JP2002242747A - エンジンの燃料噴射系騒音検出装置 - Google Patents
エンジンの燃料噴射系騒音検出装置Info
- Publication number
- JP2002242747A JP2002242747A JP2001044064A JP2001044064A JP2002242747A JP 2002242747 A JP2002242747 A JP 2002242747A JP 2001044064 A JP2001044064 A JP 2001044064A JP 2001044064 A JP2001044064 A JP 2001044064A JP 2002242747 A JP2002242747 A JP 2002242747A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel injection
- engine
- valve
- timing
- vibration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】エンジン振動から燃料噴射系の動作に起因する
振動を検出して、燃料噴射系騒音を評価する。 【解決手段】エンジン1の振動を検出する振動検出手段
5からの出力信号に対して、燃料噴射系を構成する部品
の動作に基づいて設定される所定のタイミングでスイッ
チング部7のON/OFF切換え行うことにより、エン
ジンの振動から燃料噴射系に起因する振動を検出する。
振動を検出して、燃料噴射系騒音を評価する。 【解決手段】エンジン1の振動を検出する振動検出手段
5からの出力信号に対して、燃料噴射系を構成する部品
の動作に基づいて設定される所定のタイミングでスイッ
チング部7のON/OFF切換え行うことにより、エン
ジンの振動から燃料噴射系に起因する振動を検出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの騒音の
うち機械騒音、特に燃料噴射系騒音を検出する技術に関
する。
うち機械騒音、特に燃料噴射系騒音を検出する技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジン騒音を低減するものとして、例
えば、実開平7−44552号公報に示されるものがあ
る。このものは、エンジンの振動を検出する手段を備
え、メイン噴射とこのメイン噴射に先立って少量の燃料
を噴射するパイロット噴射に分けて噴射する分割噴射、
又はメイン噴射だけによる通常噴射、の何れかにより燃
料を噴射するよう制御されているときに、他方の噴射を
試行して両者のエンジン振動を検出し、該エンジン振動
の小さい方の燃料噴射方式を選択することにより、エン
ジン騒音の低減を図っている。
えば、実開平7−44552号公報に示されるものがあ
る。このものは、エンジンの振動を検出する手段を備
え、メイン噴射とこのメイン噴射に先立って少量の燃料
を噴射するパイロット噴射に分けて噴射する分割噴射、
又はメイン噴射だけによる通常噴射、の何れかにより燃
料を噴射するよう制御されているときに、他方の噴射を
試行して両者のエンジン振動を検出し、該エンジン振動
の小さい方の燃料噴射方式を選択することにより、エン
ジン騒音の低減を図っている。
【0003】ところで、エンジンの騒音は、大別する
と、燃焼に起因する燃焼騒音と機械部品の運動に起因す
る機械騒音とがあり、特にディーゼルエンジンにおいて
は、前記機械騒音のうちの大きな割合を燃料噴射に起因
するインジェクタ騒音等の燃料噴射系騒音が占める。こ
れらの要因のうち、いずれか一方の寄与が他方に比べて
大きい場合、例えば、エンジン騒音に対する燃焼騒音の
寄与が機械騒音に比べて大きい場合は、上記従来のよう
に、単にエンジンの振動を検出することにより、エンジ
ン騒音の大小を判断することができる。
と、燃焼に起因する燃焼騒音と機械部品の運動に起因す
る機械騒音とがあり、特にディーゼルエンジンにおいて
は、前記機械騒音のうちの大きな割合を燃料噴射に起因
するインジェクタ騒音等の燃料噴射系騒音が占める。こ
れらの要因のうち、いずれか一方の寄与が他方に比べて
大きい場合、例えば、エンジン騒音に対する燃焼騒音の
寄与が機械騒音に比べて大きい場合は、上記従来のよう
に、単にエンジンの振動を検出することにより、エンジ
ン騒音の大小を判断することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、燃焼が改善さ
れてエンジン騒音に対する燃焼騒音の寄与が相対的に小
さくなり、それに伴って機械騒音のうち燃料噴射騒音の
寄与が大きくなると、例えば、前記パイロット噴射を行
うことにより燃焼騒音が小さくなっても、噴射回数が増
えるために燃料噴射系騒音が悪化し、結果としてエンジ
ン騒音が悪化する場合がある。
れてエンジン騒音に対する燃焼騒音の寄与が相対的に小
さくなり、それに伴って機械騒音のうち燃料噴射騒音の
寄与が大きくなると、例えば、前記パイロット噴射を行
うことにより燃焼騒音が小さくなっても、噴射回数が増
えるために燃料噴射系騒音が悪化し、結果としてエンジ
ン騒音が悪化する場合がある。
【0005】このように、燃焼騒音、燃料噴射騒音及び
これ以外の機械騒音の3つの要因を考慮しなければなら
ない場合には、単にエンジンの振動を検出するだけでは
エンジン騒音の大小を正確に判断することはできない。
そこで、本発明はエンジン振動から燃料噴射系の寄与分
のみを検出して評価することを目的とする。
これ以外の機械騒音の3つの要因を考慮しなければなら
ない場合には、単にエンジンの振動を検出するだけでは
エンジン騒音の大小を正確に判断することはできない。
そこで、本発明はエンジン振動から燃料噴射系の寄与分
のみを検出して評価することを目的とする。
【0006】さらに、検出したエンジン振動信号に対し
て、適切な信号処理を施すことにより、既存の振動セン
サや安価なセンサ等を用いた場合であってもエンジン振
動から燃料噴射系騒音の寄与分のみを効果的に取り出す
ことを目的とする。
て、適切な信号処理を施すことにより、既存の振動セン
サや安価なセンサ等を用いた場合であってもエンジン振
動から燃料噴射系騒音の寄与分のみを効果的に取り出す
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、エンジンの振動を検出する振動検出手段を備
え、該振動検出手段からの出力信号に対して、燃料噴射
系を構成する部品の動作に基づいて設定される所定のタ
イミングで所定の信号処理を行い、該処理された信号に
基づいてエンジンの振動から燃料噴射系に起因する振動
レベルを検出することを特徴とする。
る発明は、エンジンの振動を検出する振動検出手段を備
え、該振動検出手段からの出力信号に対して、燃料噴射
系を構成する部品の動作に基づいて設定される所定のタ
イミングで所定の信号処理を行い、該処理された信号に
基づいてエンジンの振動から燃料噴射系に起因する振動
レベルを検出することを特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、前記信号処理が、前記振動検出手段からの
出力信号を検出するON状態と検出しないOFF状態と
を切換えるON/OFF切換えであることを特徴とす
る。請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明におい
て、前記ON状態には、燃料噴射弁の開閉時における内
部部品同士の衝撃力による振動が発生している期間を含
むことを特徴とする。
明において、前記信号処理が、前記振動検出手段からの
出力信号を検出するON状態と検出しないOFF状態と
を切換えるON/OFF切換えであることを特徴とす
る。請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明におい
て、前記ON状態には、燃料噴射弁の開閉時における内
部部品同士の衝撃力による振動が発生している期間を含
むことを特徴とする。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項3に係る発
明において、前記ON/OFF切換えをONにするタイ
ミングが燃料噴射弁の開弁動作開始時、閉弁動作開始時
又は燃料噴射開始時のいずれかと略一致することを特徴
とする。請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明に
おいて、電磁駆動式の燃料噴射弁を備えたエンジンにお
いて、前記ON/OFF切換えをONにするタイミング
が、燃料噴射弁への通電開始時又は通電終了時と略一致
することを特徴とする。
明において、前記ON/OFF切換えをONにするタイ
ミングが燃料噴射弁の開弁動作開始時、閉弁動作開始時
又は燃料噴射開始時のいずれかと略一致することを特徴
とする。請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明に
おいて、電磁駆動式の燃料噴射弁を備えたエンジンにお
いて、前記ON/OFF切換えをONにするタイミング
が、燃料噴射弁への通電開始時又は通電終了時と略一致
することを特徴とする。
【0010】請求項6に係る発明は、請求項3から請求
項5のいずれか1つに係る発明において、前記ON/O
FF切換えをOFFにするタイミングが、燃料噴射弁の
閉弁動作開始時、閉弁動作終了時又は燃料噴射終了時の
いずれかに対して、所定の遅れ時間を加えて設定されて
いることを特徴とする。
項5のいずれか1つに係る発明において、前記ON/O
FF切換えをOFFにするタイミングが、燃料噴射弁の
閉弁動作開始時、閉弁動作終了時又は燃料噴射終了時の
いずれかに対して、所定の遅れ時間を加えて設定されて
いることを特徴とする。
【0011】請求項7に係る発明は、請求項6に係る発
明において、電磁駆動式の燃料噴射弁を備えたエンジン
において、前記ON/OFF切換えをOFFにするタイ
ミングが、燃料噴射弁への通電終了時に対して、所定の
遅れ時間を加えて設定されていることを特徴とする。請
求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、前
記所定の遅れ時間が、燃料噴射弁への通電停止から閉弁
終了までの閉弁遅れ時間と、燃料噴射弁の内部部品同士
の衝突により発生した振動が減衰する減衰時間との和と
して設定されていることを特徴とする。
明において、電磁駆動式の燃料噴射弁を備えたエンジン
において、前記ON/OFF切換えをOFFにするタイ
ミングが、燃料噴射弁への通電終了時に対して、所定の
遅れ時間を加えて設定されていることを特徴とする。請
求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、前
記所定の遅れ時間が、燃料噴射弁への通電停止から閉弁
終了までの閉弁遅れ時間と、燃料噴射弁の内部部品同士
の衝突により発生した振動が減衰する減衰時間との和と
して設定されていることを特徴とする。
【0012】請求項9に係る発明は、請求項8に係る発
明において、前記閉弁遅れ時間が、燃料噴射量が所定量
以下の場合には、燃料噴射弁への通電期間にあらかじめ
設定された係数を乗じて算出される一方、燃料噴射量が
所定量を超える場合には、あらかじめ設定された定数に
燃料圧力の逆数を乗じて算出されることを特徴とする。
明において、前記閉弁遅れ時間が、燃料噴射量が所定量
以下の場合には、燃料噴射弁への通電期間にあらかじめ
設定された係数を乗じて算出される一方、燃料噴射量が
所定量を超える場合には、あらかじめ設定された定数に
燃料圧力の逆数を乗じて算出されることを特徴とする。
【0013】請求項10に係る発明は、請求項3から請
求項9のいずれか1つに係る発明において、燃焼1行程
に複数回の燃料噴射が可能なエンジンにおいて、先行す
る燃料噴射に基づいて設定されたOFFのタイミングよ
りも、遅れて行われる燃料噴射に基づいて設定されたO
Nのタイミングが先行する場合には、該遅れて行われる
燃料噴射に基づいて設定されたONのタイミングを先行
する燃料噴射に係るOFFのタイミングとすることを特
徴とする。
求項9のいずれか1つに係る発明において、燃焼1行程
に複数回の燃料噴射が可能なエンジンにおいて、先行す
る燃料噴射に基づいて設定されたOFFのタイミングよ
りも、遅れて行われる燃料噴射に基づいて設定されたO
Nのタイミングが先行する場合には、該遅れて行われる
燃料噴射に基づいて設定されたONのタイミングを先行
する燃料噴射に係るOFFのタイミングとすることを特
徴とする。
【0014】請求項10に係る発明は、請求項3に係る
発明において、前記ON状態には、吸気弁又は排気弁の
駆動装置を構成する部品同士が衝突する時期を含まない
ことを特徴とする。請求項11に係る発明は、請求項1
に係る発明において、前記信号処理が、処理を開始する
タイミングと減衰時間とが燃料噴射弁を構成する部品の
動作に基づいて設定される時間減衰処理であることを特
徴とする。
発明において、前記ON状態には、吸気弁又は排気弁の
駆動装置を構成する部品同士が衝突する時期を含まない
ことを特徴とする。請求項11に係る発明は、請求項1
に係る発明において、前記信号処理が、処理を開始する
タイミングと減衰時間とが燃料噴射弁を構成する部品の
動作に基づいて設定される時間減衰処理であることを特
徴とする。
【0015】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、エンジン
の振動を検出する振動検出手段からの出力信号に対し
て、燃料噴射系を構成する部品の動作に基づいて設定さ
れる所定のタイミングで所定の信号処理を行った後、振
動レベルを算出するのでエンジン振動から燃料噴射系の
動作に起因する振動レベルを効果的に検出して、燃料噴
射系騒音のみを評価できる。
の振動を検出する振動検出手段からの出力信号に対し
て、燃料噴射系を構成する部品の動作に基づいて設定さ
れる所定のタイミングで所定の信号処理を行った後、振
動レベルを算出するのでエンジン振動から燃料噴射系の
動作に起因する振動レベルを効果的に検出して、燃料噴
射系騒音のみを評価できる。
【0016】請求項2に係る発明によれば、エンジンの
振動に対して簡単な信号処理(ON/OFF切換え)を
行うことにより、燃料噴射系の動作に起因する振動レベ
ルを検出できる。請求項3に係る発明によれば、エンジ
ン振動を検出するON状態に、燃料噴射弁の開閉時にお
ける内部部品の衝撃力による振動が発生している期間を
含むので、燃料噴射系の動作に起因する振動を確実に検
出できる。
振動に対して簡単な信号処理(ON/OFF切換え)を
行うことにより、燃料噴射系の動作に起因する振動レベ
ルを検出できる。請求項3に係る発明によれば、エンジ
ン振動を検出するON状態に、燃料噴射弁の開閉時にお
ける内部部品の衝撃力による振動が発生している期間を
含むので、燃料噴射系の動作に起因する振動を確実に検
出できる。
【0017】請求項4に係る発明によれば、ON/OF
F切換えをONにするタイミングが燃料噴射弁の開弁動
作開始時、閉弁動作開始時又は燃料噴射開始時のいずれ
かと略一致させることにより、燃料噴射弁の動作タイミ
ングから、燃料噴射系の動作に起因する振動を効果的に
検出するためのエンジン振動の検出開始時期を容易に設
定できる。
F切換えをONにするタイミングが燃料噴射弁の開弁動
作開始時、閉弁動作開始時又は燃料噴射開始時のいずれ
かと略一致させることにより、燃料噴射弁の動作タイミ
ングから、燃料噴射系の動作に起因する振動を効果的に
検出するためのエンジン振動の検出開始時期を容易に設
定できる。
【0018】請求項5に係る発明によれば、電磁駆動式
の燃料噴射弁を備えたエンジンにおいては、前記ONに
するタイミングが燃料噴射弁への通電開始時又は通電終
了時と略一致させることにより、燃料噴射弁の駆動信号
から、燃料噴射系の動作に起因する振動を効果的に検出
するためのエンジン振動の検出開始時期を容易に設定で
きる。
の燃料噴射弁を備えたエンジンにおいては、前記ONに
するタイミングが燃料噴射弁への通電開始時又は通電終
了時と略一致させることにより、燃料噴射弁の駆動信号
から、燃料噴射系の動作に起因する振動を効果的に検出
するためのエンジン振動の検出開始時期を容易に設定で
きる。
【0019】請求項6に係る発明によれば、ON/OF
F切換えをOFFにするタイミングを、燃料噴射弁の閉
弁動作開始時、閉弁動作終了時又は燃料噴射終了時のい
ずれかに対して所定の遅れ時間を加えたものとすること
で、燃料噴射弁の動作タイミングから、燃料噴射系の動
作に起因する振動を効果的に検出するためのエンジン振
動の検出終了時期を容易に設定してできる。
F切換えをOFFにするタイミングを、燃料噴射弁の閉
弁動作開始時、閉弁動作終了時又は燃料噴射終了時のい
ずれかに対して所定の遅れ時間を加えたものとすること
で、燃料噴射弁の動作タイミングから、燃料噴射系の動
作に起因する振動を効果的に検出するためのエンジン振
動の検出終了時期を容易に設定してできる。
【0020】請求項7に係る発明によれば、電磁駆動式
の燃料噴射弁を備えたエンジンにおいては、前記OFF
にするタイミングを燃料噴射弁への通電終了時に対して
所定の遅れ時間を加えたものとすることで、燃料噴射弁
の駆動信号から、燃料噴射系の動作に起因する振動を効
果的に検出するためのエンジン振動の検出終了時期を容
易に設定できる。
の燃料噴射弁を備えたエンジンにおいては、前記OFF
にするタイミングを燃料噴射弁への通電終了時に対して
所定の遅れ時間を加えたものとすることで、燃料噴射弁
の駆動信号から、燃料噴射系の動作に起因する振動を効
果的に検出するためのエンジン振動の検出終了時期を容
易に設定できる。
【0021】請求項8に係る発明によれば、前記所定の
遅れ時間を、燃料噴射弁への通電停止から閉弁終了まで
の閉弁遅れ時間と、燃料噴射弁の内部部品同士の衝突に
より発生した振動が減衰する減衰時間との和として設定
することにより、燃料噴射系の動作に起因する振動を確
実に検出できる。
遅れ時間を、燃料噴射弁への通電停止から閉弁終了まで
の閉弁遅れ時間と、燃料噴射弁の内部部品同士の衝突に
より発生した振動が減衰する減衰時間との和として設定
することにより、燃料噴射系の動作に起因する振動を確
実に検出できる。
【0022】請求項9に係る発明によれば、前記所定遅
れ時間を、燃料噴射量に応じて簡単な数式により算出で
き、制御が簡素化できる。請求項10に係る発明によれ
ば、燃焼1行程に複数回の燃料噴射が可能なエンジンに
おいて、パイロット噴射と主噴射とが近接して行われた
場合であっても、それぞれの噴射時における燃料噴射系
騒音を分離して検出できる。
れ時間を、燃料噴射量に応じて簡単な数式により算出で
き、制御が簡素化できる。請求項10に係る発明によれ
ば、燃焼1行程に複数回の燃料噴射が可能なエンジンに
おいて、パイロット噴射と主噴射とが近接して行われた
場合であっても、それぞれの噴射時における燃料噴射系
騒音を分離して検出できる。
【0023】請求項11に係る発明によれば、燃料噴射
系の動作に起因する振動、騒音と近似し、誤差の要因と
なる他の動弁系の動作に起因する振動を排除して、燃料
噴射系の動作に起因する振動を精度よく検出できる。請
求項12に係る発明によれば、前記振動検出手段からの
出力信号に対して、開始タイミングと減衰時間とが燃料
噴射弁を構成する部品の動作に基づいて設定される時間
減衰処理を行うことにより、スイッチング要素を極力少
なくした単純な回路(時間減衰回路)を用いて燃料噴射
系に起因する振動を精度よく検出することができる。
系の動作に起因する振動、騒音と近似し、誤差の要因と
なる他の動弁系の動作に起因する振動を排除して、燃料
噴射系の動作に起因する振動を精度よく検出できる。請
求項12に係る発明によれば、前記振動検出手段からの
出力信号に対して、開始タイミングと減衰時間とが燃料
噴射弁を構成する部品の動作に基づいて設定される時間
減衰処理を行うことにより、スイッチング要素を極力少
なくした単純な回路(時間減衰回路)を用いて燃料噴射
系に起因する振動を精度よく検出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明を適用したコモンレール式直
噴ディーゼルエンジンの概略図である。図1に示すよう
に、エンジン1本体にはコモンレール2が装備されてお
り、その内部にサプライポンプ(図示省略)で加圧され
た燃料を貯溜している。
説明する。図1は、本発明を適用したコモンレール式直
噴ディーゼルエンジンの概略図である。図1に示すよう
に、エンジン1本体にはコモンレール2が装備されてお
り、その内部にサプライポンプ(図示省略)で加圧され
た燃料を貯溜している。
【0025】コモンレール2は、高圧配管を経由して各
シリンダ4毎に設置されたインジェクタ3に燃料を供給
する。インジェクタ3は、エンジンコントロールユニッ
ト(ECU)10からの信号によって、運転状態に応じ
て燃料噴射時期及び燃料噴射量が制御され、シリンダ4
内に燃料を噴射供給する。
シリンダ4毎に設置されたインジェクタ3に燃料を供給
する。インジェクタ3は、エンジンコントロールユニッ
ト(ECU)10からの信号によって、運転状態に応じ
て燃料噴射時期及び燃料噴射量が制御され、シリンダ4
内に燃料を噴射供給する。
【0026】ECU10は、入力されるエンジン回転速
度、アクセル開度、冷却水温度等の運転状態を示す各種
信号群12に基づいて、燃料噴射圧力、燃料噴射時期、
燃料噴射量等の制御量を演算して制御信号13を出力す
る。なお、本実施形態においては、1行程に複数回に分
けて燃料を噴射することが可能であり、メイン噴射に先
立って、少量の燃料を噴射するパイロット噴射を行うこ
とができる。
度、アクセル開度、冷却水温度等の運転状態を示す各種
信号群12に基づいて、燃料噴射圧力、燃料噴射時期、
燃料噴射量等の制御量を演算して制御信号13を出力す
る。なお、本実施形態においては、1行程に複数回に分
けて燃料を噴射することが可能であり、メイン噴射に先
立って、少量の燃料を噴射するパイロット噴射を行うこ
とができる。
【0027】また、エンジン1には、エンジン振動を検
出する振動センサ5が設けられており、振動センサ5か
らの出力信号は信号処理部6に入力される。信号処理部
6は、スイッチング部7と振動レベル計算部8とを含ん
で構成されており、スイッチがONのときに前記振動セ
ンサ5からの信号の実効値を計算するなどの手順を経て
信号レベル信号9を出力する。スイッチがOFFのとき
は振動レベル0を示す信号を出力する。
出する振動センサ5が設けられており、振動センサ5か
らの出力信号は信号処理部6に入力される。信号処理部
6は、スイッチング部7と振動レベル計算部8とを含ん
で構成されており、スイッチがONのときに前記振動セ
ンサ5からの信号の実効値を計算するなどの手順を経て
信号レベル信号9を出力する。スイッチがOFFのとき
は振動レベル0を示す信号を出力する。
【0028】スイッチング部7のON/OFF切換え
は、ECU10から出力される燃料噴射制御信号11に
基づいてタイミング算出部15で算出されたタイミング
で行われる。次に、インジェクタ3の動作について説明
する。図2は、インジェクタ3の基本構造である。
は、ECU10から出力される燃料噴射制御信号11に
基づいてタイミング算出部15で算出されたタイミング
で行われる。次に、インジェクタ3の動作について説明
する。図2は、インジェクタ3の基本構造である。
【0029】インジェクタ3にはコモンレール2から高
圧燃料配管を介して入口部21に燃料が供給され、燃料
を噴射しないときは、インジェクタ内部の油圧経路を通
じてノズル先端部にある油圧室22及びノズル後端部に
ある油圧室23へと燃料が供給され、両油圧室22、2
3には略同一の油圧が生じている。通常時は油圧室22
と油圧室23の断面積の差に起因する油圧力とスプリン
グ27による付勢力とにより、針弁本体24、スペーサ
25及び油圧ピストン26が一体的にノズルシート部2
8方向へと付勢されて噴孔33を閉じている。
圧燃料配管を介して入口部21に燃料が供給され、燃料
を噴射しないときは、インジェクタ内部の油圧経路を通
じてノズル先端部にある油圧室22及びノズル後端部に
ある油圧室23へと燃料が供給され、両油圧室22、2
3には略同一の油圧が生じている。通常時は油圧室22
と油圧室23の断面積の差に起因する油圧力とスプリン
グ27による付勢力とにより、針弁本体24、スペーサ
25及び油圧ピストン26が一体的にノズルシート部2
8方向へと付勢されて噴孔33を閉じている。
【0030】燃料噴射時には、エンジンコントロールユ
ニットECU10からの信号により電磁コイル29への
通電を開始すると、電磁弁ピストン31がスプリング3
0に抗して移動(リフト)する。これにより、オリフィ
ス32を通じて燃料が油圧室23から図で見て右方向へ
と流れ込み、油圧室23側の油圧が油圧室22側の油圧
に対して低くなり、この圧力差により針弁本体24、ス
ペーサ25及び油圧ピストン26が図で見て右方向へと
移動(リフト)し、ノズルシート部28が開放され、噴
孔33から燃料が噴射される。
ニットECU10からの信号により電磁コイル29への
通電を開始すると、電磁弁ピストン31がスプリング3
0に抗して移動(リフト)する。これにより、オリフィ
ス32を通じて燃料が油圧室23から図で見て右方向へ
と流れ込み、油圧室23側の油圧が油圧室22側の油圧
に対して低くなり、この圧力差により針弁本体24、ス
ペーサ25及び油圧ピストン26が図で見て右方向へと
移動(リフト)し、ノズルシート部28が開放され、噴
孔33から燃料が噴射される。
【0031】そして、電磁コイル29への通電を終了す
れば、電磁弁ピストン31がスプリング30により付勢
されて図で見て左方向へと移動してオリフィス32を閉
じ、油圧バランスとスプリング27とにより針弁本体2
4、スペーサ25及び油圧ピストン26がノズルシート
部28方向へと移動して噴孔33を閉じて燃料噴射を停
止する。
れば、電磁弁ピストン31がスプリング30により付勢
されて図で見て左方向へと移動してオリフィス32を閉
じ、油圧バランスとスプリング27とにより針弁本体2
4、スペーサ25及び油圧ピストン26がノズルシート
部28方向へと移動して噴孔33を閉じて燃料噴射を停
止する。
【0032】以上のように構成されたエンジンにおける
インジェクタ3の動作状態とエンジン振動との関係につ
いて説明する。図3は、燃料噴射時のインジェクタ3の
動作状態と振動波形とを時刻暦で示したものである。こ
こで、(a)には電磁コイル29への通電量(電流値)
41が、(b)には針弁本体24のリフト量42が、
(c)にはインジェクタ3上の振動43が、(d)には
エンジン1上に設けた振動センサ5からの出力信号44
が、それぞれ示されている。
インジェクタ3の動作状態とエンジン振動との関係につ
いて説明する。図3は、燃料噴射時のインジェクタ3の
動作状態と振動波形とを時刻暦で示したものである。こ
こで、(a)には電磁コイル29への通電量(電流値)
41が、(b)には針弁本体24のリフト量42が、
(c)にはインジェクタ3上の振動43が、(d)には
エンジン1上に設けた振動センサ5からの出力信号44
が、それぞれ示されている。
【0033】ここで、図3(b)中の期間45は主噴射
期間を、期間46はパイロット噴射期間を示し、それぞ
れ針弁本体24が初期値47からリフトしている間に燃
料が噴射される。すなわち、主噴射期間45において
は、電磁コイル29への通電が開始されると同時に(A
点)、針弁本体24が上昇(リフト)を開始し、そのリ
フト量は時間と共に増加する。最上昇点(フルリフト)
に達すると(B点)リフト量は一定Lfとなり、その後
通電を終了すると(C点)針弁本体24は降下を始め、
ノズルシート部28に接触して噴射を終了する(D
点)。
期間を、期間46はパイロット噴射期間を示し、それぞ
れ針弁本体24が初期値47からリフトしている間に燃
料が噴射される。すなわち、主噴射期間45において
は、電磁コイル29への通電が開始されると同時に(A
点)、針弁本体24が上昇(リフト)を開始し、そのリ
フト量は時間と共に増加する。最上昇点(フルリフト)
に達すると(B点)リフト量は一定Lfとなり、その後
通電を終了すると(C点)針弁本体24は降下を始め、
ノズルシート部28に接触して噴射を終了する(D
点)。
【0034】パイロット噴射期間46においても同様で
あるが、電磁コイル29への通電開始(A点)から通電
終了(C点)までの期間が短いため、針弁本体24はフ
ルリフトに到達する前に降下を開始する。ここで図3
(c)を見ると、上記燃料噴射の動作に起因する振動波
形がインジェクタ3上の振動波形に現れていることが判
る。
あるが、電磁コイル29への通電開始(A点)から通電
終了(C点)までの期間が短いため、針弁本体24はフ
ルリフトに到達する前に降下を開始する。ここで図3
(c)を見ると、上記燃料噴射の動作に起因する振動波
形がインジェクタ3上の振動波形に現れていることが判
る。
【0035】すなわち、図3(b)におけるA点(電磁
弁の開弁タイミング)、B点(針弁本体24のフルリフ
トタイミング)、C点(電磁弁の閉弁タイミング)、D
点(針弁の閉弁タイミング)を基点にそれぞれ振動が発
生している。そして、これらの振動により燃料噴射系部
品の機械騒音は発生するので、かかるタイミングに応じ
てエンジン振動を検出して、その振動レベルを算出する
ようにすることで、エンジン振動から燃料噴射系の動作
に起因する振動を効果的に検出(抽出)できる。
弁の開弁タイミング)、B点(針弁本体24のフルリフ
トタイミング)、C点(電磁弁の閉弁タイミング)、D
点(針弁の閉弁タイミング)を基点にそれぞれ振動が発
生している。そして、これらの振動により燃料噴射系部
品の機械騒音は発生するので、かかるタイミングに応じ
てエンジン振動を検出して、その振動レベルを算出する
ようにすることで、エンジン振動から燃料噴射系の動作
に起因する振動を効果的に検出(抽出)できる。
【0036】そこで、本実施形態では上記のタイミング
でエンジン振動を検出するように、タイミング算出部1
5でスイッチング部7のON/OFF切換えタイミング
を算出することにより、エンジン振動のうち燃料噴射系
の動作に起因する振動を効果的に抽出することで、他の
原因による振動の影響を排除し、燃料噴射系騒音を精度
よく検出、評価できるようにした。
でエンジン振動を検出するように、タイミング算出部1
5でスイッチング部7のON/OFF切換えタイミング
を算出することにより、エンジン振動のうち燃料噴射系
の動作に起因する振動を効果的に抽出することで、他の
原因による振動の影響を排除し、燃料噴射系騒音を精度
よく検出、評価できるようにした。
【0037】具体的には、図3(d)に示すように、期
間48、49、50では前記スイッチング部7をOFF
とし、期間51、52では前記スイッチング部7をON
としている。ここで、スイッチング部7のON/OFF
切換えタイミングは、タイミング算出部15で、以下の
ようにして設定される。
間48、49、50では前記スイッチング部7をOFF
とし、期間51、52では前記スイッチング部7をON
としている。ここで、スイッチング部7のON/OFF
切換えタイミングは、タイミング算出部15で、以下の
ようにして設定される。
【0038】ONにするタイミングは、インジェクタ3
の動作の起点になる電磁弁への通電開始タイミングと一
致していればよい。なお、本実施形態においては、図3
に示すように、電磁弁(電磁コイル29)への通電開始
タイミング(A点)をONのタイミングに設定している
が、これに限られず、例えば電歪素子等を用いて針弁を
リフトするタイプのインジェクタにおいては、針弁のリ
フト動作開始タイミング又は降下動作開始タイミングや
噴射される燃料の流量が発生する(噴射燃料が0から0
でなくなる)タイミングをONのタイミングに設定して
も同様の効果が得られる。
の動作の起点になる電磁弁への通電開始タイミングと一
致していればよい。なお、本実施形態においては、図3
に示すように、電磁弁(電磁コイル29)への通電開始
タイミング(A点)をONのタイミングに設定している
が、これに限られず、例えば電歪素子等を用いて針弁を
リフトするタイプのインジェクタにおいては、針弁のリ
フト動作開始タイミング又は降下動作開始タイミングや
噴射される燃料の流量が発生する(噴射燃料が0から0
でなくなる)タイミングをONのタイミングに設定して
も同様の効果が得られる。
【0039】一方、OFFにするタイミングは、図3に
示すように、インジェクタ3の針弁の閉じ始めるタイミ
ング(C点)、閉じ終わるタイミング(D点)、噴射さ
れる燃料が0になるタイミング(D点)に所定の遅れ時
間を加えた時期に設定する。なお、本実施形態において
は、電磁弁(電磁コイル29)への通電終了タイミング
(C点)から所定の遅れ時間Tdを加算して得られる時
期をOFFのタイミングとしており、前記遅れ時間Td
は噴射される燃料量に基づいて設定される遅れ時間T1
と燃料噴射系部品の衝撃により発生した振動が十分に減
衰(例えば、ノイズレベル以下)までの遅れ時間T2と
の和として算出されている(Td=T1+T2)。
示すように、インジェクタ3の針弁の閉じ始めるタイミ
ング(C点)、閉じ終わるタイミング(D点)、噴射さ
れる燃料が0になるタイミング(D点)に所定の遅れ時
間を加えた時期に設定する。なお、本実施形態において
は、電磁弁(電磁コイル29)への通電終了タイミング
(C点)から所定の遅れ時間Tdを加算して得られる時
期をOFFのタイミングとしており、前記遅れ時間Td
は噴射される燃料量に基づいて設定される遅れ時間T1
と燃料噴射系部品の衝撃により発生した振動が十分に減
衰(例えば、ノイズレベル以下)までの遅れ時間T2と
の和として算出されている(Td=T1+T2)。
【0040】前記遅れ時間T2は、燃料噴射系部品とエ
ンジン本体との振動特性により与えられる一定期間であ
り、前記遅れ時間T1は以下のようにして算出される。
噴射される燃料量が比較的多く、針弁がフルリフト状態
まで到達する場合は、フルリフト量(Lf)53を閉弁
時の弁体速度Vs(図3(b)における54の傾き)で
除すればよいが、弁体速度Vsは一般に燃料の圧力(レ
ール圧)Pfに比例する傾向にあるので、閉弁時の基準
弁体速度をV0とすれば、T1=Lf/(V0×Pf)と
なり、T1は、ある定数α(=Lf/V0)にレール圧
の逆数1/Pfを乗じて算出される。
ンジン本体との振動特性により与えられる一定期間であ
り、前記遅れ時間T1は以下のようにして算出される。
噴射される燃料量が比較的多く、針弁がフルリフト状態
まで到達する場合は、フルリフト量(Lf)53を閉弁
時の弁体速度Vs(図3(b)における54の傾き)で
除すればよいが、弁体速度Vsは一般に燃料の圧力(レ
ール圧)Pfに比例する傾向にあるので、閉弁時の基準
弁体速度をV0とすれば、T1=Lf/(V0×Pf)と
なり、T1は、ある定数α(=Lf/V0)にレール圧
の逆数1/Pfを乗じて算出される。
【0041】一方、噴射される燃料が比較的少なく、針
弁がフルリフトまで到達しない場合は、開弁時の針弁速
度Vo(図3(b)における55の傾き)に通電期間5
6を乗じて算出されるリフト量Lp(=Vo×tp)5
7を閉弁時の弁体速度Vsで除すればよく、また、弁体
速度Vo、Vs共にレール圧Pfの比例する傾向にある
ので、開弁時の基準弁体速度をV1とすれば、T1=V1
×Pf×tp/(V0×Pf)となり、通電期間(t
p)56にある定数β(=V1/V0)を乗じて算出され
る。
弁がフルリフトまで到達しない場合は、開弁時の針弁速
度Vo(図3(b)における55の傾き)に通電期間5
6を乗じて算出されるリフト量Lp(=Vo×tp)5
7を閉弁時の弁体速度Vsで除すればよく、また、弁体
速度Vo、Vs共にレール圧Pfの比例する傾向にある
ので、開弁時の基準弁体速度をV1とすれば、T1=V1
×Pf×tp/(V0×Pf)となり、通電期間(t
p)56にある定数β(=V1/V0)を乗じて算出され
る。
【0042】なお、本実施形態では取り扱いが容易な電
磁弁への通電信号を利用して、通電終了時に遅れ時間T
dを加算した時期をOFFのタイミングとしたが、これ
に限られず、針弁の閉弁開始タイミング、針弁の閉弁終
了タイミング、噴射される燃料の流量が0となるタイミ
ングのいずれかに所定の遅れ時間Td'を加算したもの
としてもよい。
磁弁への通電信号を利用して、通電終了時に遅れ時間T
dを加算した時期をOFFのタイミングとしたが、これ
に限られず、針弁の閉弁開始タイミング、針弁の閉弁終
了タイミング、噴射される燃料の流量が0となるタイミ
ングのいずれかに所定の遅れ時間Td'を加算したもの
としてもよい。
【0043】また、パイロット噴射を行う期間と主噴射
を行う期間とが非常に近接して連続すると、パイロット
噴射のみに起因する振動を独立して評価することが困難
となるが、かかる場合には、パイロット噴射を基準とし
て算出される本来のOFFタイミング(図3(d)にお
ける58)と主噴射を基準として算出(設定)されたO
Nタイミング(図3(d)における59)のいずれか先
行する方をOFFのタイミングとするように制御するこ
とでパイロット噴射に起因する振動を独立して評価する
ことができる。
を行う期間とが非常に近接して連続すると、パイロット
噴射のみに起因する振動を独立して評価することが困難
となるが、かかる場合には、パイロット噴射を基準とし
て算出される本来のOFFタイミング(図3(d)にお
ける58)と主噴射を基準として算出(設定)されたO
Nタイミング(図3(d)における59)のいずれか先
行する方をOFFのタイミングとするように制御するこ
とでパイロット噴射に起因する振動を独立して評価する
ことができる。
【0044】以上のように、検出したエンジン振動に対
して、燃料噴射系を構成する部品の動作に基づいて設定
される所定のタイミングでON/OFF切換えを行うこ
とにより、エンジン振動のうち燃料噴射系振動の寄与分
を効果的に検出して、燃料噴射系騒音を評価できる。次
に、第2実施形態について説明する。
して、燃料噴射系を構成する部品の動作に基づいて設定
される所定のタイミングでON/OFF切換えを行うこ
とにより、エンジン振動のうち燃料噴射系振動の寄与分
を効果的に検出して、燃料噴射系騒音を評価できる。次
に、第2実施形態について説明する。
【0045】図4に示すように、基本構成は前記第1実
施形態と同様であるが、信号処理部6が簡略化されてお
り、タイミング算出部15が存在せず、ECU10から
の信号16によってスイッチング部7のON/OFFの
切換えが制御される点が異なる。すなわち、本実施形態
では、インジェクタ3の動作信号に基づいてスイッチン
グ部7のON/OFFの切換えタイミングを算出してい
るのではなく、エンジン回転速度、負荷等の運転条件に
基づいて燃料噴射系騒音の発生するタイミング予測して
スイッチング部7のON/OFFの切換えを行ってい
る。
施形態と同様であるが、信号処理部6が簡略化されてお
り、タイミング算出部15が存在せず、ECU10から
の信号16によってスイッチング部7のON/OFFの
切換えが制御される点が異なる。すなわち、本実施形態
では、インジェクタ3の動作信号に基づいてスイッチン
グ部7のON/OFFの切換えタイミングを算出してい
るのではなく、エンジン回転速度、負荷等の運転条件に
基づいて燃料噴射系騒音の発生するタイミング予測して
スイッチング部7のON/OFFの切換えを行ってい
る。
【0046】具体的には、燃料噴射時期、噴射期間、パ
イロット噴射時期及びパイロット噴射量等がエンジンの
回転速度と負荷をパラメータとしたマップに基づいて設
定されるのと同様に、スイッチング部7のON/OFF
切換えタイミングについてもエンジン回転速度と負荷を
パラメータとしたマップをあらかじめ設定し、該マップ
に基づいてON/OFFの切換え信号16を出力するよ
うに構成してある。
イロット噴射時期及びパイロット噴射量等がエンジンの
回転速度と負荷をパラメータとしたマップに基づいて設
定されるのと同様に、スイッチング部7のON/OFF
切換えタイミングについてもエンジン回転速度と負荷を
パラメータとしたマップをあらかじめ設定し、該マップ
に基づいてON/OFFの切換え信号16を出力するよ
うに構成してある。
【0047】ここで、上記ON/OFF切換えタイミン
グのマップは、以下の点を考慮して作成されている。第
1に、ON状態の期間にはインジェクタ3の内部部品の
動作(開閉)時の衝撃力により振動が発生している期間
が含まれていることである。第2に、ON状態の期間内
には他の動弁系部品(吸、排気弁等)の衝突タイミング
を含まないことである。すなわち、バルブがバルブシー
トに着座する際やカムノーズがバルブリフタ等に接触す
る際には、その衝撃力に起因して振動が発生するが、該
振動は燃料噴射系部品の振動、騒音と原理が類似してお
り発生する部位も近接していることから両者を混同する
おそれがあるため、動弁系部品の衝突タイミングを避け
るようにON状態の期間を制御することで、両者の混同
を回避して燃料噴射系の動作に起因する振動を精度よく
検出できる。
グのマップは、以下の点を考慮して作成されている。第
1に、ON状態の期間にはインジェクタ3の内部部品の
動作(開閉)時の衝撃力により振動が発生している期間
が含まれていることである。第2に、ON状態の期間内
には他の動弁系部品(吸、排気弁等)の衝突タイミング
を含まないことである。すなわち、バルブがバルブシー
トに着座する際やカムノーズがバルブリフタ等に接触す
る際には、その衝撃力に起因して振動が発生するが、該
振動は燃料噴射系部品の振動、騒音と原理が類似してお
り発生する部位も近接していることから両者を混同する
おそれがあるため、動弁系部品の衝突タイミングを避け
るようにON状態の期間を制御することで、両者の混同
を回避して燃料噴射系の動作に起因する振動を精度よく
検出できる。
【0048】以上のように本実施形態においても、第1
実施形態と同様、燃料噴射系騒音を精度よく検出、評価
できる。次に、第3実施形態について説明する。図5に
示すように、基本構成は前記第1実施形態と同様である
が、信号処理部6のタイミング算出部15とスイッチン
グ部7に代えてインジェクタ3の動作信号11を基準に
して所定のタイミングで時間減衰波形を発生する回路
(減衰波形発生器)17と、この減衰波形と振動センサ
5からの出力信号とを積算する演算部18が設けられて
いる点が異なる。
実施形態と同様、燃料噴射系騒音を精度よく検出、評価
できる。次に、第3実施形態について説明する。図5に
示すように、基本構成は前記第1実施形態と同様である
が、信号処理部6のタイミング算出部15とスイッチン
グ部7に代えてインジェクタ3の動作信号11を基準に
して所定のタイミングで時間減衰波形を発生する回路
(減衰波形発生器)17と、この減衰波形と振動センサ
5からの出力信号とを積算する演算部18が設けられて
いる点が異なる。
【0049】かかる構成におけるインジェクタ3の動作
状態と振動との関係を図6に示す。図6は、燃料噴射時
のインジェクタ3の動作状態、振動波形及び減衰波形と
を時刻暦で示したものである。ここで、(a)には電磁
コイル29への通電量(電流値)41が、(b)には針
弁本体24のリフト量42が、(c)にはエンジン1上
に設けた振動センサ5からの出力信号44が、(D)に
は減衰波形発生器17の出力信号60が、示されてい
る。
状態と振動との関係を図6に示す。図6は、燃料噴射時
のインジェクタ3の動作状態、振動波形及び減衰波形と
を時刻暦で示したものである。ここで、(a)には電磁
コイル29への通電量(電流値)41が、(b)には針
弁本体24のリフト量42が、(c)にはエンジン1上
に設けた振動センサ5からの出力信号44が、(D)に
は減衰波形発生器17の出力信号60が、示されてい
る。
【0050】図6(d)に示すように、時間減衰波形
(信号)60はパイロット噴射、主噴射それぞれの噴射
時期に応じて発生タイミング61と減衰時間62とが制
御されており、その信号レベルは燃料噴射系部品に起因
する振動が発生する期間では大きな値とし、それ以外の
期間ではほぼ0としてある。そして、本実施形態におい
ては、振動センサ5からの出力波形(信号)に対して前
記時間減衰信号60を乗じた信号のレベルを計算してエ
ンジン振動を評価するので、振動センサ5の出力波形
(信号)から燃料噴射系騒音の成分のみを抽出して評価
することとなり、前記第1実施形態、第2実施形態と同
様、燃料噴射系騒音を精度よく検出、評価できる。
(信号)60はパイロット噴射、主噴射それぞれの噴射
時期に応じて発生タイミング61と減衰時間62とが制
御されており、その信号レベルは燃料噴射系部品に起因
する振動が発生する期間では大きな値とし、それ以外の
期間ではほぼ0としてある。そして、本実施形態におい
ては、振動センサ5からの出力波形(信号)に対して前
記時間減衰信号60を乗じた信号のレベルを計算してエ
ンジン振動を評価するので、振動センサ5の出力波形
(信号)から燃料噴射系騒音の成分のみを抽出して評価
することとなり、前記第1実施形態、第2実施形態と同
様、燃料噴射系騒音を精度よく検出、評価できる。
【0051】なお、以上はコモンレール式直噴ディーゼ
ルエンジンに対して本発明を適用したものについての説
明であるが、これに限られるものではなく、あらかじめ
加圧された燃料を弁の開閉によって噴射する他のエンジ
ンに対しても適用できる。
ルエンジンに対して本発明を適用したものについての説
明であるが、これに限られるものではなく、あらかじめ
加圧された燃料を弁の開閉によって噴射する他のエンジ
ンに対しても適用できる。
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンジンのシステ
ム図。
ム図。
【図2】燃料噴射弁の基本構造図。
【図3】第1実施形態における燃料噴射弁の動作状態、
インジェクタ上の振動及び振動センサからの出力を時刻
暦で示した図。
インジェクタ上の振動及び振動センサからの出力を時刻
暦で示した図。
【図4】本発明の第2実施形態に係るエンジンのシステ
ム図。
ム図。
【図5】本発明の第3実施形態に係るエンジンのシステ
ム図。
ム図。
【図6】第3実施形態における燃料噴射弁の動作状態、
振動センサからの出力信号及び減衰信号を時刻暦で示し
た図。
振動センサからの出力信号及び減衰信号を時刻暦で示し
た図。
1…エンジン 2…コモンレール 3…インジェクタ 5…振動センサ 6…信号処理部 7…スイッチング部 10…ECU 15…タイミング算出部 17…減衰波形発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/04 385 F02D 41/04 385J (72)発明者 平野 出穂 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 浅原 康之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA01 BA13 BA15 DA20 DA39 EA05 EB02 EB03 EB04 EB06 FA13 FA17 3G301 HA02 JA09 JA37 LB11 LC01 MA11 MA18 MA23 NA06 NB03 NB07 NB12 PB00Z PB03Z PB05Z
Claims (12)
- 【請求項1】エンジンの振動を検出する振動検出手段を
備え、 該振動検出手段からの出力信号に対して、燃料噴射系を
構成する部品の動作に基づいて設定される所定のタイミ
ングで所定の信号処理を行い、該処理された信号に基づ
いてエンジンの振動から燃料噴射系に起因する振動レベ
ルを検出することを特徴とするエンジンの燃料噴射系騒
音検出装置。 - 【請求項2】前記信号処理は、前記振動検出手段からの
出力信号を検出するON状態と検出しないOFF状態と
を切換えるON/OFF切換えであることを特徴とする
請求項1に記載のエンジンの燃料噴射系騒音検出装置。 - 【請求項3】前記ON状態には、燃料噴射弁の開閉時に
おける内部部品の衝撃力による振動が発生している期間
を含むことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの燃
料噴射系騒音検出装置。 - 【請求項4】前記ON/OFF切換えをONにするタイ
ミングが、燃料噴射弁の開弁動作開始時、閉弁動作開始
時又は燃料噴射開始時のいずれかと略一致することを特
徴とする請求項3に記載のエンジンの燃料噴射系騒音検
出装置。 - 【請求項5】電磁駆動式の燃料噴射弁を備えたエンジン
において、 前記ON/OFF切換えをONにするタイミングが、燃
料噴射弁への通電開始時又は通電終了時と略一致するこ
とを特徴とする請求項4記載のエンジンの燃料噴射系騒
音検出装置。 - 【請求項6】前記ON/OFF切換えをOFFにするタ
イミングが、燃料噴射弁の閉弁動作開始時、閉弁動作終
了時又は燃料噴射終了時のいずれかに対して、所定の遅
れ時間を加えて設定されていることを特徴とする請求項
3から請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの燃料
噴射系騒音検出装置。 - 【請求項7】電磁駆動式の燃料噴射弁を備えたエンジン
において、 前記ON/OFF切換えをOFFにするタイミングが、
燃料噴射弁への通電終了時に対して、所定の遅れ時間を
加えて設定されていることを特徴とする請求項6に記載
のエンジンの燃料噴射系騒音検出装置。 - 【請求項8】前記所定の遅れ時間は、燃料噴射弁への通
電停止から閉弁終了までの閉弁遅れ時間と、燃料噴射弁
の内部部品同士の衝突により発生した振動が減衰する減
衰時間との和として設定されていることを特徴とする請
求項7に記載のエンジンの燃料噴射系騒音検出装置。 - 【請求項9】前記閉弁遅れ時間は、燃料噴射量が所定量
以下の場合には、燃料噴射弁への通電期間にあらかじめ
設定された係数を乗じて算出される一方、 燃料噴射量が所定量を超える場合には、あらかじめ設定
された定数に燃料圧力の逆数を乗じて算出されることを
特徴とする請求項8に記載のエンジンの燃料噴射系騒音
検出装置。 - 【請求項10】燃焼1行程に複数回の燃料噴射が可能な
エンジンにおいて、 先行する燃料噴射に基づいて設定されたOFFのタイミ
ングよりも、遅れて行われる燃料噴射に基づいて設定さ
れたONのタイミングが先行する場合には、該遅れて行
われる燃料噴射に基づいて設定されたONのタイミング
を先行する燃料噴射に係るOFFのタイミングとするこ
とを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1つに
記載のエンジンの燃料噴射系騒音検出装置。 - 【請求項11】前記ON状態には、吸気弁又は排気弁の
駆動装置を構成する部品同士が衝突する時期を含まない
ことを特徴とする請求項3に記載のエンジンの燃料噴射
系騒音検出装置。 - 【請求項12】前記信号処理は、処理を開始するタイミ
ングと減衰時間とが燃料噴射弁を構成する部品の動作に
基づいて設定される時間減衰処理であることを特徴とす
る請求項1に記載のエンジンの燃料噴射系騒音検出装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001044064A JP2002242747A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | エンジンの燃料噴射系騒音検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001044064A JP2002242747A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | エンジンの燃料噴射系騒音検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002242747A true JP2002242747A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18906123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001044064A Pending JP2002242747A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | エンジンの燃料噴射系騒音検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002242747A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013253579A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 燃料噴射制御装置 |
CN114046874A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-02-15 | 中国空气动力研究与发展中心高速空气动力研究所 | 一种超声速喷流近场噪声测量的试验装置 |
-
2001
- 2001-02-20 JP JP2001044064A patent/JP2002242747A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013253579A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 燃料噴射制御装置 |
CN114046874A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-02-15 | 中国空气动力研究与发展中心高速空气动力研究所 | 一种超声速喷流近场噪声测量的试验装置 |
CN114046874B (zh) * | 2022-01-11 | 2022-03-18 | 中国空气动力研究与发展中心高速空气动力研究所 | 一种超声速喷流近场噪声测量的试验装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3222840B1 (en) | Drive device for fuel injection device | |
US6076508A (en) | Fuel injection control device | |
JP4582191B2 (ja) | 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム | |
US20070079811A1 (en) | Fuel injection controller of diesel engine | |
JP3867468B2 (ja) | コモンレール式燃料噴射装置 | |
US20120247428A1 (en) | Method and Control Unit for Operating a Valve | |
JP6265091B2 (ja) | 高圧ポンプの制御装置 | |
JP6457908B2 (ja) | 制御装置及び燃料噴射システム | |
JPWO2018190035A1 (ja) | 燃料噴射弁の制御装置 | |
JP7349024B2 (ja) | 電磁弁制御装置 | |
WO2018042909A1 (ja) | 燃料噴射装置の制御装置 | |
KR20090060318A (ko) | 커먼 레일식 연료 분사 장치의 제어 방법 | |
CN114829764B (zh) | 高压燃料泵的控制装置 | |
CN113167185B (zh) | 燃料喷射控制装置 | |
JP5884834B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5123251B2 (ja) | アクチュエータ制御装置 | |
JP6270599B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JPH02191865A (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP2010190178A (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP2009250092A (ja) | 筒内噴射型内燃機関の制御装置 | |
CN105863861A (zh) | 用于运行喷射阀的方法 | |
JP2002242747A (ja) | エンジンの燃料噴射系騒音検出装置 | |
CN100392228C (zh) | 燃料喷射控制装置 | |
CN111771050B (zh) | 燃料喷射控制装置、燃料喷射控制方法 | |
WO2023026514A1 (ja) | 電磁弁制御装置 |