JP2002251983A - 無電極放電ランプ装置および紫外線照射装置 - Google Patents

無電極放電ランプ装置および紫外線照射装置

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JP2002251983A
JP2002251983A JP2001048348A JP2001048348A JP2002251983A JP 2002251983 A JP2002251983 A JP 2002251983A JP 2001048348 A JP2001048348 A JP 2001048348A JP 2001048348 A JP2001048348 A JP 2001048348A JP 2002251983 A JP2002251983 A JP 2002251983A
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lamp device
arc tube
electrodeless discharge
bulb
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Kazuhiko Yoshikawa
和彦 吉川
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Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光管バルブの形成材料である石英ガラスの
品質を改善することによって点灯経過とともに発生する
バルブ内壁面の黒化の進行を遅らせ、発光特性(放射紫
外線量)の維持率の向上がはかれる無電極放電ランプ装
置およびこの放電ランプ装置を用いた紫外線照射装置を
提供することを課題としている。 【解決手段】 円筒状の石英ガラス管からなり非加工部
11である円筒状部内壁面側のOH基を10ppm以下
とするとともに、この円筒状部の両端に熱加工によって
封塞部12が形成された発光管バルブ1と、この発光管
バルブ1の内部に封入された水銀および放電用希ガスか
らなる放電媒体と、上記発光管バルブ1外周面の長手方
向に沿って巻装された誘導コイル5とを備えた無電極放
電ランプ装置Lおよびこの放電ランプ装置Lを用いた紫
外線照射装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線を放射する
光化学処理用の無電極放電ランプ装置およびこの放電ラ
ンプ装置を用い殺菌処理をする紫外線照射装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近時、たとえば下水処理場などの処理水
の最終処理を、塩素などを用いる薬品処理に代えて環境
への影響が少なく、また、格別の薬剤を要さないことか
らメンテナンスの手間が軽減できる紫外線を利用した光
化学による処理がすすめられている。
【0003】この光化学処理用の紫外線源としては、紫
外線を効率よく放射する無電極放電ランプ装置が用いら
れ、この種放電ランプはたとえば特開平2−37660
号公報や特開2000−285868号公報に記載され
ている。
【0004】この無電極放電ランプ装置は、発光管の気
密容器を形成するバルブが紫外線透過を阻害しない石英
ガラスからなるものが用いられ、内部に水銀およびアル
ゴンが放電媒体として封入されているとともに、バルブ
の外周面にはランプの点灯を行わせるための誘導コイル
が巻装された構成をなしている。
【0005】そして、この放電ランプ装置の誘導コイル
に、高周波電源装置から整合回路を介し高周波電力が供
給され、バルブ内で放電が生じランプが点灯し254n
mの紫外線がバルブ外へ放射される。
【0006】この無電極放電ランプ装置は、下水処理場
などにおいて水密構造として流体中に収容されたり、液
体が流れる石英ガラス製のパイプを囲み複数個配設され
たりして、流体の殺菌処理を行うのに用いられている。
【0007】この無電極放電ランプ装置を用いた殺菌装
置も、点灯時間の経過とともに紫外線の放射量が低下
し、所定の殺菌作用を奏しなくなった場合は無電極放電
ランプ装置を交換する必要がある。
【0008】この無電極放電ランプも他の種類の放電ラ
ンプと同様に点灯時間の経過とともに、バルブ内に残存
や発生した酸素などの不純物などに起因して内壁面に黒
化を生じ、この黒化部分において紫外線(照明用ランプ
などの場合は可視光)の透過を阻害して発光特性(この
無電極放電ランプの場合は紫外線放射量)の低下をきた
すのはやむを得ない現象である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者がこ
の紫外線を得るため発光管バルブ内に水銀を封入し、バ
ルブの外周に放電用の誘導コイルを巻装した構成の無電
極放電ランプのバルブ内壁面に生じる黒化の発生につい
て調べたたところ、内部に電極を有する放電ランプに比
べバルブ内壁面の黒化発生が甚だしく発光特性(放射紫
外線や光束)の維持率の低下が大きいことが分かった。
【0010】この黒化現象は放電中に発生する水銀イオ
ンとバルブ内の酸素とが結合して酸化水銀が生成される
ことに起因するが、本発明者の観察によるとこのランプ
の場合は発光管バルブの外周面に巻装した誘導コイルの
素線とバルブのガラスを隔て対面した内壁面部分が他の
部分に比べ甚だしく素線と離れるにしたがい黒化が少な
いことが分かった。
【0011】そこで、本発明者はこの無電極放電ランプ
の黒化発生による発光特性維持率の低下について究明し
た。この無電極放電ランプの場合は発光管バルブの外周
面に巻装した誘導コイルの電界作用によって、上記結合
がコイルと最も近接しているバルブ内壁面、すなわち誘
導コイルの内側とガラスを隔て対面している部分に集中
して生成され多く堆積していた。
【0012】そして、本発明者は発光管バルブ内をさら
に高真空にしたり、酸素ガスなどの不純ガスの残存量を
さらに低減したり、封入ガスや水銀の純度を高めたりす
るなどしたランプを試作し、その発光特性(放射紫外線
量)の経時の低下率を調べたが飛躍的な向上はみられな
かった。
【0013】そこで、本発明者は着眼を改め不純ガスの
発生が、当初からではなく点灯経過とともに増すことに
着目して究明したころ、気密容器を構成するバルブの材
質に関係することが分かった。
【0014】本発明は上述した事情に鑑みなされたもの
で、発光管バルブの形成材料である石英ガラスの品質を
改善することによって点灯経過とともに発生するバルブ
内壁面の黒化の進行を遅らせ、発光特性(放射紫外線
量)の維持率の向上がはかれる無電極放電ランプ装置お
よびこの放電ランプ装置を用いた紫外線照射装置を提供
することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の無電極放電ランプ装置は、円筒状の石英ガラス管から
なり非加工部である円筒状部内壁面側のOH基を10p
pm以下とするとともに、この円筒状部の両端に熱加工
によって封塞部が形成された発光管バルブと、この発光
管バルブの内部に封入された水銀および放電用希ガスか
らなる放電媒体と、上記発光管バルブの円筒状部の外周
面の長手方向に沿って巻装された誘導コイルとを具備し
たことを特徴とする。
【0016】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り無電極放電ランプ装置の用語の定義およ
び技術的意味はつぎによる。
【0017】発光管バルブについて 無電極放電ランプの気密容器を形成する発光管バルブ
は、440nm以下の紫外線を透過する石英ガラス管が
用いられる。
【0018】また、発光管バルブの非加工部分とは、通
常、石英ガラス管の端部が熱加工により溶融封止して封
塞部が形成される熱加工部分に対応したもので、ランプ
形成時に熱加工されていない石英ガラス管の素管状態の
部分を指す。
【0019】また、発光管バルブの形状は、両端を封塞
した円筒状をなしているか、横断面がドーナッツ状をな
しているものを用いることができる。
【0020】また、バルブの端部から細管を突出させ
て、放電ランプの作動中の放電媒体である水銀の蒸気圧
を適性値に維持することができる。
【0021】また、放電ランプの管軸方向の長さは、始
動性に影響しないので、所望の放射紫外線量に応じて任
意に設定することができる。
【0022】外管について 外管は内部に発光管バルブ、誘導コイル、このコイルの
支持部材および給電部材を収容した保護管的役割を有
し、気密封塞された構成であっても、外管内に流体が通
流できる構成であってもよい。その材質は、外管外に紫
外線を放射させる場合は石英ガラスや紫外線透過フッ素
樹脂などを、紫外線透過が不要の場合は他のガラス材質
や樹脂などであっても差支えない。
【0023】誘導コイルについて 誘導コイルは、無電極放電ランプの長さに応じて1個ま
たは複数個を用いることができる。また、その材質はア
ルミニウムや銅などからなる。また、誘導コイルは、発
光管バルブに対し当接していても離間していてもよい
が、離れ過ぎると磁界が弱く所定の発光特性が得られな
い虞がある。
【0024】誘導コイルの支持部材および給電部材につ
いて 誘導コイルの支持部材は、給電部材と別個のものであっ
ても兼用するものであってもよく、これらはランプの長
手方向に沿って延在し、コイルを機械的に支持するとと
もに高周波電力を供給する必要から、十分な剛性と低い
電気抵抗とを有する銅やアルミニウム材料から形成され
ている。
【0025】さらに、誘導コイルの支持や給電部材は、
少なくとも一対用いられるが、必要に応じて複数対を用
いてもよい。
【0026】請求項1の発明によれば、放電ランプ装置
は、高周波電力が供給されると、誘導コイルにより発生
した高周波磁界により、水銀がイオン化してプラズマが
生じ、水銀が励起発光する。
【0027】そして、このイオン化した水銀がバルブの
内壁面でOH基と結合して酸化水銀を生成し黒化として
現出するが、バルブ内壁面側のOH基の含有量を10p
pm以下と少なくすると、水銀イオンと酸素との結合が
少なく酸化水銀の生成が僅少で堆積速度が遅く、黒化の
進行を遅延できる作用を奏する。
【0028】本発明の請求項2に記載の無電極放電ラン
プ装置は、誘導コイルと、この誘導コイルに巻装された
石英ガラス管からなる円筒状部の両端に封塞部を形成す
るとともに、誘導コイルの配設位置から10mm以内に
ある内壁面側におけるOH基を10ppm以下とした発
光管バルブと、この発光管バルブの内部に封入された水
銀および放電用希ガスからなる放電媒体とを具備したこ
とを特徴とする。
【0029】誘導コイルの素線から離れるほど磁界が弱
くなり酸化水銀の生成による黒化の発生が少なく、素線
からの距離が10mm以内のバルブ部分のOH基を10
ppm以下とすれば、上記請求項1に記載したと同様な
作用を奏する。
【0030】本発明の請求項3に記載の無電極放電ラン
プ装置は、発光管バルブの内部に封入された放電用希ガ
スが、封入圧力133Pa以下のネオンまたはアルゴン
から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする。
【0031】この放電ランプに放電媒体として封入され
る希ガスとしては、キセノンXeやクリプトンKrに比
べて密度が小さく、熱伝導率が大きいネオンNeまたは
アルゴンArを用い、その封入圧を低圧とすることによ
り効率の向上がはかれた。
【0032】なお、封入圧が133Pa(パスカル)を
超えると効率の低下があり、封入圧は66〜107Pa
程度が好ましい。
【0033】本発明の請求項4に記載の紫外線照射装置
は、請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の無電
極放電ランプ装置と、この無電極放電ランプ装置の保持
装置と、上記無電極放電ランプ装置の誘導コイルに接続
された高周波電源装置とを具備したことを特徴とする。
【0034】上記請求項1ないし請求項3に記載の作用
を有する無電極放電ランプ装置を用いた紫外線照射装置
は、放電ランプ装置が酸化水銀の生成が僅少で堆積速度
が遅く、黒化の進行を遅延できるので、長期に亘りラン
プ交換を要しない。
【0035】なお、本発明において紫外線照射装置と
は、無電極放電ランプ装置を紫外線放射源として用いた
装置であって、放電ランプ装置の保持装置および高周波
電源装置からなり、必要に応じて高周波電源装置と放電
ランプ装置との間に結合回路装置を介在させている。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
および図2を参照して説明する。図1は、本発明の無電
極放電ランプ装置の実施の形態を示す一部断面正面図、
図2は図1の放電ランプ装置において右側のキャップ体
を外した状態の側面図、図3は誘導コイルの磁界の説明
図である。
【0037】図において、1は石英ガラスからなり両端
が封止閉塞された円筒状の発光管バルブ、2はこのバル
ブ1の両端の封塞部12,12に溶着された上記バルブ
1と同材料の石英ガラスからなる環状体でバルブ1の支
持体をなしている。
【0038】この発光管バルブ1は外径約50mm、内
径約46mm、全長約500mmで、円筒状の素管部分
11(封塞部12などに対し、バーナによる熱加工が全
く行われていない部分)内壁面の石英ガラスが含むOH
基を約3ppmとしてある。因みに、このバルブ1両端
の封塞部12,12は、酸水素ガスを用い加熱溶融して
閉塞するためOH基は約40ppmある。
【0039】また、発光管バルブ1内には放電媒体とし
て約100mgの水銀および希ガスとして約133Pa
のネオンNeが封入してある。また、3はバルブ1の一
端側の封塞部12に接合された細管でランプの作動中は
最冷部を形成してバルブ1内の水銀蒸気圧を最適値に維
持するよう作用する。
【0040】4a,4bはバルブ1の長手方向にこのバ
ルブ1を挟み対向して配設された、横断面が一辺4mm
の四角形のアルミニウム材からなる長いコ字形をなす一
対の誘導コイルの支持兼給電部材である。
【0041】また、5,…は発光管バルブ1の長手方向
に等間隔で巻装された横断面が円形や方形の線材からな
る複数組の誘導コイル、ここでは線径が約2mmのアル
ミニウム線が約15mmのピッチで約4.5ターン巻回
して5組が設けられ、各誘導コイル5,…の端部は上記
誘導コイルの支持兼給電部材4a,4bに接続してい
る。
【0042】なお、この支持兼給電部材4a,4bに対
する誘導コイル5,…への配線を交互に逆になるように
接続しておくことで、高周波電力の正負両極において略
同一の電力を供給することができるようになり、ランプ
点灯時に発光のちらつきが殆ど生じない。また、誘導コ
イル5,…の支持兼給電部材は、支持と給電とが兼用で
はなく、それぞれ専用の部材が設けられていてもよい。
【0043】また、6a,6bはたとえばフッ素樹脂な
どの電気絶縁性材料からなるホルダで、中心に円孔61
を、周縁に4個の切欠部62,…を備えたほぼ十字形を
なすとともに横に二つ割りした構造となっている。
【0044】そして、このホルダ6a,6bは、円孔6
1をバルブ1端部に接合した環状体2に嵌め、ねじ6
3,63を締付けることによって固定保持される。ま
た、ホルダ6a,6bの上下の切欠部62,…には、誘
導コイルの支持兼給電部材4a,4bが係止されてい
る。すなわち、上記発光管バルブ1、誘導コイル5,…
および誘導コイルの支持兼給電部材4a,4bはホルダ
6a,6bを介し一体化されている。
【0045】また、一方のホルダ6aには銅板製の端子
板64,65が設けられ支持兼給電部材4a,4bと電
気的に接続されている。
【0046】また、7は石英ガラスからなる円筒状の外
管で、両端が開放されているとともに両端近傍の外面に
環状の凸部71が形成されている。
【0047】また、8はキャップで、ステンレス製の皿
状の本体部8aと横断面がコ字状のリング状部8bとか
らなり、外管7の両端に装着されている。
【0048】このキャップ8の外管7への装着は、上記
発光管バルブ1などを収容した外管7の凸部71にリン
グ状部8bの折り曲げられた一端側を係止し、この他端
側に皿状の本体部8aの一段目を重合(リング状のパッ
キングを介してもよい。)させ、複数本のねじ81で固
定してある。この際、外管7の端面と皿状の本体部8a
の二段目との間にはリング状のパッキング82が介挿さ
れ、外管7内が外部に対して気密にシールされている。
【0049】また、一方のキャップ8の皿状の本体部8
aには、高周波電源装置91から整合回路装置92を介
し接続した給電線93の気密導入部83が形成してあっ
て、無電極放電ランプ装置Lが構成される。
【0050】この無電極放電ランプ装置Lは、たとえば
下水処理場における最終段階の殺菌処理工程において紫
外線照射装置として用いられる。すなわち、図示しない
が、殺菌処理工程の処理水の流路中の保持装置に無電極
放電ランプ装置Lが固定され、紫外線照射装置として水
中に浸漬された状態で設けられる。
【0051】そして、保持装置に保持された無電極放電
ランプ装置Lは、高周波電源装置91から整合回路装置
92、端子板64,65、給電線93、支持兼給電部材
4a,4bを介し各誘導コイル5,…にたとえば13.
56MHz±7kHzの高周波電力が供給されると、誘
導コイル5,…は高周波磁界を発生する。
【0052】この高周波磁界は、発光管バルブ1の管軸
方向に分布するので、バルブ1内の放電媒体が高周波磁
界に晒され、これにより放電媒体が励起されて、放電媒
体内を2次電流が環状に通流して横断面から見てドーナ
ッツ状に放電が生起する。
【0053】この発光管バルブ1の素管部分11からは
殺菌線と呼ばれる波長254nmの紫外線が多く放射さ
れ、誘導コイル5,…および誘導コイル5,…の支持兼
給電部材4a,4bの間から外管7を透過して、流路中
の処理水を照射して殺菌を行なうことができる。
【0054】なお、放電ランプの寿命とは一般的に不点
になったときを指すのではなく、点灯経過とともに封入
物の消耗や不純ガスの発生などで光束(放射紫外線)、
輝度、効率や点灯電圧などの特性が低下していき、点灯
初期の特性に比べその値が70%や60%にまでなった
ときを寿命とし、通常、特性の維持率と称している。
【0055】そして、この無電極放電ランプ装置Lの場
合の寿命は、初期点灯時(特性が安定する点灯約100
時間後)の放射紫外線量に対して、殺菌効果の程度など
から放射紫外線維持率が70%値に達した時点を寿命と
している。
【0056】上記実施の形態の無電極放電ランプ装置L
は、長時間点灯しても発光管バルブ1に生じる黒化が少
なくなり、ランプ装置Lの寿命を延長することができ
た。
【0057】すなわち、無電極放電ランプ装置Lは、点
灯10000時間程度では発光管バルブ1の内壁面に生
じる黒化が僅かであり、紫外線放射率の値が70%にな
ったのが点灯約20000時間程度で長寿命とすること
ができた。
【0058】この無電極放電ランプ装置Lも、発光管バ
ルブ1の内壁面に黒化は生じるがその進行が遅く、これ
は誘導コイル5,…を配設した発光管バルブ1の石英ガ
ラス内壁面側に含まれるOH基を3ppm程度としたこ
とによると考えられる。
【0059】すなわち、各誘導コイル5,…にたとえば
13.56MHzの高周波電力を供給すると、発生した
高周波磁界により放電媒体として封入した水銀が励起さ
れ放電が起こる。そして、この放電は図3に示すように
誘導コイル5の線状体を横断面方向から見て励起された
水銀イオンeがバルブ1の内壁面に被着するが、バルブ
1の内壁面はOH基の含有量が3ppm程度と少ないの
で、水銀イオンeと酸素Oとの結合が少なく酸化水銀H
gOの生成が僅少で堆積速度が遅く、黒化の進行を遅延
して紫外線の透過減少や吸収を防止して長寿命化でき
る。
【0060】そして、本発明者の試験によれば、発光管
バルブ1を形成する石英ガラス内壁面側に含まれるOH
基の量を種々変えて、無電極放電ランプ装置の寿命(放
射紫外線維持率70%)を比較したところ表1のような
結果を得た。
【0061】なお、無電極放電ランプの試料としては、
定格励起コイル端子電圧200V、定格励起コイル電流
14A、定格ランプ電力500W、全殺菌線量125
W、上記実施の形態に示したと同寸、同構成で発光管バ
ルブを形成する石英ガラス内壁面側のOH基の含有量の
みを種々変えて各ランプを製作して試験した。
【0062】
【表1】 表1から明らかなように、石英ガラス内壁面側のOH基
の含有量が少ないほど黒化の進行が遅く、10ppm以
下であれば、従来品の寿命である500〜2000時間
を大幅に越える10000時間以上の寿命を全うするこ
とができる。
【0063】なお、この石英ガラス内壁面側のOH基を
低含有量とした発光管バルブを得る手段としては、石英
ガラス管をたとえば温度1000〜1100℃の真空雰
囲気中で2時間程度の加熱処理をすることによってOH
基を3ppm程度とすることができる。また、この処理
した石英ガラス管は、OH基が吸着しない処理後直ちに
発光管バルブに組み立てるのが好ましい。
【0064】また、石英ガラス管は両端部を酸水素バー
ナで加熱溶融して封塞部を形成し発光管バルブとされる
ため、この封塞部部分に含まれるOH基は高まるが、こ
の封塞部の近傍には誘導コイルが存在しないので問題な
い。
【0065】また、誘導コイル5の素線から離れるほど
磁界が弱くなり黒化の発生が少なく、本発明者の試験に
よれば素線5からの距離xが10mm以内のバルブ1部
分のOH基が10ppm以下であれば問題なかった。
【0066】また、本発明の無電極放電ランプLに放電
媒体として封入される希ガスとしては、キセノンXeや
クリプトンKrに比べて密度が小さく、熱伝導率が大き
いネオンNeまたはアルゴンArを用い、その封入圧が
133Pa以下であるのが効率の向上がはかれることか
ら好ましい。
【0067】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されものではない。たとえば、紫外線照射装置として
は、流水中に浸漬して用いられるものに限らず、紫外線
透過パイプ中の流水を外部から照射する構成のものであ
ってもよい。
【0068】また、流体は水などの液体に限らず気体で
もよく、たとえば両端のキャップ部に気体の通流孔を設
け、この通流孔を介し外管内に酸素を流通させればオゾ
ン発生源として用いることができる。
【0069】また、用途としては下水道処理場の処理水
の殺菌に限らず、他の雑廃水、食品や薬品などの処理あ
るいは各種試験装置の紫外線源などとして用いることが
できる。
【0070】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、石英ガラス管
からなる発光管バルブ内壁面側のOH基の含有量を少な
くし、点灯経過とともに生じる水銀イオンと酸素との結
合による酸化水銀の生成を低減して黒化の進行を遅ら
せ、紫外線の透過減少や吸収を防止して、放射紫外線量
の維持率が高い長寿命化できる無電極放電ランプ装置を
提供することができる。
【0071】請求項2の発明によれば、酸化水銀の堆積
(黒化)の多い誘導コイルが配設された近傍の発光管バ
ルブ内壁面側のOH基の含有量を規制することにより、
上記請求項1に記載したと同様な効果を奏する。
【0072】請求項3の発明によれば、放電媒体として
封入する希ガスの種類および封入圧を規制することによ
って、高効率の放射紫外線量が得られる無電極放電ラン
プ装置を提供することができる。
【0073】請求項4の発明によれば、上記請求項1な
いし請求項3に記載の効果を有する放射紫外線量の維持
率が高い長寿命の無電極放電ランプ装置を用いているの
で、長期に亘りランプ交換を要しないなど、メンテナン
スが容易な紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無電極放電ランプ装置の実施の形態を
示す一部断面正面図である。
【図2】図1の放電ランプ装置において右側のキャップ
体を外した状態の側面図である。
【図3】誘導コイルの磁界の説明図である。
【符号の説明】
L:無電極放電ランプ装置 1:発光管バルブ 11:非加工部(素管部分) 12:封塞部 4a,4b:誘導コイルの支持兼給電部材 5:誘導コイル 6a,6b:絶縁部材 7:外管 8:キャップ 91:高周波電源装置 92:結合回路装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の石英ガラス管からなり非加工部
    である円筒状部内壁面側のOH基を10ppm以下とす
    るとともに、この円筒状部の両端に熱加工によって封塞
    部が形成された発光管バルブと;この発光管バルブの内
    部に封入された水銀および放電用希ガスからなる放電媒
    体と;上記発光管バルブの円筒状部の外周面の長手方向
    に沿って巻装された誘導コイルと;を具備したことを特
    徴とする無電極放電ランプ装置。
  2. 【請求項2】 誘導コイルと;この誘導コイルに巻装さ
    れた石英ガラス管からなる円筒状部の両端に封塞部を形
    成するとともに、誘導コイルの配設位置から10mm以
    内にある内壁面側におけるOH基を10ppm以下とし
    た発光管バルブと;この発光管バルブの内部に封入され
    た水銀および放電用希ガスからなる放電媒体と;を具備
    したことを特徴とする無電極放電ランプ装置。
  3. 【請求項3】 発光管バルブの内部に封入された放電用
    希ガスが、封入圧力133Pa以下のネオンまたはアル
    ゴンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の無電極放電ランプ装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか一に
    記載の無電極放電ランプ装置と;この無電極放電ランプ
    装置の保持装置と;上記無電極放電ランプ装置の誘導コ
    イルに接続された高周波電源装置と;を具備したことを
    特徴とする紫外線照射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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