JP2002253649A - 錠剤の製造方法 - Google Patents

錠剤の製造方法

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JP2002253649A JP2001057710A JP2001057710A JP2002253649A JP 2002253649 A JP2002253649 A JP 2002253649A JP 2001057710 A JP2001057710 A JP 2001057710A JP 2001057710 A JP2001057710 A JP 2001057710A JP 2002253649 A JP2002253649 A JP 2002253649A
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恒雄 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性炭及びシリカゲルを含有する錠剤を乾式製
法によって製造する方法を提供すること。 【解決手段】活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶
セルロース及び滑沢剤をそれぞれ10〜59.99重量
%、40〜89.99重量%及び0.01〜5.0重量
%含有する混合物を、直接粉末圧縮法にて圧縮成型し
て、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠
剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭及びシリカ
ゲルを含有する錠剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、脱臭を目的として活性炭が、
吸湿を目的としてシリカゲルが広く使われてきた。そこ
で、活性炭とシリカゲルの両者を含有する錠剤を製造で
きれば、脱臭と吸湿という二つの機能を併せ持つ製品を
提供できるため、好ましい。
【0003】錠剤の製造方法としては、製造時に溶媒を
用いる湿式製法と溶媒を用いない乾式製法とがある。湿
式製法による活性炭の錠剤化は従来より検討されている
(例えば、特開平5−169056号公報)。しかしな
がら、湿式製法には1)結合剤、糊剤等の添加剤及び溶
媒を用いる必要があること、2)造粒工程、整粒工程等
の工程を経る必要があること、などの効率的・経済的な
デメリットがある。さらに、活性炭及びシリカゲルを含
有する錠剤を湿式製法により得ようとすれば、吸湿性の
シリカゲルを一旦湿らせて得た造粒物を再び乾燥させね
ばならず、時間とエネルギーを消費する工程を避けるこ
とができない。一方、乾式製法によれば、1)用いる添
加剤の種類が少なくてすむこと、2)工程数が少ないこ
と、などの効率的・経済的なメリットがあるものの、多
孔性の成分、特に活性炭を錠剤化することは困難である
と考えられていた。そのため、乾式製法による、活性炭
及びシリカゲル含有錠剤の製造は検討されていないのが
現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、活性炭及びシリカゲルを含有する錠剤を乾式製法に
よって製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の骨子は、
(1)活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶セルロ
ース及び滑沢剤をそれぞれ10〜59.99重量%、4
0〜89.99重量%及び0.01〜5.0重量%含有
する混合物を、直接粉末圧縮法により圧縮成型して、主
剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠剤の製
造方法、(2)混合物中の主剤、結晶セルロース及び滑
沢剤の含有量がそれぞれ25〜54.95重量%、45
〜74.95重量%及び0.05〜2.0重量%である
前記(1)記載の製造方法、(3)混合物中の主剤、結
晶セルロース及び滑沢剤の含有量がそれぞれ40〜5
2.4重量%、47.5〜59.9重量%及び0.1〜
1.0重量%である前記(1)記載の製造方法、(4)
活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結晶セルロース、
滑沢剤並びに他の結合剤、賦形剤、着色剤、崩壊剤及び
脱酸素剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤をそ
れぞれ10〜59.98重量%、40〜89.98重量
%、0.01〜5.0重量%及び0.01〜5.0重量
%含有する混合物を、直接粉末圧縮法により圧縮成型し
て、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る錠
剤の製造方法、(5)混合物中の主剤、結晶セルロー
ス、滑沢剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ25〜5
4.9重量%、45〜74.9重量%、0.05〜2.
0重量%及び0.05〜2.0重量%である前記(4)
記載の製造方法、(6)混合物中の主剤、結晶セルロー
ス、滑沢剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ40〜5
2.3重量%、47.5〜59.8重量%、0.1〜
1.0重量%及び0.1〜1.0重量%である前記
(4)記載の製造方法、(7)活性炭とシリカゲルの混
合比が、活性炭1重量部に対してシリカゲルが0.1〜
10.0重量部である前記(1)〜前記(6)いずれか
1項に記載の製造方法、(8)得られる錠剤が、直径5
〜80mm、高さ3〜20mmの円柱状である前記
(1)〜前記(7)いずれか1項に記載の製造方法、並
びに(9)前記(1)〜前記(8)いずれか1項に記載
の製造方法により得られる、主剤として活性炭とシリカ
ゲルを含有する錠剤、に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の方法で使用できる活性炭
としては、ウバメガシ、カシ、ケヤキ等の木炭、タケ、
ヤシの実殻、おがくず、リグニン、牛の骨、カッ炭、デ
イ炭、石炭等に由来する活性炭が使用できる。各種のガ
スに対する活性炭の強力な吸着能を生かす観点からは、
ウバメガシ、カシ由来の白炭、いわゆる備長炭が好まし
く用いられる。
【0007】本発明の方法で使用できるシリカゲルとし
ては特に制限されることなく、市販のシリカゲルが使用
できる。シリカゲルのタイプについては、A型、B型の
いずれでも良い。A型は、一次粒子径が小さい密の網目
状である、細孔容積が小さい、内部表面積が大きいとい
う特徴を有し、B型は、一次粒子径が大きい粗の網目状
である、細孔容積が大きい、内部表面積が小さいという
特徴を有する。このことから、A型は一般的な乾燥剤向
きのシリカゲルであり、低湿度での吸着力が優れてい
る。B型は毛細管現象により高湿度で多量の水分を吸着
し、相対湿度が下がると高湿度下で吸着した水分を徐々
に放出するという吸着と脱着とを繰り返す性質がある。
【0008】本発明の方法により得られる錠剤の主剤は
活性炭及びシリカゲルである。主剤の配合量は吸湿性・
脱臭性を確保する観点から、通常、全成分の少なくとも
10重量%である。また、成型された錠剤を得る観点か
ら、通常、主剤の配合量は全成分の59.99重量%以
下である。
【0009】活性炭とシリカゲルの混合比は特に限定さ
れないが、例えば活性炭1重量部に対してシリカゲルが
0.1〜10.0重量部が好ましく、0.5〜2.0重
量部がより好ましく、0.8〜1.2重量部が特に好ま
しい。得られる錠剤の吸湿性を確保する観点から、シリ
カゲルは活性炭1重量部に対して0.1重量部以上が好
ましく、得られる錠剤の脱臭性を確保する観点から、シ
リカゲルは活性炭1重量部に対して10.0重量部以下
が好ましい。
【0010】結晶セルロースの配合量は成型された錠剤
を得る観点から、通常、全成分の少なくとも40重量%
である。また、吸湿性・脱臭性を確保する観点から、通
常、結晶セルロースの配合量は全成分の89.99重量
%以下である。さらに、打錠機の杵や臼への錠剤成分の
付着(スティッキング)の低減の観点から、該配合量は
45.0重量%以上が好ましい。
【0011】本発明において使用できる滑沢剤として
は、例えばステアリン酸マグネシウム、精製タルク、ス
テアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル等の公知の滑沢剤が
挙げられる。滑沢剤の配合量は通常、全成分の0.01
〜5.0重量%であり、0.05〜2.0重量%が好ま
しく、0.1〜1.0重量%がより好ましい。スティッ
キングを防ぐ観点から、該配合量は0.01重量%以上
が好ましく、得られる錠剤の硬度の低下を防ぐ観点か
ら、該配合量は5.0重量%以下が好ましい。
【0012】したがって、本発明の製造方法における主
剤、結晶セルロース及び滑沢剤を含有する混合物の一つ
の態様としては、主剤、結晶セルロース及び滑沢剤の含
有量がそれぞれ10〜59.99重量%、40〜89.
99重量%及び0.01〜5.0重量%のものである。
より好ましい態様としては、各成分の含有量がそれぞれ
25〜54.95重量%、45〜74.95重量%及び
0.05〜2.0重量%のものであり、特に好ましい態
様としては、各成分の含有量がそれぞれ40〜52.4
重量%、47.5〜59.9重量%及び0.1〜1.0
重量%のものである。
【0013】本発明においては、上記の混合物にさらに
他の結合剤、賦形剤、着色剤、崩壊剤及び脱酸素剤から
なる群より選ばれる1種以上の添加剤が含有されていて
も良い。本発明で使用できる他の結合剤としては、例え
ば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アルファー
化デンプン、カゼインナトリウム、軽質無水ケイ酸、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、プルラン、マクロ
ゴール、合成ケイ酸アルミニウム、ゼラチン、ポビド
ン、デキストリン等の公知の結合剤が挙げられる。本発
明で使用できる賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D
−マンニトール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルス
ターチ、デンプン及びリン酸水素カルシウム等の公知の
賦形剤が挙げられる。また、市販の加工済みの造粒され
た賦形剤、例えば、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキ
シプロピルスターチ・結晶セルロース:フロイント産業
社製のパーフィラ−101等を使用することもできる。
本発明で使用できる着色剤としては、インジゴカルミ
ン、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、褐色酸化鉄、カーボン
ブラック、カラメル、金箔、酸化亜鉛、酸化チタン、タ
ルク、緑茶末、銅クロロフィル、フェノールレッド、食
用青色1号、食用黄色4号等が挙げられる。本発明で使
用できる崩壊剤としては、カルメロースカルシウム、ク
ロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスター
チナトリウム等が挙げられる。本発明で使用できる脱酸
素剤としては、三菱ガス化学製エージレスZ−20等の
市販の脱酸素剤が挙げられる。かかる添加剤の配合量
は、全成分の0.01〜5.0重量%が好ましく、0.
05〜2.0重量%がより好ましく、0.1〜1.0重
量%が特に好ましい。
【0014】したがって、本発明の製造方法における主
剤、結晶セルロース、滑沢剤及び添加剤を含有する混合
物の一つの態様としては、主剤、結晶セルロース、滑沢
剤及び添加剤の含有量がそれぞれ10〜59.98重量
%、40〜89.98重量%、0.01〜5.0重量%
及び0.01〜5.0重量%のものである。より好まし
い態様としては、各成分の含有量がそれぞれ25〜5
4.9重量%、45〜74.9重量%、0.05〜2.
0重量%及び0.05〜2.0重量%のものであり、特
に好ましい態様としては、各成分の含有量がそれぞれ4
0〜52.3重量%、47.5〜59.8重量%、0.
1〜1.0重量%及び0.1〜1.0重量%のものであ
る。
【0015】本発明に使用する各粉末成分の粒径分布
は、得られる錠剤の硬度の均一の観点から10〜80メ
ッシュの範囲に80重量%以上含まれるものが好まし
く、20〜60メッシュの範囲に80重量%以上含まれ
るものがより好ましい。したがって、各成分を必要に応
じて粉砕した後、篩い分けして所望の程度の粒径分布の
粉末を得、次いで混合物を調製することが好ましい。
【0016】本発明の製造方法は、上記各成分の未加工
の混合物を直接粉末圧縮法にて圧縮成型して錠剤を得
る。ここでいう直接粉末圧縮法とは、各成分を混合し造
粒等の製剤加工をせずに混合物をそのまま直接、打錠機
で錠剤に圧縮成型する方法をいう。
【0017】本発明の製造方法においては、従来より公
知の打錠機を制限なく使用することができる。例えば、
ロータリー式打錠機等が挙げられる。ロータリー式打錠
機を用いる場合の条件としては、一般的な条件で構わな
い。例えば、ローラー通過速度としては8〜20m/
分、打錠圧としては500〜3000kg/cm2 が好
ましい。750〜2000kg/cm2 がより好まし
く、800〜1500kg/cm2 が特に好ましい。他
の製造条件としては、例えば打錠室内温度は30℃以下
が好ましく、26℃以下がより好ましい。打錠室内湿度
は相対湿度として50%以下が好ましい。
【0018】本発明の製造方法によれば、従来より乾式
製法では製造が困難であった活性炭・シリカゲル含有錠
剤を、製造時のスティッキングを低減させることによ
り、低コストの乾式製法である直接粉末圧縮法を用いて
製造することができる。
【0019】本発明の製造方法により得られる錠剤の形
状には、特に制限はなく、円柱状、楕円柱状、三角柱
状、四角柱状、五角柱状、6角柱状、星型柱状などが選
択されうるが、使用時の扱いやすさの観点から円柱状が
特に好ましく、そしてその大きさも使用時の扱いやすさ
の観点から、直径5〜80mm、高さ3〜20mmの円
柱状のものが好ましく、直径7〜70mm、高さ4〜1
8mmの円柱状のものがより好ましく、直径8〜60m
m、高さ4〜15mmの円柱状のものが特に好ましい。
本発明の製造方法により得られる錠剤は、錠剤の形状安
定性を確保する観点から硬度が3kg/cm2 以上のも
のが好ましく、5〜40kg/cm2 のものがより好ま
しく、7〜33kg/cm2 のものが特に好ましい。
【0020】さらに本発明は、上記の本発明の製造方法
によって得られる、主剤として活性炭とシリカゲルを含
有する錠剤も包含する。
【0021】本発明によって得られる錠剤は、吸湿性、
脱臭性が共に優れているから、例えばブーツ等の靴類の
吸湿・脱臭や冷蔵庫内の吸湿・脱臭、ゴミ箱内の消臭、
トイレの脱臭、フトン内の吸湿・脱臭、掃除機の紙パッ
クの脱臭、医薬品・食品等の保存容器(ガラス瓶、ポリ
袋、アルミ袋、プラスチック製容器等)における乾燥・
脱臭等に広く応用することが可能である。また、使用後
の錠剤を天日干しすることによって、その効力を再び取
り戻すことができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び試験例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例等に何ら限
定されるものではない。
【0023】実施例1:錠剤の作製 (1)錠剤の作製 表1及び表2に記載の配合率(重量%)にて各成分を混
合し、混合物を得た。次に、得られた混合物をロータリ
ー式打錠機を用いて圧縮成型し、錠剤を作製した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】用いた各成分の性状を以下に示す。活性炭
としては杜の木産業製の紀州備長炭を粉末化したものを
用いた。ここでは32メッシュパスのもの、即ち粒径約
0.5mm以下のものを使用した。シリカゲルとして
は、富士シリシア化学株式会社製のフジシリカゲルA型
を用いた。ここでは10〜40メッシュのものを使用し
た。結晶セルロースとしては、旭化成工業社製のアビセ
ルPH102を用いた。ここでは32メッシュパスのも
のを用いた。乳糖としては32メッシュパスのものを用
い、乳糖粒としては16メッシュパスのものを使用し
た。コーンスターチとしては32メッシュパスのものを
用い、コーンスターチ粒としては16メッシュパスのも
のを使用した。加工済みの造粒された賦形剤としてはフ
ロイント産業社製のパーフィラ−101を用いた。ここ
では16メッシュパスのものを用いた。
【0027】圧縮成型時の打錠条件を以下に示す。 打錠速度:ローラー通過速度として15m/分 打錠圧:1500kg/cm2 打錠室内温度:24℃ 打錠室内相対湿度:45% 錠剤重量:約3.4g 錠剤サイズ:直径20mm、高さ10mmの円柱状
【0028】(2)結果の検討 得られた錠剤について、錠剤として形成できるかどうか
(打錠性)、打錠機へのスティッキングの有無及び形成
された錠剤の硬度を検討した。また、これらの検討項目
に基づいて、錠剤の製造方法の総合評価を行った。評価
のまとめを表3に示す。なお、テスト番号:3〜9の錠
剤を室温で60日間放置しても、錠剤のひび割れ(キャ
ッピング)は見られなかった。また、テスト番号:5、
8及び9の錠剤は黒色が勝っているため好ましい色調で
あると言える。
【0029】
【表3】
【0030】打錠性については以下のように判定した。 A:錠剤の成形加工が容易に行え、かつ得られた錠剤に
傷や変形が全くない。 B:錠剤の成形加工が行え、得られた錠剤に傷や変形は
殆ど認められない。 C:錠剤の成形加工に問題がないものの、得られた錠剤
にキャッピング等が認められる。 D:錠剤の成型そのものができない。
【0031】スティッキングの有無については以下のよ
うに判定した。 強×強:活性炭又はシリカゲルの付着が、杵表面全面に
常に強く認められる。 強:杵表面への活性炭又はシリカゲルの付着が常に認め
られる。 傾向有り:杵表面への活性炭又はシリカゲルの付着が、
僅かではあるが認められる杵と、認められない杵とが混
在している。 無し:杵及び臼への付着は見られない。
【0032】錠剤の硬度はモンサント硬度計を用いて測
定した。そして、硬度評価については以下のように判定
した。 A:硬度が26.7kg/cm2 を超える錠剤。 B:硬度が16.7〜26.7kg/cm2 の範囲の錠
剤。
【0033】総合評価については以下のように判定し
た。 A:スティッキングが見られず、かつ高硬度の錠剤を得
ることができる、優れた製造方法である。 B:スティッキングが見られず、かつ錠剤を得ることが
できる、良好な製造方法である。 C:スティッキングは見られるものの、錠剤を得ること
ができる、実施可能な製造方法である。 D:錠剤自体を得ることができない、劣悪な製造方法で
ある。
【0034】テスト番号:13〜17の結果から、結晶
セルロースに代えて他の賦形剤や結合剤を用いた場合、
活性炭・シリカゲル含有成分を錠剤化できないことが分
かった。 テスト番号:1〜12の結果から、活性炭・シリカゲル
含有成分を錠剤化するためには、結晶セルロースの配合
量が全成分中の40重量%以上必要なことが分かった。 テスト番号:1〜9の結果から、結晶セルロースの配合
量が全成分中の49.9重量%以上であれば、スティッ
キングを完全に抑えられることが分かった。特に、テス
ト番号:5の条件によれば、色調が良好で高硬度の錠剤
を得ることができた。
【0035】実施例2:打錠性の検討 種々の活性炭、シリカゲルを用いて、打錠性を検討し
た。 (1)混合物組成1 ケヤキ由来の黒炭末、シリカゲル(フジシリシア化学株
式会社製)末及びアビセルPH102を、それぞれ25
重量%、25重量%及び50重量%の配合量にて混合し
た。得られた混合物を、HATA社製HT-AP24SS-O/K 型打錠
機を用いて9mmφのサイズに打錠した。その結果、硬
度6〜7kg/cm2 の錠剤を得ることができた。 (2)混合物組成2 ケヤキ由来の黒炭末、粉砕シリカA(水沢化学社製)及
びアビセルPH102を、それぞれ25重量%、25重
量%及び50重量%の配合量にて混合した。得られた混
合物を、組成1と同様の条件で打錠した。その結果、硬
度6〜7kg/cm2 の錠剤を得ることができた。 (3)混合物組成3 タケ由来の黒炭末、シリカゲル(フジシリシア化学株式
会社製)末及びアビセルPH102を、それぞれ25重
量%、25重量%及び50重量%の配合量にて混合し
た。得られた混合物を、組成1と同様の条件で打錠し
た。その結果、硬度5〜6kg/cm2 の錠剤を得るこ
とができた。 (4)混合物組成4 活性炭素、粉末(和光純薬製、和光特級)、シリカゲル
(フジシリシア化学株式会社製)末及びアビセルPH1
02を、それぞれ25重量%、25重量%及び50重量
%の配合量にて混合した。得られた混合物を、組成1と
同様の条件で打錠した。その結果、硬度5kg/cm2
の錠剤を得ることができた。 (5)組成5 本発明の混合物の代わりに、ケヤキ由来の黒炭末のみを
組成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤自体が形成
できなかった。 (6)組成6 本発明の混合物の代わりに、タケ由来の黒炭末のみを組
成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤自体が形成で
きなかった。 (7)組成7 本発明の混合物の代わりに、活性炭素、粉末(和光純薬
製、和光特級)のみを組成1と同様の条件で打錠したも
のの、錠剤自体が形成できなかった。 (8)組成8 本発明の混合物の代わりに、シリカゲル(フジシリシア
化学株式会社製)末のみを組成1と同様の条件で打錠し
たものの、錠剤自体が形成できなかった。 (9)組成9 本発明の混合物の代わりに、粉砕シリカA(水沢化学社
製)のみを組成1と同様の条件で打錠したものの、錠剤
自体が形成できなかった。
【0036】試験例1:吸湿効果試験 テスト番号:5の錠剤を、室温かつ相対湿度22.2
%、32.7%、42.8%、52.7%、60%、7
5%、84%又は96.6%の条件下で放置した。そし
て、室温放置0、1、2、3、4、6、8、9及び15
日後に、それぞれの相対湿度のケースについて吸湿
(%)を測定した。吸湿(%)を下式により求めた。
【0037】
【数1】
【0038】結果を図1に示す。図1のデータは同条件
で測定した3例の平均値である。図1より、本発明の製
造方法によって得られた錠剤は、1〜2日目までに急速
に吸湿効果を発揮することが分かった。
【0039】試験例2:脱臭効果試験 テスト番号:5の錠剤1錠をテドラーバッグに入れて密
封し、空気を3L注入した。次に、トリメチルアミンを
テドラーバッグ内に添加し、室温放置0.5、1、3、
6、8及び24時間後に、テドラーバッグ内のトリメチ
ルアミン濃度を検知管を用いて測定した。また、錠剤を
入れないテドラーバッグにトリメチルアミンを添加し、
同様に経時的にトリメチルアミン濃度を測定し、空試験
とした。なお、硫化水素及びイソ吉草酸についても、同
様に試験した。結果を図2、図3及び図4に示す。図2
〜図4より、本発明の製造方法によって得られた錠剤
は、いずれの成分についてもその濃度をすみやかに低減
できる効果を有することが分かった。
【0040】上記の吸湿効果試験及び脱臭効果試験の結
果から、本発明の製造方法によって得られた錠剤は優れ
た吸湿効果及び脱臭効果を有することが分かった。
【0041】試験例3:マウス経口急性毒性試験 本発明の製造方法によって得られた錠剤は食用に供する
ものではないが、誤飲等の事故における急性毒性の有無
について念のため確認した。ddy系雄性マウス(4
w,SPF)を用いて、本発明の製造方法によって得ら
れた錠剤の経口急性毒性試験を行った。マウスの入荷
後、5日間予備飼育した。次いで、マウスを二群に分
け、対照群のマウスにはカルボキシメチルセルロースの
みを、試験群のマウスにはテスト番号:5の錠剤の磨砕
物に、終濃度が2重量%となるようにカルボキシメチル
セルロースを添加し、よく練合したものを、それぞれマ
ウス1匹当たり10g/25mL/kg/日の投与量で
強制的に経口投与した。各群のマウスの体重を経時的に
測定した。結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】Aspin-Welch 検定にて、対照群と試験群と
の違いを検定した結果、両者に有意の差は見られなかっ
た。この結果から、本発明の製造方法によって得られた
錠剤の急性毒性は極めて小さいと判断した。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、優れた吸湿
効果及び脱臭効果を有する活性炭・シリカゲル含有錠剤
を低コストの直接粉末圧縮法によって容易に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は吸湿(%)の経時変化を示すグラフであ
る。
【図2】図2はトリメチルアミン濃度の経時変化を示す
グラフである。
【図3】図3は硫化水素濃度の経時変化を示すグラフで
ある。
【図4】図4はイソ吉草酸濃度の経時変化を示すグラフ
である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結
    晶セルロース及び滑沢剤をそれぞれ10〜59.99重
    量%、40〜89.99重量%及び0.01〜5.0重
    量%含有する混合物を、直接粉末圧縮法により圧縮成型
    して、主剤として活性炭とシリカゲルを含む錠剤を得る
    錠剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 混合物中の主剤、結晶セルロース及び滑
    沢剤の含有量がそれぞれ25〜54.95重量%、45
    〜74.95重量%及び0.05〜2.0重量%である
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 混合物中の主剤、結晶セルロース及び滑
    沢剤の含有量がそれぞれ40〜52.4重量%、47.
    5〜59.9重量%及び0.1〜1.0重量%である請
    求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 活性炭及びシリカゲルからなる主剤、結
    晶セルロース、滑沢剤並びに他の結合剤、賦形剤、着色
    剤、崩壊剤及び脱酸素剤からなる群より選ばれる1種以
    上の添加剤をそれぞれ10〜59.98重量%、40〜
    89.98重量%、0.01〜5.0重量%及び0.0
    1〜5.0重量%含有する混合物を、直接粉末圧縮法に
    より圧縮成型して、主剤として活性炭とシリカゲルを含
    む錠剤を得る錠剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 混合物中の主剤、結晶セルロース、滑沢
    剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ25〜54.9重量
    %、45〜74.9重量%、0.05〜2.0重量%及
    び0.05〜2.0重量%である請求項4記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 混合物中の主剤、結晶セルロース、滑沢
    剤並びに添加剤の含有量がそれぞれ40〜52.3重量
    %、47.5〜59.8重量%、0.1〜1.0重量%
    及び0.1〜1.0重量%である請求項4記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 活性炭とシリカゲルの混合比が、活性炭
    1重量部に対してシリカゲルが0.1〜10.0重量部
    である請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 得られる錠剤が、直径5〜80mm、高
    さ3〜20mmの円柱状である請求項1〜請求項7いず
    れか1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8いずれか1項に記載
    の製造方法により得られる、主剤として活性炭とシリカ
    ゲルを含有する錠剤。
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