JP2002241787A - 脂肪酸低級アルキルエステルの製造法 - Google Patents

脂肪酸低級アルキルエステルの製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄分の少ない脂肪酸低級アルキルエステル
を高収率で製造する方法の提供。 【解決手段】 触媒存在下、油脂と炭素数1〜4のアル
コールとをエステル交換反応させて、粗脂肪酸低級アル
キルエステルとした後、蒸留精製して脂肪酸低級アルキ
ルエステルを製造するに際し、蒸留精製前の粗脂肪酸低
級アルキルエステル中の、式(I)で表されるTG比を
1以下とし、かつ粗脂肪酸低級アルキルエステルの蒸留
残渣の一部又は全部を回収してエステル交換反応工程に
添加する脂肪酸低級アルキルエステルの製造法。 【数1】 (式中、nは粗脂肪酸低級アルキルエステル中モル比で
最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エステル還元触媒
反応によるアルコール製造原料として好適な、脂肪酸低
級アルキルエステルを高収率で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脂肪酸
トリグリセリドを主成分とする油脂を原料として高級ア
ルコールを製造するには、一般に、油脂と低級アルコー
ルとをエステル交換反応させて脂肪酸低級アルキルエス
テルとした後、これをエステル還元触媒の存在下に水素
で接触還元する方法が用いられる。
【0003】上記エステル交換反応を行う工程におい
て、反応後にグリセリン含有相を分離し、必要に応じて
水洗や濾過を行って得られる粗脂肪酸低級アルキルエス
テルは、通常少なくとも数mg/kgないし数十mg/kgの硫
黄分を含有している。粗脂肪酸低級アルキルエステルを
このままエステル還元触媒の存在下に水素で接触還元す
ると、原料エステル中に含まれる微量の硫黄分は触媒毒
として作用し、エステル還元触媒の活性寿命を著しく低
下させる。従って、粗脂肪酸低級アルキルエステルを精
製して硫黄分を極力除去しておくことが必要である。
【0004】粗脂肪酸低級アルキルエステルの精製法と
して、通常蒸留(例えば、Kreutzer, U.R., JAOCS, 61,
343(1984))や脱硫触媒(例えば特開平5−978号)
による方法が採られる。しかし粗脂肪酸低級アルキルエ
ステルを蒸留精製する場合、塔底部において未反応の脂
肪酸モノグリセリドや脂肪酸ジグリセリドと脂肪酸低級
アルキルエステルとの反応が起こり、脂肪酸低級アルキ
ルエステルが消費されるという問題があった。脱硫触媒
によって精製する場合も、脱硫触媒の活性寿命を維持す
るために蒸留を前段に併用する時には同様の問題が生じ
た。
【0005】純度の高い脂肪酸低級アルキルエステルを
製造する方法として、粗脂肪酸低級アルキルエステル中
に含まれるグリセリン、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪
酸ジグリセリドを脂肪酸トリグリセリドに変換した後に
蒸留精製を行い、蒸留残渣はエステル交換反応工程に回
収添加する方法が、特開平3−200743号に開示さ
れている。しかしながらこの方法によれば、未反応物の
脂肪酸トリグリセリドへの変換によって脂肪酸低級アル
キルエステルが消費され、かつ蒸留塔底部温度の上昇に
よって塔頂へ留出する硫黄化合物の量が増えるという、
前述の現象がより深刻になり、硫黄分の少ない脂肪酸低
級アルキルエステルを製造するには適さないものであっ
た。
【0006】本発明の課題は、硫黄分の少ない脂肪酸低
級アルキルエステルを高収率で製造する方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、触媒存在下、
油脂と炭素数1〜4のアルコールとをエステル交換反応
させて、粗脂肪酸低級アルキルエステルとした後、蒸留
精製して脂肪酸低級アルキルエステルを製造するに際
し、蒸留精製前の粗脂肪酸低級アルキルエステル中の、
式(I)で表されるTG比を1以下とし、かつ粗脂肪酸
低級アルキルエステルの蒸留残渣の一部又は全部を回収
してエステル交換反応工程に添加する脂肪酸低級アルキ
ルエステルの製造法である。
【0008】
【数2】
【0009】(式中、nは粗脂肪酸低級アルキルエステ
ル中モル比で最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数を示
す。)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用される油脂として
は、例えばヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、ナ
タネ油、牛脂、豚脂、若しくは魚油等の動植物油脂又は
これらの硬化油が挙げられ、特に主構成脂肪酸の炭素数
が6〜18のものが好ましい。これら油脂は、そのまま
あるいは精製処理したものが用いられるが、遊離脂肪酸
や水分がエステル交換反応を阻害する場合には、これを
精製処理によって除去しておくことが望ましい。
【0011】本発明において、炭素数1〜4のアルコー
ル(以下低級アルコールという)としては、例えばメタ
ノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノ
ール、1−ブタノール、2−ブタノール等の1価アルコ
ールが好適に用いられるが、反応性や価格、得られる脂
肪酸低級アルキルエステルの物性等の観点から、メタノ
ールが特に好ましい。
【0012】エステル交換反応に用いられる触媒として
は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びこれら金属の
アルコキシド、水酸化物、炭酸塩等の化合物や、固体酸
触媒等が挙げられる。
【0013】本発明においては、まず原料油脂と低級ア
ルコールとを、触媒の存在下に、エステル交換反応させ
る。低級アルコールは、油脂1モルに対して、好ましく
は3〜20モル、更に好ましくは3〜10モル用いる。
触媒の量は、種類にもよるが、油脂に対して、0.1〜
1.0重量%が好ましく、0.2〜0.5重量%が更に
好ましい。反応温度は、原料にもよるが、一般に40〜
200℃が好ましく、50〜100℃が更に好ましい。
【0014】このエステル交換反応においては、原料油
脂の主成分である脂肪酸トリグリセリドと、低級アルコ
ールとの反応によって、脂肪酸低級アルキルエステルの
他に、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸モノグリセリド及び
グリセリンが生じる。反応後の混合物からグリセリン及
び低級アルコールを主成分とする相を分相除去し、粗脂
肪酸低級アルキルエステルを得る。
【0015】エステル交換反応により得られた粗脂肪酸
低級アルキルエステルは、残留するエステル交換触媒や
グリセリン、及び未反応の低級アルコール等を除去する
ために、必要に応じて水洗や濾過を行う。
【0016】90%を越えるエステル交換反応の収率が
得られるような条件では、エステル交換反応工程を経た
粗脂肪酸低級アルキルエステル中に脂肪酸トリグリセリ
ドはほとんど含まれない。しかしエステル交換反応が可
逆過程であることから、粗脂肪酸低級アルキルエステル
中には、通常脂肪酸モノグリセリド及び脂肪酸ジグリセ
リドが含まれる。これらは脂肪酸低級アルキルエステル
と逆反応して脂肪酸トリグリセリドになるので、脂肪酸
低級アルキルエステルを消費してしまうこのような反応
は極力避けねばならない。従って、本発明においては、
粗脂肪酸低級アルキルエステル中の上記式(I)で表さ
れるTG比は1以下になることが必要である。エステル
交換反応工程を経た後にTG比が1を越えているような
粗脂肪酸低級アルキルエステルは、既に脂肪酸低級アル
キルエステルを逆反応により相当量失っており、かつこ
れを蒸留精製した場合、沸点の高い脂肪酸トリグリセリ
ドが多いために蒸留塔底部の温度が上昇しやすく、硫黄
分の塔頂側への留出を抑えるために蒸留収率を下げなけ
ればならない。
【0017】尚、TG比は、脂肪酸トリグリセリド(T
G)及び脂肪酸モノグリセリド(MG)の含量を正しく
測定できる方法により算出することができるが、例え
ば、予め標準試薬によって校正されたガスクロマトグラ
フィーにより、これらの含量を測定し、下記〜の操
作によりTG比を得ることができる。 ガスクロマトグラフィーにエステル交換反応終了後
の粗脂肪酸低級アルキルエステルを注入する。 出てきたピークにより、MG中の最大含量を示す炭
素鎖長のMGを選び出す。 その炭素鎖長からのみなるTGピークを選ぶ。 上記TGと上記MGのピーク比に標準試薬から割り
出した係数を乗じてモル比(TG比)を求める。
【0018】本発明において、TG比が1以下の粗脂肪
酸低級アルキルエステルは、蒸留精製工程によって硫黄
分を低減し、高級アルコール製造用原料として好適な脂
肪酸低級アルキルエステルとする。脂肪酸低級アルキル
エステル中の硫黄分の量は、例えばRosemount Analytic
al, Inc.製Dohrmann型低濃度硫黄分析器等により測定さ
れる。蒸留塔への粗脂肪酸低級アルキルエステルの供給
はバッチ式でも連続式でもよいが、生産効率の観点から
連続式が好ましい。粗脂肪酸低級アルキルエステルの組
成及び硫黄分に応じて蒸留の条件を制御することで、蒸
留して得られる脂肪酸低級アルキルエステル中の硫黄分
濃度は、数mg/kg以下にまで低減することができる。塔
底に残った残渣中には残りの硫黄分が濃縮される。
【0019】蒸留精製工程の塔底部においては、上述の
脂肪酸モノグリセリド及び脂肪酸ジグリセリドの逆反応
が進行する。蒸留精製前にTG比を1以下に抑えられた
粗脂肪酸低級アルキルエステルであっても、蒸留精製工
程において上記逆反応による脂肪酸低級アルキルエステ
ルのある程度のロスは避けられない。かくして蒸留残渣
中には未反応の脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセ
リド及び脂肪酸トリグリセリドもまた濃縮されることに
なる。
【0020】本発明においては、このような蒸留残渣の
一部又は全部を回収し、先のエステル交換反応工程に添
加することで、原料油脂と同時に残渣中未反応分をエス
テル交換反応させ、脂肪酸低級アルキルエステルの収量
を増加させることができる。残渣中に除去されたはずの
硫黄分もまた回収されてしまうので、これは一見無駄な
行為のようで、事実粗脂肪酸低級アルキルエステル中の
硫黄分濃度も上昇する。しかし驚くべきことに、これを
蒸留精製した脂肪酸低級アルキルエステルは硫黄分濃度
を残渣回収前同様に低く抑えることができる。
【0021】蒸留残渣を回収してエステル交換反応工程
に添加すると、蒸留される脂肪酸低級アルキルエステル
の量が増えるので、回収前と同じ量の脂肪酸低級アルキ
ルエステルを留出させる場合、残渣中に残す脂肪酸低級
アルキルエステルの量が増え、塔底部温度が下がって留
出する硫黄分は低減される。したがって、硫黄分濃度が
同じになる蒸留条件では脂肪酸低級アルキルエステルの
収量が増えるのである。
【0022】蒸留残渣回収の効果としては、回収前と同
じ硫黄分濃度の脂肪酸低級アルキルエステルを得る蒸留
条件では、回収前に比べて塔底部温度が低くなる。これ
は、脂肪酸低級アルキルエステル相当の蒸留物性を有す
る硫黄分が、残渣を回収することで粗脂肪酸低級アルキ
ルエステル中にある程度増えたためである。塔底部温度
が下がると、留出分に対する塔底残渣分の量が増加する
が、連続で蒸留を行う場合、残渣が増加することで塔底
部の滞留時間が短くなる。先に述べた残渣中未反応分の
脂肪酸トリグリセリドへの逆反応は、塔底部の温度及び
滞留時間によって促進される。残渣の回収を行った時の
蒸留条件は、これらをいずれも緩和する方向に変化し、
逆反応による脂肪酸低級アルキルエステルのロスが低減
されるのである。
【0023】油脂を原料として低級アルコールとのエス
テル交換反応により得た粗脂肪酸低級アルキルエステル
には、脂肪酸低級アルキルエステルや未反応グリセリ
ド、残留グリセリン及び低級アルコールの他に、脂肪酸
低級アルキルエステルとしては回収不可能な微量成分が
含まれている。例えばパーム油中にはカロテノイド、ス
クアレン、ステロール類、トコフェロール、トコトリエ
ノール等が知られている(加藤秋男編著「パーム油・パ
ーム核油の利用」幸書房刊)。これらの中には、蒸留残
渣としてエステル交換を経ても殆ど損失せずに濃縮され
ていくものがある。したがって蒸留残渣の全部を回収し
続けると、エステル交換反応工程における処理量が増え
続けることになる。定常的に安定した運転を行うために
は、蒸留残渣のうちの一部を回収せずに系外に抜き出し
続けることが望ましい。精製後の脂肪酸低級アルキルエ
ステル中の硫黄分濃度を一定にするような条件での、定
常状態における残渣の回収量及び系外への抜き出し量の
関係を、一例として図1に示す。蒸留残渣を回収するこ
とで系外への蒸留残渣の抜き出し量が減る、すなわち脂
肪酸低級アルキルエステルの収量が増えるが、回収する
割合を増やすに従い、抜き出し量の減り方は小さくなっ
ていくことがわかる。蒸留残渣の回収量はエステル交換
反応工程における処理量の増加を意味する。エステル交
換反応工程への容量負荷を抑えながら効果的に脂肪酸低
級アルキルエステルの収量を増やすには、効率の観点か
ら、蒸留残渣中、回収してエステル交換反応工程に添加
する割合が95質量%以下(但し、0質量%を除く)で
あることが望ましく、20〜90質量%であることが更
に望ましい。
【0024】蒸留精製工程において、留出する硫黄分を
抑えて硫黄分の少ない脂肪酸低級アルキルエステルを得
るためには、蒸留残渣中にある程度脂肪酸低級アルキル
エステルを残すことが好ましい。脂肪酸低級アルキルエ
ステルをほとんど全部留出させると、塔底部には脂肪酸
トリグリセリドを始めとする沸点の高い成分のみが濃縮
されることになり、塔底部温度は大きく上昇する。その
結果、塔頂側へ留出する硫黄分も大幅に増え、目的に適
った脂肪酸低級アルキルエステルは得られ難い。従っ
て、蒸留残渣中に15質量%以上の脂肪酸低級アルキル
エステルが含まれることが望ましく、20質量%以上含
まれることがさらに好ましい。尚、ある程度の脂肪酸低
級アルキルエステルが蒸留残渣中に残っていても、残渣
の一部又は全部が回収されてエステル交換反応工程に添
加されるので、残渣として系外に抜き出されてしまう脂
肪酸低級アルキルエステルの量は低く抑えることができ
る。
【0025】本発明の方法により製造される脂肪酸低級
アルキルエステルは、硫黄分濃度が数mg/kg以下と低
く、エステル還元触媒の存在下に水素で接触還元して高
級アルコールを製造するための原料として好適に用いる
ことができる。また上記高級アルコールの製造にあた
り、脱硫触媒によって脂肪酸低級アルキルエステルの硫
黄分を低減する場合にも、本発明の方法により製造され
た脂肪酸低級アルキルエステルを用いれば、上記エステ
ル還元触媒の活性寿命を維持する上で効果がある。
【0026】
【実施例】実施例中では、脂肪酸メチルエステルを化合
物としてとらえる場合には、(純分)という表記を行
う。
【0027】実施例1 原料油脂として精製ヤシ油4562g、触媒として水酸
化ナトリウム10%を含むメタノール溶液356g及び
低級アルコールとしてメタノール2130gを用い、5
0℃で1時間エステル交換反応を行った。その後、45
6gの水により水洗し、667Pa、45℃の条件で低
沸点分の蒸発除去を行って粗脂肪酸メチルエステルを得
た。この粗脂肪酸メチルエステル中のTG比は0であっ
た。
【0028】この粗脂肪酸メチルエステルを、塔頂圧4
00Pa、精留塔段数5、還流比0.5の条件で蒸留精
製を行い、96.5質量%を塔頂側へ留出させ、蒸留残
渣(初回は161gで、2回目以降は165g)のうち
100gを回収しエステル交換反応工程に添加した。そ
の後エステル交換反応及び蒸留精製を同様に繰り返し
て、1回の反応及び精製につき脂肪酸メチルエステル
(純分)4500gを得た。回収5回目の脂肪酸メチル
エステル中の硫黄分を、アンテック社製トレースレベル
全硫黄分析計7000TSにて測定した。結果を表1に示す。
【0029】実施例2 蒸留精製工程における留出分の割合が97.2質量%で
ある以外は実施例1と同様の操作により、1回の反応及
び精製につき脂肪酸メチルエステル(純分)4527g
を得た。
【0030】比較例1 蒸留精製工程における留出分の割合が98.7質量%で
あり、かつ蒸留精製工程において発生する蒸留残渣を回
収せず抜き出した点を除いて、実施例1と同様の操作に
より、1回の反応及び精製につき脂肪酸メチルエステル
(純分)4499gを得た。
【0031】比較例2 エステル交換反応工程の後に、水酸化ナトリウム10%
を含むメタノール溶液48gを加え、メタノールの蒸発
除去を行いながら反応させて未反応の脂肪酸モノグリセ
リドをジグリセリド及びトリグリセリドとし、かつ蒸留
精製工程における留出分の割合が96.0質量%である
以外は実施例1と同様の操作により、1回の反応及び精
製につき脂肪酸メチルエステル(純分)4495gを得
た。
【0032】実施例1〜2及び比較例1〜2の結果を表
1にまとめて示す。
【0033】
【表1】
【0034】上記結果から明らかなように、得られる脂
肪酸低級アルキルエステルの量が同じ場合で比べると、
本発明の実施例では硫黄分濃度の低い脂肪酸低級アルキ
ルエステルが得られる。また留分の脂肪酸低級アルキル
エステル中の硫黄分濃度が同じ場合で比べると、本発明
の実施例では脂肪酸低級アルキルエステルの収量が増え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 蒸留精製後の脂肪酸低級アルキルエステル中
の硫黄分濃度が一定の条件での、蒸留残渣のエステル交
換反応工程への回収量と系外への抜き出し量の関係を示
すグラフである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 AD11 BA02 BA29 BD40 BD52 KA03 4H039 CA66 CD40 4H059 BA12 BA30 BB02 BB03 BC03 BC13 CA18 CA36 EA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒存在下、油脂と炭素数1〜4のアル
    コールとをエステル交換反応させて、粗脂肪酸低級アル
    キルエステルとした後、蒸留精製して脂肪酸低級アルキ
    ルエステルを製造するに際し、蒸留精製前の粗脂肪酸低
    級アルキルエステル中の、式(I)で表されるTG比を
    1以下とし、かつ粗脂肪酸低級アルキルエステルの蒸留
    残渣の一部又は全部を回収してエステル交換反応工程に
    添加する脂肪酸低級アルキルエステルの製造法。 【数1】 (式中、nは粗脂肪酸低級アルキルエステル中モル比で
    最も多く含まれる構成脂肪酸の炭素数を示す。)
  2. 【請求項2】 回収する蒸留残渣の割合が、全蒸留残渣
    の95質量%以下(但し、0質量%を除く)である請求
    項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 脂肪酸低級アルキルエステルが、エステ
    ル還元触媒反応によるアルコール製造原料である請求項
    1又は2記載の製造法。
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