JP2002252212A - 表面加工方法、光起電力発生装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents

表面加工方法、光起電力発生装置の製造方法及び製造装置

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JP2002252212A
JP2002252212A JP2001048677A JP2001048677A JP2002252212A JP 2002252212 A JP2002252212 A JP 2002252212A JP 2001048677 A JP2001048677 A JP 2001048677A JP 2001048677 A JP2001048677 A JP 2001048677A JP 2002252212 A JP2002252212 A JP 2002252212A
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electrode
local heating
discharge
film
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JP2001048677A
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Shin Asano
伸 浅野
Toshiaki Shigenaka
俊明 茂中
Satoshi Tawara
諭 田原
Masahiro Funayama
正宏 舩山
Takayuki Goto
崇之 後藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物の表層部分に存在する欠陥を被加工
物に損傷を与えることなく除去できる表面加工方法、光
起電力発生装置の製造方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 反応ガス雰囲気中で放電電極と被加工物
との間に高周波電力を印加して放電プラズマを生じさ
せ、該放電プラズマの作用により被加工物の表面に反応
生成物を形成するプラズマ表面処理工程と、局所的加熱
手段により被加工物の表面を局所的に加熱して前記反応
生成物を被加工物の表面から脱離させる局所加熱工程と
を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラック、転位、
残留応力あるいは熱影響層といった物理的なダメージが
致命的な欠陥となる被加工物、例えば、半導体製造用シ
リコンや太陽電池のような半導体デバイスの製造に係
り、さらにアルミニウムや銅のような金属を加工する際
のダメージレス化にも寄与する表面加工方法、およびこ
れを用いた光起電力発生装置の製造方法およびその製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許4,490,210号公報に
は、被加工物となる金属にハロゲン系の加工雰囲気ガス
を接触させ、加工雰囲気ガスと金属との化学反応によっ
て被加工物の表面上にハロゲン化物からなる薄い反応生
成物層を形成し、その反応生成物層もしくはその下地と
なる該被加工物に吸収され易い波長を有するレーザ光を
反応生成物層に照射し、該レーザ光が照射されたところ
では、レーザ光の吸収に起因した分子振動あるいは原子
の解離を促す電子励起、ならびに加熱作用が該反応生成
物層内で発生し、その結果、該反応生成物層の除去が促
進されることで下地金属の新生面を露出させる表面加工
技術が開示されている。
【0003】この従来技術では、金属の新生面が加工雰
囲気ガスに接触することにより、該金属の新生面上に新
たな第2の反応生成物層が形成される。レーザ光が第2
の反応生成物層に照射されると、引き続き第2の反応生
成物層が除去されていく。このような反応過程を繰り返
し、第2、第3…の反応生成物層を次々と形成し、これ
ら反応生成物層を次々に除去していくことにより、金属
がエッチングされる。
【0004】以上のように、従来の技術では、加工対象
となる金属が加工雰囲気ガスとの接触反応によりわずか
に消費されながら、該金属のハロゲン化物からなる反応
生成物層を形成し、この反応生成物層をレーザ光で照射
することによる励起もしくは加熱によって除去反応過程
を促進させるが、レーザ光の照射が行われなかった領域
は溶媒による洗浄が行われるまでは被加工物の表面に留
まることになるため、選択的なパターニング加工を施す
ことが可能となる。
【0005】上述の従来技術に用いられる装置の概要を
図6に示す。レーザ発振器101は、加工対象となる金
属と加工雰囲気ガスとの反応によって形成された反応生
成物を加熱もしくは励起するために用いられる。レーザ
発振器101はビーム106を発生し、ビーム106は
ビーム修正器102に入射する。ビーム修正器102に
はビームスクランブラー107及びビームシェーパー1
08が設けられている。ビームスクランブラー107
は、ビーム106が基板に照射されたときの基板面内に
おけるエッチング速度を均一にすることを目的として、
ビーム106断面の径方向強度分布を均一にするために
用いられる。また、ビームシェーパー108は、ビーム
106のエネルギ伝送効率を向上させるため、ビーム1
06の不要な散乱を抑制すると共に、ビーム106の断
面形状と寸法が後段に配置されたマスク103の断面形
状ならびに寸法に一致するようにするために用いられ
る。
【0006】ビーム修正器102によって断面強度の均
一化、断面形状の修正が図られたビーム106は、該マ
スク103に入射した後、プロジェクタ104によって
エッチング対象となる基板に投影される。
【0007】反応チャンバー系105は、エッチングさ
れる基板が配置された円筒型反応チャンバー110を保
持するハウジング109を含み、ハウジング109には
ビーム106の光軸に一致した窓111が設けられてい
る。窓111を透過して、円筒型反応チャンバー110
にビーム106が導入される。
【0008】円筒型反応チャンバー110には、金属化
基板113を搭載した基板固定治具112が配置され、
この基板固定治具112は、その背面に配置されたプラ
ットフォーム115を介して調整ロッド114が取り付
けられている。調整ロッド114は円筒型反応チャンバ
ー110の背面に取り付けたフランジ118に、外周シ
ールを施され、また稼動可能なように配設されており、
これによって金属化基板113の表面がビーム106が
投影される合焦位置にくるように調整できるようになっ
ている。
【0009】反応チャンバー系105には、さらに配管
系121で真空ポンプ120が、また、配管系124に
よってガス供給系123がハウジング109に接続され
ている。
【0010】以上のような構成の反応チャンバー系10
5において、ハウジング109は図中のX、Y、Z軸方
向に移動可能なテーブル127上に搭載されており、ビ
ーム106と金属化基板113との相対的な位置関係が
調整できるようになっている。
【0011】上記装置を用いて被加工物の表面を加工す
る場合について、以下に簡単に説明する。
【0012】プラットフォーム115に金属化基板11
3を取付け、金属化基板113を円筒型反応チャンバー
110内に導入する。円筒型反応チャンバー110をシ
ールした後、真空ポンプ120によって所望の圧力まで
円筒型チャンバー110内を真空引きする。円筒型反応
チャンバー110内が所望の真空度に到達したら、ガス
供給バルブ125を開け、ガス供給系123よりガスを
導入し、金属化基板113とガスとを接触させ、金属化
基板113上に反応生成物を生成させる。
【0013】その後、レーザ発振器101を起動し、レ
ーザ発振器101と円筒型反応チャンバー内の圧力が安
定したことを確認した後に、窓111に取り付けられて
いるシャッター119を開け、金属化基板113の表面
にマスク103によってパターン化されたレーザービー
ムを投射する。先に決められたエッチング時間が経過し
たら、レーザ発振器101の照射を停止し、円筒型反応
チャンバー110のパージを行い、エッチング後の金属
化基板113をプラットフォーム115より取り出す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法および装置を用いて被加工物の表面をエッチングす
る場合に、エッチング速度が非常に遅いという問題点が
ある。これは、反応生成物の生成反応を、金属化基板1
13と加工雰囲気ガスとの単純な接触による拡散のみに
依存させているために、その拡散速度の低さによって反
応生成物層が厚み方向になかなか進展しないことに起因
している。例えば、特開昭62−99480号公報に
は、塩素ガス0.4Torrの雰囲気下において5μm
の厚みの銅が25〜30分間で塩化第一銅に改質される
ことが開示されているが、このように反応が拡散のみに
よる場合は厚み方向への反応生成物の進展速度が相当に
遅くなる。
【0015】また、これを回避するため、円筒型反応チ
ャンバー110内に導入する加工雰囲気ガスの濃度を向
上させると、金属化基板113においてエッチングの必
要のない領域まで厚み方向に対して反応生成物層が深く
形成されるため望ましくない。
【0016】一方、特許第2521127号公報には、
高周波放電中で生成された活性な中性ラジカルと被加工
物との化学反応によって揮発性反応生成物を生成し、こ
の揮発性反応生成物を除去することによって被加工物を
加工するラジカル反応による無歪精密加工方法が開示さ
れている。この加工方法によれば被加工物に物理的なダ
メージを与えずに表面加工を施すことができるので、例
えば、半導体デバイスのエッチング工程で用いられる高
周波放電エッチングやダウンフローエッチング等に適用
されている。
【0017】この従来技術の概要について図2を用いて
簡単に説明する。本従来技術では、ラジカルの供給源で
ある気体雰囲気22中に導体、半導体もしくは絶縁体等
の被加工物2が配されると共に、被加工物2に対し微小
間隔を置いて、切断、穿孔及び溝掘り等の加工形態に応
じた図示しない所定形状の電極が配置される。電極には
高周波電圧が印加され、これによって、電極と被加工物
2との間に高周波放電が発生する。この高周波放電は、
被加工物2の近傍で選択的にラジカル23を生成させ
る。ラジカル23は、被加工物2を構成する原子または
分子24とラジカル反応を起こし、比較的低温で気化し
得る反応生成物25を生成する。この反応生成物25
は、被加工物2を常温によって、または図示しないヒー
タ等で比較的低温、例えば200℃以下の設定温度まで
昇温させることによって容易に気化することができる。
この気化によって被加工物2の表面から反応生成物25
が脱離すると、被加工物2に原子または分子単位の空所
26が順次形成され、これがマクロ的な凹所となる。そ
の結果、無歪切断、穿孔及び溝掘り加工等が被加工物2
に施されることになる。
【0018】しかしながら、被加工物2の材質及びその
構造を含めた形態によっては上記の従来技術を単純に適
用できない場合がある。例えば、光電変換等の機能性を
有する半導体薄膜上に電極薄膜として製膜されたアルミ
ニウム等の金属薄膜をエッチングする場合を考える。こ
の場合に、本従来技術では、被加工物となるアルミニウ
ムを塩素系ガス雰囲気中における高周波放電によって生
成させた塩素系ラジカルと反応させ、反応生成物として
塩化アルミニウム(AlCl3)を生ぜしめることにな
る。アルミニウムの沸点2213℃に対し、塩化アルミ
ニウムの沸点は180℃程度のため、被加工物をヒータ
によって200℃以上に加熱処理すれば塩化アルミは被
加工物表面より脱離していく。
【0019】しかしながら、上記の従来技術では、被加
工物の全体を加熱することになるため、加熱する必要の
ない部位や領域も不要に加熱されてしまい、その結果、
金属薄膜の下地となっている半導体薄膜が加熱処理を嫌
う場合には、この加熱処理によって半導体薄膜の効率の
劣化等が発生し、半導体薄膜の有する本来の機能発現が
阻害されることとなる。
【0020】また、上記の従来技術においては、加熱処
理に対して問題の無い被加工物であっても被加工物全体
を加熱するため、電気炉等の加熱手段の中に投じること
は非経済的であり、製造コストの増大に繋がる。
【0021】精密工学会誌Vol.56,No.11(1990)2069-207
3(木山他)には「集積型アモルファスシリコン(a−
Si)太陽電池のレーザパターニング」に関する技術が
開示されている。この従来技術では、ガラス基板上に透
明電極膜を0.2〜0.5μmの膜厚で蒸着し、透明電
極の表面上にレーザ光をレンズで集光、照射しながら、
基板載置台をX軸方向に直線的に走査させることによ
り、レーザ光が照射された領域の透明電極膜のみを除去
し、透明電極膜に直線状の溝加工を施す。この溝加工を
透明電極膜の同一膜面内で複数回行い、これにより透明
電極膜上には電気的に互いに絶縁された複数の透明電極
膜が形成される。
【0022】上記の溝加工が施された被加工物の断面形
状のイメージは図5(a)に示すようになる。このよう
に素子分離された透明電極膜の上に、a−Si膜を0.
5μm程度の膜厚で製膜する。a−Si膜に対してレー
ザ光をレンズによって集光、照射しながら、上述の透明
電極膜の溝加工と同様に、基板載置台をX軸方向に直線
的に走査させ、レーザ光照射領域のa−Si膜のみを除
去し、a−Si膜上に溝加工を行う。この溝加工をa−
Si膜の同一膜面内で所定回数行い、a−Si膜を複数
の領域に素子分離する。
【0023】上記の溝加工が施された被加工物の断面形
状のイメージは図5(b)に示すようになる。a−Si
膜に形成された溝328は下地となる透明電極膜322
bの表面が露呈するように加工すると共に、この表面に
ダメージが入らないようにレーザ光の強度あるいは基板
載置台の走査速度に対して高精度の制御が必要となる。
【0024】最後に、溝加工されたa−Si膜323
a、323bの上にAl裏面電極324を0.2〜1μ
mの膜厚で製膜する。上記の溝加工によって溝の底部に
は透明電極膜322a、322bが露出しているので、
この上に裏面電極324を製膜すると、透明電極膜32
2a、322bに裏面電極324が電気的に導通するよ
うになる。
【0025】次に、裏面電極324に対してレーザ光を
照射して溝加工を行う。この溝加工では、図5(c)に
示すように、通常、裏面電極324とその下地層である
a−Si膜323a、323bを同時に除去し、透明電
極膜322a、322bの表面が溝の底部に露出するま
で行われる。この溝加工を裏面電極324の同一膜面内
で所定数だけ行い、所定数の素子分離領域324a、3
24b、…324nを形成する。
【0026】以上の一連の製造工程により、a−Si膜
323a、323b、…323nは、その上下から裏面
電極膜324a、324b、…324nと透明電極膜3
22a、322b、…322nとの間に挟まれ、しかも
隣接した素子分離領域間で、例えば、透明電極322b
と裏面電極324aとが次々と電気的に接続される構造
となり、これにより素子分離領域が各々直列に接続され
た構造の集積型a−Si太陽電池が得られる。このよう
にして得られた集積型a−Si太陽電池からは高い電圧
の発電能を有する。
【0027】しかしながら、上記の従来技術では、レー
ザ光による熱溶融加工を用いていることに起因して熱劣
化等の本質的な問題が、特に、裏面電極324の溝加工
の際に発生する。
【0028】すなわち、裏面電極324にはコスト及び
導電性等の電気的特性の観点から一般に金属アルミニウ
ムが選定されるが、アルミニウムをレーザ照射による熱
溶融加工を用いて除去する場合に、溝端部において著し
い盛上りが発生する。また、溝底部への溶融飛散物質の
再付着あるいは下地のa−Si膜との合金化による低抵
抗化によって、隣接する素子分離領域間の絶縁を十分に
確保できないなどの不具合を生じる。その結果、この集
積型a−Si太陽電池では著しい効率劣化を生じる。
【0029】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであって、被加工物に損傷を与えることなく除
去することができる表面加工方法を提供することを目的
とし、特にパターン溝加工によって下地層に熱劣化や汚
染を生じない高効率の集積型a−Si太陽電池のような
光起電力発生装置を製造する方法及びその製造装置を提
供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表面加工方
法は、反応ガス雰囲気中で放電電極と被加工物との間に
高周波電力を印加して放電プラズマを生じさせ、該放電
プラズマの作用により被加工物の表面に反応生成物を形
成するプラズマ表面処理工程と、局所的加熱手段により
被加工物の表面を局所的に加熱して前記反応生成物を被
加工物の表面から脱離させる局所加熱工程と、を具備す
ることを特徴とする。
【0031】本発明に係る光起電力発生装置の製造方法
は、絶縁基板上に基板面側から順次積層された第1の電
極膜、光電変換機能を有する半導体膜及び第2の電極膜
を少なくとも含む光電変換領域を複数有し、かつ隣接す
る前記光電変換領域の第1の電極膜と第2の電極膜とを
接続することにより前記光電変換領域を集積化した光起
電力発生装置の製造方法において、(a)前記絶縁基板
上に任意の方法で離間配置された第1の電極膜上に、前
記半導体膜を全面に形成したものを被加工物とし、
(b)前記半導体膜が放電電極及び局所的加熱手段と向
き合うように前記被加工物を配置し、(c)被加工物に
対して前記放電電極及び局所的加熱手段を相対的に移動
させることにより、放電プラズマ生成領域及び局所加熱
領域の位置を被加工物の表面に対して実質的に平行な方
向に二次元的に移動させ、これにより前記半導体膜を複
数の光電変換領域に分断することを特徴とする。
【0032】本発明に係る光起電力発生装置の製造装置
は、絶縁基板上に基板面側から順次積層された第1の電
極膜、光電変換機能を有する半導体膜及び第2の電極膜
を少なくとも含む光電変換領域を複数有し、かつ隣接す
る前記光電変換領域の第1の電極膜と第2の電極膜とを
接続することにより前記光電変換領域を集積化した光起
電力発生装置の製造方法において、(a)前記絶縁基板
上に任意の方法で離間配置された第1の電極膜上に前記
半導体膜を全面に形成した後に、レーザーエッチング法
又は請求項7の方法を用いて該半導体膜を所定パターン
に溝加工することにより該半導体膜を複数の光電変換領
域に分割し、その後、該半導体膜の上面から該パターン
溝の底部に露出する該第1の電極膜に接触するように、
該半導体膜の全面を覆うように形成された第2の電極膜
を被加工物とし、(b)前記第2の電極膜が放電電極及
び局所的加熱手段と向き合うように前記被加工物を配置
し、(c)前記被加工物に対して前記放電電極及び局所
的加熱手段を相対的に移動させることにより、放電プラ
ズマ生成領域及び局所加熱領域の位置を被加工物の表面
に対して実質的に平行な方向に二次元的に移動させ、こ
れにより前記第2の電極膜および該半導体膜を同時に一
括分断することを特徴とする。
【0033】ここで、請求項7の方法とは、被加工物に
対して放電電極及び局所的加熱手段を相対的に移動させ
ることにより、放電プラズマ生成領域及び局所加熱領域
の位置を被加工物の表面に対して実質的に垂直な方向に
移動させ、これにより被加工物を切込み加工及び又は穿
孔加工することをいう。
【0034】本発明に係る光起電力発生装置の製造装置
は、反応ガス供給装置および反応生成物排出装置のそれ
ぞれに連通し、その内部に反応ガス雰囲気が形成される
反応容器と、この反応容器内に設けられた少なくとも1
つの放電電極と、この放電電極に対向するように前記反
応容器内に配置された被加工物を保持し、被加工物を前
記放電電極に対して相対的に移動させるための相対移動
手段と、前記放電電極に整合器を介して接続された高周
波電源と、被加工物の表面を局所的に加熱するために、
前記放電電極に対応して該放電電極の数に相当する数だ
け設けられた局所的加熱手段と、を具備することを特徴
とする。
【0035】この場合に、放電電極は、外周に先鋭な先
端部を有し、軸まわりに高速回転運動することが可能な
円板形状をなすことが好ましい。また、放電電極は先端
が先鋭な針形状をなすことが好ましい。
【0036】また、放電電極は、CCl4、BCl3、
Cl2等の塩素系反応ガスを用いる場合はタングステ
ン、白金あるいはニッケル電極を用いることが望まし
く、SF6、CF4等のフッ素系反応ガスを用いる場合
はニッケル電極を用いることが望ましい。
【0037】さらに、局所的加熱手段にはYAGレーザ
発振器、CO2ガスレーザ発振器、Arガスレーザ発振
器を用いることが望ましいが、電子ビーム発振器等の高
エネルギ発生源を用いることも可能である。
【0038】一般に、SUS材を対象として、YAGレ
ーザ発振器からの出力を0.5〜1.0mJ/pulseとし
てプラズマによる表面処理後の反応生成物を局所加熱す
る場合、レーザービーム径を130μm程度まで絞り込
み,対向する被加工物の相対的な移動速度を0.1〜数
mm/秒とすることで反応生成物の脱離が認められる。
ただし、この条件はこれに限ったものではなく、プラズ
マ表面処理後に生成される反応生成物の種類及び局所加
熱に用いるレーザ光の波長等によって適正に調整されな
ければならない。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら
本発明の種々の好ましい実施の形態について詳細に説明
する。
【0040】(第1の実施形態)第1の実施形態として
基板表面をエッチング加工する場合について図1を参照
して説明する。本実施形態のエッチング加工方法は、加
工雰囲気における反応ガス濃度および圧力が管理された
反応容器1内で行われる。反応容器1内には、高周波放
電プラズマにより被加工物2の表面に反応生成物を形成
させるためのプラズマ表面処理部Aと、反応生成物をレ
ーザの照射によって局所加熱し除去するためのレーザ局
所加熱部Bとが設けられている。被加工物2は、図中の
X、Y、Z軸の各軸方向にそれぞれ高精度に駆動制御さ
れる可動テーブル13上に載置されている。
【0041】可動テーブル13の駆動制御回路は図示し
ないポートを介して反応容器1の外部に配置したコント
ローラ14に接続されている。コントローラ14は、オ
ペレータによる操作又はセンサからの位置検出信号に従
って可動テーブル13を駆動制御することにより、反応
容器内の被加工物2を外部から所定速度で移動させて所
定位置に位置合せするようになっている。
【0042】なお、本実施形態では可動テーブル13と
して微小駆動が可能なステッピングモータを組込んだ市
販のXYZステージを用いているが、本発明はこれのみ
に限られることなく、DCサーボモータ等のようにサブ
ミクロンオーダの精度と適正なストロークを有する移動
機構であればよく、これのみに限定されるものではな
い。また、駆動テーブルの自由度は、3軸のみに限定さ
れるものではなく、用途に応じてθ回転系駆動を追加し
た4軸、5軸、6軸のように自由度を増加させるように
してもよいし、X−Yの2軸に自由度を減少させるよう
にしてもよい。
【0043】プラズマ表面処理部Aでは被加工物2の表
面に対向して放電電極3が配置され、さらに、放電電極
3は、図示しないポートを介して整合器4ならびに高周
波発振器5に、反応容器1の外側で接続されている。
【0044】レーザ局所加熱部Bでは、反応容器1の壁
に配設したレーザ窓18を介してレーザ光19が照射さ
れる。レーザ光19は、反応容器1の外部に配置したレ
ーザ発振器15から出射した光の強度を強度調整光学系
16によって調整した後、レンズ17によって被加工物
2の表面に集光、照射したものである。
【0045】また、反応容器1は、ステンレス製配管8
によってバルブ9を介して真空ポンプ6、及びそれに続
く除害装置7に連通している。さらに、反応容器1は、
ステンレス製配管12によってバルブ11を介して反応
ガス供給系に連通している。
【0046】上記の装置を用いて被加工物としてガラス
基板上に積層された被覆層をエッチング加工する場合の
一例について説明する。
【0047】反応容器1を大気開放し、プラズマ表面処
理部Aにおいて、テーブル13上に被加工物2を図示し
ない治具によって固定する。本実施例では、被加工物2
としてガラス基板上にアルミ薄膜を蒸着したものを用い
た。
【0048】被加工物2に対向して配置された放電電極
3として、本実施例においてはタングステン製の針状電
極を用い、被加工物2と放電電極3との相対的な距離を
調整するため、テーブル3によって被加工物2を放電電
極3との導通が確認されるまで近付けた後、所定の距離
だけ被加工物2を該テーブル3によって退避させる。な
お、放電電極3の材質としては、使用する反応ガスがプ
ラズマによって解離した際に生成するラジカルによって
腐食等による損傷を受けないものを選定し、本実施例で
使用したタングステンに限らず、ニッケル等の耐腐食性
の高い金属を使用できる。
【0049】被加工物2をテーブル13に取り付けた
後、反応容器1を封止し、加工開始前に反応容器1内に
残留した酸素や水分などの不純物を除去するために、真
空ポンプ6を起動して反応容器1内の真空引きを行う。
【0050】反応容器1の内圧が所定値に達したところ
でバルブ9を閉じ、真空ポンプを停止し、バルブ11を
開け、濃度が調整された反応ガスを反応ガス供給系10
から反応容器1内に導入する。通常、反応ガスとして
は、ヘリウム(He)などの不活性ガスによって希釈さ
れたハロゲン系ガスを使用する。なお、反応ガスについ
ては、加工対象の材質に応じて適正に選定する必要があ
り、希釈用ガスには、Heの他に、N2、Ar等が、ま
た、ハロゲン系ガスとしてはBCl3、Cl2、SF
6、CF4等を用いることができる。
【0051】反応ガス供給系10から反応容器1へ導入
された反応ガスにより、反応容器1内が所定圧力に到達
したところで、バルブ11を閉じて反応ガスの供給を停
止し、反応容器1を封じ切る。
【0052】以上のように反応容器1内に反応ガスが満
たされた状態で、放電電極3に高周波電源5から整合器
4を介して高周波電力を投入する。高周波電力の投入に
より、放電電極3の先端には微小な高周波放電(プラズ
マ)が発生するが、生成プラズマ中では反応ガスの解離
が進行して、活性の高いハロゲン系ラジカルが局所的か
つ高密度に生成され、ラジカルが被加工物2の表面と反
応することでプラズマに曝された被加工物2の表面に揮
発性の高い反応生成物が効率良く生成される。アルミニ
ウムを被加工物とし、塩素系ラジカルによる表面処理を
施した場合には、三塩化アルミニウムが生成される。こ
の沸点は180℃であるため、純アルミニウムに比べ僅
かな加熱によって容易に被加工物より脱離することがで
きる。なお、本実施例では、プラズマを維持しながら被
加工物2をテーブル13によって図中X−Y面内で移動
させ、被加工物2の表面に任意のパターンで反応生成物
を生成させている。
【0053】プラズマ表面処理部Aにおいて被加工物2
の表面処理が完了した後、次に、可動テーブル13をX
方向に移動させることにより被加工物2をレーザ局所加
熱部Bに移動させる。
【0054】レーザ局所加熱部Bでは、レーザ発振器1
5から出射され、強度調整器16によって適正な強度に
制御された後に、レンズ17によって被加工物2の表面
上に集光されたレーザ光19を、プラズマ表面処理部A
で生成された反応生成物上に適切に照射するように可動
テーブル13をX−Y面内で位置決めする。
【0055】本実施例では、レーザ発振器15として、
市販のNd:YAGレーザを用いたが、反応生成物に対
して適正な局所加熱を与えられるものであればこの限り
ではなく、例えば、CO2レーザ、Arレーザなどを
使用することができる。
【0056】また、レーザ発振器15の繰り返し周波数
の仕様に応じてレーザ局所加熱部Bにおける移動速度は
決定され、高繰り返し周波数のレーザ発振器や連続発振
のレーザ発振器を使用した場合には、高速なレーザ走査
を行うことが可能である。
【0057】プラズマ表面処理部Aにおいて被加工物2
の表面上に形成された反応生成物は、上記のレーザ局所
加熱処理部Bにおけるレーザ光19の局所加熱によっ
て、被加工物2の表面から容易に脱離していくため、被
加工物2をダメージ無く局所的に除去することができ
る。
【0058】本実施形態の方法では、ガラス基板上に製
膜されたアルミニウム薄膜を被加工物として、プラズマ
による表面改質で被加工物2の表面に数百nmオーダの
盛り上がりを有する堆積物が生成し、その後、堆積物の
上方から、アルミニウムが熱溶融加工されないような低
パワーのレーザ局所加熱条件で堆積物の除去を行ったと
ころ、数10nmオーダの凹部が形成されることを確認
できた。
【0059】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について図3を参照しながら説明する。本実施形態のプ
ラズマ処理装置35では放電電極として回転電極33を
用い、回転電極33と基板30との間に高密度プラズマ
を発生させて基板30の表面を溝加工する。図3に示す
装置全体は図示しない密閉されたチャンバ内に設置され
ており、数Torr〜大気圧の圧力まで、チャンバ内は
数%から10%の、例えばCCl4、BCl3、Cl2
SF6やCF4等の反応ガス22を含んだ、例えばヘリウ
ムHeやアルゴンArのような不活性ガスで置換された
雰囲気となっている。
【0060】Ni等の耐腐食性の高い金属を材質とした
円板状回転電極33は、回転モータ等の図示しない回転
駆動装置に接続された導電性シャフト34に取り付けら
れており、図中RDで示す回転方向に高速回転するよう
になっている。一方、被加工物30は円板状回転電極3
3の外縁に対してその加工面が対向するように配置さ
れ、また、被加工物30の下面側には絶縁体32を介し
てアース電極31が配置される構成となっている。
【0061】さらに、アース電極31は図中X−Y−Z
軸の各軸方向に駆動される可動テーブル36上に載置さ
れているため、絶縁体32を介してアース電極31上に
載置されている被加工物30を、円板状回転電極33に
対して自由に位置合せすることができる。なお、可動テ
ーブル36の自由度については3軸のみに限定されるも
のではなく、被加工物30に要求される加工の自由度に
応じて増減させるようにしてもよい。
【0062】以上のような装置構成において、可動テー
ブル36を上方(図中Z方向)へ移動させ、円板状回転
電極33と被加工物30との間に形成される間隙42を
数百μm(代表的には約100μm)となるように調整
する。その後、円板状回転電極33とアース電極31に
高周波電源37より高周波電力を印加すると間隙42に
プラズマ40が発生する。なお、本実施例においては、
周波数13.56MHz、投入電力10W〜100Wの
高周波電力を供給した。
【0063】プラズマ39中では、雰囲気41に含まれ
た反応ガス22の解離によって、例えば塩素系ラジカル
が生成され、このラジカルが被加工物35の表面に輸送
されることで、例えば、被加工物35がアルミニウムA
lの場合、塩化アルミニウムAlCl3を反応生成物と
して生成するような反応が進行する。塩化アルミニウム
はその沸点が180℃のため、常温、常圧の雰囲気下で
は被加工物の表面から脱離することはできないが、被加
工物35となるアルミニウム(沸点:2213℃)に比
べると著しく沸点が低下する。
【0064】このため、図3に示すように、プラズマ4
0が曝露され生成した塩化アルミニウムに対して、レン
ズ39によって集光されたレーザ光38を照射すると、
塩化アルミニウムが生成されていない無垢のアルミニウ
ムに比べ、より低いパワーのレーザ光39によって塩化
アルミニウムは容易に脱離し、被加工物30を熱による
ダメージ無く、また、局所的に加工できる。
【0065】なお、以上の反応に関しては、アルミニウ
ムに限ったものではなく、被加工物が活性な中性ラジカ
ルとの反応によってハロゲン化合物を生成し、その蒸気
圧が高くなるものであれば、いかなる材料に対しても成
立するものである。
【0066】また、上述したようにプラズマ40は円板
状回転電極33の外縁部に局在化されているため、被加
工物30との反応源となるラジカルの発生空間も局在化
され、微細な加工を実現できる。
【0067】さらに、本実施形態では、プラズマによる
表面処理とレーザによる局所加熱を同時に行っているた
め、レーザ局所加熱による反応生成物の速やかな除去が
行われるため、上記第1の実施形態の方法よりもさらに
エッチング速度を上げることができる。
【0068】本実施例では、円板状回転電極33の回転
軸と直交する方向(Y方向)に可動テーブル36を移動
させ、局在化したプラズマ40及びレーザ光38が被加
工物35の表面上を移動するようにした。これにより、
被加工物30の表面には直線状の溝が加工される。
【0069】なお、上述した加工方法において、可動テ
ーブル36を被加工物30に対して切込む方向に移動さ
せると、被加工物30の切断加工を行うことができ、さ
らには、円板状回転電極33を針状の電極に代えること
で穴明け加工を行うことも可能である。
【0070】(第3の実施形態)次に、図3〜図5を参
照しながら第3の実施形態について説明する。本実施形
態に用いる装置構成は上記第2の実施形態のそれに実質
的に同じであるため、装置に関する詳細な説明は省略す
る。
【0071】本実施形態では、図3及び図5に示す被加
工物30として、図4に示す装置において裏面電極32
4(材質:アルミニウム、膜厚:5000Å程度)の製
膜までを終えた集積型a−Si太陽電池を用い、裏面電
極表面に円板状回転電極33の外縁が対向するように配
置した後は、上記実施形態2において詳述したプラズマ
表面処理/局所加熱加工を裏面電極324に対して施す
ことで、プラズマ処理を行わずレーザ照射単独で裏面電
極をエッチング加工していたときに比べて、低パワーで
直線状の溝のエッチング加工を実現できる。
【0072】図4を参照してプラズマ表面処理/局所加
熱加工を含む一連の表面加工方法により集積型a−Si
太陽電池を製造する場合について具体的に説明する。ガ
ラス基板321上に透明電極膜322を0.2〜0.5
μmの膜厚で蒸着する(工程S1)。その後、レーザ発
振器320より出射したレーザ光326をレンズ325
で透明電極322の表面上に集光、照射しながら、ガラ
ス基板321が載置されている図示しないテーブルを図
中Y方向に直線的に走査させることでレーザ光326が
照射された領域の透明電極膜のみを除去し透明電極膜3
22に直線状の溝加工を施す。この溝加工を透明電極膜
322の同一膜面内で複数回行い、これにより、透明電
極膜322上には複数の電気的に絶縁された透明電極膜
322a、322b、…322nが形成される(工程S
2)。
【0073】上記の溝加工が施された被加工物の断面形
状のイメージは図5(a)に示すようになる。このよう
に素子分離された透明電極膜322a、322b、…3
22n上に、a−Si膜323を0.5μm程度の膜厚
で製膜する(工程S3)。
【0074】次いで、a−Si膜323に対して、レー
ザ発振器320からレーザ光326をレンズ325によ
って集光、照射しながら、上述の透明電極膜322の溝
加工と同様に、ガラス基板321が載置された図示しな
いテーブルを図中Y方向に直線的に走査させ、レーザ光
326が照射された領域のa−Si膜のみを除去し、a
−Si膜323上に溝加工を行う。この溝加工をa−S
i膜323の同一膜面内で複数回行い、該a−Si膜3
23を複数のa−Si膜323a、323b、…323
nに素子分離形成する(工程S4)。
【0075】以上の溝加工が施された被加工物の断面形
状のイメージは図5(b)に示す通りであり、a−Si
膜323に形成された溝328は下地となる透明電極膜
322の表面が露出するように加工すると共に、この表
面にダメージが入らないようにレーザ光326の強度あ
るいはテーブルの走査速度に対し精度の高い制御が必要
となる。
【0076】最後に、上述の溝加工が施されたa−Si
膜323a、323b、…323nに対して、裏面電極
324が0.2〜1μmの膜厚で製膜する(工程S
5)。裏面電極324の材質としては通常アルミニウム
が用いられる。a−Si膜323a、323b、…32
3nには上記の溝加工によって溝の底部に該透明電極膜
322a、322b、…が露出しているので、裏面電極
324の製膜により、裏面電極324と該透明電極膜3
22a、322b、…322nとが電気的に接続するこ
とになる。
【0077】次いで、製膜された該裏面電極324に対
して、上記の第2実施形態と同様のプラズマ表面処理/
局所加熱加工を用いて溝加工を行う。この溝加工では、
ガラス基板321が載置された図示しないテーブルを図
中Y方向に直線的に走査させ、図5(c)に示すよう
に、通常、裏面電極324とその下地層であるa−Si
膜323a、323b、…323nを同時に除去し、透
明電極膜322a、322b、…322nが溝の底部に
露呈するまで行われる。この溝加工においても、裏面電
極324の同一膜面内で複数本行い、素子分離領域32
4a、324b、…324nを形成する(工程S6)。
【0078】以上のような一連の製造工程により、a−
Si膜323a、323b、…323nは、その上下面
で裏面電極膜324a、324b、…324n及び透明
電極膜322a、322b、…322nでそれぞれ挟ま
れ、しかも、隣接した分断領域間で、例えば、透明電極
322bと裏面電極324aが電気的に次々と電気的に
接続される構造となり、これにより分断領域が各々直列
に接続された構造の集積型a−Si太陽電池が得られ
る。このようにして得られた集積型a−Si太陽電池か
らは高い電圧の発電能を有する。
【0079】本実施形態によれば、したがって、熱損傷
による裏面電極の盛り上がりや溶融飛散物の溝底部付着
や下地a−Si膜との合金化による低抵抗化等の効率劣
化要因を解消することができる。
【0080】さらには、溝のエッチング加工を行う本数
に応じて、円板状回転電極33ならびに照射するレーザ
光38の数を増やすことでタクトタイムを減少させるこ
とができる。
【0081】
【発明の効果】本発明では、活性なラジカル源を含む反
応ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で、放電電極
とこれに対向して配置した被加工物との間に高周波電力
を印加することでプラズマを発生させ、該プラズマ中で
反応ガスを解離させることによって生成されたラジカル
を、該被加工物表面と化学的に反応させることで揮発性
の高い反応生成物を生ぜしめ、該反応生成物の生成と同
時に、あるいは該反応生成物が生成した後に、局所的加
熱手段により該反応生成物を加熱することで、該反応生
成物を該被加工物表面から脱離させて該被加工物を除去
加工するエッチング方法としたことによって、従来、活
性なラジカル源を含む反応ガスと不活性ガスとの混合ガ
ス雰囲気中でレーザ単独で行っていたエッチング加工法
に比べ著しくエッチング速度を向上させることができ
る。
【0082】また、常温、常圧において揮発し難いアル
ミニウム等の金属のハロゲン化物に対し、従来のプラズ
マ単独でのエッチングでは、反応生成物を形成した後、
被加工物全体を加熱処理することで反応生成物の被加工
物からの脱離を促進していたため、例えば、機能性を有
する半導体薄膜上に形成された金属電極薄膜の加工にお
いては、この加熱処理によって半導体薄膜の機能を阻害
する問題があったが、本願発明によれば、除去が必要と
なる個所だけを局所的な加熱により加工することができ
るため、半導体薄膜の機能劣化を最低限に抑制すること
ができる。さらに、金属を材質とした一般的な被加工物
についても、被加工物全体を電気炉等の加熱手段の中に
投じる必要が無いため、従来技術に比べ経済的でありコ
ストも抑制される。
【0083】一方、集積型a−Si太陽電池の裏面電極
の溝加工では、従来、レーザエッチングによる熱溶融加
工が行われていたため、これに起因した熱損傷による盛
り上がりや、溶融飛散物質の溝底部への再付着あるいは
下地a−Si薄膜と裏面電極との合金化による低抵抗化
が生じ、集積型a−Si太陽電池の効率を著しく劣化さ
せていたが、本願発明によれば、従来よりも低パワーの
レーザ光照射で裏面電極の溝加工が実現できるため、効
率劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光起電力発生装置の製
造装置を示す構成ブロック図。
【図2】本発明の表面加工方法の原理を説明するための
断面模式図。
【図3】本発明の他の実施形態に係る光起電力発生装置
の製造装置を示す概要斜視図。
【図4】本発明の実施形態に係る表面加工方法を用いた
光起電力発生装置素子の製造方法を示す工程図。
【図5】(a)は第1段階のパターニング加工(レーザ
ーエッチング)を受けた積層体の断面図、(b)は第2
段階のパターニング加工(レーザーエッチング)を受け
た積層体の断面図、(c)は第3段階のパターニング加
工(プラズマエッチング)を受けた積層体の断面図。
【図6】従来の表面加工装置を示す構成ブロック図。
【符号の説明】
A…プラズマ表面処理部、 B…局所加熱部、 1…反応容器、 2,30…被加工物、 3,33…放電電極(円板状回転電極)、 4…整合器、 5,37…高周波電源、 6…真空ポンプ、 7…除害装置、 8,12…ステンレス配管、 9,11…バルブ、 10…反応ガス供給系、 13…テーブル、 14…コントローラ、 15,35…局所的加熱手段(レーザ発振器)、 16…強度調整器、 17…レンズ、 18…レーザ窓、 19…レーザ光、 31…アース電極、 34…導電性シャフト、 36…テーブル、 37…高周波電源、 38…レーザ光、 39…レンズ、 40…プラズマ、 41…雰囲気ガス、 42…間隙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田原 諭 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 舩山 正宏 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 後藤 崇之 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 Fターム(参考) 4K057 DA02 DB05 DD01 DD06 DE01 DE02 DE06 DE08 DE14 DM06 DM09 DM37 DM38 DM39 DM40 DN01 5F004 AA14 BA19 BA20 BB03 BB26 BB32 CA05 DA00 DA01 DA04 DA11 DA18 DA22 DA23 DA24 DB01 DB09 EA38 EB02 EB04 FA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応ガス雰囲気中で放電電極と被加工物
    との間に高周波電力を印加して放電プラズマを生じさ
    せ、該放電プラズマの作用により被加工物の表面に反応
    生成物を形成するプラズマ表面処理工程と、 局所的加熱手段により被加工物の表面を局所的に加熱し
    て前記反応生成物を被加工物の表面から脱離させる局所
    加熱工程と、を具備することを特徴とする表面加工方
    法。
  2. 【請求項2】 被加工物の表面に反応生成物を生成する
    のと同時に並行して該反応生成物を局所加熱するか、又
    は、被加工物の表面に反応生成物を生成した後に該反応
    生成物を局所加熱することを特徴とする請求項1記載の
    表面加工方法。
  3. 【請求項3】 前記放電電極は、外周に先鋭な先端部を
    有し、軸まわりに高速回転運動することが可能な円板形
    状をなすことを特徴とする請求項2記載の表面加工方
    法。
  4. 【請求項4】 前記局所的加熱手段としてレーザ発振器
    を用いることを特徴とする請求項1記載の表面加工方
    法。
  5. 【請求項5】 被加工物に対して前記放電電極及び前記
    局所的加熱手段を相対的に移動させることにより、放電
    プラズマ生成領域及び局所加熱領域の位置を被加工物の
    表面に対して実質的に平行な方向に二次元的に移動さ
    せ、これにより被加工物の表面を任意のパターンにエッ
    チングすることを特徴とする請求項2記載の表面加工方
    法。
  6. 【請求項6】 相隣接するパターンが重なり合うよう
    に、被加工物に対して前記放電電極及び前記局所的加熱
    手段を相対的に移動させることにより、被加工物表面の
    任意の部位をエッチングすることを特徴とする請求項5
    記載の表面加工方法。
  7. 【請求項7】 被加工物に対して前記放電電極及び前記
    局所的加熱手段を相対的に移動させることにより、放電
    プラズマ生成領域及び局所加熱領域の位置を被加工物の
    表面に対して実質的に垂直な方向に移動させ、これによ
    り被加工物を切込み加工及び又は穿孔加工することを特
    徴とする請求項2記載の表面加工方法。
  8. 【請求項8】 絶縁基板上に基板面側から順次積層され
    た第1の電極膜、光電変換機能を有する半導体膜及び第
    2の電極膜を少なくとも含む光電変換領域を複数有し、
    かつ隣接する前記光電変換領域の第1の電極膜と第2の
    電極膜とを接続することにより前記光電変換領域を集積
    化した光起電力発生装置の製造方法において、 前記絶縁基板上に任意の方法で離間配置された第1の電
    極膜上に、前記半導体膜を全面に形成したものを被加工
    物とし、 前記半導体膜が放電電極及び局所的加熱手段と向き合う
    ように前記被加工物を配置し、 被加工物に対して前記放電電極及び局所的加熱手段を相
    対的に移動させることにより、放電プラズマ生成領域及
    び局所加熱領域の位置を被加工物の表面に対して実質的
    に平行な方向に二次元的に移動させ、これにより前記半
    導体膜を複数の光電変換領域に分断することを特徴とす
    る光起電力発生装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 絶縁基板上に基板面側から順次積層され
    た第1の電極膜、光電変換機能を有する半導体膜及び第
    2の電極膜を少なくとも含む光電変換領域を複数有し、
    かつ隣接する前記光電変換領域の第1の電極膜と第2の
    電極膜とを接続することにより前記光電変換領域を集積
    化した光起電力発生装置の製造方法において、 前記絶縁基板上に任意の方法で離間配置された第1の電
    極膜上に前記半導体膜を全面に形成した後に、レーザー
    エッチング法又は請求項7の方法を用いて該半導体膜を
    所定パターンに溝加工することにより該半導体膜を複数
    の光電変換領域に分割し、その後、該半導体膜の上面か
    ら該パターン溝の底部に露出する該第1の電極膜に接触
    するように、該半導体膜の全面を覆うように形成された
    第2の電極膜を被加工物とし、 前記第2の電極膜が放電電極及び局所的加熱手段と向き
    合うように前記被加工物を配置し、 前記被加工物に対して前記放電電極及び局所的加熱手段
    を相対的に移動させることにより、放電プラズマ生成領
    域及び局所加熱領域の位置を被加工物の表面に対して実
    質的に平行な方向に二次元的に移動させ、これにより前
    記第2の電極膜および該半導体膜を同時に一括分断する
    ことを特徴とする光起電力発生装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 反応ガス供給装置および反応生成物排
    出装置のそれぞれに連通し、その内部に反応ガス雰囲気
    が形成される反応容器と、 この反応容器内に設けられた少なくとも1つの放電電極
    と、 この放電電極に対向するように前記反応容器内に配置さ
    れた被加工物を保持し、被加工物を前記放電電極に対し
    て相対的に移動させるための相対移動手段と、 前記放電電極に整合器を介して接続された高周波電源
    と、 被加工物の表面を局所的に加熱するために、前記放電電
    極に対応して該放電電極の数に相当する数だけ設けられ
    た局所的加熱手段と、を具備することを特徴とする光起
    電力発生装置の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記放電電極は、外周に先鋭な先端部
    を有し、軸まわりに高速回転運動することが可能な円板
    形状をなすことを特徴とする請求項10記載の製造装
    置。
  12. 【請求項12】 前記放電電極は、先端が先鋭な針形状
    をなすことを特徴とする請求項10記載の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記局所的加熱手段は、レーザ発振器
    であることを特徴とする請求項10記載の製造装置。
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JP2004140346A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Nawotec Gmbh 材料表面を集束電子ビーム誘導化学反応によってエッチングするための方法
JP2005079245A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Institute Of Physical & Chemical Research 金属配線形成方法および金属配線形成装置
DE102022107922A1 (de) 2022-02-07 2023-08-10 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Dynamisches lasergestütztes ätzen

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