JP2002250194A - リトラクトビット - Google Patents

リトラクトビット

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JP2002250194A
JP2002250194A JP2001049142A JP2001049142A JP2002250194A JP 2002250194 A JP2002250194 A JP 2002250194A JP 2001049142 A JP2001049142 A JP 2001049142A JP 2001049142 A JP2001049142 A JP 2001049142A JP 2002250194 A JP2002250194 A JP 2002250194A
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moving
mother
retract
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Yukihisa Inazumi
積 幸 久 稲
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Koken Boring Machine Co Ltd
Original Assignee
Koken Boring Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実な拡縮性、ボーリング孔の直進性、回転
抵抗の小さい、回転方向を選ばない、小型・軽量な、簡
易な機構で量産効率等が優れ、掘削効率の高いリトラク
トビットを提供する。 【解決手段】 ダウンザホールハンマに直接組込むマザ
ービットと、このマザービットに上下方向に回転可能に
取付けられて拡縮作動する複数個のムービングビット
と、マザービットの引上げ時にムービングビットが縮径
方向に回転する一方、地面からの土圧が作用したときム
ービングビットが拡径の方向に回転するようにムービン
グビットをマザービットに連結するジョイントパーツと
から構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダウンザホールハ
ンマもしくはロータリパーカッションドリルなどのリト
ラクトビットの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のダウンザホールハンマやロータリ
パーカッションドリルなどのリトラクトビットの代表例
を図15から図19に示す。図15の例は、パイロット
ビットIの中心軸に回転軸が偏芯したリーマIIが組合さ
れた構造を有する。所定の方向にビット全体を回転させ
ると、リーマIIがパイロットビットIの外径の外側に開
き拡径状態となり、反対方向に回転させると、リーマII
はパイロットビットIの外径内に収納され縮径状態にな
る。
【0003】図16のリトラクトビットは、回転軸が偏
芯した複数個のビットIIIが設けられ、回転方向によっ
て拡縮する構造である。図17のリトラクトビットは、
2乃至3個の扇型の子ビットIVが設けられ、回転方向に
よって拡縮する構造である。図17に示す場合、反時計
回り・時計回りの回転に伴いそれぞれ拡径(図17の
(b))・縮径(図17の(c))状態にセットされ
る。
【0004】図18のリトラクトビットは、ビットの中
心軸上を前後に進退可能なパイロットビットVとピンヒ
ンジ支持されて上下に揺動する複数個のリーマVIとが設
けられている構造である。パイロットビットVが孔底に
押付けられると、パイロットビットVの後端テーパ部が
リーマVIを外側に押し広げて拡径状態となる。パイロッ
トビットVが孔底から引き離されると、パイロットビッ
トVが自重によって下方に移動し、リーマVIはパイロッ
トビットVによる押し付けから開放されて縮径状態にな
る。
【0005】図19のリトラクトビットは、ビットの外
周部の複数箇所に設けられたテーパ溝VIIIにリーマVII
が前(下方)・後(上方)に進退可能に嵌合されている
構造である。ビットが孔底に押付けられ、掘削が進むに
つれてリーマVIIは上方に移動する。テーパ溝VIIIは、
上方ほど外径近くまで広がっているため、リーマVIIが
上方に移動すると外側に広がり拡径状態となる。ビット
が孔底から引き離されると、リーマVIIは自重やケーシ
ング先端(図示しない)に押えられてテーパ溝に沿って
下方に移動し、これによって縮径状態になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
には、下記の欠点があった。 (1)ビットの拡縮性の問題 図15から図17のリトラクトビットは、ボーリングマ
シンの回転力を利用してビットの拡縮を行っており、孔
底の状態等によっては回転ができず、特に縮径すること
が困難となる。
【0007】(2)ボーリング孔の直進性の問題 図15及び図16のリトラクトビットは、ボーリング孔
中心軸に対して偏芯したビットやリーマによって拡径さ
れたボーリング孔を掘削する構造のため、ボーリングの
給進力が孔底に対して均等に掛らない。さらに、リーマ
等の反対側にはスライムや孔壁の崩落による土砂等が回
り込む。このため、ボーリング孔が曲り易く、この孔曲
りにケーシング(図示しない)が耐えられない場合、ケ
ーシング切断や回転抵抗の増大といった障害が発生す
る。
【0008】(3)回転抵抗の問題 図17のリトラクトビットは、掘削時に子ビット側面の
第一の受け部を回転方向に向けて拡径するため、礫層な
どの掘削時には大きな回転抵抗を受け易いという欠点が
ある。
【0009】(4)回転方向の制限の問題 図15から図17のリトラクトビットは、いずれか一方
の回転方向によって拡縮する構造であるため、ビットは
左回転用、右回転用と異なった部品を用意し組合せる煩
雑さがある。
【0010】(5)小型化の必要性の問題 図18のリトラクトビットは、パイロットビットが上下
に移動するストロークを持っているため、パイロットビ
ットを組込む主幹部(デバイス部)が掘削径に比べて大
きい。このようにシャンク部の巨大化は、ビットの重量
が増して取扱いが困難になるばかりでなく、ダウンザホ
ールハンマの打撃力の伝達効率が悪化して、掘削速度が
低下する一因となる。
【0011】本発明の目的は、上記従来の問題点を解決
すべく、(1)確実な拡縮性、(2)ボーリング孔の直
進性、(3)回転抵抗の小さい、(4)回転方向を選ば
ない、(5)小型・軽量な、(6)簡易な機構で量産効
率等が優れ、掘削効率の高いリトラクトビットを提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題を解
決するために、ダウンザホールハンマに直接組込むマザ
ービットと、このマザービットに上下方向に回転可能に
取付けられて拡縮作動する複数個のムービングビット
と、マザービットの引上げ時にムービングビットが縮径
方向に回転する一方、地面からの土圧が作用したときム
ービングビットが拡径の方向に回転するようにムービン
グビットをマザービットに連結するジョイントパーツと
から構成した。
【0013】また、前記ジョイントパーツは、ムービン
グビットの重心よりもマザービットの内方側に偏心する
ように配置されていることを特徴とする。
【0014】また、前記縮径状態及び拡径状態のいずれ
においても、ムービングビットの底面がマザービットの
底面よりも下方に位置することを特徴とする。
【0015】また、前記ムービングビットが拡径したと
きムービングビットの上面に設けた第一の受け部が当接
して土圧を受ける第一の受け面と、拡径方向の回転によ
ってムービングビットの後端に突設した第二の受け部が
当接してムービングビットの回転を停止させる第二の受
け面とが前記マザービットに形成されており、第一の受
け面及び第二の受け面は、前記ムービングビットのジョ
イントパーツを挟んだ位置に設けられていることを特徴
とする。
【0016】また、前記ムービングビットを個々に収納
する収納溝がマザービットに形成されており、前記ムー
ビングビット及び収納溝の対向面は、共にマザービット
の外側に向かって徐々に接近するテーパ面となっている
ことを特徴とする。
【0017】また、前記ジョイントパーツは、マザービ
ットへのムービングビット連結方向に沿って一列に並べ
られた鋼球群であることを特徴とする。
【0018】また、前記ジョイントパーツは、マザービ
ットへのムービングビット連結方向に沿って一列に並べ
られた鋼球群と、鋼球群における隣接する鋼球が相互に
接触するように予圧を与える弾性部材とを備えているこ
とを特徴とする。
【0019】また、前記マザービットの軸方向に沿って
空気流路が形成されるとともに、この空気流路から分岐
して前記ムービングビット側に向かって伸びる分岐流路
がマザービットに形成され、前記ムービングビット上面
の第一の受け部には複数条の溝が設けられており、この
溝内と前記分岐流路とは連通することを特徴とする。
【0020】また、前記ジョイントパーツを嵌入するた
めにマザービットに設けられたシャフト孔の内面には、
表面硬化処理と耐摩耗材料を溶射した耐摩耗処理とのい
ずれか又は両方が施されることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態について、添付図面を参照し詳細に説明する。図1乃
至図4に図示したように、本発明の一実施の形態による
リトラクトビットは、ダウンザホールハンマに直接組込
むマザービット1と、このマザービット1に組合せて使
用する複数個(例えば、2乃至3個)のムービングビッ
ト2と、マザービット1にムービングビット2を一定の
範囲で上下に回動自在に連結するジョイントパーツ3と
から構成される。図1(a)は、本発明の一実施の形態
によるムービングビットを2個備えたリトラクトビット
の一部縦断面図で、(b)は、その下面の平面図であ
る。図2は、図1(a)の側面図である。図3(a)は
本発明の一実施の形態によるムービングビットを3個備
えたリトラクトビットの一部縦断面図で、(b)は
(a)の下面の平面図である。図4は、図3(a)のA
−A断面図である。マザービット1及びムービングビッ
ト2には、タングステンカーバイトなどの超硬合金材料
からなるメタルチップ4が植え付けられている。
【0022】マザービット1の底面には複数個の収納溝
5を設け、それぞれの収納溝5にムービングビット2を
嵌め込む。このように所定の位置に配置すると、マザー
ビット1及びムービングビット2には、両者を貫通する
シャフト孔6が設けられている。そのシャフト孔6にジ
ョイントパーツ3を挿入してジョイントパーツ3を回転
軸とし、マザービット1にムービングビット2を回動自
在に連結する。シャフト孔6は、ムービングビット2の
重心よりもマザービット1の内方側に偏心するように配
置されており、これによって、マザービット1の引上げ
時にムービングビット2が自重により自動的に縮径方向
に回転し易くする一方、地面からの土圧が作用したとき
ムービングビット2が拡径の方向に回転し易ようになっ
ている。ジョイントパーツ3に関しては、後で詳細に説
明する。また、複数のムービングビット2は、マザービ
ット1の回転中心軸に対しシンメトリックに配置するこ
とが望ましい。これは、ボーリングマシンの押し下げ・
引上げの給進力や回転力がリトラクトビットに対し均等
にかかり、孔曲りしないためである。
【0023】図5は、本発明の一実施の形態によるリト
ラクトビットの動作説明図で、(a)はリトラクトビッ
トが連行するケーシング9内に引込まれた状態を、
(b)は所定位置にセットされリトラクトビットの先端
がケーシング9先端から突出した状態を示す。図6は、
図5に引続く動作説明図で、(a)はリトラクトビット
が掘削面に押付けられ拡径した状態を、(b)はボーリ
ング孔内でリトラクトビットがケーシング内に引込まれ
縮径した状態を示す。図7は、拡径したリトラクトビッ
トと連行するケーシング外径との関係を示す図で、
(a)はその一部縦断面図で、(b)は両者の外径を示
す図である。
【0024】前記リトラクトビットは、ダウンザホール
ハンマ8に組込まれる。リトラクトビットが引上げられ
たときには、図5の(a)に示すように、ムービングビ
ット2は、自重により自動的に首を垂れたように下方向
きに下限まで回転しマザービット1の外径7以下まで内
側に縮み、いわゆる縮径状態となる。この縮径状態で
は、ケーシング9の内部をリトラクトビットが充分通過
できる。図5の(b)に示す所定位置にセットされた状
態から全て押し下げられムービングビット2が地面の掘
削面に当たると、図6の(a)に示すように、ムービン
グビット2は外側に押し広げられる方向に回転して拡径
状態になる。この拡径状態では、図7(a)及び(b)
に示すように、ムービングビット2はケーシング9の外
径Dよりも僅かに外側に広がっており、マザービット1
の中心を回転軸として回転させることによってムービン
グビット2の先端が描く円はケーシング9の外径Dより
も僅かに大きい。従って、この状態でボーリング操作を
行えば、比較的回転抵抗も小さく、ケーシング9には特
別な刃先などを取付けることなく掘削ができるととも
に、ケーシング9をボーリング孔に確実にセットするこ
とができる。所定のボーリング作業が終了後、ダウンザ
ホールハンマ8を地上方向に引上げると、図6の(b)
に示すように、ムービングビット2は下方向き下限まで
回転し縮径状態となる。そこで、ケーシング9をボーリ
ング孔内に残したままダウンザホールハンマ8をリトラ
クトビットと共に地上に回収することができる。
【0025】ムービングビット2の拡径が確実に行われ
るようにするため、ムービングビット2が上限まで回転
した拡径状態では、図8の(a)に示すように、いずれ
もボーリング孔底接触面であるムービングビット2の底
面11がマザービット1の底面12よりも先行する下方
に位置する。このため、また、ボーリングマシンによる
押付け力やドリルストリングスの重量によって、ムービ
ングビット2はマザービット1に確実に密着し易くな
り、この密着摩擦力及びムービングビット2及びマザー
ビット1の後述する力学的に理想的な特殊な形状構成に
より、ジョイントパーツ3は、ダウンザホールハンマ8
により発生する回転や衝撃によって生じる捩り力から絶
縁される。もし、ムービングビット2の底面11がマザ
ービット1の底面12よりも後退した上方の位置にある
と仮定すると、図8の(b)に示すように、地質条件に
よっては、ムービングビット2は中途半端な位置に留ま
りマザービット1に密着しないため、ダウンザホールハ
ンマ8により発生する回転や衝撃によって生じる捩り力
等の過大な力がジョイントパーツ3にかかってしまう。
このとき各チップ4は、軌跡40を描くように不規則に
運動する。
【0026】マザービット1にムービングビット2を回
動自在に連結するジョイントパーツ3として、図9の
(a)に示すように、シャフト13を使用することがで
きる。この場合、ムービングビット2に貫通するシャフ
ト孔6aは、シャフト13に対して必要充分な適宜クリ
アランスを有する内径を確保し、これによって、ムービ
ングビット2にかかる捩りや衝撃から絶縁される。も
し、マザービット1に加工された収納溝5の内面又はム
ービングビット2の外面が摩耗した場合、図9の(b)
に示すように、ムービングビット2は収納溝5内での移
動量(ガタ)が拡大し、これによりシャフト13をせん
断しようとする力40及び50やシャフト13に与える
振動60によりシャフト13が破損する危険性がある。
このように、シャフト13には、振動による疲労や発熱
及びせん断力に対する充分な強度を持った材質と表面処
理加工が要求される。
【0027】そこで、ジョイントパーツ3として、シャ
フト13の代わりに、複数の鋼球14を使用する。この
鋼球14は、マザービット1とムービングビット2を貫
通するシャフト孔6及び6aの内径(同径でよい)以下
の直径を有する。シャフト孔6の一端はマザービット1
の外径側に開口しているが、他端はマザービット1の外
径側に開口してもよく、また図9の(c)に示すよう
に、鋼球14を受ける球面形状の鋼球受け部15として
非開口としてもよい。鋼球14はシャフト孔6内にマザ
ービット1の外径側開口部から挿入することができる。
挿入された鋼球14群は、図9の(c)及び図10の
(a)に示すように、ブッシュ16とスナップリングな
どの止め金具17により封入されてシャフト同様のジョ
イント機能を持たせる。また、鋼球14間のガタをなく
してジョイント機能及び寿命を向上させるため、図10
の(b)に示すように、押スプリングなどの弾性部材1
8及びリテーナ19によって鋼球14群を鋼球受け部1
5側に適宜の大きさで押付け、いわゆる適宜予圧を与え
封入する構成とすることが望ましい。鋼球14は、一般
に知られた軸受鋼等の硬質材からなる。このように、シ
ャフト13の代わりに、複数の鋼球14を使用すること
によりジョイントパーツ3にかかるせん断力に対して大
変強い構造を低廉に得ることができる。すなわち、図9
の(c)に示すように、ムービングビット2に横方向の
回転力がかかり、シャフト孔6と6aの中心軸がずれた
状態になっても、鋼球14はその相対的な位置を移動さ
せ、前記横方向の力に柔軟に対応する。また、鋼球14
同士、あるいはシャフト孔6、6aとは点接触であるた
め摩擦による発熱も少ない。さらに万一、1個の鋼球1
4にせん断力が集中しても、その球形状により力が分散
され、鋼球14を破断させることはほとんどない。
【0028】収納溝5やシャフト孔6、6aの内面、特
に鋼球受け部15の凹面側は、耐磨耗性を向上させるた
め、図11に示すように、一般的な表面硬化処理20、
又は必要に応じて表面硬化処理20の上に耐摩耗材料を
溶射した耐摩耗処理21を2重に施すことが望ましい。
【0029】ムービングビット2には、その上面に、マ
ザービット1から伝達されるダウンザホールハンマ8の
打撃力(又はその反力としての土圧)を受ける第一の受
け部22を有し、第一の受け部22は、ムービングビッ
ト2が上端まで回転するとマザービット1の収納溝5の
上面に設けた第一の受け面28に密着する。また、マザ
ービット1には、例えば図13に示すように、マザービ
ット1の軸方向に沿って空気流路30が形成されるとと
もに、この空気流路30から分岐してムービングビット
2側に向かって伸びる分岐流路30aが形成されてい
る。ムービングビット2上面の第一の受け部22には、
複数条の溝23が設けられており、溝23内と分岐流路
28aとは連通するよう構成されている。ムービングビ
ット2が上端まで回転しマザービット1に密着したと
き、溝23内にマザービット1の分岐流路30aから供
給されるエア流が通過して外部に放射される。これによ
って第一の受け部22に挟み込まれムービングビット2
とマザービット1との密着を妨げる土砂を吹き飛ばすと
ともに、第一の受け部22を冷却する。
【0030】図12は、本発明の一実施の形態によるム
ービングビット2の詳細図で、(a)、(b)及び
(c)はそれぞれ縦断面図、側面図及び下面平面図を示
す。ムービングビット2の内側後端部には、第二の受け
部24が突出して設けられている。図13に示すよう
に、ボーリング時にムービングビット2に上向き方向に
過回転力25がかかる。このとき、ムービングビット2
には、その上部外側寄り第一の受け部22の支点26を
中心に反時計回りの方向に回転力27が作用する。第二
の受け部24の下面には、第二の受け部24に接するマ
ザービット1の第二の受け面28aによって、回転力2
7に対向する抵抗力(反力)29が作用する。このよう
にして上向き方向の過回転力25による反時計回り方向
の回転力27をムービングビット2の第一の受け部22
及び第二の受け部24でそれぞれ受止めることにより、
ジョイントパーツ3が過回転力25を受けないように構
成されている。
【0031】さらに、ムービングビット2の対向面の横
幅は、図14の(a)に示すように、内側の第二の受け
部側31で広く、外側のゲージ側32で狭いテーパ面形
状を有する。また、マザービット1の収納溝5の側面も
ムービングビット2の形状に呼応して、図14の(b)
に示すように、中心側で広く、外径側で狭いテーパ面形
状を有する。このような構成により、ムービングビット
2が外側に押し出される外力を受けても、収納溝5部の
側面で外力が受止められることにより、ジョイントパー
ツ3にはその外力を受けないようになっている。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明した本発明によれば、
下記のような従来にない優れた効果を奏する。 (1)ボーリングマシンの回転力より遥かに大きな給進
力(ダウンザホールハンマの押し下げ又は引上げ力)を
利用してビットの拡縮を自動的に行わせるように構成し
たので、孔底の状態にかかわらず確実に拡縮を行うこと
ができる。 (2)また、ボーリングマシンのいずれの回転方向又は
回転なしでも拡径状態で使用することができるため、従
来のように、左右各回転用の異なった部品を組合せる煩
雑さがない。
【0033】(3)複数のムービングビットは、マザー
ビットの回転中心軸に対しシンメトリックに配置してい
るので、ボーリングマシンの押し下げ・引上げの給進力
や回転力がリトラクトビットに対し均等にかかるため直
進性がよく、孔曲りしない。
【0034】(4)ムービングビットは、ケーシングか
ら外側に僅かな側面部が突出しているだけなので、従来
に比べ回転抵抗が小さい。
【0035】(5)ムービングビットが掘削面に直接押
付けられことにより拡径する構造であるため、パイロッ
トビットが不要であり、小型軽量である。 (6)マザービット、ムービングビット及びジョイント
パーツの3つの部品構成であるため、従来の形式より単
純な構造であり、加工も容易である。 (7)複数のムービングビットは同一の形状であっても
よいため、量産効率も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施の形態によるムービ
ングビットを2個備えたリトラクトビットの一部縦断面
図で、(b)は、(a)の下面の平面図である。
【図2】図1(a)の側面図である。
【図3】(a)は本発明の一実施の形態によるムービン
グビットを3個備えたリトラクトビットの一部縦断面図
で、(b)は(a)の下面の平面図である。
【図4】図3(a)のA−A断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるリトラクトビット
の動作説明図で、(a)はリトラクトビットが連行する
ケーシング内に引込まれた状態を、(b)は所定位置に
セットされリトラクトビットの先端がケーシング先端か
ら突出した状態を示す。
【図6】本発明の一実施の形態によるリトラクトビット
の動作説明図で、(a)はリトラクトビットが掘削面に
押付けられ拡径した状態を、(b)はボーリング孔内で
リトラクトビットがケーシング内に引込まれた状態を示
す。
【図7】本発明の一実施の形態による拡径したリトラク
トビットと連行するケーシング外径との関係を示す図
で、(a)はその一部縦断面図で、(b)は両者の外径
を示す図である。
【図8】(a)は、本発明の一実施の形態によるマザー
ビットとムービングビットがボーリング孔底に押付けら
れた状態の位置関係を示す一部縦断面図である。(b)
は、マザービットとムービングビットの位置関係が本発
明の要旨と相違した場合にジョイントパーツに負荷が掛
ることを例示した説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるジョイントパーツ
に関する説明図で、(a)はジョイントパーツとしてシ
ャフトを使用した場合を、(b)はジョイントパーツの
シャフトに掛る力関係を、(c)はジョイントパーツと
して鋼球を使用した場合で、マザービットとムービング
ビットのシャフト孔が偏芯した場合に鋼球が位置を変え
てその偏芯力に抗していることを示す。
【図10】本発明の一実施の形態によるジョイントパー
ツの詳細図で、(a)はその一例を、(b)は他の一例
を示す。
【図11】本発明の一実施の形態によるジョイントパー
ツとして鋼球を使用する場合、マザービットの玉受け部
に表面硬化処理を施す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態によるムービングビッ
トの詳細図で、(a)、(b)及び(c)はそれぞれ縦
断面図、側面図及び下面平面図を示す。
【図13】ボーリング作業中に本発明の一実施の形態に
よるムービングビットにかかる荷重に関する説明図であ
る。
【図14】本発明の一実施の形態によるムービングビッ
トとこれを抱き込むマザービットの形状の特徴を示す説
明図で、(a)はムービングビットの形状を、(b)は
マザービットの一部断面形状を示す。
【図15】従来のリトラクトビットの一例を示し、
(a)は偏芯リーマ式リトラクトビットの説明図で、
(b)はその下面の一部平面図である。
【図16】従来のリトラクトビットの一例を示し、
(a)は複数偏芯ビット式リトラクトビットの説明図
で、(b)はその下面の一部平面図である。
【図17】従来のリトラクトビットの一例を示し、
(a)は複数扇型子ビット式リトラクトビットの説明図
で、(b)はビットの拡径状態を、(c)はビットの縮
径状態を示す。
【図18】従来のピンヒンジリーマ式リトラクトビット
の説明図である。
【図19】従来のテーパリーマ式リトラクトビットの説
明図である。
【符号の説明】
1 マザービット 2 ムービングビット 3 ジョイントパーツ 4 メタルチップ 5 収納溝 6、6a シャフト孔 7 マザービットの外径 8 ダウンザホールハンマ 9 ケーシング 10 ムービングビットの外径 11 ムービングビットの底面 12 マザービットの底面 13 シャフト 14 鋼球(群) 15 鋼球受け部 16 ブッシュ 17 (スナップリングなどの)止め金具 18 (押スプリングなどの)弾性部材 19 リテーナ 20 表面硬化処理 21 耐摩耗処理 22 (ムービングビットの)第一の受け部 23 溝 24 (ムービングビットの)第二の受け部 25 (ムービングビットへの)回転力 26 (ムービングビットの)支点 27 (ムービングビットの)回転方向 28 (マザービットの)第一の受け面 28a (マザービットの)第二の受け面 29 (ムービングビットへの)抵抗力(反力) 30 空気流路 30a 分岐流路 31 ムービングビット(第二の受け部側)の横幅 32 ムービングビット(ゲージ側)の横幅 40 (チップの)軌跡 D ケーシングの外径

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダウンザホールハンマに直接組込むマザ
    ービットと、 このマザービットに上下方向に回転可能に取付けられて
    拡縮作動する複数個のムービングビットと、 マザービットの引上げ時にムービングビットが縮径方向
    に回転する一方、地面からの土圧が作用したときムービ
    ングビットが拡径の方向に回転するようにムービングビ
    ットをマザービットに連結するジョイントパーツとから
    なることを特徴とするリトラクトビット。
  2. 【請求項2】 前記ジョイントパーツは、ムービングビ
    ットの重心よりもマザービットの内方側に偏心するよう
    に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリ
    トラクトビット。
  3. 【請求項3】 前記縮径状態及び拡径状態のいずれにお
    いても、ムービングビットの底面がマザービットの底面
    よりも下方に位置することを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載のリトラクトビット。
  4. 【請求項4】 ムービングビットが拡径したときムービ
    ングビットの上面に設けた第一の受け部が当接して土圧
    を受ける第一の受け面と、拡径方向の回転によってムー
    ビングビットの後端に突設した第二の受け部が当接して
    ムービングビットの回転を停止させる第二の受け面とが
    前記マザービットに形成されており、 第一の受け面及び第二の受け面は、前記ムービングビッ
    トのジョイントパーツを挟んだ位置に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記
    載のリトラクトビット。
  5. 【請求項5】 前記ムービングビットを個々に収納する
    収納溝がマザービットに形成されており、前記ムービン
    グビット及び収納溝の対向面は、共にマザービットの外
    側に向かって徐々に接近するテーパ面となっていること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のリトラクト
    ビット。
  6. 【請求項6】 前記ジョイントパーツは、マザービット
    へのムービングビット連結方向に沿って一列に並べられ
    た鋼球群であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載のリトラクトビット。
  7. 【請求項7】 前記ジョイントパーツは、マザービット
    へのムービングビット連結方向に沿って一列に並べられ
    た鋼球群と、 鋼球群における隣接する鋼球が相互に接触するように予
    圧を与える弾性部材とを備えていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載のリトラクトビット。
  8. 【請求項8】 前記マザービットの軸方向に沿って空気
    流路が形成されるとともに、この空気流路から分岐して
    前記ムービングビット側に向かって伸びる分岐流路がマ
    ザービットに形成され、 前記ムービングビット上面の第一の受け部には複数条の
    溝が設けられており、 この溝内と前記分岐流路とは連通することを特徴とする
    請求項1乃至請求項7に記載のリトラクトビット。
  9. 【請求項9】 前記ジョイントパーツを嵌入するために
    マザービットに設けられたシャフト孔の内面には、表面
    硬化処理と耐摩耗材料を溶射した耐摩耗処理とのいずれ
    か又は両方が施されることを特徴とする請求項1乃至請
    求項7に記載のリトラクトビット。
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