JP2002242078A - 人工皮革 - Google Patents

人工皮革

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JP2002242078A
JP2002242078A JP2001039923A JP2001039923A JP2002242078A JP 2002242078 A JP2002242078 A JP 2002242078A JP 2001039923 A JP2001039923 A JP 2001039923A JP 2001039923 A JP2001039923 A JP 2001039923A JP 2002242078 A JP2002242078 A JP 2002242078A
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Japan
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nap
artificial leather
fibers
composite
fiber
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JP2001039923A
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English (en)
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Hiromichi Iijima
弘通 飯島
Koji Watanabe
幸二 渡辺
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、前記した従来技術の問題点を解決
し、製品表面タッチが滑らかでありながら、立毛がへた
り難い、膨らみ感のある、さらはストレッチタ性有した
人工皮革を提供すること。 【解決手段】少なくとも1成分がポリプロピレンテレフ
タレートからなる1.5dtex以下0.01dtex
以上の分割可能な複合極細繊維および/または複合極細
繊維の束からなる三次元絡合層と、該絡合層内の繊維間
隙間に存在する高分子弾性体を有してなり、少なくとも
一面に前記複合極細繊維が形成する立毛が存在し、かつ
該立毛の先端が分割されており、その分割度合いが立毛
の先端部から根本までの長さの1/2の位置で観察した
とき、非分割の複合極細繊維の本数/分割された単繊維
の本数との混在比率(R)がR=5/95〜50/50
である人工皮革。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立毛を有する人工
皮革において、極細繊維の立毛に適度な張り腰を持つと
ともに、その表面タッチにおいても優れたスエード効果
を有する人工皮革に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、人工皮革の表面外観について、
スエード調あるいはヌバック調と区分されて表現される
のは、極細繊維からなる立毛形成繊維の太さに起因する
ところが大である。
【0003】滑らかな緻密なタッチを得ようとすると立
毛は、より極細化されるべきであるが、細くなると立毛
がヘタリやすく、ぎらつき感が増し、ボリューム感が不
足し、着用時の立体感に欠ける方向となる。また、立毛
を太くすると立毛はヘタリ難くなり、ボリューム感はあ
るものの、表面タッチのザラツキ感が発生し、立毛の緻
密性に欠けたものとなりやすい。
【0004】このように相反する製品性状のバランスを
うまくとる技術としては、特公昭56−50031号公
報あるいは特公昭57−47772号公報に見られる如
く、極細繊維の束の部分を硬化型高分子有機シリコーン
皮膜で結束し、その先端を起毛して分割する方法があ
る。しかし、該技術においては立毛の張り腰、ボリュー
ム感を高めるには、極細繊維の結束させるに足りるシリ
コーン皮膜を付与せねばならず、ゴムライクな風合い、
ヌメリ感がきつくなるといった問題を有していた。
【0005】一方、特公昭52−30629号公報、特
公昭56−154581号公報には、分割型複合繊維か
らの剥離、分割した立毛による人工皮革の製造技術が開
示されているが、前者の製品表面の立毛は、立毛形成の
元となる複合繊維が根本から完全に分割された単繊維で
形成されているため、単繊維の太さが細くなると立毛が
ヘタリやすく、張り腰の不足したものとなり、後者は分
割した立毛長さの特定位置において、分割された一方の
単繊維の含有比率を規制した人工皮革であるが、分割型
複合繊維のカットパイルを電植したものであり、本発明
とは絡合構造も立毛形成思想も全く異なるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した従
来技術の問題点を解決し、製品の表面タッチが滑らかで
ありながら、立毛がへたり難い、膨らみ感のある人工皮
革を提供することにあり、さらはストレッチ性を有した
人工皮革を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、下記の構成からなる。
【0008】すなわち、少なくとも1成分がポリプロピ
レンテレフタレートからなる1.5dtex以下0.1
dtex以上の分割可能な複合極細繊維および/または
複合極細繊維の束からなる三次元絡合層と、該絡合層内
の繊維間隙間に存在する高分子弾性体を有してなり、少
なくとも一面に前記複合極細繊維が形成する立毛が存在
し、かつ該立毛の先端が分割されており、その分割度合
いが立毛の先端部から根本までの長さの1/2の位置で
観察した時、非分割の複合極細繊維の本数/分割された
単繊維の本数との混在比率(R)がR=5/95〜50
/50としたことを特徴とする人工皮革である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明の人工
皮革について説明する。
【0010】人工皮革の製品表面の立毛を形成する成分
は、ポリエステル類、ポリアミド類が主体で、展開上の
特性、例えば、柔軟性、タッチ、発色性、染色堅牢性な
どを考慮して使い分けされている。ポリアミド類は柔軟
性、緻密なタッチに優れるものの立毛がヘタリやすいと
いう難点があり、一方、ポリエステル類は染色堅牢性が
良く、立毛はヘタリ難いものの柔軟性に難点がある。
【0011】このような両者の難点を解消し、立毛がヘ
タリ難く、かつ張り腰のある立毛を形成するには、分割
可能な複合繊維を形成する一方のポリマー成分は、ポリ
プロピレンテレフタレート(以下、「PPT」という)
が好ましい。
【0012】本発明に用いられるPPTとは、テレフタ
ル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオールを主
たるグリコール成分として得られるポリエステルであ
る。但し、20モル%、より好ましくは10モル%以下
の割合で、他のエステル結合の形成可能な共重合成分を
含むものであってもよい。
【0013】なお、この場合、共重合可能な化合物とし
ては、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸など
のジカルボン酸類、一方、グリコール成分として、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールなどを挙げることができるが、これらに限ら
れるものではない。
【0014】また、PPTの極限粘度は、0.5以上
1.2以下であることが好ましい。0.5未満では紡糸
時の繊度ムラや糸切れが発生しやすく、1.2を越える
と溶融粘度が高すぎて紡糸性が低下する場合がある。よ
り好ましいPPTの極限粘度としては、0.8以上1.
0以下である。
【0015】本発明に用いられる分割可能な複合極細繊
維とは、バイメタル型、芯の一部が露出した偏芯芯鞘
型、サンドイッチ型、菊花型あるいはこれらの中空型な
ど少なくとも2本以上の極細繊維に分割可能であれば特
に限定されるものではない。
【0016】本発明に係る複合極細繊維のPPTに組合
わされて用いられる他成分ポリマーとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12など
のポリアミド類またはその共重合体類、ポリエチレンテ
ロフタレートまたはその共重合体類、ポリブチレンタレ
フタレートまたはその共重合体類、ポリプロピレン、ポ
リブチレンなどのポリアレフィン類がある。
【0017】これらのポリマーには、耐光剤、顔料、艶
消し剤、制電剤、難燃剤などの添加剤が含有されている
ものであってもよい。複合極細繊維の分割容易性を考慮
するとポリアミド類との組み合わせが特に好ましく用い
られる。
【0018】上述のポリマーを組み合わせて得られる本
発明に係る複合極細繊維の太さは、1.5dtex以下
0.02dtex以上、好ましくは0.8dtex以下
0.04dtex以上が良い。1.5dtexを越える
場合は製品の柔軟性が低下し、立毛のザラツキ感が強く
なり、0.02dtex未満になると該複合極細繊維の
腰が不足し、立毛の根本近辺からヘタリやすくなる場合
がある。
【0019】このような複合極細繊維および/または複
合極細繊維束からなる三次元絡合は、上記の複合極細繊
維を直接紡糸法から得られるウェブを絡合させるか、あ
るいは上記の複合極細繊維を島成分とする海島型複合繊
維を形成させ、短繊維化した後、ウェブととなし、ニー
ドルパンチ、ウオータージェットパンチあるいはそれら
の組み合わせた絡合手段により形成することができる。
だだし、海島型複合繊維を用いた場合は、絡合シートを
形成した後、少なくとも1成分を溶解除去することによ
り、複合極細繊維の絡合体が得られる。また、最終製品
をより高強力化せしめるに、上記の各種ウェブを織物、
編み物などと積層し、前記絡合手段で一体化させたもの
であっても本発明の効果が損なわれるものではない。
【0020】複合極細繊維のPPTと組み合わせる他の
ポリマー成分との重量比率は、最終製品の立毛構成繊維
の組み合わせや複合極細繊維の太さにより異なるため、
特に限定されるものではないが、目安としては、複合極
細繊維状態での立毛の張り腰、該複合極細繊維の先端が
分割した立毛が与える製品の表面タッチから20/80
〜80/20重量%が好ましく、より好ましくは30/
70〜70/30重量%である。
【0021】本発明に係る人工皮革は、このような複合
極細繊維および/または複合極細繊維束が形成する絡合
体に高分子弾性体が付与されたものであり、その高分子
弾性体としては、ポリウレタン弾性体、アクリル−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
ブタジエン、ネオプレンなどの合成ゴムなどを用いるこ
とができ、人工皮革の柔軟性、風合などの観点から、ポ
リウレタン弾性体が好ましくより用いられる。
【0022】ポリウレタン弾性体としては、平均分子量
500から3000のポリエステルジオール、ポリエー
テルジオール、ポリカーボネートジオールなどから選ば
れた少なくとも一種類のポリマージオールを含んだもの
が良く、中でも製品の強力、耐摩耗など長期耐久性の観
点からポリカーボネートジオールを30重量%以上90
重量%以下含むポリマージオールからなるポリウレタン
が特に好ましい。30重量%未満では耐久性が不十分、
90重量%を越えると製品風合いが硬くなり好ましくな
い場合がある。
【0023】さらに必要に応じて、着色剤、酸化防止
剤、制電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃
剤、抗菌剤、防臭剤などの添加剤を高分子弾性体中に配
合させてもよい。高分子弾性体の付着量としては、特に
限定されるものではないが、例えば、絡合体の構造が、
10mm以下の短い複合極細繊維を織物、編み物と一体
化したものであれば耐繊維あたり3〜30重量%、ある
いは複合極細繊維だけの絡合体であれば20〜70重量
%の範囲などとすればよい。
【0024】本発明の人工皮革を得るに際して、より重
要なポイントは、少なくとも一面に複合極細繊維が形成
する立毛が存在し、かつ該立毛の先端が分割されてお
り、その分割度合いが立毛の先端部から根本までの長さ
の1/2の位置で切断し観察したとき、非分割の複合極
細繊維の本数/分割された単繊維の本数との混在比率
(R)がR=5/95〜50/50とすることである。
なお、前者の非分割の複合極細繊維の本数とは、分割さ
れていない複合繊維を1本と数え、後者の分割された単
繊維の本数は分割後の本数で数えるものである。
【0025】すなわち、立毛の先端部から根本までの長
さの1/2の位置において、分割された単繊維が形成す
る立毛と非分割の複合極細繊維が特定の比率範囲におい
て混在した分割状態を形成せしめることにある。このこ
とが製品表面のタッチ、外観品位を維持せしめるのに極
めて重要であり、複合極細繊維の立毛により製品表面の
膨らみ感、ボリュウム感が付与でき、それらの立毛中に
複合極細繊維の先端部分が分割されたより細い立毛によ
るスエード効果とそれらの立毛の混在による立体感に富
んだ人工皮革となすことが可能となる。
【0026】本発明における立毛の先端部から根本近辺
までの長さの1/2の位置とは、人工皮革をタテ×ヨコ
=5×5mmに切断し、ガラス板に製品表面を上にして
接着剤で固定し、エチケットブラシ(素材がナイロン2
30dtex−15f、東レ株式会社製、地タテ糸×地
ヨコ糸=85×57本/in、パイル本数594株/2
5mm2 、パイル長さ=2.6mmとした二重パイル織
物を用いたもの)で製品表面をタテ方向に正逆方向に交
互に軽く3回ブラッシングし、次いで、ブラッシング面
をエアーサクションして立毛を極力立てた後、パラフィ
ン法により包埋する。これを測定試料とし、先ず、立毛
面をミクロトーム(日本ミクロトーム研究所製)で切断
し、その切断面を電子顕微鏡(日立製作所S−800
型)で観察し、分割された単繊維の本数の合計が10本
/mm2 以上20本/mm2 以下となる位置を立毛の先
端部と定義し、また、前記のパラフィン法により包埋し
た試料を厚み方向に切断したときに極細複合繊維の絡合
層から立毛が立ち上がる部分を立毛根本と定義する。
【0027】また、非分割の複合極細繊維の本数/分割
された単繊維の本数との混在比率は、この先端から立毛
の根本近辺までの長さの1/2となる位置をミクロトー
ムで切断し、その表面を電子顕微鏡で観察し、非分割状
態の複合極細繊維の本数と分割された単繊維の本数(本
/450μm2 )を測定し、その本数割合を混在比率と
定義する。
【0028】本発明の人工皮革においては、この混在比
率、すなわち、複合極細繊維の立毛と該立毛の先端部が
分割された単繊維が形成する立毛との混在比率(R)
は、R=5/95〜50/50、好ましくは10/90
〜40/60とするのが良い。
【0029】かかる混在比率(R)を、このように5/
95〜50/50の範囲とするには、以下の製造方法と
することにより達成できる。
【0030】すなわち、ポリプロピレンテレフタレート
に組み合わせるポリマーとしては、溶剤による膨潤性、
熱処理による収縮特性の異なるものを組み合わせ、例え
ば、組み合わせポリマーがポリエチレンテレフタレート
であれば、製糸性が低下しない範囲において極限粘度を
低くする方向で、あるいは単繊維の混在比率を多くした
い場合などは、溶剤処理により収縮特性が異なるポリマ
ーの組み合わせとして、ポリアミド類を使用した複合極
細繊維の絡合シートに高分子弾性体が付与されたもの
を、まず、例えば、サンドペーパーによる研削で複合極
細繊維の立毛を形成させる。このとき、立毛長さの長短
は、サンドペーパーの砥粒種類、研削速度などを調整し
たり、シリコーンのような滑剤を適宜に付与するのが良
い。
【0031】次いで、このシートを熱処理あるいは溶剤
処理し、更に複合極細繊維の立毛表面を、例えばサンド
ペーパーでの擦過あるいはウオータージェットパンチの
打撃圧力を加えることにより、立毛の先端を分割するこ
とにより製造できる。また、更にR=10/90〜40
/60の好ましい範囲とするには、ウオータージェット
パンチの噴射圧力、カバーファクター、打撃回数を、サ
ンドペーパの砥粒種、擦過速度、擦過回数などの条件と
組合わせて適宜調整し、また、更には獣毛ブラシなどで
整毛処理を加え調整することにより、製造することがで
きる。
【0032】複合極細繊維の立毛の比率が5%未満とな
ると張り腰が不足し、立毛がヘタリやすくなり、50%
を越えるとタッチがザラツキ、製品外観品位の低下を招
きやすい。
【0033】また、分割後の単繊維の太さは、製品の表
面タッチから0.5dtex以下となるように複合極細
繊維の太さ、組み合わせる繊維形成性ポリマーの比率を
設定するのが良い。
【0034】上述した通りの本発明にかかる人工皮革
は、複合極細繊維を形成するポリマーの染色性が異なる
ため、その特徴を利用し、分散染料、酸性染料、含金染
料など各種染料を組み合わせ、霜降り調の発色性を付与
すれば、高級感ある人工皮革とすることが可能である。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例にて詳細に説明する。
【0036】なお、極限粘度は、オルソクロロフェノー
ル10mlに対し試料0.1gを溶解し、温度25℃に
おいて、オストワルド粘度計を用いて測定したものであ
る。 実施例1 特開平08−013233号公報に記載された複合繊維
断面の図15の断面形状で分割数が6個となるような口
金構成を施した多島複合中空繊維用紡糸口金を用い、
1,3プロパンジオールを用いた極限粘度が0.89の
ポリプロピレンテレフタレートと極限粘度が0.68の
ポリエチレンテレフタレート(以後、「PET」とい
う)が重量比で50/50となるように紡糸し、湿熱延
伸を行い、中空度約6.2%、繊維太さ約1.2dte
xの捲縮のかかったカット長約51mmのステープルを
準備した。
【0037】このステープルをカード・クロスラッパー
に通し、ウェブとなし、ニードルパンチを施し、目付約
400g/m2 のフェルトとし、熱水で収縮処理した
後、乾燥した。次いで、ポリビニールアルコールを付与
し、乾燥した。
【0038】その後、DMFで希釈したポリエステル・
ポリエーテル系ポリウレタン溶液を付与し、湿式凝固さ
せた後、湯洗して乾燥した。このシートを厚み方向に約
1/2に半裁(1/2厚さに裁断)した後、水系シリコ
ーン溶液を付与し、乾燥し、このシートの非半裁面を1
20メッシュのサンドペーパーで研削し、長目の立毛を
形成した後、160℃の熱風中で加熱処理した。
【0039】この研削面にウオータージェットパンチを
施し、乾燥した後、ウオータージエツトパンチ面にグラ
ビアコーターでDMF/水混合溶液を塗布し、160℃
で乾燥した。次いで、ウオータージェットパンチを施し
た表面を馬毛ブラシでブラッシングした後、150メッ
シュのサンドペーパーで起毛処理した。
【0040】このシートをサーキュラー染色機を用い、
分散染料でブラウン系に染色し、仕上げ剤を付与した
後、タンブラー揉み機に通し、乾燥と同時に柔軟加工処
理を行った。
【0041】かくして得られた人工皮革は、表1に示し
た如く約1.3dtexのPPTとPETからなる中空
複合極細繊維が三次元的に絡合した層の隙間にポリウレ
タンが付着した片面が約0.22dtexのPPTとP
ETの極細繊維が形成する立毛で被覆された表面タッチ
の滑らかな、立毛がへたり難い、張り腰のある立毛を有
し、伸縮性のある人工皮革であった。
【0042】この人工皮革の立毛層をSEM観察した結
果、非分割の複合極細繊維の本数/分割され単繊維の本
数で表す混在比率は13/87であった。 実施例2 実施例1の口金を用いポリエチレンテレフタレートをナ
イロン6(30℃のメタクレゾール溶液の固有粘度が
1.13)に置き換えて、実施例1と同様に紡糸、延伸
し、中空度約5.3%、繊維太さ約1.2dtexのス
テープルを準備した。
【0043】このステープルをカード・クロスラッパー
に通し、ウェブとなし、ニードルパンチを施し、目付約
380g/m2 のフェルトとし、熱水で収縮処理した
後、乾燥した。次いで、ポリビニールアルコールを付与
し、乾燥し、DMFで希釈したポリエステル・ポリエー
テル系ポリウレタン溶液を含浸し湿式凝固させた後、湯
洗して乾燥した。
【0044】このシートを厚み方向に約1/2に半裁し
た後、ベンジルアルコールと非イオン活性剤の混合溶液
を非半裁面にグラビアコーターで付与し、80度で10
分間熱処理する操作を3回繰り返した後、170℃で5
分間の熱処理を行った。
【0045】次いで、このシートに実施例1で用いたシ
リコーン溶液を付与し、乾燥し、グラビアコーターした
面をサンドペーパーで研削し、長目の立毛を形成した。
【0046】この立毛面に水圧5.9MPaでウオータ
ージェットパンチを施し、乾燥した後、ウオータージェ
ットパンチを施した表面を獣毛ブラシでブラッシングし
た後、150メッシュのサンドペーパーで起毛処理し、
実施例1と同様に染色、仕上げ、柔軟加工を行った。
【0047】かくして得られた人工皮革は、表1に示し
た如く約1.3dtexのPPTとナイロンからなる中
空複合極細繊維が三次元的に絡合した層の隙間にポリウ
レタンが付着した片面が約0.22dtexのPPTと
ナイロン6の極細繊維が形成する立毛で被覆された表面
タッチの滑らかな、立毛がへたり難い、張り腰のある霜
降り調に着色された立毛を有し、伸縮性のある人工皮革
であった。
【0048】この人工皮革の立毛層をSEM観察した結
果、非分割の複合極細繊維の本数/分割された単繊維の
本数の混在比率は8/92であった。 実施例3 海島型の高分子相互配列体複合繊維の島成分形状がバイ
メタルを形成する複合繊維口金を使用し、島成分に実施
例1のPPTとPETを用い、成分比率がPPT/PE
T=50/50重量%とし、海成分にポリスチレンを配
し、島/海成分比率=60/40重量%、島本数16
本、複合繊維の太さが3.8dtex、カット長51m
mのステープルを準備した。
【0049】このステープルをカード・クロスラッパー
でウェブとし、ニードルパンチを施し、目付500g/
2 のフェルトを作製した。このフェルトをトリクレン
に浸漬し、マングルで圧搾する操作を繰り返した後、6
0℃で乾燥し、タンブラー式揉み機にかけて揉んだ後、
90℃で弛緩処理した。次いで、このシートにポリビニ
ールアルコールを付与し乾燥した。このシートにソフト
セグメントがポリテトラメチレングリコールとポリカー
ボネートとの比率が70対30の割合からなり、イソシ
アネートがジフェニルメタンジイソシアネートであり、
鎖伸張剤としてエチレングリコールを用いたポリウレタ
ンを含浸し、湿式凝固し、湯洗いし、乾燥した。
【0050】このシートを厚み方向に約1/2に半裁し
た後、実施例1と同様に水系シリコーン溶液を付与し、
乾燥した。
【0051】次いで、このシートの非半裁面を150メ
ッシュで研削し、長目の立毛を形成した。この研削面に
ウオータージェットパンチを施し、乾燥した後、ウオー
タージエツトパンチ面にグラビアコーターでDMF/水
混合溶液を塗布し、160℃で乾燥した。次いで、ウオ
ータージェットパンチを施した表面を獣毛ブラシでブラ
ッシングした後、400メッシュのサンドペーパーで起
毛処理した。
【0052】このシートをサーキュラー染色機を用い、
分散染料でブラウン系に染色し、仕上げ剤を付与した
後、タンブラー揉み機に通し、乾燥と同時に柔軟加工処
理を行った。
【0053】かくして得られた人工皮革は、表1に示し
たごとく、約0.16dtexのPPTとPETからな
る中空複合極細繊維が三次元的に絡合した層の隙間にポ
リウレタンが付着した片面が約0.08dtexのPP
TとPETの極細繊維が形成する立毛で被覆された表面
タッチの滑らかな、伸縮性、耐摩耗性に優れ、且つ立毛
がへたり難い、張り腰のある立毛を有する人工皮革であ
った。
【0054】この人工皮革の立毛層をSEM観察した結
果、非分割の複合極細繊維の本数/分割され単繊維の本
数で表す混在比率は38/62であった。 比較例1、2 島成分が実施例3で用いたPET、海成分がポリスチレ
ン、島/海比率=60/40重量%、島数13島、複合
繊維デニール約4.5d、ケン縮を付与したカット長約
51mmとした高分子相互配列体繊維のステープル(比
較例1)と島/海比率=60/40重量%、島数36
島、複合繊維デニール約4.0d、ケン縮を付与したカ
ット長約51mmとした高分子相互配列体繊維のステー
プル(比較例2)を準備した。
【0055】これらステープルを別々にカード・クロス
ラッパーでウェブとし、ニードルパンチを施し目付50
0g/m2 のフェルトを作製した。このフェルトを収縮
処理し乾燥し、このシートにポリビニールアルコールを
付与し乾燥した後、トリクレンに浸漬し、マングルで圧
搾する操作を繰り返した後、乾燥した。これらのシート
に実施例1で用いたポリウレタン溶液を含浸した後、湿
式凝固し、湯洗いし乾燥した。
【0056】これらのシートを実施例3と同様に半裁
し、非半裁面を150メッシュのサンドペーパーで起毛
処理し、染色、仕上げ、柔軟加工処理を行い、約0.2
dtexのPETの立毛で表面が被覆され人工皮革(比
較例1)と約0.08dtexのPETの立毛で表面が
被覆され人工皮革(比較例2)を得た。
【0057】これらの人工皮革は、表1に示した如く表
面タッチ、柔軟性においては実施例3と同等、または実
施例1、2より優れているものの、立毛がへたりやすい
ものであった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明の人工皮革は、PPTが持つ柔軟
性と伸縮性を極細繊維化することによる立毛性状の問題
点、即ち立毛のへたり易さを特殊な繊維絡合構造と立毛
構造とすることにより、従来の極細繊維を用いた人工皮
革の立毛性状の耐久性を改善し、製品表面タッチが滑ら
かでありながら、立毛がへたり難い、膨らみ感のある人
工皮革であり、さらはストレッチ性を有した製品を得る
ことを可能としたものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA02 BA11 DA07 DA09 EA04 EA05 EA12 EA13 EA14 EA24 FA18 FA20 GA02 HA03 HA04 4L033 AA05 AA07 AA08 AB07 AC11 CA51 CA52 4L041 AA07 BA04 BA05 BA06 BA09 BA16 BA41 BA48 BB05 BD15 CA06 CA08 CA21 CA47 DD01 DD06 DD11 EE07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1成分がポリプロピレンテレフ
    タレートからなる1.5dtex以下0.01dtex
    以上の分割可能な複合極細繊維および/または複合極細
    繊維の束からなる三次元絡合層と、該絡合層内の繊維間
    隙間に存在する高分子弾性体を有してなり、少なくとも
    一面に前記複合極細繊維が形成する立毛が存在し、かつ
    該立毛の先端が分割されており、その分割度合いが立毛
    の先端部から根本までの長さの1/2の位置で観察した
    とき、非分割の複合極細繊維の本数/分割された単繊維
    の本数との混在比率(R)がR=5/95〜50/50
    であることを特徴とする人工皮革。
  2. 【請求項2】分割された立毛を形成している単繊維の太
    さが、0.5dtex以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の人工皮革。
  3. 【請求項3】高分子弾性体が、ポリカーボネートジオー
    ルを30重量%以上90重量%以下含むポリマージオー
    ルからなるポリウレタンであることを特徴とする請求項
    1に記載の人工皮革。
  4. 【請求項4】人工皮革が霜降り調に染色されていること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の人工皮革。
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