JP5313482B2 - 脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法に関するものである。具体的には、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造における原料の1つであるアルコール類の再利用に関するものである。
脂肪酸アルキルエステルは、動植物油脂から得られるものが食用として使用されているほかにも、化粧品または医薬品などの分野において広く用いられている。また、近年では、軽油などに添加する燃料用としての用途も注目されている。これはすなわち、二酸化炭素の排出削減の目的から開発が進められている動植物油脂由来のバイオディーゼル燃料であり、軽油などの代替として直接使用する燃料として、または軽油などに一定の比率で添加した燃料として使用する。また、グリセリンは、主として、ニトログリセリンの製造原料として用いられているほか、アルキド樹脂の原料、医薬品、食料品、印刷インキおよび化粧品などの幅広い分野において用いられている。
このような脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造方法としては、油脂の主成分であるトリグリセリドをアルコール類とエステル交換して製造する方法が知られている。油脂類とアルコール類とのエステル交換反応を用いた製造方法においては、一般的に、均一系アルカリ触媒を用いる方法が工業的に用いられている。また、最近では、均一系アルカリ触媒を用いる場合に必要となる触媒の分離除去を必要としない固体触媒も開発されている(例えば、特許文献1〜5参照)。さらに、特許文献6には、固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法について開示されている。
固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造では、その製造工程における煩雑な操作を不要とするだけでなく、均一系アルカリ触媒を用いる場合よりも反応において生じる排水および廃塩などの廃棄物を削減することができる。
しかし、一般的に、エステル交換反応は平衡反応である。したがって、均一系アルカリ触媒および固体触媒いずれの触媒を用いる場合であっても、エステル交換反応による生成物を高い収率で得ようとするためには、原料(一般的にはアルコール類)を過剰量使用する必要がある。
近年、環境への配慮および製造にかかるコスト削減の観点から、再生することによって再度利用可能な物質は、できる限り再利用することが望まれている。そのため、脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造においても、エステル交換反応において過剰量使用したアルコール類のうち、反応に用いられることなく残余した未反応のアルコール類を反応液中から分離精製することにより原料として再利用することが望まれている。例えば、特許文献7には、反応に使用されず、残余した未反応のアルコール類を加圧フラッシュによって反応液から留去した後、蒸留によりアルコール類として再生し、エステル交換反応の原料として再利用する方法について開示されている。
特開2005−200398号公報(平成17年7月28日公開) 特開2006−225352号公報(平成18年8月31日公開) 特開2005−177722号公報(平成17年7月7日公開) 特開平7−173103号公報(平成7年7月11日公開) 仏国特許公開第2752242号明細書 特開2005−206575号公報(平成17年8月4日公開) 米国特許公開第2004/0034244号明細書
しかし、脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造において、反応に使用されず、残余した未反応のアルコール類(以下、未反応アルコール類とも称する)を原料として再生するための処理は、非常に大量のエネルギーを必要とする。すなわち、そのエネルギーの産生自体にかかるコストおよびそのエネルギーを産生するための装置のコストが別途必要となる。したがって、脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造においては、アルコール類を再生し、再利用することによるコストの削減の効果を十分に得ることができていない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造において、製造に要するコストを削減することである。より具体的には、本発明は、脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造において、未反応アルコール類の再生におけるエネルギーコストを削減することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するために、固体触媒を用いたエステル交換反応が高温、高圧条件であることに着目した。そして、本発明者らは、鋭意検討した結果、エステル交換反応により得られる反応液から留去した未反応アルコール類の有する熱量を、未反応アルコール類からアルコール類に再生する際に必要なエネルギーとして利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、係る新たな知見に基づいて完成されたものであり、以下の発明を含む。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、上記課題を解決するために、油脂類とアルコール類とを固体触媒の存在下において反応させる第1の反応工程と、上記第1の反応工程において得られた反応液から、上記第1の反応工程において反応することなく残余した未反応アルコール類を留去する第1の精製工程と、上記未反応アルコール類の有する熱量のうちの少なくとも一部を利用して上記未反応アルコール類から上記アルコール類を再生する再生工程と、を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、油脂類とアルコール類とを固体触媒の存在下において反応させる第1の反応工程において得られた反応液から留去した未反応アルコール類の有する熱量のうちの少なくとも一部を、未反応アルコール類からアルコール類を再生する再生工程に利用している。
これによって、再生工程において必要なエネルギーの少なくとも一部を、反応系内において産生できる熱量から調達することができる。すなわち、反応系外において産生しなければならないエネルギー量を削減することができるため、固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造において、製造に要するコストを削減できる効果を奏する。
なお、本明細書等において「反応系」とは、アルコール類と油脂類とから脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンを製造する一連の工程を意味している。すなわち、「反応系内」とは、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンを製造する一連の工程内の工程であることを意味し、「反応系外」とは、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンを製造する一連の工程以外の工程であることを意味している。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、さらに、上記第1の精製工程では、互いに異なる少なくとも2段階の圧力を施すことが好ましい。
反応液から未反応アルコール類を留去するに際して互いに異なる少なくとも2段階の圧力を施すことによって、未反応アルコールの有する熱量を反応系内のエネルギー源として有効に利用することができる。したがって、固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法において、製造に要するコストをより一層削減することができる効果を奏する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、さらに、上記第1の精製工程における1段階目の圧力は、0.15〜1.5MPaの範囲内であることが好ましい。
第1の精製工程における1段階目の圧力を上記範囲内とすることによって、第1の反応工程において得られた反応液に含有される未反応アルコール類の大部分を反応液から留去することができる効果を奏する。また、留去した未反応アルコール類の凝縮熱を再生工程のエネルギー源として利用することができる効果を奏する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、さらに、上記第1の精製工程後の反応液を相分離することによって得られた上層に含有される油脂類と、アルコール類とを固体触媒の存在下において反応させる第2の反応工程と、上記第2の反応工程において得られた反応液から、上記第2の反応工程において反応することなく残余した未反応アルコール類を留去する第2の精製工程と、をさらに含み、上記再生工程では、上記第1の精製工程および上記第2の精製工程において得られた上記未反応アルコール類の有する熱量のうちの少なくとも一部を利用して上記未反応アルコール類から上記アルコール類を再生することが好ましい。
上記の構成によれば、第1の精製工程後の反応液を相分離することによって得られた上層に含有される油脂類と、アルコール類とを固体触媒の存在下において反応させる第2の反応工程において得られた反応液から留去した未反応アルコール類の有する熱量のうちの少なくとも一部を、再生工程に利用している。
これによって、再生工程において必要なエネルギー量のうち、反応系内において産生できる熱量から調達することができる割合をより一層増加することができる。すなわち、反応系外において産生しなければならないエネルギー量をより一層削減することができる。したがって、固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造において、製造に要するコストをより一層削減することができる効果を奏する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、さらに、上記第2の精製工程では、互いに異なる少なくとも2段階の圧力を施すことが好ましい。
反応液から未反応アルコール類を留去するに際して互いに異なる少なくとも2段階の圧力を施すことによって、未反応アルコールの有する熱量を反応系内のエネルギー源として有効に利用することができる。したがって、固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法において、製造に要するコストをより一層削減することができる効果を奏する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、さらに、上記第2の精製工程における1段階目の圧力は、0.15〜1.5MPaの範囲内であることが好ましい。
第2の精製工程における1段階目の圧力を上記範囲内とすることによって、第2の反応工程において得られた反応液に含有される未反応アルコール類の大部分を留去することができる効果を奏する。また、留去した未反応アルコール類の凝縮熱を再生工程におけるエネルギー源として利用することができる効果を奏する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、さらに、上記再生工程後のアルコール類に含有される当該アルコール類以外の物質は、上記再生工程後のアルコール類に含有される全成分のうちの1000ppm以下であることが好ましい。
アルコール類に含有される上記アルコール類以外の物質を上記範囲内とすることによって、再生したアルコール類をエステル交換反応における原料として好適に用いることができる効果を奏する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法では、油脂類とアルコール類とを固体触媒の存在下において反応させて得られた反応液から留去した未反応アルコール類の有する熱量の少なくとも一部をアルコール類の再生に利用している。
これによって、再生工程において必要なエネルギーの少なくとも一部を反応系内から調達することができるため、反応系外において産生する必要のあるエネルギー量を削減することができる。したがって、固体触媒を用いた脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造において、製造に要するコストを削減することができる効果を奏する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法における一実施形態について説明する。なお、本明細書等における「脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリン」とは、「脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの少なくともいずれか1つ」と同義である。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法は、主として、第1の反応工程、第1の精製工程、再生工程、第2の反応工程および第2の精製工程を含んでいる。これら各工程の詳細については、以下に説明する。
(脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造プロセス)
ここで、上述した各工程を含む脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造プロセスについて図1を参照して以下に説明する。図1は、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造装置を模式的に示した模式図である。
図1に示すように、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンを製造する製造装置1は、主として油脂類貯留槽2、アルコール類貯留槽3、廃棄物貯留槽4、脂肪酸アルキルエステル貯留槽5、グリセリン貯留槽6、第1反応器10、第1加圧フラッシュ塔11、第1常圧フラッシュ塔12、アルコール精製塔13、第1分離器14、第2反応器20、第2加圧フラッシュ塔21、第2常圧フラッシュ塔22、アルコール蒸留塔23、第2分離器24、熱交換器30、熱交換器31、およびそれらを繋ぐラインを備えている。
図1に示すように、アルコール類は、アルコール類貯留槽3から第1反応器10に供給され、油脂類は、油脂類貯留槽2から第1反応器10に供給される。このとき、油脂類およびアルコール類は、加熱および加圧された後、固体触媒の充填された第1反応器10に供給される。第1反応器10および第1反応器10における第1の反応工程については下記に詳述する。
第1反応器10を通過することによって得られた、脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンを含む反応液は、第1加圧フラッシュ塔11へと送られる。第1加圧フラッシュ塔11は、反応液から未反応アルコール類を留去し、留去された未反応アルコール類は熱交換器30へと送られる。また、未反応アルコール類を留去した反応液は、第1常圧フラッシュ塔12に供給される。第1常圧フラッシュ塔12は、反応液に含有される未反応アルコール類を再度留去し、留去された未反応アルコール類は、アルコール精製塔13に供給される。また、第1常圧フラッシュ塔11において、未反応アルコール類を留去した反応液は、第1分離器14に供給される。第1加圧フラッシュ塔11および第1常圧フラッシュ塔12における第1の精製工程の詳細については下記に詳述する。
続いて、熱交換器30は送られてきた未反応アルコール類の有する熱量を回収し、熱量を回収された未反応アルコール類はアルコール精製塔13に供給される。アルコール精製塔13は、熱交換器30において未反応アルコール類から回収した熱量を利用して、未反応アルコール類からアルコール類を再生する。再生されたアルコール類は、アルコール類貯留槽3へ送られ、再度原料として使用される。また、未反応アルコール類に含有されていたアルコール類以外の物質(廃棄物)は、装置外へと排出され、廃棄物貯留槽4に貯留される。熱交換器30およびアルコール精製塔13、ならびにアルコール精製塔13における再生工程については下記に詳述する。
一方、未反応アルコール類を留去した反応液を供給された第1分離器14は、供給された反応液を脂肪酸アルキルエステル相(上層)とグリセリン相(下層)とに相分離する。上層の脂肪酸アルキルエステル相は、アルコール類貯留槽3から供給されたアルコール類と混合され、第2反応器20に供給される。これによって、脂肪酸アルキルエステル相に含有されている未反応の油脂類を完全に反応させる。第2反応器20および第2反応器20における第2の反応工程については下記に詳述する。
第2反応器20を通過することによって得られた、脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンを含む反応液は、第2加圧フラッシュ塔21へと送られる。第2加圧フラッシュ塔21は、反応液から未反応アルコール類を留去し、留去された未反応アルコール類は、熱交換器31へと送られる。また、未反応アルコール類を留去された反応液は、第2常圧フラッシュ塔22に供給される。第2常圧フラッシュ塔22は、反応液に含有される未反応アルコール類を再度留去し、留去された未反応アルコール類は、アルコール類貯留槽3へと送られ、原料として再度利用される。また、第2常圧フラッシュ塔22において、未反応アルコール類を留去した反応液は、アルコール蒸留塔23に供給される。なお、第1分離器14において分離された下層であるグリセリン相もまた、アルコール蒸留塔23に供給される。第2加圧フラッシュ塔21および第2常圧フラッシュ塔22における第2の精製工程の詳細については下記に詳述する。
続いて、熱交換器31は送られてきた未反応アルコール類の有する熱量を回収し、熱量を回収された未反応アルコール類はアルコール類貯留槽3へと送られる。一方、未反応アルコール類を留去した反応液および第1分離器14において分離したグリセリンの供給されたアルコール蒸留塔23は、供給された反応液およびグリセリンに含有されている未反応アルコール類をさらに留去する。留去された未反応アルコール類は、アルコール精製塔13へと供給され、アルコール類として再生される。
アルコール蒸留塔23において未反応アルコール類を留去された反応液は、第2分離器24に供給される。第2分離器24は、供給された反応液を脂肪酸アルキルエステル相(上層)とグリセリン相(下層)とに相分離する。そして、上層である脂肪酸アルキルエステル相は脂肪酸アルキルエステル貯留槽5へと送られ、下層であるグリセリン相はグリセリン貯留槽6へと送られる。
なお、「反応系」における一連の工程とは、上述した一連の処理工程全体を指している。すなわち、上述した処理工程以外の処理工程は、全て「反応系外」であることを意味している。
(第1の反応工程および第2の反応工程の詳細)
次に、第1の反応工程および第2の反応工程の詳細について説明する。第1の反応工程および第2の反応工程は、いずれも油脂類およびアルコール類を混合し、固体触媒存在下においてエステル交換反応させることにより脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンを生成する工程である。
エステル交換反応では、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンとを同時に得ることができるため、化学原料として各種の用途に有用である精製されたグリセリンおよびバイオディーゼル燃料用に有用である脂肪酸アルキルエステルを工業的に簡便に得ることができる。ここで、本発明において好適に用いることができる、固体触媒、アルコール類および油脂類については下記にて詳述する。
第1反応器10および第2反応器20における油脂類およびアルコール類の混合溶液の温度、すなわち反応温度は、100〜300℃の範囲内であることが好ましく、120〜270℃の範囲内であることがより好ましく、150〜235℃の範囲内であることがさらに好ましい。反応温度を上記範囲内とすることによって、反応速度を十分に向上し、かつアルコール類の分解を十分に抑制することができる。
第1反応器10および第2反応器20における圧力、すなわち反応圧力は、0.1〜10MPaの範囲内であることが好ましく、0.2〜9MPaの範囲内であることがより好ましく、0.3〜8MPaの範囲内であることがさらに好ましい。反応圧力を上記範囲内とすることによって、反応速度を十分に向上し、かつ副反応を十分に抑制することができる。なお、反応圧力が10MPaを超える場合には、高圧に耐えうる特殊な装置が必要となるため、設備費などのコストが余分にかかることとなる。
また、第1反応器10および第2反応器20に供給されるアルコール類および油脂類の供給量は、油脂類の供給量に対するアルコール類の供給量を理論必要量の1〜30倍の範囲内とすることが好ましく、1.2〜20倍の範囲内とすることがより好ましく、1.5〜15倍の範囲内とすることがさらに好ましく、2〜10倍の範囲内とすることがさらに一層好ましい。油脂類の供給量に対するアルコール類の供給量を上記範囲内とすることによって、油脂類とアルコール類とを十分に反応させることができ、油脂類の転化率を十分に向上させることができる。また、第1の精製工程または第2の精製工程におけるアルコール類の回収量および、アルコール精製塔13またはアルコール類蒸留塔23にかかるユーティリティコストを低減することができるため、製造コストを低減することができる。
なお、本明細書等におけるアルコールの理論必要量とは、油脂類のけん化価に対応するアルコールのモル数を指しており、下記式によって算出することができる。
アルコールの理論必要量(g)=アルコールの分子量×[油脂の使用量(g)×けん化価(mg(KOH)/g(油脂))/56100]。
第1反応器10および第2反応器20の形態は、バッチ式および固定床流通式のいずれであってもよいが、固定床流通式であることが好ましい。第1反応器10および第2反応器20を固体触媒を充填した固定床反応装置とすることによって、触媒を分離する工程を不要とすることができる。これによって、煩雑な作業工程を省くことができるため、工業的な製造を容易なものとすることができる。第1反応器10および第2反応器20を固定床反応装置とする場合、およびバッチ式の反応槽とする場合における反応時間等の条件は従来公知の条件を用いることができる。
なお、油脂類が不純物としてリン脂質やタンパク質などの不純物を含む場合には、鉱酸を添加して、不純物を除去する脱ガム処理を行うための脱ガム用反応槽を設けてもよい。脱ガム用反応槽は、第1反応器10の前に設置することが好ましく、油脂類とアルコール類と混合する前であることがより好ましい。
(第1の精製工程および第2の精製工程の詳細)
続いて、第1の精製工程および第2の精製工程の詳細について説明する。第1の精製工程および第2の精製工程は、それぞれ第1の反応工程および第2の反応工程において得られた反応液から未反応アルコールを留去する工程である。
第1の精製工程および第2の精製工程は、互いに異なる少なくとも2段階の圧力により行われることが好ましい。図1を参照すれば、1段階目の精製が、第1加圧フラッシュ塔11または第2加圧フラッシュ塔21における精製となり、2段階目の精製が、第1常圧フラッシュ塔12および第2常圧フラッシュ塔22における精製となる。
第1の精製工程および第2の精製工程における1段階目の精製、すなわち、第1加圧フラッシュ塔11または第2加圧フラッシュ塔21における圧力は、0.15〜1.5MPaの範囲内であることが好ましく、0.20〜1.0MPaの範囲内であることがより好ましい。また、第1常圧フラッシュ塔12または第2常圧フラッシュ塔22における圧力は、常圧であることが好ましい。
なお、本明細書等における「常圧」とは、0.095〜0.105MPaの範囲内であることを意味している。
第1の精製工程および第2の精製工程における1段階目の圧力が上記範囲内であれば、反応液中に含まれる未反応アルコール類を十分に留去することができる。また、第1の精製工程および第2の精製工程における1段階目の圧力が上記範囲内であれば、沸点(常圧)より高い温度で未反応アルコール類を回収することができる。それによって、未反応アルコール類の凝縮熱を再生工程において利用することができる。
本実施形態では、第1の精製工程および第2の精製工程を2段階の精製としているが、これに限定されるものではなく、1段階であってもよいし、また3段階以上であってもよい。
しかし、未反応アルコール類の有する熱量を反応系内のエネルギー源として有効に利用することができる点から、第1の精製工程および第2の精製工程は2段階以上であることが好ましい。例えば、第1の精製工程および第2の精製工程が2段階である場合、常圧フラッシュ塔12および/または常圧フラッシュ塔22において留去した未反応アルコールの有する熱量を、油脂類および/またはアルコール類の昇温のためのエネルギー源として利用することができる。
また、第1の精製工程および/または第2の精製工程が加圧フラッシュ塔の1段階である場合には、ボトムから抜き出される重質液に含まれるアルコールの量が多くなり、次の工程である相分離工程での分離効率が悪くなるおそれがある。具体的には、グリセリン相に対して脂肪酸アルキルエステルおよび/またはモノグリセリド類が分配し、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの収率および純度が低下するおそれがある。
なお、図1では第1の加圧フラッシュ塔11および第2の加圧フラッシュ塔21において留去した未反応アルコール類の有する熱量を再生工程に用いているが、もちろんこれに限定されるものではなく、第1の加圧フラッシュ塔11または第2の加圧フラッシュ塔21のいずれかの加圧フラッシュ塔で留去した未反応アルコール類の有する熱量のみを再生工程において用いてもよい。
また、第1加圧フラッシュ塔11、第2加圧フラッシュ塔21、第1常圧フラッシュ塔12および第2常圧フラッシュ塔22は、従来公知のフラッシュ塔を用いることができる。
(再生工程の詳細)
最後に、再生工程の詳細について説明する。再生工程は、アルコール精製塔13において行われる工程であり、未反応アルコール類から反応工程における原料として再度用いることができるアルコール類を精製する工程である。なお、本明細書等において「再生」とは、未反応アルコール類を反応工程において原料として用いることができるアルコール類として精製することを意味している。
より具体的には、再生工程において用いるアルコール精製塔13には、その下部(ボトム)に熱交換器30および31が備えられており、熱交換器30および31において回収したエネルギーを利用して未反応アルコール類を蒸留することにより、アルコール類を精製する。
未反応アルコール類中に含有されるアルコール類以外の物質(廃棄物)は、主として水である。再生するアルコール類が水よりも沸点の低い場合、再生したアルコール類は、アルコール精製塔13の上部からガスとして得られ、アルコール類よりも沸点の高い水などの廃棄物は、アルコール精製塔13の下部から取り出され、廃棄物貯留槽4へと送られる。なお、再生するアルコール類が水よりも沸点の高い場合には、再生したアルコール類は、アルコール精製塔13の下部から取り出され、アルコール類よりも低い廃棄物は、アルコール精製塔13の上部からガスとして除去される。
なお、再生工程において精製されたアルコール類を原料として再利用する場合、アルコール類に含まれる水分濃度は、1000ppm以下であることが好ましく、700ppm以下であることがより好ましく、500ppm以下であることがさらに好ましい。これは、アルコール類中に水分が含まれていると、反応工程において脂肪酸アルキルエステルの加水分解反応が進行し、脂肪酸アルキルエステルの収率が低下するためである。また、アルコール類に含まれる水分濃度を上記の範囲内とすることによって、脂肪酸アルキルエステルの加水分解により生じる脂肪酸による触媒性能の低下および活性成分の溶出の抑制を制御することができ、長期間にわたり触媒を使用することが可能となる。
熱交換器30および31は、特に限定されるものではないが、第1精製工程および第2精製工程において得られる未反応アルコール類が気体(ガス状)であるため、熱交換器30および31として、気液接触による熱交換器を用いることが好ましい。すなわち、第1精製工程および第2精製工程において得られる未反応アルコール類を凝縮する際の熱を熱交換器30または31において回収し、アルコール精製塔13における熱源として利用することが好ましい。
より具体的には、熱交換器30および31は、第1精製工程および第2精製工程において気体として得られた未反応アルコール類と、精製を行う液体の未反応アルコール類とを接触させることにより、気体の未反応アルコール類から熱量を回収する。そして、気体の未反応アルコール類から回収した熱量を液体の未反応アルコール類の精製におけるエネルギーとして、すなわち再生工程におけるエネルギーとして利用する。なお、熱量を回収され、気体から液体へと変化した未反応アルコール類は、アルコール精製塔13に供給され、再生される未反応アルコールとなってもよい。
また、気体の未反応アルコール類を接触させる液体は、精製する液体の未反応アルコール類に限定されるものではなく、他の液体であってもよい。
(付記事項)
第1分離器14および第2分離器24は従来公知の分離器を用いることができ、また第1分離器14および第2分離器24における相分離は、従来公知の方法を用いて行うことができる。なお、第1分離器14および第2分離器24において、より一層純度の高い脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンを得る場合には、第1分離器14および第2分離器24の後にさらに精製塔を設けてもよい。
また、アルコール蒸留塔23は従来公知の蒸留塔を用いることができ、またアルコール蒸留塔23におけるアルコール類の精製もまた従来公知の方法を用いることができる。なお、第1の精製工程または第2の精製工程において得られる熱量の一部をアルコール蒸留塔23におけるエネルギー源として利用してもよい。
(固体触媒、アルコール類および油脂類)
ここで、本発明において好適に用いることができる固体触媒、アルコール類および油脂類について説明する。
(固体触媒)
本発明に好適に用いることができる固体触媒は、エステル交換反応において、原料および生成物などが含まれる反応液にほとんど溶解することなく、触媒作用を有する化合物であり、原料である油脂類およびアルコール類ならびに生成物である脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンなどが含まれる反応液に不溶である不溶性の固体触媒であることが好ましい。本明細書等における固体触媒の「不溶性」とは、エステル交換反応後の反応液において、活性成分(例えば、活性金属成分)が1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、より好ましくは600ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、最も好ましくは分析装置で検出されないことを意味している。なお、反応液における不溶性固体触媒の活性成分の濃度(溶出量)は、蛍光X線分析法(XRF)を用いて測定することができる。蛍光X線分析法では、反応後の反応液を、溶液状態のまま用いることができる。また、より微小量の溶出量を測定する場合には、高周波誘導プラズマ(ICP)発光分析法により測定してもよい。
本発明において好適に用いることができる固体触媒としては、油脂類とアルコール類とのエステル交換反応後に反応系から容易に除去できることが好ましい。また、固体触媒は、油脂類中に含まれる遊離脂肪酸のエステル化反応に対して活性を持つ触媒、すなわち油脂類中に含まれるグリセリドのエステル交換反応と遊離脂肪酸のエステル化反応の両反応に対して活性を持つ触媒であることが好ましい。これによって、原料である油脂類が遊離脂肪酸を含んでいても、エステル交換反応とエステル化反応とを同時に行うことができる。これによって、エステル交換反応とは別にエステル化反応を行うことなく、脂肪酸アルキルエステルの収率を向上させることができる。
本発明に好適に用いることができる固体触媒として、具体的には、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム含有化合物、ケイ素含有化合物、チタン含有化合物、バナジウム含有化合物、クロム含有化合物、マンガン含有化合物、鉄含有化合物、コバルト含有化合物、ニッケル含有化合物、銅含有化合物、亜鉛含有化合物、ジルコニウム含有化合物、ニオブ含有化合物、モリブデン含有化合物、スズ含有化合物、希土類含有化合物、タングステン含有化合物、鉛含有化合物、ビスマス含有化合物、またはイオン交換樹脂であることが好ましい。
上記化合物としては、上記必須成分を有する限り特に限定されないが、例えば、単一、混合または複合酸化物、硫酸塩、リン酸塩、シアン化物、ハロゲン化物、錯体などの形態であること好ましい。これらの中でも、単一、混合または複合酸化物もしくはシアン化物であることがより好ましく、具体的には、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、マンガン酸化物、亜鉛酸化物、ジルコニウム酸化物、およびこれらもしくは他の金属との混合および/または複合酸化物、シアン化亜鉛、シアン化鉄、シアン化コバルト、およびこれらもしくは他の金属との混合および/または複合シアン化物などを挙げることができる。なお、これらの形態のものを担体上に坦持または固定化した形態であってもよく、担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、各種ゼオライト、活性炭、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化すず、酸化鉛などを挙げることができる。
また、イオン交換樹脂としては、アニオン交換樹脂などを挙げることができる。アニオン交換樹脂の具体例としては、強塩基性アニオン樹脂、弱塩基性アニオン樹脂などを挙げることができ、アニオン交換樹脂を架橋度または多孔度から分類した場合には、ゲル型、ポーラス型およびハイポーラス型などを挙げることができる。
(油脂類)
本発明において好適に用いることができる油脂類は、グリセリンの脂肪酸エステルを含有するものであって、アルコールと共に脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの原料となるものであればよく、一般的に「油脂」と呼ばれる、グリセリンの脂肪酸エステルを含有するものであれば特に限定されるものではない。通常は、トリグリセリド(グリセリンと高級脂肪酸とのトリエステル)を主成分として、ジグリセリド、モノグリセリド、遊離脂肪酸およびその他の副成分を少量含有する油脂を用いることが好ましいが、トリオレインまたはトリパルミチンなどのグリセリンの脂肪酸エステルを用いてもよい。
このような油脂の具体例としては、ココナツ油、ナタネ油、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ベニバナ油、アマニ油、綿実油、キリ油およびヒマシ油などの植物油脂、牛脂、豚油、魚油および鯨脂などの動物油脂、ならびに各種食用油の使用済み油(廃食油)などを挙げることができる。なお、これらの油脂は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、上述の油脂類が、不純物としてリン脂質やタンパク質などの不純物を含む場合、硫酸、硝酸、リン酸またはホウ酸などの鉱酸を添加して、不純物を除去することが好ましい。本発明の脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法では、鉱酸による反応阻害を受けにくいものを触媒として用いれば、油脂類に鉱酸が含まれていても、脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンを効率よく製造することができるため、より好ましい。
(アルコール類)
本発明に好適に用いることができるアルコール類は、バイオディーゼル燃料の製造を目的にする場合には、アルコール類として、炭素数1〜6のアルコール類を用いることが好ましく、炭素数1〜3のアルコール類を用いることがより好ましい。炭素数1〜6のアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび2−ヘキサノールなどを挙げることができる。これらの中でも、メタノールまたはエタノールであることが好ましい。また、これらのアルコール類は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法においては、油脂類、アルコール類および固体触媒以外のその他の微量成分が存在してもよい。
なお、本明細書等における「アルコール類」とは、炭化水素の水素原子をヒドロキシル基によって置換した形の化合物の総称を意味している。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例を示し、本発明の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な様態が可能である。
〔実施例1〕
本実施例では、反応原料としてパーム油(油脂類)とメタノール(アルコール類)とを使用した。パーム油は、リン酸を添加することによって、パーム油に含有されているタンパク質およびリン脂質をあらかじめ沈殿除去した脱ガムパーム油を使用した。なお、用いたパーム油における遊離脂肪酸含有率は、5.1質量%であり、水分量は0.06質量%であった。
なお、製造した脂肪酸メチルエステル(脂肪酸アルキルエステル)およびグリセリンの収率は以下のように算出した。
脂肪酸メチルエステルの収率=(第2の第2分離器24から抜き出された上層(エステル相)における脂肪酸アルキルエステルのモル数)/(第1の反応器10の入口のトリグリセリドのモル数×3+ジグリセリドのモル数×2+モノグリセリドのモル数)。
グリセリンの収率=(第2の第2分離器24から抜き出された下層(グリセリン相)におけるグリセリンのモル数)/(第1の反応器10の入口のグリセリド類のモル数の和)。
(触媒調整)
本実施例において用いた固体触媒について以下に示す。炭酸マンガン(30部)、アナターゼ型酸化チタン(19部)、およびアルキルセルロース(信越化学工業株式会社製メトローズ90SH−15000;1部)をよく混合した。混合した粉体に、19部の水を数回に分けて均一に加え、さらによく混合した後、湿式押出造粒機(不二パウダル株式会社製、ドームグランDG−L1)にて、直径0.4mmの孔から押出した。押出したものを、120℃で一昼夜乾燥させ、微粉砕装置(不二パウダル株式会社製、サンプルミル)にて、長さ5cm程度にせん断し、空気雰囲気下1000℃で5時間焼成して触媒MnTiOを得た。
(脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造)
図1に示した製造装置を用いて、脂肪酸メチルエステルおよびグリセリンを製造した。具体的な製造方法について、以下に説明する。精密高圧定量ポンプを用いてパーム油(2.5kg/h)とメタノール(2.5kg/h)とを連続的に流通させ、熱交換器を用いて200℃、5MPaに昇温・昇圧した。これらの液をミキサーで混合し、第1反応器10の上部より下向きに連続的に流通させた。反応前後のマテリアルバランスを表1に示した。第1反応器10において得られた反応液を第1加圧フラッシュ塔11へ供給した。第1加圧フラッシュ塔11の圧力は、0.35MPaとした。次いで、第1加圧フラッシュ塔11のボトムから連続的に抜き出された重質液を第1常圧フラッシュ塔12へ供給した。
第1の加圧フラッシュ塔11の塔頂から連続的に抜き出された未反応メタノール(1.72kg/h)は、熱交換器30へ供給され、熱交換器30おいて熱量を回収した後、アルコール精製塔13へ供給した。
また、第1常圧フラッシュ塔12の塔頂から連続的に抜き出された未反応メタノール(0.25kg/h)は、第1の反応工程に用いられるメタノールの昇温を行う熱交換器へ供給し、熱量を回収した後、アルコール精製塔13に供給した。
第1の常圧フラッシュ塔12のボトムから抜き出された重質液は、第1の反応工程に用いられるパーム油の昇温を行う熱交換器へ供給し、熱交換器において熱量を回収した後、第1分離器14へ供給し、相分離した。第1分離器14から抜き出された上層(脂肪酸アルキルエステル相)には、脂肪酸メチルエステルが87.1%、トリグリセリドが2.4%、ジグリセリドが1.1%、モノグリセリドが3.5%、およびメタノールが5.4%含有されており、下層(グリセリン相)には、グリセリンが58.2%、脂肪酸メチルエステルが0.3%、モノグリセリドが0.4%、およびメタノールが41.1%含有されていた。
続いて、第1分離器14から抜き出された上層(脂肪酸アルキルエステル相)(2.67kg/h)とメタノール(2.36kg/h)とを熱交換器を用いて200℃、5MPaに昇温・昇圧した。これらの液をミキサーで混合し、第2の反応器20の上部より下向きに連続的に流通させた。反応前後のマテリアルバランスを表1に示した。
第2の反応器20において得られた反応液を第2加圧フラッシュ塔21へ供給した。このときの第2加圧フラッシュ塔21の圧力は、0.35MPaとした。次いで、第2加圧フラッシュ塔21のボトムから連続的に抜き出された重質液を第2常圧フラッシュ塔22へ供給した。
第2加圧フラッシュ21の塔頂から連続的に抜き出された未反応メタノール(1.85kg/h)は、熱交換器31へ供給し、熱交換器31において熱量を回収した。さらに、第2反応工程に用いられるメタノールの昇温を行う熱交換器へ供給し、熱交換器において熱量を回収したのち、アルコール類貯留槽3へ供給した。
次に、第2常圧フラッシュ塔22のボトムから抜き出された重質液と第1分離器14から抜き出された下層(グリセリン相)とを混合し、アルコール蒸留塔23へ供給した。アルコール蒸留塔23としては、薄膜蒸発装置を用いた。このときの圧力は、0.034MPa、リボイラーの温度は175℃とした。アルコール蒸留塔23の塔頂から抜き出された未反応メタノールは、アルコール精製塔13へ供給した。
アルコール蒸留塔23のボトムから抜き出された重質液は、第2反応工程に用いられる反応液(すなわち、第1分離器14から抜き出された上層)の昇温を行う熱交換器へ供給し、熱交換器において熱量を回収した後、第2分離器24へ供給し、相分離した。第2分離器24から抜き出された上層(脂肪酸アルキルエステル相)には、脂肪酸アルキルエステルが99.4%、トリグリセリドが0.10%、ジグリセリドが0.06%、モノグリセリドが0.41%、およびメタノールが0.05%含有されており、下層(グリセリン相)には、グリセリンが99.7%、およびメタノールが0.3%含有されていた。
実施例1における脂肪酸アルキルエステルの収率は99.5%であり、グリセリンの収率は98.9%であった。
次に、第1加圧フラッシュ塔11、第1常圧フラッシュ塔12およびアルコール蒸留塔23それぞれの塔頂から抜き出された未反応メタノールをアルコール精製塔13において再生した。ここで、本実施例において、アルコール精製塔13は15段の蒸留塔とし、還流比が0.25、ボトム操作温度は74℃、操作圧力は常圧とした。アルコール精製塔13において要する熱量は、第1加圧フラッシュ塔11および第2加圧フラッシュ塔21の塔頂から抜き出された未反応メタノールの有する熱量で全量賄うことができた。なお、アルコール精製塔13の塔頂からは含水率200ppmのメタノールが得られ、これは反応原料として再利用することができた。各工程において要した熱量を表2に示す。
Figure 0005313482
Figure 0005313482
〔比較例1〕
熱量の回収を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、各工程において要した熱量は、上記の表2に示した。
〔実施例2〕
第1加圧フラッシュ塔11および第1常圧フラッシュ塔12の塔頂から連続的に抜き出された未反応メタノールは、実施例1と同様の操作で熱量を回収した後、アルコール貯留槽3に供給した。
また、第2加圧フラッシュ塔21および第2常圧フラッシュ塔22の塔頂から連続的に抜き出された未反応メタノールは、実施例1と同様の操作で熱量を回収した後、アルコール精製塔13に供給した。
上記した操作以外は、実施例1と同様の方法によって、脂肪酸メチルエステルおよびグリセリンを製造した。なお、実施例2において、アルコール精製塔13の還流比は0.16、ボトムの操作温度は80℃、操作圧は常圧とした。
実施例2において、アルコール精製塔13において要する熱量は、第1加圧フラッシュ塔11および第2加圧フラッシュ塔21の塔頂から抜きだされた未反応メタノールの有する熱量で全量賄うことができた。また、アルコール精製塔13の塔頂から含水率470ppmのメタノールが得られ、これは反応原料として再利用することができた。
〔実施例3〕
第1常圧フラッシュ塔12を使用せず、第1加圧フラッシュ塔11のボトムから抜き出された重質液を第1分離装置14へ供給した。このとき、圧力は0.25MPaとした。
また、第2常圧フラッシュ塔22を使用せず、第2加圧フラッシュ塔21のボトムから抜き出された重質液をアルコール蒸留塔23へ供給した。このとき、圧力は圧力は0.25MPaとした。
さらに、第1加圧フラッシュ塔11およびアルコール蒸留塔23それぞれの塔頂から抜き出された未反応メタノールをアルコール精製塔13に供給した。
上記した操作以外は、実施例1と同様の方法により脂肪酸メチルエステルおよびグリセリンを製造した。なお、実施例3において、アルコール精製塔13の還流比は0.29、ボトム操作温度は83℃、操作圧は常圧とした。
実施例3における脂肪酸メチルエステルの純度は、99.3%であり、その他の物質として、トリグリセリドが0.90%、ジグリセリドが0.06%、モノグリセリドが0.50%、メタノールが0.05%含有されていた。
実施例3において、アルコール精製塔13において要する熱量は、第1加圧フラッシュ塔11および第2加圧フラッシュ塔21の塔頂から抜きだされた未反応メタノールの有する熱量で全量賄うことができた。また、アルコール精製塔13の塔頂から含水率370ppmのメタノールが得られ、これは反応原料として再利用することができた。なお、各工程において要した熱量は、上記の表2に示した。
〔比較例2〕
第1加圧フラッシュ塔11を使用せず、第1常圧フラッシュ塔12のボトムから抜き出された重質液を第1分離装置14へ供給した。
また、第2加圧フラッシュ塔21を使用せず、第2反応器20において得られた反応液は、第2常圧フラッシュ塔22へ供給した。第1常圧フラッシュ塔12および第2常圧フラッシュ塔21の塔頂から連続的に抜き出された未反応メタノールは、それぞれ、熱交換器30および31に供給し、熱量を回収した。
さらに、第1常圧フラッシュ塔12およびアルコール蒸留塔23それぞれの塔頂から抜き出された未反応メタノールをアルコール精製塔13へ供給した。
上記した操作以外は、実施例1と同様の方法により脂肪酸メチルエステルおよびグリセリンを製造した。
第1常圧フラッシュ塔12および第2常圧フラッシュ塔22の塔頂から連続的に抜き出された未反応メタノールの凝縮温度は、64℃であり、アルコール精製塔13のボトム温度は54℃までしか上昇しなかった。すなわち、アルコール精製塔13においてアルコールを再生することができなかった。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルおよびグリセリンの製造方法によれば、バイオディーゼル燃料などに用いる脂肪酸アルキルエステルおよびニトログリセリンなどの原料として用いることができるグリセリンを環境にやさしく、安価にかつ工業的に生産することができる。
脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造装置を模式的に示した模式図である。
符号の説明
1 製造装置
2 油脂類貯留槽
3 アルコール類貯留槽
4 廃棄物貯留槽
5 脂肪酸アルキルエステル貯留槽
6 グリセリン貯留槽
10 第1反応器
11 第1加圧フラッシュ塔
12 第1常圧フラッシュ塔
13 アルコール精製塔
14 第1分離器
20 第2反応器
21 第2加圧フラッシュ塔
22 第2常圧フラッシュ塔
23 アルコール蒸留塔
24 第2分離器
30、31 熱交換器

Claims (7)

  1. 油脂類とアルコール類とを固体触媒の存在下において反応させる第1の反応工程と、
    上記第1の反応工程において得られた反応液から、上記第1の反応工程において反応することなく残余した未反応アルコール類を留去する第1の精製工程と、
    上記未反応アルコール類の有する熱量のうちの少なくとも一部を熱交換器によって回収し、回収した当該熱量を利用して上記未反応アルコール類から上記アルコール類を再生する再生工程と、を含むことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法。
  2. 上記第1の精製工程では、互いに異なる少なくとも2段階の圧力を施すことを特徴とする請求項1に記載の脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法。
  3. 上記第1の精製工程における1段階目の圧力は、0.15〜1.5MPaの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法。
  4. 上記第1の精製工程後の反応液を相分離することによって得られた上層に含有されている油脂類と、アルコール類とを固体触媒の存在下において反応させる第2の反応工程と、
    上記第2の反応工程において得られた反応液から、上記第2の反応工程において反応することなく残余した未反応アルコール類を留去する第2の精製工程と、をさらに含み、
    上記再生工程では、上記第1の精製工程および上記第2の精製工程において留去された上記未反応アルコール類の有する熱量のうちの少なくとも一部を熱交換器によって回収し、回収した当該熱量を利用して上記未反応アルコール類から上記アルコール類を再生することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法。
  5. 上記第2の精製工程では、互いに異なる少なくとも2段階の圧力を施すことを特徴とする請求項4に記載の脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法。
  6. 上記第2の精製工程における1段階目の圧力は、0.15〜1.5MPaの範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法。
  7. 上記再生工程後のアルコール類に含有される当該アルコール類以外の物質は、上記再生工程後のアルコール類に含有される全成分のうちの1000ppm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の脂肪酸アルキルエステルおよび/またはグリセリンの製造方法。
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