JP2002247395A - イメージセッター及び該イメージセッターによる印刷版作成方法 - Google Patents

イメージセッター及び該イメージセッターによる印刷版作成方法

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JP2002247395A
JP2002247395A JP2001038079A JP2001038079A JP2002247395A JP 2002247395 A JP2002247395 A JP 2002247395A JP 2001038079 A JP2001038079 A JP 2001038079A JP 2001038079 A JP2001038079 A JP 2001038079A JP 2002247395 A JP2002247395 A JP 2002247395A
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Toshio Takahata
傳 ▲高▼畑
Tsutae Takahata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、あらかじめ設定した基準印
刷カラーチャートと目視的に略同一な発色を再現させる
印刷版を出力することが可能なイメージセッター及び該
イメージセッターを用いた印刷版作成方法を提供する。 【解決手段】 知覚的に配列された各色についてRGB
分光波長の割合に基づいたコードが付されたカラーモデ
ルを用いたイメージセッター1であって、画像が入力さ
れる画像入力部2と、この画像入力部2に入力された画
像を構成する各色についてRGBの分光波長の割合を求
めるRGBデータ取得部3と、このRGBデータ取得部
3で求められたRGBの分光波長の割合とカラーモデル
に基づいて画像を構成する各色それぞれにRGBコード
(R,G,B)を与えるコード付与部4と、白色を示す
RGBコードとコード付与部4で付与されたRGBコー
ドの差からネガコード(−R,−G,−B)を求め、こ
のネガコードの数値をC版M版Y版の網点%としてCM
Y版を作成する版作成部6とを少なくとも備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はイメージセッターに
係り、特に、色分解を簡単に行うことができるととも
に、印刷物上に原稿と略同一の発色を再現させる版を出
力することが可能なイメージセッター及び該イメージセ
ッターを用いた印刷版作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷物は、版にインキを着けてこれを紙
等に転移させることにより行われるものである。カラー
画像の印刷を行う場合には、一般的に、シアン(C)、
マゼンタ(M)、イエロー(Y)および墨(K)の4色
のインキが用いられ、これらのインキを組み合わせるこ
とにより、種々の色が再現されるものである。
【0003】カラー画像を印刷するときには、原稿とな
るカラー画像の色を、シアン(C)、マゼンタ(M)、
イエロー(Y)に分解し、この色分解に対応して、シア
ン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の網点分色
版を使用して作成されるものである。なお、墨(K)の
網点分色版は、CMYが等量に重なる部分において使用
される。
【0004】色分解について、従来の手法として、例え
ば製版カメラを使用する方法がある。製版カメラを使用
する方法では、原稿を製版カメラで撮影し、カメラのレ
ンズとカラーフィルタをとおして原稿の画像を感光材に
露光させ、原稿をシアン、マゼンタ、イエローに分解す
る作業が行われていた。
【0005】また、従来の手法として、スキャナによる
色分解では、光電走査によって原稿からRGB信号を発
生させ、このRGB信号に基づいて、濃度域のセットア
ップ、グラデーションカーブの設定、色修正、K版の設
定、下色除去(UCR)、シャープネスなどの画像処理
を行い、その後、CMYK版への露光を行っていた。
【0006】上記スキャナによる色分解において、最近
では、網点階調への置き換えを行うためのドットジェネ
レータを搭載したデジタルスキャナや、レイアウトの調
整を可能とするレイアウトステムを搭載したレイアウト
スキャナなどが開発されているが、色分解に関しては、
原稿を透過(反射)する色分解フィルターを用いて行う
手法であることに変わりなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、原稿を
透過(反射)する色分解フィルターを用いて色分解を行
う方法とは異なる他の方法として、コンピュータに画像
データを取り込み、コンピュータのアプリケーションを
使用して色分解を行う、いわゆるソフトRIP方式が知
られている。
【0008】ソフトRIP方式では、コンピュータのア
プリケーションに、予め、RGBからCMYKへの変換
テーブルが用意されており、この変換テーブルを用いて
RGBモードからCMYKモードへの変換が行われるも
のである。
【0009】ソフトRIP方式を採用することにより、
色分解フィルターを用いることなく色分解を行うことが
可能となった。しかし、RGBからCMYKへの変換テ
ーブルについては、アプリケーションによって異なるこ
とが多く、ユーザ間で別のアプリケーションを使用して
いる場合は、データを共有することができず、また、多
種のシステムを連結したときの色合わせが困難になると
いう問題があった。
【0010】また、従来用いられていた変換テーブル
は、W−R=C、W−G=M、W−B=Yの原則に乗っ
取ったものではなく、補色の原則を崩した数値をRGB
に加えることによってCMYKへの変換を行っているも
のであり、正しい補色による網点分色版を得ることがで
きないという問題があった。
【0011】上記手法の他、RGBからCMYKへの変
換に当たって、RGBデータを、一旦CIE/XYZや
L*a*bのデバイスインデペンデントといわれる色空
間に変換してから、CMYKに置き換える方法があっ
た。
【0012】しかし、上記CIE表色系は、特定の暗黒
観測条件のもとで図る色差値であって、現実に人が物体
を見る環境条件下での色の見えについては何も考慮され
ていない。つまり、暗いところで放射されて計測された
光の色と、実際に明るい所で目で認識される色とは異な
るものであり、この方法では、見た目の発色を忠実に印
刷物上に再現することができなかった。
【0013】或いは、上記CIE表色系に代わって、I
SO/JIS−SCIDや、高精細標準画像(SHIP
P)が規格化されている。ISO/JIS−SCIDは
デジタルデータで記述された国際標準画像であり、カラ
ーマネジメントシステム(CMS)、印刷、ハードコピ
ー画像の伝送、圧縮等の分野において、画像処理のアル
ゴリズムの評価や、出力デバイスの画質比較などを目的
として使用され、各種デバイスにおいて共通に使用でき
るという点で、極めて有用な標準画像である。
【0014】しかし、ISO/JIS−SCIDは8b
it/Channnelであるため、さまざまな画像処
理過程において、無視できない変換誤差や量子化誤差な
どが発生するという問題があった。
【0015】また、高精細標準画像(SHIPP)は、
XYZ(16bit)、CIE−Lab(8bit)
と、ITU−RBT.709に従うCalibrate
d−RGB(8bit)で表現され、4種の自然画像と
1種のカラーチャートが作成された構成とされている
が、色変換と、印刷技術上の画像の階調、シャープネ
ス、質感、金属光沢、反射等とが混同されていた。
【0016】現在の色彩論は、色覚と形態・明暗覚とを
分けて扱っているのであって、開口色として「光を発す
る物体が何であるかという知覚を生じないような条件」
を必要としている。したがって、画像の処理においても
発色は、材質感、シャープネス、金属光沢、明暗階調と
分離して扱うことが必要である。
【0017】図8に示すように、ヒトの目には左右それ
ぞれの網膜に、約600万の錐体細胞と、1億2000
万の桿体細胞があり、錐体は中央部に桿体は周辺部に配
置されている。2種の受容器システムは互いに異なった
働きを補足しあっており、錐体はR,G,Bの3種の細
胞がそれぞれ長波長、中波長、短波長に感度を持ち、分
色情報を大脳視覚野に伝達する。これに対し、桿体細胞
1個は錐体より約500倍もの光に対する感度を持つ
が、色の感受性は持っていない。
【0018】目が受容する光の強さは、瞳孔が絞りの働
きをしてコントロールしており、目の中央部には錐体が
集中していることから、明順応下では光の変動にかかわ
らず色恒常性が保たれる。
【0019】本発明は、日常の明るさ環境において使用
するコンピュータディスプレイや印刷物の発色は、光の
強さに比例して変動するのではなく、L値一定の条件内
において、R,G,B値の3次元ベクトルによって構成
する色空間で表現可能であるとの設定で行うものであ
る。
【0020】本発明の目的は、あらかじめ設定した基準
印刷カラーチャートと目視的に略同一な発色を再現させ
る印刷版を出力することが可能なイメージセッター及び
該イメージセッターを用いた印刷版作成方法を提供する
ことにある。
【0021】本発明の他の目的は、コンピュータシステ
ムにおけるデータの共有化を容易にするイメージセッタ
ー及び該イメージセッターを用いた印刷版作成方法を提
供することにある。
【0022】本発明の他の目的は、従来用いられていた
ような色分解フィルターを用いることなく、知覚的に配
列した顕色系カラーモデルを用いてRGBからCMYK
への変換を簡単に行うことが可能なイメージセッター及
び該イメージセッターを用いた印刷版作成方法を提供す
ることにある。
【0023】本発明の他の目的は、デジタルデータから
なる画像の扱いが容易なイメージセッター及び該イメー
ジセッターを用いた印刷版作成方法を提供することにあ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】前記課題は、請求項1に
係る発明によれば、知覚的に配列された各色についてR
GB分光波長の割合に基づいたコードが付されたカラー
モデルを用いたイメージセッターであって、画像が入力
される画像入力部と、該画像入力部に入力された画像を
構成する各色についてRGBの分光波長の割合を求める
RGBデータ取得部と、該RGBデータ取得部で求めら
れたRGBの分光波長の割合と前記カラーモデルに基づ
いて前記画像を構成する各色それぞれにRGBコード
(R,G,B)を与えるコード付与部と、白色を示すR
GBコードと前記コード付与部で付与されたRGBコー
ドの差からネガコード(−R,−G,−B)を求め、該
ネガコードの数値をC版M版Y版の網点%としてCMY
版を作成する版作成部と、を少なくとも備えた、ことに
より解決される。
【0025】印刷版を出力するためには、C,M,Y分
色データを必要とするが、本発明によればこれをR,
G,Bのデータによって記述することが可能となるもの
である。C,M,Y分色データをR,G,Bのデータに
よって記述する方法は次の通りである。
【0026】C,M,Yは、C=G+B、M=R+B、
Y=G+Rのように、R,G,Bのうち2色を組み合わ
せた発色となっているが、版を作るには一色のデータに
よって記述させることが必要である。
【0027】パソコンのモニターなど、画面がホワイト
に発色している場合は、すでにR=100%、G=10
0%、B=100%が放射されているのだから、−Rを
コントロールすることで+Cが、−Gをコントロールす
ることで+Mが、−Bをコントロールすることで+Yが
記述・表示できる。
【0028】これは、従来のように+R,+G,+Bを
+C,+M,+Y,+Kに変換するのではなく、−R,
−G,−Bデータをネガ・ポジの関係において+C,+
M,+Yと置き換えているのである。したがって、フィ
ルム出力では、−RデータをC版として出力してCイン
キで印刷、−GデータをM版として出力してMインキで
印刷、−BデータをY版として出力してYインキですり
重ねることになる。
【0029】このように、本発明のイメージセッターで
は、RGB分光波長の割合に基づいて、原稿の色を構成
するRGBにコード(R,G,B)を与え、このコード
(R,G,B)から算出されるネガコード(−R,−
G,−B)に基づいて、−RからC版、−GからM版、
−BからY版を作成するように構成されており、すべて
RGBモードで処理を行っているので、正しい補色の印
刷網点からなる印刷版を得ることができ、印刷物上に原
稿と同一の発色を容易に再現することが可能となる。
【0030】また、画像を構成する色に付与されるデー
タは、一定の法則に従って均等に配列されたデジタルコ
ードであるため、コンピュータでの扱いが容易であり、
複数のコンピュータ間におけるデータの共有化も容易と
なる。
【0031】また、本発明のイメージセッターは、無彩
色部分についてK版に置き換える範囲を決定するシャド
ー部判定部と、該シャドー部判定部の判定に基づいてK
版を作成するK版作成部とを備えており、印刷物の墨部
分については、K版を用いて、インキの使用量を減らす
とともに、墨部分の乾燥を良好にすることができるよう
に構成されている。
【0032】そして、印刷物のグレー部分について、色
の明るい部分からシャドーまでのグレーのバランスを、
K版で行うことができるように構成されている。
【0033】なお、印刷物のグレーバランスは、印刷段
階で使用する用紙、インキ、印刷方式によって変化す
る。シャープネスや質感について調整したい場合は、シ
ャドー部判定部において、K版に置き換える範囲を変更
すれば良い。
【0034】また、本発明のイメージセッターは、文字
情報を入力する文字情報入力部と、該文字情報入力部に
より入力された文字情報に基づいてK版を作成するK版
作成部とを備えており、文字部分については、三原色を
刷り重ねないように構成されている。
【0035】このため、文字部分について、細い画線の
ずれが目立つことなく、良好な仕上がりとなる。また、
印刷工程においても、3版を使用する手間や、インキの
無駄を省くことが可能となる。また、校正段階でも、文
字校正については1版で済ませることができ、作業の効
率を向上させることが可能となる。
【0036】本発明の印刷版作成方法は、原稿を読み込
み、該原稿に含まれる画像を構成する各色についてRG
Bの分光波長の割合を求め、該RGBの分光波長の割合
に基づいてコードを付与し、該コードと白色を示すコー
ドとの差から前記コードのネガコードを求め、該ネガコ
ードの数値をC版M版Y版の網点%としてCMY版を作
成するものである。
【0037】このとき、前記ネガコードが全て同一の数
値となった箇所を無彩色部分とし、該無彩色部分につい
てK版を作成したり、または、前記原稿に含まれる文字
についてK版を作成しても良い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等
は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内
で種々改変することができるものである。
【0039】図1乃至図9は、本発明のイメージセッタ
ー及び印刷版作成方法を示すものであり、図1は本発明
のイメージセッターの構成を示す説明図、図2は本発明
のイメージセッターによる印刷版作成方法を示すフロー
チャート、図3乃至図6は本発明で使用するカラーモデ
ルを示す説明図、図7はヒトの目の桿体と錐体の閾値を
示すグラフ図、図8はヒトの目の構造を示す説明図、図
9は画像の一例を示す説明図、図10は本発明のイメー
ジセッターを印刷システムに導入した構成を示す説明図
である。
【0040】本例のイメージセッター1は、原稿の画像
情報を入力する画像入力部2と、画像入力部2に入力さ
れた画像を構成する各色についてRGBの分光波長の割
合を求めるRGBデータ取得部3と、RGBデータ取得
部3で求められたRGBの分光波長の割合とカラーモデ
ルMに基づいて前記画像を構成する各色それぞれにコー
ドを与えるコード付与部4と、コード付与部4で付与さ
れたコードと白色を示すコードとの差を求めることによ
り、前記コードのネガコードを求めるネガコード形成部
5と、ネガコード形成部5で形成されたネガコードに基
づいてC版,M版,Y版を作成するためのデータを形成
する版作成部6と、CMYが等量で重なる部分を判定す
るシャドー部判定部7と、文字データ及びシャドー部判
定部7での判定結果に基づいて、K版を作成するK版作
成部8と、文字情報が入力される文字情報入力部9とを
備えている。
【0041】さらに、本例のイメージセッター1は、イ
メージセッターの制御を行う制御部10と、制御部10
への動作プログラム及びカラーモデルが格納されたHD
DやROMなどの記憶部11と、ユーザからイメージセ
ッターへの動作命令などを入力するための入力部12
と、作業データを記憶するRAM13と、版のイメージ
などを表示する表示部14と、版の出力を行う出力部1
5と、色校正を行うための色校正プリンター16と、を
備えている。
【0042】画像入力部2では、処理対象となるカラー
イラストなどのカラー原稿の情報が取り込まれる。画像
入力部2では、例えばスキャナーのように、カラー原稿
にスポット光を当てながら走査して画像データが取り込
まれる。
【0043】RGBデータ取得部3は、データ取得プロ
グラムを備え、このデータ取得プログラムに基づく制御
部10の動作により、画像入力部2から取り込まれた画
像について、画像を構成する各色のRGBのアナログデ
ータが求められる。本例では、RGBのアナログデータ
として、RGBの分光波長の割合が求められる。このよ
うにして得られたRGBのアナログデータは、一旦、R
AM13に記憶される。
【0044】コード付与部4は、コード付与プログラム
を備え、このコード付与プログラムに基づく制御部10
の動作により、上記RGBのアナログデータから、RG
Bのデジタルデータが求められ、(R,G,B)のコー
ドが付与される。本例では、カラーモデルMを使用し
て、各色について、RGBのアナログデータに基づくコ
ードが付与される。
【0045】ここで、本例のカラーモデルMについて説
明する。カラーモデルMとしては、既に本件出願人によ
り登録されているカラーモデルを使用するものとする
(特許第1971455号)。カラーモデルMは、例え
ばROM11に記憶されており、色変換を行うときにC
PUにより読み込まれて使用されるように構成されてい
る。
【0046】本発明におけるカラーモデルMは、ヒトの
目が色を認識する視覚システムに基づいて構築されてい
る。現実的にヒトが色を認識する環境とは、常に可視光
線が充満している環境である。
【0047】ヒトが生活する白色の包囲光中において
は、物体の色は、太陽光の放射を受け、特定波長を吸収
し他を反射する。ヒトの目は、この種々の媒質から反射
する電磁波中の可視光線波長を捉え、色として認識する
ものである。
【0048】ヒトの眼が受ける光の強度は莫大な量で、
痛みを伴わずに見ることのできる最大の光量は、目に見
える最低の光量の約1兆倍も強いといわれる。この非常
に大きな光量を調節するための絞り機能として、虹彩、
瞳孔が働き、さらに網膜では光感度が異なる錐体/桿体
2種の細胞による、明順応/暗順応によって光量の変化
に対応している。
【0049】目に取り入れられた光は、図7に示すよう
に、閾値7〜8の範囲の光については、明視順応とな
り、錐体細胞が光の波長に反応して、物体の色を知覚す
る。一方、閾値3〜6の範囲の光については、暗視順応
となり、主として桿体細胞が明暗感覚を認識する。
【0050】すなわち、一般に、スペクトルの単光色
は、その波長と放射量とによって物理的に完全に表され
る。放射量が適当な値であれば(明るさ一定、明順応視
の場合)、その波長に対応して色相感覚が生ずる。一
方、光の明るさがある値(色閾)以下になれば、もはや
色相感覚が生じなくなり、単に明暗感覚になることが知
られている。
【0051】ヒトの目において、物体の色は、種々の媒
質から反射された光を、L波長,M波長,S波長として
RGB三錐体によって受容し、L波長に感じるR視物
質、M波長に感じるG視物質、S波長に感じるB視物質
によって受容した色情報が大脳視覚野に伝達されて、認
識されるものである。
【0052】したがって、コンピュータでカラーを扱う
ときに使用するカラーモデルにおいても、従来のよう
に、明るさによって色が変化するという概念ではなく、
色覚恒常性を保つ、明順応した目の視覚閾における色の
表現をするものとして、一定の明度で、R・G・B信号
の変化によって発色するという概念に基づいて構築すれ
ば、実際の人間の目による色の知覚に最も近い表現とす
ることができると言えるものである。
【0053】本発明において使用するカラーモデルM
は、実世界のカラーの集合をデジタルデータ化したもの
である。カラーモデルMを構成する全ての構成要素は、
同一の法則に基づいて記号化されている。
【0054】カラーモデルMは、3次元空間において全
てのカラーを表示することを可能とするものであり、各
カラーには互いに独立したデジタルデータが与えられる
ように構成されている。カラーモデルMは、パソコン
や、プリンター、カラーコピー等を含むコンピュータシ
ステムに組み込まれて使用されるものである。
【0055】本例のカラーモデルMは、全ての色を、2
値データとしてコード化して表すものである。カラーモ
デルM上で表される色に付される2値データは、一定の
明度下での発色を前提とし、一定の明るさの下でのR/
G/Bの分光波長に基づいて、このR/G/Bの分光波
長を数値化するものである。
【0056】図3及び図4は、RGB3原色が、100
%または0%の2段階の変化をした場合に表現できる色
(すなわち、2=8色)により構成されたカラーモデ
ルMである。
【0057】上記8色を単純に等間隔に配列すると図3
のようになる。本例のカラーモデルMでは、色の選択や
対比をし易いように、次式に基づいて、図4に示すよう
な色立体を構成している。
【0058】
【数1】
【0059】なお、上記式において、Nは3原色が変化
した段階、6iはカラーモデルMにおける彩度iの色相
数、(N−i)は彩度iでの3原色の変化数を示すもの
である。
【0060】本例のカラーモデルMは、図4に示すよう
に、上部頂点をWとし、下部頂点をKとし、これらの頂
点から等距離・等間隔で、時計逆回りにR−Y−G−C
−B−Mの色が順に配列されるように構成されている。
【0061】図4のカラーモデルMに示されているよう
に、RGB3原色が、100%または0%の2段階の変
化をした場合には、前記したように8つの色が表現され
る。カラーモデルMに現れる各色について、RGBの分
光波長により示すと、以下のようになる。
【0062】R(レッド)=(R:100%,G:0
%,B:0%) G(グリーン)=(R:0%,G:100%,B:0
%) B(ブルー)=(R:0%,G:0%,B:100%) として表される。
【0063】また、W(ホワイト)=(R:100%,
G:100%,B:100%) K(ブラック)=(R:0%,G:0%,B:0%) として表される。
【0064】さらに、C(シアン)=(R:0%,G:
100%,B:100%) M(マゼンタ)=(R:100%,G:0%,B:10
0%) Y(イエロー)=(R:100%,G:100%,B:
0%) として表される。
【0065】本例のカラーモデルMでは、カラーモデル
M上に表される色について、それぞれの発色を決定する
RGBの割合、すなわち、上記のように物体から反射さ
れるRGBの分光波長(%)を数値化し、コードとして
各色に割り当てている。
【0066】図4に示すカラーモデルMを例とすれば、
RGBの分光波長(%)は、100%または0%の2段
階で変化するものであるため、カラーモデルM上に示さ
れる色にコードを付す場合には、図5に示すように、
0,1の2つの数字を使用する。図5では、各色につい
て、上段にRGBの分光波長(%)、下段にコードを表
示している。
【0067】したがって、W=R100%+G100%
+B100%については、コード(1,1,1)として
表される。また、K=R0%+G0%+B0%について
は、コード(0,0,0)として表される。
【0068】同様に、R(1,0,0)、G(0,1,
0)、B(0,0,1)、C(0,1,1)、M(1,
0,1)、Y(1,1,0)として表される。
【0069】なお、環境に存在する物体は、上記したよ
うに、単に100%吸収したり、或いは100%吸収し
ない(つまり100%反射する)のではなく、種々雑多
な吸収をし、それにより様々な発色をするものである。
物体における光の吸収率を細かく設定すれば、それだけ
多くの色がカラーモデルM上に表示されることになる。
【0070】例えば、物体による光の吸収率が、100
%,50%,0%の3段階で変化するものと想定すれ
ば、表示される色数は、3=27色となる。また、1
00%,75%,50%,25%,0%の5段階で変化
するものと想定すれば、表示される色数は、5=12
5色となる。
【0071】上記のように、物体による光の吸収率が、
100%,50%,0%の3段階で変化するものと想定
されたときは、各色は、2,1,0の3つの数字を組み
合わせたコードにより特定される。
【0072】また、物体による光の吸収率が、100
%,75%,50%,25%,0%の5段階で変化する
ものと想定されたときは、各色は、4,3,2,1,0
の5つの数字から3つを選択したコードにより特定され
る。
【0073】物体による光の吸収率が、100%,90
%,80%・・・のように、10%刻みで11段階で変
化する場合は、表示される色数は、11=1331色
であり、カラーモデルMとしては、図6のようになる。
【0074】上記のように、物体による光の吸収率が、
100%,90%,80%・・・のように、10%刻み
で変化するものと想定されたときは、各色は、0,1
0,20,・・・80,90,100の11個の数字から
3つを選択したコードにより特定される。
【0075】このように、RGBの分光波長(%)の変
化の割合を設定することにより、カラーモデルM上に所
望の色を配置することが可能である。例えば、物体によ
る光の吸収率が1%刻みで変化するものと想定すれば、
現在のコンピュータグラフィックスやカラースキャナで
表現可能とされている100万色以上の色を表現でき、
さらにそれぞれの色について、全てRGBの分光波長
(%)に基づいた数値による座標値を与えることが可能
となる。
【0076】上記のように、物体による光の吸収率が、
1%刻みで変化するものと想定されたときは、各色は、
0,1,2,・・・98,99,100の101個の数字
から3つを選択したコードにより特定される。
【0077】このように、本例のカラーモデルMでは、
カラーモデルM上に表される全ての色について、数値化
されたコードとして表すことができる。カラーモデルM
内の全ての色について、数値コードが付されていること
により、コンピュータにおける処理が行いやすく、ま
た、複数のコンピュータに共通のカラーコードとして利
用することが可能となる。
【0078】ネガコード形成部5は、ネガコード形成プ
ログラムを備え、このネガコード形成プログラムに基づ
いて、制御部10により所定の色に付されたコード
(R,G,B)のネガコード(−R,−G,−B)が算
出される。
【0079】上記ネガコードは、所定の色に付されたコ
ード(R,G,B)と白色を示すコード(100,10
0,100)との差から得られるものである。ネガコー
ドは所定の色についての補色を示すコードとなるもので
ある。一般に、補色とは、光源色の場合は、加法混色に
よって、特定の白色刺激を作ることのできる2個の光の
色、と規定されており、物体色の場合は、減法混色によ
って、無彩色を作ることのできる2個の吸収媒質の色、
と規定されている。
【0080】本例のカラーモデルMでは、白色光は
(R,G,B)=(100,100,100)というデ
ジタルデータで表されているから、所定の色C
(R,G,B)のネガコード(−R,−G,−
B)は、 W(100,100,100)−C(R,G,B
)=[(100−R),(100−G),(10
0−B)] として求められる。
【0081】包囲光・暗黒中で白色刺激が見えるのは、
R/G/Bが等量に加えられた場合であって、R+G+
B=W,この内2個の光によって白色刺激を作ることを
記号化すると、 R+(G+B)=W、G+(R+B)=W、B+(R+
G)=Wとなる。
【0082】(G+B)=C、(R+B)=M、(R+
G)=Yであるとすれば、白色刺激を作る2個の色は、
R+C=W、G+M=W、B+Y=Wとなり、RとC、
GとM、 BとYはそれぞれ補色である。
【0083】一方、包囲光・白色の場合では、すでにR
/G/B光に満ちた環境の中に存在する吸収媒質は、W
−R=C/W−B=Yであり、C+M+Y=Kこの内2
個の吸収媒質による混色は、C+(M+Y)=K、M+
(C+Y)=K、Y+(M+C)=Kとなる。M+Y=
R、C+Y=G、M+C=Bであるから、W−(C+
R)=K、W−(M+G)=K、W−(Y+B)=Kと
なり、CとR、MとG、YとBはやはり補色の関係にあ
る。
【0084】このように、補色とは、包囲光・暗黒中で
は、R/G/B光をベクトル加法してWになる2色をい
い、色立体の中心に対して点対称をなす。よって、カラ
ーモデルMにおいては、所定の色(R,G,B)の補色
は、(100−R,100−G,100−B)となるも
のである。
【0085】また、包囲光・白色中では、W−R=C/
W−G=M/W−B=Yをベクトル加法するとKとな
る。WとKも互いに補色であり、しかもネガとポジの関係
にあることがわかる。
【0086】本例は、上記補色の関係を利用し、印刷版
を作成するときに、従来のような変換テーブルや測定値
を用いてRGBからCMYへの変換をするのではなく、
画像のRGBコードを直接利用して印刷版を作成するも
のである。
【0087】印刷版の作成について具体的事例に基づい
て説明する。例えば、図9に示すように、画像中の所定
のポイントPのRGBコードが、(R,G,B)=
(70,40,30)であった場合について説明する。
【0088】まず、ポイントPのRGBコード(7
0,40,30)のネガコード(−R,−G,−B)を
求める。ネガコードは、白色を示すコード(100,1
00,100)とRGBコード(70,40,30)と
の差を求めることにより得られる。
【0089】ポイントPのネガコード(−R,−G,
−B)は、(100−70,100−40,100−3
0)=(30,60,70)として求められる。本例の
イメージセッターは、このようにして求められたネガコ
ード(−R,−G,−B)の数値を、C版M版Y版の網
点%として、CMY版を作成するものである。
【0090】このとき、−R=C版、−G=M版、−B
=Y版として作成される。すなわち、C版は30%の網
点密度、M版は60%の網点密度、Y版は70%の網点
密度になるように作成される。
【0091】このようにして、全ての色についてRGB
コードからネガコードが求められ、ネガコードからCM
Y版の網点%が決定される。このように、原稿の色を示
すRGBコードに基づいて印刷版が作成されるので、正
しい補色の印刷網点からなる印刷版を得ることができ、
これらの印刷版をすり重ねることにより、印刷物上に原
稿と略同一の発色が再現されることとなる。
【0092】なお、版が作成されたとき、その版を使用
したときのイメージを、表示部14に表示する構成とし
ても良い。このような構成とすることにより、表示部1
4を見ながら、版の大きさや、画像の状態を調整するこ
とが可能となる。
【0093】シャドー部判定部7は、画像のなかの無彩
色部分を判定する。画像中で、RGBコードが(R,
G,B)=(0,0,0)となっているとき、この部分
は墨(K)で発色している。
【0094】このとき、ネガコードは、(−R,−G,
−B)=(100−0,100−0,100−0)=
(100,100,100)となる。したがって、C版
の網点%=100%、M版の網点%=100%、Y版の
網点%=100%となり、印刷物上で墨が発色する。
【0095】このとき、CMY版を使用して3色を重ね
ると、インキの量が多くなって乾きが遅くなったり、イ
ンキが無駄になるので、この無彩色の部分については1
00%の網点密度のK版を使用するものとする。
【0096】また、上記のように墨以外の部分でも、例
えば、(R,G,B)=(80,80,80)となって
いる部分は、発色としてはグレーになるものであるが、
このグレー部分についても、K版を使用することができ
る。この場合は、ネガコード=(100−80,100
−80,100−80)=(20,20,20)から、
20%の網点密度のK版を作成する。
【0097】なお、K版で刷るシャドーの範囲について
は、作成する絵柄やユーザの好みによって異なる。この
ため、K版への置き換えを行う範囲をどこまでにするか
について、ユーザからシャドー部判定部7へ、K版への
置き換え範囲を指定し、この範囲で判定がなされるよう
にしておくと良い。
【0098】例えば、ユーザが(R,G,B)=(5
0,50,50)から(0,0,0)までの範囲をK版
へ置き換えるものとするなら、その数値をマウスやキー
ボードなどの入力部12から入力する。そして、シャド
ー部判定部7は、入力された範囲内でK版へ置き換える
部分の判定を行う。
【0099】なお、印刷物に文字データが含まれる場
合、文字データは画像データとは別に扱われる。文字デ
ータは、文字情報入力部9に文字コードデータとして入
力される。
【0100】K版作成部8では、シャドー部判定部7に
おいて判定されたK版への置き換え範囲と、文字情報入
力部9に入力された文字コードデータについて、K版を
作成する。
【0101】このようにして、印刷版が作成され、出力
部15から出力される。なお、印刷工程に進む前に色校
正を行う必要がある場合は、色校正プリンター16を使
用して色校正を行う。
【0102】色校正プリンター16は、出力された各色
網版を使用して、実際の用紙上にインキを刷り重ねるも
のであり、網点による出力ができるように構成されてい
る。色校正プリンター16は、各版の網点が所定の%数
値で出力されていることが要求される。なお、色校正プ
リンター16から出力された発色が原稿と異なる場合
は、各版の網点を補正、変更することにより調整が行わ
れる。
【0103】なお、上記のように、原稿を取り込んで、
この原稿に基づいて印刷物を作成するのではなく、コン
ピュータで作成された画像を印刷物とする場合は、イメ
ージセッター1では次のようにして版が作成される。
【0104】ドロー系、レイアウト系ソフトで既にCM
YKとして入力されている場合、データは、そのままネ
ガ・ポジ変換することなく、データに従って、CMYK
版を作成し出力を行う。
【0105】また、コンピュータで作成された画像につ
いて、CMYKとして入力されていない場合でも、コン
ピュータで作成された画像は、ポジ(白バック)画面に
おいて、RGBの光が放射されており、この光の組合せ
によって様々な発色がなされているものである。よっ
て、画像を構成する光線について、RGBのアナログデ
ータが取得される。
【0106】このため、コード付与部4では、上記RG
Bのアナログデータから、RGBのデジタルデータが求
められる。RGBのデジタルデータが求められれば、あ
とは上記した実施例と同様に、RGBのネガコードを求
め、このネガコードの数値をC版M版Y版の網点%とし
てCMY版を作成すれば良い。
【0107】コンピュータで作成された画像について、
イメージセッター1から出力されたC版,M版,Y版,
K版を使用して印刷物を作成するとき、モニターに表示
されている画像が、印刷物上に忠実に再現されるよう
に、あらかじめ作成した基準印刷チャートによって、モ
ニターの見えと印刷網点発色をキャリブレーションして
おくと良い。
【0108】このとき、モニターの色補正あるいは色変
更作業は、基準印刷物104の網点%と比較しながら、
モニター画像の網点%をコントロールして行う。
【0109】網点%の補正を行う場合、CRTディスプ
レイとLCDディスプレイとでは発色が異なるので注意
する必要がある。このように、モニターに表示された画
像については、モニターの種類や機種によって見え方が
変わってくるため、どのような発色で印刷したいのか、
発色の基準を予め決めておくことが必要である。
【0110】なお、ペイント系ソフトを使用して画像を
作成し、この画像の発色について、基準印刷物の発色に
合わせるのではなく、モニター上の発色に合わせて出力
したい場合は、コンピュータに搭載されているカラーモ
デルを調整して、モニター上の画像を印刷したときに、
同イメージの印刷物が得られるようにする。
【0111】調整については、モニター上にカラーモデ
ルを表示させ、このカラーモデルを何度か印刷し、印刷
物とモニターに示されたカラーモデルが同一の発色にな
るまでカラーモデルの色を補正する。このとき、既に特
許出願し公開されている「色空間及びカラーチャート並
びにカラーピッカー」(特願平10−199464/特
開2000−20702)の補正計算式が有効である。
【0112】次に、上記イメージセッター1が使用され
る具体的実施例として、イメージセッターを使用した情
報カラーシステムSについて説明する。本例に示す情報
カラーシステムSは、図10に示すように、イメージセ
ッター1及びその周辺機器(図示せず)と、原稿100
と、コンピュータ101と、印刷機102と、色彩計測
器103と、を備えている。
【0113】本例の印刷システムSは、原稿またはモニ
ターの発色と同一な発色で、印刷物を出力することを可
能とするものである。前提として、色彩計測器を用い
て、次の3セットの発色を予め調整しておく。 1.基準印刷物104のカラーモデルM:用紙・インキ
・印刷方法を特定し、網点面積率の正確な版によってカ
ラーモデルMを印刷する。 2.モニターの発色の設定:白色度、輝度を印刷用紙に
合わせた画面に、カラーモデルMを表示し、基準印刷物
104のカラーモデルMの発色と同一になるように調整
する。なお、反射光と光源光との違いをなくすため、基
準印刷物104として、透明板に印刷したカラーモデル
Mを用いることも可能である。 3.プリンター,印刷機の発色の設定:カラーモデルM
を出力し、色彩計測器で計測し、基準印刷物104との
色差を求め、その発色が基準印刷物104のカラーモデ
ルMに近づくように、出力方法,インキ,用紙を選択す
る。
【0114】上記のように、基準印刷物104、コンピ
ュータ101のモニター、印刷機102またはプリンタ
ー105のようにメディア、発色原理の異なる物の色を
比較する方法として、本例では、三錐体細胞による色情
報のみに限定して行う。すなわち、照度一定の状態で、
RGB信号の平滑な増減によって発色する状態を比較す
る。
【0115】上記設定が完了したら、原稿100から、
コンピュータ101またはイメージセッター1へ画像デ
ータの取り込みを行う。原稿100としては、紙上に表
された画像、デジタルカメラなどで撮影した画像、或い
は、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体に記
憶された画像データ等がある。なお、画像データは、本
例の情報システムにおけるカラーモデルMに基づいて作
成されたものが好ましいが、他のカラーモデルを用いて
作成されたものでも良い。
【0116】イメージセッター1において、画像データ
は画像入力部2から取り込まれる。画像を取り込むため
には、具体的手段として、例えばスキャナーが用いられ
る。
【0117】イメージセッター1に取り込まれた画像
は、図2のフローチャートに示されているステップを経
て、CMYK版として出力される。イメージセッター1
における印刷版作成方法は、次の通りである。
【0118】先ず、画像入力部2により画像が入力され
ると(ステップS1)、RGBデータ取得部3が画像入
力部2に入力された画像を構成する各色についてRGB
の分光波長の割合を求める(ステップS2)。
【0119】次いで、コード付与部4がRGBデータ取
得部3で求められたRGBの分光波長の割合と前記カラ
ーモデルに基づいて前記画像を構成する各色それぞれに
コード(R,G,B)を与える(ステップS3)。次
に、ネガコード形成部5が、コード付与部4で付与され
たコードと白色を示すコードとの差を求めることによ
り、ネガコード(−R,−G,−B)を求める(ステッ
プS4)。
【0120】さらに、版作成部6が前記ネガコード(−
R,−G,−B)に基づいて、−Rの値からC版,−G
の値からM版,−Bの値からY版を作成する(ステップ
S5)。
【0121】次に、シャドー部判定部7が無彩色部分に
ついてK版に置き換える範囲を決定する(ステップS
6)。このとき、ユーザからK版へ置き換える範囲につ
いて指定があれば、入力部12を介して、範囲の指定が
行われる。
【0122】次いで、文字情報入力部9へ文字情報の入
力があるかどうかが判定される(ステップS7)。文字
情報の入力がある場合(ステップS7:Yes)、ステ
ップS8に進み、K版作成部において、文字部分につい
てK版が作成され、さらにステップS9に進む。
【0123】文字情報の入力がない場合(ステップS
7:No)、ステップS9に進み、シャドー部判定部7
により決定された範囲についてK版が作成される。最後
に、ステップS10で版が出力される。
【0124】なお、コンピュータ側でCMYK版を作成
するためのCMYKデータを作成する場合は、次のよう
にして行う。各コンピュータには、アプリケーションソ
フトウェアAS及びカラーモデルMが搭載されている。
【0125】そして、上記アプリケーションソフトAS
及びカラーモデルMのシステム・プログラムに基づいて
CPUが作動され、RAMを作業領域として、取り込ま
れた画像データがモニターへ表示されたり、編集がなさ
れたりするものである。本例のアプリケーションソフト
ウェアASにはカラーモデルMがセットされており、画
像データにおける各色について、全てRGB各波長の%
数値に基づくコードにより表示できるように構成されて
いる。
【0126】したがって、デジタルカメラやスキャナー
から取り込まれた画像については、その画像のRGBの
分光波長(%)を数値化し、コードとして各色に割り当
てる。また、他のアプリケーション及び他のカラーモデ
ルを使用して作成された画像を取り込んだ場合は、画像
を構成する各色について、既に他の方式で付されている
色を特定するコードを、本例のカラーモデルMによるコ
ードに置き換える。そして、このコードに基づいて、ネ
ガコードを算出する。
【0127】このようにして取り込まれた画像データ
は、本システム内で使用されるだけでなく、通信制御部
を介して他のコンピュータ101にも送信される。
【0128】本例の情報カラーシステムSでは、画像を
構成する色について、数値コードで表されているため、
送受信したときに、相手先のコンピュータで画像データ
が変化することなく、データの送受信を正確に行うこと
が可能である。なお、正確な画像データを、複数のコン
ピュータ間で共有可能とするため、それぞれのコンピュ
ータ101に、上記カラーモデルMが搭載されているこ
とが好ましい。
【0129】
【発明の効果】以上のように、本発明のイメージセッタ
ーでは、RGB分光波長の割合に基づいて、原稿の色を
構成するRGBにコード(R,G,B)を与え、このコ
ード(R,G,B)から算出されるネガコード(−R,
−G,−B)に基づいて、−RからC版、−GからM
版、−BからY版を作成するように構成されており、す
べてRGBモードで処理を行っているので、正しい補色
の印刷網点からなる印刷版を得ることができ、印刷物上
に原稿と同一の発色を容易に再現することが可能とな
る。
【0130】また、画像を構成する色に付与されるデー
タは、一定の法則に従って均等に配列されたデジタルコ
ードであるため、コンピュータでの扱いが容易であり、
複数のコンピュータ間におけるデータの共有化も容易と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイメージセッターを示すブロック図で
ある。
【図2】本発明のイメージセッターによる印刷版作成方
法を示すフローチャートである。
【図3】本発明で使用するカラーモデルを示す説明図で
ある。
【図4】本発明で使用するカラーモデルを示す説明図で
ある。
【図5】本発明で使用するカラーモデルを示す説明図で
ある。
【図6】本発明で使用するカラーモデルを示す説明図で
ある。
【図7】ヒトの目の桿体と錐体の閾値を示すグラフ図で
ある。
【図8】ヒトの目の構造を示す説明図である。
【図9】画像の一例を示す説明図である。
【図10】本発明のイメージセッターを印刷システムに
導入した構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 イメージセッター 2 画像入力部 3 RGBデータ取得部 4 コード付与部 5 ネガコード形成部 6 版作成部 7 シャドー部判定部 8 K版作成部 9 文字情報入力部 10 制御部 11 記憶部 12 入力部 13 RAM 14 表示部 15 出力部 16 色校正プリンター 100 原稿 101 コンピュータ 102 印刷機 103 色彩計測器 S 印刷システム P 画像中の所定ポイント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H084 AA40 AE06 CC12 CC18 5B057 AA11 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE17 CE18 CH08 5C077 LL19 MM27 MP08 PP32 PP33 PP37 PP38 PQ12 PQ23 SS02 TT02 TT06 5C079 HB01 HB02 HB03 HB12 LA03 LA21 LB01 LC12 MA10 MA11 NA03 NA27 PA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 知覚的に配列された各色についてRGB
    分光波長の割合に基づいたコードが付されたカラーモデ
    ルを用いたイメージセッターであって、 画像が入力される画像入力部と、 該画像入力部に入力された画像を構成する各色について
    RGBの分光波長の割合を求めるRGBデータ取得部
    と、 該RGBデータ取得部で求められたRGBの分光波長の
    割合と前記カラーモデルに基づいて前記画像を構成する
    各色それぞれにRGBコード(R,G,B)を与えるコ
    ード付与部と、 白色を示すRGBコードと前記コード付与部で付与され
    たRGBコードの差からネガコード(−R,−G,−
    B)を求め、該ネガコードの数値をC版M版Y版の網点
    %としてCMY版を作成する版作成部と、を少なくとも
    備えたことを特徴とするイメージセッター。
  2. 【請求項2】 前記イメージセッターは、無彩色部分に
    ついてK版に置き換える範囲を決定するシャドー部判定
    部と、該シャドー部判定部の判定に基づいてK版を作成
    するK版作成部と、を備えたことを特徴とする請求項1
    記載のイメージセッター。
  3. 【請求項3】 前記イメージセッターは、文字情報が入
    力される文字情報入力部と、該文字情報入力部により入
    力された文字情報に基づいてK版を作成するK版作成部
    と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のイメージ
    セッター。
  4. 【請求項4】 原稿を読み込み、該原稿に含まれる画像
    を構成する各色についてRGBの分光波長の割合を求
    め、該RGBの分光波長の割合に基づいてコードを付与
    し、該コードと白色を示すコードとの差から前記コード
    のネガコードを求め、該ネガコードの数値をC版M版Y
    版の網点%としてCMY版を作成することを特徴とする
    印刷版作成方法。
  5. 【請求項5】 前記ネガコードが全て同一の数値となっ
    た箇所を無彩色部分とし、該無彩色部分についてK版を
    作成することを特徴とする請求項4記載の印刷版作成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記原稿に含まれる文字についてK版を
    作成することを特徴とする請求項4記載の印刷版作成方
    法。
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