JP2002245626A - 情報記録装置及び記録媒体 - Google Patents

情報記録装置及び記録媒体

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JP2002245626A
JP2002245626A JP2001043536A JP2001043536A JP2002245626A JP 2002245626 A JP2002245626 A JP 2002245626A JP 2001043536 A JP2001043536 A JP 2001043536A JP 2001043536 A JP2001043536 A JP 2001043536A JP 2002245626 A JP2002245626 A JP 2002245626A
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Hiroshi Miura
博 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単一のパルスでマークの大きさを制御してより
多値記録を行う。 【解決手段】レーザ光19のパワーレベルを3段階P
1,P2,P3とし、パワーレベルP1,P2,P3の
大きさはP1>P2>P3の関係として、パワーレベル
P2は各記録単位間で一定レベルとし、記録単位毎にP
2,P1,P3,P2の順序及びP2,P1,P2の順
序でパワーレベルを変えるとともにパワーレベルP1,
P3を保持する時間であるパルス幅T1,T2を変えて
レーザ光19を変調して、記録マーク201のディスク
タンジェンシャル方向と半径方向の長さ変えて、単一パ
ルスで多値情報を情報記録媒体1に記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光メモリに情報
を記録し再生する情報記録装置及び記録媒体、特に多値
記録により高記録密度化の実現に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザービームにより情報を記録再生す
る光記録媒体においては、記録マークエッジでの反射光
量の立ち上がり、立ち下がりの2値記録が一般的であ
る。また、1つの記録単位(ユニット)に複数の情報を
書き込む多値記録方式がいくつか提案されている。例え
ば、特開平8−287468号公報に示されているよう
に、記録マーク位置,配置の組み合わせを複数定義する
方法や、特開平11−25456号公報に示されている
ように、平均反射率が多段階になるように、記録ピット
の面積や形状,構造を変化させる方法がある。
【0003】このように多値記録によって記録密度を上
げるためには、1つのユニットの大きさを縮小する必要
である。また、反射光量の階調の線形性がとれているこ
とが信号処理上重要である。
【0004】DVDで使われているマルチパルスの記録
ストラテジを使た8値データの記録例を図10に示す。
図10において、(a)は記録媒体の記録領域の模式図
であり、101はグルーブ端部、102は記録ユニット
A〜Hを説明するための枠線(実際の記録媒体には存在
しない)、103は記録マークである。104はレーザ
光である。記録ユニットAは未記録状態であり、記録ユ
ニットB〜Hには長さが異なるマークが記録されてい
る。(b)は記録パルスストラテジであり、P1は記録
レベル、P2は消去レベル、P3はバイアスレベルのレ
ーザパワーを示す。このようなマルチパルスを使って8
値データを記録する場合、パルスの数でマーク長を変え
ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらユニット
サイズを縮小して多値数を上げようとすると、1つのパ
ルス幅を短くしなければならない。このためには、レー
ザービームの高速変調手段が必要になり、情報記録装置
が高価になる。また、レーザービームの高速変調には限
界がある。また、マルチパルスを使ってマークサイズを
変えた場合、ディスクタンジェンシャル方向におけるマ
ーク長は変えられるが、マークの幅を変えることができ
ない。このために、反射光強度の階調に線形性を持たせ
ることは困難である。
【0006】この発明は、このような短所を改善し、単
一のパルスでマークの大きさを制御してより多値記録を
行うことができる情報記録装置と、その記録ストラテジ
に適した記録媒体を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の情報記録装置
は、記録媒体に情報を示す記録マークを記録する記録単
位はディスク接線方向において一定周期であり、記録単
位内において多値データに対応させて記録マークの大き
さを変えて記録し、記録マークの大きさによる反射光量
の変化を検出して多値データを再生する情報記録装置に
おいて、レーザ光のパワーレベルを3段階P1,P2,
P3とし、パワーレベルP1,P2,P3の大きさはP
1>P2>P3の関係として、パワーレベルP2は各記
録単位間で一定レベルとし、記録単位毎にP2,P1,
P3,P2の順序及びP2,P1,P2の順序でパワー
レベルを変えるとともにパワーレベルP1,P3を保持
する時間であるパルス幅T1,T2を変えてレーザ光を
変調して、記録データに対応させて記録マークのディス
クタンジェンシャル方向と半径方向の長さ変えることを
特徴とする。
【0008】上記記録マークを記録する記録単位はディ
スクタンジェンシャル方向において一定周期であり、そ
の周期Lは、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口数
をNAとすると、最小0.4×λ/NAから最大0.8×λ/
NAの範囲にあることが望ましい。
【0009】また、上記記録媒体に記録した記録マーク
の電子線を使った観測方法でコントラスト変化として検
知されるディスク接線方向又は半径方向のどちらか長い
方のマーク長を、マークを記録するレーザービームの波
長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、記録情報
に応じて最小0.1×λ/NAから最大0.7×λ/NAの範
囲で変化させると良い。
【0010】さらに、上記レーザ光のパワーレベルをP
1レベルに保持する時間をT1とするとT1≦60nsec
であることが望ましい。
【0011】そしてT1≦60nsecで、パワーレベルの
比率P3/P2をP3/P2≦1の範囲で記録データに
応じて変えると良い。
【0012】また、T1≦60nsecで、パワーレベルP
1,P3を保持する時間をT1,T3とすると、T3/
T1比を記録データに応じて変えたり、T1≦60nsec
でP3/P2比をP3/P2≦1の範囲で変え、かつ、T3
/T1比を記録データに応じて変えると良い。
【0013】また、レーザ光のパワーレベルP1,P
2,P3を発生する少なくとも2つの波形発生器を有
し、一方の波形発生器ではP1レベルのレーザーパワー
変調信号を発生し、他方の波形発生器ではP2レベルと
P3レベルのレーザーパワー変調信号を発生し、2つの
信号を合成してレーザーパワーを変調すると良い。
【0014】この発明に係る記録媒体は、前記情報記録
装置で記録マークを記録するものであり、相変化型記録
材料から形成され、記録マークは非晶質状態であること
を特徴とする。
【0015】上記相変化記録材料は、Sb/Te比が2
から5の範囲にあるSbTeと、Ag,In,Ge,G
a,B,Si,Al,Snの群から選ばれる少なくとも
1種の元素を含有すると良い。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の光ディスク等の情報記
録媒体に情報を記録したり、情報記録媒体に記録された
情報を読み取る情報記録再生装置は、パソコン等の認識
情報変換部と、制御部と、レーザ出力制御部と、ターン
テーブルと、ターンテーブルを回転する回転モータと、
光ピックアップ装置及び光ピックアップ装置を移動する
送りモータを有する。そして認識情報変換部から出力す
る認識情報に応じて制御部で回転モータと送りモータを
駆動制御してターンテーブルに載置された情報記録媒体
に、レーザ出力変換部でパワーレベルとパルス幅を変換
したレーザ光を光ピックアップ装置から照射して情報を
記録したり、情報記録媒体に記録された情報を読み取
る。
【0017】この情報記録再生装置で情報記録媒体に記
録マークを記録するとき、レーザ光のパワーレベルの大
きさをP1,P2,P3の3段階とし、P1>P2>P
3の関係にしてパワーレベルP2は各記録単位で一定レ
ベルとし、記録単位毎にパワーレベルP2,P1,P
3,P2の順序及びパワーレベルP2,P1,P2の順
序でパワーレベルを変えるとともにパワーレベルP1,
P3を保持する時間であるパルス幅T1,T2を変えて
レーザ光を変調して、単一のパルスで記録マークのディ
スクタンジェンシャル方向におけるマーク長と半径方向
におけるマーク長を変える。
【0018】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成図である。
図に示すように、光ディスク等の情報記録媒体1に情報
を記録したり、情報記録媒体1に記録された情報を読み
取る情報記録再生装置は、パソコン等の認識情報変換部
2と、制御部3と、レーザ出力制御部4と、ターンテー
ブル5と、ターンテーブル5を回転する回転モータ6
と、光ピックアップ装置7及び光ピックアップ装置7を
移動する送りモータ8を有する。そして認識情報変換部
2から出力する認識情報に応じて制御部3で回転モータ
6と送りモータ8を駆動制御してターンテーブル5に載
置された情報記録媒体1に、レーザ出力変換部4でパワ
ーレベルとパルス幅を変換したレーザ光を光ピックアッ
プ装置7から照射して情報を記録したり、情報記録媒体
1に記録された情報を読み取る。
【0019】情報記録媒体1は相変化型の記録材料から
なり、非晶質(アモルファス)相を形成し情報マークと
する。このアモルファスマークの大きさは、記録ストラ
テジによって制御することができる。この記録材料は、
母相にSbTeを用い、SbTeの比率Sb/Te=2
〜5とする。このSbTeを母層として添加元素として
Ag,In,Ge,Ga,B,Si,Al,Snの群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を含有した組成とす
る。好ましくは、上記Sb/Te比のGeSbTe,A
gInSbTe,GeAgInSbTeやGeInSb
Teなどで形成すると良い。
【0020】光ピックアップ装置7は、図2の構成図に
示すように、半導体レーザ素子(以下、LDという)1
1とコリメータレンズ12と偏光ビームスプリッタ13
と1/4波長板14と対物レンズ15と凸球面レンズ1
6と集光レンズ17及び受光素子18を有する。凸球面
レンズ16は対物レンズ15と情報記録媒体1の間に配
置され、凸球面レンズ16は情報記録媒体1に対して0.
1mm程度の間隔で配置されている。
【0021】この光ピックアップ装置7において、記録
情報に応じてLD11から出射されたレーザ光19は、
コリメータレンズ12により平行光となり、偏光ビーム
スプリッタ13と1/4波長板14で構成された光アイ
ソレータを通って直線偏光から円偏光に変わり、対物レ
ンズ15と凸球面レンズ16を通って集光されて情報記
録媒体1に入射して結晶・非晶質間の反射率変化を利用
して記録を行う。また、情報記録媒体1に記録された情
報を再生するときは、LD11から出射されたレーザ光
19は、コリメータレンズ12により平行光となり、偏
光ビームスプリッタ13と1/4波長板14で構成され
た光アイソレータを通って直線偏光から円偏光に変わ
り、対物レンズ15と凸球面レンズ16を通って集光さ
れて情報記録媒体1に入射する。情報記録媒体1に入射
したレーザ光19は情報記録媒体1で反射する。この反
射するときに円偏光の旋回方向が変化し、凸球面レンズ
16と対物レンズ15を通り1/4波長板14に入射
し、1/4波長板14を通るときに、紙面に対して垂直
な光となり、偏光ビームスプリッタ13で反射して集光
レンズ17により受光素子18に集光され、情報記録媒
体1の情報が再生される。このように光ピックアップ装
置6で情報記録媒体1の情報を再生したり記録するとき
に、対物レンズ15と凸球面レンズ16で集光したスポ
ットが情報記録媒体1上で最良の状態で形成されるよう
に、光ピックアップ装置6はアクチュエータに搭載さ
れ、情報記録媒体1と常に一定間隔を保つように上下方
向に移動する。
【0022】この情報記録再生装置で情報記録媒体1に
情報マークを記録するときの動作を図3のマーク長と記
録ストラテジを示す模式図を参照して説明する。図3に
おいて、201は情報を示す記録マーク、202はレー
ザービームの移動方向、203はディスクタンジェンシ
ャル方向のマーク長、204は半径方向のマーク長を示
す。205は記録パルスストラテジを示す。レーザ光の
パワーレベルの大きさはP1,P2,P3の3段階あ
り、P1>P2>P3の関係にあり、パワーレベルP2
は各記録単位で一定レベルとし、記録単位毎にパワーレ
ベルP2,P1,P3,P2の順序及びパワーレベルP
2,P1,P2の順序でレーザ光19を変調する。ここ
でT1,T2はパワーレベルP1,P3を保持する時間
を示し、記録単位とは多値情報を表す1つの領域を表
す。
【0023】この各記録単位で多値情報を表すためにレ
ーザ出力変換部4はレーザ光19のパワーを変えて記録
マーク201の大きさを変える。この記録マーク201
の大きさを変えるときに、記録単位毎にパワーレベルP
2,P1,P3,P2の順序及びパワーレベルP2,P
1,P2の順序でパワーレベルを変えるとともにパルス
幅T1,T2を変えてレーザ光19を変調することによ
り、単一のパルスにおいても記録マーク201のディス
クタンジェンシャル方向におけるマーク長203と半径
方向におけるマーク長204を変えることができる。こ
のように記録マーク201の大きさを変えることによっ
て反射光量を変化させることができる。
【0024】このようにして記録マーク201を記録す
るとき、記録単位のディスクタンジェンシャル方向にお
ける周期をL、レーザ光19の波長をλ、対物レンズ1
5の開口数をNAとした場合、タンジェンシャル方向に
隣接するマーク周期が約0.6×λ/NA以下になると、
回折限界となって解像できなくなる。このような状態に
おいては、記録マーク201の部分と未記録部分が占め
る割合に応じて反射光強度が変化することから、疑似的
に中間状態の反射光強度レベルが形成できる。このよう
に記録マーク201の部分と未記録部分の面積比により
反射光強度に階調を持たせるため、記録単位のディスク
タンジェンシャル方向における周期Lは、 L=0.4〜0.8×λ/NA の範囲になるように周期Lと波長λ及び対物レンズ15
の開口数NAを設定すると良い。
【0025】また、情報記録媒体1の相変化型の記録材
料として、母相にSbTeを用い、SbTeの比率Sb
/Te=2〜5とし、このSb/Te比のGeSbT
e,AgInSbTe,GeAgInSbTeやGeI
nSbTeなどを使用することにより、記録マーク20
1を記録するときにアモルファスマークの大きさを記録
ストラテジによって制御することができるとともに単位
時間あたりの温度低下量を大きくすること、すなわち急
冷状態を形成することによりアモルファスマークを形成
することができる。また、パワーレベルP1,P2,P
3及びパルス幅T1,T2を変えることにり急冷状態と
なる領域を制御することができ、記録マーク201の大
きさを変えることができる。
【0026】また、各記録単位に記録された記録マーク
201のマーク形状は、電子線を使った観測方法、例え
ば透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(S
EM)により観測することができる。これらの観察方法
では電子線像のコントラスト変化として相変化マークが
検知できる。前記相変化型記録材料の場合、例えば、波
長λ=650nm、開口数NA=0.65のレーザ光19で記
録した記録マーク201の長さを電子線を使った観測方
法で観測した結果、100nm〜700nmの範囲、すなわち
0.1〜0.7×λ/NAの範囲にあると、情報記録媒体1内
における記録マーク201のマーク長のばらつきを抑制
できることが確認された。したがって記録情報に応じて
変える記録マーク201のマーク長を、最小0.1×λ/
NAから最大0.7×λ/NAの範囲で変化させると良
い。
【0027】次に、単一パルスストラテジにより記録マ
ーク201のマーク長を変調するときの最適な条件につ
いて確認した結果を説明する。
【0028】情報記録媒体1を、ポリカーボネート基板
/Ag140nm/ZnS・SiO20nm/AgInS
bTe15nm/ZnS・SiO20nmの層構造で構成
し、AgInSbTeにおけるSb/Te比を2.5とし
た。また、トラックピッチは740nmである。レーザ光
19のビーム波長λは650nm、対物レンズ15の開口
数NAは0.65であり、パワーレベルP2=12mW、パワ
ーレベルP2=6.5mW、パワーレベルP3=0.1mWと
し、パワーレベルP2は一定で、パワーレベルP1及び
パワーレベルP3は、時間T1と時間T3のパルス幅で
変調した。ここで時間T3は19nsec一定で、時間T1
を38nsecから86nsecまで変えて記録マーク201を記
録した。この記録した記録マーク201のトラック中心
におけるタンジェンシャル方向のマーク長を走査型電子
顕微鏡(SEM)で測定した結果を図4に示す。図4に
おいて、丸印はディスク面内50点のマーク長の平均値
であり、最大と最小を示すエラーバーはマーク長の最大
値と最小値を示す。図4に示すように、時間T1が60n
sec以上になるとマーク長の面内ばらっきが大きくな
る。したがって各記録単位におけるレーザ光19のパワ
ーレベルP1をP1≦60nsecに設定すると良い。
【0029】また、前記のように構成した情報記録媒体
1を使用し、パワーレベルP1=12nW、パワーレベル
P2=6.5mWとし、パワーレベルP3を記録条件によ
って異ならせた。また、パワーレベルP2は一定で、パ
ワーレベルP1及びパワーレベルP3は時間T1と時間
T3のパルス幅で変調した。記録条件1は時間T1=19
nsec、記録条件2は時間T1=38nsecであり、どちら
もP3/P2=1、すなわちパワーレベルP1からパワ
ーレベルP2への2値変調で記録した。記録条件3は時
間T1=38nsec、P3/P2=0.02、T3/T1=0.2
5であり、パワーレベルを3値変調した。この記録条件
1,2,3で記録マーク201を記録し、タンジェンシ
ャル方向と半径方向のマーク長を走査型電子顕微鏡(S
EM)で測定した結果を図5に示す。図5に示すよう
に、P3/P2を0.02から1、すなわち記録条件3から
記録条件2にすることによって、タンジェンシャル方向
と半径方向のマーク長が縮小できることが確認された。
また、P3/P2=1の状態で時間T1を38nsecから1
9nsecと短くすることにより、タンジェンシャル方向と
半径方向の両方向ともマーク長をさらに縮小できた。し
たがって、時間T1≦60secでパワーレベルの比率P3
/P2≦1の範囲で記録データに応じて変えることによ
り、タンジェンシャル方向と半径方向の両方向ともマー
ク長を縮小することができる。
【0030】また、前記のように構成した情報記録媒体
1を使用し、パワーレベルP1=12mW、パワーレベル
P2=6.5mW、パワーレベルP3=0.1mWとし、パワ
ーレベルP2は一定で、パワーレベルP1及びパワーレ
ベルP3は時間T1と時間T3のパルス幅で変調した。
時間T1は38nsec一定とし、T3/T1を0.25〜2の
範囲で変え記録マーク201を記録した。このときのト
ラック中心におけるタンジェンシャル方向のマーク長を
走査型電子顕微鏡(SEM)で測定し、ディスク面内5
0点のマーク長の平均値を算出した結果を図6に示す。
図6に示すように、T3/T1比を変えることによりマ
ーク長を可変制御することができ、単一パルスでも、時
間T1≦60secでT3/T1比を大きくすることによっ
てタンジェンシャル方向にマーク長を大きくできること
を確認することができた。
【0031】次に時間T1≦60nsecで、P3/P2比を
P3/P2≦1の範囲で変え、かつ、T3/T1比を記録デ
ータに応じて変えた場合について、図7を参照して説明
する。図7において、(a)は記録媒体の記録領域の模
式図であり、701はグルーブ端部、702は記録ユニ
ットA〜Hを説明するための枠線(実際の記録媒体には
存在しない)である。レーザ光19の波長λ=650n
m、対物レンズ15の開口数NA=0.65である。記録ユ
ニットA〜Hのピッチdは0.6×660nm/0.65=610n
mに設定した。トラックピッチは740nmである。記録
ユニットAは未記録状態であり、記録ユニットB〜Hに
は大きさが異なる記録マーク201が記録されている。
(b)は記録パルスストラテジである。パワーレベルP
1は記録レベル、パワーレベルP2は消去レベル、パワ
ーレベルP3はバイアスレベルのレーザパワーを示す。
703には各記録ユニットA〜Hの記録条件を示す。パ
ワーレベルP1の保持時間T1は60nsec以下とし
て、P3/P2≦1でP3/P2比を大きくすることに
より、例えば記録ユニットB,Cに示すように、記録マ
ーク201のタンジェンシャル方向と半径方向ともにマ
ーク長を縮小し、T3/T1比を大きくすることによっ
て、例えば記録ユニットG,Hに示すように、記録マー
ク201をタンジェンシャル方向にに伸ばす。このよう
な記録ストラテジを用いることによって、タンジェンシ
ャル方向と半径方向ともにマーク長を変えて多値データ
を記録できる。
【0032】また、図8に示すように、レーザ出力制御
部4に2つの波形発生器41,42を設け、一方の波形
発生器41では図7(c)に示すようにP1レベルのレ
ーザパワー変調信号704を発生し、他方の波形発生器
42ではP2レベルとP3レベルのレーザパワー変調信
号705を発生し、2つのレーザパワー変調信号70
3,704を合成して図7(b)に示すの記録ストラテ
ジを形成し、レーザ光19を変調すると良い。
【0033】このように、記録マーク201の大きさを
変えるときに、時間T1≦60nsecで、P3/P2比をP
3/P2≦1の範囲で変え、かつ、T3/T1比を記録デ
ータに応じて変えた場合と、従来例で示したようにマル
チパルスを使った場合との反射光強度の変化特性を図9
に示す。図9において、(a)は従来例のようにマルチ
パルスを使った場合、(b)は単一パルスを使い、時間
T1≦60nsecで、P3/P2比をP3/P2≦1の範囲で
変え、T3/T1比を記録データに応じて変えた場合で
あり、レーザ光19が記録ユニットAからH方向に移動
した際に、各記録ユニットA〜Hの中心のタイミングで
反射光強度を検出した。(a)に示すように、マルチパ
ルスでは反射光強度の線形性が十分にとれていなく、特
に、記録ユニットAから記録ユニットBで反射光強度が
大きく変化するが、(b)に示すように、この実施例の
場合には反射光強度の線形性が十分にとれて階調の線形
性を確保することができた。
【0034】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、レーザ
光のパワーレベルを3段階P1,P2,P3とし、パワ
ーレベルP1,P2,P3の大きさはP1>P2>P3
の関係として、パワーレベルP2は各記録単位間で一定
レベルとし、記録単位毎にP2,P1,P3,P2の順
序及びP2,P1,P2の順序でパワーレベルを変える
とともにパワーレベルP1,P3を保持する時間である
パルス幅T1,T2を変えてレーザ光を変調して、記録
データに対応させて記録マークのディスクタンジェンシ
ャル方向と半径方向の長さ変えることにより、単一パル
スで多値情報を記録媒体に記録することができ、高密度
化、高速化にも十分に対応することができる。
【0035】また、記録マークを記録する記録単位はデ
ィスクタンジェンシャル方向において一定周期であり、
その周期Lは、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口
数をNAとすると、最小0.4×λ/NAから最大0.8×λ
/NAの範囲にすることにより、記録マークの部分と未
記録部分の面積比により反射光強度に階調を持たせるこ
とができる。
【0036】さらに、記録媒体に記録した記録マークの
電子線を使った観測方法でコントラスト変化として検知
されるディスク接線方向又は半径方向のどちらか長い方
のマーク長を、マークを記録するレーザービームの波長
をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、記録情報に
応じて最小0.1×λ/NAから最大0.7×λ/NAの範囲
で変化させることにより、記録マークのマーク長のばら
つきを抑制することができる。
【0037】また、レーザ光のパワーレベルをP1レベ
ルに保持する時間をT1とするとT1≦60nsecにする
ことにより、記録マークのマーク長の面内ばらっきを小
さくすることができる。
【0038】また、T1≦60nsecで、パワーレベルの
比率P3/P2をP3/P2≦1の範囲で記録データに
応じて変えることにより、記録マークのタンジェンシャ
ル方向と半径方向の両方向ともマーク長を縮小すること
ができる。
【0039】さらに、T1≦60nsecで、パワーレベル
P1,P3を保持する時間をT1,T3とすると、T3
/T1比を記録データに応じて変えることにより、記録
マークのタンジェンシャル方向にマーク長を大きくする
ことができる。
【0040】また、T1≦60nsecで、P3/P2比をP
3/P2≦1の範囲で変え、かつ、T3/T1比を記録デ
ータに応じて変えることにより、記録マークのタンジェ
ンシャル方向と半径方向ともにマーク長を変えて多値情
報を記録することができる。
【0041】さらに、レーザ光のパワーレベルP1,P
2,P3を発生する少なくとも2つの波形発生器を設
け、一方の波形発生器ではP1レベルのレーザーパワー
変調信号を発生し、他方の波形発生器ではP2レベルと
P3レベルのレーザーパワー変調信号を発生し、2つの
信号を合成してレーザーパワーを変調して記録マークを
記録することにより、反射光強度の線形性が十分にとれ
て階調の線形性を確保することができる。
【0042】また、記録マークを記録する記録媒体を相
変化型記録材料で形成し、記録マークを非晶質状態にし
て記録することにより、記録マークの大きさを容易に変
えることができる。
【0043】この相変化記録材料を、Sb/Te比が2
から5の範囲にあるSbTeと、Ag,In,Ge,G
a,B,Si,Al,Snの群から選ばれる少なくとも
1種の元素を含有するように形成することにより、パワ
ーレベルP1,P2,P3及びパルス幅T1,T2を変
えることにり急冷状態となる領域を制御することがで
き、記録マークの大きさを任意に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成図である。
【図2】光ピックアップ装置の構成図である。
【図3】記録マークのマーク長と記録ストラテジを示す
模式図である。
【図4】時間T1に対するマーク長の面内ばらつきの分
布図である。
【図5】記録条件1,2,3に対するマーク長の面内ば
らつきの分布図である。
【図6】T3/T1比の変化に対するマーク長の変化特
性図である。
【図7】8値データの記録を示す記録マークと記録スト
ラテジを示す模式図である。
【図8】レーザ出力制御部の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】この発明の実施例と従来例で記録した記録マー
クの反射光強度の変化特性図である。
【図10】従来例の記録マークのマーク長と記録ストラ
テジを示す模式図である。
【符号の説明】
1;情報記録媒体、2;認識情報変換部、3;制御部、
4;レーザ出力制御部、5;ターンテーブル、6;回転
モータ、7;光ピックアップ装置、8;送りモータ、1
1;LD、12;コリメータレンズ、13;偏光ビーム
スプリッタ、14;1/4波長板、15;対物レンズ1
5、16;凸球面レンズ、17;集光レンズ、18;受
光素子、19;レーザ光、201;記録マーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 563 G11B 7/24 563M

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に情報を示す記録マークを記録
    する記録単位はディスク接線方向において一定周期であ
    り、記録単位内において多値データに対応させて記録マ
    ークの大きさを変えて記録し、記録マークの大きさによ
    る反射光量の変化を検出して多値データを再生する情報
    記録装置において、 レーザ光のパワーレベルを3段階P1,P2,P3と
    し、パワーレベルP1,P2,P3の大きさはP1>P
    2>P3の関係として、パワーレベルP2は各記録単位
    間で一定レベルとし、記録単位毎にP2,P1,P3,
    P2の順序及びP2,P1,P2の順序でパワーレベル
    を変えるとともにパワーレベルP1,P3を保持する時
    間であるパルス幅T1,T2を変えてレーザ光を変調し
    て、記録データに対応させて記録マークのディスクタン
    ジェンシャル方向と半径方向の長さ変えることを特徴と
    する情報記録装置。
  2. 【請求項2】 上記記録マークを記録する記録単位はデ
    ィスクタンジェンシャル方向において一定周期であり、
    その周期Lは、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口
    数をNAとすると、最小0.4×λ/NAから最大0.8×λ
    /NAの範囲にある請求項1記載の情報記録装置。
  3. 【請求項3】 上記記録媒体に記録した記録マークの電
    子線を使った観測方法でコントラスト変化として検知さ
    れるディスク接線方向又は半径方向のどちらか長い方の
    マーク長を、マークを記録するレーザービームの波長を
    λ、対物レンズの開口数をNAとすると、記録情報に応
    じて最小0.1×λ/NAから最大0.7×λ/NAの範囲で
    変化させる請求項1記載の情報記録装置。
  4. 【請求項4】 上記レーザ光のパワーレベルをP1レベ
    ルに保持する時間をT1とするとT1≦60nsecである
    請求項1記載の情報記録装置。
  5. 【請求項5】 上記パワーレベルの比率P3/P2は、
    P3/P2≦1の範囲で記録データに応じて変える請求
    項4記載の情報記録装置。
  6. 【請求項6】 上記パワーレベルP1,P3を保持する
    時間をT1,T3とすると、T3/T1比を記録データ
    に応じて変える請求項4記載の情報記録装置。
  7. 【請求項7】 上記P3/P2比をP3/P2≦1の範囲で
    変え、かつ、T3/T1比を記録データに応じて変える
    請求項4記載の情報記録装置。
  8. 【請求項8】 上記レーザ光のパワーレベルP1,P
    2,P3を発生する少なくとも2つの波形発生器を有
    し、一方の波形発生器ではP1レベルのレーザーパワー
    変調信号を発生し、他方の波形発生器ではP2レベルと
    P3レベルのレーザーパワー変調信号を発生し、2つの
    信号を合成してレーザーパワーを変調する請求項1乃至
    7のいずれかに記載の情報記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の情報記録装置で記録マ
    ークを記録する記録媒体であって、 相変化型記録材料から形成され、記録マークは非晶質状
    態であることを特徴とする記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記相変化記録材料は、Sb/Te比
    が2から5の範囲にあるSbTeと、Ag,In,G
    e,Ga,B,Si,Al,Snの群から選ばれる少な
    くとも1種の元素を含有する請求項9記載の記録媒体。
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