JP2002246196A - 除電装置 - Google Patents

除電装置

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JP2002246196A
JP2002246196A JP2001036410A JP2001036410A JP2002246196A JP 2002246196 A JP2002246196 A JP 2002246196A JP 2001036410 A JP2001036410 A JP 2001036410A JP 2001036410 A JP2001036410 A JP 2001036410A JP 2002246196 A JP2002246196 A JP 2002246196A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて短時間に強力に除電する新しい除電装置
を提供する。 【構成】 1つの極性のイオンを発生する第1イオン発生
装置と逆の極性のイオンを発生する第2イオン発生装置
とを有し、除電対象物に順に違う極性のイオンをかける
ことを特徴とする除電装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除電装置に関し、特
に、除電を極めて短時間に行うことができる除電装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の除電器の例を図8に示す。除電器
には図8(a)に示す交流式と図8(b)に示す直流式が
ある。いずれの除電器10a、10bも+(プラス)と
−(マイナス)のイオン12を混合して対象物14に照
射する。対象物14が+の帯電をしていると+のイオン
を反発して遠ざけ、一のイオンを吸引して自ら消えてい
く。対象物14が−の帯電をしていると−のイオンを反
発して遠ざけ、+のイオンを吸引して自ら消えていく。
いずれの場合も自分と同極性のイオンを反発して遠ざけ
るという除電とは関係のない無駄な動作が存在する。こ
の動作が除電の動作を邪魔し、除電能力を低下させてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方式
では、除電対象物14と同極性のイオン12が存在する
ため除電能力が妨げられ、結果として極短時間で強力に
除電することはできなかった。
【0004】したがって、本発明の目的は、極めて短時間に
強力に除電する新しい除電装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、1つの極性のイオンを発生する第1イ
オン発生装置と逆の極性のイオンを発生する第2イオン
発生装置とを有し、除電対象物に順に違う極性のイオン
をかけることを特徴とする除電装置を採用するものであ
る。
【0006】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。本発明を
わかりやすくするために、まず図1(a)、1(b)に
従来例の除電装置を平面図と側面図で示す。除電対象物
14は平面状のシートを想定している。除電装置10a
(または10b)のイオン発生装置20は、例えば複数
の整列した放電針22を有し、除電装置10a(または
10b)は放電針22から+と−の両極性のイオンを照
射して除電対象物14を除電している。これに対し本発
明では+または−の片方のイオンを照射する方式を採用
するためイオンの飛び方が異なる。
【0007】図2は各方式(従来例の方式、本発明の方式)
のイオンの飛び方を説明するための図である。図2(a)
は従来例の直流式の除電装置のイオンの飛び方を示す。
この直流式では約700mmまでイオンが飛ぶ。図2(b)は
従来例の交流式の除電装置のイオンの飛び方を示す。こ
の交流式では約50mmしかイオンが飛ばない。
【0008】これらに対して、図2(c)は本発明が用いる
原理に基づくイオンの飛び方(+または−の片方のイオ
ンのみ放射するときのイオンの飛び方)を示す(図では
+の例)。同極性のイオンしか存在しないのでイオン同
士が反発しあいどんどん拡散していき、結果的に約1,5
00mmもの飛距離になる。
【0009】(実施例1)図3に本発明の実施例1の除電装
置を示す。除電対象物14の流れ方向(矢印で示す)に
対し最上流で+イオン発生装置30で+のイオンだけを
照射し、仕切り板26を経て、次に、−イオン発生装置
30’で−イオンのみを照射する。そして最後に、両極
性イオン発生装置30”で+と−の両方のイオンを照射
する。仕切り板26は+イオン発生装置30と−イオン
発生装置30’と+−両極性イオン発生装置30”が近
く、+と一のイオン同士が吸引して相互影響があるとき
のみ用いる。また、図3(c)に示すように、仕切り板
26は板状でなくて、各イオン発生装置を包むような箱
状でもよい。箱状に形成すると、イオンの損失が防げ
る。
【0010】次に、図4(a),4(b)を参照して動作原理
を説明する。図4(a)は除電対象物が+に帯電していた
時の帯電電位の推移を示す。まず高い電位VHの帯電電位
は、最初の+イオンのみの照射で、さらに帯電されVH
まで上昇する。しかし元々+の静電位のものに、さらに
+のイオンがくっつく可能性は低く、したがってこの間
の上昇電圧(VH’−VH)は小さい。
【0011】次に、−イオンのみの照射を受ける。+イオン
の邪魔者が存在しないので静電位はVH’からVH” に急
速に降下する。それでもなお少しの+電位が残ったとし
よう。この残留電位は最終段階で+、一両極性のイオン
をかけるので、やや時間がかかるが、ゆっくりと0にな
る。これが本発明の動作原理である。高い電圧VHよりや
や低い電圧VLの時は、同じく図4(a)に書いてあるがVL
からVL’に少し上昇し、−イオンのみの照射を受けて逆
極性のVL”になったとしよう。この−の残留電位は最終
段階で+,−両極性のイオンをかけるので、やや時間が
かかるが、ゆっくりと0になる。これが本発明の動作原
理である。
【0012】+と−の両極性のイオンを照射する従来の方式
では静電気と同極性のイオンが邪魔をするのでやや時間
がかかりの時刻までかかったとすると、本発明の方式
では電圧が高くてVHでも、やや低めのVLではの時刻
には除電が完了している。すなわち従来より急速に除電
できる。
【0013】図4(b)は除電対象物が−に帯電していたとき
の静竜位の堆移を示す。図4(a)では最初に逆帯電があ
り、次に除電が行われたのに対し、この図4(b)では最
初に除電が行われ、次に逆帯電が起きている。こちらの
方がいち早く除電され低い電位になっているところへ片
方のイオンをかけるので逆帯電しやすく、したがってや
や除電時間が図4(a)より長めになるが大差はない。す
なわち従来の方式のに対し,のように短い時間で
除電できる。
【0014】(実施例2)本発明の別の実施例(実施例2)
を図5に示す。前記の実施例1が除電対象物の片側のみ
除電したのに対し、この実施例では除電対象物の表裏両
側から除電を行う時に有効である。最初の段階で+また
は−の片方のイオンのみを照射するのは前記の実施例1
と同様である。表のイオンと裏のイオンが逆極性になっ
ていてお互いに相手のイオンを引き付けるように作用す
る。次に、仕切り板26を経て前工程と逆の極性のイオ
ンをかける。当然表裏では逆極性のイオンになってい
る。最終段階で+と−の両極性がほぼ同量混じったイオ
ンで除電する。
【0015】動作の原理は前述の図3と同様であるが、表裏
除電する図5の方式(実施例2)の方が除電効果が高
い。これを図6で説明する。図6(a)は実施例1の片面
方式(図3)を示し、図6(b)は実施例2の両面方式
(図5)を示す。両面方式では表裏の逆極性のイオン同
士が引き付けあうので除電対象物に引き付けられ、イオ
ン密度が濃い状態で除電するので、除電能力は高い(勿
論、除電対象物の状況によりイオン同士の引力は変わ
る)。これに対し片面方式では特に引き付ける力が働か
ないのでイオンは拡散しやすく、したがってイオン密度
が薄くなり、除電効果もその分弱くなる。
【0016】図7に従来例の動作、本発明の実施例の動作の
比較結果を示す。従来方式に比べて、本発明の片面方
式は除電時間が短くなり、さらに本発明の両面方式
(対向式)はさらに短時間で除電できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来方式より強力に除電でき、除電にかかる所要時間も
短かくすることができる。したがって、極めて高速に移
動する紙やプラスチックフィルムの除電が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来例の除電装置を説明するための図
である。
【図2】図2は、従来方式、本発明方式でのイオンの飛
距離を説明するための図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の除電装置を示す図で
ある。
【図4】図4は従来方式と本発明方式の除電時間の比較
結果を示す図である。
【図5】図5は本発明の実施例2の除電装置を示す図で
ある。
【図6】図6は本発明の実施例1および実施例2でのイ
オン密度の比較を示す図である。
【図7】図7は従来方式、本発明方式での除電時間の比
較結果を示すグラフである。
【図8】図8は従来例の除電装置を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの極性のイオンを発生する第1イオン
    発生装置と逆の極性のイオンを発生する第2イオン発生
    装置とを有し、除電対象物に順に違う極性のイオンをか
    けることを特徴とする除電装置。
  2. 【請求項2】 両極性のイオンを発生する第3イオン発
    生装置をさらに有し、前記第1および第2イオン発生装
    置で除電対象物にイオンをかけたのち前記第3イオン発
    生装置で両極性のイオンを除電対象物にさらにかけるこ
    とを特徴とする請求項1記載の除電装置。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2および(または)第
    3イオン発生装置の間に仕切り板を有することを特徴と
    する請求項1または2記載の除電装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    除電装置において、前記第1および第2イオン発生装
    置、またはさらに第3イオン発生装置が順に配列されて
    おり、前記除電対象物がこれらのイオン発生装置の片側
    を通過するように構成されていることを特徴とする除電
    装置。
  5. 【請求項5】 互いに向き合った逆極性のイオン発生装
    置を2対有することを特徴とする除電装置。
  6. 【請求項6】 隣り合ったイオンの極性が逆極性である
    ことを特徴とする請求項5記載の除電装置。
  7. 【請求項7】 互いに向き合った両極性のイオン発生装
    置をさらに有する事を特徴とする請求項5または6記載
    の除電装置。
  8. 【請求項8】 イオンを発生するイオン発生装置の間に
    仕切り板を有することを特徴とする請求項5乃至7のい
    ずれか1つに記載の除電装置。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし8のいずれか1つに記載
    の除電装置において、前記向き合ったイオン発生装置の
    間で前記除電対象物を通過させるように構成されている
    ことを特徴とする除電装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006236976A (ja) * 2005-01-28 2006-09-07 Toray Ind Inc 電気絶縁性シートの除電装置、除電方法および製造方法。
JP2008004397A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Shishido Seidenki Kk 除電方法及び除電装置
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JP2001351795A (ja) * 2000-06-06 2001-12-21 Ulvac Japan Ltd 長尺成膜基体の静電気除去方法及び装置

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