含む大脳で合
成され、視床下部における性腺刺激ホルモン放出ホルモ
ン(gonadotropin-releasinghormone、以下、「Gn‐R
H」と略すことがある。)の分泌、並びに下垂体におけ
る黄体形成ホルモン(lutenizing hormone、以下、「L
H」と略すことがある。)および濾胞刺激ホルモン(fol
licle-stimulating hormone、以下、「FSH」と略すこと
がある。)の分泌を直接的に抑制する(Blank, M. S.,
et al., Endocrinology 118: 2097-2101(1986); Gindof
f, P. R. and Ferin, M., Endocrinology121: 837-842
(1987); Ono, N., et al., Life Sci. 35: 1117-1123(1
984); Petraglia, F., et al., Endocrinology 120: 10
83-1088(1987); Rivier, C. and Vale, W., Endocrinol
ogy 114: 914-921(1984))。
【0005】また、ウシでは、CRHにより下垂体からACT
Hが分泌されるが、このACTHは下垂体でのGn-RHに対する
LH放出を低下させる(Matteri, R. L. and Moberg, G.
P.,J. Endocrinol. 92: 141-146(1982);)。さらに、AC
THによって副腎皮質で分泌される糖質コルチコイドは、
アカゲザルでは視床下部でのGn-RHの分泌を抑制し(Dub
ey, A. K. and Plant, T. M., Biol. Reprod. 33:423-4
31(1985))、ラットでは下垂体でのLHの分泌を低下させ
るとともに卵巣内のLHレセプターの量を減少させる(Ba
ldwin, D. M., Endocrinology 105: 120-128(1979); Sc
hoonmaker,J., and Erikson, G. F., Endocrinology 11
3: 1356-1363(1983))。ウシでは下垂体におけるLHの分
泌の低下と、Gn-RHに対するLH放出の反応性を低下させ
る(Matteri, R. L. and Moberg, G. P., J. Endocrino
l. 92: 141-146(1982); Moberg, G.P., J. Dairy Sci.,
59:1618-1624(1975); Padmanabhan, V., et al.,Endoc
rinology 112: 1782-1787(1983); Torres, E., et al.,
Zentralbl Veterinarmed A 44:133-142(1997))といっ
た報告がなされている。
【0006】加えて、ストレスがかかっている場合に
は、β−リポトロピン、β−エンドルフィン、バソプレ
ッシン、オキシトシン、プロラクチン、α−黒色素細胞
刺激ホルモン、アドレナリン等が分泌されることも知ら
れている。これらは、ストレス下で分泌されることか
ら、ストレス関連ホルモンと呼ばれており、直接的また
は間接的に生殖機能を担う視床下部−下垂体−性腺軸に
作用することがこれまでの報告で示唆されている(村田
英雄 臨床獣医 4(5):57-61(1986);田谷一善 臨床獣
医 8(1):27-37(1990);富田和雄 医学のあゆみ 125:
363-367(1983))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】分娩時に過剰なストレ
スがかかると、交感神経優位によって筋が収縮し、陣痛
が抑制されて微弱陣痛となるために(中尾敏彦 臨床獣
医 11(5):19-25(1993))難産となり、母体への負荷が
大きくなるという問題がある。また、胎仔が外界に適応
するためには、適度な低酸素状態に曝されることによっ
て交感神経−副腎軸が刺激される必要があるが(Auric
h, J. E., Hoppen, H.O., Aurich, C. andParvizi, N.
1988. Effects of stress on pregnancy and parturit
ion. Peprod. Dom. Anim. 33:97-99.)、通常、分娩時
間が長くなると胎盤の剥離が起こり、胎仔胎盤への血流
量が減少するため、胎仔が低酸素症を起こす可能性が高
くなる。そして、低酸素状態が長く続くと胎仔はアシド
ーシスを起こし、死産となったり、衰弱して生まれ、場
合によっては出生直後に死亡するといった事態を引き起
こしていた。このため、分娩時のストレスを緩和し、新
生仔が正常な状態で誕生するように、難産の発生を予防
するために有効な薬剤の開発が望まれていた。
【0008】なお、妊娠中の母体に投与された薬剤は胎
盤を経由して胎仔にも影響を与えるため、ストレスを緩
和する薬剤は、胎仔に対して安全性の高いものでなけれ
ばならない。合成化合物と天然の化合物とを比較する
と、一般に、天然の化合物の方が安全であるという蓋然
性が高い。
【0009】これらのうちでも、植物から得られる精油
の中には、嗅覚刺激による心理的生理的作用に起因して
経験的または実験的にストレス緩和作用を有するものが
あることが知られており(林 真一郎、アロマテラピー
LESSON、主婦の友社(1995);林 真一郎、メディカルハ
ーブLESSON、主婦の友社(1996);Ody, P. ホームハーブ
((株)DHC訳)、法研;スザンネ・フィッシャー・リ
チィ 大地の薬(手塚千史訳)(1996);鳥居鎮夫、香り
の謎、フレグランスジャーナル社(1994))、ヨーロッパ
では、乳量を増加させるために飼料への添加が行われて
いる(鷲巣誠、アロマテラピーの概要、獣医東洋医学研
究会誌(1998))。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述のような
課題を解決すべく、本発明者らの研究により完成された
ものである。すなわち、本発明は、ケン化価98.0〜98.5
のポリビニルアルコール系高分子吸水性樹脂粒子上に、
(a)ラベンダー油またはラバンジン油を吸着させ精油
脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、(b)ネロリ油また
はマンダリン油を吸着させ前記精油脱着調節剤で被覆し
た被覆粒子と、(c)イランイラン油を吸着させ前記精
油脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、(d)ネロリ油ま
たはマンダリン油以外のミカン科植物から得られる精油
を吸着させ前記精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、
(e)前記(a)〜(d)以外の植物精油を吸着させ前
記精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、を含んでなる
分娩ストレス緩和用組成物である。
【0011】ここで、前記(d)は、オレンジ油、グレ
ープフルーツ油、およびレモン油からなる群から選ばれ
る前記ネロリ油またはマンダリン油以外のミカン科植物
から得られる精油を吸着させ前記精油脱着調節剤で被覆
した被覆粒子であることが好ましい。また、前記(e)
は、(e1)前記ラベンダー油またはラバンジン油以外
のシソ科植物から得られる精油を吸着させ精油脱着調節
剤で被覆した被覆粒子、または(e2)スミレ科植物か
ら得られる精油またはバイオレットリーフアルコールを
吸着させ精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子のいずれか
であることが好ましい。
【0012】また、前記ラベンダー油またはラバンジン
油以外のシソ科植物から得られる精油は、ローズマリー
油およびセージ油からなる群から選ばれるものであるこ
とが好ましく、前記スミレ科植物から得られる精油はバ
イオレット油であることが好ましい。前記(e1)は、
ローズマリー油およびセージ油からなる群から選ばれる
精油を吸着させ、前記精油脱着調節剤で被覆した粒子で
あることが好ましく、前記(e2)は、バイオレット油
またはバイオレットリーフアルコールを吸着させ、前記
精油脱着調節剤で被覆した粒子であることが好ましい。
【0013】本発明の組成物は、組成物の総重量に対し
て、5〜62重量%の前記(a)と、18〜33重量%の前記
(b)と、5〜25重量%の前記(c)と、14〜23重量%
の前記(d)と、1〜24重量%の前記(e)を含んでな
るものであることが好ましい。本発明はまた、後述する
シート形成用基剤と、遊離水分除去剤と、発熱剤と、熱
伝導除去剤と、上述した分娩ストレス緩和用組成物とを
含んでなる分娩ストレス緩和剤である。
【0014】前記シート形成用基剤はケン化価88.0±2.
0のポリビニルアルコール系高分子吸水性樹脂であるこ
とが好ましく、前記遊離水分除去剤はアクリル系高分子
吸水性樹脂であることが好ましい。また、前記発熱剤は
ゼオライトであることが好ましく、前記熱伝導除去剤は
多糖類化合物であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明においては、以下のような植物から得ら
れる精油を、ケン化価98.0〜98.5のポリビニルアルコー
ル系高分子吸水性樹脂粒子上に吸着させ、精油を吸着し
た樹脂粒子をさらに精油脱着調節剤で被覆して被覆粒子
を調製する。こうして得られた複数の種類の被覆粒子
を、後述する配合比で配合して、分娩ストレス緩和用組
成物を調製する。
【0016】後述する精油を吸着させるためのケン化価
98.0〜98.5のポリビニルアルコール系高分子吸水性樹脂
粒子としては、具体的には、信越ポバールC-17GPやポバ
ール(A)(信越化学工業(株)製)などの樹脂を挙げ
ることができ、信越ポバールC-17GPまたはポバール
(A)を使用することが好ましい。ケン化価が98.0未満
では、精油と接触したときに担体であるポリビニルアル
コール系高分子吸水性樹脂粒子の表面がゲル化し、吸着
担体としての機能を失うが、ケン化価が98.0〜98.5であ
ればゲル化せずに安定した吸着担体としての機能を維持
できる。このため、ケン化価がこの範囲にある上記の樹
脂を使用することが好ましい。
【0017】また、精油組成物脱着調節剤とは、上述し
た樹脂粒子の表面に吸着された精油の膜をさらに覆い、
吸着された精油の脱着を調節する多孔性物質をいう。具
体的には、種々の分子に対する吸着能を有する各種の活
性炭を挙げることができる。活性炭は、表面積が200〜8
00m2/gのものを使用すると、活性炭に吸着される精油量
が少なくなり脱着がされやすいことから好ましく、400
〜800m2/gのものを使用することがさらに好ましい。こ
の範囲の表面積を有する活性炭であれば、各種の市販品
を使用することができ、具体的には、カヤマックス(日
本化薬(株))などを挙げることができる。吸着面積が
小さい(例えば、カヤマックスでは400m 2/g)こと、お
よびコストの面から、カヤマックスを使用することが好
ましい。
【0018】本発明においては、精油とは、植物の葉、
花、種子、樹皮、果肉、果皮などから水蒸気蒸留などに
よって得られる揮発性成分の総称をいう。また、精油の
成分とは、上記の精油に含まれる個々の成分をいう。精
油は、モノテルペン、セスキテルペンなどの炭化水素
類、アルコール類、酸類、カルボニル類、フェノール
類、ラクトン類、エステル類等から構成され、一般に有
機溶媒に可溶で、水に不溶である。また、アシルグリセ
ロールではないので、油脂ではなく、特にモノテルペン
は特有の芳香を有するものが多い。
【0019】本発明で使用する精油としては、まず、シ
ソ科植物であるラベンダー(Lavandula officinalis Ch
aix.)から得られるラベンダー油またはラバンジン(La
vandula Hybrida Reverch)から得られるラバンジン
油、ミカン科植物であるダイダイ(Citrus aurantium
L. subsp. amara Engel)から得られるネロリ油または
マンダリン(Citrus reticulata Blanco var. “Mandar
in”)から得られるマンダリン油、バンレイシ科植物で
あるイランイラン(Cananga odorata forma genuina)か
ら得られるイランイラン油などを挙げることができる。
【0020】本発明の組成物においては、これらの精油
と、ミカン科植物から得られる精油の中からネロリ油と
マンダリン油とを除いたミカン科植物精油を組み合わせ
る。また、シソ科植物から得られる精油の中からラベン
ダー油とラバンジン油とを除いたシソ科植物精油か、ま
たはスミレ科植物から得られる精油またはバイオレット
リーフアルコールのいずれか一方を、さらに加える。本
発明の分娩ストレス緩和用組成物において、上記の精油
を組み合わせることが好ましいのは、鎮静効果がある、
分娩時の痛みが軽減される、末梢血流が亢進される、お
よび産褥期の女性生殖器の修復再生の促進効果があると
いった効果があることによる。
【0021】特に、ネロリ油およびマンダリン油以外の
ミカン科植物から得られる精油を、上記のラベンダー油
またはラバンジン油以外のシソ科植物から得られる精油
か、上述したスミレ科植物から得られる精油またはバイ
オレットリーフアルコールとをさらに組み合わせると、
鎮静、鎮痛および痛みの閾値を上げるというような効果
があり、正常分娩を促すという効果を発揮する。
【0022】具体的には、ラベンダーおよびラバンジン
以外のシソ科に属する植物としては、マンネンロウ(Ro
smarinus officinalis L.)、チクマハッカ、イヌハッ
カ(Nepeta cataria L.)などの植物を挙げることがで
き、これらからは、ローズマリー油、ハッカ油等を得る
ことができる。
【0023】ダイダイおよびマンダリン以外のミカン科
に属する植物としては、アシッドライム(Citrus auran
tiforia Swing)、スイートオレンジ(Citrus sinensis
Osbeck var. brasiliensis Tanaka)、グレープフルー
ツ(Citrus paradisi Macfayden)、レモン(Citrus li
mone (L.) Burum f.)などを挙げることができ、これら
の植物からは、ライム油、オレンジ油、グレープフルー
ツ油、レモン油などを得ることができる。
【0024】スミレ科に属する植物としては、ニオイス
ミレ(Viola odorata L.)を挙げることができ、バイオ
レット油が得られる。なお、バイオレット油には、後述
するようにフラワーアブソリュートとローフアブソリュ
ートとがあるが、これらの香気成分である2-trans-6-ci
s-ノナジエン-1-アール(バイオレットリーフアルデヒ
ド)、2-trans-6-cis-ノナジエン-1-オール(バイオレ
ットリーフアルコール)などの合成品を使用することも
できる。
【0025】これらの精油の製法、成分などは下記の通
りである。ここで、ラベンダー(Lavandula officinali
s Chaix.)は、フランス、イタリア、ハンガリー、旧ソ
連南部、イギリス、北アメリカ、オーストラリアおよび
北海道を主産地とする、シソ科に属する植物である。ラ
ベンダーの花を水蒸気蒸留するとラベンダー油が得ら
れ、ラベンダー油には、リナロール(10〜20%)、酢酸
リナリル(30〜60%)、ラバンジュロール、酢酸ラバン
ジュリル、3−オクタノール、α−ピネン、β−ピネ
ン、リモネン、シネオール、シトロネラールなどの多数
の成分が含有されている。
【0026】また、ラバンジン(Lavandula hybrida Rev
erch)は、南フランスを産地とするシソ科に属する植物
である。ラバンジンの花を水蒸気蒸留するとラバンジン
油が得られ、ラバンジン油は、リナロール、酢酸リナリ
ル、リナロールオキシド、シネオール、d-カンファー、
d-ラバンジュロールなどを成分として含有する。本発明
においては、ラベンダー油またはラバンジン油を使用す
ることが、鎮静、生体リズムを調整するという作用を有
するために好ましく、特に、フランス産、イタリア産の
ラベンダーを使用すると効果が高い。
【0027】ここで、ダイダイ(Citrus aurantium L.
subsp. amara Engel)は、フランス、イタリア、スペイ
ン、モロッコ、およびアルジェリアなどを主産地とする
ミカン科に属する植物であり、その花を水蒸気蒸留する
とネロリ油が得られる。また、花を溶剤抽出すると橙花
コンクリートが得られ、これをアルコール処理すると約
50%のアブソリュートが得られる。ネロリ油は、成分と
して、1−リナロールと酢酸リナリルを合わせて約35〜
40%、α−テルピネオール、ゲラニオール、酢酸ゲラニ
ル、ネロリドール(数%)、その他α−ピネン、ジペン
テン、カンフェン、オシメンなどのテルペン類、および
含窒素化合物としてアンスラニル酸メチル、およびイン
ドールなどを含む。また、コンクリートには、精油、ジ
ャスモン、ベンツアルデヒドなどが存在することが知ら
れている。
【0028】また、マンダリンは、イタリアのシチリア
島とカラブリア地方、スペイン、モロッコ並びにアルゼ
ンチンを主要な産地とするミカン科に属する植物であ
る。果皮を圧搾するか、または海綿法によりマンダリン
油が得られる。また、マンダリン油は、d-リモネン(主
成分)、N-メチルアンスラニル酸メチル、シトロネラー
ル、シトラール、C〜C11−直鎖脂肪族アルデヒド、
その他テルペン類を含有する。
【0029】また、本発明の組成物においては、バンレ
イシ科植物であるイランイランノキ(Cananga odorata
Safford)から得られるイランイラン油を使用する。イ
ランイランノキ(Cananga odorata Safford)はモルッ
カ諸島を原産地とし、レユニオン、ノッシベ、コモロな
どで主に生産されている。花を水蒸気蒸留すると収率2
〜2.25%でイランイラン油が得られ、溶剤抽出によりコ
ンクリートとアブソリュートとが得られる。イランイラ
ン油は、酢酸ベンジル、p−メチルアニソール、リナロ
ール、安息香酸メチル、ファルネソールなどのアルコー
ルおよびエステルを50〜60%、セスキテルペン類を35〜
40%含有する。
【0030】本発明の組成物においては、上述した各精
油のほかに、さらに1種以上のシソ科植物から得られる
精油、ミカン科植物から得られる精油、およびスミレ科
植物から得られる精油を含有することが好ましい。ラベ
ンダーおよびラバンジン以外のシソ科に属する植物とし
ては、具体的には、マンネンロウ(Rosmarinus officin
alis L.)、チクマハッカ、イヌハッカ(Nepeta catari
a L.)、セージ(Salvia offecinalis L.)などの植物
を挙げることができる。
【0031】マンネンロウ(Rosmarinus officinalis
L.)は、スペイン、ユーゴスラビア、チュニジア、フラ
ンス、イタリアなどを産地とするシソ科に属する植物で
ある。マンエンロウの花、葉または全草を水蒸気蒸留す
ると、ローズマリー油が得られる。ローズマリー油は、
ボルネオール、酢酸ボルニル、カンファー、シネオー
ル、その他のテルペン化合物などを成分として含んでい
る。
【0032】また、チクマハッカまたはイヌハッカ(Ne
peta cataria L.)は、東南ヨーロッパ、北米を主産地
とするシソ科に属する植物である。これらの全草の水蒸
気蒸留によってチクマハッカ油またはイヌハッカ油を得
ることができる。チクマハッカ油、イヌハッカ油は、ネ
ペタリック酸、ネペタラクトン、ネペタリックアンハイ
ドライド、β−カリオフィレンなどを含有する。セージ
は、ユーゴスラビア、ブルガリア、トルコ、フランス、
ドイツ、北アメリカなどを主産地とするシソ科に属する
植物である。自生種、栽培種を含めて多数のセージが存
在し、交雑種も多いので、セージの分類は明確ではな
い。一般的には、商業生産されている場所の名前を用い
て、便宜的に分類している。
【0033】旧ユーゴスラビアのダルマティアン島とア
ドリア海沿岸を主産地とするセージはダルマティアンセ
ージ(Salvia offecinalis L.)と呼ばれ、単にセージ
油という場合には、この種から得られた精油を指す。乾
燥葉を水蒸気蒸留すると収油率0.7〜2.0%でセージ油が
得られる。米国で栽培採油されているダルマティアンセ
ージをアメリカンセージという(Salvia offecinali
s)。また、スペインのグラナダ、ムルシア、アルメニ
ア地方で栽培されているセージをスパニッシュセージ
(Salvia lavanduefolia)という。乾燥葉から0.9%の
収油率で精油が得られる。
【0034】さらに、ギリシア、トルコ、イタリアで栽
培されているグリークセージ(Salvia tribola)があ
る。グリークセージは、ダルマティアンセージおよびス
パニッシュセージに類似した主成分を含む。本発明にお
いては、これらの植物から得られる精油のうち、ローズ
マリー油、およびセージ油から選ばれる精油を使用する
ことが、鎮痙作用などを有することから好ましく、ロー
ズマリー油を使用することが特に好ましい。
【0035】ミカン科に属する植物としては、アシッド
ライム(Citrus aurantiforia Swing)、スイートオレ
ンジ(Citrus sinensis Osbeck var. brasiliensis Tan
aka)、グレープフルーツ(Citrus paradisi Macfayde
n)、ベルガモット(Citrus aurantium L. subsp. berg
amia(Risso et Poit) Wright et Am.)、レモン(Citru
s limone (L.) Burum f.)といった植物を挙げることが
できる。
【0036】スイートオレンジ(Citrus sinensis Osbec
k var. brasiliensis Tanaka)は、カリフォルニア、フ
ロリダ、スペイン、ブラジル、イタリア、および日本な
ど世界各地で広く栽培されているミカン科の植物であ
る。スイートオレンジの果実をそのまま圧搾し、果汁と
精油とを分離することによって、オレンジ油を得ること
ができる。オレンジ油は、d-リモネン、シトラール、n-
デシルアルデヒド、d-リナロール、d-テルピネオール、
n-ノニルアルコールなどを含有し、d-リモネンが90%以
上を占めている。
【0037】グレープフルーツ(Citrus paradisi Macf
ayden)は、カリフォルニア、フロリダ、テキサス、イ
スラエルおよびブラジルなどを主産地とするミカン科の
植物である。グレープフルーツの果皮を機械圧搾すると
グレープフルーツ油が得られ、葉および小枝を水蒸気蒸
留するとグレープフルーツペチグレン油が得られる。グ
レープフルーツ油は、d-リモネンのほか、この精油特有
の成分であるヌートカトン、オクチルアルデヒド、シト
ラール、ゲラニオールおよびその酢酸エステルなどを含
む。これらのうちで、d-リモネンが90%以上を占めてい
る。
【0038】レモン(Citrus limone (L.) )は、カリ
フォルニア、シシリー、カラブリア、スペイン、および
ブラジルを主産地とし、その他日本でも栽培されている
ミカン科の植物である。レモン油は、レモンの果皮の圧
搾により得られる。レモン油は、d-リモネン、シトラー
ル、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、リナロー
ル、ゲラニオール、その他各種のテルペノイドを含む。
【0039】本発明においては、オレンジ油、グレープ
フルーツ油、およびレモン油からなる群から選ばれる精
油を使用すると、これらの主要成分中に、リモネン、シ
トラールが90重量%以上含まれることから好ましい。特
に、含有成分の関係から、オレンジ油はフロリダ産また
は日本産のオレンジから得られたものを使用することが
好ましく、グレープフルーツ油またはレモン油はフロリ
ダ産のグレープフルーツまたはレモンから得られたもの
を使用することが好ましい。
【0040】上述したスミレ科に属する植物としては、
南フランスやイタリアを主産地とするニオイスミレ(Vi
ola odorata L.)を挙げることができる。ニオイスミレ
には、パルマ種とビクトリア種とがある。ニオイスミレ
から得られる精油としては、花から得られるフラワーア
ブソリュートと葉から得られるリーフアブソリュートと
がよく知られている。
【0041】フラワーアブソリュートは、以下のように
して得られる。まず、花を性吸収促進剤エーテルなどの
溶剤で抽出してコンクリートを得る(収油率0.09〜0.17
%)。ついで、コンクリートに含まれるワックス分を除
くためにエタノールで抽出を行い(収油率35〜40%)ア
ブソリュートを得る。匂いのない溶剤で1%以下に薄め
るとスミレの花を想起させる香気を発する。
【0042】リーフアブソリュートは、ビクトリア種の
新鮮な葉を石油エーテルなどの溶剤で抽出してコンクリ
ートを得たのち、エタノールで再度抽出することにより
製造される。調合香料に使用すると、ブーケ中のスミレ
を想起させる。バイオレット油は、特有成分であるバイ
オレットリーフアルデヒド(2,6‐ノナジエン‐1‐アー
ル)、バイオレットリーフアルコール(2,6‐ノナジエ
ン‐1‐オール)、α‐ヨノン、β‐ヨノン、ジヒドα
‐ヨノン、ジヒドロβ‐ヨノンのほか、ヘキサノールや
オイゲノールなどを成分として含む。
【0043】本発明の組成物では、フランスまたはイタ
リア産のニオイスミレから得られるバイオレット油また
は合成品であるバイオレットリーフアルコールを使用す
ることが、女性生殖器の機能を亢進させるという作用を
有する点で好ましい。
【0044】上述したラベンダー油またはラバンジン油
と、ネロリ油またはマンダリン油、およびイランイラン
油との組み合わせに、グレープフルーツ油とバイオレッ
ト油とをさらに配合すると分娩期、産褥期に亘ってスト
レスが抑制され、そして性腺機能が亢進されることか
ら、分娩ストレスの抑制効果が最も大きくなる。この効
果は、グレープフルーツ油とバイオレット油との組み合
わせに代えて、オレンジ油とローズマリー油とを配合し
た場合にも同様に得ることができる。
【0045】以上の精油は、精油自体のままで配合する
のではなく、各精油を個別に上述したケン化価を有する
高分子吸水性樹脂粒子上に吸着させ、これを精油脱着調
節剤で被覆して被覆粒子を調製し、この各被覆粒子を後
述する配合比で配合する。本発明で使用する被覆粒子
は、
【0046】(a)ラベンダー油またはラバンジン油を
吸着させて被覆した被覆粒子 (b)ネロリ油またはマンダリン油を吸着させて被覆し
た被覆粒子 (c)イランイラン油を吸着させて被覆した被覆粒子 (d)ネロリ油またはマンダリン油以外の上述したミカ
ン科植物から得られる精油を吸着させて被覆した被覆粒
子 (e)上記(a)〜(d)以外の精油を吸着させて被覆
した被覆粒子 である。
【0047】本発明の分娩ストレス緩和用組成物におい
ては、上述した被覆粒子を、組成物の総重量に対して、
5〜62重量%の前記(a)と、18〜33重量%の前記
(b)と、5〜25重量%の前記(c)と、14〜23重量%
の前記(d)と、1〜24重量%の前記(e)という配合
比で配合することが好ましい。
【0048】ここで、前記(e)は、(e1)前記ラベ
ンダー油またはラバンジン油以外のシソ科植物から得ら
れる精油を吸着させ精油脱着調節剤で被覆した被覆粒
子、または(e2)スミレ科植物から得られる精油を吸
着させ精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子のいずれかで
あることが好ましい。具体的には、前記(e1)は、ロ
ーズマリー油およびセージ油から選ばれる精油を吸着さ
せて、前記精油脱着調節剤で被覆した粒子とし、前記
(e2)は、バイオレット油またはバイオレットリーフ
アルコールを吸着させて、前記精油脱着調節剤で被覆し
た粒子とすることが好ましい。
【0049】組成物の総重量に対して、(a)を5〜62
重量%としたのは、5重量%未満では鎮静効果が発揮さ
れず、62重量%を超えると鎮静効果は発揮されるが、分
娩期、産褥期の様々な障害を癒すことができなくなるこ
とによる。また、(b)を18〜33重量%としたのは、18
重量%未満では、(a)と組合わせても相乗効果がない
からであり、33重量%を超えると、生殖器全体を癒すこ
ことができなくなることによる。(c)を5〜25重量%
としたのは、5重量%未満では顆粒球細胞増殖効果およ
び性腺刺激によっても正常な生殖器修復までには到達せ
ず、25重量%を超えると全体を癒すバランスが崩れるこ
とによる。
【0050】また、(d)を14〜23重量%としたのは、
14重量%未満では鎮痛作用や、末梢血流増加作用が発揮
されず、23重量%を超えると全体を癒すバランスが崩れ
ることによる。(e)を1〜24重量%としたのは、1重
量%未満では目的とする効果を達成できず、24重量%を
超えると全体のストレス抑制作用が崩れることによる。
【0051】上記の(a)〜(e)の被覆粒子の配合比
は、(a)を15〜52重量%、(b)を18〜28重量%、
(c)を7〜20重量%、(d)を16〜22重量%とするこ
とが、分娩ストレスの緩和効果を上げるためにさらに好
ましい。
【0052】さらに(e1)を加えて本発明の分娩スト
レス緩和用組成物とする場合には、(a)を36〜46重量
%、(b)を20〜26重量%、(c)を13〜19重量%、
(d)を17〜21重量%、(e)を3〜8重量%とするこ
とが分娩ストレス抑制の効果が高い点で好ましく、約38
重量%の(a)、約23重量%の(b)、約15重量%の
(c)、約19重量%の(d)および約5重量%の(e)
という組み合わせが最も好ましい。
【0053】または、(e2)を加えて本発明の組成物
とする場合には、(a)を31〜41重量%、(b)を21〜
31重量%、(c)を8〜18重量%とし、(d)を17〜2
1重量%、(e)を13〜18重量%とすることが分娩期お
よび産褥期の女性生殖器の修復再生効果が高い観点から
好ましく、最も好ましくは、約33重量%の(a)、約23
重量%の(b)、約10重量%の(c)、約19重量%の
(d)および約15重量%の(f)という組み合わせであ
る。なお、(e1)または(e2)で2種以上の精油を
選択する場合には、それらを別個に上述した樹脂粒子上
に吸着させ、精油脱着調節剤で被覆して使用すればよ
い。
【0054】本発明の分娩ストレス緩和用組成物とし
て、約33重量%のラベンダー油またはラバンジン油吸着
させて被覆した被覆粒子(a)、約23重量%のネロリ油
またはマンダリン油を吸着させて被覆した被覆粒子
(b)、約10重量%のイランイラン油を吸着させて被覆
した被覆粒子(c)、約19重量%のグレープフルーツ油
を吸着させて被覆した被覆粒子(d)と約15重量%のバ
イオレット油またはバイオレットリーフアルコールを吸
着させて被覆した被覆粒子(e)とを組み合わせると、
分娩時の母体のストレスを最もよく低減させることがで
き、新生仔の健康状態も最も良好となる。
【0055】または、約38重量%のラベンダー油または
ラバンジン油吸着させて被覆した被覆粒子(a)と、約
23重量%のネロリ油またはマンダリン油を吸着させて被
覆した被覆粒子(b)、約15重量%のイランイラン油を
吸着させて被覆した被覆粒子(c)、約19重量%のオレ
ンジ油を吸着させて被覆した被覆粒子(d)と約5重量
%のローズマリー油を吸着させて被覆した被覆粒子
(f)とを組み合わせた場合も、分娩時の母体のストレ
スを最もよく低減させることができ、新生仔の健康状態
も最も良好となる。
【0056】本発明はまた、シート形成用基剤と、遊離
水分除去剤と、発熱剤と、熱伝導除去剤と、上述した分
娩ストレス緩和用組成物とを含んでなる分娩ストレス緩
和剤である。ここで、上記の分娩ストレス緩和用製剤か
ら分娩ストレス緩和用組成物を除いたものを基剤ベース
という。前記シート形成用基剤はケン化価88.0±2.0の
ポリビニルアルコール(以下、「PVA」ということがあ
る)系高分子吸水性樹脂であることが好ましい。ここ
で、シート形成用基剤とは、上記の分娩ストレス緩和用
組成物をシート状にするための基剤となるものをいう。
【0057】具体的には、ゴーセランL-0301(日本合成
化学(株))などを挙げることができ、こうした樹脂は
低温(約180℃)における接着性が良いことから好適に
使用することができる。高温(約230℃以上)で接着す
ると、樹脂が溶解して樹脂間の隙間が塞がれてしまうた
め、上述の精油組成物の脱着の面で問題があるが、低温
での接着ではこうした問題は生じないことによる。
【0058】遊離水分除去剤とは、本発明の分娩ストレ
ス緩和剤を適用した部位の皮膚表面に存在する水分を除
去するものをいい、アクリル系吸水性樹脂であることが
好ましい。こうしたアクリル系吸水樹脂の吸水容量は、
乾燥樹脂体積の400〜800倍の範囲にあるものが好まし
く、サンフレッシュ(三洋化成(株))、アクアキープ
(住友精化(株)製)などを挙げることができる。球状
粒子であるアクアキープよりも、破砕状のサンフレッシ
ュの方が接着性が良いことからサンフレッシュを使用す
ることが好ましい。
【0059】発熱剤とは、空気中の水分を吸着して吸着
熱を出す物質をいう。このときに発生する熱エネルギー
を利用して、吸着担体に吸着された精油組成物の脱着が
行われる。具体的には、ゼオライトを挙げることができ
る。発熱剤であるゼオライトは、孔径が1〜8Åのもの
を用いることが精油の脱着能のためのエネルギーを供給
する上で好ましく、3〜4Åのものを用いることがさら
に好ましい。このような孔径のゼオライトであれば市販
品を使用することができ、具体的には、ゼオラム
((株)東ソー)等を挙げることができる。
【0060】熱伝導防止剤とは、上記の遊離水分吸着剤
に吸着された遊離水分によって急激に発生する熱の伝導
を防止することができる化合物をいう。具体的には、キ
トサン、セルロースその他の多糖類化合物を挙げること
ができる。キトサンを使用すると、製剤中に色素を含有
する場合には、キトサンをこれら色素の担体とすること
ができるという利点がある。キトサンに代えて、上述の
ような熱の伝導を防止するセルロース等を使用すること
もできる。
【0061】なお、本発明の製剤においては、皮膚から
上記分娩ストレス緩和剤中の精油または精油成分の吸収
を促すL−メントールを使用している。L-メントールを
リモネンに代えてもよい。この場合には、上述した樹脂
粒子上に、例えば、L−メントールを吸着させ、これを
精油脱着調節剤で被覆して被覆粒子とし、基剤ベースに
加える。L-メントールやリモネンを使用すると、皮膚表
面に存在する残存遊離水分が気化によって除かれ、皮膚
が乾燥するので精油が吸収されやすい環境がつくられる
という利点がある。
【0062】本発明の分娩ストレス緩和剤は、上記の精
油を用いて、上述した方法に従って被覆粒子とし、所定
の量で配合して得た組成物と、遊離水分除去剤と、精油
脱着調節剤と、熱伝導防止剤と、シート形成用基剤と、
所望により精油組成物吸収促進剤とを以下のように混合
して製造することができる。ここでは、精油として、ラ
ベンダー油、ネロリ油、グレープフルーツ油、バイオレ
ットリーフアルコール、およびイランイラン油を用いる
場合を例にとって説明する。
【0063】まず、これらの各精油を所定量ずつ別個の
容器中に秤量して取る。これらの容器中にケン化価98.0
〜98.5のPVA系吸水性高分子樹脂粒子をそれぞれ混合し
て、樹脂粒子の表面上に各々の精油を吸着させ表面膜を
形成させる。この操作によって、ラベンダー油を吸着し
た樹脂粒子、ネロリ油を吸着した樹脂粒子、グレープフ
ルーツ油を吸着した樹脂粒子、バイオレットリーフアル
コールを吸着した樹脂粒子、イランイラン油を吸着した
樹脂粒子が形成される。ついで、上述した精油脱着調節
剤を所定量入れた容器中にこれらの粒子を1種類ずつ、
別々に入れてこの精油脱着調節剤で樹脂粒子表面に形成
された精油膜表面を覆い、各々の被覆粒子を形成させ
る。
【0064】被覆粒子は、遮光した密閉容器中、室温に
て6ヶ月程度の期間は保存することができる。このよう
に形成した被覆粒子を、上述した配合比で配合すると、
本発明の分娩ストレス緩和用組成物を調製することがで
きる。ついで、この組成物中に、所定量の上述した遊離
水分除去剤、熱伝導防止剤、およびシート形成用基剤を
加えて良く混合し、均等の厚みになるように圧着用シー
ト上に載せて別の圧着用シートを重ねて、約130℃程度
の熱をかける。これによって、分娩ストレス緩和用組成
物含有シートが形成される。
【0065】この分娩ストレス緩和用組成物含有シート
を、適当な大きさ、例えば、2cm×4cmに裁断し、これ
を適当な大きさに裁断した不織布等の2枚のシート状素
材でさらに挟み、シート状素材の4辺をヒートシールし
て、本発明の分娩ストレス緩和剤とする。
【0066】圧着用シートとしては、化繊紙(坪量18〜
20g)を使用することが好ましく、化繊紙を使用すると
上述した炭素被覆粒子の圧着率がよいという利点があ
る。また、上記のシート状素材は、紙、織布または不織
布からなる群から選ばれるものであることが好ましく、
化繊紙を使用すると上述した炭素被覆粒子の圧着率がよ
いという利点がある。また、上記のシート状素材は、
紙、織布または不織布からなる群から選ばれるものであ
ることが好ましく、上記の分娩ストレス緩和用組成物に
含まれる精油成分が揮発して気体分子となったときに、
これらが透過しやすいという点で、不織布であることが
さらに好ましい。
【0067】以上のようにして製造した本発明の分娩ス
トレス緩和剤は、脂溶性の高い低分子化合物を成分とし
て含むことから、非経口投与ルートで使用することがで
きる。本発明の分娩ストレス緩和剤は、経皮吸収によっ
て速やかに有効成分を体内に移行させることができる。
経皮ルートから吸収された精油成分は、それらの脂溶性
の高さともあいまって経口ルートまたは経皮以外の非経
口ルートから吸収された場合よりも、リンパへ多く移行
する。
【0068】したがって、一般的には、薬物(本発明の
場合には、精油成分)の吸収の程度はこれらの構造や物
理化学的性質に依存するものの、表皮の角質層を通過し
た後は、表皮下結合組織の乳頭層内にある毛細血管、毛
細リンパ管に至る経路と、付属器官の皮脂腺を通り、血
管やリンパ管に至る経路とにより、毛細血管、毛細リン
パ管から全身循環系に運ばれ薬理作用を発現すると考え
られる。また、本発明の分娩ストレス緩和剤は、1ピー
スの片面に両面テープなどを貼り付けておくと、皮膚に
直接留めつけることができ、投与部位としては第7頸椎
または腰の部分から投与することが好ましい。
【0069】
【実施例】以下に、実施例に従って本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。 (実施例1)分娩ストレス緩和用精油組成物および分娩
ストレス緩和剤の製造 以下の試薬を用い、以下に述べる方法に従って、分娩ス
トレス緩和用精油組成物および分娩ストレス緩和剤を製
造した。
【0070】(1)試薬 (1−1)精油 ラベンダー油(フランス、イタリア、またはイギリス産
のもの)、ラバンジン油(フランス産のもの)、ネロリ
油(フランス産、スペイン産のもの)、マンダリン油
(イタリア産、スペイン産のもの)グレープフルーツ油
およびオレンジ油(カリフォルニア、フロリダまたはス
ペイン産のもの)、ローズマリー油(フランス産、イタ
リア産)、イランイラン油(イギリス産のもの)、バイ
オレット油(フランスまたはスペイン産のもの)は小川
香料(株)より購入した。
【0071】(1−2)その他 精油を吸着するためのPVA系高分子吸水性樹脂として
は、信越ポバールC-17GPを信越化学(株)より購入し
た。また、シート形成用基剤としては、ケン化価88.0±
2.0のPVA系高分子吸水性樹脂であるゴーセランL-0301を
日本合成化学(株)より購入した。遊離水分除去剤とし
ては、アクリル系吸水性樹脂であるサンフレッシュを三
洋化成工業(株)より購入した。また、発熱剤としてゼ
オライト(ゼオラム)を東ソー(株)から購入した。熱
伝導防止剤としては、キトサン(コーヨーキトサン)を
甲陽ケミカル(株)より購入した。さらに、精油脱着調
節剤として、活性炭(カヤマックス)を日本化薬(株)
より購入した。
【0072】(2)分娩ストレス緩和用組成物および分
娩ストレス緩和剤の製造 (2−1)分娩ストレス緩和用組成物の製造 本発明の分娩ストレス緩和用組成物は、下記表1および
表2に示す処方に従って各精油を秤量した。なお、表1
および2に示した量は、これらの各組成物を製剤(アロ
マテープCORS-A、CORS-B)としたときの1ピース当たり
の使用量である。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】CORS-AおよびCORS-B用の組成物を製造する
ために、表1および表2に示す各精油を個別の容器に秤
量して採取した。表1の処方1では、500mgのラベンダ
ー油またはラバンジン油、ネロリ油、グレープフルーツ
油、バイオレット油またはバイオレットリーフアルコー
ル、イランイラン油の各々を、33gの信越ポバールC-17
GP(PVA)と混合し、それぞれの精油を樹脂粒子表面に
別々に吸着させた。
【0076】ついで、それぞれの精油が吸着した粒子を
精油脱着調節剤である活性炭で個別に被覆し、炭素被覆
粒子を得た。調製した各炭素被覆粒子は、気密性の高
い、蓋のついた、すりつきガラス容器に入れて室温で保
存した。これらを、表1に示す配合比で配合し、アロマ
テープCORS-AおよびCORS-Bのための組成物を調製した。
【0077】(2−2)分娩ストレス緩和用製剤の製造 ついで、製剤製造用の樹脂等のシート(アロマテープCO
RS-A、CORS-B)1枚当たりの配合量を表3に示す量でそ
れぞれ秤量した。なお、表3には示していないが、組成
物の作製に使用する信越ポバールC-17GPのシート1枚あ
たりの使用量は92mgである。
【0078】
【表3】
【0079】まず、500mgのL-メントールを33gの信越
ポバールC-17GPと混合し、上述の精油を使用した場合と
同様に被覆粒子を作製した。ついで、表3に示す量のゴ
ーセランL-0301(日本合成化学(株)製)、サンフレッ
シュ(三洋化成工業(株)製)とを混合して攪拌し、ゼ
オラム(ゼオライト、東ソー(株)製)、甲陽キトサン
(甲陽ケミカル(株)製)をこの順番で1種類ずつ加え
て攪拌し、ここにL-メントールを吸着した被覆粒子を表
3に示す量で加えて基剤を調製した。ついで、上記(2
−1)で調製した各分娩ストレス緩和用組成物1.1mgと
混合した。以上より、CORS-AおよびCORS-Bのシート1枚
当たりに含まれる樹脂や精油などの合計量は、297.1mg
となる。
【0080】圧着用シートの上に均一の厚さになるよう
にこの組成物を広げ、その上にさらに別の圧着用シート
のせて上記組成物と基剤との混合物を挟んで約130℃で
圧着し、分娩ストレス緩和剤をシート状とした。このシ
ートを、2×4cmに裁断し、4×7.5cmに裁断した不織
布によって挟み、4辺をヒートシールして、本発明の分
娩ストレス緩和剤を調製した。各処方を、番号順に、ア
ロマテープCORS-A01〜08、CORS-B01〜08と命名した。
【0081】(実施例2)動物における分娩ストレスの
緩和効果の測定 (1)供試動物、試薬および方法等 (1−1)供試動物 酪農学園大学付属農場にて繋養されているホルスタイン
種乳牛のうち、1998年9月から1999年6月までの期間内
に分娩した初産牛13頭、経産牛36頭の合計49頭を用い
た。これらのウシの産次構成を表4に示す。
【0082】
【表4】
【0083】これらを無作為に試験群A(14頭)、試験
群B(11)頭、および対照群24頭に分けた。これらの平
均産次は試験群Aで3.6産、試験群Bで2.9産、対照群で
2.5産であった。平均妊娠期間±標準誤差は、初産牛全
体で286.6±5.1日、経産牛全体で283.1±3.5日、試験群
Aの初産牛全体で288.7±5.1日、経産牛全体で284.6±
1.0日、試験群Bの初産牛全体で290.0±4.3日、経産牛
全体で282.8±1.6日、対照群の初産牛全体で284.3±1.1
日、経産牛全体で282.6±1.9日であった。
【0084】(1−2)供試薬 乳牛の分娩ストレス緩和用「アロマテープTM CORS-
A」(以下、「CORS-A」という)および「アロマテー
TM CORS-B」(以下、「CORS-B」という)(いず
れも、株式会社アロマ研究所製)を使用した。それぞれ
の成分は表2に示してある。
【0085】(2)試験方法 (2−1)アロマテープの装着等 分娩予定日(人工授精後280日目)の一週間前から1日
1回、体温測定、広仙結節靭帯(一般には仙坐靭帯とい
われる)の弛緩の検査、および内診による子宮頸管の弛
緩の程度の検査を行い、24時間以内に分娩すると予測さ
れた時点でウシを分娩房に移動させた。
【0086】試験群は、分娩房に入れるのとほぼ同時に
アロマテープTM CORS-AまたはアロマテープTM C
ORS-Bを、第7頸椎・第1胸椎間と第1腰椎付近に1枚
ずつ計2枚、医療用粘着テープ(3M社製)を用いて装
着した。試験群AにはCORS-Aを、また試験群BにはCOR
S-Bをそれぞれ装着した。対照群は無処置対照群とし
た。
【0087】これらの処置の後に分娩経過を観察し、必
要に応じて助産や投薬等を行った。すなわち、二次破水
後1〜1.5時間が経過しても胎仔が娩出されない場
合、または内蹄と外蹄とを外側に押し広げた時の胎仔の
反応が二次破水の時点よりも低下してきた場合には、そ
の時点で産科チェーンを用いて牽引を行った。また、以
下に述べる陣痛微弱例に対しては、治療の目的でオキシ
トシン50単位(アトニン TM−O、帝国臓器製薬(株)
製)を筋肉注射し、子宮捻転例に対しては、ローリング
法により整復し、その後、同様の基準に従って助産し
た。
【0088】(2−2)観察項目 分娩状況 分娩状況を、まず、分娩に際して助産を必要としなかっ
た正常分娩群と、助産を必要とした異常分娩群とに分類
し、異常分娩群については、以下の定義に従ってさらに
5群に細分類した。
【0089】軽度牽引群・・・・・・1〜2人で5分未満の牽
引を行い、胎仔を抽出したもの 中程度牽引群・・・1〜2人で5分以上15分未満の牽引を
行い、胎仔を抽出したもの 重度牽引群・・・・・・1〜2人で15分以上の牽引を行い、胎
仔を抽出したもの 陣痛微弱群・・・・・・開口期に入って6時間以上経過し、子
宮の捻転や胎仔の失位などの異常がなく、陣痛が弱いか
起こらなかったもの 子宮捻転群・・・・・・直腸検査により子宮の捻転と判断した
もの
【0090】新生仔の状態 新生仔の状態を、出生直後に後頭部に約10Lの冷水をか
けたとき、それに反応して自発的に動き、その後、規則
的な呼吸を開始した正常群と、こうした反応が微弱また
はなかった異常群とに分類し、さらに異常群を以下の定
義に従って3群に分類した。
【0091】衰弱群・・・出生直後に後頭部に約10Lの冷
水をかけたときの上記の反応が微弱であったもの。 出生直後死・・・上記の処置にもかかわらず、自発呼吸を
開始せずに死亡したもの。または、他の理由により出生
後30分以内に死亡したもの。 死産・・・娩出以前または娩出時にすでに死亡していたも
の。
【0092】胎盤停滞 分娩後12時間以内に、胎盤が自然に排出されなかったも
のを胎盤停滞例とした。 分娩後の子宮疾患 分娩後、1ヶ月と2ヶ月の定期検診時に、膣検査により
液状の排出物である悪露が認められ、直腸検査により子
宮の下垂と子宮内の液体貯留が認められたものを悪露停
滞、膣検査により外子宮口からの膿様の滲出物が漏出
し、診断的子宮洗浄において回収した洗浄液が乳白色か
ら黄白色に混濁するか、多量の膿瘍物を含む場合を子宮
内膜炎とした。また、分娩後、2ヶ月までに子宮の回復
が遅延している場合を子宮回復遅延とした。悪露停滞、
子宮内膜炎、子宮回復遅延を分娩後の子宮疾患とした。
【0093】(2−3)内分泌学的検査 血漿中コルチゾール濃度測定 分娩前後のストレスの指標として、血漿中コルチゾール
濃度の測定を行った。血液採取は、21Gベノジェクト採
血針(テルモ(株))とヘパリンナトリウム入り真空採
血管を用いて、正中静脈より、1回につき約10mLの血液
を採取した。血液の採取は、分娩予定日の7日前より1
日1回、二次破水直後、胎仔娩出直後、胎仔娩出2時間
後、同12時間後、および分娩7日目まで行った。
【0094】採取した血液は遠心分離(3,000rpm、20
分)後、血漿を−30℃で凍結保存した。血漿中コルチゾ
ール濃度の測定は、Nakaoら(Nakao, T., Tamamura,
F., Tunoda, N., and Kawata, K., 1981. Double aniti
body enzyme immunoassay of cortisol in bovine plas
ma. Steroids 38: 111-120)のEIAの変法にて行っ
た。
【0095】下垂体機能検査 下垂体機能の回復を調べるために、分娩7日目に性腺刺
激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin-reseasing hor
mone、以下「Gn-RH」と略すことがある。)負荷試験を
行った。すなわち、Gn-RH製剤をして酢酸フェルチレリ
ン(コンセラールTM、武田薬品工業(株))を用い、50
μgを筋肉内投与した。投与前15分、投与直前(0
分)、投与後60分および120分の合計4回、血漿中コル
チゾール濃度測定と同様の方法で血液を採取し、血漿を
−30℃で凍結保存した。血漿中黄体形成ホルモン(lute
nizing hormone、以下「LH」と略することがある。)濃
度の測定はEchternkampらのRIA法(Echternkamp, S.
E., Bolt, D.J. and Hawk, H. W.1976. Ovarian and p
ituitary hormone in blood of progesterone treated
ewes. J. Amin. Sci. 42: 893-900)によって行った。
【0096】分娩後の卵巣機能の回復状況の検査 分娩後、1週間目以降8週目まで、週に2回、夕方の搾
乳後、乳汁を採取した。採取した乳準は4℃で一晩静置
した後、遠心分離(3,000rpm、20分)し、脂肪層を吸引
除去した後、脱脂乳は−30℃で凍結保存した。
【0097】脱脂乳中プロゲステロンの測定は田谷らの
RIA法(田谷一善、渡辺元、笹本修司、1985. 125I標
識ホルモンを用いたプロゲステロン、テストステロンお
よびエストラジオール−17βのラジオイムノアッセイに
ついて。家畜繁殖誌、31: 186-197)にて行った。脱脂
乳中のプロゲステロン濃度が1.0ng/mL未満から1.0ng/mL
異常へ増加した場合、黄体が形成されたものと判定し
た。その後、発情周期を繰り返した場合、卵巣機能が回
復したものと判定し、最初のプロゲステロン濃度の上昇
が認められた時期を卵巣機回復期とした。
【0098】(2−4)統計処理 分娩状況、新生仔の異常、胎盤の排出、分娩後の子宮疾
患および卵巣機能回復の頭数の比較に関してはχ二乗検
定を、娩出までの所要時間、血漿中コルチゾール濃度、
血漿中LH濃度の平均の差の検定には、StudentまたはWel
chのt-検定を用いた。血漿中コルチゾール濃度と血漿中
LH濃度および血漿中LH濃度と卵巣の機能日数との相関性
の検定には相関分析を用いた。
【0099】(実施例3)分娩状況と分娩所要時間の比
較 (1)分娩状況 分娩状況を、初産牛と経産牛とに分けて表5と6に示し
た。表中、かっこ内の数字は割合を示す。
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】異常分娩の割合は、試験群全体(初産牛お
よび経産牛の試験群の合計)では25頭中13頭(52.0
%)、対照群全体(初産牛および経産牛の対照群の合
計)では24頭中11頭(45.8%)であった。初産牛の試験
群では6頭中5頭(83.3%)、対照群では7頭中5頭
(71.4%)で異常分娩が見られたが、群間での有意差は
見られなかった。異常分娩の内訳を見ると、対照群では
重度の牽引と、陣痛微弱によるオキシトシン投与に加え
て重度の牽引を行ったものとが各1例ずつ発生したが、
試験群ではこうした例は見られなかった。
【0103】経産牛の試験群では19頭中7例(36.8
%)、対照群では17頭中8例(47.1%)で異常分娩が見
られたが、群間での有意差は認められなかった。異常分
娩の内訳を見ると、対照群では、陣痛が微弱であったた
めにオキシトシンを投与した後、自然に娩出されたもの
(1例(5.9%))、オキシトシン投与後軽度の牽引を
行ったもの(3例(17.6%))、子宮捻転を起こしたも
の(1例(5.9%))などが発生したが、試験群では重
度牽引以上の症例は認められなかった。さらに、初産
牛、経産牛の各試験群では、A群とB群との間に有意差
は認められなかった。
【0104】なお、異常分娩の原因が胎仔側、母体側の
いずれにあるかで比較してみると、試験群においてはす
べて胎仔過大(相対的胎仔過大を含む)によるものであ
り、母体側の要因(陣痛微弱など)によるものは見られ
なかった。一方、対照群では、陣痛微弱による異常分娩
の割合が高く(対照群全体で24頭中5頭(20.8%)、初
産牛で14.3%、経産牛で23.5%)、母体側の要因による
ものが高くなっていた。
【0105】(2)分娩所要時間の比較 (2−1)開口期〜胎仔娩出までの所要時間に対する影
響 開口期、一時破水および二次破水から胎仔娩出までの所
要時間を、初産牛または経産牛別に、正常分娩と異常分
娩例とに分けて表7に示した。開口期の開口時間、一時
破水、二次破水をはっきりと観察できなかった例につい
ては、今回のデータとして使用しなかった。
【0106】
【表7】
【0107】表8に、各群の平均値を標準偏差をつけて
表した。ここで、かっこ内の数字は例数を表す。開口期
から胎仔娩出までの所要時間は、試験群全体では359±3
7(分)(17例)、対照群全体では322±48(分)(10
例)であった。表8より明らかなように、試験群A、試
験群B、試験群合計および対照群の間で有意差は見られ
なかった。
【0108】ただし、経産牛の正常分娩例における対照
群と試験群とを比較すると、対照群で302±51(分)
(6例)、試験群合計では347±59(分)(9例)と試
験群でやや長い傾向が見られた。試験群A、試験群Bは
それぞれ、360±72(分)(7例)、303(分)(2例)
であった。また、異常分娩例でも、対照群で353±113
(4例)、試験群合計では387±68分(3例)と試験群
でやや長い傾向が見られた。試験群A、試験群Bはそれ
ぞれ、333(分)(2例)、495(分)(1例)であっ
た。
【0109】(2−2)一次破水から胎仔娩出までの所
要時間に及ぼす影響 初産牛と経産牛の一次破水から胎仔娩出までの所要時間
を、表8に、各群の平均値を標準偏差をつけて表す。ま
た、かっこ内の数字は例数を表す。
【0110】
【表8】
【0111】試験群全体の平均値は、116±26(分)
(8例)、対照群全体では100±19(分)(11例)で、
群間の有意差は見られなかった。ただし、経産牛の試験
群Aと対照群とを見ると、試験群Aで66±15(分)、対
照群で79±19(分)と試験群Aでやや短い傾向が見られ
た。
【0112】(2−3)二次破水から胎仔娩出までの所
要時間に及ぼす影響 初産牛と経産牛の二次破水から胎仔娩出までの所要時間
を、表9に、各群の平均値を標準偏差をつけて表す。ま
た、かっこ内の数字は例数を表す。
【0113】
【表9】
【0114】試験群全体の平均値は、66±7(分)(22
例)、対照群全体では76±11(分)(21例)で、群間の
有意差は見られなかった。ただし、初産牛の異常分娩例
における試験群と対照群とを見ると、試験群合計で86±
15(分)(5例)、対照群で103±31(分)(5例)と
試験群でやや短い傾向が見られた。さらに、試験群Aと
Bとを見ると、試験群Bでやや短い傾向が見られた。一
方、経産牛の異常分娩例においては、試験群と対照群と
を見ると、試験群合計で84±7(分)(7例)、対照群
で95±21(分)(7例)と、試験群でやや短い傾向が見
られた。
【0115】以上より、開口期から胎仔娩出までの所要
時間は、対照群と比較して試験群Aおよび試験群Bでや
や長く、二次破水から娩出までの所要時間は逆に試験群
Aおよび試験群Bでやや短い傾向が認められた。今回の
実験において、試験群では開口期から胎仔娩出までの所
要時間は対照群よりも長い傾向があったにも関わらず、
二次破水から娩出までの所要時間は短い傾向が認められ
た。このことは、オキシトシンが分泌され、作用する時
期と一致していた。
【0116】以上より、アロマテープCORS-AまたはCORS
-Bを用いることによって、ストレス関連ホルモンの合成
が抑制され、オキシトシンが視床下部で合成され、下垂
体後葉から分泌され、子宮平滑筋におけるオキシトシン
レセプターが発現し、オキシトシンによって誘導される
PGF2αの分泌が促進されたことによるものではないか
と考えられた。また、上記のアロマテープのいずれにも
含まれているラベンダー油は、ヒトにおいて陣痛微弱お
よび子宮筋過緊張の際に用いられているので(坂田 寿
衛ら、1988、医薬品の現状、279〜293頁、佐藤 和雄ら
編、講座プロスタグランジン1 生殖生理、東京化学同
人)、分娩時の子宮筋収縮を適正に保つ作用を有するも
のと思われる。
【0117】(実施例4)新生仔の健康状態の比較 (1)分娩状態による新生仔異常の発生率 新生仔の状態を初産牛と経産牛別に、正常分娩例と異常
分娩例とに分けて、表10に示した。
【0118】
【表10】
【0119】初産牛群では、対照群で新生仔異常が7例
中3例(42.9%)という高い頻度で見られたが、試験群
ではまったく見られなかった。経産牛群の新生仔異常
は、対照群で17例中3例(17.6%)で見られたが、試験
群では19例中1例(5.3%)と低い値であった。
【0120】また、初産牛の異常分娩例においては、高
い割合で新生仔異常が見られたのに対し、対照群ではま
ったく見られず、試験群との間には有意差が見られた
(p<0.05)。なお、正常分娩例においては、新生仔異
常は見られなかった。試験群は、上述したCORS-A貼付群
(A群:初産牛3頭、経産牛11頭)、CORS-B投与群(B
群:初産牛3頭、経産牛8頭)から構成されるが、経産
牛1例を除いて新生仔異常は見られず、群間に有意差は
認められなかった。
【0121】(2)分娩後の新生仔の状態の検討 次に、分娩後の新生仔の状態に注目して、正常群と異常
群とに分け、異常群をさらに、上記のような区分によっ
て細分類した。初産牛の新生仔の状態を表11に、また、
経産牛の新生仔の状態を表12にそれぞれ示す。表中、か
っこ内の数字は、対照群および試験群に含まれるウシの
数を100%としたときの割合を示す。
【0122】
【表11】
【0123】
【表12】
【0124】初産牛の試験群では新生仔以上は全く見ら
れなかったが、対照群では7頭中3頭(42.9%)という
高率で新生仔異常が見られ、うち2頭は出生直後に死亡
した。また、経産牛の試験群では、17頭中3頭(17.6
%)に新生仔異常が見られ、試験群では19頭中1頭(5.
3%)で新生仔異常が見られたが、死亡例は見られなか
った。すなわち、アロマテープは、初産牛、経産牛のい
ずれに対して使用したときでも新生仔異常の発生を抑制
するが、特に、初産牛に対して使用したときに効果が高
いことが示された。なお、試験群間では有意差は認めら
れなかった。
【0125】以上より、初産牛では、異常分娩例であっ
てもアロマテープを貼着していると新生仔異常は発生す
る確率が低下することが明らかになった。これは、以下
のようなメカニズムによるものと推察される。仔牛が外
界に適応するためには、適度な低酸素状態に曝されるこ
とによって交感神経−副腎軸が刺激される必要がある
(Aurich, J. E., Hoppen, H.O., Aurich, C. and Parv
izi, N. 1988. Effectsof stress on pregnancy and p
arturition. Peprod. Dom. Anim. 33:97-99.)。
【0126】しかし、通常、分娩時間が長くなると胎盤
の剥離が起こり、胎仔胎盤への血流量が減少するため、
胎仔が低酸素症を起こす。低酸素状態が長く続くと胎仔
はアシドーシスを起こし、衰弱したり、場合によっては
死亡する。アロマテープを貼着した試験群では、上記実
施例3に示すように、二次破水から娩出までの時間が短
く、胎仔は適度な低酸素状態に置かれて刺激を受けたた
め、胎仔の出生後の状態が良好となったと考えられる。
【0127】(実施例5)胎盤停滞の発生状況の比較 胎盤停滞の発生状況を、初産牛と経産牛とに分けて表13
に示した。
【0128】
【表13】
【0129】初産牛では、正常分娩例、異常分娩例とも
に胎盤停滞は見られなかった。一方、経産牛の正常分娩
例では、対照群で胎盤停滞は見られなかったのに対し、
試験群では12頭中3頭(25.0%)で胎盤停滞が見られ、
試験群の胎盤停滞が有意に多くなっていた(a/b:p<
0.05)。試験群Aで胎盤停滞を起こした1頭は5産目、
試験群Bの1頭は7産目であった。試験群Bの他の1頭
は妊娠期間が277日と、今回の実験における経産牛の平
均妊娠期間より約6日短かった。
【0130】経産牛の異常分娩例では、対照群、試験群
ともに胎盤停滞が見られたが、有意差は認められなかっ
た。以上より、胎盤停滞を起こした上記の試験群の例で
は、多産に起因する低カルシウム血症や妊娠期間の短さ
等が影響したものと考えられる。
【0131】(実施例6)分娩後の子宮疾患 分娩後の子宮疾患の発生状況を、初産牛と経産牛とに分
けて、表14に示した。
【0132】
【表14】
【0133】分娩後の子宮疾患は初産牛では、正常分娩
例では見られなかったが、異常分娩例では、対照群、試
験群の双方で見られた。また、経産牛で見ると、対照群
の正常分娩例では見られなかったが、試験群では正常分
娩例でも見られた。異常分娩例では、対照群、試験群と
もに見られた。以上より、分娩後の子宮疾患について
は、対照群と試験群との間に有意差は認められなかっ
た。
【0134】(実施例7) 分娩後のコルチゾール濃度
の検討 分娩7日前から前日まで、二次破水直後、胎仔娩出直
後、胎仔娩出に時間経過後、胎仔娩出12時間経過後、分
娩1日後から7日後までの血漿中コルチゾール濃度を、
初産牛と経産牛とに分けて図1に示した。図1中、破水
は二次破水直後を、娩出は胎仔娩出直後を示す。また、
初産牛の正常分娩例(対照群のn=2、試験群Bのn=
1)、初産牛の異常分娩例(対照群のn=5、試験群A
のn=3、試験群Bのn=2)、経産牛の正常分娩例
(対照群のn=9、試験群Aのn=7、試験群Bのn=
4)、経産牛の異常分娩例(対照群のn=6、試験群A
のn=3、試験群Bのn=3)であり、データは平均値
±標準偏差で示した。
【0135】血漿中コルチゾール濃度は、分娩1日前ま
たは二次破水直後から上昇し始め、胎仔娩出直後または
胎仔娩出2時間後に最高値となる。その後減少し、分娩
1日後には正常値まで低下する。胎仔娩出直後の平均血
漿中コルチゾール濃度を表15に示す。
【0136】
【表15】
【0137】図1および表15に示すように、血漿コルチ
ゾール濃度は初産牛より経産牛の方が高目であった。ま
た、正常分娩例よりも異常分娩例で高い傾向が見られ
た。しかし、胎仔娩出直後の平均コルチゾール濃度に関
しては、対照群と試験群との間に有意差は認められなか
った。
【0138】(実施例8) 分娩後の下垂体機能の検討 Gn-RH投与前15分、投与直前(0分)、投与後60分、120
分の血漿中LH(黄体形成ホルモン)濃度の変化を、初産
牛と経産牛とについて検討した。結果を図2に示す。図
中、初産牛の正常分娩例(対照群:n=2、試験群B:
n=1)、初産牛の異常分娩例(対照群n=5、試験群
A:n=3、試験群B:n=2)、経産牛の正常分娩例
(対照群:n=9、試験群A:n=7、試験群B:n=
4)、経産牛の異常分娩例(対照群:n=6、試験群
A:n=3、試験群B:n=3)であり、これらの各群
の血漿中LH濃度を平均値±標準偏差で示した。
【0139】また、各群における血漿中LHの基底濃度
(−15〜0分における血漿中LH濃度)を、Gn-RH(50μ
g/頭)投与後120分における血漿中LH濃度から引いた差
を表16に示し、さらに、基底濃度の上昇を1としたとき
の各群の濃度の上昇率を求めかっこ内に示した。
【0140】
【表16】
【0141】図2に示されるように、初産牛、経産牛に
関わりなく、Gn-RH投与後120分まで血漿中LH濃度の上昇
が観察された。表16に示すように、正常分娩例である
か、異常分娩例であるかは、血漿中LH濃度の上昇率とは
相関しなかった。
【0142】(実施例9) 分娩後の卵巣機能回復状況
の検討 分娩後の卵巣機能の回復状況を表17に示した。
【0143】
【表17】
【0144】初産牛の正常分娩例では、例数が少ないた
めはっきりした傾向は認められなかったが、初産牛の異
常分娩例では対照群と比較して試験群Aの平均回復日数
が有意に短かった。経産牛では、有意差は見られなかっ
たものの、同様に試験群Aの平均回復日数が短い傾向が
見られた。これは、分娩時にアロマテープを貼着するこ
とにより、上述のストレス関連ホルモンの分泌が抑制さ
れ、それらの持つLH、FSHの分泌を抑制する作用が軽減
されたためと推察された。試験群Aと試験群Bとを比較
すると、試験群Aの平均回復日数が短くなっており、CO
RS-Aの回復効果が高いことが示された。
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、分娩ストレス緩和用組
成物およびこの組成物を有効成分とする分娩ストレス緩
和剤が提供される。本発明の分娩ストレス緩和剤は、母
体にかかる分娩ストレスを緩和し、これによって分娩ス
トレスによる新生仔異常の発生を低減させることができ
る。特に、初産の場合に、本発明の分娩ストレス緩和剤
を使用するとこうした効果が高い。さらに、本発明の分
娩ストレス緩和剤を使用すると、出産後、卵巣の機能の
回復に要する期間が短くなる傾向にあり、特に出産時に
異常の見られた群では回復までの期間が対照群に比べて
有意に短くなっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分娩前後の血漿中コルチゾール濃度の変化
を、初産群、経産群に分け、それぞれをさらに正常分娩
例と異常分娩例とに分けて検討した結果を示すグラフで
ある。
【図2】 分娩後7日目におけるGn-RH負荷試験時の血
漿中LH濃度の変化を、初産群、経産群に分け、それぞれ
をさらに正常分娩例と異常分娩例とに分けて検討した結
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/22 A61P 25/22 (72)発明者 中尾 敏彦 広島県東広島市鏡山2の365 広島大学第 1職員宿舎3の304 Fターム(参考) 4C088 AB12 AB38 AB62 BA32 CA15 MA07 MA32 MA63 NA14 ZA05 ZA26 ZC61

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケン化価98.0〜98.5のポリビニルアルコ
    ール系高分子吸水性樹脂粒子上に、(a)ラベンダー油
    またはラバンジン油を吸着させ精油脱着調節剤で被覆し
    た被覆粒子と、(b)ネロリ油またはマンダリン油を吸
    着させ前記精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、
    (c)イランイラン油を吸着させ前記精油脱着調節剤で
    被覆した被覆粒子と、(d)ネロリ油またはマンダリン
    油以外のミカン科植物から得られる精油を吸着させ前記
    精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子と、(e)前記
    (a)〜(d)以外の植物精油を吸着させ前記精油脱着
    調節剤で被覆した被覆粒子と、を含んでなる分娩ストレ
    ス緩和用組成物。
  2. 【請求項2】 前記(d)は、オレンジ油、グレープフ
    ルーツ油、およびレモン油からなる群から選ばれる前記
    ネロリ油またはマンダリン油以外のミカン科植物から得
    られる精油を吸着させ前記精油脱着調節剤で被覆した被
    覆粒子である請求項1に記載の分娩ストレス緩和用組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記(e)は、(e1)前記ラベンダー
    油またはラバンジン油以外のシソ科植物から得られる精
    油を吸着させ精油脱着調節剤で被覆した被覆粒子、また
    は(e2)スミレ科植物から得られる精油またはバイオ
    レットリーフアルコールを吸着させ精油脱着調節剤で被
    覆した被覆粒子のいずれかである請求項1に記載の分娩
    ストレス緩和用組成物。
  4. 【請求項4】 前記(e1)は、ローズマリー油および
    セージ油からなる群から選ばれる精油を吸着させ、前記
    精油脱着調節剤で被覆した粒子である、請求項3に記載
    の分娩ストレス緩和用組成物。
  5. 【請求項5】 前記(e2)は、バイオレット油を吸着
    させ、前記精油脱着調節剤で被覆した粒子である、請求
    項3に記載の分娩ストレス緩和用組成物。
  6. 【請求項6】 前記ラベンダー油またはラバンジン油以
    外のシソ科植物から得られる精油は、ローズマリー油お
    よびセージ油からなる群から選ばれるものである請求項
    3のいずれかに記載の分娩ストレス緩和用組成物。
  7. 【請求項7】 前記スミレ科植物から得られる精油はバ
    イオレット油である請求項3に記載の分娩ストレス緩和
    用組成物。
  8. 【請求項8】 組成物の総重量に対して、5〜62重量%
    の前記(a)と、18〜33重量%の前記(b)と、5〜25
    重量%の前記(c)と、14〜23重量%の前記(d)と、
    1〜24重量%の前記(e)を含んでなる請求項1〜5の
    いずれかに記載の分娩ストレス緩和用組成物。
  9. 【請求項9】 シート形成用基剤と、遊離水分除去剤
    と、発熱剤と、熱伝導除去剤と、請求項1〜8のいずれ
    かに記載の分娩ストレス緩和用組成物とを含んでなる分
    娩ストレス緩和剤。
  10. 【請求項10】 前記シート形成用基剤はケン化価88.0
    ±2.0のポリビニルアルコール系高分子吸水性樹脂であ
    り、前記遊離水分除去剤はアクリル系高分子吸水性樹脂
    であり、前記発熱剤はゼオライトであり、前記熱伝導除
    去剤は多糖類化合物である、請求項9に記載の分娩スト
    レス緩和剤。
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